JP3279690B2 - 光散乱導光体及び光散乱導光光源装置 - Google Patents

光散乱導光体及び光散乱導光光源装置

Info

Publication number
JP3279690B2
JP3279690B2 JP35507392A JP35507392A JP3279690B2 JP 3279690 B2 JP3279690 B2 JP 3279690B2 JP 35507392 A JP35507392 A JP 35507392A JP 35507392 A JP35507392 A JP 35507392A JP 3279690 B2 JP3279690 B2 JP 3279690B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
scattering
scattered
surface area
light guide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP35507392A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06186560A (ja
Inventor
康博 小池
Original Assignee
康博 小池
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 康博 小池 filed Critical 康博 小池
Priority to JP35507392A priority Critical patent/JP3279690B2/ja
Publication of JPH06186560A publication Critical patent/JPH06186560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3279690B2 publication Critical patent/JP3279690B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光源要素から発せられ
た光を受け入れて導光しながら散乱光を周囲に向けて出
射し得る光散乱導光体並びに光散乱導光体と光源要素を
組み合わせた光散乱導光光源装置に関する。更に詳しく
言えば、本発明は、液晶表示装置(LCD)のバックラ
イト光源等に適用して特に有用な、散乱出射光強度の角
度特性が調整された光散乱導光体並びに光散乱導光体と
光源要素の配置関係に工夫を加えることによって、明る
く均一な散乱出射光を取出表面領域の大小に拘らず容易
に得ることの出来る光散乱導光光源装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、散乱現象を利用して光を所望の
方向に向け出射させる型の光学要素あるいは装置として
種々のものが公知となっており、液晶表示装置のバック
ライト光源等の用途に使われている。これら公知の光学
要素あるいは装置の1つの類型は、延在した板状の透明
材料の側方より光を入射させ、一方の面側に反射要素を
配し、他方の表面付近に光拡散性を与えて光出射面とす
る面状光源を構成し、液晶表示装置のバックライト光源
等として使用するものである。例えば、特開昭62―2
35905号公報、特開昭63―63083号公報、特
開平2―13925号公報及び特開平2―245787
号公報に記載されたものがこれに当る。
【0003】これら光散乱導光装置を用いた面状光源に
おいては、光散乱が透明体の内部で体積的に生起されて
おらず、透明体の表面付近あるいは反射要素における乱
反射や鏡面反射を利用して光出射方向に拡がりを持たせ
ているのみなので、光散乱導光装置から取り出せる散乱
光の割合を十分に上げるには原理的な困難があった。
【0004】また、側方から光を入射させて均一な照度
を有する面状光源を得ようとした場合、上記各公知文献
に示された例からも容易に理解されるように、反射要素
の反射能等になんらかの勾配を持たせなければならず、
光散乱導光体装置部分の構造が複雑かつ大型のものとな
り、製造コストも高くならざるを得なかった。
【0005】従って、この型の光散乱導光装置を液晶表
示装置のバックライト光源等の用途に用いた場合、明る
さ、面状光源として照度の均一性、薄型構造、経済性等
の要求のうちのいくつかを犠牲にせざるを得なかった。
【0006】公知の光学要素あるいは装置のもう1つの
類型は、延在した板状の透明材料の内部に該透明材料と
屈折率の異なる粒状物質を分散させて光導光板を構成す
るものである。
【0007】例えば、特開平1―172801号公報、
特開平1―236257号公報、特開平1―26990
1号公報、特開平2―221925号公報及び特開平4
―145485号公報に開示されたものがこの類型に属
する。
【0008】特に、上記特開平2―221925号公報
及び特開平4―145485号公報開には、光導光板の
側方より光を入射させ、一方の面側に反射要素を配し他
方の面を光出射面として、液晶表示装置のバックライト
光源等を構成することが開示されている。
【0009】これらの光導光板においては、透明体の内
部に分散混入された粒状物質によって生じる屈折率の不
均一によって光散乱が体積的に生起されている。その意
味において、上記第1の類型のものに比して、光拡散効
率を改善し得るものということは出来るが、この型の光
散乱体を光散乱導光体として組み込んで光散乱導光装置
を構成する場合に、従来、次のような問題が生じてい
た。
【0010】すなわち、上記公知例でも判るように、そ
れ自身が光散乱能を有し、光を散乱させながら導光する
機能を有する素子、即ち、光散乱導光体と、該光散乱導
光体の側方より光を入射させる光源素子とを組み合わせ
て光散乱導光装置とした場合には、出射散乱光強度の均
一化を意図して光散乱導光体内に分散させた粒状物質の
分散濃度に勾配を与えたり、あるいは、光散乱導光体の
裏面側に光拡散性インク等を用いて、網目状、ドット状
などの散乱補強手段を設け、場合によっては、該網目や
ドットの密度に勾配を付け、該散乱補強手段が散乱光取
出面の側から観察した時に透けて見える不都合を回避す
る為に散乱光取出面側に別の光拡散板を設けるというよ
うなことが行われていた。
【0011】即ち、従来は、光源に近い部分では散乱能
を意識的に落し、光源から離れた部分では裏面側の網目
状あるいはドット状の補強層を含めて光散乱能を最大限
に高めるという考え方や、裏面領域に網目状あるいはド
ット状の拡散インキ層等の補強手段を付加して光散乱能
を最大限に高めるという考え方が採用されて来た。この
ような状況は、光散乱導光体になんらかの散乱能勾配が
存在しない場合には、光源に近い光散乱導光体縁部付近
のみが明るく見え、中央部では、照度が低下してしまう
傾向が生じ、また、裏面領域の補強手段なくしては明る
さ自体を確保し得ないと信じられていたことによるもの
と思われる。
【0012】確かに、光源から出た光の1次散乱のみを
考慮した場合には、裏面に光散乱補強手段を形成し、光
散乱能を与える粒子の分布や裏面の反射散乱補強層に散
乱能勾配を与えなければ、均一な出射光強度が実現され
ないという結論にならざるを得ないから、製造工程上の
不利を承知の上で、上記したような手段が取られていた
のは無理からぬことと言える。
【0013】また、従来の公知技術においては、散乱出
射光強度の角度特性を調整する手段が設けられていなか
ったので、異屈折率粒状物質の粒子径やマトリックスと
の屈折率差等によって定まってしまう角度特性をそのま
ま受け入れて使用していた。異屈折率粒状物質の粒子径
や屈折率差等は、光学材料選択上の制約や製造技術上の
制約を受けるから、得られた製品の散乱光強度角度特性
が希望したものと一致しないことも多く、不必要な方向
へ出射した多くの光が無駄になることがしばしば生じて
いた。例えば、比較的大きな粒径を有する異屈折率粒状
物質を内部に分布させた光散乱導光体の側方から光を入
射させて液晶表示装置用のバックライト光源とした場合
には、散乱出射光が前方に偏って散乱する傾向があり、
液晶表示装置の正面方向から観察した場合に、表示面が
明るく見えないという事態が起こっていた。
【0014】光散乱導光体乃至装置において散乱出射光
強度の角度特性を調整する手段を設けるという技術思想
自体は、本発明者が既に提案し、日本国特許庁に出願し
た特許出願(平成4年11月27日出願)の明細書に開
示したところであるが、本発明は該技術思想を更に具体
的に展開した一形態を提供するものである。
【0015】
【0016】
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記説明し
た従来技術の諸々の問題点、即ち、(a)散乱能の勾配
付与や拡散インキ層等の補強手段付加に伴う製造工程の
複雑化と装置の大型化の問題、(b)散乱出射光強度の
角度特性の問題を解決することを企図したものである。
【0018】
【課題を解決する為の手段】本発明は、入射光受入表面
領域と、入射光受入表面領域からの入射光を起源とする
散乱出射光を取り出す為の散乱出射光取出表面領域と、
光散乱能が実質的に一様に与えられた光散乱体積領域と
を有し、前記散乱出射光取出表面領域あるいは散乱出射
光取出表面領域と相反する側の面(外部の反射要素に対
向)の少なくとも一部に、散乱出射光強度の角度特性を
調整する規則的なプリズム状要素配列からなる凹凸領域
