JP3273792B2 - Nmdaレセプターのアロステリックモジュレーター - Google Patents

Nmdaレセプターのアロステリックモジュレーター

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、NMDAレセプターを調整する化合物および組
成物に関し、そしてより詳細には、新規な複合部位を通
じてこのレセプターを調整する化合物および組成物に関
する。
発明の背景 N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)レセプター
は、シナプス後イオン導入性(ionotropic)レセプター
であり、これはとりわけ、興奮性アミノ酸であるグルタ
メートおよびグリシンならびに合成化合物NMDAに対して
応答性であり、それゆえ、このレセプター名がついてい
る。NMDAレセプターは、レセプターに関連するチャンネ
ルを通じてのシナプス後神経細胞への二価(Ca++)およ
び一価(Na+、K+)の両イオンの流入を制御する。Foste
rら、「NMDAレセプターの分析」、Nature,329:395−39
6,1987;Mayerら、「哺乳類ニューロンにおける興奮性ア
ミノ酸レセプター、セカンドメッセンジャーおよび細胞
内Ca2+の調節」Trends in Pharmacol.Sci.,11:254−26
0,1990。
NMDAレセプターは、発生の間、神経構造およびシナプ
ス結合性(synaptic connectivity)の具体化(specify
ing)に関与しており、そして経験に依存するシナプス
の改変に関係し得る。さらに、NMDAレセプターはまた、
長期増強、中枢神経系(CNS)の可塑性、認知プロセ
ス、記憶の獲得、保持、および学習にも関与すると考え
られる。さらに、NMDAレセプターは広範なCNS異常に関
与するようであるため、特に興味を引く。
例えば、脳卒中または外傷性損傷によって引き起こさ
れる脳虚血の間、過剰量の興奮性アミノ酸であるグルタ
メートが、損傷を受けたニューロンあるいは酸素を奪わ
れたニューロンから放出される。この過剰のグルタメー
トがNMDAレセプターに結合し、これがリガンド依存性イ
オンチャンネルを開口し、その結果、Ca++が流入して高
レベルの細胞内Ca++が生じ、これが生化学的カスケード
を活性化して、その結果、タンパク質、DNA、および膜
が分解して、細胞死に至る。この現象は興奮毒性(exci
totoxicity)として知られ、低血糖および心停止からて
んかんまでにわたる他の異常に関連する神経学的損傷の
原因となるとも考えられている。さらに、慢性神経変性
であるハンチントン病、パーキンソン病、およびアルツ
ハイマー病への同様の関与を示唆する予備的報告があ
る。NMDAレセプターの活性化は、脳卒中後の痙攣の原因
となることが示されており、そしててんかんのあるモデ
ルでは、NMDAレセプターの活性化が発作の発生に必須で
あることが示されている。
NMDAレセプターの神経精神病学的関与もまた認識され
ている。動物麻酔薬PCP(フェンシクリジン)によるNMD
AレセプターCa++チャンネルのブロックは、ヒトにおい
て精神分裂病と同様の精神病的状態を生じさせる(John
sonら、「フェンシクリジンの神経薬理学:基本的機構
および治療的可能性」Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.,3
0:707−750,1990)。さらに、NMDAレセプターはまた、
特定のタイプの空間学習にも関与している。Blissら、N
ature、361:31(1993)。興味深いことに、哺乳類の神
経系におけるNMDAレセプターの空間的分布および時間的
分布は両方とも、変化することが見出されている。その
ため、細胞はそのライフサイクルにおける異なる時期に
NMDAレセプターを生成し得、そして全ての神経細胞がNM
DAレセプターを利用し得るわけではない。
その広範囲の神経学的関与と、その上、非普遍的分布
のため、研究者は、NMDAレセプターにおいて作用する薬
物の同定および開発への興味を抱いている。従って、NM
DAレセプターに対して作用する薬物は、大きな治療的可
能性を有していることが期待される。例えば、Cordiら
に発行された米国特許第4,904,681号(Cordi I)は、記
憶を改善/増強し、そして神経学的異常に関連する認知
障害を処置するために、NMDAレセプターを調整すること
が知られていたD−シクロセリンを使用することを記載
する。D−シクロセリンは、ストリキニーネ非感受性グ
リシンレセプターに結合するグリシンアゴニストとして
記載されている。
Cordiらに発行された米国特許第5,061,721号(Cordi
II)は、アルツハイマー病、加齢に関係した記憶障害、
学習欠損、および精神病的異常の処置、ならびに健常個
体における記憶または学習の改善のために、D−シクロ
セリンおよびD−アラニンの組み合わせを使用すること
を記載する。D−アラニンは、D−シクロセリンと組み
合わせて投与され、D−シクロセリンの臨床試験におい
て観察される副作用を低減する。この副作用は、主とし
てD−シクロセリンの細菌に対する増殖阻害効果により
生じる天然の腸内細菌叢の涸渇に起因する。D−アラニ
ンはD−シクロセリンの細菌に対する増殖阻害効果を反
転させる。D−シクロセリンが実際に部分アゴニスト特
性を有することもまた報告されている。
Trullasらに発行された米国特許5,086,072号は、重い
うつ病、双極性障害、気分障害および季節性感情障害を
包含する気分障害の処置のために、ストリキニーネ非感
受性グリシン結合部位の部分アゴニストとして、NMDAレ
セプターを調整することが知られている1−アミノシク
ロプロパンカルボン酸(ACPC)を使用することを記載す
る。ここにはまた、ACPCが動物モデルにおいて臨床的に
有効な抗うつ薬の作用と似た作用をすることが記載され
る。さらに、提供される実施例において、この化合物は
腹腔内投与された。また、同時係属の米国特許出願が引
用され、それには、NMDAレセプターの過剰活性化に起因
する神経薬理学的障害の処置に、ACPCおよびその誘導平
が使用され得ることが記載される。
しかし、上記の文献はいずれも、NMDAレセプター機能
の調整のための納得できる機構を提供しない。グリシン
はレセプター機能のために必須なので、グリシン部位を
調整する化合物は限られた範囲の制御を提供する。さら
に、グリシンは限られたサブタイプ特異性しか有さず、
そしてグリシン部位を調整する化合物は同様の挙動を示
すことが予期される。
NMDAレセプターを標的とする薬物の開発が望まれては
いるものの、NMDAレセプターの構造がいまだ完全には解
明されていないので、その開発は滞っている。NMDAレセ
プターは、シナプス後膜に埋め込まれたいくつかのタン
パク質鎖(サブユニット)からなると考えられる。今ま
でのところ決定された最初の2つのサブユニットは、大
きな細胞外領域を形成し、これはおそらくアロステリッ
ク結合部位の大部分、ループとなり折り畳まれて、Ca++
を透過させ得る孔またはチャンネルを形成するいくつか
の膜貫通領域、および今のところは機能が未知のカルボ
キシル末端領域を含む。チャンネルの開閉は、細胞外表
面上にチャンネルから離れて存在するタンパク質のドメ
インへの種々のリガンドの結合によって調節される。そ
れで、これらのリガンドは全てアロステリックリガンド
として知られる。2つのコアゴニスト(coagonist)リ
ガンド−−グリシンおよびグルタメート−−の結合は、
タンパク質の全体構造における立体配置の変化をもたら
し、これは最終的にはチャンネルの開口、部分開口、部
分閉口、または閉口に反映されると考えられる。他のア
ロステリックリガンドの結合は、グルタメートおよびグ
リシンによって引き起こされあるいはもたらされる立体
配置の変化を調整する。
文献において解明されている主要な認識/結合部位を
模式的に示すNMDAレセプターの概念図を、図1に示す。
「Glu」および「Gly」と記された部位は、主要な興奮性
アミノ酸神経伝達物質であるグルタメートおよびグリシ
ンのレセプター部位である。グルタメート部位はまたNM
DAも選択的に結合する。グルタメートおよびグリシンの
結合はチャンネルを通じてのCa++の流動を刺激すること
が示されているので、グルタメートおよびグリシンはコ
アゴニスト(刺激性)活性を有するといわれる。グルタ
メートまたはグリシンの作用のいくつかの競合インヒビ
ターもまたこれらの部位に結合し、そしてこれらの競合
インヒビターには、図1において「NMDAアンタゴニス
ト」および「グリシンアンタゴニスト」として枠内に示
されるものが包含される。これらのグルタメート部位の
競合インヒビターはチャンネルを通じてのCa++の流動を
ブロックするので、アンタゴニスト活性を有するといわ
れる。NMDAレセプターのリガンド依存性イオンチャンネ
ルは、このように、少なくとも2つの別のアロステリッ
ク部位の制御下にある。
マウスNMDAレセプターチャンネルの2つのサブユニッ
トは、NR1およびNR2と呼ばれる相補的DNAのクローニン
グならびに発現によって同定されている。NR2の4つの
サブタイプが同定されている:NR2a、NR2b、NR2c、およ
びNR2d。NR1/NR2a、NR1/NR2bおよびNR1/NR2cNMDAのヘテ
ロマーレセプターチャンネルは、アゴニストに対する親
和性および競合アンタゴニストとMg2+ブロックとに対す
る感受性において、異なる機能的特性を示す。NR1およ
びNR2aサブユニットメッセンジャーRNAの脳内における
広範な分布とは対照的に、NR2bサブユニットmRNAは前脳
のみにおいて発現し、そしてNR2cサブユニットmRNAは小
脳において優勢に見出される。これらの知見は、NR2サ
ブユニットファミリーの分子の多様性がNMDAレセプター
チャンネルの機能的不均質性の土台となっていることを
示唆する。Kutsuwadaら、Nature、358:36−40(199
