JP3277118B2 - 移動型受信装置 - Google Patents

移動型受信装置

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JP3277118B2 JP09072296A JP9072296A JP3277118B2 JP 3277118 B2 JP3277118 B2 JP 3277118B2 JP 09072296 A JP09072296 A JP 09072296A JP 9072296 A JP9072296 A JP 9072296A JP 3277118 B2 JP3277118 B2 JP 3277118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチパスに対し
て改良を施した移動携帯無線電話装置等の携帯型や移動
可能な移動型受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の携帯型や移動可能な移動型受信装
置においては特開平7−50626号に開示されている
ように2以上のアンテナを備え、各アンテナの受信信号
の強度やエラーレートの大小等に応じてアンテナもしく
は受信信号を切り替えるダイバーシティ受信方式が広く
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
受信状況の良いアンテナや受信信号を選択的に切り替え
て使用するだけであるので、本質的にマルチパスによる
信号を除去することはできず、マルチパスによる信号の
程度によっては、明瞭な受信を行うのが困難になるとい
う問題があった。
【0004】本発明の目的は、2以上のアンテナからの
受信信号を単純に切り替えるのではなく、ディジタル化
して演算処理し、さらに受信装置自身の姿勢を検出し
て、より精度良く演算処理を行うことで安定したマルチ
パスによる信号の除去を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の移動型受信装置
は、第1のアンテナからの入力信号を受信する第1の受
信回路と、上記第1のアンテナに対して所定の間隔を隔
てて配設した第2のアンテナからの入力信号を受信する
第2の受信回路と、上記第1及び第2の受信回路の出力
信号を加算する第1の加算回路と、上記加算回路の出力
の位相及び振幅を調整する遅延回路、係数設定回路及び
第2の加算回路より成る巡回型ディジタルフィルタで構
成したディジタル信号プロセッサと、該ディジタル信号
プロセッサにより上記位相及び振幅をマルチパスによる
信号が除去されるように制御する制御回路を設けた移動
型受信装置において、更に移動型受信装置の本体に振動
ジャイロスコープを設け、上記制御回路は該振動ジャイ
ロスコープで検出した移動型受信装置本体の移動に伴う
信号に基づき、上記位相及び振幅をマルチパスによる信
号が除去されるように制御することを特徴とする。
【0006】従って、第1及び第2のアンテナには基地
局からの直接波と障害物で反射したマルチパスによる信
号が入力し、それぞれ第1及び第2の受信回路で受信さ
れる。そして第1及び第2の受信回路の出力は第1の加
算回路で加算された後、巡回型ディジタルフィルタで構
成したディジタル信号プロセッサに導かれ、該ディジタ
ル信号プロセッサの遅延回路により位相を調整し、係数
設定回路により振幅を調整し、これらを第2の加算回路
で加算して、マルチパスによる信号が除去されるよう制
御回路が上記ディジタル信号プロセッサを制御する。そ
の結果、上記ディジタル信号プロセッサの出力にはマル
チパスによる信号が除去された高品位の受信信号を得る
ことができる。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】しかも、本発明の移動型受信装置は、上記
の移動型受信装置の本体に振動ジャイロスコープを設け
ている。そして、前記制御回路は、該振動ジャイロスコ
ープで検出した移動型受信装置本体の移動に伴う信号に
基づき、上記位相及び振幅をマルチパスによる信号が除
去されるように制御する。
【0011】従って、移動型受信装置本体の比較的緩や
かな移動に対しては上述のように、ディジタル信号プロ
セッサによる位相及び振幅の設定で、マルチパスによる
信号を除去するが、通話者が回転した場合等、移動型受
信装置本体の急激な移動が起こると、振動ジャイロスコ
ープがこれを検出し、移動に応じた出力を導出する。
【0012】そして、上記振動ジャイロスコープより導
出される移動型受信装置本体の移動、特に回転等の急激