を設け、更に、プリズム状凹凸要素配列について、前記
入射光受入表面領域から見て左右方向に延在し、且つ、
規則的に繰り返し形成された多数の斜面を備えている形
状条件と、前記光散乱体積領域の有効散乱照射パラメー
タE[cm -1 ]の値が、0.001≦E≦1000の範囲
にあり、該光散乱体積領域に前記散乱能を生じせしめる
屈折率不均一構造の相関関数γ(r)を近似式γ(r)
=exp[―r/a](但しrは、光散乱導光体内の2
点間距離[μm])で表した時の相関距離aの範囲が、
0.005μm≦a≦50μmの範囲にある、という条
件を課すことで上記(a)及び(b)の問題を解決する
ものである(請求項1、請求項2)。
【0019】また、光散乱体積領域の形状の主要部(凹
凸領域を除いた部分)を直方体状に特定して、特に通常
形状の液晶表示装置のバックライト光源装置等に本発明
の散乱出射光強度角度特性調整手段付きの光散乱導光体
を組み込んだ場合に、上記問題点(a)及び(b)を解
決する典型的且つ基本的な構成を提供したものである
請求項3、請求項4)。
【0020】
【0021】そして、光散乱体積領域の主要部形状を直
方体状に特定すると共に光源要素の形状を棒状に特定す
れば、特に通常形状の液晶表示装置のバックライト光源
装置等に本発明の光源要素配置を採用する際の、上記問
題点(a)及び(b)を解決する為の典型的な構成が提
供出来る(請求項5)
【0022】ここで、請求項3〜請求項5に記載された
構成を有する光散乱導光光源装置についても、請求項
1、請求項2におけると同じ条件を光散乱体積領域の散
乱特性を有効散乱照射パラメータEと相関距離aに課し
ている。
【0023】本発明の光散乱導光体あるいは光散乱導光
光源装置において光散乱体積領域を形成する材料につい
ては、実質的に均一な散乱能を有するものであれば任意
の材料を選択することが出来るが、それら材料の代表的
なものを列挙すれば、次の(1)〜(3)に挙げる型の
ものがある。
【0024】(1)光学樹脂マトリックス中に該マトリ
ックスと屈折率の異なる粒状物質(異屈折率粒状物質)
を分散させた材料。 (2)重合過程で生々された屈折率不均一構造によって
散乱能が与えられている樹脂材料。 (3)2種類以上の屈折率の相互に異なるポリマー材料
を混合加熱して、練り合わす混練工程と成形工程(射出
成形工程、押し出し工程等)を組み合わせて製造される
樹脂材料。 以下、各型の材料について具体的に説明する。
【0025】(1)の型の材料について;この型の材料
自体は、前述したように、特開平1―172801号公
報、特開平1―236257号公報、特開平1―269
901号公報、特開平2―221925号公報及び特開
平4―145485号公報に開示されている通り公知の
ものである。
【0026】ポリマーマトリックス材料として代表的な
ものには、後記する表1、表2にも挙げられているPM
MA(ポリメチルメタクリレート)、PSt(ポリスチ
レン)、PC(ポリカーボネート)等がある。
【0027】又、粒子状物質としては、例えば、シリコ
ン系樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂のような
有機材料からなる粒子や酸化チタン、炭酸カルシウム、
シリカ等の無機材料からなる粒子が使用出来る。製造方
法については、上記各公報にも記載されているような各
種の公知の方法を利用すれば良いので、詳しい説明を省
略する。なお、公知でない手法の1つに、本発明者の発
明に係る(3)の型の材料に対する製造方法を適用する
やり方がある。これについては、(3)の型の材料の項
で実例を挙げて説明する。
【0028】(2)の型の材料について;この型の材料
は、光散乱導光体の素材として、本発明者に係る国際出
願(PCT/JP92/01230号)に開示されてい
る。
【0029】即ち、光散乱導光体に散乱能を与える屈折
率不均一構造が、有機材料の重合過程で生成されている
ものである。有機材料の重合過程によって屈折率不均一
構造を形成させて光散乱導光体を得る原理の概要を簡単
に説明する。
【0030】一般に、有機材料の重合過程においては、
種々のメカニズムによって不均一構造が生成され、これ
を利用して屈折率不均一構造を有する光散乱導光体を得
ることが出来る。そのメカニズムのいくつかを挙げる
と、次のようになる。
【0031】(I) 第1材料としてのモノマーに第2材料
としてのポリマー(オリゴマーであっても良い。以下、
特にことわりの無い限り、ポリマーと言えばオリゴマー
を含むものとする。)を少量溶解させる。この状態で
は、ポリマーの個々の分子が完全に溶解している。従っ
て、均一に混ざり合った透明な混合溶液の形態をとって
おり、光散乱性は生じていない。この混合溶液に重合開
始剤等を添加して加熱するなどの手段により重合反応を
開始させる。重合反応が進行し、高転化率になってきた
時、それまでに生成されてきた第1材料のポリマーと第
2材料のポリマーとの相溶性が、該第2材料のポリマー
と第1材料のモノマーとの相溶性に比べて小さい場合に
は、第2材料のポリマーは徐々に凝集構造を形成する。
第1材料のポリマーと第2材料のポリマーの屈折率が実
質的に相異するように有機材料を組み合わせれば、屈折
率がゆらいだ構造、すなわち屈折率不均一構造が生成さ
れる。
【0032】この場合、粒子状の物質をモノマーに混入
分散させて重合を行わせたり、ポリマーに粒子を高温条
件下で練り込ませたりする従来技術とは違って、重合前
にポリマー分子1つ1つのレベルで均一に溶解した状態
が実現しており、その状態からスタートして不均一構造
を徐々に形成しているので、極めて高い均一度で不均一
構造が分布した光散乱導光体を得ることが出来る。
【0033】(II)第1材料としてのモノマーに第2材料
としてのモノマーを適量混合して重合反応を起こさせ
る。この時例えば、第1材料のモノマーの反応性比r1
と第2材料のモノマーの反応性比r2 について、r1 >
1且つr2 <1が成立するように材料を選択しておけ
ば、重合反応の過程で第1材料のモノマーは優先的に重
合し、未反応モノマー中の第2材料のモノマーの割合は
次第に増大する。第1材料のモノマーの大半が重合する
と、今度は第2材料のモノマーの重合する割合が増加し
始め、最終段階においては、第2材料のポリマーのみが
生成されることになる。
【0034】第1材料のポリマーと第2材料のポリマー
の相溶性が比較的小さければ、組成の似たもの同士、す
なわち、第1材料のポリマーと第2材料のポリマーとが
それぞれ凝集構造を形成することになる。両ポリマーの
屈折率が実質的に異なれば、屈折率がゆらいだ屈折率不
均一構造が生成される。この場合も重合前にモノマー同
士を均一に混ぜることは容易なので、まんべんなく屈折
率不均一構造が形成される。
【0035】(III) 単独材料のモノマーのみを重合させ
ても、屈折率不均一構造を形成することが出来る。すな
わち、モノマーとポリマーの比重が十分に異なれば、重
合が進んでポリマーがある程度固くなってくると、残存
モノマーがポリマーになった時の体積収縮部分は、いわ
ゆるマイクロボイドとなる。このマイクロボイドは極め
て多数形成され、重合反応の結果得られるポリマー内に
3次元的に均一分布した光散乱中心として機能するの
で、従来の物質粒子を分散混入させた光散乱導光体に比
して特性の良い光散乱導光体が得られる。
【0036】(IV)上記(I) の類型の変形として、上記第
2の材料に低分子量であって、第1材料のモノマーとの
相溶性は良好であるが第1材料ポリマーとの相溶性は劣
るものを選択することも可能である。この場合にも、上
記(I) で述べたのと同様のメカニズムによって、第2材
料(低分子量物質)が凝集して不均一構造が生まれる。
第2材料の屈折率が第1材料ポリマーと実質的に異なる
ような組合せを採用すれば光散乱導光体が製造される。
【0037】このような低分子材料として用い得る物質
は数多く存在するが、例を挙げれば、フタル酸ジフェニ
ル、ヘキサフロロイソプロピルテレフタレート、ビフェ
ニル、安息香酸フェニル等がある。屈折率不均一構造の
生成メカニズムの細部には多様性があるが、本発明で
は、そのようなメカニズムの差異にかかわりなく、いず
れの材料を使用することも許容するものである。
【0038】有機材料の具体的選定、重合条件等に関し
ては、上記明細書に詳しく記述されているので、ここで
は詳細を省略し、いくつかの実例を挙げるにとどめるこ
とにする。
【0039】[重合過程を利用して光散乱導光体を得る
方法の実例] [1]MMAにトリフルオロエチルメタクリレート(3
FMA)のポリマーを0.1wt%溶解し、ラジカル重
合開始剤としてt―ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート0.2wt%、連鎖移動剤として、n―ブチル
メルカプタンを0.2wt%加え、70゜Cで96時間
重合した後、熱処理を行い、棒状、板状等各種形状の光
散乱導光体を得ることが出来る。 [2]MMAとビニルベンゾエート(VB)を4対1の
割合で共重合させる。重合開始剤としてディ・ターシャ
リー・ブチルパーオキサイド(DBPO)を0.2wt
%、連鎖移動剤としてn―ブチルメルカプタンを0.2
wt%用い、130゜Cで96時間重合させる。得られ
た光散乱導光体は、上記[1]で得られるものとほぼ同
様の特性を示す。
【0040】[3]MMAに3FMAのポリマーを0.
