JP3830982B2 - 楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本願発明は、入射光を体積領域で散乱させながら導光させると共に明確な指向性を持った出射光を生成する機能を有する光学要素(以下、「指向出射性の光散乱導光素子」と言う。)に楔形出射方向特性調整素子を組み合わせて用いた面光源装置に関する。本願発明は、明るく均一な出射光束を必要とする任意のアプリケーションに適用可能なものであるが、特に、液晶表示装置のバックライト光源手段として有効に利用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】
光散乱体の側方に蛍光ランプ等の光源を配置し、光散乱体の正面側の光取出面から広断面積の光束を出射させることは、従来より知られている技術である(例えば、特開平2−221926号、特開平4−145485号及び実開昭51−89888号公報)。これら技術は、導光体内部あるいは表面領域に与えられた光散乱作用によって光の進行方向を出来るだけランダムなものとすることを通して光取出面から出射させる光量を確保するというものであり、面光源装置からの出射光に特定の指向特性をもたせるという技術課題を前提にしたものではなかった。従って、従来の光散乱体を利用した面光源装置では、出射光の伝播方向分布を所望のものに調整することは困難であった。
【0003】
また、楔形光散乱導光素子を利用した面光源装置において、光散乱導光素子の光取出面上に光出射方向修正素子を付加配置することにより、出射光の方向特性を調整することも提案されているが、そこで用いられている光出射方向修正素子は楔形状のものではなく、これを楔形の光散乱導光素子と組み合わせた場合には次のような問題が生じる。
【0004】
(1)光入射面側と末端部との間の厚みの差が大きくなってしまい、全体を等厚的に構成することが難しくなる。
【0005】
(2)面光源装置から出射される光の指向性の強弱を調整する技術手段が備わっていない。光出射方向修正素子に付与する散乱能の強さを通して、面光源装置から出射される光の指向性の強弱を調整するという考え方は未だ提案されていない。
【0006】
(3)面光源装置の厚さを抑える為に公知の薄いシート状光出射方向修正素子を使用した場合、これを簡単な射出成形法によって製造することは難しいので、光散乱導光素子と全く別の製造法による別部品として用意しなければならず、製造コストの面から見て有利であるとは言えない。
【0007】
(4)光散乱導光素子の光入射面側から見て縦横両方向(以下、単に「縦断方向」、「横断方向」と言う。)について光出射方向修正機能をもたせるには、2枚の光出射方向修正素子を直交配置させることが必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は上記従来技術の問題点を克服することを目的としてなされたものである。
即ち、本願発明は製造コストの上昇を招くことなく、コンパクトで等厚的な全体構造を有し、伝播方向分布が所望のものに調整された均一な出射光束を得ることが出来る面光源装置を提供することを企図している。また、本願発明は、出射光が出来るだけ明瞭な指向特性を持つように調整された前記面光源装置を提供することを併せて企図するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明は上記目的を達成する為の基本的な技術手段として、「有効散乱照射パラメータE[cm-1]の値が0.5≦E≦50の範囲にあり、光散乱能を生み出す屈折率不均一構造の相関関数γ(r)をγ(r)=exp[−r/a](但し、rは光散乱導光体内の2点間距離)で近似した時の相関距離a[μm]の値が0.06≦a≦35の範囲にある一様な散乱能が与えられた楔形状断面を有する体積領域を含む指向出射性の光散乱導光素子と、前記光散乱導光素子の光取出面との間に小間隔を形成すると共に前記光散乱導光素子と相補的な位置関係を以て配置された楔形出射方向特性調整素子と、前記光散乱導光素子の前記楔形状断面の断面積が相対的に大きな方の端面側に配置された光入射手段を備え、
前記楔形出射方向特性調整素子が、前記光散乱導光素子よりも小さな有効散乱照射パラメータEを有する光散乱導光体で構成されており、前記光散乱導光素子の光取出面に対向する前記楔形出射方向特性調整素子の光取入面、光出射方向修正用のプリズム状起伏が形成されていることを特徴とする楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置」(請求項1に記載された構成)を提案したものである。
【0010】
また、本願発明は、特に、出射光の指向特性が縦横双方について調整された面光源装置の構成として、「有効散乱照射パラメータE[cm-1]の値が0.5≦E≦50の範囲にあり、光散乱能を生み出す屈折率不均一構造の相関関数γ(r)をγ(r)=exp[−r/a](但し、rは光散乱導光体内の2点間距離)で近似した時の相関距離a[μm]の値が0.06≦a≦35の範囲にある一様な散乱能が与えられた楔形状断面を有する体積領域を含む指向出射性の光散乱導光素子と、前記光散乱導光素子の光取出面との間に小間隔を形成すると共に前記光散乱導光素子と相補的な位置関係を以て配置された楔形出射方向特性調整素子と、
前記光散乱導光素子の前記楔形状断面の断面積が相対的に大きな方の端面側に配置された光入射手段を備え、
前記楔形出射方向特性調整素子が前記光散乱導光素子よりも小さな有効散乱照射パラメータEを有する光散乱導光体で構成されており、前記光散乱導光素子の光取出面に対向する前記楔形出射方向特性調整素子の光取入面並びに該光取入面と相反する側の光出射面には光出射方向修正用のプリズム状起伏列が形成されており、前記両プリズム状起伏列の内の一方の配向方向は前記光散乱導光素子の光入射面側から見て縦断方向に沿っており、他方の配向方向は前記光散乱導光素子の光入射面側から見て横断方向に沿っていることを特徴とする楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置」(請求項2に記載された構成)を提案したものである。
【0011】
そして、本願発明は更に、上記各構成で使用されている楔形出射方向特性調整素子の材料を光散乱導光体から透明な光学材料(即ち、有効散乱照射パラメータEが実質的に0の光学材料)に置き換え、出射光の指向性の鈍化を抑制した面光源装置の構成として、「有効散乱照射パラメータE[cm-1]の値が0.5≦E≦50の範囲にあり、光散乱能を生み出す屈折率不均一構造の相関関数γ(r)をγ(r)=exp[−r/a](但し、rは光散乱導光体内の2点間距離)で近似した時の相関距離a[μm]の値が0.06≦a≦35の範囲にある一様な散乱能が与えられた楔形状断面を有する体積領域を含む指向出射性の光散乱導光素子と、前記光散乱導光素子の光取出面との間に小間隔を形成すると共に前記光散乱導光素子と相補的な位置関係を以て配置された楔形出射方向特性調整素子と、