2)。
いくつかの化合物は、NMDAレセプターを通じてのカチ
オンの流動に対して拮抗的であるが、既知のいかなる部
位へのアロステリックリガンドの結合をも競合的に阻害
しないことが知られている。そのかわり、これらの化合
物は開口したカチオンチャンネルの内側に結合し、そし
て一般にチャンネルブロッカーとして知られる。これら
は図1において「チャンネルブロッカー」と表示された
枠内に示される。実際、このようなチャンネルブロッカ
ーのうちの1つであるジゾシルピンの放射標識された形
態(すなわち、[3H]MK−801)の結合は、NMDAレセプ
ター複合体の活性化の優れた指標である。チャンネルが
開口しているとき、[3H]MK−801は自由にチャンネル
中へと入り、そしてチャンネル内のその認識部位に結合
し得る。逆に、チャンネルが閉口しているとき、[3H]
MK−801はチャンネル中へと自由に入って結合すること
はないであろう。チャンネルが部分的に開口(部分的に
開口)しているとき、チャンネルが完全に開口している
ときより少ない[3H]MK−801が結合し得る。
MK−801のようなチャンネルブロッカーおよびアンタ
ゴニストは、細胞を興奮性毒性死から保護することが知
られているが、これらの場合、その治療(cure)は死と
同じくらい望ましくない。なぜなら、これらはCa++の流
れをブロックし、その結果、正常な活性の回復の機会が
なくなるからである。チャンネルブロッカーおよびグル
タメート部位アンタゴニストは、幻覚、高血圧、協調の
欠如、脳内の空胞形成、学習機能廃疾、および記憶の喪
失を引き起こすことが知られている。上述のPCPはヒト
に精神分裂病状態を生じさせる。
Mg++およびZn++もまたNMDAレセプターを調整する。二
価カチオンの結合部位の正確な場所はいまだ不明であ
る。Zn++はチャンネルの開口に対し拮抗的であると思わ
れ、そして細胞外ドメインに結合すると思われる。Mg++
は、2段階の活性化曲線を示す。低濃度ではNMDAレセプ
ター機能のアゴニストであり、そして高濃度ではアンタ
ゴニストである。これは適切なレセプター機能化のため
には絶対に必要であるようであり、そして2つの部位、
すなわちチャンネル内の電位依存性Mg++結合部位および
細胞外ドメイン上の別の電位非依存性結合部位に結合す
るようである。これらの部位はまた、図1に「Mg++」お
よび「Zn++」と示される。
チャンネルは、カチオン透過(開口)状態とカチオン
ブロック(閉口)状態との間で交互に変動して、常に動
いていると考えられる。現時点では、アロステリックモ
ジュレーターが、チャンネルが開口してイオンを流動さ
せる時間を実際に増加しているのか、あるいはモジュレ
ーターが開口の頻度を増大させているのか知られていな
い。両方の効果が同時に起こっているかもしれない。従
って、開口および閉口、あるいは作動薬および拮抗薬と
いう用語は、本明細書中では時間平均的な作用を意味す
る。
近年、NMDAレセプターにおける興奮性シナプス伝達を
調整する第3のクラスのアゴニストが同定された。(Ra
nsomら、「N−メチル−D−アスパルテートレセプター
−イオンチャンネル複合体への[3H]MK−801結合のL
−グルタメート、グリシン、およびポリアミンによる協
同的調整」J.Neurochem.,51:830−836,1988;Reynolds
ら、「イフェンプロジルは新規なタイプのN−メチル−
D−アスパルテートレセプターアンタゴニストである:
ポリアミンとの相互作用」Molec.Pharmacol.,36:758−7
65,1989;Williamsらによる総説「NMDAレセプターのポリ
アミンによる調整」Life Sci.,48:469−498,1991。)こ
れらのアゴニストはポリアミン(主として内在性ポリア
ミンであるスペルミンおよびスペルミジン)であり、こ
れらはNMDAレセプター上の他の細胞外アロステリック部
位に結合する。図1において、アロステリックポリアミ
ン結合部位は「PA」と表示される。ポリアミンはグルタ
メート/NMDA部位、グリシン部位、またはチャンネルブ
ロッカー部位には結合しない。しかし、ポリアミンもま
たチャンネル内部には結合する。Mg++結合部位とポリア
ミン部位との間にはいくぶん関係があり得るが、この関
係は未だ完全には解明されていない。対照的に、ポリア
ミン結合はカオチンチャンネルとカップリングしたNMDA
レセプターの機能化/活性化のためには必ずしも必須で
あるとは考えられないが、最大活性化のためには必須で
あるという強力な証拠の蓄積がある。従って、ポリアミ
ンはNMDAレセプターのアロステリックモジュレーターで
ある。
部位を調整する広範囲なポリアミン(ジアミン、トリ
アミン、およびテトラアミン)化合物があるようであ
り、これらのうちのあるものはアゴニストのようであ
り、別のものは部分アゴニストのようであり、そして最
後に、またあるものはアンタゴニストのようである。化
合物1,10−ジアミノデカン(DA10)の結合は、チャンネ
ルの開口を増加させるよりもむしろ減少させる。この活
性は「逆アゴニスト」活性と呼ばれている。このような
逆アゴニストはアゴニストと同じ部位に競合的に結合す
るが、アゴニストとは逆の効果を生じる。
理想的には、NMDAレセプターの調節のための薬物は、
内在性リガンドのうちの1つの応答を調整するが、それ
自体は内在性リガンドではない。この薬物は特異的であ
るべきであり、すなわち、その薬物に対するレセプター
を有する標的細胞に特有の同定可能な分子機構に対して
作用すべきである。
従って、本発明の目的は、NMDAレセプターの内在性リ
ガンドではない化合物に対するNMDAレセプター上の新規
な結合部位の発見を通じて、特定のクラスの薬物を提供
することである。
本発明のさらなる目的は、NMDAレセプターを通しての
Ca++の流動を調節するための新規化合物、ならびにNMDA
レセプター機能に関連した神経変性疾患の処置のための
組成物および方法を提供することである。
発明の要旨 巻き貝のペプチドであるコナントキン−G(Conantok
in−G)から誘導される化合物は、NMDAレセプターカチ
オンチャンネルのアロステリックモジュレーターとして
作用し、そしてポリアミンまたはNMDAレセプターの密接
に結びついた調整部位に対して、抑制から、部分調整、
完全刺激にわたる効果を有する。これらの化合物、治療
的組成物、ならびにそれらを1)NMDAレセプターのグル
タメートサブタイプの過剰な活性化または不十分な活性
化に関連する、神経学的、神経心理学的、神経精神医
学、神経変性的、神経精神薬理学的、および機能的な異
常の処置;2)NMDAレセプターのグルタメートサブタイプ
の最適を下回る(suboptimal)活性化または不活性化に
関連する認知障害の処置;および3)記憶、学習、およ
び関連する精神プロセスの改善および増強のために使用
することが開示される。これらの異常の例としては、急
性または慢性の神経変性疾患、発作、うつ病、不安、お
よび物質常用が挙げられる。この組成物はまた、学習お
よび記憶の増強のために使用され得る。
1つの局面において、この化合物は以下の式(式I)
を有する: R-(A)a-[(A)-(A)-(A)-(A)-(A)]-(A)b-(A)c-[(A)-
((A)-(A10))d-NHR] (I) アミノ末端 カルボキシ末端 ここで A0は、天然アミノ酸、修飾アミノ酸、または非天然アミ
ノ酸からなる群から選択されるアミノ酸であり; A1は、非荷重の疎水性アミノ酸であり; A2、A3およびA4は、グルタメート、アスパラギン酸、γ
−カルボキシグルタメート(Gla)、3−カルボキシア
スパラギン酸、D−グルタメート、ホスホセリン、また
はホスホトレオニンから独立して選択されるアミノ酸で
あり; A5は、非荷電の疎水性アミノ酸であり; A6は、約2から約15アミノ酸のペプチド鎖であって、こ
のアミノ酸は天然アミノ酸、修飾アミノ酸、または非天
然アミノ酸から選択され; A7は、天然アミノ酸、修飾アミノ酸、または非天然アミ
ノ酸からなる群から選択されるアミノ酸であり; A8は、リジンまたはアルギニンから選択される塩基性ア
ミノ酸であり; A9およびA10は、天然アミノ酸、修飾アミノ酸、または
非天然アミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸であ
り; R1はH、C1−C6−C0−、ベンゾイル、またはベンゾイル
オキシであり; R2は、HまたはC1−C6−アルキルであり; xa、xb、xc、およびxdは独立して0または1であり; mおよびnは独立して0または1であり; ただしmおよびnは同時に0であることはない;および これらの薬学的に受容可能な塩。
ただし、式Iの化合物は、xaが0、A1がグリシン、A2
がグルタメート、A3がγ−カルボキシグルタメート、A4
がγ−カルボキシグルタメート、A5がロイシン、A6が以
下の組成Glu−Gla−Asn−Gln−Gla−Leu−Ile−Argの8
アミノ酸のペプチド鎖、A7がγ−カルボキシグルタメー
ト、A8がリジン、A9がセリン、A10がアスパラギン、な
らびにR1およびR2がHである化合物ではない。
ただし、さらにまた、式Iの化合物は、好ましくは、
xaが0、A1がグリシン、A2がグルタメート、A3がグルタ
メート、A4がグルタメート、A5がロイシン、A6が以下の
組成Gln−Glu−Asn−Gln−Glu−Leu−Ile−Argの8アミ
ノ酸のペプチド鎖、A7がグルタメート、A8がリジン、A9
がセリン、A10がアスパラギン、R1およびR2がHである
化合物ではない。
好適な化合物は、A6が約7個から約9個の天然および
/または非天然アミノ酸からなるペプチド鎖; R1がH; R2がH;および Xaが0である 式Iの化合物、およびその薬学的に許容可能な塩であ
る。
さらなる好適な式Iの化合物は、A1およびA5が、グリ
シン、アラニン、バリン、ロイシン、またはイソロイシ
ンからなる群から選択されるアミノ酸である化合物であ