な移動に応じた出力と、両アンテナからの受信信号の位
相差を考慮した演算処理を行い位相差を上記の移動に応
じて調整し、上記の急激な移動に伴うマルチパスによる
信号を除去し精度の高い安定したマルチパス除去を行う
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明を無線電話通信装置
に実施した場合の構成図である。図1において、101
は基地局と呼ばれる固定局で、固定サービス区域内にあ
る移動携帯無線電話装置に対して無線周波信号の送受信
を行う。121は基地局101のアンテナ、1は基地局
101によってサービスが提供される移動または携帯用
の無線電話装置の本体である。この特定の無線電話装置
1は以下のように構成される。
【0014】21、22は互いの間隔が通信周波数の約
1/4波長の位置に設けたアンテナ、3は送受信切り替
えスイッチ、4は送信回路、51、52は上記各アンテ
ナ21、22に対応して設けた受信回路、6は上記両受
信回路51、52で受信した両受信信号よりマルチパス
を除去するための演算を行うディジタル信号プロセッサ
(DSP)、71は電話回路、72は通話用スピーカ、
73は通話用マイクロホン、81はDSPコントロー
ラ、82は振動ジャイロスコープ、9はスイッチや表示
素子を含むユーザー・インターフェースである。
【0015】図2は、上記アンテナ21、22で受信す
る受信信号のマルチパスの状況を示す図である。図2
(a)は、基地局アンテナ121から無線電話装置1ま
での通信電波の経路を示す。実線で示された経路が直接
波、破線で示された経路は、山もしくはビル等で反射し
た通信電波が無線電話装置1に到達するマルチパスを示
す。
【0016】この図からもマルチパスによる信号は直接
波より長い経路を経て無線電話装置1に到達することは
明らかでありマルチパスによる信号は直接波より時間的
に遅れを生ずる。なお、直接波が存在しない場合には、
マルチパスの中の最もエネルギーが高いものを本発明で
は直接波と呼ぶこととする。
【0017】図2(b)は、無線電話装置1のアンテナ
21、22に入射する通信電波の直接波(実線)とマル
チパスによる信号(破線)の入射状況を示す。アンテナ
21、22を通信周波数の約1/4波長の間隔に設置す
ると、図2(b)で示すように、アンテナ21、22を
結んだ直線に対する垂線と直接波、マルチパスによる信
号の入射角度を各々θ、ψとすると、アンテナ22に入
力される直接波は、アンテナ21に入力される直接波よ
り1/4波長・sinθ分遅れる。
【0018】この遅れを位相差に換算するとπ/2・si
nθ〔rad〕の位相遅れとなる。同様にアンテナ22
に入力されるマルチパスによる信号はアンテナ21に入
力されるマルチパスより1/4波長・sinψ分進み、こ
の進みを位相差に換算するとπ/2・sinψ〔rad〕
の位相進みとなる。
【0019】図3は図2で説明したアンテナ21、2
2、受信回路51、52で受信される直接波とマルチパ
スによる信号及びその合成波形を示す。図3(a)は、
アンテナ21で受信する直接波(実線)とマルチパスに
よる信号(破線)の関係を示し、図3(b)はアンテナ
21で受信する直接波とマルチパスによる信号の合成波
を示す。図3(c)はアンテナ22で受信する直接波
(実線)とマルチパスによる信号(破線)の関係を示
し、図3(d)はアンテナ22で受信する直接波とマル
チパスによる信号の合成波を示す。なお、各波形は考え
易くするため、正弦波で表されている。
【0020】図4、図5は、マルチパスを除去するため
演算を行うディジタル信号プロセッサ6の構成図であ
り、このディジタル信号プロセッサ6は、複数の遅延器
D21〜D2k、D31〜D3k、D1〜Dn、D11
〜D13と、上記遅延器D21〜D3kからの信号を切
り替えるSW21、SW22と、複数の乗算器M1〜M
n、M11〜M19と、複数の加算器A21、A1、A
11〜A13と、係数データT11〜Tnm、K11〜
K9mと、全係数データを切り替えるSW1〜SWn、
SW11〜SW19で構成される。
【0021】図4は上記受信回路1、2からの2つの受
信信号を位相をずらせて加算処理を行う回路であり、こ
の回路の各遅延器D21〜D2kの係数データのkは、
位相差の設定を−π/2から0〔rad〕及び0からπ
/2〔rad〕の範囲でk分割していることを示してい
る。受信信号の位相を調整する場合、遅延器で遅らせる
ことは容易であるが、位相を進めることは困難である。
【0022】そのため、相対的に位相をシフトさせるよ
うに、SW21は、アンテナ22から受信回路52を経
