JP3274898B2 - 固相抽出用カートリッジカラム - Google Patents

固相抽出用カートリッジカラム

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JP3274898B2
JP3274898B2 JP04917093A JP4917093A JP3274898B2 JP 3274898 B2 JP3274898 B2 JP 3274898B2 JP 04917093 A JP04917093 A JP 04917093A JP 4917093 A JP4917093 A JP 4917093A JP 3274898 B2 JP3274898 B2 JP 3274898B2
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哲也 青山
修 平井
嘉則 井上
浩樹 熊谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固相抽出用カートリッ
ジカラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体中からの試料の抽出には、液
−液抽出法が多く用いられてきたが、作業の煩雑さ、溶
媒を多量に使用する等の問題があった。現在では、シリ
カ系及びポリマー系多孔性粒子の合成法の発達にともな
い作業が簡単で溶媒の使用量も少なく多量の試料を処理
することができる固相抽出法が用いられるようになって
きた。固相抽出に用いられる粒子は以下のようなものが
知られている。 (1)シリカゲル又はシリカゲルの表面を化学修飾した
化学結合型シリカゲル (2)スチレン−ジビニルベンゼン共重合体 (3)(メタ)アクリル酸エステル共重合体
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)の
化学結合型シリカゲルをゴルフ場農薬や食肉中の残留合
成抗菌剤などを分析する環境分析に用いた場合、シリカ
内に含まれる不純物の影響で一部の試料が分解を起こす
という問題点がある。上記(2)のスチレン−ジビニル
共重合体は、疎水性が強いため水溶液を処理する際の作
業性が悪くなるという問題点がある。上記(3)の(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体は、親水性が強いため
試料の回収率が低下するという問題点がある。本発明
は、このような問題点を解決し、回収率に優れた固相抽
出用カートリッジカラムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ジビニ
ルベンゼン20〜70重量部、(b)多価アルコールポ
リ(メタ)アクリル酸エステル30〜80重量部
((a)+(b)=100重量部)及び(c)必要に応
じて用いられる他のビニル系モノマーを共重合した架橋
共重合体粒子を樹脂製のリザーバに充てんした固相抽出
用カートリッジカラムに関する。
【0005】本発明に用いられる(a)ジビニルベンゼ
ンは特に純度は限定されないが、純度60重量%以上の
ものを使用することが好ましい。本発明に用いられる
(b)多価アルコールポリ(メタ)アクリル酸エステル
(ここで(メタ)アクリル酸の表記は、アクリル酸及び
メタアクリル酸を意味する)としては、エチレングリコ
ールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポ
リプロピレングリコールジメタクリレート、グリセリン
のジ又はトリアクリレート、グリセリンのジ又はトリメ
タクリレート、トリメチロールプロパンのジ又はトリア
クリレート、トリメチロールプロパンのジ又はトリメタ
クリレート、テトラメチロールメタンのジ、トリまたは
テトラアクリレート、テトラメチロールメタンのジ、ト
リまたはテトラメタクリレート等が挙げられる。反応性
及び生成した共重合体粒子の膨潤性を考慮すると、エチ
レングリコールジメタクリレートが好ましい。これらの
化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0006】本発明において、(a)ジビニルベンゼン
と(b)多価アルコールポリ(メタ)アクリル酸エステ
ルは、(a)20〜70重量部、(b)30〜80重量
部で、(a)+(b)=100重量部となる割合で使用
される。(a)ジビニルベンゼンが少な過ぎると共重合
体粒子の親水性が増し溶媒間での膨潤、収縮が大きくな
り回収率も低下し、多過ぎると共重合体粒子の疎水性が
増し回収率にバラツキが生じる。
【0007】水性懸濁重合は、重合開始剤の存在下で行
う。重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ
クロルベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジ−第3ブ
チル及び過安息香酸第3ブチル、メチルエチルケトンペ
ルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド等の