る。
より好適な化合物は、A6が約8個の天然アミノ酸から
なるペプチド鎖である式Iの化合物である。
その拮抗特性のために好適な化合物は、nがゼロであ
る式Iの化合物である。
その作動特性のために好適な化合物は、mがゼロであ
る式Iの化合物である。
その調整活性のため特に好適な化合物は、以下の化合
物である: 図面の簡単な説明 図1は、文献に記載されたNMDAレセプターの既知の結
合部位の概略図である。この図は、刺激性アゴニストお
よび抑制性アンタゴニストが結合する両方の部位を示
す。
図2は、Con−Gアロステリック調整性複合体部位お
よびこの部位へのCon−Gの提案される結合を示す。
図3aおよびbは、ポリアミンによる、十分に洗浄した
前脳の膜のNMDAレセプターの刺激のプロットを示す。こ
の刺激は、内在性GluおよびGlyの名目上の非存在下での
NMDAレセプターへの[3H]MK−801結合の増加によって
示される。
図4aおよびbは、種々のCon−G濃度における、スペ
ルミン(4a)およびスペルミジン(4b)で誘導された[
3H]MK−801結合に対するCon−Gの拮抗効果を示す。
図5は、Con−G濃度が増加するにつれてスペルミン
およびスペルミジンによって生じる、脳の膜への[3H]
MK−801結合の最大刺激の濃度依存性阻害を示す。
図6は、Ala7−Con−GおよびCo−Gによるスペルミ
ン増強[3H]MK−801結合の阻害を示す。
図7は、Ala7−Con−Gによる、スペルミン増強
3H]MK−801結合の非競合的濃度依存性阻害を示す。
図8は、Glu−Con−GおよびtBu−Tyr0−Con−Gの部
分アゴニスト特性を示す。
図9は、Ser3−Con−GおよびSer(p)3−Con−G
の部分アゴニスト特性を示す。
図10は、Con−G(14−17)、Tyr0−Glu−Con−G、
およびGlu14(12−17)−Con−Gの作動効果を示す。
図11は、Con−G濃度を増加することによる、十分に
洗浄された脳の膜に対するGlu Con−G増強[3H]MK−8
01結合の非競合阻害を示す。
図12は、Glu−Con−G(12−17)とアルカインとの間
の相互作用を示す。
図13は、脳の膜への基底の[3H]MK−801結合ならび
にGly(10μM)およびGlu(10μM)刺激[3H]MK−80
1結合に対するCon−G濃度の増加の効果を示す。
図14は、脳の膜へのGly刺激[3H]MK−801結合に対す
る10μM Con−Gの効果をGly上昇濃度の関数として示
す。
図15aおよびbは、基底のGlyおよびGlu増強[3H]MK
−801結合に対するAla7−Con−Gの効果を示す。
図16は、Gl増強[3H]MK−801結合に対するAla7−Con
−Gの効果を示す。
図17は、小脳顆粒細胞の初代培養物におけるNMDA刺激
サイクリックGMPレベルに対するCon−GおよびAla7−Co
n−Gの効果を示す。
図18は、小脳顆粒細胞培養物における、グルタメート
誘導細胞死(神経毒性)に対するMK−801およびCon−G
の神経保護効果(%保護として)を示す。
図19は、電位変化として測定される、NMDAレセプター
のNR1/NR2a、NR1/NR2b、およびNR1/NR2cサブタイプのポ
リアミン刺激に対するConG(3μM)の特異的阻害効果
を示す。
図20は、Con G(丸)、Ser14 Con G(逆三角形)、Al
a7 Con G(菱形)、Ala7,10,14 Con G(四角)につい
て、結合した[3H]MK−801の濃度(fmol)として表さ
れる、ConGとアナログとの相対的拮抗を示す。
発明の詳細な説明 過去数年の間、フィリピン諸島に見られるConus属のf
ish huntingイモガイの麻痺毒液から多くの普通でない
ポリペプチドが単離された。これら(コノトキシンと呼
ばれる)の多くは、イオンチャンネル機能に影響するこ
とが見出されている。麻痺性α、μ、およびωコノトキ
シンは、それぞれ、ニコチン性アセチルコリンレセプタ
ー、ナトリウムチャンネル、および電位感受性カルシウ
ムチャンネルをブロックする(Oliveraら、「Conusニュ
ーロペプチドの多様性」、Science,249:257−263,1990
に概説される)。
2種の巻貝(Conus tulipaおよびConus geographus)
に由来する非麻痺性ペプチドは、特にユニークな組成を
有する。なぜなら、これらは、普通でないアミノ酸γカ
ルボキシグルタメート(Gla)を含み(コナントキン−
T(Conantokin−T)(tulipas由来の21アミノ酸)は
4個のGlaを含み、そしてコナントキン−G(Conantoki
n−G)(以下、「Con−G」;geographus由来の17アミ
ノ酸)は5個のGlaを含む)、そしてカルボキシル末端
ペプチドにアミド基も含む。これらのアミノ酸の配列を
以下に示す。γカルボキシグルタメートを太字で示す: コナントキン−T(Con−T)およびコナントキン−
G(Con−G)は、NMDAレセプターアンタゴニストとし
て作用することが最近報告された。Haackら、「コナン
トキン−T(N−メチル−D−アルパルテートアンタゴ
ニスト活性を有するペプチドを含むγカルボキシグルタ
メート)」、J.Biol.Chem.,265:6025−6029,1990;Mena
ら、「コナントキンG:N−メチル−D−アスパラギン酸
(NMDA)レセプターに対する新規なペプチドアンタゴニ
スト」、Neurosci.Let.,118:241−244,1990。これら2
つの巻貝ペプチドは、神経細胞の初代培養物および脳切
片調整物の両方において、細胞内Ca++レベルのNMDA誘導
性増大を減少させ、そしてcGMPレベルのNMDA誘導性増大
をブロックすることが示された。Menaら(1990)(前
掲)は、コナントキン−Gの拮抗のメカニズムが、以前
に記載された競合的および非競合的NMDAレセプターアン
タゴニストとは異なるようであることに言及したが、NM
DAレセプター応答に対するコナントキン−Gまたはコナ
ントキン−Tの拮抗の基礎をなすメカニズムを報告も示
唆もなかった。
Menaら(前掲)は、Con−Gが、以前から知られてい
たアゴニストまたはアンタゴニストと競合しないNMDAレ
セプターアンタゴニストであることを報告した。一方、
1)拮抗を媒介する基礎をなすメカニズムを解明する
か、2)このような拮抗をどのようにしてレセプターの
特性を制御するために利用し得るかを教示するか、また
は3)調整活性のための化学的/生物学的構造要件を正
確に記述したものは誰もいない。Con−Gが、NMDAレセ
プターに対するポリアミンの刺激効果を阻害することが
見出されている。しかし、Con−Gはポリアミン部位だ
けで作用するのではなく、新しくユニークな調整部位で
も作用する。実際、Con−Gは、機能する場合、両部位
に架橋する。従って、Con−G部位は、事実、ポリアミ
ンの少なくとも一部分および本明細書中でCon部位と呼
ばれる新規部位を含む複合体である。(図2を参照。) 本明細書は、Con−Gが、以前に記載されたポリアミ
ンアンタゴニストとは異なる神経科学的プロフィールを
有する、ポリアミン調整応答の強力で選択的で非競合的
なインヒビターとしての作用によって、NMDAレセプター
のアンタゴニストとして作用することを見出した。Con
−Gは、NMDAレセプターの細胞外ドメイン上のユニーク
でこれまでは未同定の部位に結合することも決定した。
さらに、Con−Gに由来しそしてポリアミン部位また
はポリアミン部位に関連する部位(これら両部位はCon
−G部位に包含される)でNMDAレセプターの部分アンタ
ゴニスト、完全アゴニスト、または完全アンタゴニスト
として作用する、新たなクラスのアロステリックモジュ
レーターが見出された。これら化合物のうちの1つであ
る4ペプチド単位−−Gla−Lys−Ser−Asn−−は、ポリ
アミン部位に関して、他の既知のポリアミンよりかなり
強力なアゴニストである。別の誘導体(ネイティブなCo
n−G配列においてアミノ酸残基7でGlaをAlaで置換し
た)は、事実、Con−Gより強力なアンタゴニストであ
る。
上記で議論したように、Cordi IおよびII(前掲)な
らびにTrullas(前掲)において、NMDAレセプターのア
ロステリック部位の部分アゴニストとして作用する因子
を使用して、NMDAレセプターチャンネルを閉口する化合
物と関連する副作用を明らかに生じることなく、レセプ
ターの機能を選択的に調整した。さらに、Cordi Iおよ
びIIならびにTrullasは、部分アゴニストによるNMDAレ
セプター活性の調整が広い範囲のCNS障害の処置およびC
NS機能の増強において有用であることを記載した。
詳細には、Cordi IおよびIIならびにTrullasは、記憶
の増強、学習および認知損傷の処置、アルツハイマーお
よび老化に関連する記憶障害の処置、精神障害の処置、
記憶の改善、および気分障害(mood disorder)の処置
のためにグリシン部位の部分アゴニストを使用すること
に関する。最近の証拠により、特定のタイプの薬物誘導
性痙攣は、NMDAレセプターに影響する化学毒性に関連す
ることも示される。NMDAレセプターの調整に対するより
大きな制御は、本明細書に記載の化合物で可能なよう
に、1つの扱いにくい現在の社会問題に対処するための
1つの最も良好な希望を提供する。
定義 本明細書を通じて以下の用語の定義を使用する。これ
らの定義は、本発明の解釈を手助けするために提供され
るのであって、本発明を制限するものではない。
用語「アミノ酸」は、本明細書中で使用される場合、
αアミノ酸を意味する。この用語には、天然アミノ酸
(γカルボキシグルタメートのような通常でないアミノ
酸を含む)、ならびに改変アミノ酸および非天然アミノ
酸(例えば、Robertsら、The Peptides,5:342−429,198
3(この教示は参考として本明細書中に援用される)に
開示される改変アミノ酸および非天然アミノ酸など)が
含まれる。