15wt%溶解したものと、0.1wt%溶解したもの
を調製し、各々にラジカル重合開始剤としてt―ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート0.2wt%、連
鎖移動剤として、n―ブチルメルカプタンを0.2wt
%加え、70゜Cで72時間重合した後、130゜Cで
24時間熱処理を行い、光散乱導光体を製造することが
出来る。 [4]MMAとビニルベンゾエート(VB)を4対1の
割合で共重合させた。重合開始剤としてディ・ターシャ
リー・ブチルパーオキサイド(DBPO)を0.2wt
%、連鎖移動剤としてn―ブチルメルカプタンを0.2
wt%用い、70゜Cで96時間重合させて、光散乱導
光体を得ることが出来る。Debyeの関係式を使って
相関距離aと誘電率ゆらぎ2乗平均τを計算した結果、
相関距離a=720オングストローム、誘電率ゆらぎ2
乗平均τ=0.00000122という値を得た(aや
τの意味については、作用の説明の欄参照)。
【0041】[5]分子量47500のポリスチレンポ
リマーをMMAに0.2wt%溶解し、ラジカル重合開
始剤としてt―ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート0.2wt%、連鎖移動剤として、n―ブチルメル
カプタンを0.2wt%加え、70゜Cで96時間重合
させて光散乱導光体を製造することが出来る。 [6]MMAに3FMAのポリマーを0.1wt%溶解
し、ラジカル重合開始剤としてt―ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート0.2wt%、連鎖移動剤とし
て、n―ブチルメルカプタンを0.2wt%加え、70
゜Cで72時間重合した後、130゜Cで24時間熱処
理を行い、光散乱導光体を製造することが出来る。
【0042】[7]MMAに3FMAのポリマーを0.
1wt%溶解し、ラジカル重合開始剤としてt―ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート0.2wt%、連
鎖移動剤として、n―ブチルメルカプタンを0.2wt
%加え、70゜Cで72時間重合した後、130゜Cで
24時間熱処理を行い、光散乱導光体を製造することが
出来る。 [8]MMAに、ラジカル重合開始剤としてt―ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート0.2wt%、連
鎖移動剤として、n―ブチルメルカプタンを0.2wt
%加え、60゜C(ガラス転移温度以下)で240時間
にわたって重合反応を行わせた。残存しているモノマー
は、高転化率が実現した段階で固化したPMMAマトリ
ックス中にトラップされているが、このモノマーは長時
間の加熱により重合する。ここでモノマーからポリマー
へ変化する際に生じる体積変化(収縮)により、無数の
マイクロボイドが生成し、これが光散乱をもたらす屈折
率不均一構造としての機能を果たす。
【0043】このようなプロセスで得られた光散乱導光
体サンプルについて、Vv 散乱強度の角度依存性を測定
し、Debyeの関係式に基づいて相関距離aを計算し
たところ、850オングストロームという値が得られ
た。また、誘電率ゆらぎ2乗平均τの値はτ=0.00
000011、有効散乱照射パラメータEについてはE
=0.17[cm-1]という値であった(有効散乱照射パ
ラメータEの意味については、作用の説明の欄参照)。
【0044】(3)の型の材料について;この型の材料
は、本発明者に係る前述の散乱光出射方向修正手段に関
する提案を含む日本国特許出願(出願日;平成4年11
月27日)の明細書中に、散乱光出射方向修正手段と同
時に開示されているものである。2種類以上のポリマー
材料を混合加熱して、練り合わす混練工程は、ポリマー
ブレンドと言うべき工程であるが、この混練されるポリ
マー材料の組合せに屈折率が実質的に異なる(典型的に
は、屈折率差0.001以上)ものを選択して、射出成
形、押し出し成形等の公知の成形工程を組み合わせれば
均一な散乱能を有する任意形状の光散乱導光体を得るこ
とが出来るという知見に基づいて製造される材料であ
る。
【0045】即ち、2種類以上の屈折率の相互に異なる
ポリマー材料(任意形状で良い。工業的には、例えばペ
レット状のものが考えられる。)を混合加熱して、練り
合わす(混練工程)。そして、混練された液状材料を射
出成形機の金型内に高圧で射出注入し、冷却固化するこ
とによって成形された光散乱導光体を金型から取り出せ
ば金型形状に対応した形状の光散乱導光体を得ることが
出来る。混練された2種類以上のポリマーは完全には混
ざり合うことなく固化するので、それらの局所的濃度に
不均一(ゆらぎ)が生まれて固定される。従って、混練
されるポリマー同士に実質的な屈折率差があれば、屈折
率不均一構造を有する光散乱導光体が製造されることに
なる。
【0046】また、混練された材料を押し出し成形機の
シリンダー内に注入し、通常のやり方で押し出せば目的
とする成形物を得ることが出来る。
【0047】これらポリマーブレンドの組合せや混合割
合、及び成形工程については、非常に幅広い選択が可能
であり、屈折率差、成形プロセスで生成される屈折率不
均一構造の強さや性質(有効散乱照射パラメータE、相
関距離a、誘電率ゆらぎ2乗平均τで記述される。)、
最終製品の形状や大きさ等を考慮して決定すれば良い。
【0048】使用し得るポリマー材料の代表的なものを
表1及び表2に挙げる。これらの材料は、あくまで例示
であり、本発明における光散乱導光体に使用される材料
を限定する趣旨のものではない。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】 このポリマーブレンドによる方法による材料製造方法
の、より具体的な実例の幾つかを以下に示す。
【0051】<例1>メタクリル樹脂のペレット(旭化
成製、デルベット80N)に粒径0.3μmのシリコン
系樹脂粉体(東芝シリコン製、トスパール103)を
0.25wt%添加し、ミキサーで混合分散させた後、
押し出し機でストランド状に押し出し、ペレタイザーで
ペレット化することにより、シリコン系樹脂粉体が均一
に分散されたペレットを調製した。
【0052】このペレットを射出成形機を用い、シリン
ダー温度230゜C〜260゜C、型温度50゜Cの条
件で成形して、縦56mm、横75mm、厚さ4.7m
mの板状光散乱導光体を得た。
【0053】<例2>メタクリル樹脂のペレット(旭化
成製、デルベット80N)に粒径0.8μmのシリコン
系樹脂粉体(東芝シリコン製、トスパール108)を
0.3wt%添加し、ミキサーで混合分散させた後、押
し出し機でストランド状に押し出し、ペレタイザーでペ
レット化することにより、シリコン系樹脂粉体が均一に
分散されたペレットを調製した。
【0054】このペレットを射出成形機を用い、シリン
ダー温度230゜C〜260゜C、型温度50゜Cの条
件で成形して、縦56mm、横75mm、厚さ4.5m
mの板状光散乱導光体を得た。
【0055】<例3>メタクリル樹脂のペレット(旭化
成製、デルベット80N)に粒径3μmのシリコン系樹
脂粉体(東芝シリコン製、トスパール130)を0.3
5wt%添加し、ミキサーで混合分散させた後、押し出
し機でストランド状に押し出し、ペレタイザーでペレッ
ト化することにより、シリコン系樹脂粉体が均一に分散
されたペレットを調製した。
【0056】このペレットを射出成形機を用い、シリン
ダー温度230゜C〜260゜C、型温度50゜Cの条
件で成形して、縦56mm、横75mm、厚さ4.6m
mの板状光散乱導光体を得た。
【0057】<例4> 80mlの水に、2.2gの過酸化ベンゾイル、12m
lのクロルデカン、10mlのジクロルエタン及び0.
