JP3276335B2 - 小型滑走艇の排気管 - Google Patents

小型滑走艇の排気管

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JP3276335B2 JP15446098A JP15446098A JP3276335B2 JP 3276335 B2 JP3276335 B2 JP 3276335B2 JP 15446098 A JP15446098 A JP 15446098A JP 15446098 A JP15446098 A JP 15446098A JP 3276335 B2 JP3276335 B2 JP 3276335B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水上を滑走する小型滑
走艇( Parsonal Water Craft (パーソナル・ウォータ
ー・クラフト); PWCとも呼ばれる) に関し、さらに
詳しくは小型滑走艇の排気管に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】この
種の小型滑走艇は、レジャー用としてあるいはスポーツ
用として、近年多用されている。この小型滑走艇は、一
般的に、底面に設けられた吸水口から吸い込んだ水を推
進ポンプで加速して船体の後方へ噴出することによって
推進するよう構成されている。
【0003】また、船体のトランサムボードには、排気
管が設けられ、船体内に配設されたエンジンの排気口か
らの排気ガスを、後方に排気するよう構成されている
(実公平7−39758号)。
【0004】この排気管の後端には、排気音(この明細
書において「排気による透過音」をいう)を低減させる
べく、ベローズ状で排気圧により上方へ開閉自在になっ
たゴム製の蓋部材を配置した構成のものがある(実開平
5−34100号)。
【0005】また、この種の小型滑走艇は、一般的に、
小型でしかも船幅の寸法が小さく、従って、ライダーが
水中からデッキに乗り込む際には、一般に船体の後方か
ら乗り込むが、この際、上記蓋部材によって、エンジン
が始動状態(アイドリング状態)の場合にも、排気ガス
が直接かかり難くなる。
【0006】ところが、このように蓋部材を設けると、
排気管の排圧が増加して、エンジンの出力を低下させる
ことになる。また、エンジン出力の高い状態でもこの蓋
部材に当たった排気ガスが船体のトランサムボードに戻
ってくるため、排気ガスが小型滑走艇の外壁(トランサ
ムボード)を汚すことにもなる。
【0007】本発明は、このような現況に鑑みておこな
われたもので、排気管からの排気音を低減でき、しかも
船体のトランサムボードを排気ガスで汚すことなく、さ
らに、水面からデッキに乗り込もうとするライダーにも
排気ガスがかからないか若しくはかかり難いような、小
型滑走艇に好適な排気管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる小型滑走
艇の排気管は、艇の後方に排気ガスを排出するべく、
が停止している状態ではトランサムボードの喫水線W1
より下方で、且つ滑走している状態では滑走時のトラン
サムボードの喫水線W2より上方であって、該トラ
ムボードの後方に、後端の開口が位置するように排気管
を備えた小型滑走艇の排気管において、上記排気管が、
推進用の噴射ノズルに対して側方の位置において、トラ
ンサムボードから後方へ突設し、この突設した部分の少
なくとも後部が斜め下方に湾曲すると共に、滑走時にお
いて、該排気管の後端の開口面が、側面視において、水
面に対して斜め後方に臨むように構成されていること
より、航行時に該トランサムボードに起因して惹起され
る渦流に巻き込まれて該トランサムボードを汚すことの
ない程度に後方へ排気ガスが排出されることを特徴とす
る。
【0009】しかして、この小型滑走艇の排気管によれ
ば、滑走時に、排気管の開口面から排出される排気ガス
は、排気速度と排気方向に起因して、船体のトランサム
ボード後方に発生する渦流に巻き込まれることなく水面
に一度当たってから後方に流れ、排気音は滑走によって
船体の後方に生じている水しぶきおよび水面に当たって
減衰吸収されるため、可及的に小さくなる。また、高音
域の排気音は直進性が高いため、水面で吸収され、小型
滑走艇から離れたところまで到達することはない。
【0010】さらに、同じ理由により、排気ガスの殆ど
は相対的に走り去った船体後方の水面上に残されるた
め、船体のトランサムボードを汚すことはない。また、
水中にいるライダーがトランサムボード側から小型滑走