用語「塩基性アミノ酸」は、本明細書中で使用される
場合、pH7.0で側鎖が正味の正電荷を有する上記のよう
なαアミノ酸を意味し、リジン、アルギニン、およびヒ
スチジンを含むが、これらに限定されない。
用語「非荷電疎水性アミノ酸」は、本明細書中で使用
される場合、1〜8個の炭素の炭化水素側鎖(分岐また
は非分岐)を有するαアミノ酸を意味する。
略語「Gla」は、本明細書中で使用される場合、アミ
ノ酸であるγカルボキシグルタメートまたはγカルボキ
シグルタミン酸をいう。
略語「Glu」は、本明細書中で使用される場合、アミ
ノ酸であるLグルタメートまたはLグルタミン酸をい
う。
略語「D−Glu」は、本明細書中で使用される場合、
アミノ酸であるDグルタメートまたはDグルタミン酸を
いう。
用語「アゴニスト」は、本明細書中で使用される場
合、NMDAレセプターのようなイオン導入性レセプターを
通るカチオンの流量を増大させる任意の化合物(すなわ
ち、チャンネル開口剤)、およびこのレセプターを通る
カチオンの流量を減少させることが観察されていない任
意の化合物を含む。
用語「アンタゴニスト」は、本明細書中で使用される
場合、NMDAレセプターのようなイオン導入性レセプター
を通るカチオンの流量を減少させる任意の化合物(すな
わち、チャンネル開口剤)、およびこのレセプターを通
るカチオンの流量を増大させることが観察されていない
任意の化合物を含む。
用語「部分アゴニスト(partial agonist)」は、本
明細書中で使用される場合、イオン導入性レセプター
(例えば、NMDAレセプター)のアロステリック部位を調
節して、主要部位リガンド(principal site ligand)
の存在または不在に応じて、リガンド依存性チャンネル
(ligand−gated channel)を通るカチオンの流量を増
大または減少させる化合物をいう。主要部位リガンドの
非存在下では、部分アゴニストは、リガンド依存性チャ
ンネルを通るカチオンの流量を増大させるが、主要部位
リガンドによって達成される流量より低い流量である。
部位アゴニストは、レセプターチャンネルを部分的に開
口する。主要部位リガンドの存在下では、部分アゴニス
トは、リガンド依存性チャンネルを通るカチオンの流量
を、主要部位リガンドによって通常達成される流量より
低く減少させる。従って、主要部位リガンドの存在下で
は、部分アゴニストは「部分アンタゴニスト」である。
用語「主要部位リガンド」は、本明細書中で使用され
る場合、部位に結合する公知の内在性リガンドをいう。
用語「作業薬(agonistic)」は、本明細書中で使用
される場合、NMDAレセプターのようなイオン導入性レセ
プターを通るカチオンの流量を増大させる任意の化合物
(すなわち、チャンネル開口剤)をいい、そしてアゴニ
ストおよび部分アゴニストを含む。
用語「拮抗薬(antagonistic)」は、本明細書中で使
用される場合、NMDAレセプターのようなイオン導入性レ
セプターを通るカチオンの流量を減少させる任意の化合
物(すなわち、チャンネル閉口剤)をいい、そしてアン
タゴニストおよび部分アゴニストを含む。
用語「NMDAレセプター」は、本明細書中で使用される
場合、興奮性アミノ酸であるグルタメートおよびグリシ
ンによって最低限に刺激され、そして合成化合物である
NMDAによって選択的に刺激されるシナプス後レセプター
をいう。これは、ストリキニーネ非感受性グリシン部位
を有するリガンド依存性レセプターである。
用語「効力(potency)」は、本明細書中で使用され
る場合、レセプターチャンネルに対する特定の効果が観
察されるモル濃度をいう。詳細には、拮抗効果を示す化
合物の効力はIC50値として表される。IC50値は、スペル
ミン誘導体チャンネル開口の阻害が達成し得る最大阻害
の50%である濃度である。値が低い程高い効力を示す。
作動効果を示す化合物の効力はEC50値として表される。
EC50値は、スペルミンの非存在下でのチャンネル開口の
増強が達成し得る最大増強の50%である濃度である。こ
れもまた、値が低い程高い効力を示す。
用語「有効な(efficacious)」は、本明細書中で使
用される場合、特定の化合物によって達成される最大チ
ャンネル開口と、スペルミンによって達成される最大チ
ャンネル開口との比較をいう。有効性(efficacy)は、
特定の効果の大きさをいう。
用語「Con−G部位」は、本明細書中で使用される場
合、ポリアミン部位および新規Con部位(以下に記載さ
れる)へのCon−G(またはその誘導体の1つ)の結合
によって規定されるような新規な複合体部位をいう。
用語「ポリアミン部位」は、本明細書中で使用される
場合、スペルミンおよびスペルミジンならびにCon−G
の一部分と結合する部分をいう。
用語「Con部位」は、本明細書中で使用される場合、
ポリアミン部位が結合しないCon−Gの一部分と結合す
る新規部位をいう。
用語「適用」は、本明細書中で使用される場合、化合
物または組成物と所望の基質との直接的または間接的の
いずれかでの接触をいい、そしてインビトロでの接触、
インビボでの接触、およびインサイチュでの接触を含
む。用語「投与」は、本明細書中で使用される場合、特
にインビボでの適用をいう。
用語「調整」は、本明細書中で使用される場合、イオ
ン導入性レセプター(例えば、NMDAレセプター)を通る
カチオンの流量を増大させることまたは減少させること
をいう。「モジュレーター」は、このようなレセプター
を通るカチオンの流量を増大および/または減少させ得
る化合物であり、そしてアゴニスト、部分アゴニスト、
およびアンタゴニストを含む。
用語「調節」は、本明細書中で使用される場合、イオ
ン導入性レセプターを通るカチオンの流量が正常から逸
脱したとき、この流量を増加または減少させることをい
う。「レギュレーター」は、その両方をなし得る化合物
であり、従って部分アゴニストを含む。
用語「神経精神薬理学的障害」は、本明細書中で使用
される場合、NMDAレセプターリガンド依存性カチオンチ
ャンネルを通るカチオンの流動の減少または過剰から生
じるかまたはこれと関連する疾患をいい、そして認知損
傷、学習損傷および記憶損傷、化学毒性(物質耐性およ
び常用)、興奮毒性、神経変性疾患(例えば、ハンチン
トン病、パーキンソン病、およびアルツハイマー病)、
脳卒中後の続発症、てんかん、発作、気分障害(例え
ば、双極性障害、気分障害、および季節性感情障害)、
ならに鬱病を含むが、これらに限定されない、神経変性
疾患はレセプターの機能障害または機能不全から生じ得
る。
NMDAレセプターの機能を変化させるCon G誘導体の設計 Con−Gが新しい部位(ポリアミン部位および別のCon
部位を含む)でポリアミン作用(acting)の応答を調整
する、およびCon−G誘導体がまたポリアミンの効果を
調整する、という発見は、NMDAレセプター全体に作用す
るさらなるレベルの制御を提供する。明らかに、Con−
Gおよびその誘導体は、NMDAレセプター機能を調整する
新規なクラスのアンタゴニスト、アゴニスト、および部
分アゴニストを示す。Con−Gおよびその誘導体は特定
のNMDAレセプターサブタイプのCa++流入を調整するの
で、Con−Gおよびその誘導体は、広い範囲の神経精神
薬理学的障害を処置するにおいて、および先行技術の化
合物としてのCNSの機能を増強するにおいて、同様に有
用であることが予測される。
実際、Con−Gおよびその誘導体により示されるNMDA
レセプターの調整の範囲(全体のアンタゴニズムから部
分アゴニズムを介して完全アゴニズムまで)は、同じレ
セプターのGluおよびGly部分の公知のモジュレーターを
用いて可能であるよりも、はるかに優れたNMDAレセプタ
ー機能の制御を示す。従って、Con−Gおよびその誘導
体は、先行技術の化合物を用いて可能であるよりもより
広い範囲のCNS疾患の処置におよびCNS機能の増強につい
ての効力を有する。化合物および使用の方法は、以下に
より詳細に記載される。
第三者により、荷電されたGla残基の整列がαヘリッ
クスにより達成され、そしてNMDAレセプターでのCon−
G活性について必要かつ十分であることが仮定されてい
る。下記に記載されるCon−G誘導体の競合作用を研究
することにより、Con−Gのアンタゴニスト活性および
アゴニスト活性の両方についての化学的要件/構造的要
件が複雑であることが発見された。本明細書で開示する
ような合成誘導体の調製により、新しく同定したCon−
G部位で、強力な、非競合性のNMDAアンタゴニストとし
て作用するCon−Gの能力が、Con−Gペプチドの特定の
改変により完全に破壊されることを決定した。実際、N
末端の改変またはGluによるGla残基の置換のいずれかに
より、部分アゴニスト/アンタゴニストとして作用する
いくつかの誘導体が生成されることが発見されている。
以下の表1に示す誘導体は、例示の目的のために記載
される。しかし、これらは、構造/活性関係に関する基
礎をなす素因を当業者に教示するために十分であり、本
開示を限定しない代表的な化合物であることが理解され
るべきである。
本明細書中で開示する化合物は、不斉中心を有し得
る。特に意図しない限り、全てのキラル形態、ジアステ
レオマー形態、およびラセミ形態が包含される。全ての
安定な異性体が意図される。ペプチド結合の2つの異な
る異性体(シスおよびトランス)が生じることが知られ
ており;両者はまた、本明細書に記載の化合物中にも存
在する。安定な異性体は、反応混合物から有用な程度の
純粋物への単離および有用な治療剤への処方に耐えるに
十分強い異性体である。
表1において、配列の上の番号は、元の(parent)Co
n−G分子に基づいた各アミノ酸の位置を示す。γ−カ
ルボキシグルタメート(Gla)を、小文字「g」により
示す。γ−カルボキシグルタメートが、グルタメート
(Glu)に置換されるところは、グルタメートの一文字
アミノ酸略号、または「E」を使用する。「B」はアミ
ノイソ酪酸をいう。明細書を通じておよび請求の範囲に