た受信信号がアンテナ21から受信回路51を経た受信
信号より遅れている場合を受け持ち、SW22はアンテ
ナ21から受信回路51を経た受信信号がアンテナ22
から受信回路52を経た受信信号より遅れている場合を
受け持つようにしている。
【0023】今、仮に直接波をAsinωtで表わせば、
マルチパスによる信号は直接波より長い経路を通り、か
つ、反射されたりするため、到達する信号の直接波に対
する遅延分をδ、振幅の減衰した結果をMとすると、M
sin(ωt+δ)で表すことができる。
【0024】従って、アンテナ21から受信回路51を
経た受信信号はAsin(ωt)+Msin(ωt+δ)とし
て表すことができ、同様にアンテナ22から受信回路5
2を経た受信信号は、Asin(ωt+π/2・sinθ)+
Msin(ωt+δ−π/2・sinψ)で表すことができ
る。
【0025】いまSW22を0ポジションに固定し、S
W21を切り替え、xポジション・遅延器D2xが選ば
れているときに、D21からD2xの遅延量が位相に換
算してπ/2・sinθに等しくなったとする。
【0026】するとSW21の出力はAsin(ωt+π
/2・sinθ)+Msin(ωt+δ+π/2・sinθ)と
なり、加算器A21の出力は2Asin(ωt+π/2・s
inθ)+M{sin(ωt+δ−π/2・sinψ)+sin
(ωt+δ+π/2・sinθ)}となる。
【0027】従って、直接波成分は2倍の振幅が得ら
れ、マルチパスによる信号分は位相の異なる成分が混合
されるが、振幅は変わらず、結果としてS/Nを向上さ
せることができる。
【0028】図5は、上記図4に示す回路でS/Nを向
上させた受信信号を入力し、周波数成分のノイズを除去
すると共にマルチパスによる信号を除去する回路であ
る。
【0029】図4の出力は先ず、直列接続された遅延器
D1〜Dnと各遅延器D1〜Dnの出力に係数をかける
係数データT11〜T1m・・・・Tn1〜Tnm、と
この係数を切り換えるスイッチSW1〜SWnと乗算器
M1〜Mnと加算器A1より成る非巡回型ディジタルフ
ィルタF1に供給され、上記各係数データT11〜Tn
mを選択して、加算器A1より周波数成分のノイズを除
去した受信信号を導出する。
【0030】上記非巡回型ディジタルフィルタF1の加
算器A1より出力される周波数成分のノイズが除去され
た受信信号は、次段の巡回型ディジタルフィルタF2に
入力される。この巡回型ディジタルフィルタF2では、
乗算器M11〜M19の位置での信号を対応する位置に
設けた各スイッチS11〜S19による係数データK1
1〜K9mの選択で振幅を調整し、遅延器D11〜D1
3により遅延した信号を加算器A11〜A13で巡回さ
せて、マルチパスによる信号と、同位相で逆振幅の信号
を作り、この信号によりマルチパスによる信号を除去す
るようにしている。
【0031】即ち、図4,図5により、遅延器D31〜
D3kからの信号を切り換えるスイッチSW22を
“0”ポジションにした状態で遅延器D21〜D2kか
らの信号を切り換えるスイッチSW21を順次“0”か
ら“k”まで切り換え、次に、上記スイッチSW21を
“0”ポジションにした状態で上記スイッチSW22を
順次“0”から“k”まで切り換えて、受信状態が最適
の位相差を探せばS/Nを向上させることができる。
【0032】また、非巡回型ディジタルフィルタF1及
び巡回型ディジタルフィルタF2の係数データT11〜
Tnm、K11〜K9mを順次切り換えることで、周波
数成分のノイズを除去できると共に遅延によるマルチパ
スによる信号の除去を行うことができ、電話回路71か
らDSPコントローラ81への信号をエラーレートの最
も良い状態に設定することができる。
【0033】上記図4、図5に示す実施例のディジタル
信号プロセッサ6はスイッチSW1〜SWn、SW11
〜SW19により信号の各所の係数データT11〜Tn
m、K11〜K9mを切り換えるようにしているが、デ
ジタル信号プロセッサ6には全係数データT11〜Tn
m、K11〜K9mと、全係数データを切り替えるスイ
ッチSW1〜SWn、SW11〜SW19を設けず、外
部のDSPコントローラに書き換え可能な1組の係数記
憶装置を設け、DSPコントローラに必要全係数データ
を収納し、順次前記1組の係数記憶装置に書き換えを行
う方法でも同様に実現できる。
【0034】また、図2(b)に示すアンテナ21、2
2を結んだ直線に対して、図中上下対称の位置から通信
電波が入射する場合は、両アンテナ21、22に入射す
る電波の入射角度の関係も全く等しくなる。
