JP3278172B2 - 車両用騒音制御装置 - Google Patents

車両用騒音制御装置

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JP3278172B2
JP3278172B2 JP15874491A JP15874491A JP3278172B2 JP 3278172 B2 JP3278172 B2 JP 3278172B2 JP 15874491 A JP15874491 A JP 15874491A JP 15874491 A JP15874491 A JP 15874491A JP 3278172 B2 JP3278172 B2 JP 3278172B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン振動等により
生じる車室内の騒音を低減する車両用騒音制御装置に関
し、詳しくはマイクロホン等により集音した騒音と騒音
振動等に応じたリファレンス信号に基づき、上記騒音を
低減せしめる音をスピーカから出力する車両用騒音制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の室内における騒音は運転者およ
びその他の乗員の疲労を増大させ、また不快感を起こさ
せる。
【0003】このような車室内騒音としては、一般に20
0Hz 〜300Hz 以下の低周波(こもり音)と、エンジン騒
音、排気系放射音、ロードノイズ、風騒音等の中高波音
とがある。
【0004】この中でもエンジン騒音やロードノイズは
車内の人間にとって影響が大きく、その騒音が大きくな
るにつれて乗員の不快感は増大する。
【0005】これらの騒音はエンジンや路面から車室内
に直接放射される割合よりもボディ等を伝わって車室内
に到達する割合が大であって、遮音部材を利用した防音
対策には限界があり、むしろエンジン騒音あるいはロー
ドノイズとは逆位相の音を出力して騒音を積極的に打ち
消し、車内の人間にはあたかもエンジン騒音やロードノ
イズが出ていないように感じさせる、いわば積極的防音
対策が注目されている。
【0006】このような積極的防音対策に関する従来技
術としては、乗員のヘッドレスト付近(乗員の耳の位置
付近)に取り付けたマイクロホンによって集音した騒音
と、エンジンの回転数に同期したリファレンス信号に基
づき、車室内に取り付けたスピーカから騒音とは逆位相
となる音を出力してこのエンジン騒音を打ち消すように
したものが知られている(特表平1-501344号公報)。
【0007】すなわち、この公報記載の技術は図12に示
す如く、車室110 内の所定位置に車室内騒音を集音する
複数個のマイクロホン112 と二次音源を構成する2つの
スピーカ111 が設置されている。マイクロホン112 によ
り集音された騒音は電気信号に変換されて制御部113 に
送出される。
【0008】一方、エンジン102 の回転数に同期したエ
ンジン回転検出信号に基づき、リファレンス信号発生器
115 においてリファレンス信号が発生される。制御部11
3 では入力されたリファレンス信号とマイクロホン112
からの出力信号に応じて適応フィルタ114 のフィルタ常
数を変化させて2つのスピーカ111 から、車室内騒音を
打ち消す音(騒音と逆位相となる音)が出力されるよう
に上記スピーカ111 を駆動する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したエ
ンジン騒音やロードノイズ等の騒音は大きすぎると乗員
の不快感を増大させることとなるが、その一方で運転者
に車速を認識せしめる一つの重要な情報ともなってい
る。
【0010】しかしながら、騒音を乗員全員に対して一
律に低減せしめるように騒音制御を行なった場合、運転
者にとっては車速を認識せしめる一つの情報が全く得ら
れない、あるいは不十分な情報しか得られないという不
都合が生じる。
【0011】すなわち、実際には車速が大きくなってい
たとしてもエンジン騒音やロードノイズがなければ運転
者はその速度をなかなか実感できず、したがってスピー
ドメータにより車速を確認するまで大幅に速度オーバし
ている状態に気づかないということにもなりかねない。
【0012】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、運転者の速度感覚の混乱防止を図りつつ、運転者