おいて各化合物を同定するために使用される名称/略語
を、対応のポリペプチド構造の右に記載する。名称にお
ける番号は、ネイティブなCon−Gにおけるアミノ酸残
基の位置をいう。表および以下の請求の範囲において、
アミノ酸残基を、ネイティブなCon−Gのアミノ末端か
らカルボキシ末端に向かって計数する。従って、アミノ
末端のアミノ酸を「1」で示す。各ペプチドの「配列番
号」を最も左の欄に示す。
表1において、誘導体は4つのクラスに分類され、異
なる改変が達成されたことを示す。クラスIは、ネイテ
ィブなCon−Gペプチドのアミノ末端伸長または改変を
示す。クラスIIは、17アミノ酸ペプチド内での内部置換
を示す。クラスIIIは、カルボキシ末端フラグメントお
よび改変を示す。クラスIVは、アミノ末端フラグメント
および改変を包含する。誘導体をさらに以下に示す。
Con−Gおよびその誘導体を、NMDAレセプター機能に
対するそれらの効果について試験した場合に得られた実
験結果を、以下の表IIにまとめる。選択実験を以下でよ
り詳細に記載する。表IIにおいて、初めの4つの欄は、
試験化合物の存在下、スペルミンの非存在下(「%St
i」として示す)、および試験化合物と最大刺激濃度で
存在するスペルミンとの存在下(「%Inh」として示
す)での、[H]MK−801結合の測定に関する。刺激
または阻害が最大の50%である濃度を、それぞれ、EC
(μM)およびIC(μM)として示す。「na」は、活性
が観察されなかったことを示す。
表IIにおいて、阻害値のみを示す化合物は、完全アン
タゴニストである。刺激値のみを示す化合物は、完全ア
ゴニストである。阻害値および刺激値を示す化合物は、
部分アゴニストである。
表IIに示すように、Con−Gは、スペルミンで誘導さ
れるレセプター活性を阻害し、そして単独ではレセプタ
ー活性に対する刺激効果を有さない。従って、Con−G
は完全アンタゴニストである。しかし、誘導体Con−G
−OHは、阻害および刺激のいずれの活性も示さない。整
列され、荷電されたGla残基を有するCon−G α−ヘリッ
クスは、Con−G−OHに存在する。従って、アミド化さ
れたカルボキシ末端が、Con−Gアンタゴニスト活性に
必要である。Con−GのN末端のさらなる改変はまた、
その挙動を変化させる。
アシル化(ポリペプチドを安定化するために自然に生
じることが知られている機構)またはアミノ酸TyrのN
末端残基への付加は、Con−G活性を劇的に改変する。A
c−Con−Gは、明白な活性を示さなかったが、Con−G
α−ヘリックスを担う完全なポリペプチド配列はなお存
在する。整列されたGla残基を有するCon−G α−ヘリッ
クスが残存するという事実にもかかわらず、Tyrの添加
により、Con−Gをポリアミン調整部位の強い、非競合
性アンタゴニストから本質的に不活性な化合物に変化さ
せる。従って、荷電されたNH3 +を有する非改変N末端は
また、Con−Gアンタゴニスト活性に必要である。
GlaのGluへの置換は、ヘリックスを保存しながら、α
ヘリックス側に沿う各置換部位での変化を減少する。こ
の置換はまた、Con−Gを強いNMDAアンタゴニストから
部分アンタゴニストに変化させる。グルタメートを用い
た全ての5つのGla残基の置換(Glu−Con−G)は部分
アゴニストを与えるが、D−グルタメートを用いた置換
(D−Glu−Con−G)はコナントキン−GのNMDAアンタ
ゴニスト作用を完全に破壊した。
生物学的構造および二次構造への潜在的な寄与を決定
するにおいて、コナントキン−Gの個々のGla残基の重
要性を評価するために、3つのアミノ酸(アラニン(Al
a)、セリン(Ser)、およびホスホセリン(Ser
(p)))でGlaを置換した。アラニンは、容易にαヘ
リックスに挿入され得る(Chouら、「アミノ酸配列から
のタンパク質の二次構造の予測」、Adv.Enzymol.,47:14
5−148,1978;Argosら、「拡張データベースを用いるCho
u−Fasman二次構造予測法」、FEBS Lett.,93:19−24,19
78)が、GluおよびLysとは異なり電荷を有しておらず、
Leuとは異なり極めて疎水性である。Alaでの個々のGla
の置換は、二次構造を阻害しない。セリンはAlaとほぼ
同じ空間を占有するが、ヘリックスブレーカー(helix
breaker)であり、β−ターン形成を補助すると報告さ
れている(Chouら、「タンパク質におけるβターン」、
J.Mol Bio.,115:135−175,1978)。Glaの強い、2つの
負電荷は、1つの負電荷を有するホスホセリンにより置
換されたが、この電荷はGluの電荷よりも強い。
結果は、4位のGla残基は、元のペプチドのNMDAアン
タゴニスト特性に必要なようであることを示した。なぜ
なら、この残基の置換は、NMDAアンタゴニスト作用を破
壊したからである。Ala、Ser、およびSer(p)での4
位のGlaの置換は、アンタゴニスト活性の完全な消失を
生じた。
3位のGla残基はまた、アンタゴニスト特性に対して
いくらかの効果を有するようであるが、4位のGla残基
ほどではない。Ala3−Con−Gは、IC50 1.8±0.1μM
(n=3)で、スペルミンの最大の有効濃度(12.5μM
この測定)により生じた[3H]MK−801結合の34%を阻
害した。アンタゴニスト活性から部分アゴニスト活性へ
の移行は、3位のGlaを置換することにより、Ala−Con
−G(アンタゴニスト)からSer3Con−GおよびSer
(p)−3−Con−G(部分アゴニスト)の程度まで観
察された。
対照的に、7位、10位および14位のGla残基は、NMDA
アンタゴニスト作用に必要ではないかもしれない。ser
(p)7−Con−GおよびSer(p)14−Con−Gを除い
て、7、10、および14改変ペプチドは、スペルミンで増
強された[3H]MK−801結合をベースライン値まで阻害
した。実際、Ala7−Con−Gはスペルミンの最も強いア
ンタゴニストの1つであり、45±5nM(n=b)のIC50
値を有し、Con−Gの約4倍(p〈0.01)の強さであっ
た。Ser7−Con−G、Ser10−Con−G、Ser14−Con−
G、およびAla7−Con−GはCon−Gの強さと同様の強さ
を示した(表II)。Ala7−Con−Gは、スペルミン作用
の選択的かつ非競合的阻害により、元のペプチドCon−
Gと同一の神経化学的プロフィールでその作用を働かせ
た。
リン酸化されたセリンにより導入された強い負電荷
は、Con−Gの生物学的活性に対して一貫した効果を有
さなかった。Ser(P)7−Con−GおよびSer(P)14
−Con−Gは、スペルミンで増強された[3H]MK−801結
合を、それぞれ、スペルミンにより生じる最大刺激の50
%および31%まで部分的に阻害し、それぞれ、1.04±0.
3μM(n=3)および1.12±0.05μM(n=3)のIC
50値を有した。Ser(P)3−Con−Gは部分アゴニスト
活性を?示す。しかし、Ser(p)10−Con−Gは完全ア
ンタゴニスト活性を示し、0.56±0.2μMのIC50値を有
する。これらの観察は、7位、10位、および14位のGla
の置換がコナントキン−Gの作用に対して主要な効果を
有さない(IC50値により示されるように、強さは影響さ
れ得るが)という知見と合わせると、これらのGlaの負
電荷はコナントキン−Gの生物学的活性に対して必要不
可欠な要素ではないようである。
しかし、ペプチドの長さは、観察された活性に強く影
響した。ほとんど構造を有しないかまたは全く構造を有
しないが、完全なアミド化C末端を保持する短い誘導体
は、ポリアミン様のアゴニスト活性を保持する。対照的
に、カルボキシ末端フラグメントの中間生成物および改
変物は活性を示さなかった。しかし、誘導体の長さが、
ネイティブなポリペプチドの長さに近づくにつれ、アミ
ド化C末端およびより長い構造は、部分アゴニスト活性
を生じた。従って、構造の長さは、完全アゴニスト機能
よりも部分アゴニスト機能に重要であるようである。ヘ
リックス性と組み合わせた長さの効果は、以下により詳
細に記載される。
Con−Gアンタゴニスト活性について、アミド化カル
ボキシル末端、および完全荷電された(−NH3 +)N末
端、正確に荷電および整列されたN末端部分、およびリ
ンカーが要求されるようである。アミド化カルボキシル
末端、完全なN末端、およびα−ヘリックスを有してい
ても、電荷分布を全体の長さおよびN末端部位に沿って
(Glu−Con−G、Ser3−Con−G、およびSer(p)3−
Con−Gのように)改変すれば、アロステリック調整特
性を部分アゴニストのその特性に変化させる。
最後に、tBu−Tyr0−Con−GおよびPhe0−Con−Gの
ようにCon−Gを伸長することによるCon−GのN末端構
造の変化は、アンタゴニズムについて必要な正確な結合
を明らかに妨害し、さらに部分アゴニストを生じる。逆
に、Tyr0−Con−Gのような他の伸長は、任意の活性に
必要な正確な結合を妨害する。N末端伸長の立体障害に
依存して、アンタゴニスト活性、アゴニスト活性が生じ
るか、またはなんの活性も生じない。
Con−G誘導体により示された活性の範囲の分析によ
り、完全なアミド化カルボキシル末端が、アゴニスト活
性を達成するために要求され、一方、N末端構造は、ア
ンタゴニスト活性または部分アゴニスト活性を達成する
ために非常に重要であることが示される。この二分法
は、Glu−Con−G(12−17)およびCon−G(14−17)
において最も明白である。C末端を保存するCon−G(1
4−17)は、これまでに観察された最も短いポリアミン
様アゴニストである。Con−G(14−17)は、1.3μMの
強さできつく結合し、ポリアミン部位リガンドについて
これまでに観察された最も高い強さであった。
前述の結果より、一般構造式Iを決定した。この式
は、それぞれ、完全アゴニスト、部分アゴニスト、およ
び完全アンタゴニストの一般構造式に、さらに分けられ