有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル
アゾジイソブチレート等のアゾ系化合物が挙げられる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。この使用量は単量体の種類などにより適宜
決められるものであるが、単量体の総量に対して0.1
〜4.0重量%使用されることが好ましい。
【0008】水性懸濁重合は、分散剤の存在下で行う。
分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、アル
キルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カル
ボキシアルキルセルロース等の水溶性セルロース誘導
体、ポリアクリル酸ナトリウムなどの高分子保護コロイ
ドが挙げられる。分散剤は水に対して1〜0.001重
量%の範囲で使用されることが好ましい。粒径調節等の
ために必要に応じて分散助剤として陰イオン系界面活性
を重合系に添加したり、単量体や有機溶媒の水への溶解
性を低下させる等のために水溶性無機塩を重合系に添加
することができる。
【0009】重合時に水と相溶しない有機溶媒を添加す
ることにより生成する共重合体を多孔性にすることがで
きる。本発明で用いられる水と相溶しない有機溶媒は、
25℃で水100gに対しての溶解量が15g以下のも
であり、例えば、トルエン、ジエチルベンゼン、ドデカ
ン、イソアミルアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等がある。これ
らの溶媒は、単独又は2種以上を組合せて用いても良
い。これらは単量体の総量に対して0〜300重量%使
用されることが好ましい。
【0010】重合反応は、通常、70〜90℃の温度範
囲で5〜8時間行われる。以上のようにして得られた粒
径が10〜200μm、好ましくは30〜100μmの
球状共重合体粒子は、必要に応じて分級し、固相抽出用
の架橋共重合体粒子として使用される。樹脂製のリザー
バーは、有機溶媒に不溶性で、架橋共重合体粒子が試料
の濃縮作業中に樹脂製のリザーバーから流れでたりしな
ければよく、その材質、形は特に制限されない。そのよ
うなものとして例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン
等の容積1〜500ml、好ましくは5〜50mlの注射器
型シリンジに樹脂性のフィルターがセットされたものを
挙げることができる。架橋共重合体粒子の樹脂製のリザ
ーバーへの充てん量は粒子のかさ密度、試料の濃縮量に
より異なるが、通常、樹脂製のリザーバーの容積8mlに
対して300〜2000mg、好ましくは、400〜10
00mgとなるように充てんする。
【0011】
【実施例】次に、実施例により本発明を説明する。
【0012】実施例1 純度60重量%のジビニルベンゼン(三共化成株式会社
製)100g、エチレングリコールジメタクリレート1
00g、水に不溶な有機溶媒としての酢酸ブチル200
g、イソアミルアルコール50g及びアゾビスイソブチ
ロニトリル1.0gの混合液を0.2重量%のメチルセ
ルロース水溶液1リットル中に懸濁させホモミキサーを
使用して高速撹拌下(1500rpm)70℃で50分間
撹拌し、粒径を30〜100μmになるように調節し
た。その後、プロペラ撹拌装置に移して撹拌しながら
(200rpm)80℃で6時間反応させて固相抽出用共
重合体粒子を得た。この粒子を濾過して水2リットル、
次いでアセトン2リットルで超音波洗浄し、1時間後濾
過して風乾、真空乾燥を行った(収率は98%であっ
た)。得られた粒子を40〜90μmに分級し、固相抽
出カートリッジカラム用の架橋共重合体粒子とした。図
1に示すように、この架橋共重合体粒子2を樹脂製のフ
ィルター1がセットされた樹脂製(ポリプロピレン製)
のリザーバー3に0.5g充てんし、さらに上から樹脂
製のフィルター1で栓をして固相抽出用カートリッジカ
ラム4とした。この固相抽出用カートリッジカラム4を
用いて以下の手順で農薬の濃縮、回収率の測定を行っ
た。 (1)固相抽出用カートリッジカラム4を図2のように
吸引マニホールド6にセットする。 (2)吸引マニホールド6内に受器のメスフラスコ7を
セットする。 (3)吸引を開始して減圧し、吸引マニホールド6内を
11〜13mmHgに調節する。 (4)5mlのアセトニトリルを試料注入用リザーバー5
に入れ二方コック8を開き吸引する。 (5)続けて、30mlの純水を通液させる。 (6)10ppmに調整された6種類の農薬入標準試料5m
lを200mlのメスフラスコで40倍に希釈することに
より得られた各0.25ppmに調製された6種類の農薬
入りの試料200mlを試料注入用リザーバー5に投入し
て固体抽出用カートリッジカラム4を通液させ各農薬成
分を固体抽出用カートリッジカラム4内の架橋共重合体
粒子2中に濃縮(吸着により)させる。 (7)液が固体抽出用カートリッジカラム4を抜け切っ