に聞こえる騒音を低減することができる車両用騒音制御
装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明はその第1の構成として次ぎのようにしてあ
る。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載
のように、着座した乗員の耳位置近傍に配設された、車
室内騒音を集音する集音手段と、該車室内の騒音を低減
し得る音を出力するスピーカと、騒音振動に対応したリ
ファレンス信号を生成するリファレンス信号生成手段
と、前記集音手段により集音された騒音と前記リファレ
ンス信号生成手段により生成されたリファレンス信号に
基づき、前記集音手段の配設位置で前記車室内の騒音を
低減すべく前記スピーカから該騒音を打ち消す音が出力
されるようにコントロールするコントロール手段と、を
備えてなる車両用騒音制御装置において、車速を検出す
る車速検出手段を備え、前記コントロール手段が、運転
者用に配設された集音手段の位置における車室内騒音の
レベルを所定の騒音レベル下限値以上とするように前記
スピーカからの音を出力するように構成されており、該
所定の騒音レベル下限値が車速の増減に応じて増減する
ように設定されている、ような構成としてある。
【0014】前記目的を達成するため、本発明はその第
2の構成として次ぎのようにしてある。すなわち、特許
請求の範囲における請求項2に記載のように、着座した
乗員の耳位置近傍に配設された、車室内騒音を集音する
集音手段と、該車室内の騒音を低減し得る音を出力する
スピーカと、騒音振動に対応したリファレンス信号を生
成するリファレンス信号生成手段と、前記集音手段によ
り集音された騒音と前記リファレンス信号生成手段によ
り生成されたリファレンス信号に基づき、前記集音手段
の配設位置で前記車室内の騒音を低減すべく前記スピー
カから該騒音を打ち消す音が出力されるようにコントロ
ールするコントロール手段と、を備えてなる車両用騒音
制御装置において、車速を検出する車速検出手段を備
え、前記コントロール手段が、運転者用に配設された集
音手段の位置における車室内騒音のレベルを所定の騒音
レベル下限値以上とするように前記スピーカからの音を
出力するように構成されており、該所定の騒音レベル下
限値が車速が大きく変化したときから所定時間が経過す
るまでの間、増大補正される、ような構成としてある。
【0015】前記目的を達成するため、本発明はその第
3の構成として次ぎのようにしてある。すなわち、特許
請求の範囲における請求項3に記載のように、少なくと
も運転者席を含む複数の座席の各々に対して、着座した
乗員の耳位置近傍に配設された、車室内騒音を集音する
集音手段と、該車室内の騒音を低減し得る音を出力する
スピーカと、騒音振動に対応したリファレンス信号を生
成するリファレンス信号生成手段と、前記各集音手段に
より集音された騒音と前記リファレンス信号生成手段に
より生成されたリファレンス信号に基づき、前記各集音
手段の配設位置で前記車室内の騒音を低減すべく前記ス
ピーカから該騒音を打ち消す音が出力されるようにコン
トロールするコントロール手段と、を備えてなる車両用
騒音制御装置において、前記コントロール手段が、運転
者席における前記車室内騒音のレベルが運転者席以外の
席における前記車室内騒音レベルよりも大きくなるよう
に前記スピーカからの音を出力するように構成されてい
る、ようにしてある。
【0016】上述の騒音レベル下限値の設定は、運転者
がある程度の車室内の騒音を聞くことができるように、
これ以上は騒音レベルを小さくしないというしきい値の
設定となる。
【0017】前述の騒音レベル下限値は、運転者に速度
感を与えるのに十分な大きさで、かつ騒音に伴う不快感
を十分緩和し得るレベルとする。
【0018】また、上記騒音レベルの下限値は、乗員、
例えば運転者により設定変更可能とすることもできる。
【0019】
【作用および発明の効果】請求項1ないし請求項3に記
載された各発明によれば、運転者に速度感を十分に与え
て速度感の混乱を引き起こすおそれがなくなり、その一
方、不快な騒音を十分緩和することができる。
【0020】特に、請求項1に記載された発明によれ
ば、車速に応じて騒音レベル下限値を自動的に変更し