25gのNa―ラウリルサルフェートをホモゲナイザー
を用いて乳化し、直径0.1μm〜0.2μmのエマル
ジョンを調製した。このエマルジョンを粒径0.55μ
m、濃度8.5wt%の単分散ポリスチレンのシードラ
テックス90mlに添加した。更に、20mlの水、及
び15mlのアセトンを35゜C〜40゜Cで添加し、
40゜Cで12時間にわたって撹はんした後、アセトン
及びジクロルエタンを真空蒸留により除去した。
【0058】次に、1.2gのNa―ラウリルサルフェ
ートを添加した後、水で希釈して全体で1.2リットル
とした。そして、スチレン65g、メタクリル酸メチル
171g、ブチルアクリレート45g、及びトリメチロ
ールプロパントリアクリレート9gを30゜Cで撹はん
しながら添加した後、更に、30゜Cで15時間にわた
って撹はんした。その後、60゜Cに温度を上げて重合
反応を開始させ、25時間反応を持続させ、平均粒径
2.8μm、屈折率1.502の有機架橋粒子材料を得
た。
【0059】メチルメタクリレート(MMA)とトリフ
ルオロエチルメタクリレート(3FMA)の組成比1対
1の共重合体1kgに、上記粒子材料を0.5wt%添
加し、ミキサーで十分混練した後、直径20mmのノズ
ルより押し出した。これを長さ50mmとして、両端を
切削研磨して、円筒状の光散乱導光体を得た。
【0060】得られた光散乱導光体について、Deby
eの関係式を使って相関距離aと誘電率のゆらぎ2乗平
均τを計算したところ、相関距離a=1.87μm、誘
電率のゆらぎ2乗平均τ=0.0000808という結
果を得た。また、前記式(10)を用いて、有効散乱照
射パラメータEの値を求めた結果は、E=44.03
[cm-1]であった。
【0061】<例5>ラウリル硫酸ナトリウム3gを溶
解させたイオン交換水350gに、スチレン32g及び
メチルメタクルレート108gを分散させた後、これを
撹はんしながら、窒素気流の下で70゜Cに昇温させ、
次いで過硫酸カリウム0.15gを溶解させたイオン交
換水25gを加え、70゜Cに8時間保持して初期シー
ド粒子を得た。このシード粒子の粒径は、0.04μm
であった。
【0062】次に、得られた初期シード粒子の水分散液
50gと、イオン交換水325gを混合して70゜Cに
昇温した後、スチレン33g、メチルメタクリレート8
2g及びブチルアクリレート25gを加えて1時間撹は
んし、次いで過硫酸カリウム0.15gを溶解させたイ
オン交換水25gを加え、8時間経過させて粒径0.1
28μmの2次シード粒子水分散液を得た。
【0063】そして更に、上述の方法にならって、粒径
0.128μmの2次シード粒子から粒径0.312μ
mの3次シード粒子を作り、この粒径0.312μmの
3次シード粒子から粒径0.653μmの4次シード粒
子を作るというプロセスを繰り返した。
【0064】こうして得られた4次シード粒子を含む調
製液100gに、イオン交換水1000gとポリビニル
アルコール(ケン化度88%)の10wt%水溶液10
0gを加えて均一に撹はんした上で、スチレン28g、
メチルメタクリレート70g及びブチルアクリレート2
1g、ジビニルベンゼン0.5g、過酸化ベンゾイル1
g、及びラウリル硫酸ナトリウム0.08gをイオン交
換水1500gに混合して超音波処理によって乳化液と
したものを添加し、撹はんしながら窒素気流の下で9時
間にわたって重合反応を行わせ、低架橋微粒子の水分散
液を得た。この微粒子の粒径は、1.12μmであっ
た。
【0065】次に、この低架橋微粒子を10wt%含む
水分散液300gにイオン交換水1500gと前記と同
じポリビニルアルコール水溶液15gを加えて均一に撹
はんし、トリメチロールプロパントリアクリレート50
gにイオン交換水1200gとラウリル硫酸ナトリウム
0.045gとアセトン300gを混合してこれを超音
波処理により乳化液として加え、室温下で24時間撹は
んし、低架橋微粒子中にトリメチロールプロパントリア
クリレートを完全に吸収させた。
【0066】次に、アセトンをエバポレータを用いて除
去し、得られた膨潤粒子を含む分散液に、スチレン58
g、メチルメタクリレート164g及びブチルアクリレ
ート45g、ジビニルベンゼン25g、過酸化ベンゾイ
ル5gからなる混合物を溶解させ、これにイオン交換水
12gとラウリル硫酸ナトリウム0.2gを混合し超音
波処理で乳化液としたものを加え、撹はんしながら窒素
気流下60゜Cで2時間、続いて80゜Cに昇温して6
時間重合させ、均一な径を有する微粒子材料を得た。こ
の微粒子は、屈折率1.502、平均粒径2.61μ
m、粒径分布の標準偏差は、0.26μmであった。
【0067】メチルメタクリレート(MMA)とトリフ
ルオロエチルメタクリレート(3FMA)の組成比1対
1の共重合体1kgに、上記粒子材料を0.5wt%添
加し、ミキサーで十分混練した後、直径20mmのノズ
ルより押し出した。これを長さ50mmとして、両端を
切削研磨して、円筒状の光散乱導光体を得た。
【0068】獲られた光散乱導光体について、Deby
eの関係式を使って相関距離aと誘電率のゆらぎ2乗平
均τを計算したところ、相関距離a=1.75μm、誘
電率のゆらぎ2乗平均τ=0.0000808という結
果を得た。また、前記式(10)を用いて、有効散乱照
射パラメータEの値を求めた結果は、E=41.16
[cm-1]であった。
【0069】<例6>ポリメチルメタクリレート(PM
MA)にポリスチレン(PSt)を0.5wt%添加
し、V型タンブラーを用いて10分間、次いでヘンシェ
ルミキサーを用いて5分間混合した。これを径30mm
の2軸押し出し機[ナカタニ機械(株)製]を使って、
シリンダー温度220゜C〜250゜C、スクリュー回
転数75rpm、吐出量6kg/hrの条件で融解混合
してペレットを作成した。
【0070】このペレットを射出成形機を用い、シリン
ダー温度220゜C〜250゜C、型温度65゜C、射
出速度中速、射出圧力ショートショット圧プラス10
g/cm 2 の条件で成形して、縦横35mm、厚さ4.
