JP3276229B2 - 内視鏡の先端部 - Google Patents

内視鏡の先端部

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JP3276229B2
JP3276229B2 JP31461893A JP31461893A JP3276229B2 JP 3276229 B2 JP3276229 B2 JP 3276229B2 JP 31461893 A JP31461893 A JP 31461893A JP 31461893 A JP31461893 A JP 31461893A JP 3276229 B2 JP3276229 B2 JP 3276229B2
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distal end
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ejection nozzle
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慶時 伊藤
静春 三浦
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旭光学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気や水等の流体を
噴出するための流体噴出ノズルが着脱自在に設けられた
内視鏡の先端部に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡の先端部に設けられた送気、送水
ノズル等の流体噴出ノズルは、内視鏡使用後にブラッシ
ングによって、送気、送水管内を掃除したり、異物詰ま
りを除去したりするために、着脱可能に構成することが
望ましい。
【0003】そこで以前は、流体噴出ノズルの基部を内
視鏡挿入部の先端部本体に差し込んでビス止めをしてい
たが、着脱作業がはなはだ面倒である。そこで最近は、
流体噴出ノズルをゴムやプラスチック等の弾性材で形成
して、流体噴出ノズルを弾性変形させたときに生じる弾
力によって、流体噴出ノズルを先端部本体に着脱自在に
取り付けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのように弾
力で先端部本体に取り付けられた流体噴出ノズルは、体
腔内において強い外力が作用したときに落下してしまう
場合がある。ビス止めのものでもビスの締め付けが緩い
と、同様に体腔内に落下してしまう場合がある。
【0005】そのように誤って流体噴出ノズルが体腔内
へ落下してしまうと、内視鏡で流体噴出ノズルを探し、
把持鉗子などを用いて経内視鏡的に回収することとな
り、内視鏡による検査時間が著しく長くなって患者に無
用の大きな苦痛を与えていた。
【0006】そこで本発明は、挿入部の先端に着脱自在
に設けられた流体噴出ノズルがたとえ体腔内に落下して
も安全であり、落下したノズルを回収する必要のない内
視鏡の先端部を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡の先端部は、流体を噴出するための
流体噴出ノズルを挿入部先端の先端部本体に着脱可能に
設けた内視鏡の先端部において、生体内に留置されると
一定時間経過後に分解される材料によって、上記流体噴
出ノズルを形成したことを特徴とする。
【0008】なお、上記流体噴出ノズルを形成する材料
が、誘導タンパク質であってもよく、または上記流体噴
出ノズルを形成する材料が、ポリ乳酸ポリマまたは乳酸
・グリコール酸共重合体ポリマであってもよい。
【0009】
【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図2は本
発明の実施例の内視鏡の挿入部の正面図であり、図1は
そのABCD断面を示し、図3はEF断面を示してい
る。
【0010】図1に示されるように、先端部本体1は、
細長い可撓管によって形成された挿入部の先端に遠隔操
作によって屈曲自在に設けられた湾曲部2の先端部分に
連結されている。
【0011】湾曲部2は、多数の節輪3をリベットによ
って回動自在に連結し、その外周に網状管4を被覆し
て、さらにゴムチューブ5等によって外装し、その端部
を先端部本体1の外周面に緊縛、接合させて構成されて
いる。6は、緊縛部の外側から塗布された接着剤、7は
操作ワイヤである。なお、図1には、多数の節輪のうち
最先端の節輪3の部分だけが図示されている。
【0012】先端部本体1は、湾曲部2の先端に連結さ
れたステンレス鋼製の金属ブロック部1aと、先端表面