艇のデッキに乗り込む際にも、小型滑走艇が体重で後方
に傾斜していることに起因して排気管の開口面が水没し
ており、しかもこのように水中で斜め側方(および下
方)に開口されているので、ライダーに排気が殆どかか
ることはない。
【0011】また、このように、排気管の後端の開口面
が、側面視において、水面に対して斜めに臨むように、
排気管の少なくとも後部が斜め下方に湾曲していると、
この湾曲の曲率半径を適宜変更することによって、排気
管の船体のトランサムボードからの突出寸法と、該排気
管の後端での水面からの高さを自在に設定できる点で、
好ましい。また、排気ガスの円滑な(圧力損失の少な
い)排出を得る構成として好ましく、また、デザイン的
にも好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】上記小型滑走艇の排気管の一つの
実施の形態として、上記排気管の後端の開口面が、側面
視において、水面に対して概ね10度から60度の範囲
内の角度をなすように、該水面に対して斜めに臨んでい
ると、この発明による基本的な作用効果を得ることがで
きる。
【0013】また、一つの実施形態として、上記排気管
の後端の開口面が、側面視において、水面に対して概ね
25度から45度の範囲内の角度をなすように、該水面
に対して斜めに臨んでいると、小型滑走艇の滑走速度と
の関係で、周波数の高い排気音の低減効果を得る上で、
また船体のトランサムボードを汚すことがない構成とし
て好ましい実施形態となる。
【0014】また、一つの実施形態として、艇の後方か
ら見た垂直仮想面に対する投影面積が上記排気管の管断
面積の約1/2になるような程度に、該排気管の開口面
が水面に対して斜めに臨んでいるような構成が、上記排
気管の壁面の遮音効果により、周波数の高い排気音の低
減効果を得る上で、また船体のトランサムボードを汚す
ことがない構成として好ましい実施形態となる。
【0015】さらに、上記構成において、特に、排気管
の後端の開口の上端から水面までの距離h1が、該開口
の直径に略等しい距離となるよう構成すると、さらに好
ましい効果を得ることができる。
【0016】また、上記構成において、排気管の後端の
開口の下端から水面までの高さh2が、トランサムボー
ドから開口の下端までの距離dに略等しい距離である
と、さらに好ましい構成となる。
【0017】また、本第2の発明にかかる小型滑走艇の
排気管によれば、艇の後方に排気ガスを排出するべく、
少なくとも滑走時にトランサムボードの喫水線より上方
で該トランサムボードの後方に、後端の開口が位置する
ように排気管を備えた小型滑走艇の排気管において、
記排気管がトランサムボードから後方に突設し、この突
設した部分の少なくとも後部が斜め下方に湾曲すると共
に、滑走時において、該排気管の後端の開口面が、側面
視において、水面に対して斜め後方に臨むように、且
つ、上記排気管がトランサムボード側から見て船体の少
なくとも一方の側部に設けられ、該排気管の後端の開口
面が、艇の後方から見て、船体の上記側部に近い方の外
方にも水平面Hに対して傾斜しており、その水平面Hか
らの傾斜角度βが、概ね5度から35度の範囲である
う構成されることにより、航行時に該トランサムボード
に起因して惹起される渦流に巻き込まれて該トランサム
ボードを汚すことのない程度に上記傾斜角度βをもって
後方へ排気ガスが排出されることことを特徴とする。し
かして、排気管が上述のように構成されていると、排気
管の開口面から排出される排気ガスは船体後方で且つ外
方へ所定の排気速度で排出されることから、船体のトラ
ンサムボードを汚すことがない構成として、且つ水中か
らライダーがトランサムボード側からデッキに乗る際に
排気ガスを受けることがない構成として特に優れた構成
となる。
【0018】また、上記排気管は、ゴム製であっても、
あるいは金属製であってもよい。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例にかかる小型滑走艇の
排気管を図面を参照しながら説明する。
【0020】図1は本実施例にかかる排気管を具備した
小型滑走艇の全体側面図、図2は同平面図、図3は艇の
後方から見た要部拡大図、図4は図1,図3に示す小型
滑走艇の排気管の長手方向の断面を示す図3のI−I矢
視断面図である。
【0021】図1,図2において、Aは小型滑走艇の船
体で、この船体Aは、ハルTとその上方を覆うデッキD
から構成され、これらハルTとデッキDを全周で接続す
る接続ラインはガンネルラインGと呼ばれ、この実施例
では、このガンネルラインGは、この小型滑走艇の喫水