5mmの板状光散乱導光体を得た。
【0071】
【作用】本発明の光散乱導光体及び光散乱導光光源装置
について、その作用を中心に、更に詳しく説明する。先
ず、図2〜図5を参照して、各請求項に記載された構成
の作用を説明する。
【0072】図2、図3は、各々散乱出射光取出表面領
域側に散乱出射光強度角度特性調整凹凸領域を形成した
場合と、前記散乱出射光取出表面領域と相反する方向
に、外部の反射要素に対向した散乱出射光強度角度特性
調整凹凸領域を形成した場合の典型的な配置を表してい
る。
【0073】図2の配置においては、光散乱導光体1の
散乱出射光取出表面領域が散乱出射光強度の角度特性を
調整する凹凸領域2を形成しており、側方に棒状光源要
素(例えば、蛍光灯)5が置かれている。光散乱導光体
の散乱光取出面と反対側には、光散乱導光体1とは別の
素材からなる反射フィルム4が配置されている。
【0074】棒状光源5から光散乱導光体1へ入射した
光は、光散乱導光体1内部で散乱しながら導光される。
光散乱導光体1の反射フィルム4側に出た光の多くの部
分は、直ちに反射フィルム4で反射されて光散乱導光体
1に戻る。液晶表示装置のバックライト光等として利用
される光は、散乱出射光取出領域側から出射する光であ
るが、その光強度の方向特性が凹凸領域2によって調整
される。dは、列状に形成された凹凸のピッチを表して
いる。
【0075】図4は、光散乱導光体1の凹凸領域2から
の出射の前後の光線の何本かを例示的に描いたものであ
る。光散乱導光体1の屈折率をn、外部(通常は空気)
3の屈折率をn0 (ほぼ1に等しい)とすれば、n0 <
nが成立するから、図示したように、出射光は光散乱導
光体に再接近しようとする方向に屈曲する(P1 →Q1
、P2 →Q2 参照)また、場所と角度によっては、光
散乱導光体1の表面に再度入射し、一部は反射し(P3
→Q3 )、一部は光散乱導光体1内部に戻る(P3 →Q
3')。
【0076】更に、凹凸領域2の表面に垂直な方向に出
射した光はそのまま直進することになる(P4 →Q4
)。このように、散乱出射光の方向修正は複雑に種々
の方向に向けて起こり得るが、プリズム状凹凸要素2の
頂角α及び残りの角β及びγを選ぶことで修正方向を制
御することが出来る。即ち、凹凸領域が無いと仮定した
場合の出射光強度の角度特性を考慮して、α、β、γの
値を種々選択することによって、極めて多様な角度特性
を得ることが出来る。1つの傾向として明らかなのは、
相当広範囲の頂角αについて、βとγをほぼ同じ値にし
てみると、図上で左右方向に寝た角度で出射しようとす
る光を上方へ向けて修正する作用が期待出来るというこ
とである。
【0077】例えば、光散乱導光体1内光の進行方向が
等方的である場合に、αを80゜程度にとり、β=γ=
約50゜とすると、図中真上方向から見た明るさを増大
させる作用が期待出来る(後述の実施例参照)。また、
光散乱導光体1内光の進行方向の分布が非等方的である
場合に、その性質とα、β、γ相互間の大小関係、屈折
率nの大きさ等を組み合わせれば、より自由度の大きな
選択が可能である。例えば、正面方向よりもむしろやや
前方方向に偏った散乱光分布などが実現可能である。
【0078】個々のケースについて、α、β、γの具体
的な数値を理論的アプローチのみによって決定すること
は現実的ではなく、例えば、使用する光散乱導光体の散
乱特性を調査した上で、実験的手法を混じえてこれら値
を選択するのが好ましいと考えられる。
【0079】図3及び図5は、光散乱導光体1の散乱出
射光取出表面領域と相反する方向に散乱出射光強度の角
度特性を調整する凹凸領域2を形成した場合の配置と光
の進行の様子を示したものである。側方に置かれた棒状
光源要素(例えば、蛍光灯)5から光散乱導光体1に入
射した光は、図2、図4の場合と同様に内部で散乱しな
がら導光される。光散乱導光体1の反射フィルム4側に
出射しようとする光は、そこに形成されている凹凸領域
2の作用によって、光散乱導光体1に再接近する方向に
屈曲された後で反射フィルム4により反射される。反射
光の一部が光散乱導光体1表面で再反射され残りが光散
乱導光体1内部に戻される。個々の光線の経路は図4の
場合よりも一層複雑である(P5 →Q5 、P5 →Q5'、
P6 →Q6'、P7 →Q7 参照)。
【0080】従って、最終的なα、β、γの値は、図
2、図4の場合と同じく、光散乱導光体1の散乱特性、
屈折率等を考慮し、実験的手法を取り入れた検討をした
上で選択・決定することにより、希望する散乱出射光強
度の角度分布を実現することが好ましい。
【0081】尚、凹凸のピッチdについては特に制限は
無いが、光の波長のオーダーに接近する程微細な場合に
は、回折に起因した着色現象が起こり、逆に余り大きい
と光散乱導光体全体をコンパクトで整った形に出来ず、
また、方向特性の修正機能にむらが生じるから、実際的
な範囲は数十分の1mm〜数mmの範囲であると考えら
れる。
【0082】また、凹凸の形状について、図2〜図5で
は3角形断面の列状アレイの場合を説明したが、本発明
の技術思想に照らして、散乱出射光の方向を修正する作
用がある他の形状を採用することも全く差し支えない。
例えば、半円筒断面列状アレイ、半球状突起群の面状ア
レイ、3角錐状凹部群の面状アレイ等々、いずれの形状
のものを光散乱導光体表面領域に形成しても本発明の技
術思想に整合した光散乱導光体乃至光散乱導光光源装置
が構成され得ることは言うまでもない。
【0083】更に、光散乱導光体1の全体形状について
も、必ずしも直方体状乃至板状である必要はない。例え
ば、散乱光出射面が内側にゆるやかに湾曲した形状のも
のを組み合わせて全体を大面積の散乱導光光源とするこ
とが出来るし、全体をドーム状にし、後述する光源埋め
込み構造と組み合わせて、所望の方向特性を有する光源
装置を構成すること等が考えられる。また、光散乱導光
体を長尺状のものとして、強い出射方向の偏りを与えれ
ば、特定方向から見た時に明るく見える線状の散乱光光
源を得ることが出来る。これらいずれの形状のものも、
液晶表示装置等のバックライト光源に適用が可能な光散
乱導光体である。
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】次に、請求項1〜請求項4において、光散
乱導光体の散乱能を数値限定する為に使用されている有
効散乱照射パラメータEと相関距離aについて、Deb
yeの理論を引用して説明する。
【0094】強度I0 の光が媒体中をy(cm)透過し、そ
の間の散乱により強度がIに減衰した場合に、有効有効
散乱照射パラメータEを次式(1)または(2)で定義
する。
【0095】
【数1】 式(1)、(2)は各々いわゆる積分形及び微分形の表
現であって、物理的な意味は等価である。なお、このE
は濁度と呼ばれることもある。
【0096】一方、媒体内に分布した不均一構造によっ
て光散乱が起こる場合の散乱光強度は、縦偏光の入射光
に対して出射光の大半が縦偏光である通常の場合(VV
散乱)には、次式(3)で表される。
【0097】
【数2】 自然光を入射させた場合には、Hh 散乱を考慮して、式
(3)の右辺に(1+cos θ)を乗じた次式を考えれ
ば良いことが知られている。
【0098】
【数3】 ここで、λ0 は入射光の波長、ν=(2πn)/λ0 、
s=2sin (θ/2)、nは媒体の屈折率、θは散乱
、<η 2 >は媒体中の誘電率ゆらぎ2乗平均(以下、
<η 2 =τとして、τを適宜使用する。)であり、γ
(r)は相関関数と呼ばれるものである。
【0099】Debyeによると、媒体の屈折率不均一
構造が界面を持ってA相とB相に分かれて分散している
場合には、誘電率のゆらぎに関して相関関数γ(r)、
相関距離a、誘電率ゆらぎ2乗平均τ等が次のような関
係式で表される。
【0100】
【数4】 不均一構造が半径Rの球状界面で構成されているとみな
せば、相関距離aは次式で表される。
【0101】
【数5】 相関関数γ(r)についての式(6)を用い、式(5)
に基づいて自然光を媒体に入射させた時の有効散乱照射
パラメータEを計算すると結果は次のようになる。
【0102】