る。例えば、完全アゴニストについての1つの実施態様
いおいて、Xaおよびmは0である。部分アゴニストにつ
いての別の実施態様において、mおよびnの両方が1に
等しい。完全アンタゴニストについて、mおよびnは、
両方とも1であり得るか、またはnが0であり得るかの
いずれかである。
部分アゴニストとしてのCon−G誘導体の活性がポリ
アミン部位の調整に直接反映するか否かは、初めのうち
は明らかでなかった。それらがポリアミン様アゴニスト
特性を示した事実は、それらがポリアミン部位で作用し
ていることを示唆した。この可能性は、ポリアミン部位
のポリアミン調整を阻害することが見出されていたCon
−Gがまた、Glu−Con−Gで刺激された[3H]MK−801
結合を阻害する事実、従ってGlu Con−Gがまたポリア
ミン結合部位として作用するという示唆により支持され
る。
上記のCon−Gおよびその誘導体の特徴は、NMDAレセ
プター(これは、新規のCon部位に極めて接近してポリ
アミン調整部位を配置し、それによりこの2つの部位は
ともに新規のCon−G複合体部位(すなわち、「Con−G
部位」)を形成する)の物理的特徴に一致する。全ての
タンパク質構造がそうであるように、この部位は極めて
物理的に接近して存在し得るが、2つの部位は折り畳ま
れたタンパク質に沿う多くの介在残基により隔てられ得
る。
図2に示すように、Con−GのN末端は、Con−G部位
のある部分(「Con部位」と称される)に結合し、一
方、C末端は少なくともポリアミン部分の一部分に結合
する。特定の長さが2つの部位間の間隔を架橋するため
に必要であるようであり、これは誘導体で得られた結果
により明示される。少なくともいくつかの高度に荷電し
たGla残基(特に4位のアミノ酸において)は、明らか
にアンタゴニスト機能についてのNMDAレセプターの正確
で非常に重要な決定基に対する結合を担う。
従って、Con−Gの作用は、隣接したタンパク質セグ
メントの互いに向かうまたは反対方向への相対的移動を
達成するような、イオンチャンネルの開閉を生じるよう
な様式で結合するその他の公知のリガンドの作用に類似
する。Con−G活性の構造要求の理解が与えられたの
で、要求される結合特徴を保持し、そしてこれらの部位
で調整効果(活性)を増加または減少するように改変さ
れるCon−Gおよびその誘導の分子アナログを設計する
ことが可能である。従って、Con−Gの作用が解明され
ているのみでなく、非常に広範な活性の範囲にわたっ
て、NMDAレセプターのポリアミン会合部位をアロステリ
ックに調整する新規なクラスの化合物を発見している。
上記のように、ポリアミン部位および/またはCon−
G部位で作用する、Con−G部位の新規なクラスのアロ
ステリックモジュレーターが発見され、これは完全アン
タゴニズムから部分アゴニズム、完全アゴニズムまでの
活性の範囲を示す。このクラスの化合物は、NMDAレセプ
ターを介してイオンの流量を調整するために使用され得
る。ポリアミン部位および/またはCon−G部位で作用
する化合物の調整範囲は、部分阻害(ダウンモジュレー
ト)から部分刺激(アップモジュレート)までである。
必要とされる活性に依存して、このクラスの由来の化合
物は、薬学的神経保護物質として使用され、CNS傷害お
よび外傷による定量以上のCa++流入の急性の症例を処置
し得、ならびにCa++流入剤制御の慢性障害による痙攣障
害、気分障害、ならびにその他の神経精神学的障害およ
び神経変形障害を処置し得る。同様に、このクラスの化
合物は必要とされる活性について選択され得、経験に基
づく欠損を処置し、ならびに記憶および学習を増強す
る。
Con−GがNMDAレセプターのポリアミン刺激の非競合
性アンタゴニストとして作用するという発見は、NMDAレ
セプターを介する増強されたCa++流動が、ポリアミンに
より刺激される場合、およびその他のアロステリックモ
ジュレーターによる過剰な刺激が、存在しおよび活性で
あるポリアミンの適切なレベルに依存する状態の両方に
おいて、Con−GがNMDAレセプター応答を調整/調節す
るために薬学的に使用され得ることを示唆する。
薬学的組成物 化合物は、非経口的に(すなわち、皮下、筋肉内、脳
室内、または静脈内、および、あるいは、包膜内)投与
され得る。適切なキャリア中で、または血液脳関門の通
過を増強する薬剤と組み合わせて、化合物は経口的にま
たは鼻腔内に投与され得る。
適切な薬学的キャリアが、当業者に知られている。例
えば、活性成分が滅菌液体投薬形態で非経口的に投与さ
れる場合、キャリアは水、適切な油、生理食塩水、また
は他の緩衝化生理学的溶液、水性デキストロースまたは
関連の糖溶液およびグリコール(例えば、プロピレング
リコールまたはポリエチレングリコール)であり得る。
非経口投与用の溶液は、好ましくは水溶性形態の活性成
分、適切な安定剤、および必要であれば、緩衝液物質を
含む。抗酸化剤(例えば、重亜硫酸ナトリウム、硫酸ナ
トリウム、またはアスコルビン酸(単独または組み合わ
せて))は、適切な安定剤である。クエン酸およびその
塩およびEDTAナトリウムもまた使用される。さらに、非
経口溶液は保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、メ
チルパラベン、またはプロピルパラベン、およびクロロ
ブタノール)を含み得る。適切な薬学的キャリアが包含
され得、そしてそれらは、Remington's Pharmaceutical
Sciences、第17版、Mack Publishing Co.,Easton,PA,1
418頁(1985)(当該分野における標準的な参考テキス
トであり、本明細書中に参考として援用される)に記載
されている。
この活性成分は、胃腸管を介する通過に安定であり、
そして血液脳関門を介する通過が可能な薬剤(例えば、
いくつかの安定化されたまたは共有結合架橋されたリポ
ソーム)に初めにカプセル化される場合、固体投薬形態
(例えば、カプセルおよび粉末)で、または液体投薬形
態(例えば、エリキシル、シロップ、および懸濁液)
で、経口的に投与され得る。血液脳関門を介する通過
が、薬剤(例えば、文献に記載されるいくつかのリン脂
質またはレクチン誘導体)を用いて増強され得る。
送達に使用され得る他の薬剤としては、例えば、リポ
ソーム、マイクロパーティクル(マイクロスフェアおよ
びマイクロカプセルを包含する)、ならびに徐放的な、
長期的な、あるいは搏動的な送達を提供する他の放出デ
バイスおよび形態、または血液脳関門を介する通過を増
強する形態が挙げられる。
生体侵食性(bioerodible)マイクロスフェアが、薬
物送達用のマイクロスフェアを作製するために開発され
た任意の方法を用いて調製され得、例えば、Mathiowitz
およびLanger,J.Controlled Release 5,13−22(198
7);Mathiowitzら、Reactive Polymers 6,275−283(19
87);およびMathiowitzら、J.Appl.Polymer Sci.35,75
5−774(1988)、それぞれの教示は本明細書中に参考と
して援用される。方法の選択は、ポリマー選択、サイ
ズ、外部形態、および所望される結晶性に依存し、例え
ば、Mathiowitzら、Scanning Microscopy 4,329−340
(1990);Mathiowitzら、J.Appl.Polymer Sci.45,125−
134(1992);およびBenitaらJ.Pharm.Sci.73,1721−17
24(1984)(これらの教示は、本明細書中に援用され
る)に記載されている。当業者により日常的に使用され
る方法は、溶媒蒸発方法、ホットメルトカプセル化方
法、溶媒除去方法、スプレードライ方法、相分離方法、
およびゲル型ポリマー(例えば、アルギネートまたはポ
リホスファジン、またはその他のジカルボン酸ポリマ
ー)のイオン性架橋によるヒドロゲルの形成方法を包含
する。
他の送達システム(フィルム、コーティング、ペレッ
ト、スラブ、およびデバイスを包含する)は、溶媒また
はメルトキャスティング、および成形、ならびに合成物
を作製するための標準的な方法を用いて、制作され得
る。
マイクロパーティクルは、生理食塩水のような、患者
への投与のための任意の適切な薬学的キャリア中に懸濁
され得る。最も好ましい実施態様において、マイクロパ
ーティクルは、投与の直前まで、乾燥形態または凍結乾
燥形態で保存される。次いで、マイクロパーティクルは
投与のために十分な溶液中で懸濁される。ポリマーマイ
クロパーティクルは、注射、点滴、移植、経口、または
エアゾールを用いた粘膜表面(例えば、鼻咽頭領域およ
び/または肺)への投与により投与され得る。その他の
デバイスは、好ましくは放出が所望される領域における
移植により投与される。移植可能な徐放性の放出デバイ
スで、脳への直接投与以外の他の投与形態よりも少ない
投薬量が使用される。
適切な投薬量は、投与経路および意図される処置に依
存し、そして当業者により容易に決定され得る。投薬量
は、一般に低レベルで開始され、そして所望の効果が達
成されるまで増加される。1〜40mg/kg体重の投薬量範
囲が意図される。これらの投薬量は、類似のサイズのペ
プチドの化合物を用いた研究(例えば、元の出願が1991
年11月12日になされたWO 93/10145、これは虚血関連神
経損傷の遅延処置のための組成物(25アミノ酸長である
ωコノトキシンペプチドOCT MVIIAを包含する)が記載
される)からの推定に基づく。神経保護効果が、15mg/k
g以下の用量でのOCT MVILAの静脈内投与で報告されてい
る。1991年9月24日に発行された米国特許第5,051,403
号は、ωコノトキシンペプチドの脳室内注射により、広
範な虚血により生じた解剖学的損傷が軽減されたことを
記載している。50〜80gアレチネズミあたり1μg以下
の用量が使用された。保護効果は、0.1μg以下の投薬
量で観察された。
