JP3279157B2 - 清浄鋼の溶製方法 - Google Patents
清浄鋼の溶製方法Info
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Description
装置を用いて清浄性の高い鋼を製造するための清浄鋼の
溶製方法に関する。
上とともに品質保証の面から高品質化の要求が高まって
おり、溶鋼段階での清浄性の向上が強く求められてい
る。溶鋼段階でAl、Si等を添加して溶鋼中の溶存酸
素量を低下させるが、このとき生成されるアルミナ、シ
リカ等の脱酸生成物の多くはガス撹拌等により溶鋼外へ
分離、除去されるものの、一部は溶鋼中に残存したまま
凝固する。この残存する介在物の量および大きさがある
値を越えて大きくなると、最終製品に重大な欠陥を及ぼ
すため、製鋼工程においてこのような脱酸生成物を徹底
的に除去するようにしている。
無害化する方法として、特開平6−33132号公報に
記載された脱酸方法ではAl、Siで脱酸を行う際に、
脱酸剤と同時にCaO−SiO2 系フラックスを溶鋼に
添加する。これにより鋼中介在物が延性に優れたCaO
−SiO2 −Al2 O3 系の組成となり、鋼の諸特性に
とって無害となる。
として、特開平2−30711号公報に記載された方法
ではアルミニウム源を取鍋スラグに添加し、取鍋スラグ
の低級酸化物を還元した後に、RH脱ガス炉で脱炭し、
アルミニウム脱酸する。
来技術のように、フラックスを添加したり、スラグの改
質を行うのは、製造コストの増大を招くばかりでなく、
最終段階の清浄化にはあまり大きな効果は期待できな
い。つまり、上記の従来技術はともに脱酸剤を溶鋼に添
加するまでの工程であり、その後に溶鋼へ添加するもの
に関しては影響力が小さいからである。
のであって、環流式脱ガス型脱ガス装置を用いて溶鋼の
清浄性を高めることができ、介在物性欠陥の少ない鋼の
溶製を簡易に行うことができる清浄鋼の溶製方法を提供
することを目的とする。
浄鋼の溶製方法は、環流式真空脱ガス装置においてガス
吹き込みにより溶鋼を環流させながら冷材を添加する際
に、溶鋼1トンあたりの冷材添加量W(kg)と冷材添
加後の環流時間t(分)とが下式で規定される範囲にな
るように調整し、溶鋼の温度を制御することを特徴とす
る。
脱ガス装置においてガス吹き込みにより溶鋼を環流させ
ながら冷材を添加する際に、脱ガス処理中の溶鋼温度と
溶存酸素及びそれ以後の処理時間、鋳造までの処理時間
の関係から冷材投入量を求めておき、脱酸剤の添加前に
予め冷材を添加することを特徴とする。
低減させるために、Al、Si等の元素を含有する物質
を溶鋼に添加する。脱酸剤を溶鋼に添加すると、下式
(1),(2)で示す反応に従ってAl2 O3 、SiO
2 等が一次脱酸生成物として生成し、溶鋼中に懸濁す
る。
に、アルゴンガス等の不活性ガスを吹き込み、溶鋼を撹
拌する。
F等他の取鍋精錬装置がない工場においては、精錬工程
の最終段階であることが多く、連続鋳造機等の鋳造工程
に直結する前段階のプロセスである。従って温度管理の
最終段階であるため、RH処理終了前に温度調整用とし
て冷材を添加する場合がある。
在し、すでにAl等の脱酸剤で溶鋼がキルド状態である
ならば、下式(3)の反応で溶鋼中の[Al]と反応す
るため、Al2 O3 が生成する。この冷材添加時のAl
2 O3 生成による溶鋼の清浄性の悪化は、処理中のサン
プルを多数採取することにより見いだした。
後の環流時間を確保する必要がある。本発明では、冷材
添加量と環流清浄化のための環流時間との関係を上記の
不等式を用いてその範囲を明らかにした。
係から脱酸剤の添加前に予め冷材を添加する量を計算す
ることで、上式(3)の反応を生じさせなくてすむため
清浄化が図られることも見いだした。
本発明の好ましい実施形態について説明する。 (実施例1)高炉からでた溶銑を脱硫、脱燐等の溶銑予
備処理を経た後に、転炉で吹錬した。約250トンの溶
鋼を取鍋1に未脱酸状態で出鋼した。出鋼溶鋼として
[C]:0.03〜0.04重量%、[Si]:0.0
3〜0.06重量%、[Mn]:0.3〜0.5重量
%、[P]:0.007重量%以下、[S]:0.00
30重量%以下の組成のものを用いた。
脱炭処理を行い、溶鋼の炭素濃度[C]が所定値(30
ppm以下)に到達したことを確認した後に、ホッパ7
からシュータ8を介して溶鋼2にアルミニウム源を添加
した。このアルミニウム脱酸処理により溶鋼2中のアル
ミニウム濃度[Al]が0.02〜0.04重量%の範
囲になるように溶鋼成分を調整した。
を0.5〜2torrの範囲に制御し、環流用アルゴン
ガス6の流量を毎分1500〜3000Nlの範囲に制
御した。また、取鍋内のスラグ3をCaO−SiO2 −
Al2 O3 −MgO系の組成とし、(T.Fe)+(M
nO)を低下させるためCaOを主成分とするスラグ改
質材を添加し、(T.Fe)+(MnO)の濃度を合計
で4重量%以下となるように制御した。ここで、(T.