【数6】 以上述べた関係から、相関距離a及び誘電率ゆらぎ2乗
平均τを変化させることにより、散乱光強度、散乱光強
度の角度依存性及び有効散乱照射パラメータEを制御す
ることが可能であることが判る。散乱光強度の角度依存
性は、本発明の光散乱導光体を実際の照明装置等に適用
する場合に考慮され得る事項であることは言うまでもな
い。
【0103】図1は、横軸に相関距離a、縦軸に誘電率
ゆらぎ2乗平均τをとって有効散乱照射パラメータEの
曲線をE=50[cm-1]及びE=100[cm-1]の場合
について例示したものである。
【0104】一般に、Eが大きければ散乱能が大きく、
Eが小さければ散乱能が小さい、換言すれば透明に近く
なる。E=0は全く散乱の無いことに対応する。
【0105】従って、大面積の面状光源や長尺のファイ
バー状乃至棒状の均一照明光源等に本発明の光散乱導光
体を適用する場合にはEを小さく選べば良い。
【0106】一応の目安としては、例えば、E=0.0
01[cm-1]程度とすれば、数十mの寸法のファイバー
状の光散乱導光体を均一に光らせることが出来る。図1
に示したE=100[cm-1]の程度にとれば、数mmの
範囲を集中的且つ均一に照明するのに適している。
【0107】また、図1のE=50[cm-1]のケースで
は、それらの中間的なサイズ(例えば、数cm〜数十c
m)の光散乱導光体を均一に光らせるのに好適なのが一
般的である。
【0108】但し、これら有効散乱照射パラメータEの
値はあくまで目安であり、具体的な適用装置の使用条
件、例えば1次光源の強さ、周辺に配置された光学要素
に依存する散乱光補強あるいは減衰ファクター等も考慮
して柔軟に選択されることが好ましく、光散乱の角度特
性が特殊な場合等には、E=1000あるいはそれ以上
の値を選択する場合もあり得る
【0109】相関距離aについては、一応0.005μ
m〜50μm程度が実際的と考えられるが、個々のケー
スについては、要求される角度特性等を考慮して定めら
れることが好ましい。
【0110】散乱現象に対して以上のような取り扱いを
することによって、光散乱導光体に散乱特性を、有効散
乱照射パラメータE及び相関距離aの範囲を特定する形
で定めることが出来る。請求項1〜請求項4に記載した
光散乱特性に関する数値限定は、このような考えに基づ
いて、実際的に有用な可能性が高い範囲を特定したもの
である。
【0111】
【実施例】以下、本発明の構成を更に具体化した幾つか
の実施例について説明する。 <実施例1>MMA(メチルメタクリレート)にP3F
MA(トリフルオロエチルメタクリレートのポリマー)
を0.3wt%溶解し、ラジカル重合開始剤としてベン
ゾイルパーオキサイド(BPO)0.5wt%を使用
し、70゜Cで20時間注型重合させて縦56mm、横
75mm,厚さ4.8mmの板状(直方体形状)の光散
乱導光体を得た。この光散乱導光体の一方の表面を図
2、図4に示されたようにプリズム状に切削加工した。
プリズム形状の頂角α=80゜、凹凸のピッチd=0.
2mm、深さは0.1mmとした。
【0112】プリズム状加工面を上に向けて、図2で示
した配置を構成した。光散乱導光体の背後には、光散乱
導光体とは別体の反射フィルムを置き、通常のバックラ
イト光源で使用されている蛍光灯の光を両側側面から入
射させて出射散乱光強度を測定した。(光散乱導光体下
側の面に、光拡散性インキのドットパターン等の散乱補
強手段を設けることはしない。) また、プリズム加工を施していない場合には約4000
カンデラの明るさであったのに対し、プリズム加工を施
した場合には、蛍光灯に近い部分で、6000カンデラ
を上回る照度の散乱光強度を得ることが出来た。
【0113】更に、上記プリズム加工済みの光散乱導光
体の上面に頂角約110゜のプリズムのプリズム状凹凸
面を有する別体のフィルム(以下、単にプリズムフィル
ムと言う。)を載置して、同様の条件で出射散乱光強度
を測定したところ、約5253カンデラという結果が得
られた。最明部に対する最暗部の照度比(以下、単に明
暗比と言う。)は、約0.8であった。
【0114】市販されているメタクリル樹脂製の光導光
板の下面に光拡散性の印刷を施し、上面側に光拡散板を
置いた従来の配置をとり、上記角ケースと同条件で出射
光の強度を測定したところ、約4052カンデラという
結果を得た。
【0115】即ち、上面側にプリズム加工を施した光散
乱導光体によれば、プリズムフィルムを付加使用するだ
けで、従来に比べて約30%の照度向上が達成されるこ
とが確かめられた。
【0116】<実施例2> MMA(メチルメタクリレート)にP3FMA(トリフ
ルオロエチルメタクリレートのポリマー)を0.3wt
%溶解し、ラジカル重合開始剤としてベンゾイルパーオ
キサイド(BPO)0.5wt%を使用し、70゜Cで
20時間注型重合させて縦56mm、横75mm,厚さ
4.8mmの板状(直方体形状)の光散乱導光体を得
た。この光散乱導光体の一方の表面を図3、図5に示さ
れたようにプリズム状に切削加工した。プリズム形状の
頂角α=80゜、凹凸のピッチd=0.2mm、深さは
0.1mmとした。
【0117】プリズム状加工面を下に向けて、図3で示
した配置を構成した。光散乱導光体の背後には、光散乱
導光体とは別体の反射フィルムを置き、通常のバックラ
イト光源で使用されている蛍光灯の光を両側側面から入
射させて出射散乱光強度を測定した。(光散乱導光体下
側の面に、光拡散性インキのドットパターン等の散乱補
強手段を設けることはしない。) その結果、光散乱導光体の上面全体にわたって約350
4カンデラの明るさを有していることが判った。明暗比
は0.76であった。また、上記プリズム加工面を下に
向けた光散乱導光体の上面に頂角約110゜のプリズム
フィルムを載置して、同様の条件で出射散乱光強度を測
定したところ、約5546カンデラという結果が得られ
た。最明部に対する最暗部の照度比(明暗比)は、約
0.75であった。
【0118】市販されているメタクリル樹脂製の光導光
板の下面に光拡散性の印刷を施し、上面側に光拡散板を
置いた従来の配置をとり、上記角ケースと同条件で出射
光の強度を測定したところ、約4052カンデラという
結果を得た。
【0119】即ち、下面側にプリズム加工を施してた光
散乱導光体によれば、プリズムフィルムを付加使用する
だけで、従来に比べて約37%の照度向上が達成される
ことが確かめられた。
【0120】<実施例3> MMA(メチルメタクリレート)に重量平均分子量Mw
=43.9×104 のポリベンジルメタクリレート(P
BzMA)を0.2wt%溶解し、ラジカル重合開始剤
としてベンゾイルパーオキサイド(BPO)0.5wt
%、連鎖移動剤としてn―ブチルメルカプタン(n―B
M)0.2wt%を使用し、70゜Cで20時間注型重
合させて170mm角、厚さ10mmの板状(直方体形
状)の光散乱導光体を得た。この光散乱導光体の一側面
から円筒状の切削加工を行い、図6に示したように、円
筒状の空所16を形成してその内部に蛍光灯15を収容
した。空所16は計3ヶ所とし、蛍光灯のサイズは直径
4mm,長さ170mmであった。各蛍光灯の真上側に
は図7に示したカバー乃至シールド21を施した。な
お、アルミニウム蒸着膜22を使用しても良い。図7
(a)及び(b)に示したカバーは、強い直接光が上方
に向けて貫通して散乱光取出面が局所的に強く輝くのを
防ぐ為のものであり、場合によっては、半透明にするこ
とや、全く使用しないことも有り得るものである。カバ
ー乃至シールド21の内側は反射面として、少しでも光
量を無駄にしないことが好ましいことは、言うまでもな
い。
【0121】散乱導光体の背後には、光散乱導光体とは
別体の反射フィルムを置き、光散乱導光体の上面に頂角
約110゜のプリズムフィルムを載置して散乱出射光の
強度を測定した。(光散乱導光体下側の面に、光拡散性
インキのドットパターン等の散乱補強手段を設けること
はしない。) その結果、光散乱導光体の上面全体にわたって約750
0カンデラの明るさを有していることが判った。
【0122】次に、同じ蛍光灯埋め込み済みの光散乱導
光体の表面に、頂角α=80゜、凹凸のピッチd=0.