【0035】従って、このままでは、アンテナ21、2
2を結んだ直線に対して対称な2方向からの電波を選択
してしまうので、マルチパスによる信号を除去すること
ができなくなるが、ディジタル信号プロセッサ6により
時間的なフィルタをかければ、時間的に遅れて入射する
マルチパスを除去することができ、安定した受信が可能
になる。また、受信アンテナと受信回路を3個以上設置
すれば、さらに高精度化を実現できる。
【0036】上記の無線電話装置1は携帯移動されるた
め、移動に伴い、直接波の入射角度が時々刻々変化す
る、特にサービス区域を越えて隣のサービス区域に移動
すれば今まで通信していた基地局101から別の基地局
に通信が切り替わり、通信電波の入射角度は大きく変わ
るおそれがある。そのため適時ディジタル信号プロセッ
サ6のフィルタの位相差の設定を−π/2からπ/2ま
で変え最も通信電波の状況がよい位相差を探し、その位
相差に再設定しなければならない。
【0037】図6は、無線電話装置の一例としてPHS
(Personal Handy System)のフレーム構成を示
す。PHSでは1無線通信周波数あたり4回線の無線電
話装置の通信が可能であり、図中#1から#4がその4
回線を区別する番号、Tは送信を、Rは受信を示し、例
えば基地局が移動局1に対し送信している#1Tのタイ
ミングでは移動局1が受信するため#1Rとなってお
り、逆に移動局1が送信している#1Tのタイミングで
は基地局が移動局1からの受信のため#1Rとなる。
【0038】移動局2から4も同様のタイミングで送受
信の通信が行われる。今、仮に無線電話装置1の通信が
3番で行われているものと仮定すると、基地局の#1
T、#2T、#4Tのタイミングは、自局には関係がな
いが、基地局から他局への送信電波を受信できる。
【0039】従って、ディジタル信号プロセッサ6にお
ける最終の位相差設定をDSPコントローラ内に記憶さ
せておき、上記の他局受信タイミング#1T,#2T,
#4Tで、ディジタル信号プロセッサ6の位相差の設定
を変え、最も通信電波の状況がよい位相差を探す処理時
間に充てる。
【0040】この場合、新しい最適位相差が確定するま
では、自局の受信タイミング(基地局#3T)ではDS
Pコントローラ内に記憶しておいた最終の設定値に戻
す。そして、その後、引き続き基地局における他局受信
タイミング#1T、#2T、#4Tで状況がよい位相差
を継続的に探すようにする。
【0041】ところで、電話中の人間の動きは、ほぼ同
じ位置であるが左右に体を回転させるような動きと、携
帯電話等で話ながら歩く水平移動の動きが多く、主だっ
た動きは、これらの組み合わせで考えられる。前述の基
地局の切り替わり(ハンドオーバー等と呼ばれる)を除
き、水平移動中(歩いている途中)の素早い回転の動き
は極めて少なく、かつ、基地局の位置が十分離れていれ
ば水平移動中の受信信号の位相差の変化は緩やかであ
る。
【0042】しかし、通話中の人間が左右に回転する動
きは高速であるので、上記の他局受信タイミング時に行
う通常の調整だけでは、無線電話装置1を使用する人間
の動きに十分追従した早さの調整を行うことができな
い。そこで本発明では、受信装置自身の姿勢を検出する
手段を設け、受信装置が移動、特に回転しても、その回
転量と上記の両アンテナ21、22からの受信信号の位
相差を考慮した演算処理を行い、精度の高い安定したマ
ルチパスの除去を実現する。
【0043】受信装置自身の姿勢を検出する手段として
は、図1に示す振動ジャイロスコープ82が設けられ
る。DSPコントローラ81は振動ジャイロスコープ8
2からの信号を常時監視しておき、その入力信号に応じ
た回転量すなわち回転角度を計算し、現最終の位相差設
定に対し、求まった回転角度に相当する位相差を設定し
直して、位相差設定値を直ちにこの値にシフトする。も
ちろんシフト後の設定が新しい最終の位相差設定とな
り、この値に再設定される。
【0044】以上のように、受信装置自体の素早い回転
の動きには、振動ジャイロスコープ82からの信号によ
りごく短時間のうちに回転量に対応した位相差の変化を
演算で求め、この値に位相差設定をシフトして、再設定
することで対応し、もう少し長い時間間隔では、前述の
ようにディジタル信号プロセッサ6のフィルタの位相差
の設定を変化させ、最も通信電波の状況がよい位相差を
探し、その位相差に再設定することで対応する。
【0045】即ち、前者の回転運動のような早い動きに
対しては、相対的な変化に対応した位相差シフトを行わ
せ、後者の比較的緩やかな動きに対しては、絶対的な位
相差の探索を行わせこれらを組み合わせることで高精度