た後、二方コック8を閉じ、試料注入用リザーバー5を
取り付けたまま固相抽出用カラム4を隣に移し、の二方
コック10に取り付ける。 (8)試料注入用リザーバー5に5mlのアセトニトリル
を加え、二方コック10を開き濃縮された農薬成分を溶
出させメスフラスコ9に導く(このとき、固相抽出用カ
ートリッジカラム4内の架橋重合体粒子2中に濃縮(吸
着により)されていた農薬が、すべて脱着し溶出す
る)。 (9)濃縮された農薬成分をよく振盪、撹拌後20μl
を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分離しそ
の面積値を求める。 (10)各10ppmに調製された7種類の農薬入試料
(標準試料)20μlを高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)で分離しその面積値を求める。 (11)濃縮成分の面積値/標準試料の面積値で回収率
を求める。 架橋共重合体粒子の濃縮能力(吸着能力又は脱着能力)
が弱いと試料中の農薬が架橋共重合体粒子に吸着されず
又は吸着されたものがスムーズに脱着されず回収率が低
下する。回収率測定の結果を表1に示した。すべての回
収率が85%以上であることから試料の濃縮能力に優れ
ていることが分かった。
【0013】実施例2 純度60重量%のジビニルベンゼン140g、エチレン
グリコールジメタクリレート60gを用いた以外は、実
施例1と同様な方法で合成、回収率の測定を行い、結果
を表1に示した。回収率は、実施例1と同様に優れてい
た。
【0014】比較例1 純度60重量%のジビニルベンゼン200gを用いた以
外は、実施例1と同様の方法で合成、回収率の測定を行
い、結果を表1に示した。一部の回収率が低く、再現性
にも乏しかった。
【0015】比較例2 エチレングリコールジメタクリレート160g、ステア
リルメタクリレート40g及び酢酸ブチル200gを使
用した以外は、実施例1と同様な方法で合成、回収率の
測定を行い、結果を表1に示した。比較例1と同様に一
部の回収率が低く、再現性にも乏しかった。
【表1】 HPLCの測定条件は、 カラム:Excelpak GLF−R27(5mmφ×250m
m) 移動相:アセトニトリル/25mM KH2PO4(pH3.
15) 流量:1.0ml/分 検出器:紫外線吸収検出器 波長:UV220nm 注入量:20μl
【0016】
【発明の効果】本発明の固相抽出用カートリッジカラム
はコンパクトであり安価で使い捨てとすることもでき
る。また、吸着性及び脱着性がよく回収率に優れるの
で、農薬、ハロゲン系溶剤等の環境関連化合物の希薄溶
液の試料を作業性よく容易に濃縮でき、濃縮された試料
は各種の分析に好適に用いることができ、各種の分析を
容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固相抽出用カートリッジカラムの模式
図。
【図2】本発明の固相抽出用カートリッジカラムを用い
た試料の濃縮、回収装置の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1 フィルター 2 架橋共重合体粒子 3 樹脂性のリザーバー 4 固相抽出用カートリッジカラム 5 試料注入用リザーバー 6 吸引マニホールド 7 メスフラスコ 8 二方コック 9 メスフラスコ 10 二方コック 11 三方コック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 嘉則 東京都武蔵野市中町一丁目16番10号 横 河アナリティカルシステムズ株式会社内 (72)発明者 熊谷 浩樹 東京都武蔵野市中町一丁目16番10号 横 河アナリティカルシステムズ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−269052(JP,A) 特開 平3−270731(JP,A) 特開 平4−59047(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/10 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ジビニルベンゼン20〜70重量
    部、(b)多価アルコールポリ(メタ)アクリル酸エス
    テル30〜80重量部((a)+(b)=100重量
    部)及び(c)必要に応じて用いられる他のビニル系モ
    ノマーを水性懸濁共重合した架橋共重合体粒子を樹脂製
    のリザーバーに充てんした固相抽出用カートリッジカラ
    ム。
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US20010001643A1 (en) * 1998-12-08 2001-05-24 Nigel Simpson Modular solid phase extraction plate assembly
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