前記光散乱導光素子の前記楔形状断面の断面積が相対的に大きな方の端面側に配置された光入射手段を備え、
前記楔形出射方向特性調整素子が透明な光学材料で構成されており、前記光散乱導光素子の光取出面に対向する前記楔形出射方向特性調整素子の光取入面、光出射方向修正用のプリズム状起伏が形成されていることを特徴とする楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置」(請求項3に記載された構成)、並びに、「有効散乱照射パラメータE[cm-1]の値が0.5≦E≦50の範囲にあり、光散乱能を生み出す屈折率不均一構造の相関関数γ(r)をγ(r)=exp[−r/a](但し、rは光散乱導光体内の2点間距離)で近似した時の相関距離a[μm]の値が0.06≦a≦35の範囲にある一様な散乱能が与えられた楔形状断面を有する体積領域を含む指向出射性の光散乱導光素子と、前記光散乱導光素子の光取出面との間に小間隔を形成すると共に前記光散乱導光素子と相補的な位置関係を以て配置された楔形出射方向特性調整素子と、前記光散乱導光素子の前記楔形状断面の断面積が相対的に大きな方の端面側に配置された光入射手段を備え、
前記楔形出射方向特性調整素子が透明な光学材料で構成されており、前記光散乱導光素子の光取出面に対向する前記楔形出射方向特性調整素子の光取入面並びに該光取入面と相反する側の光出射面には光出射方向修正用のプリズム状起伏列が形成されており、前記両プリズム状起伏列の内の一方の配向方向は前記光散乱導光素子の光入射面側から見て縦断方向に沿っており、他方の配向方向は前記光散乱導光素子の光入射面側から見て横断方向に沿っていることを特徴とする楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置」(請求項4に記載された構成)を提案したものである。
【0012】
【作用】
本願発明は、一様な散乱能が与えられた楔形状断面を有する体積領域を含む指向出射性の光散乱導光素子を用いて光の伝播方向を揃えた上で、該光散乱導光素子と相補的な位置関係を以て配置された楔形出射方向特性調整素子によって光出射方向を修正して明るく均一な光束を出射されるものであり、また、光束出射時の方向特性のシャープさの度合を該楔形出射方向特性調整素子を構成する材料の散乱能に応じて調整するものである。
【0013】
そこで、先ず、本願発明における光散乱導光素子あるいは楔形出射方向特性調整素子を構成する光散乱導光体の散乱特性を記述する際に使用されている散乱照射パラメータEと相関距離aについて、Debyeの理論を引用して説明する。
【0014】
強度I0 の光が媒体中をy(cm)透過し、その間の散乱により強度がIに減衰した場合に、有効散乱照射パラメータEを次式(1)または(2)で定義する。
【0015】
【数1】
Figure 0003830982
上式(1),(2)は各々いわゆる積分形及び微分形の表現であって、物理的な意味は等価である。なお、このEは濁度と呼ばれることもある。
一方、媒体内に分布した不均一構造によって光散乱が起こる場合の散乱光強度は、縦偏光の入射光に対して出射光の大半が縦偏光である通常の場合(VV 散乱)には、次式(3)で表される。
【0016】
【数2】
Figure 0003830982
自然光を入射させた場合には、Hh 散乱を考慮して、式(3)の右辺に(1+cos2Φ)/2を乗じた次式を考えれば良いことが知られている。
【0017】
【数3】
Figure 0003830982
ここで、λ0 は入射光の波長、ν=(2πn)/λ0 、s=2sin (Φ/2)である。また、nは媒体の屈折率、Φは散乱角、<η2 >は媒体中の誘電率ゆらぎ2乗平均(以下、<η2 >=τとして、τを適宜使用する。)であり、γ(r)は相関関数と呼ばれるものである。相関関数γ(r)は、次式(6)で表わされる。
【0018】
そして、Debyeによると、媒体の屈折率不均一構造が界面を持ってA相とB相に分かれて分散している場合には、相関関数γ(r)、相関距離a、誘電率ゆらぎ2乗平均τの関係について次の式(7),(8)が成立する。
【0019】
【数4】
Figure 0003830982
不均一構造が半径Rの球状界面で構成されているとみなせば、相関距離aは次式で表される。
【0020】
【数5】
Figure 0003830982
相関関数γ(r)についての式(6)を用い、式(5)に基づいて自然光を媒体に入射させた時の有効散乱照射パラメータEを計算すると結果は次のようになる。
【0021】
【数6】
Figure 0003830982
以上述べた関係から、相関距離a及び誘電率ゆらぎ2乗平均τを変化させることにより、散乱光強度、散乱光強度の角度依存性及び有効散乱照射パラメータEを制御することが可能であることが判る。
図1は、横軸に相関距離a、縦軸に誘電率ゆらぎ2乗平均τをとり、有効散乱照射パラメータEを一定にする条件を表わす曲線を、E=50[cm-1]及びE=100[cm-1]の場合について描いたものである。
【0022】
一般に、Eが大きければ散乱能が大きく、Eが小さければ散乱能が小さい、換言すれば透明に近くなる。E=0は全く散乱の無いことに対応する。
従って、大寸法の面光源装置に使用される光散乱導光素子にはEの小さな光散乱導光体を用い、小寸法の面光源装置にはEの大きな光散乱導光素子を利用すれば良い。
上記基準を考慮に入れて本願発明で使用される光散乱導光素子の有効散乱照射パラメータEのレンジを定めると、E=0.5〜50[cm-1]の程度となる。 また、楔形出射方向特性調整素子に与える散乱能は主として出射光束を適度に広げる調整作用を発揮させる為のものであるから、有効散乱照射パラメータEの値は光散乱導光素子に比して小さくなるように選ばれる。
【0023】
一方、相関距離aは、光散乱導光素子に用いる光散乱導光体内部における個々の散乱現象における散乱光の方向特性に深く関わっている量である。即ち、上記(3)式乃至(5)式の形から推察されるように、光散乱導光体内部における光散乱は一般に前方散乱性を帯びているが、前方散乱性の強さが相関距離aによって変化する。
【0024】
図2は、これをaの2つの値について例示したグラフである。同図において、横軸は散乱角度Φ(入射光線の進行方向をΦ=0°とした。)を表わし、縦軸は自然光を仮定した場合の規格化散乱光強度、即ち、上記(5)式をΦ=0°に対して規格化した値、Vvh(Φ)/Vvh(0)を表わしている。
同図に併記されているように、a=0.13μmの場合、即ち、上記(9)式による粒径換算値で2R=0.2μmの場合には、Φに関する緩やかな減少関数を表わすグラフが得られるが、a=1.3μm、同(9)式による粒径換算値で2R=2.0μmの場合には、Φが小さい値にある領域内で急激に減少する関数を表わすグラフが得られる。
【0025】
このように、光散乱導光体内の屈折率の不均一構造によって生ずる散乱は、基本的には前方散乱の性格を有しているが、相関距離aの値が小さくなるに従って前方散乱性が弱まり、個々の散乱過程における散乱角度の範囲が広がる傾向が生じて来る。これは実験的にも確認済みの事柄である。