て、上記効果を適切に発揮させることができる。また、
請求項2に記載された発明によれば、車速が大きく変化
していることを運転者に十分に感じさせることができ
る。
【0021】さらに、請求項3に記載された発明によれ
ば、運転者に対しては速度感を与えつつも、運転者以外
の乗員に対する不快な騒音を大幅に低減することができ
る。
【0022】なお、速度感を得るための騒音レベルは、
運転する者の感覚や運転経験の差、あるいは路面状況の
違いによって変わってくるものであるから、騒音レベル
下限値を乗員により設定変更可能としておけば、逐次最
適な値を選択することができ便利である。
【0023】また、例えば車が高速道路から一般道に移
動した場合に騒音レベル下限値を、運転者が一般道の速
度に慣れるまでの所定時間に亘り一定レベルだけ上げる
ようにしておけば、平均車速の大幅な変化に対しても、
運転者の速度感覚が混乱するのを防止することができ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0025】図1は、本発明の第1の実施例に係る車両
用騒音制御装置を自動車の車内に取り付けた様子を示す
概略図である。
【0026】すなわち、この装置は各座席のヘッドレス
ト1位置に埋め込まれてなるマイクロホン2と、このマ
イクロホン2によって集音された音を変換してなる電気
信号およびイグニッションパルス検出器3(以下、IG
パルス検出器3と称する)から送出されたイグニッショ
ンパルス信号(以下、IGパルス信号と称する)を入力
されるコントローラ4と、コントローラ4により駆動さ
れ、車内の騒音を打ち消す音を出力するオーディオ用フ
ロントスピーカ5とからなっている。
【0027】上記マイクロホン2は各乗員の両耳の位置
と一致する位置に配されており、これによりコントロー
ラ4には、各乗員に実際に聞こえている音に応じた電気
信号が入力されることとなる。
【0028】また、IGパルス検出器4はエンジン回転
に同期した信号を取り出すもので、例えばクランク軸の
回転検出あるいはイグナイタからのイグニッションタイ
ミング検出等により得られた信号をIGパルス信号とし
て出力するものである。
【0029】さらに、フロントパネル付近には、乗員が
本装置のON/OFFあるいは打ち消す騒音の種類の切
換え、あるいは運転者に聞こえる騒音のレベル下限値の
設定変更を適宜行なうためのスイッチ4dが配設されてい
る。
【0030】なお、上記スピーカ5はCD、磁気テー
プ、チューナ等からの音声信号を音に変えて出力する一
般のオーディオ用スピーカであって、このような音と上
記騒音の打消し音とを同時に、または一方のみを出力す
るようになっている。
【0031】図2は上記本装置の概略を示すブロック図
である。
【0032】すなわち、この図2によれば、IGパルス
検出器3から送出されたIGパルス信号と、増幅器6に
より増巾されA/D変換器7によりデジタル変換され
た、マイクロホン2から送出された騒音情報を担持した
電気信号はコントローラ4に入力され、また、コントロ
ーラ4から送出されたスピーカ駆動信号はD/A変換器
8によりアナログ変換され、増巾器9により増巾されて
スピーカ5に印加されこのスピーカ5から所望の音を出
力させる。
【0033】このコントローラ4は図3に示すように、
入力されたIGパルス信号からこのIGパルス信号に同
期したリファレンス信号を生成するリファレンス信号生
成手段10と、このリファレンス信号生成手段10により生
成されたリファレンス信号およびマイクロホン2から出
力されたマイクロホン出力信号に基づき適切なスピーカ
駆動信号を出力する適応制御手段11を備えている。
【0034】上記リファレンス信号生成手段10は、IG
パルス信号のパルス周期をカウントし、予め用意されて
いた信号波形をこのカウントされたパルス周期と同期し
た信号に変換してリファレンス信号として出力するもの
である。
【0035】上記適応制御手段11は、このリファレンス
信号に基づき、このリファレンス信号に含まれる周波数
成分がマイクロホン出力信号に含まれなくなるように、
適応フィルタ20において位相調整およびゲイン調整がな
されるようにし、スピーカ5から出力される音をコント
ロールすることとなる。
【0036】すなわち、本実施例装置の適応制御手段11