の安定したマルチパス除去を実現する。
【0046】図7は、受信装置自身の姿勢を検出する振
動ジャイロスコープの構成を示す。(a)は現在既に商
品化されている三角棒型振動ジャイロスコープである。
これは、三角棒82−1の中央に張られた3個の圧電素
子82−2、82−3、82−4の2個に交流電圧を加
えると、三角棒82−1をx−z平面の方向に屈曲振動
する。
【0047】そして、この振動の周波数を三角棒82−
1の共振周波数に合わせ、三角棒82−1を最大振幅で
振動させる。三角棒82−1を中心とした回転運動Ω0
に対して発生するy−z平面のコリオリ力はペアの圧電
素子の電圧の差として検出できる。
【0048】従って、これらの信号をDSPコントロー
ラ81のアナログ・ディジタル変換入力でディジタル信
号に変換し、この信号を用いて、最適の位相差を演算処
理で求め、位相差をこの値にシフトすれば容易に上記方
法が実現できる。(b)はまだ実用化されていないが半
導体技術を応用してシリコンウェハをエッチング処理し
て造られるマイクロジャイロスコープの例である。
【0049】櫛形の可動部と固定部の静電容量を利用
し、x−y平面に静電駆動で可動部を振動させ、回転Ω
に対するコリオリ力をz軸方向の基板と可動部の静電容
量の変化から検出する。マイクロジャイロスコープを用
いた場合も、上記の三角棒型振動ジャイロスコープを用
いた場合と同様にして、受信装置自体の急激な回転等の
運動に対して位相差を最適値に高速にシフトさせること
ができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、素早い回
転の動きには受信装置自身の姿勢を検出する振動ジャイ
ロスコープからの信号により、ごく短時間のうちに位相
差設定をシフトし、もう少し長い時間間隔ではディジタ
ル信号プロセッサのフィルタの位相差の設定を変化さ
せ、最も通信電波の状況がよい位相差を探しその位相差
に再設定することができるので、高精度の安定したマル
チパスを除去した高品位受信の移動または携帯無線電話
装置等の受信装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である無線電話通信装置の構
成図である。
【図2】基地局から受信装置までの電波の経路および入
射角度の説明図である。
【図3】本発明における受信電波の説明図である。
【図4】本発明に用いるディジタル信号プロセッサのブ
ロック図である。
【図5】同じく本発明に用いるディジタル信号プロセッ
サのブロック図である。
【図6】PHSのフレーム構成を示す図である。
【図7】本発明に用いる振動ジャイロスコープの構成図
である。
【符号の説明】
1 ・・・無線電話装置 6 ・・・ディジタル信号プロセッサ 21 ・・・アンテナ 22 ・・・アンテナ 51 ・・・受信回路 52 ・・・受信回路 81 ・・・DSPコントローラ 82 ・・・振動ジャイロスコープ F1 ・・・非巡回型ディジタルフィルタ F2 ・・・巡回型ディジタルフィルタ D1〜Dn、D11〜D13、D21〜D2k、D31
〜D3k…遅延器 M1〜Mn、M11〜M19…乗算器 A1、A11〜A13、A21…加算器 T11〜Tnm、K11〜K9m…係数データ SW1〜SWn、SW11〜SW19、SW21、SW
22…スイッチ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のアンテナからの入力信号を受信する
    第1の受信回路と、上記第1のアンテナに対して所定の
    間隔を隔てて配設した第2のアンテナからの入力信号を
    受信する第2の受信回路と、上記第1及び第2の受信回
    路の出力信号を加算する第1の加算回路と、上記加算回
    路の出力の位相及び振幅を調整する遅延回路、係数設定
    回路及び第2の加算回路より成る巡回型ディジタルフィ
    ルタで構成したディジタル信号プロセッサと、該ディジ
    タル信号プロセッサにより上記位相及び振幅をマルチパ
    スによる信号が除去されるように制御する制御回路を設
    けた移動型受信装置において、 更に移動型受信装置の本体に振動ジャイロスコープを設
    け、上記制御回路は該振動ジャイロスコープで検出した
    移動型受信装置本体の移動に伴う信号に基づき、上記位
    相及び振幅をマルチパスによる信号が除去されるように
    制御する ことを特徴とする移動型受信装置。
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