線W1(小型滑走艇の停止時の喫水線(水面)をいう)
より上方に位置している。
【0022】そして、上記船体Aのトランサムボード5
の上記喫水線(水面)W1より下方の部位で且つ滑走中
の喫水線(水面)W2(図1に二点鎖線で示す加速時の
水面W2を参照),W3(定常状態で滑走中の実線で示
す水面をいう)より上方になる部位で、さらには艇の長
手方向に延びるセンターラインより一方の側方に偏った
部位(側部)には、図3,図4に拡大して図示するよう
な、排気管1が設けられている。この排気管1は、図4
に図示するように、その長手方向(小型滑走艇の長手方
向に一致)中央部位でその後部が下方を向くように湾曲
している。そして、艇の側面視において、該排気管1の
開口面1aは、定常状態での滑走状態において、水面W
3に対して前後方向(滑走方向)に略30度の角度(図
4の角度α参照)をなして、水面W3を臨むように構成
されている。また、この開口面1aは、図3に図示する
ように、小型滑走艇の船体Aの排気管1の近い側の側端
側の外方にも、艇の後方から見て、水平面H(この図3
では艇の側方の水面W3と同じ面となっている)に対し
て略10度の角度(図3の「傾斜角度β」参照)分だけ
傾斜している。この外方への傾斜角度β(図3参照)
は、本実施例にかかる小型滑走艇の上記トランサムボー
ド5の下端のライン5L、つまり途中にスプレイストリ
ップ5sを含む下端のライン5Lの傾斜角の平均値が概
ね15度となっており、滑走中のトランサムボード5下
端部後方の水面W3がこのライン5Lに平行に形成され
ることから、この平均値の角度に略一致させて、艇の後
方且つ側方の水面W3に対して船体Aの後方から見てほ
ぼ直角に排気ガスを当接させるよう構成している。図4
に示すように、艇の側面から見て、上記水面W3に対す
る前後方向の傾斜角度αは、30度前後が最も望ましい
が、25度から45度の範囲であれば、ほぼ同じ程度の
作用効果が得られることが、本発明者の実験から判明し
ている。また、この構成を、別の観点から表現すると、
図3に図示するように、船体Aの後方から見て、排気管
1の開口面1aの後方から見た投影断面積(垂直仮想平
面への投影面積)が直角横断面(排気管1の横断面積)
に対して約1/2の面積になるような構成とも言える。
そして、特に、このように構成すると、排気音が大きい
加速時に、船体Aが後方に傾く(船首が持ち上がり船尾
が沈むように傾く)ことから、排気管1の開口面1a
が、船体Aの側方から見て、水面W2に直角に近い状態
で臨むことになることから、排気音を有効に低減するこ
とができる好ましい構成となる。
【0023】しかし、上記基本的な作用効果が得られる
最大限は、定常状態の滑走中において、側面視におい
て、水面W3に対して10度から60度の範囲において
認められる。
【0024】また、上記船体Aの外方への傾斜角βは、
本実施例にかかる下端ライン5Lを有するトランサムボ
ード5の小型滑走艇では、略10度程度が最も望ましい
が、5度から35度程度あっても、作用効果を得ること
ができる。また、この外方への傾斜角βは、トランサム
ボード5の下端ライン5Lの傾斜角の平均値に合わせ
て、適宜上記考え方に基づいて変更されるものである。
【0025】そして、本実施例の場合、この排気管1
は、材質的には、やや硬質のゴム製であるが、軟質のゴ
ム製であってもよい。また、場合によっては、ABS等
のプラスチックで、又は他の樹脂、あるいはアルミニュ
ーム,ステンレス等の金属製であってもよい。
【0026】この排気管1は、図3に図示するように、
水面W3との関係では、該排気管1の直径Rと、該排気
管1の上端から水面までの距離h1が略等しくなるよう
構成することが、排気ガスを、滑走によって相対的に後
ろに去ってゆく水面上に有効に残してゆくという作用効
果から、且つ排圧を高めないという見地から、また、排
気音を船体後方に形成される水しぶきに有効に吸収させ
るという作用効果から、最も好ましい構成となる。つま
り、上記直径Rより上記水面までの距離h1が大きい場
合には、排気ガスが船体のトランサムボード5近傍に形
成される走行(滑走)による渦流に巻き込まれて、その
結果、船体Aのトランサムボード5を汚す程度が大きく
なるとともに、排気音の低減効果で低くなる。一方、上
記直径Rより上記水面までの距離h1が小さくなると、
排気管1の排圧が高くなって、エンジンの出力を低下さ
せることになる。
【0027】また、船体Aのトランサムボード5から排
気管1の開口面1aまでの距離dに関して、図4に図示
するように、水面W3から該開口面1aの下端までの高
さh2と上記トランサムボード5から開口面1aの下端