に露出するステンレス鋼製の露出金属部1bと、それら
金属ブロック部1aと露出金属部1bとの間を電気絶縁
するように連結するプラスチックブロック部1cとによ
って形成されている。
【0013】本実施例の内視鏡は、管軸の前方を観察す
るようにしたいわゆる前方視型内視鏡であり、図2に示
されるように、先端部本体1の先端面に観察窓11、照
明窓12及び鉗子チャンネル出口孔13が配置されると
共に、観察窓11に向けて開口する送気送水口14(流
体送出口)が設けられている。
【0014】図1に示されるように、観察窓11の内側
には、対物光学系16が金属製の鏡枠17に固着されて
配置されている。表面の第1レンズ16aは、その外周
面の途中に形成された段差部において鏡枠17にカシメ
固定されている。18は明るさ絞り、19はスペーサで
ある。
【0015】鏡枠17の前半部外周部分には、電気絶縁
性のプラスチック材からなる絶縁環21が接合されてい
て、鏡枠17の前端部分が露出しないように形成された
凹部内に、脱泡したエポキシ系接着剤22が充填されて
いる。絶縁環21の外周面は、先端部本体1の露出金属
部1bに形成された孔内に嵌合していて、その嵌合部に
はシール用のOリング23が装着されている。
【0016】鏡枠17の後部外周部には、金属製のシー
ルドパイプ25が嵌着、接合されていて、シールドパイ
プ25内に例えば電荷結合素子(CCD)からなる固体
撮像素子26が受像面を前向きにして固定されている。
【0017】そして、その前側には、透明なカバーガラ
ス27が密着して配置され、さらにその前面にYAGレ
ーザ光カットフィルタ28が貼着されている。このよう
な透明部材27,28を通って、対物光学系16によっ
て観察光像が固体撮像素子26の受像面に結像する。2
9は遮光用マスクである。
【0018】シールドパイプ25内には、固体撮像素子
26の後側に、固体撮像素子26に入出力される信号を
処理するための電子部品31が配線基板32に取り付け
て配置され、信号ケーブル33がそこから後方に引き通
されている。
【0019】シールドパイプ25内に配置された部品の
外周面とシールドパイプ25の外周面には、各々絶縁テ
ープ34,35が巻き付けられていて、シールドパイプ
25とその内外との間を電気絶縁している。また、シー
ルドパイプ25外面側の絶縁テープ35の後端は、信号
ケーブル33の前端外周面まで連続的に被覆している。
【0020】なお本発明は、このような固体撮像素子2
6を用いた電子的像伝送手段に代えて、イメージガイド
ファイババンドルを用いた光学的像伝送手段を用いた内
視鏡に適用してもよく、硬性内視鏡に適用してもよい。
【0021】図1に示されるように、挿入部内に挿通さ
れた送気チューブ41と送水チューブ42の先端が、先
端部本体1に管軸方向に真直に穿設された貫通孔内に後
方から差し込まれて固着されている。
【0022】そして、それら貫通孔の出口である空気送
出口46と水送出口47にノズル60の流路51が連通
するように、先端部本体1の正面壁に、ノズル60が着
脱自在に取り付けられている。流路51の出口、即ち送
気送水口14は、前述したように観察窓11の表面に向
けて開口している。したがって、送気チューブ41と送
水チューブ42を通って選択的に送られてくる空気と水
は、送気送水口14から観察窓11の表面に向かって吹
き付けられる。
【0023】先端部本体1の正面壁には、ノズル60を
係止するための金属製の2本の係止ピン53が前方に向
けて突設されている。図3に示されるように、この実施
例において係止ピン53は、ねじ部に接着剤を塗布して
汚液等が入り込まないようにした状態で、先端部本体1
に水密にねじ込まれて接着固定されている。ただし、係
止ピン53を先端部本体1の露出金属部1bと一体に形
成してもよい。
【0024】図3には、1本の係止ピン53の断面だけ
が図示されているが、図1及び、先端部本体1からノズ
ル60を取り外した状態を示す図4には、2本の係止ピ
ン53が図示されている。
【0025】図2及び図4に示されるように、2本の係
止ピン53は、空気送出口46と水送出口47とを間に
挟んでその両側に分かれて先端部本体1から突設されて
おり、両係止ピン53とも、頭部53aの径がその下の
首部53bより太く形成されている。
【0026】ノズル60は、人体内に留置されると一定
時間経過後に分解される材料によって形成されている。
その材料としては、例えばゼラチンなどのような誘導タ
ンパク質類を用いることができる。
【0027】また、ノズル60の形成材料として、ポリ
乳酸ポリマまたは乳酸・グリコール酸共重合体ポリマな
どを用いてもよく、これらのポリマは生体親和性に優