Fe)はスラグ中に含まれる鉄の総量を表わすものであ
る。
明する。脱炭終了時の溶存酸素[O]を200〜800
ppmの範囲で種々変えた溶鋼にアルミニウム源を添加
し、さらに冷材を添加してからの環流時間と冷材の添加
量を種々変えて、鋼製品中の欠陥との対応を調べた。得
られた鋳片を圧延した後に、製品の断面方向の一部を切
り出し、光学顕微鏡および電子顕微鏡で試験片の清浄性
を調査し、介在物に起因する欠陥の発生数を調べた。こ
の結果を図2に示す。図2は横軸に溶鋼1トンあたりに
添加した冷材投入量(kg/トン)をとり、縦軸に冷材
投入後における溶鋼の環流時間(分)をとって、キルド
状態の溶鋼に冷材を投入した後の環流時間と冷材の投入
量との関係を示すグラフ図である。図中にて、丸マーク
は顕微鏡試験で合格と評価したものを示し、バツマーク
は試験で不合格と評価したものを示す。合否の基準は、
試験片の測定視野中における欠陥の発生率が基準値であ
る1cm2 あたり0.01個(0.01個/cm2 )を
越えるか否かで評価した。図2から明らかなように、冷
材の添加量が少なくなるほど、また環流時間が長くなる
ほど合格品が得られやすくなる傾向にあることが判明し
た。さらに、この結果に基づき環流時間(分)と冷材投
入量(kg/トン)との間には下式(4)の関係が成り
立つことが確認された。
の後の処理時間、鋳造のタイミングまでの時間との関係
から冷材量を計算により求め、脱酸剤の添加前に予め冷
材を添加する方法を実施した。RH脱ガス装置を用いて
上記の実施例1と同様の手法で試験し、その評価を行っ
た。
2 )をとり、冷材の添加量を変えて試験片の清浄度を測
定し、実施例(本発明法)と比較例(従来法)とにつき
調べた結果を示すグラフ図である。比較例ではAl添加
後に冷材を投入するため、冷材の添加後の環流時間のバ
ラツキにより不合格のサンプルも存在したが、実施例で
は不合格サンプルは皆無となる結果が得られた。このよ
うに脱酸剤の添加前に冷材を添加することにより鋼の清
浄性が図られることが判明した。
において溶鋼の清浄性を高めることができ、介在物性欠
陥の少ない鋼の溶製を簡易に行うことができる。
示す概略垂直断面図。
らの環流時間と冷材の投入量の関係を示すグラフ図。
すグラフ図である。
5…RHの浸漬管、6…環流用ガス吹き込み管、7…冷
材用ホッパー、8…冷材添加用導入管。
Claims (2)
- 【請求項1】 環流式真空脱ガス装置においてガス吹き
込みにより溶鋼を環流させながら冷材を添加する際に、
溶鋼1トンあたりの冷材添加量W(kg)と冷材添加後
の環流時間t(分)とが下式で規定される範囲になるよ
うに調整し、溶鋼の温度を制御することを特徴とする清
浄鋼の溶製方法。 t≧0.25W+2 - 【請求項2】 環流式真空脱ガス装置においてガス吹き
込みにより溶鋼を環流させながら冷材を添加する際に、
脱ガス処理中の溶鋼温度と溶存酸素及びそれ以後の処理
時間、鋳造までの処理時間の関係から冷材投入量を求め
ておき、脱酸剤の添加前に予め冷材を添加することを特
徴とする清浄鋼の溶製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP31546295A JP3279157B2 (ja) | 1995-12-04 | 1995-12-04 | 清浄鋼の溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31546295A JP3279157B2 (ja) | 1995-12-04 | 1995-12-04 | 清浄鋼の溶製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09157728A JPH09157728A (ja) | 1997-06-17 |
JP3279157B2 true JP3279157B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=18065656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP31546295A Expired - Fee Related JP3279157B2 (ja) | 1995-12-04 | 1995-12-04 | 清浄鋼の溶製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3279157B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5239147B2 (ja) * | 2006-10-31 | 2013-07-17 | Jfeスチール株式会社 | 高清浄度鋼の溶製方法 |
TWI593803B (zh) * | 2012-01-27 | 2017-08-01 | 杰富意鋼鐵股份有限公司 | 高清淨度鋼的熔製方法 |
-
1995
- 1995-12-04 JP JP31546295A patent/JP3279157B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH09157728A (ja) | 1997-06-17 |
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