までの距離dが概ね等しくなるか、やや距離dの方が高
さh2より大きくなる程度が好ましい構成となる。つま
り、船体Aのトランサムボード5からの距離dが開口面
1aの下端の高さh2に対してあまり大きくなると、即
ち、排気管1が船体Aのトランサムボード5から大きく
突出した状態になると、ライダーが水中から艇のデッキ
に登ろうとする際邪魔になり、また小型滑走艇を波打ち
際からトレーラ等に搭載する際あるいは降ろす際等にも
邪魔になる。また、逆に小さくなると、トランサムボー
ド5に起因する渦流に巻き込まれて、該トランサムボー
ド5を汚すことになる。
【0028】この排気管1は、船体Aに対して、次のよ
うに取着されている。即ち、図4に図示するように、船
体Aのトランサムボード5に形成された貫通穴5aにプ
ラスチック製のスリーブ2が、該貫通穴5aの内周縁を
覆うような状態で、且つそのフランジ部2Aが船外側に
位置する状態で、リベット3によって周囲3箇所が固定
されている。そして、このスリーブ2の船外側のフラン
ジ部2Aに形成された断面Uの字状でOリング状の溝2
aに、ゴム製の排気管1のフランジ部1Aの端面に形成
されたOリング状の突起1cが接合するような状態でセ
ットされ、該排気管1のフランジ部1Aの外周を覆うよ
う、立ち上がり部4aを有するハット状の取付カバー4
が掛けられ、この取付カバー4の船外側から、3本の取
付ボルト6によって、上記スリーブ2のフランジ部2A
の周囲3箇所に等間隔に設けられためねじ穴2bに固定
している。このため、上記取付ボルト6の螺着によっ
て、可撓性のある上記Oリング状の突起1cが、プラス
チック製のOリング状の溝2aに押圧されて変形し、排
気管1とスリーブ2との接続部分のシール状態が形成さ
れる。
【0029】また、図4に図示するように、スリーブ2
の船体側のフランジ部2Aと、船体Aのトランサムボー
ド5との間には、厚さ1mm程度のゴム製のパッキン7
(図5(d)参照)が介装され、スリーブ2とトランサ
ムボード5との間のシール構造が形成されている。な
お、上記排気管1、スリーブ2、取付カバー4、パッキ
ン7自体の構成については、図5にその斜視図を図示す
る。そして、図5において、二点鎖線の矢印は、上記リ
ベット3あるいはボルト6の取着位置とその挿通方向を
示す。
【0030】この結果、排気管1は、船体Aのトランサ
ムボード5に対して水密状に取着されることになる。
【0031】また、上記排気管1のフランジ部1Aおよ
びスリーブ2の船体側のフランジ部2A、さらには上記
パッキン7の平面形状(トランサムボード5に取着され
た状態で後方から見た形状)は、略3葉形状に形成さ
れ、トランサムボード5への取着の際に、排気管1の上
記外方への傾斜が正しくおこなわれるよう配慮されてい
る。
【0032】ところで、図1,図2に図示するように、
この排気管1を備えた本実施例にかかる小型滑走艇は、
図2に示す平面視において弾丸形状をしており、この船
体のデッキD後部の上面に船体Aの長手方向に沿って平
面視において略長方形の開口部8が形成され、開口部8
上方に騎乗用のシートSが配置され、このシートS上に
ライダーが騎乗しその前方のハンドル21を操作して左
右に操船することが可能に構成されている。
【0033】そして、エンジンEは上記シートS下方の
ハルTとデッキDに囲まれた横断面「凸」状の空間
(「機関スペース」という)20内に配置される。
【0034】この実施例では、例えば、エンジンEは2
サイクル3気筒のエンジンであって、艇の後方から見
て、シリンダ10aが上端で左方に傾斜した状態で且つ
クランクシャフト10bが船体Aの長手方向に沿うよう
な向きで搭載されており、このエンジン本体10の左方
(小型滑走艇の左舷方)に気化器11とそれに接続され
たエアクリーナ12を備え、また上方には集合式の排気
チューブ(排気管1と区別するため、この実施例では
「エンジンEから排気管1までの排気管」をいう)13
Aが配置されている。また、この排気チューブ13A
は、エンジン本体10の左斜め後方に配置された消音器
14に接続されている。消音器14から、排気チューブ
13Bが延設され、その終端が、船体Aのトランサムボ
ード5に配設された上記排気管1の始端に気密状に接続
されている。この排気チューブ13Bの中間部位では、
推進ポンプPを避けるように上方に屈曲している。ま
た、エンジン本体10の後方に突出している上記クラン
クシャフト10bの出力端は、推進ポンプPのインペラ
16bの回転軸15に接続されている。そして、この回
転軸15の周囲に配設されたインペラ16bは、その外
周方が、ケーシング16cで覆われ、底面に設けられた