【0026】
以上の議論は、光散乱導光素子を構成する光散乱導光体内部に分布した屈折率不均一構造による散乱現象そのものに着目した場合に成り立つものであるが、光散乱導光体で構成される光散乱導光素子の光取出面から実際に出射される光の方向特性を評価する為には、光取出面における全反射の現象と光出射時の透過率(光散乱導光素子から同素子外への脱出率)を併せて考慮する必要がある。
【0027】
基礎的な光学理論によって全反射の条件として良く知られているように、光散乱導光体の内部側から光取出面に光が入射した時、光散乱導光体内外の媒質の屈折率によって決まる臨界角αc (ここでは、光取出面に立てた法線方向を0°とする。)を入射角が上回る場合には、外部(空気層)への出射(脱出)が起らない。本願発明に使用される代表的な材料であるPMMA(屈折率1.492)では、αc =42°となる。
【0028】
後述するように、本願発明で光散乱導光素子のマトリックス材料として好適に使用される通常の樹脂材料の屈折率は、1.4〜1.7の範囲にあるので、実際的なαc の範囲は、36.0°〜45.6°の程度の値となる。
【0029】
上述したように、光散乱導光体内部における散乱は前方散乱性を示すから、光取出面の側方に光入射面をとる通常のケースでは、光入射面から入射した光が不均一構造に遭遇して発生した1次散乱光が直ちに上記臨界角条件を満たすことは稀であると考えられる。
【0030】
従って、光取出面からの光出射には、光散乱導光体内部における多重散乱過程や、光散乱導光体の背面側の界面あるいは反射部材による反射過程を経た光が上記臨界角条件を満たして外部に出射されるという現象が大きく関与しているものと考えるべきである。
【0031】
そうだとすると、臨界角条件を満たす光に注目した場合には、個々の散乱現象の属性である前方散乱性は相当程度薄められ、光の進行方向分布には相当の拡がりが生じている筈である。その結果、光散乱導光体で構成された光散乱導光素子から出射される光の方向特性は、臨界角条件を満たした光の光取出面における透過率(脱出率)の角度依存性に大きく左右されることになる。
【0032】
一般に、臨界角条件をぎりぎりで満たすような入射角をもって媒体界面に入射した光の界面透過率は極めて低い。例えば、アクリル樹脂−空気界面の場合、P偏光成分40%程度、S偏光成分20%程度である。そして、入射角が臨界角を下回る角度が増加するに従って光透過等は急激に上昇し、5°乃至10°以上下回った条件ではほぼ一定となる。アクリル樹脂−空気界面の場合では、P偏光成分90%以上、S偏光成分85%以上となる。
【0033】
以上のことから、アクリル樹脂の場合で言えば、光取出面への入射角が35°〜40°前後の光が、光散乱導光素子の光取出面からの光出射に最も大きく寄与しているものと考えられる。屈折に関するスネルの法則を考慮すると、光取出面がアクリル樹脂−空気界面である場合、35°〜40°前後の入射角で光取出面に入射した光は、光取出面に空気側から立てた法線に対して65°付近から前後数度程度の範囲内に収まる方向へ向けて出射される。
【0034】
光散乱導光素子を構成する光散乱導光体にアクリル樹脂以外の材料を使用した場合でも、実際的な材料の屈折率の範囲は1.4〜1.7の程度であるから、上記角度に数度程度のずれを見込めば、全く同様の議論が成立する。
【0035】
即ち、光散乱導光素子の光取出面からの出射光は、粗く見積って光取出面表面に対して20°〜30°前後も立ち上がった方向に明瞭な指向性を有する光となる。
【0036】
但し、ここで注意すべきことは、相関距離aの値が余り小さくなると、個々の散乱過程における前方散乱性が薄れ、一次散乱のみで後方散乱を含む広範囲の散乱光が発生するようになる為に、このような指向性を与える前提条件が崩れてしまうことである。本願発明では、このような現象が顕著とならないような光散乱導光体(以下、「指向出射性の光散乱導光体」と呼ぶ。)で構成された光散乱導光素子を使用する。この条件を考慮した場合の相関距離aの下限値は0.06μmの程度である。
【0037】
一方、図1から判るように、相関距離aが大きい程有効散乱照射パラメータEの値を大きくすることが難しくなる傾向がある。本願発明では、この条件をも考慮に入れて、光散乱導光素子を構成する光散乱導光体の相関距離aの値の実際的な範囲として、0.06μm〜35μmを選択した。光散乱導光体を異屈折率粒子を分散させた場合には、(9)式から、粒子径0.1μm〜54μmの範囲がこれに対応することになる。
【0038】
このような条件で一様な散乱能を与えられた楔形状の指向出射性の光散乱導光素子の厚みが大きい側の側面を光入射面として、通常の蛍光ランプ等の光源(一般には、光供給手段)からの光を入射させると、光散乱導光素子の表裏両面から指向性の光束が出射される。その一方の面は光散乱導光素子の光取出面として用いられる。他方の面には適宜反射性の部材を配置して光の散逸を防止することが好ましい。
【0039】
光散乱導光素子の光取出面から出射した光は、上述したように、光取出面に対して20°から30°前後立ち上がった方向に指向性を有している。ところが、液晶表示装置のバックライト光源の用途をはじめとして、面光源装置には正面あるいはこれに近い方向から見た明るさが要求されることが多い。また、面光源装置が明るく見える方向の範囲(指向性のシャープさの度合)について用途に応じた調整が望まれる。
【0040】
本願発明では、このような面光源装置の出射方向特性(主たる伝播方向と指向性のシャープさの度合)の調整機能を楔形出射方向特性調整素子によって実現させる。
光散乱導光素子の光取出面から取り出された光は、光散乱導光素子と相補的な位置関係で配置された楔形出射方向特性調整素子の光取入面に入射し、面光源装置の光出射部に相当する楔形出射方向特性調整素子の光出射面から出射される。楔形出射方向特性調整素子の光取入面あるいは光出射面の内、少なくとも光取入面には光出射方向修正用のプリズム状起伏が設けられており、このプリズム状起伏の作用によって光出射方向が修正される。プリズム状起伏を形成する面の選択(光取入面のみ、あるいは双方の選択)、プリズム状起伏全体の配向態様の選択(例えば、起伏を列状のものとした場合の配向方向)等を通して、光出射方向の修正内容が調整される。
【0041】
楔形出射方向特性調整素子は出射光の主たる伝播方向を調整するだけでなく、与えられた散乱能の強さ(有効散乱照射パラメータEで評価される。)を通して指向性のシャープさの度合を調整する役割を果たす。通常必要とされる指向性調整作用に必要な散乱能は一般に光散乱導光素子に要求される散乱能に比べて小さいので、楔形出射方向特性調整素子を構成する光学材料(光散乱導光体または透明体)の有効散乱照射パラメータEは、光散乱導光素子を構成する光散乱導光体の有効散乱照射パラメータEよりも小さく選ばれる。
また、指向性のシャープさの度合を出来るだけ高く維持した場合には、有効散乱照射パラメータEが実質的に0とした透明な光学材料が選択される。