2mm、深さは0.1mmのプリズム状加工を施し、こ
のプリズム加工面を上に向けた場合と、下に向けた場合
とについて出射散乱光強度を測定したところ、いずれの
場合にも、光散乱導光体の上面全体にわたって約750
0カンデラを超える均一な明るさが観測された。
【0123】<実施例4> MMA(メチルメタクリレート)に粒径3μmのシリコ
ン系樹脂粉体(東芝シリコン製;トスパール130)を
0.35wt%加えて均一に分散させた上で、ラジカル
重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(BPO)
0.5wt%、連鎖移動剤としてn―ブチルメルカプタ
ン(n―BM)0.2wt%を添加し、70゜Cで20
時間注型重合させて170mm角、厚さ10mmの板状
(直方体形状)の光散乱導光体を得た。この光散乱導光
体の一側面から円筒状の切削加工を行い、図6に示した
如く円筒状の空所16内に蛍光灯15を収容した。空所
16は計3ヶ所とし、蛍光灯15のサイズは直径4m
m,長さ170mmであった。各蛍光灯の真上側には図
7に示したカバー21乃至シールド22を施した。
【0124】散乱導光体の背後には、光散乱導光体とは
別体の反射フィルムを置き、光散乱導光体の上面に頂角
約110゜のプリズムフィルムを載置し光源装置を構成
した。(光散乱導光体下側の面に、光拡散性インキのド
ットパターン等の散乱補強手段を設けることはしな
い。) 目視によって全体の明るさを観察したところ、全面が明
るく見え、特に明暗差の認められなかった。明暗比の実
測値は、約0.86であった。このことから、公知の散
乱粒子分散型の導光体を光拡散層印刷等の散乱補強手段
なしに使用した場合でも、光源要素を内部に埋め込んだ
配置を採用することによって均一で明るい光源装置が得
られることが判った。
【0125】<実施例5> MMA(メチルメタクリレート)に粒径0.8μmのシ
リコン系樹脂粉体(東芝シリコン製;トスパール10
8)を0.3wt%加えて均一に分散させた上で、ラジ
カル重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(BP
O)0.5wt%、連鎖移動剤としてn―ブチルメルカ
プタン(n―BM)0.2wt%を添加し、70゜Cで
20時間注型重合させて170mm角、厚さ10mmの
板状(直方体形状)の光散乱導光体を得た。この光散乱
導光体の一側面から円筒状の切削加工を行い、図6に示
した如く円筒状の空所16内に蛍光灯15を収容した。
空所16は計3ヶ所とし、蛍光灯15のサイズは直径4
mm,長さ170mmであった。各蛍光灯の真上側には
図8に示したカバー乃至シールド21を施した。なお、
アルミニウム蒸着膜22を使用しても良い。
【0126】散乱導光体の背後には、光散乱導光体とは
別体の反射フィルムを置き、光散乱導光体の上面に頂角
約110゜のプリズムフィルムを載置し光源装置を構成
した。(光散乱導光体下側の面に、光拡散性インキのド
ットパターン等の散乱補強手段を設けることはしな
い。) 目視によって全体の明るさを観察したところ、全面が明
るく見え、特に明暗差は認められなかった。
【0127】次に、同じ蛍光灯埋め込み済みの光散乱導
光体の表面に、頂角α=80゜、凹凸のピッチd=0.
2mm、深さは0.1mmのプリズム状加工を施し、こ
のプリズム加工面を上に向けた場合と、下に向けた場合
とについて出射散乱光強度を測定したところ、いずれの
場合にも、光散乱導光体の上面全体にわたってプリズム
加工を施す前よりも明るい散乱光が観測された。
【0128】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術では避け難か
った装置の複雑化、大型化を回避し、極めて簡単な構成
で均一で明るい光出射面を持つ、製造が簡単な光散乱導
光装置が提供される。即ち、本発明によって、散乱能の
勾配付与や拡散インキ層等の補強手段付加を必要としな
くなるから、製造工程の複雑化と装置の大型化を避ける
ことが可能になり、光散乱導光体表面に凹凸を設けると
いう簡単且つスペースを要しない手段によって、散乱出
射光強度の角度特性を調整出来るから、サイズを変えず
に光散乱導光光源装置の実質的な明るさを改善すること
が出来るようになった。
【0129】また、光源要素を光散乱導光体の空所ある
いは凹部に収容する構成を採用することによって、従来
の光源要素の配置上の制約に伴う問題(光量と明るさ均
一度の不足、光源要素配置の為の付加スペースの問題)
を一挙に解決することが出来た。
【0130】更に、本発明は、前述した本発明者に係る
幾つかの提案と組み合わせることによって、著しい相乗
的効果が発揮されることも着目されるべきである。特
に、前述の平成4年11月27日出願の日本国特許出願
の明細書に開示した光出射方向修正素子(例えば、プリ
ズムフィルム)は、本発明のいずれの形態(請求項1〜
請求項8)に従った構成にも組み合わせて用いることが
可能であり、また、その組み合わせによる相乗効果も大
きい(<実施例1>〜<実施例5>におけるプリズムフ
ィルムの使用を参照)。
【0131】また、本発明者の創出した製造法(重合過
程を利用した方法及びポリマーブレンドによる方法)に
よって製造される各種特性を有する光散乱導光体材料
を、本発明に置ける光散乱導光体の素材に用い、凹凸加
工、光源埋め込み等の手段を施すことによって、材料の
調整を含めた光散乱導光装置全体の製造工程を合理化
し、装置の性能を大幅に改善する効果が得られるもので
ある。
【0132】本発明の光散乱導光体あるいは光散乱導光
光源装置は、このような利点を備えているから、液晶表
示装置等各種ディスプレイのバックライト光源装置、自
動車等におけるバックライト光源、1次光源として太陽
光あるいは通常の照明光源を利用した各種の照明システ
ムにおける各種形状と各種寸法の照明光源装置、レーザ
や発光ダイオード等の光源を1次光源に用いた際の光束
拡張装置、光信号伝送システムにおける光分岐装置・混
合、顕微鏡等において狭い範囲を集中的且つ強力に照明
する装置等への適用を通じて、幅広い光学分野でその有
用性を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】横軸に相関距離a、縦軸に誘電率ゆらぎ2乗平
均τ=<η 2 をとって有効散乱照射パラメータEの曲
線をE=50[cm-1]及びE=100[cm-1]の場合に
ついて描いた図。
【図2】本発明に従って、散乱出射光強度を調整する凹
凸領域を散乱出射光取出面側に形成した光散乱導光体を
用いた光散乱導光光源装置の典型的な配置を示す図。
【図3】本発明に従って、散乱出射光強度を調整する凹
凸領域を散乱出射光取出面と相反する側に形成した光散
乱導光体を用いた光散乱導光光源装置の典型的な配置を
示す図。
【図4】図2に示された光散乱導光体における光線進路
を例示した図。
【図5】図3に示された光散乱導光体における光線進路
を例示した図。
【図6】本発明に従って、光源要素を光散乱導光体の空
所に配置した光散乱導光光源装置の配置を例示した図。
【図7】本発明に従って、光源要素を光散乱導光体の凹
部に配置した光散乱導光光源装置の配置を例示した図。
【図8】光源要素の周囲の一部を覆うように形成乃至配
置されるカバー乃至シールドの様子を描いた図。
【符号の説明】
1、11 光散乱導光体 2 凹凸領域 3 外部(空気) 4、14 反射フィルム 5、15 光源要素(蛍光灯) 16 空所 17 凹部 21 別体のカバー乃至シールド 22 アルミニウム蒸着膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13357

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光受入表面領域と、前記入射光受入
    表面領域からの入射光を起源とする散乱出射光を取り出
    す為の散乱出射光取出表面領域と、光散乱能が実質的に
    一様に与えられた光散乱体積領域とを有する光散乱導光
    体であって前記散乱出射光取出表面領域の少なくとも一部には散乱
    出射光強度の角度特性を調整するプリズム状凹凸要素配
    列が形成されており、 前記プリズム状凹凸要素配列は、前記入射光受入表面領
    域から見て左右方向に延在し、且つ、規則的に繰り返し
    形成された多数の斜面を備えており、 前記光散乱体積領域の有効散乱照射パラメータE[c
    m -1 ]の値が、0.001≦E≦1000の範囲にあ
    り、 該光散乱体積領域に前記散乱能を生じせしめる屈折率不
    均一構造の相関関数γ(r)を近似式γ(r)=exp
    [―r/a](但しrは、光散乱導光体内の2点間距離
    [μm])で表した時の相関距離aの範囲が、0.00
    5μm≦a≦50μmの範囲にある、前記光散乱導光
    体。
  2. 【請求項2】 入射光受入表面領域と、前記入射光受入
    表面領域からの入射光を起源とする散乱出射光を取り出
    す為の散乱出射光取出表面領域と、光散乱能が実質的に
    一様に与えられた光散乱体積領域とを有する光散乱導光
    体であって前記散乱出射光取出表面領域と相反する側の面の少なく
    とも一部には、外部の反射要素に対向し、散乱出射光強
    度の角度特性を調整するプリズム状凹凸要素配列が形成