吸水口17から取り入れた水を推進ポンプPで加速し
て、後方の噴射ノズル18から吐出して、艇が推進力を
得るよう構成されている。そして、図2に示す上記ハン
ドル21を左右に操作すると、この噴射ノズル18後方
のステアリングノズル19が左右に揺動し、所望の方向
に操舵できるよう構成されている。また、上記ステアリ
ングノズル19の上後方には、水平揺動軸を中心に下方
に揺動可能に、リバース用のデフレクター(図示せず)
が配置され、このデフレクターをステアリングノズル1
9後方の下方位置へ揺動動作させることによって、ステ
アリングノズル19から後方に吐出される水を前方に転
向させて、艇を後進させることができるよう構成されて
いる。なお、上記リバース用のデフレクターは、排気管
1を明瞭に表すために図示が省略されている。
【0035】図1において、9は後部デッキで、この後
部デッキ9には、開閉式のハッチカバー29が設けら
れ、ハッチカバー29の下方に小容量の収納ボックスが
形成されている。また、図1において、22は上記エン
ジンEに燃料を供給する燃料タンク、23は前部ハッチ
カバーで、このハッチカバー23の下方には備品等を収
納するボックス(図示せず)が設けられている。また、
この前部ハッチカバー23の上方には、二層式に別のハ
ッチカバー25が配置されている。
【0036】また、図2において、26は点火プラグ1
0dに適宜タイミングで高圧電気を供給する点火装置、
27はバッテリーである。
【0037】また、図3において、29は牽引用等のフ
ック、30はビルジ排出口である。
【0038】しかして、このように構成された排気管1
を備えた小型滑走艇によると、小型滑走艇が定常の滑走
状態(走行状態)にあるときには、排気ガスは排気管1
の開口面1aから水面W3に対して約30度の角度で排
気され、従って、排気速度と排気方向に起因して、船体
Aのトランサムボード5によって惹起される渦流に巻き
込まれることなく、連続して排出される排気ガスは滑走
により順次後方の水面上に残されてゆく。従って、船体
Aのトランサムボード5は排気ガスによって汚されるこ
とはない。
【0039】また、排気管1の開口面1aから排出され
る排気音は、滑走中船体Aの後方で生じる水しぶき中
に、あるいは水面に当接してかなりの部分が吸収される
ことから、排気音は従来のベローズ状の蓋部材を用いた
場合に比べて、より低減させることができる。特に、こ
の実施例のように構成しておけば、排気音の大きくなる
小型滑走艇の発進加速の際には、艇が後方に傾くため、
排気管1の開口面1aが水面に対して略直角に近い状態
になるため、可及的に排気音を低減することができる。
【0040】また、この実施例のように、排気管1を船
体Aの外方にも傾斜させておけば、トランサムボードの
下端の形状(船底のボトム形状)に起因して、艇の後方
から見て、滑走中は水面W3に対して直角に排気ガスが
排気されるとともに、エンジンがアイドリンク状態で艇
が停止している場合に、上記トランサムボード5を把持
してライダーが水中からデッキDに乗る際にも、排気管
1の開口面1aが外方を向き且つ艇の停止時には開口面
1aが水中にあるという2つの理由に起因して、排気ガ
スはライダーに直接かかることはない。
【0041】ところで、上記実施例では、排気管1をそ
の長手方向中央で所定の曲率半径で下方に湾曲している
が、この構成に代えて、排気管そのものを直線的に後端
(排気端)側が下になるように傾斜させて上記同様の角
度の開口面を得るように構成してもよく、かかる場合に
は、簡単な構成によって実施できることになる。また、
この場合、排気管の後部底面を水面に略平行な面でカッ
トした構成であってもよい。
【0042】また、上述した実施例では、排気管を排気
チューブと別部材で構成しているが、排気チューブと排
気管を一体にした構成であってもよいことは言うまでも
ない。
【0043】
【発明の効果】本発明にかかる小型滑走艇の排気管によ
れば、船体のトランサムボードが汚れることがなく、且
つ排気音を低減させることができる。また、船体の後方
からライダーが乗る込む場合にも、排気ガスがライダー
に直接かかるようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例にかかる排気管を具備した小型滑走
艇の全体側面図である。
【図2】 図1に示す小型滑走艇の平面図である。
【図3】 図1,図2に示す小型滑走艇の後方から見た
要部拡大図である。
【図4】 図1,図3に示す小型滑走艇の排気管の長手
方向の断面を示す図3のI−I矢視断面図である。
【図5】 排気管の取付部分の構成部品を示す斜視図