化合物の機能活性の測定のためのアッセイ 以下の方法および物質を使用して、本明細者に記載の
ペプチドの活性を測定した。それらを従来の実験のみと
共に使用して、本明細書に記載のように、部分的アゴニ
スト、アゴニスト、またはアンタゴニストとして使用す
るために、Con G由来の多くの他のペプチド実施態様を
試験し得る。
ペプチド合成 Con−Gを、Rivierら、Biochemistry、26:8508−8512
(1987)(本明細書中で参考として援用される)の改変
方法により合成および精製した。アミノ酸誘導体および
固相樹脂を、Bachem Feinchemikalien AG(Bubendorf、
Switzerland)およびNovabiochemから入手した。一般
に、ペプチドを、ポリスチレン−ポリエポキシグラフト
コポリマー樹脂を用いて、MilliGen 9050自動ペプチド
合成機で合成した(Rappら、Innovation and perspecti
ves in Solid Phase Synthesis、R.Epton(編)、SPC
C、Birmingham、205−210頁,1990、本明細書中で参考と
して援用される)。標準的なFmoc化学(9−フルオレニ
ルメチルオキシカルボニル、Fieldsら、「9−フルオレ
ニルメチルオキシカルボニルアミノ酸を用いる固相ペプ
チド合成」、Int.J.Peptide Protein Res.、35:161−21
4、1990、本明細書中で参考として援用される)を、本
明細書中で用いた。アミノ酸を、4倍モル過剰のペンタ
フロロフェニルエステル、HBTUまたはTETUとカップリン
グした。ペプチドを、スカベンジャーとして5%のチオ
アニソールを含むトリフルオロ酢酸(TFA)を用いて固
体支持体から切断した。ペプチドを、エーテルを用いて
沈殿させ、そして逆相高速液体クロマトグラフィー(RP
−HPLC)を用いて精製した。ペプチドの少量の画分を、
TFA非存在下で精製し、コンフォメーション分析を妨害
し得る大量のカウンターイオンの存在を排除した。ペプ
チドの完全性を、アミノ酸分析および高速原子衝撃質量
分析により確認した。
Fmoc−Gla(ジ−t−Bu−OH)を、90分のカップリン
グ時間で小モル過剰(2〜2.5)とカップリングした。T
yr0−Con−Gの合成を、Fmoc−Tyr(O−tBu−OH)との
さらなるカルボジイミド仲介カップリング工程により達
成し、最終ペプチド樹脂を得た。ペプチド樹脂をジメチ
ルフルオライド(DMF)中の20%ピペリジンで30分間処
理してFmoc基を除去することにより、Nα−アセチルCo
n−G(Ac−Con−G)アナログを調製した。DMF、ジク
ロロメタン、およびイソプロピルアルコールで連続して
洗浄した後、陽性Kaiser試験(Kaiserら、Analyt.Bioch
em.、34:595、1970、本明細書中で参考として援用され
る)を行い、Fmoc基の完全な除去を示した。ペプチド樹
脂を、DMF中の20%無水酢酸で30分間処理した。陰性Kai
ser試験は、N−末端アミノ基の完全なブロッキングを
示した。
Glaを含まない全てのアナログを、自動ペプチド合成
機(Applied Biosystems 431−A、Foster City、CA)
の前もってプログラムされたプロトコルに組み込んだBO
C/Bzl(t−ブチルオキシカルボニル/ベンジル)スト
ラテジーを用いて合成した。各アナログの切断および脱
保護を、m−クレゾールの存在下で液体フッ化水素(H
F)で処理することにより達成した。各アナログを、60
分かけて、0.1%のTFAを含むH2O中の10%〜30%アセト
ニトリルの直線勾配を用いて、Waters C18シリコンカラ
ム上での逆相HPLCにより、均質になるまで精製した。高
度に純粋な画分を、合わせ、そして凍結乾燥した。アミ
ノ酸分析の結果は、各ペプチドについて、理論値の10%
以内であった。
ホスホペプチドの合成において、リン酸化されるべき
セリン残基を、未保護の側鎖水酸基に取り込み、そして
ペプチドアセンブリをジベンジルホスホクロリデート
(Otvosら、「ホスホペプチドの固相合成」、Int.J.Pep
tide Protein Res.、34:129−133、1989、本明細書中で
参考として援用される)を用いて完了した後、リン酸化
を樹脂上で行った。ホスホペプチドを、RP−HPLC(Otvo
sら、「ホスホペプチド異性体の逆相高速液体クロマト
グラフィー分離」、J.Chromatography、512:265−272
(1990)、本明細書中で参考として援用される)により
精製し、そしてホスホアミノ酸感受性アミノ酸分析(Go
rbicsら、「標準dabs−Clアミノ酸分析条件を用いる、
合成ホスホペプチド中のリン酸基の存在の好結果のかつ
迅速な確認、J.Liquid Chromatogr.、17:175−189、199
4、本明細書中で参考として援用される)および質量分
析により分析する。この合成ストラテジーにより、同時
にセリンとホスホセリン含有ペプチドを得た。
結合アッセイ 膜調製: 雄Sprague−Dawleyラット(175〜300g、Taconic Farm
s、Germantown、NY)を、断頭により屠殺した。前脳マ
イナス小脳および脳幹を取り出し、そして10容量の、ア
ッセイ緩衝液(5mM Hepes/4.5mM Tris緩衝液、pH7.8)
中の0.32Mスクロースを用いて、Polytronホモジナイザ
ー(6、30秒にセットする)でホモジェナイズした。全
ての手順を、特に指示しない限り、4℃で行った。ホモ
ジェネートを、アッセイ緩衝液で50容量まで希釈し、そ
して1,000×gで10分間遠心分離した。上清をデカント
し、そして20,000×gで20分間再遠心分離した。得られ
たペレットを、50容量のアッセイ緩衝液に再懸濁し、そ
して8,000×gで20分間遠心分離した。上清および外部
「バフィー」ペレットコートを集め、そして20,000×g
で20分間遠心分離した。上清を棄て、そしてペレット
を、20,000×gで20分間再遠心分離する前に、1MM EDTA
を含む50容量のアッセイ緩衝液に再懸濁した。この再懸
濁/遠心分離手順を、3〜4回繰り返した。最終サイク
ル(単数または複数)を、EDTAを含まないアッセイ緩衝
液を用いて行った。得られたペレットを、5容量のアッ
セイ緩衝液に再懸濁し、固体CO2上で冷凍し、そして−7
0℃で保存した。アッセイ当日に、組織を解凍し、アッ
セイ緩衝液で10〜50容量まで希釈し、そして20,000×g
で20分間遠心分離した。上清を棄て、そして得られたペ
レットを50容量のアッセイ緩衝液に再懸濁し、そして2
0,000×gで20分間遠心分離した。最終ペレットを、さ
らに改変せずに、30〜50容量のアッセイ緩衝液に再懸濁
した。
放射性リガンド結合 結合アッセイを、約40〜200μgのタンパク質(膜調
製)、50μlの[3H]MK−801(最終濃度、4〜5nM)、
および試験化合物または緩衝液を含む約40〜200μlを
含む総容量500μl中で行った。[3H]MK−801(比活性
28.8Ci/mmol)を、DuPont−NEN(Boston、MA)から入手
した。アッセイを室温で2時間インキュベートし、そし
て部分的減圧(Brandel Cell Harvester,M−24R型)下
で、5mlの緩衝液で2回洗浄しながら、0.03%ポリエチ
レンイミンに前もって浸漬したガラス繊維フィルターを
通して迅速に濾過することにより停止した。非特異的結
合を、フェンシクリジン塩酸塩(PCP、100μM)を用い
て測定し、そして調製剤の非存在下で合計約15〜50%の
結合を示した。フィルターに保持された放射能を、Pack
ard 1600TR液体シンチレーションカウンターを用いて、
Ultima Goldシンチレーション液体中で測定した。タン
パク質内容物を、BCAタンパク質アッセイ試薬(Pierc
e、Rockford、IL)を用いて測定した。
以下のアッセイを使用して、インビボでの活性を研究
し得る。
スナネズミ前脳虚血アッセイ スナネズミ前脳虚血アッセイを使用して、神経変性モデ
ルとして、虚血条件に供された神経脳細胞に対する、試
験化合物により生じた保護の程度を測定する。頸動脈閉
塞前に、試験化合物を雄スナネズミにip、iv、およびic
v注射する。次いで、頸動脈流を、クランプにより5〜2
0分間閉塞し、次いで切開し検査して、再流を確認す
る。ネズミを手術後7日間生存させ、次いでペントバル
ビタールで麻酔し、そしてヘパリンを含む生理食塩水、
続いて緩衝化ホルマリンで噴門を介して灌流する。脳を
取り出し、きれいにし、そして組織学的プロセッシング
の準備をする。脳断面を染色し、そして海馬のCAI領域
における神経損傷を調べる。試験化合物の効果を、非処
置コントロールと比較する。細胞の損失は、虚血誘導神
経変性に対して保護効果を及ぼす試験化合物で前処置し
たネズミにおいて減少する。化合物は、約1〜40mg/kg
の用量(ivまたはip)でこの試験において活性であるこ
とが予想される。
強制水泳試験 抗うつ活性を有する化合物は、Trullosら、「NMDAレ
セプター複合体での機能的アンタゴニストは、抗うつ作
用を示す」、Eur.J.Pharm.、185:1−10(1990)および
この中の参考文献(本明細書中で参考として援用され
る)により記載される「強制水泳試験」により測定され
るように、マウス固定化の時間を減少させる。マウス
を、22〜25℃の水(6cm)で満たしたシリンダー(すな
わち、直径10cmおよび高さ25cmを有する)中に別々に置
く。固定化の持続時間を、6分間の試験の終わり4分間
で記録する。化合物は、約1〜40mg/kgの用量(ip)で
この試験において活性であることが予想される。
高いプラス迷路(elevated plus maze) 抗うつ活性を有する化合物は、Trullosら、「1−ア
ミノシクロプロパンカルボキシレートは、動物モデルに
おいて抗うつ作用および抗不安薬作用を示す」、Eur.J.