【0042】
なお、光散乱導光素子を楔形状断面の光散乱導光体で構成することの光学的な意義、並びに、光散乱導光素子及び楔形出射方向特性調整素子を構成する光散乱導光体あるいは透明体の材料・製法については、次記実施例の中で述べることとする。
【0043】
【実施例】
図3は、本願発明に係る面光源装置の第1の実施例を要部斜視図で表わしたものである。
同図において、1は指向出射性の光散乱導光体からなる楔形状の光散乱導光素子で、ここではポリメチルメタクリレート(PMMA)中にシリコーン系樹脂材料(屈折率=1.4345)を0.07wt%の割合で一様に分散させたものを使用し、サイズは、図中左右方向の長さが68mm、幅が85mm、厚みは光入射面2側の端部で4.0mm、末端面6側の端部で0.2mmとした。
【0044】
Lは光散乱導光素子1の入射面2から1mm離して配置された直径3mmの蛍光ランプで、このランプLから右方に向かう光を入射面2から光散乱導光素子1内へ入射させる配置とした。符号3は光取出面であり、この面から光散乱導光素子1の光が取り出される。光取出面3と相反する側の裏面4には正反射性あるいは拡散反射性の反射手段5が密着配置されている。
【0045】
この反射手段5は、光散乱導光素子1とは別体の反射部材(例えば、銀箔シート)であっても良く、また、裏面4上に形成された反射膜(例えばアルミニウム蒸着膜)であっても良い。銀箔シートのように、紫外線による反射性能の劣化の恐れがある反射部材を用いる場合には、裏面4への固着手段として紫外線吸収性の接着剤を用いることが好ましい。後述するように、光散乱導光素子1はプラスチック材料の射出成形技術によって製造することが実用的であり、反射部材の固着に際してインモールド法を適用することが可能である。
【0046】
符号10は、光散乱導光素子1と相補的な位置関係をもって配置された楔形出射方向特性調整素子を表わしており、その両端面11,12は各々光散乱導光素子1の光入射面2及び末端面6と整列した位置関係にある。光散乱導光素子1に上記サイズのものを使用した場合の楔形出射方向特性調整素子10のサイズの一例を記せば、図中左右方向の長さが68mm、幅が85mm、厚みは光入射面2側の端部で0.5mm、末端面6側の端部で4.3mmとなる。
【0047】
光散乱導光素子1の光取出面3と薄い空気層乃至空気ギャップARを挟んで対向した面は、光入射面2側から見て横断方向に配向したプリズム状の起伏列が形成された光取入面13となっている。この光取入面13に相反する側の面が光出射面14となっており、この光出射面14から出射された光(矢印群で表示)が面光源装置からの出射光として使用される。
【0048】
楔形出射方向特性調整素子10は、弱い散乱能を付与された光散乱導光体から構成されており、ここでは光散乱導光素子1と同じマトリック材料であるポリメチルメタクリレート(PMMA)中にシリコーン系樹脂材料(屈折率=1.4345)を0.05wt%の割合で一様に分散させたものを使用した。
「作用」の欄で述べたように、楔形出射方向特性調整素子10の散乱能は、主として面光源装置の出射光の指向性の緩和度合を調整する為に付与されるものであるから、屈折率不均一構造を生み出す為に分散される異屈折率粒子の量は、面光源装置の用途等を考慮して定められることが望ましい。
【0049】
面光源装置の出射光の指向性の緩和の必要がない場合には、異屈折率粒子を全く分散させない透明材料(有効散乱照射パラメータEの値がほぼ0の材料、例えば、ポリメチルメタクリレート自体)で楔形出射方向特性調整素子10を構成すれば良い。
【0050】
次に、図5及び図6(a)を参照して、(1)光散乱導光素子1が楔形状断面を有していることの技術的な意味、及び(2)光取入面13上に形成されているプリズム状起伏列の光出射方向修正機能並びに楔形出射方向特性調整素子に与えられた散乱能に応じた指向性緩和機能について順次説明する。
【0051】
(1)光散乱導光素子1の楔形状断面について
図5は、図3の配置で用いられている楔形状の光散乱導光素子1の楔形断面を表わす図であり、その内部における繰り返し反射の様子が、光入射面2から光散乱導光素子内部に取り込まれる光が光線B0 で代表させて描かれている。光源(蛍光ランプ)Lは楔形の側端部に形成された光入射面2に面して配置されるから、代表光線B0 の伝播方向は、図示したように水平方向と小さな角度をなしているものと考えることが出来る。
【0052】
この光線B0 の挙動を考察してみると、入射面2から光散乱導光素子1内に入射した光線B0 は、一定割合で散乱による方向転換を受けながら、図示したように光取出面3とこれに対して傾斜した裏面4において反射を繰り返しながら、光散乱導光素子1の厚みの薄い末端部6へ近づいていく。面4,5の内側表面における反射は正反射であるから、個々の反射における入射角と反射角は等しい(θ1 ,θ2 ,θ3 ・・・・)。ここで、光取出面3における各回の反射に注目すると、θ2 >θ4 >θ6 ・・・の関係が成立していることが判る。
【0053】
更に、各反射時における界面透過率を考えてみると、光散乱導光体の指向出射性の場合と同様の議論によって、θi >αc (臨界角;PMMA−空気界面で42°)の条件では全反射が起こり、θi がαc を下回ると透過率が急上昇し、θi が所定値(PMMA−空気界面で35°前後)以下で透過率はほぼ一定となる。図では、θ2 >αc >θ4 >θ6 の関係によって、出射光B4 ,B6 が生じている様子が描かれている。
【0054】
このような効果は、代表光線B0 (無散乱光)に限らず、1次散乱光や多重散乱光についても程度の差はあっても同様に生じている筈であるから、光散乱導光素子1全体としては光入射面2から遠ざかる程光取出面3からの光出射率を高める効果を生んでいるものと考えられる。この効果を、光入射面2からの距離xの関数f(x)で評価すると、f(x)はxに関する増加関数である。一方、光入射面2に近い部分では光源Lに近いという効果が直接光、散乱光いずれについても働く。この近接効果をg(x)で評価すれば、g(x)は減少関数となる。
【0055】
従って、近接効果g(x)がf(x)によって相殺され、より遠くまで光を導いた上で光取出面3から光を出射させる傾向が生まれることになる。また、光散乱導光素子1内の光が光取出面3に入射する機会も、楔形状の効果によって入射面2から遠ざかるにつれて増大する傾向を持ちつつ全体的に増大すると考えられるから、光取出面3全体に亙って輝度レベルを一段と向上させる効果も生じているものと思われる。
【0056】
両面3,4のなす角度ψに絶対的な制限は特にないが、明るさのレベル、均一度、指向特性等を考慮した実際的な範囲としては、0.5°≦ψ≦5°が考えられる。また、傾斜した裏面4(場合によっては光取出面3)を曲面とすることにより、反射角θ1 、θ2 、θ3 ・・・・の増大推移を制御し、より望ましい特性を実現することも可能である。
【0057】