は、LMS方式(Least Mean Square method) を採用し
ており、図4に示す如く、リファレンス信号が入力され
た適応フィルタ20に対し、適応機構21によりマイクロホ
ン出力信号に基づきフィルタ係数の調整を行なう。
【0037】その際に、下記漸化式を用い偏差Jが最小
値をとるように処理する。
【0038】
【数1】
【0039】また、このLMS方式では図4に示される
ように適応機構21はスピーカ5とマイクロホン2の間の
伝達関数H22を入力され、この伝達関数H22をも考慮し
て適応フィルタ20の常数を調整するようになっており、
これによりスピーカ5とマイクロホン2の空間的距離が
いわば補間されることとなる。
【0040】また、この適応機構21には騒音レベル下限
値情報が入力される。この騒音レベル下限値情報は、運
転者の耳の位置(運転者用のマイクロホン2の位置)に
おける車室内騒音レベルの下限値をどの程度のレベルに
設定するかという情報である。そのレベルの設定は上述
した切換スイッチ4dに配された騒音レベル下限値変更ボ
リュームを運転者もしくは助手席の乗員が設定すること
によってなされ、この切換スイッチ4dにおいて設定され
た値が騒音レベル下限値情報として上記適応機構21に入
力される。
【0041】適応機構21は入力された騒音レベル下限値
情報に基づき、適応フィルタ20の常数を調整し、これに
より適応フィルタ20は、運転者の耳の位置における騒音
レベルがこの騒音レベル下限値よりも小さくならないよ
うな音がスピーカ5から出力されるようにスピーカ5に
対して所定のスピーカ駆動信号を送出する。
【0042】図5は、横軸に周波数、縦軸に騒音レベル
をとって運転者席とそれ以外の席の騒音レベルを比較す
るグラフである。
【0043】図5に示す如く、運転者以外の乗員の席の
騒音レベルBは原騒音の騒音レベルAから大幅に低減さ
れている。これに対し、運転者席の騒音レベルは原騒音
の騒音レベルA以下ではあるが運転者以外の乗員の席の
騒音レベルB以上となる領域C内の任意のレベルに設定
されるようになっている。
【0044】すなわち、運転者もしくは助手席の乗員は
切換スイッチ4dによって騒音レベル下限値を図5に示す
領域C内の任意のレベルに設定することができ、これに
より運転者の耳の位置における車内騒音はこのレベル以
下には下がらないようにすることができる。
【0045】騒音レベル下限値をこのようなレベルとす
ることにより運転者は、騒音に伴なう不快感をある程度
緩和することができるとともに速度感を得るための騒音
情報も確保することができる。
【0046】また、このように騒音レベル下限値を設定
変更可能とすることにより、運転者の感覚や運転経験年
数、あるいは車速や路面状態に応じて逐次運転しやすい
騒音レベル下限値を選択することが可能となる。
【0047】なお、図6に示す如くリファレンス信号を
得るためにIGパルス検出器3に代えて、あるいはIG
パルス検出器3とともに一般的なリファレンスセンサ31
を設けるようにし、このリファレンスセンサ31から出力
されたリファレンス信号を増幅器32およびA/D変換器
33を介してコントローラ4に入力せしめるようにしても
よい。
【0048】リファレンスセンサ31は、例えば加速度セ
ンサあるいはサスペンション部分に取り付けられたGセ
ンサ等であって、これらのセンサから得られる信号は信
号周期のみならず信号波形自体としてもそのままリファ
レンス信号として利用し得るものである。
【0049】したがって、この場合にはコントローラ4
に入力された信号をそのままリファレンス信号として適
応制御手段11に入力せしめればよい。
【0050】なお、図6に示す如く切換スイッチ4dとコ
ントローラ4の間にインタフェース34が挿入される。
【0051】次に図7〜9を用いて本発明の第2の実施
例に係る車両用騒音制御装置について説明する。
【0052】なお、この第2の実施例装置においては、
上記第1の実施例装置と同一の部分については同一の数
字で示し、また対応する部分については同一の数字にa
の記号を付して示す。また、同一の機能を有する部分に
ついての説明は省略する。
【0053】すなわち、この第2の実施例装置は車速に
応じて騒音下限値レベルが自動的に調整されるようにな
っている。
【0054】すなわち、第1の実施例装置では図6に示
すように、切換スイッチ4dにおいて乗員により設定され