れ、生体内に残留されるとゆっくりと加水分解されて、
生体内物質である乳酸、グリコール酸、炭酸ガス及び水
として排泄され、残留性がない。
【0028】ノズル60には、図2及び後述する図5に
示されるように先端部本体1に突設された係止ピン53
と係合させるために、側方に一端が開口する二つの細長
い係合溝65が形成されている。
【0029】ただし、係止ピン53と最終的に係合する
係合部65aの入口部分は、係止ピン53の首部53b
の外径より僅かに幅の細いくびれ部65bに形成されて
いて、係止ピン53が係合部65a内にあるときには、
ノズル60の弾性変形による弾力によってクリック作用
が働いて、ノズル60ががたつきなくそこに係止される
ようになっている。
【0030】なお、図1ないし図3は、ノズル60が先
端部本体1に取り付けられている状態を示しており、図
3に示されるように、係止ピン53の頭部53aは、ノ
ズル60の上面に圧接されるようになっている。
【0031】図4及び図5は、ノズル60を先端部本体
1から取り外した状態を示している。ノズル60を取り
外すときは、ノズル着脱工具70のテーパ状の突起部7
1を、ノズル60の係合溝65内に開口側から差し込む
ことにより、係合溝65のくびれ部65bの幅が拡げら
れる。
【0032】したがって、その状態でノズル60を係合
溝65の長手方向に、係止ピン53の軸と直角の方向に
移動させて係止ピン53を係合溝65から抜き出し、ノ
ズル60を先端部本体1から取り外すことができる。
【0033】ノズル60を取り付ける際には工具等は不
要であり、係合溝65の係合部65aに係止ピン53が
嵌め込まれるように、ノズル60を側方から押し込めば
よい。
【0034】このように構成された実施例の内視鏡の先
端部においては、内視鏡の使用中にノズル60が誤って
体腔内へ落下しても、時間がある程度経過すれば、ノズ
ル60は体腔内で分解されて自然に排泄される。
【0035】なお、一般に内視鏡の検査時間は10分か
ら20分程度であるから、ノズル60は内視鏡が体腔内
に挿入されてから30分間程度しっかりした形状を保っ
ていればよく、30分ないし1時間以上たったら徐々に
分解されるのがよい。そして、使用される内視鏡の種類
や検査の目的等によって、分解時間の異なるノズルを選
択して取り付けることができる。
【0036】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、ノズル60をいわゆる先端フード
と一体に形成したもの等にも適用することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、流体噴出ノズルが誤っ
て体腔内に落下しても、流体噴出ノズルが体腔内に留置
されればある程度の時間経過後に分解されてしまうの
で、人体に対して安全であり、落下した流体噴出ノズル
を回収する必要がないので、患者に回収のための苦痛を
与えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のA−B−C−D側面断面図である。
【図2】実施例の正面図である。
【図3】実施例のE−F断面図である。
【図4】実施例のノズルを取り外した状態の正面図であ
る。
【図5】実施例の取り外された状態のノズルの正面図で
ある。
【符号の説明】
流体噴出ノズル 60 先端部本体 1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−20564(JP,A) 特開 平4−168149(JP,A) 特開 平5−131023(JP,A) 特開 平6−254049(JP,A) 実開 平2−139602(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/00 - 1/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体を噴出するための流体噴出ノズルを挿
    入部先端の先端部本体に着脱可能に設けた内視鏡の先端
    部において、生体内に留置されると一定時間経過後に分
    解される材料によって、上記流体噴出ノズルを形成した
    ことを特徴とする内視鏡の先端部。
  2. 【請求項2】上記流体噴出ノズルを形成する材料が、誘
    導タンパク質である請求項1記載の内視鏡の先端部。
  3. 【請求項3】上記流体噴出ノズルを形成する材料が、ポ
    リ乳酸ポリマまたは乳酸・グリコール酸共重合体ポリマ
    である請求項1記載の内視鏡の先端部。
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