ここで述べたような効果は、裏面4に沿って反射体5を配置した場合にも同様に成立することは明らかである。なお、平行光束化を阻害しない為には、この反射体5は拡散反射性の反射体よりも正反射性を有する反射体であることが好ましい。
【0058】
(2)楔形出射方向特性調整素子10の光取入面13上に形成されているプリズム状起伏列の光出射方向修正機能並びに楔形出射方向特性調整素子に与えられた散乱能に応じた指向性緩和機能について
図6(a)は、図3中に符号Fで指示した部分を拡大描示した断面図であり、この図を用いて楔形出射方向特性調整素子の上記機能について説明する。図中G1 及びG2 は、光散乱導光素子1から出射される指向性の光束を代表する光線を表わしており、前述した議論によって光散乱導光素子1の光取出面3への入射各φ1 は37°前後、同出射角φ2 は65°前後と想定することが出来る。楔形出射方向特性調整素子10の光取入面13には、プリズム状起伏列を構成する繰り返し斜面H,H’が形成されている。
【0059】
今、光取出面3と光出射面14のなす角度を約3°(通常は、光散乱導光素子1の光取出面3と裏面4のなす角度にほぼ等しく選ばれる)、斜面Hの傾斜角を代表光線G1 ,G2 がほぼ垂直に入射するように選択し、斜面H’の傾斜角を代表光線G1 ,G2 がほぼ垂直上方に向けて正反射されるように選択すると、この正反射時の入射角φ3 は、約56°(>αc =42°)となり、余裕をもって全反射条件を満たしている。従って、このような条件を選択することによって、光散乱導光素子1から出射された指向性の光束の伝播方向を楔形出射方向特性調整素子10の光出射面14に対して垂直な方向に転換させて、光出射面14からその正面方向へ出射させること出来る(G1',G2'で表示)。
【0060】
斜面H,H’の傾斜角を、光散乱導光素子1からの出射光を代表する光線G1 ,G2 の方向、両素子1,10の楔形の角度、屈折率を考慮して設計すれば、光出射面14の正面方向のみならず幅広い選択範囲で所望の方向に光を出射する面光源装置を構成することが出来る。
【0061】
なお、楔形出射方向特性調整素子10の光取入面13に形成されるプリズム状起伏列の各プリズム要素の頂角は、60°〜70°の範囲の値(例えば64°)に設定することが、一つの実際的な選択である。また、プリズム状起伏列の形成ピッチとしては、明るさの均一性への影響等を考慮して、回折効果が生じない範囲で、50μm以下とすることが好ましい。
【0062】
以上は、楔形出射方向特性調整素子10の散乱能を考慮しない議論であり、もし、楔形出射方向特性調整素子10を透明材料ではなく、光散乱導光体で構成した場合には、有効散乱照射パラメータEの大きさで規定される散乱能の強さに応じて、光の伝播方向に拡がりが生じ、例えば、正面方向の光G1', G2' 以外の方向に出射する光G1", G2" の割合が増加する。楔形出射方向特性調整素子10に与えられる散乱能は一般に小さいので、多重散乱の確率は大きくはならず、「作用」の欄で説明した前方散乱性によって、楔形出射方向特性調整素子10内部における散乱による光の伝播方向の転換角度はそれほど大きくはならない。このような条件では、散乱光に対して光出射面14で全反射が起る確率は極めて小さく、そのまま外部空気層へ出射されると考えて良い。従って、楔形出射方向特性調整素子10に与える散乱能の強弱を通して、面光源装置から出射される光の伝播方向の幅を調整する形で出射光の方向特性を調整することが出来る。
【0063】
結局、楔形出射方向特性調整素子10は、面光源装置から出射光の伝播方向と指向性の強さの双方を調整する機能を兼ね備えた素子である。
【0064】
以上、図3に示した実施例に関連して行なった出射光の方向特性に関する議論は、光散乱導光素子1の入射面2側から見て縦断方向に注目したものである。即ち、上記例示した条件のもとで、楔形出射方向特性調整素子10の光出射面14から出射される光には、正面方向に伝播する光(図3中14fで表示)に混ざって、横方向へ向いた光(同14f’で表示)が相当量存在している。
【0065】
面光源装置の用途によっては、縦断方向の方向修正よりも、横断方向について光の指向性を整えることを求められることが考えられる。そのような場合に好適な実施例を図3と同様の形式で示したのが図4である。
同図に示された実施例は、その要素構成、各要素の材料構成いずれも図3に示した第1の実施例とほぼ変わるところはなく、符号についても共通のものが使用されている(個別の繰り返し説明は省略)。この第2の実施例が、第1の実施例と異なっているのは、楔形出射方向特性調整素子10の光取入面13に形成されたプリズム状起伏列の配向方向のみである。即ち、本実施例においては、楔形出射方向特性調整素子10の光取入面13に形成されたプリズム状起伏列の配向方向が、縦断方向を向いていることである。
【0066】
このような配向方向を選択することにより、上記図6(a)を参照して説明したと同様の方向修正作用が横断方向に関して働き、横断方向に関して光出射面14の正面方向から、大きくそれる方向に光が出射される現象を抑制することが出来るようになる。図4中に併記された矢印群14f”は、出射光の横断方向が整えられた様子を表わしている。
【0067】
なお、この第2の実施例においても、上記第1の実施例で説明したと同等の原理によって、楔形出射方向特性調整素子10の散乱能の強弱を通して、指向特性のシャープさの度合を適宜調節出来ることは、言うまでもない。
【0068】
次に、上記説明した第1の実施例及び第2の実施例の特徴を兼備した第3の実施例について図7を参照して説明する。
この図7も図3と同様の形式で描かれており、また、その要素構成、各要素の材料構成いずれも図3に示した第1の実施例とほぼ変わるところはなく、符号についても共通のものが使用されている(個別の繰り返し説明は省略)。この第3の実施例が、第1及び第2の実施例と異なっているのは、楔形出射方向特性調整素子10の光取入面13と光出射面14の両面にプリズム状起伏列が形成されており、しかもそれらの配向方向が互いに直交しているという点である。
【0069】
即ち、本実施例においては、楔形出射方向特性調整素子10の光取入面13に形成されたプリズム状起伏列の配向方向は縦断方向を向いている一方、光出射面14に形成されているプリズム状起伏列の配向方向が横断方向を向いている。
【0070】
このような配向方向を選択することにより、楔形出射方向特性調整素子10の光取入面13においては縦断方向について光伝播方向が修正され、光出射面14においては横断方向について光伝播方向が修正される。その結果、矢印群14fで示したように、縦横双方向について主たる伝播方向が整えられた出射光が生成される(図3における矢印14f’に相当する出射光が抑制される)。
【0071】
光取入面13における修正作用は第1の実施例の場合と同様であるが、光出射面14における修正作用は、屈折の利用に仕方がやや異なる。図6(b)はこれを説明する為の図で、図7中に符号F’で指示した部分を拡大描示した断面図である。図中J1 〜J3 は、楔形出射方向特性調整素子10から出射される光束を代表する光線を表わしている。この光線J1 〜J3 の指向性(横断方向)については、光散乱導光素子1の前方散乱性の影響は少なく、光散乱導光素子1から出射時の臨界角条件を余裕をもってクリヤした光がほぼ均等に分布しているものと考えられる。