た騒音レベル下限値情報がインタフェース34を介してコ
ントローラ4に入力されているが、この第2の実施例装
置では車速センサ41により検出された車速情報がインタ
フェース42を介してコントローラ4aに入力される。
【0055】このコントローラ4aは騒音レベル下限値情
報記憶部43を有していることを除き、図4に示す第1の
実施例装置の適応制御手段11と同様の構成となってい
る。
【0056】この騒音レベル下限値情報記憶部43には、
一定期間の平均車速に応じて設定される騒音レベル下限
値が記憶されており、インタフェース42を介して車速セ
ンサ41から入力された車速情報に応じて所定の騒音レベ
ル下限値を適応機構21に送出するようになっている。
【0057】すなわち、車速が増減した場合にはその変
化に応じて増減する上記騒音レベル下限値を送出するよ
うになっている。
【0058】また、図9に示すように車速が大幅に減少
した場合、例えば高速道路で100km/h で走行していた車
が、一般道に出て60km/h以下で走行するようになった場
合には一定期間Tに亘り騒音レベル下限値を所定レベル
だけ上げて、運転者に速度感覚を新たなものとするよう
注意を喚起するようにしてもよい。
【0059】この場合、上記所定レベルのレベル上昇お
よびこの所定レベルからのレベル下降は緩やかとするの
が望ましい。
【0060】また、上記一定期間Tとしては運転者が変
更後の速度に慣れる程度の時間とすればよく、例えば1
分間とする。
【0061】なお、この第2の実施例装置においても上
記第1の実施例装置の場合と同様、図5に示す如く、運
転者席の車室内騒音レベルは、運転者席以外の席におけ
る車室内騒音レベルB以上となる所定範囲の領域C内の
所定のレベルに設定されることとなる。
【0062】上述した2つの実施例装置では騒音レベル
下限値が設定変更できるようになっているが、以下に示
す第3の実施例装置の如く、この騒音レベル下限値を固
定することも可能である。
【0063】この場合には、図10に示すように切換スイ
ッチ4dからの騒音レベル下限値情報や車両センサ41から
の車速情報等はコントローラ4bに入力されず、騒音レベ
ル下限値情報出力部51から所定の騒音レベル下限値が適
応機構21に送出されるようになっている。
【0064】したがって、この第3の実施例装置では運
転者席の車室内騒音レベルは、図11に示す如く運転者席
以外の席における車室内騒音レベルBよりも大きい所定
のレベルDに設定される。
【0065】本発明の車両用騒音制御装置としては、上
記実施例のものに限られるものではなく、その他種々の
変更が可能である。
【0066】例えば、上記騒音レベル下限値の設定レベ
ルとしては運転者が運転しやすいパターンとすればよ
く、所定の周波数帯域のみについて騒音レベル下限値を
設定することも可能である。
【0067】また、上記適応制御手段11としてはLMS
方式を採用しているが、これに代えてシンプレックス(S
implex) 方式あるいはパウエル(Powell)方式を採用する
ことももちろん可能である。
【0068】また、本実施例装置では全乗員の耳元にセ
ンサ用のマイクロホン2を取り付け、全乗員について騒
音制御をしているが、特定の乗員のみ、例えば運転者あ
るいは運転者と助手席の乗員のみについて騒音制御を行
なうことも可能で、この場合には、この特定の乗員の耳
元のマイクロホン2からの信号をコントローラ4,4a,
4bに入力せしめればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る車両用騒音制御装
置の取付位置を示す概略図
【図2】図1に示す実施例装置の概略を示すブロック図
【図3】図2に示すコントローラの内部を示すブロック
【図4】図3に示す適応制御手段の内部を示すブロック
【図5】本発明の第1の実施例装置による各座席におけ
る騒音レベルを示すグラフ
【図6】図1に示す実施例装置の一部変更例を示すブロ
ック図
【図7】本発明の第2の実施例装置の概略を示すブロッ
ク図
【図8】図7に示すコントローラの内部を示すブロック
【図9】本発明の第2の実施例装置において設定される
騒音レベル下限値のパターンを示すグラフ
【図10】本発明の第3の実施例装置のコントローラの
内部を示すブロック図
【図11】本発明の第3の実施例装置による各座席にお
ける騒音レベルを示すグラフ