    されており、 前記プリズム状凹凸要素配列は、前記入射光受入表面領
    域から見て左右方向に延在し、且つ、規則的に繰り返し
    形成された多数の斜面を備えており、 前記光散乱体積領域の有効散乱照射パラメータE[c
    m -1 ]の値が、0.001≦E≦1000の範囲にあ
    り、 該光散乱体積領域に前記散乱能を生じせしめる屈折率不
    均一構造の相関関数γ(r)を近似式γ(r)=exp
    [―r/a](但しrは、光散乱導光体内の2点間距離
    [μm])で表した時の相関距離aの範囲が、0.00
    5μm≦a≦50μmの範囲にある、前記光散乱導光
    体。
  3. 【請求項3】 入射光受入表面領域と、前記入射光受入
    表面領域からの入射 光を起源とする散乱出射光を取り出
    す為の散乱出射光取出表面領域と、光散乱能が実質的に
    一様に与えられた光散乱体積領域とを有し、前記散乱出
    射光取出表面領域の少なくとも一部には散乱出射光強度
    の角度特性を調整するプリズム状凹凸要素配列が形成さ
    れている光散乱導光体と、 前記光散乱導光体に光供給を行なう光源要素とを備えた
    光散乱導光装置であって: 前記光散乱体積領域は、前
    記プリズム状凹凸要素配列部分と直方体形状部分とを含
    み、 前記光源要素は、前記直方体形状の側面部分の近傍に配
    置されており、 前記プリズム状凹凸要素配列は、前記入射光受入表面領
    域から見て左右方向に延在し、且つ、規則的に繰り返し
    形成された多数の斜面を備えており、 前記光散乱体積領域の有効散乱照射パラメータE[c
    m -1 ]の値が、0.001≦E≦1000の範囲にあ
    り、 該光散乱体積領域に前記散乱能を生じせしめる屈折率不
    均一構造の相関関数γ(r)を近似式γ(r)=exp
    [―r/a](但しrは、光散乱導光体内の2点間距離
    [μm])で表した時の相関距離aの範囲が、0.00
    5μm≦a≦50μmの範囲にある、前記光散乱導光装
    置。
  4. 【請求項4】 入射光受入表面領域と、前記入射光受入
    表面領域からの入射光を起源とする散乱出射光を取り出
    す為の散乱出射光取出表面領域と、光散乱能が実質的に
    一様に与えられた直方体形状の光散乱体積領域とを有
    し、前記散乱出射光取出表面領域と相反する側の面の少
    なくとも一部には、外部の反射要素に対向し、且つ、散
    乱出射光強度の角度特性を調整するプリズム状凹凸要素
    配列が規則的に繰り返し形成されている光散乱導光体
    と、 前記光散乱導光体に光供給を行なう光源要素とを備えた
    光散乱導光装置であって: 前記光散乱体積領域は、前記プリズム状凹凸要素配列部
    分と直方体形状部分とを含み、 前記光源要素は、前記直方体形状の側面部分の近傍に配
    置されており、 前記プリズム状凹凸要素配列は、前記入射光受入表面領
    域から見て左右方向に延在し、且つ、規則的に繰り返し
    形成された多数の斜面を備えており、 前記光散乱体積領域の有効散乱照射パラメータE[c
    m -1 ]の値が、0.001≦E≦1000の範囲にあ
    り、 該光散乱体積領域に前記散乱能を生じせしめる屈折率不
    均一構造の相関関数γ(r)を近似式γ(r)=exp
    [―r/a](但しrは、光散乱導光体内の2点間距離
    [μm])で表した時の相関距離aの範囲が、0.00
    5μm≦a≦50μmの範囲にある、前記前記光散乱導
    光装置。
  5. 【請求項5】 前記光源要素は棒状の形状を有し、前記
    直方体形状の側面部分に沿うように配置されている、請
    求項3または請求項4に記載された光散乱導光光源装
    置。
JP35507392A 1992-12-16 1992-12-16 光散乱導光体及び光散乱導光光源装置 Expired - Lifetime JP3279690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35507392A JP3279690B2 (ja) 1992-12-16 1992-12-16 光散乱導光体及び光散乱導光光源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35507392A JP3279690B2 (ja) 1992-12-16 1992-12-16 光散乱導光体及び光散乱導光光源装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001249458A Division JP3414727B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 光散乱導光体及び光散乱導光光源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06186560A JPH06186560A (ja) 1994-07-08
JP3279690B2 true JP3279690B2 (ja) 2002-04-30

Family

ID=18441782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35507392A Expired - Lifetime JP3279690B2 (ja) 1992-12-16 1992-12-16 光散乱導光体及び光散乱導光光源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3279690B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5626800A (en) * 1995-02-03 1997-05-06 Minnesota Mining And Manufacturing Company Prevention of groove tip deformation in brightness enhancement film
WO2008026346A1 (fr) * 2006-09-01 2008-03-06 Sharp Kabushiki Kaisha Element optique, dispositif a sources lumineuses et ecran
WO2010050309A1 (ja) * 2008-10-29 2010-05-06 コニカミノルタオプト株式会社 光学素子の製造方法及び光学素子
JP2012027511A (ja) 2009-04-23 2012-02-09 Univ Of Tsukuba 入力装置
JP2020141157A (ja) * 2019-02-26 2020-09-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 フロントライトおよび読取装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06186560A (ja) 1994-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3162398B2 (ja) 光散乱導光装置
JP3538220B2 (ja) コーナー部光供給型面光源装置
US6172809B1 (en) Surface light source device with polarization function
JP3184219B2 (ja) 光散乱導光体とその製造方法及び応用光学装置
JP3429384B2 (ja) サイドライト型面光源装置
US6290364B1 (en) Surface light source device
JP3215218B2 (ja) 光散乱導光光源装置
JPH07169311A (ja) 光散乱導光光源装置及び液晶表示装置
EP0663600A1 (en) Source of scattered light and liquid crystal display
JPH08271739A (ja) 液晶ディスプレイ
JPH07195557A (ja) エッジ照射光導波素子
JP3830982B2 (ja) 楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置
JP3279690B2 (ja) 光散乱導光体及び光散乱導光光源装置
JP3414727B2 (ja) 光散乱導光体及び光散乱導光光源装置
JP3429388B2 (ja) 面光源装置並びに液晶ディスプレイ
JPH11345512A (ja) 面光源装置
JP3745389B2 (ja) 平行光束拡大型面光源装置
JPH04145485A (ja) 光源装置
JP3351889B2 (ja) 映込防止機能を備えた面光源装置及び液晶表示装置
JP3639318B2 (ja) 平行光束化装置
JPH08278760A (ja) 表示指向性を有する情報表示灯
JPH07306411A (ja) 乗物内機器用表示部の照明装置
JP3742189B2 (ja) 導光板
JP2008091113A (ja) 直下型バックライト装置
JPH06324215A (ja) 光源装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 11