【0072】
比較的光出射面14全体の延在方向に平行に近い光を代表する光線J1 は、いずれの斜面H1 に到達しても、臨界角条件を満たして一旦外部空気層へ出射された上で、隣接する斜面H2 でその相当量が再反射され、光出射面14の正面に近い方向へ光線J1'として出射される。また、比較的光出射面14全体の延在方向に垂直に近い光(斜面H1 〜H3 における臨界角条件を満たす範囲)を代表する光線J2 は、斜面H1 に到達し、その斜面H1 に沿うように屈折されて外部空気層へ、光出射面14の正面に近い方向へ光線J2'として出射される。
【0073】
更に、光出射面14全体の延在方向に垂直な方向により近い光(斜面H1 〜H3 における臨界角条件を満たさない範囲)を代表する光線J3 は、斜面H3 に到達して全反射され、光線J2 と同様に、斜面H3 に沿うように屈折されて光出射面14の正面に近い方向へ光線J3'として出射される。
【0074】
なお、楔形出射方向特性調整素子10の光出射面14に形成されるプリズム状起伏列の各プリズム要素の頂角は、80°〜120°の範囲の値(例えば95°)に設定することが、一つの実際的な選択である。また、プリズム状起伏列の形成ピッチは、光取入面13の場合と同様、明るさの均一性への影響等を考慮して、回折効果が生じない範囲で、50μm以下とすることが好ましい。
【0075】
以上の光路の説明は例示的なものであり、光出射面14に形成される斜面の傾斜角や楔形出射方向特性調整素子10に使用する材料の屈折率によって光出射方向修正作用の内容は多少異なることになるが、プリズム状起伏斜面の屈折作用によって横断方向に光が散逸してゆく傾向が抑止されることに変わりはない。
【0076】
なお、この第3の実施例においても、上記第1あるいは第2の実施例で説明したと同等の原理によって、楔形出射方向特性調整素子10の散乱能の強弱を通して、縦断方向及び横断方向について、指向特性のシャープさの度合を適宜調節出来ることは言うまでもない。
【0077】
以上3つの実施例について説明したが、これら実施例を含めて、本願発明の面光源装置を、代表的な用途の1つである液晶表示装置のバックライト光源として使用する場合の基本的な配置を図8に示した。同図において、符号BLで指示されている部分が、バックライト光源部であり、ここでは正面方向へのやや抑制された指向性を有する面光源装置として、楔形出射方向特性調整素子10に弱い散乱能を与えた上記第3の実施例に記載されたものが使用されている。なお、本実施例では、光源に使用される蛍光ランプLを背面側から取り囲むように酸化防止処理を施した銀箔シートRが設けられ、また、光散乱導光素子1と楔形出射方向特性調整素子10間の空気層ARのギャップ幅を一定に保つ為のスペーサSが使用されている。
【0078】
バックライト光源部BLを構成する面光源装置の正面方向には液晶パネル部LPが配置されている。液晶パネル部LPは、偏光透過軸を直交させて配置された2枚の偏光子21,23の間に液晶セル部(電極を含む)22を挟んだ構造を有している。 前述したように、実施例3の型の面光源装置で構成されるバックライト光源部からは、液晶パネル部PLに対してほぼ垂直な方向に向けて適度の指向性をもった均一な光束が出射されるから、正面方向から明るくむらのない表示像が観察される。また、指向性に適度の拡がりを与えてあるので、正面方向から若干はずれた方向から見た時に急に表示面が暗くなることが避けられる。
【0079】
なお、以上述べたいずれの事例においても、光源として棒状の蛍光ランプが用いられているが、本願発明が光源の種類、形状等に格別の制限を設けるものでないことは、本願発明の原理とこれまで説明事項に照らして明らかであろう。例えば、光拡散性の面光源の光を光散乱導光素子の光入射面から入射させても良いし、発光ダイオードアレイからの複数ビームを入射光とすることも可能である。
【0080】
更に、楔形出射方向特性調整素子の光取入面あるいは光出射面に形成されるプリズム状起伏の形状には種々のバリエーションが考えられ、例えば、プリズム状起伏を列状に形成するのではなく、円錐突起群の形態で形成し、各突起に縦横両方向に関する光出射方向調整機能を果たさせることも可能である。
【0081】
最後に、本願発明に使用される光散乱導光素子及び楔形出射方向特性調整素子の材料及び製造方法について簡単に説明しておく。
先ず、楔形出射方向特性調整素子に透明なものを使用する場合には、各種のポリマーを利用することが出来る。これらポリマーの代表的なものを下記の表1及び表2に示した。
【0082】
【表1】
Figure 0003830982
【0083】
【表2】
Figure 0003830982
そして、これらポリマーをマトリックスに用いた光散乱導光体が、本願発明の光散乱導光素子あるいは散乱能付与型の楔形出射方向特性調整素子を構成する材料として好適である。このような光散乱導光体は、次のような製造法によって製造することが出来る。
【0084】
先ず、その1つは、2種類以上のポリマーを混練する工程を含む成形プロセスを利用する方法である。
即ち、2種類以上の屈折率の相互に異なるポリマー材料(任意形状で良い。工業的には、例えばペレット状のものが考えられる。)を混合加熱して、練り合わし(混練工程)、混練された液状材料を射出成形機の金型内に高圧で射出注入し、冷却固化することによって成形された光散乱導光素子を金型から取り出せば金型形状に対応した形状の光散乱導光素子を得ることが出来る。
【0085】
混練された2種類以上の異屈折率のポリマーは完全には混ざり合うことなく固化するので、それらの局所的濃度に不均一(ゆらぎ)が生まれて固定され、一様な散乱能が与えられる。
また、混練された材料を押し出し成形機のシリンダー内に注入し、通常のやり方で押し出せば目的とする成形物を得ることが出来る。
【0086】
これらポリマーブレンドの組合せや混合割合については、非常に幅広い選択が可能であり、屈折率差、成形プロセスで生成される屈折率不均一構造の強さや性質(散乱照射パラメータE、相関距離a、誘電率ゆらぎ2乗平均τ等)を考慮して決定すれば良い。なお、使用し得るポリマー材料の代表的なものは前記表1及び表2に示されている。
【0087】
光散乱導光素子を構成する材料の製造法の別の1つは、ポリマー材料中に屈折率の異なる(0.001以上の屈折率差)粒子状材料を一様に混入分散させるものである。
そして、粒子状材料の一様混入に利用可能な方法の1つにサスペンション重合法と呼ばれる方法がある。即ち、粒子状材料をモノマー中に混入し、湯中に懸濁させた状態で重合反応を行なわせると、粒子状材料が一様に混入されたポリマー材料を得ることが出来る。これを原材料に用いて成形を行なえば、所望の形状の光散乱導光素子が製造される。
【0088】