【図12】従来技術を説明するためのブロック図
【符号の説明】
2 マイクロホン 3 イグニッションパルス検出器 4,4a,4b コントローラ 4d 切換スイッチ 5 スピーカ 10 リファレンス信号生成手段 11 適応制御手段 20 適応フィルタ 21 適応機構 31 リファレンスセンサ 41 車速センサ 43 騒音レベル下限値情報記憶部 51 騒音レベル下限値情報出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−158296(JP,A) 実開 昭63−12454(JP,U) 実開 昭63−48(JP,U) 特表 平4−504916(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/178 B60R 11/02 F01N 1/00 F01N 1/06 H04R 1/02 102 H04R 3/00 310

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着座した乗員の耳位置近傍に配設された、
    車室内騒音を集音する集音手段と、 該車室内の騒音を低減し得る音を出力するスピーカと、 騒音振動に対応したリファレンス信号を生成するリファ
    レンス信号生成手段と、 前記集音手段により集音された騒音と前記リファレンス
    信号生成手段により生成されたリファレンス信号に基づ
    き、前記集音手段の配設位置で前記車室内の騒音を低減
    すべく前記スピーカから該騒音を打ち消す音が出力され
    るようにコントロールするコントロール手段と、 を備えてなる車両用騒音制御装置において、車速を検出する車速検出手段を備え、 前記コントロール手段が、運転者用に配設された集音手
    段の位置における車室内騒音のレベルを所定の騒音レベ
    ル下限値以上とするように前記スピーカからの音を出力
    するように構成されており、該所定の騒音レベル下限値
    が車速の増減に応じて増減するように設定されている、 ことを特徴とする車両用騒音制御装置。
  2. 【請求項2】着座した乗員の耳位置近傍に配設された、
    車室内騒音を集音する集音手段と、 該車室内の騒音を低減し得る音を出力するスピーカと、 騒音振動に対応したリファレンス信号を生成するリファ
    レンス信号生成手段と、 前記集音手段により集音された騒音と前記リファレンス
    信号生成手段により生成されたリファレンス信号に基づ
    き、前記集音手段の配設位置で前記車室内の騒音を低減
    すべく前記スピーカから該騒音を打ち消す音が出力され
    るようにコントロールするコントロール手段と、 を備えてなる車両用騒音制御装置において、 車速を検出する車速検出手段を備え、 前記コントロール手段が、運転者用に配設された集音手
    段の位置における車室 内騒音のレベルを所定の騒音レベ
    ル下限値以上とするように前記スピーカからの音を出力
    するように構成されており、該所定の騒音レベル下限値
    が車速が大きく変化したときから所定時間が経過するま
    での間、増大補正される、 ことを特徴とする車両用騒音制御装置
  3. 【請求項3】少なくとも運転者席を含む複数の座席の各
    々に対して、着座した乗員の耳位置近傍に配設された、
    車室内騒音を集音する集音手段と、 該車室内の騒音を低減し得る音を出力するスピーカと、 騒音振動に対応したリファレンス信号を生成するリファ
    レンス信号生成手段と、 前記各集音手段により集音された騒音と前記リファレン
    ス信号生成手段により生成されたリファレンス信号に基
    づき、前記各集音手段の配設位置で前記車室内の騒音を
    低減すべく前記スピーカから該騒音を打ち消す音が出力
    されるようにコントロールするコントロール手段と、 を備えてなる車両用騒音制御装置において、 前記コントロール手段が、運転者席における前記車室内
    騒音のレベルが運転者席以外の席における前記車室内騒
    音レベルよりも大きくなるように前記スピーカからの音
    を出力するように構成されている、 ことを特徴とする車両用騒音制御装置
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