で、(a)は取付カバーを示す斜視図、(b)は排気管
を示す斜視図、(c)はスリーブを示す斜視図、(d)
はパッキンを示す斜視図である。
【符号の説明】
A……船体 1……排気管 1a……開口面 5……トランサムボード W1,W2,W3……水面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−108791(JP,A) 特開 平2−212296(JP,A) 実開 昭49−82490(JP,U)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 艇の後方に排気ガスを排出するべく、
    が停止している状態ではトランサムボードの喫水線W1
    より下方で、且つ滑走している状態では滑走時のトラン
    サムボードの喫水線W2より上方であって、該トラ
    ムボードの後方に、後端の開口が位置するように排気管
    を備えた小型滑走艇の排気管において、 上記排気管が、推進用の噴射ノズルに対して側方の位置
    において、トランサムボードから後方へ突設し、この突
    設した部分の少なくとも後部が斜め下方に湾曲すると共
    に、滑走時において、該排気管の後端の開口面が、側面
    視において、水面に対して斜め後方に臨むように構成さ
    れていることにより、航行時に該トランサムボードに起
    因して惹起される渦流に巻き込まれて該トランサムボー
    ドを汚すことのない程度に後方へ排気ガスが排出される
    ことを特徴とする小型滑走艇の排気管。
  2. 【請求項2】 前記排気管の後端の開口面が、側面視に
    おいて、水面に対して概ね10度から60度の範囲内の
    角度をなすように、該水面に対して斜めに臨んでいるこ
    とを特徴とする請求項1記載の小型滑走艇の排気管。
  3. 【請求項3】 前記排気管の後端の開口面が、側面視に
    おいて、水面に対して概ね25度から45度の範囲内の
    角度をなすように、該水面に対して斜めに臨んでいるこ
    とを特徴とする請求項2記載の小型滑走艇の排気管。
  4. 【請求項4】 艇の後方から見た垂直仮想面に対する投
    影面積が前記排気管の管断面積の約1/2になるような
    程度に、該排気管の開口面が、側面視において、水面に
    対して斜めに臨んでいることを特徴とする請求項1記載
    の小型滑走艇の排気管。
  5. 【請求項5】 前記排気管の後端の開口の上端から水面
    までの距離h1が、該開口の直径に略等しい距離である
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の小型滑走艇の排
    気管。
  6. 【請求項6】 前記排気管の後端の開口の下端から水面
    までの高さh2が、トランサムボードから開口の下端ま
    での距離dに略等しい距離であることを特徴とする請求
    項5記載の小型滑走艇の排気管。
  7. 【請求項7】 艇の後方に排気ガスを排出するべく、少
    なくとも滑走時にトランサムボードの喫水線より上方で
    該トランサムボードの後方に、後端の開口が位置するよ
    うに排気管を備えた小型滑走艇の排気管において、 上記排気管がトランサムボードから後方に突設し、この
    突設した部分の少なくとも後部が斜め下方に湾曲すると
    共に、滑走時において、該排気管の後端の開口面が、側
    面視において、水面に対して斜め後方に臨むように、 且つ、 上記排気管がトランサムボード側から見て船体の
    少なくとも一方の側部に設けられ、該排気管の後端の開
    口面が、艇の後方から見て、船体の上記側部に近い方の
    外方にも水平面Hに対して傾斜しており、その水平面H
    からの傾斜角度βが、概ね5度から35度の範囲である
    よう構成されることにより、航行時に該トランサムボー
    ドに起因して惹起される渦流に巻き込まれて該トランサ
    ムボードを汚すことのない程度に上記傾斜角度βをもっ
    て後方へ排気ガスが排出されることことを特徴とする小
    型滑走艇の排気管。
  8. 【請求項8】 前記排気管がゴム製であることを特徴と
    する請求項1から請求項7のいずれか1の項に記載の小
    型滑走艇の排気管。
  9. 【請求項9】 前記排気管が金属製であることを特徴と
    する請求項1から請求項7のいずれか1の項に記載の小
    型滑走艇の排気管。
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