また、サスペンション重合を種々の粒子状材料とモノマーの組合せ(粒子濃度、粒径、屈折率等の組合せ)について実行し、複数種類の材料を用意しておき、これを選択的にブレンドして成形を行なえば、多様な特性の光散乱導光素子を製造することが出来る。また、粒子状材料を含まないポリマーをブレンドすれば、粒子濃度を簡単に制御することが出来る。
【0089】
粒子状材料の一様混入に利用可能な方法の他の1つは、ポリマー材料と粒子状材料を混練するものである。この場合も、種々の粒子状材料とポリマーの組合せ(粒子濃度、粒径、屈折率等の組合せ)で混練・成形(ペレット化)を行なっておき、これらを選択的にブレンドして光散乱導光素子を成形製造することにより、多様な特性の光散乱導光素子を得ることが出来る。
【0090】
また、上記のポリマーブレンド法と粒子状材料混入方法を組み合わせることも可能である。例えば、屈折率の異なるポリマーのブレンド・混練時に粒子状材料を混入させることが考えられる。
【0091】
以下、製造法の幾つかの実例を挙げておく。
<製造例1>
メタクリル樹脂のペレット(旭化成製、デルベット80N)に粒径0.8μmのシリコーン系樹脂粉体(東芝シリコーン製、トスパール108)を0.3wt%添加し、ミキサーで混合分散させた後、押し出し機でストランド状に押し出し、ペレタイザーでペレット化することにより、シリコーン系樹脂粉体が均一に分散されたペレットを調製した。
【0092】
このペレットを射出成形機を用い、シリンダー温度230゜C〜260゜C、型温度50゜Cの条件で成形して、縦68mm、横85mmで厚さが長辺方向に3.8mmから0.2mm迄徐々に変化した楔型の光散乱導光素子を得た。
【0093】
製造された光散乱導光素子の相関距離はa=0.53μmであり、有効散乱照射パラメータの前記(11)式による見積計算値はE=12.6[cm-1]であった。
【0094】
<製造例2>
MMAに粒径0.8μmのシリコーン系樹脂粉体(東芝シリコーン製、トスパール108)を0.3wt%添加し、公知のサスペンション重合法により、該粉体が均一に分散した球状粒子を得た。これを製造例1と同様にペレタイザーでペレット化することにより、シリコーン系樹脂粉体が均一に分散されたペレットを調製した。
【0095】
以下、製造例1と同じ条件で同型の楔状光散乱導光素子を得た。この光散乱導光素子は、製造例1で作製された光散乱導光素子と外観上全く区別がつかないものであった。そして、相関距離はa=0.53μmであり、有効散乱照射パラメータの前記(11)式による見積値はE=12.6[cm-1]であった。
【0096】
<製造例3>
ポリメチルメタクリレート(PMMA)にポリスチレン(PSt)を0.5wt%添加し、V型タンブラーを用いて10分間、次いでヘンシェルミキサーを用いて5分間混合した。これを径30mmの2軸押し出し機[ナカタニ機械(株)製]を使って、シリンダー温度220゜C〜250゜C、スクリュー回転数75rpm、吐出量6kg/hrの条件で融解混合してペレットを作成した。
【0097】
このペレットを射出成形機を用い、シリンダー温度220゜C〜250゜C、型温度65゜C、射出速度中速、射出圧力ショートショット圧プラス10kg/cm2 の条件で成形して、縦68mm、横85mmで厚さが長辺方向に3.8mmから0.2mm迄徐々に変化した楔型の光散乱導光素子を得た。
【0098】
<製造例4>
MMA(メチルメタクリレート)に粒径2μmのシリコーン系樹脂粉体(東芝シリコーン製、トスパール120)を各々0.05wt%、0.08wt%、0.10wt%、0.15wt%を加えて均一に分散した4種類の試料と粒子無添加のMMA試料を用意し、計5種類の試料の各々にラジカル重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(BPO)0.5wt%、連鎖移動剤としてn―ラウリルメルカプタン(n−LM)を0.2wt%加え、70℃で24時間注型重合させて縦68mm、横85mmで厚さが長辺方向に3.8mmから0.2mm迄徐々に変化した楔型の光散乱導光素子を1枚づつ作製した。
【0099】
<製造例5>
MMA(メチルメタクリレート)にシリコーンオイルを0.025wt%加えて均一に分散させ、ラジカル重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(BPO)を0.5wt%、連鎖移動剤としてn―ブチルメルカプタン(n−BM)を0.2wt%、各々加え、70℃で30分間にわたりゾル化を行なった上で、更に65℃で24時間注型重合させて縦68mm、横85mmで厚さが長辺方向に3.8mmから0.2mmまで徐々に変化した楔型の光散乱導光素子を作製した。
【0100】
<製造例6>
PMMA(ポリメチルメタクリレート)に粒径2μmのシリコーン系樹脂粉体(東芝シリコーン製、トスパール120)を0.08wt%加え、V型タンブラを用いて10分間、次いでヘンシェルミキサを用いて5分間混合した。これを2軸押し出し機で溶融混合(シリンダ温度220℃〜250℃)・押出成形して、ペレットを作製した。
【0101】
このペレットを射出成形機を用いてシリンダ温度220℃〜250℃の条件で射出成形し、縦68mm、横85mmで厚さが長辺方向に3.8mmから0.2mmまで徐々に変化した楔型の光散乱導光素子を作製した。
【0102】
上記各製造例において、添加する異屈折率材料の量を光散乱導光素子の場合よりも少量とし、射出成形時の金型を上記説明した形状に対応したプリズム起伏形成型のものとすれば、所望の形状のプリズム状起伏面を備えた楔形出射方向特性調整素子を得ることが出来る。
【0103】
【発明の効果】
本願発明によれば、製造コストの上昇を招くことなく、コンパクトで等厚的な全体構造を有し、伝播方向分布が所望のものに調整された均一な出射光束を生成する面光源装置が提供される。即ち、本願発明の面光源装置においては、楔形の光散乱導光素子と楔形出射方向特性調整素子とを相補的な位置関係で配置したので、装置両端部の厚さの差を小さくすることが出来る。また、楔形出射方向特性調整素子の出射方向特性調整機能は、面光源装置の出射光の主たる伝播方向を調整する機能と、主たる伝播方向を中心とした指向性のシャープさの度合を調整する機能を兼ね備えている特徴がある。
【0104】
更に、この楔形出射方向特性調整素子の出射方向特性調整機能は、縦断方向、横断方向いずれについても発揮させ得ることも、所望の出射方向特性を備えた面光源装置を実現する上で有利である。
【0105】
先に提案されている楔形の光散乱導光素子と光出射方向修正素子を組み合わせて用いるやり方と比較しても、(1)装置全体を等厚的な構造にし易いこと、(2)光の指向性の強弱調整機能、(3)製造容易性、(4)双方向性の出射方向特性調整機能の可能性、等の点で長所を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】横軸に相関距離a、縦軸に誘電率ゆらぎ2乗平均τをとり、有効散乱照射パラメータEの値を一定にする条件を表わす曲線を、E=50[cm-1]及びE=100[cm-1]の場合について描いたものである。
【図2】相関距離aによって光散乱導光素子の前方散乱性の強さが変化することを説明するグラフである。
【図3】本願発明に係る面光源装置の第1の実施例を要部斜視図で表わしたものである。
【図4】本願発明に係る面光源装置の第2の実施例を要部斜視図で表わしたものである。
【図5】図3の配置で用いられている楔形状の光散乱導光素子1の楔形断面を表わす図であり、その内部における繰り返し反射の様子が、光入射面2から光散乱導光素子内部に取り込まれる光を光線B0 で代表させる形で描かれている。
【図6】楔形出射方向特性調整素子の機能を説明する図であり、(a)は図3中に符号Fで指示した部分について、また、(b)は図7中に符号F’で指示した部分について代表光線の光路が拡大描示されている。
【図7】本願発明に係る面光源装置の第3の実施例を要部斜視図で表わしたものである。
【図8】本願発明の面光源装置を液晶表示装置のバックライト光源として使用する場合の基本的な配置を断面図で表わしたものである。
【符号の説明】
1 光散乱導光素子
2 光散乱導光素子の光入射面
3 光散乱導光素子の光取出面
4 光散乱導光素子の裏面
5 反射体(銀箔)
6 光散乱導光素子の末端部
10 楔形出射方向特性調整素子
11,12 楔形出射方向特性調整素子の端面
13 楔形出射方向特性調整素子の光取入面
14 楔形出射方向特性調整素子の光出射面
14f,14f’,14f” 面光源装置の出射光
21,23 偏光子
22 液晶セル部
AR 空気層
BL バックライト光源部
L 光源(蛍光ランプ)
LP 液晶パネル部
H,H’,H1 〜H3 プリズム状起伏面を構成する傾斜面
R 反射体(銀箔)
S スペーサ

Claims (4)

  1. 有効散乱照射パラメータE[cm-1]の値が0.5≦E≦50の範囲にあり、光散乱能を生み出す屈折率不均一構造の相関関数γ(r)をγ(r)=exp[−r/a](但し、rは光散乱導光体内の2点間距離)で近似した時の相関距離a[μm]の値が0.06≦a≦35の範囲にある一様な散乱能が与えられた楔形状断面を有する体積領域を含む指向出射性の光散乱導光素子と、
    前記光散乱導光素子の光取出面との間に小間隔を形成すると共に前記光散乱導光素子と相補的な位置関係を以て配置された楔形出射方向特性調整素子と、
    前記光散乱導光素子の前記楔形状断面の断面積が相対的に大きな方の端面側に配置された光入射手段を備え、
    前記楔形出射方向特性調整素子が、前記光散乱導光素子よりも小さな有効散乱照射パラメータEを有する光散乱導光体で構成されており、
    前記光散乱導光素子の光取出面に対向する前記楔形出射方向特性調整素子の光取入面に、光出射方向修正用のプリズム状起伏が形成されていることを特徴とする楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置。
  2. 有効散乱照射パラメータE[cm-1]の値が0.5≦E≦50の範囲にあり、光散乱能を生み出す屈折率不均一構造の相関関数γ(r)をγ(r)=exp[−r/a](但し、rは光散乱導光体内の2点間距離)で近似した時の相関距離a[μm]の値が0.06≦a≦35の範囲にある一様な散乱能が与えられた楔形状断面を有する体積領域を含む指向出射性の光散乱導光素子と、
    前記光散乱導光素子の光取出面との間に小間隔を形成すると共に前記光散乱導光素子と相補的な位置関係を以て配置された楔形出射方向特性調整素子と、
    前記光散乱導光素子の前記楔形状断面の断面積が相対的に大きな方の端面側に配置された光入射手段を備え、
    前記楔形出射方向特性調整素子が前記光散乱導光素子よりも小さな有効散乱照射パラメータEを有する光散乱導光体で構成されており、
    前記光散乱導光素子の光取出面に対向する前記楔形出射方向特性調整素子の光取入面並びに該光取入面と相反する側の光出射面には光出射方向修正用のプリズム状起伏列が形成されており、前記両プリズム状起伏列の内の一方の配向方向は前記光散乱導光素子の光入射面側から見て縦断方向に沿っており、他方の配向方向は前記光散乱導光素子の光入射面側から見て横断方向に沿っていることを特徴とする楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置。
  3. 有効散乱照射パラメータE[cm-1]の値が0.5≦E≦50の範囲にあり、光散乱能を生み出す屈折率不均一構造の相関関数γ(r)をγ(r)=exp[−r/a](但し、rは光散乱導光体内の2点間距離)で近似した時の相関距離a[μm]の値が0.06≦a≦35の範囲にある一様な散乱能が与えられた楔形状断面を有する体積領域を含む指向出射性の光散乱導光素子と、
    前記光散乱導光素子の光取出面との間に小間隔を形成すると共に前記光散乱導光素子と相補的な位置関係を以て配置された楔形出射方向特性調整素子と、
    前記光散乱導光素子の前記楔形状断面の断面積が相対的に大きな方の端面側に配置された光入射手段を備え、
    前記楔形出射方向特性調整素子が、有効散乱照射パラメータE[ cm -1 ]の値が実質的に0である透明な光学材料で構成されており、
    前記光散乱導光素子の光取出面に対向する前記楔形出射方向特性調整素子の光取入面に、光出射方向修正用のプリズム状起伏が形成されていることを特徴とする楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置。
  4. 有効散乱照射パラメータE[cm-1]の値が0.5≦E≦50の範囲にあり、光散乱能を生み出す屈折率不均一構造の相関関数γ(r)をγ(r)=exp[−r/a](但し、rは光散乱導光体内の2点間距離)で近似した時の相関距離a[μm]の値が0.06≦a≦35の範囲にある一様な散乱能が与えられた楔形状断面を有する体積領域を含む指向出射性の光散乱導光素子と、
    前記光散乱導光素子の光取出面との間に小間隔を形成すると共に前記光散乱導光素子と相補的な位置関係を以て配置された楔形出射方向特性調整素子と、
    前記光散乱導光素子の前記楔形状断面の断面積が相対的に大きな方の端面側に配置された光入射手段を備え、
    前記楔形出射方向特性調整素子が、有効散乱照射パラメータE[ cm -1 ]の値が実質的に0である透明な光学材料で構成されており、
    前記光散乱導光素子の光取出面に対向する前記楔形出射方向特性調整素子の光取入面並びに該光取入面と相反する側の光出射面には光出射方向修正用のプリズム状起伏列が形成されており、前記両プリズム状起伏列の内の一方の配向方向は前記光散乱導光素子の光入射面側から見て縦断方向に沿っており、他方の配向方向は前記光散乱導光素子の光入射面側から見て横断方向に沿っていることを特徴とする楔形出射方向特性調整素子を用いた面光源装置。
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