Pharm.、203:379−385(1991)(本明細書中で参考とし
て援用される)により記載されるように、高いプラス迷
路の開口アーム(open arm)への時間の割合および入場
の割合の両方を増加させる。マウスを、その頭が、プラ
ットホームの中央にあるように迷路アームの交差点に置
く。次いで、開口アームまたは閉口アームにいるマウス
を記録する。アーム入場を記録し、そして各アームにお
ける時間の割合、ならびに入場の割合を計算する。化合
物は、約1〜40mg/kgの用量(ip)でこの試験において
活性であることが予想される。
NMDA誘発発作 NMDAレセプターに関連する痙攣に対する抗痙攣活性を
有する化合物は、Koekら、Mechanisms for Neuromodula
tion and Neuroprotection,665〜671頁、Kamenkaら編、
NPP Books、Ann Arbor、MI、1992(本明細書中で参考と
して援用される)により記載される試験において活性で
ある。試験化合物を、NMDAのip注射15分前または30分前
に、マウスにそれぞれicvまたはip注射する。30分後に
死亡したマウスの割合とNMDAのみを受けたマウスの群と
を比較することにより、ED50を決定した。化合物は、約
1〜40μg/kgの用量(icv)、または約1〜40mg/kgの用
量(ip)でこの試験において活性であることが予想され
る。
コカイン誘発痙攣 コカイン誘発痙攣に対して抗痙攣薬活性を有する化合
物は、Witkinら、Life Sciences、48:51−56、1991(本
明細書中で参考として援用される)により記載される試
験において活性である。75mg/kgコカインのip注射30分
前に、試験化合物を雄Swiss Websterマウス(10〜12週
齢)にip注射する。痙攣の発生を、コカイン注射後15分
間記録し、そして少なくとも5秒間の正しい応答の喪失
および慢性の脚の運動の発生として定義する。次いで、
ED50用量を計算し得る。化合物は、約1〜40mg/kgの用
量(ip)でこの試験において活性であることが予想され
る。
実施例1:Con G活性の特徴付け 図2aおよび2bは、内因性GluおよびGlyの名目上非存在
下で、それぞれスペルミンおよびスペルミジンの濃度の
増加の関数としての、[3H]MK−801の結合のプロット
である。前脳膜調製物を、上記方法セクションに述べた
ようにかなり良く洗浄したが、このようなアッセイにお
ける高い非特異的結合により示されるように、膜調製物
からこれらのアミノ酸を完全に除去することは完全に可
能ではないと考えられる。図から分かり得るように、こ
れらのポリアミンの両方とも、濃度依存様式で[3H]MK
−801の結合を刺激し、それらがリガンドゲート(ligan
d−gated)NMDAチャンネルの開口をアロステリックに調
節することを確認する。
図3aおよび3bは、種々の量のCon−Gを膜調製物に添
加した場合の、図2aおよび2bに示すような、[3H]MK−
801のスペルミン刺激結合およびスペルミジン刺激結合
に対する効果を示す。図において、四角はCon−Gの添
加なしを示し;三角は400μMでのCon−Gを示し;菱形
は800μMでのCon−Gを示し;そして円は1200μMでの
Con−Gを示す。
図から分かり得るように、Con−Gの濃度が400μMか
ら1200μMに増加するにつれて、ポリアミン刺激[3H]
MK−801結合の程度はそれに付随して減少し、それによ
りチャンネルがますます閉じた状態になる。Con−G
は、競合阻害と一致する濃度依存様式でポリアミン刺激
結合を減少させないが、ポリアミンの非競合阻害と一致
する様式で刺激を減少させる。
図5は、Con−G濃度の増加に従って、各50μMの濃
度でスペルミン(四角)およびスペルミジン(三角)に
より達成される[3H]MK−801結合の最大刺激における
減少のプロットである。ポリアミン刺激の阻害の程度
と、ポリアミン(ジエチレントリアミンおよびアルカイ
ン、これらの両方とも、ポリアミン部位での競合拮抗作
用を介してスペルミンおよびスペルミジン促進[3H]MK
−801結合を阻害する)で見いだされるようなCon−G濃
度との間の矛盾のない関係は存在せず、これはさらに、
Con−Gがポリアミン部位でポリアミンの競合インヒビ
ターとして作用しないことを示す。
図13において、基礎[3H]MK−801結合に対するCon−
G濃度の増加の効果を示す。破断 の前の曲線は、Con−Gの非存在下での[3H]MK−801結
合を示す。図13から分かり得るように、Con−Gは、基
礎[3H]MK−801結合の少量の増加を生じる。この増加
は、Glu、Gly、およびポリアミンにより生じる結合の促
進と比較して、非常にわずかである。
実施例2:Con G誘導体は完全なアンタゴニスト活性を示
す 表Iに開示するペプチドを、前述の放射性リガンド結
合アッセイにおける[3H]MK−801のスペルミン誘発結
合に対する効果について試験した。アンタゴニスト活性
を有する化合物は全て、このアッセイにおいて活性であ
る。
図4に示すように、Con−Gは非常に強力なアンタゴ
ニストとして作用する。天然のペプチドCon−Gと同様
に、Ala7−Con−Gは、非競合様式でスペルミン誘発結
合を阻害した。これを、種々の濃度のAla7−Con−G存
在下で発生したスペルミンの濃度応答データの分析によ
り明示した。Ala7濃度が増加するにつれて、スペルミン
の濃度応答曲線の累進的な下方シフトがあった。結果を
図6に示す。
図6において、濃度応答曲線を、それぞれ12.5(白記
号)および25(黒記号)μMのスペルミンの存在下で得
た。図6の記号は、以下の通りである:白丸、Ala7−Co
n−G;白菱形、Con−G;および破線、スペルミンのみ。示
した結果は、2連で行った代表的な実験からのものであ
り、ここで、Ala7−Con−GおよびCon−GのIC50値は、
それぞれ50および275nMであった。さらに、Ala7−Con−
Gの見かけのIC50は、スペルミン濃度に影響されなかっ
た。両方の特徴とも、非競合拮抗作用と一致した。
10nMで、Ala7−Con−Gは、スペルミンにより生じた
最大刺激の約50%を阻害し、そしてスペルミンの濃度応
答曲線は、30nMの濃度のAla7−Con−Gにより、ほぼベ
ースライン値まで減少した。結果を図7に示す。Ala7に
よるポリアミン促進[3H]MK−801結合の非競合阻害を
示す。スペルミン促進[3H]MK−801結合を、それぞれ
0(四角)、10(菱形)、および30nM Ala7−Con−G
(三角)の存在下で測定した。示した結果は、代表的な
2連実験からのものであり、そして同様の結果を繰り返
した。
実施例3:部分的アゴニスト活性を示すCon G誘導体 表IIに示されるように、いくつかの誘導体は、部分ア
ゴニスト活性を示した。これらの2つの(tBu−Tyr0−C
on−GおよびGlu−Con−G)に関する結果を図8に示
す。図8では、点線は、最大限に効果的な濃度(すなわ
ち、25μM)のスペルミンで達成された結合のレベルを
表す。上部の2つの曲線は、より高い濃度の、Glu−Con
−G(菱形)およびtBu−Tyr0−Con−G(丸)が、
3H]MK−801結合のスペルミン誘導増強に対して拮抗
性であることを示す。Glu−Con−GおよびtBu−Tyr0−C
on−Gは、高濃度でポリアミン増強[3H]MK−801結合
に対して拮抗作用を示す(上部の曲線)が、このような
拮抗作用レベルは、天然のCon−Gに特有のレベルには
及ばない。実際、Con−Gの濃度よりも一桁高い濃度のt
Bu−Tyr0−Con−Gが、Con−Gと同じ減少を得るのに必
要とされる。必要とされるGlu−Con−Gの濃度は、tBu
−Tyr0−Con−Gの濃度よりも一桁高い。図8の底部の
2つの曲線は、スペルミンの非存在下で、Glu−Con−G
(三角)およびtBu−Tyr0−Con−G(四角)の両方が、
濃度依存様式で[3H]MK−801結合を増強するアゴニス
トであることを示す。
Glu−Con−GおよびtBu−Tyr0−Con−Gに加えて、Co
n−Gのいくつかの他の誘導体が、ポリアミンの非存在
下で、類似した[3H]MK−801結合の濃度依存増強を示
す。Ser3−Con−GおよびSer(p)3−Con−Gは、ス
ペルミン増強された(12.5μM)[3H]MK−801結合
を、それぞれ、最大値の73%および65%に阻害し、3.6
±0.7μM(n=3)および0.9±0.09μM(n=3)の
IC50値を有した。これを図9に示す:Ser3−Con−G(黒
菱形);Ser(p)3−Con−G(黒丸)。スペルミンの
非存在下での[3H]MK−801結合のSer3−Con−Gおよび
Ser(p)3−Con−G刺激(それぞれ、白菱形および白
丸)。Ser3−Con−GおよびSer(p)3−Con−Gは、
スペルミンに類似した効力で[3H]MK−801結合を増大
したが、有意により有効でなかった。Glu−Con−G(2
−17)およびPhe0−Con−Gもまた、部分アゴニスト活
性を示した。本発明で確認された部分アゴニストを、以
下の表IIIに要約する。EC50およびIC50値をマイクロモ
ル濃度で報告する。あれば、平均値の標準誤差を示す。
実施例4:完全なアゴニスト活性を示すConG誘導体 いずれの化合物がNMDAレセプターに対して作動特性を
示すかを決定するために、誘導体を、スペルミンの非存
在下で、[3H]MK−801における効果について試験し
た。作動活性を有する全ての化合物が、このアッセイに
おいて活性である。
図10に示されるように、Con−G(14−17)(逆向き
の三角)、Tyr0−Glu−Con−G(黒三角)、D−Glu−C
on−G(白三角)、およびGlu−Con−G(12−17)
(丸)は、スペルミンの非存在下で[3H]MK−801結合
を刺激した。これらの誘導体は、スペルミン誘導[3H]
MK−801結合の阻害を示さなかった。
実施例5:結合部位研究。
Con−Gのように、イフェンプロジルもまた、非競合
様式でポリアミン結合を阻害する。しかし、Con−G
は、イフェンプロジルと同一の部位で作用しないようで
ある。なぜなら、GlyおよびGluの名目上の非存在下で、
Con−Gは、[3H]MK−801結合をわずかに増大させ、一
方、イフェンプロジルは減少させるからである(Reynol
dsら、前出)。さらに、イフェンプロジルは、Glu増強
3H]MK−801結合を阻害し、一方、図1に示され、そ
して以下に考察されるように、非常に高濃度であって
も、Con−Gは、Glu刺激に影響しないようである。
スペルミン(1000μMまでの濃度)は、NMDA−刺激サ
イクリックGMP形成におけるCon−GおよびAla7−Con−
Gの両方の拮抗効果を逆転する能力を欠く。この観察
は、放射性リガンド結合アッセイで見られる非競合性阻
害と一致し、ポリアミンおよびCon−GがNMDAレセプタ
ー複合体上の同一の結合部位で競合しないことを示す。
しかし、Con−Gは、Glu−Con−G刺激[3H]MK−801
結合を阻害する。これは、アゴニスト活性を示すCon−
Gの誘導体が、ポリアミン部位で結合していることを示
唆する。結果を図11に示す。図11では、四角はGlu−Con
−G単独を表し;三角は1μM Con−Gを有するGlu−Co
n−Gを表し;そして丸は2μM Con−Gを有するGlu−C
on−Gを表す。
アゴニスト活性を示すCon−G誘導体がポリアミン部
位で作用するというさらなる証拠は、それらのアルカイ
ン(arcaine)(ポリアミン部位の競合インヒビター)
との相互作用により与えられる。Glu−Con−G(12−1
7)に関する結果を図12に示す。図12では、四角は
3H]MK−801結合のGlu−Con−G(12−17)刺激を表
し;三角はGlu−Con−G(12−17)刺激[3H]MK−801
結合における5μMアルカインの影響を表し;そして菱
形はGlu−Con−G(12−17)刺激[3H]MK−801結合に
おける10μMアルカインの影響を表す。
図13は、脳膜調製物へのGlyおよびGlu刺激[3H]MK−
801結合におけるCon−Gの濃度の増加の影響を示す(三
角はCon−G+10μM Gluを表し;菱形はCon−G+10μM
Glyを表し;そして丸はCon−G単独を表す)。理解さ
れ得るように、Con−Gは、Glu刺激において影響を有さ
ず、そして実際、Glu刺激は、Con−G単独により生じた
影響に相加的である。Con−Gは、5μMよりも高い濃
度でGly刺激をわずかに阻害する。[3H]CGP39653を用
いる放射性リガンド結合研究は、Con−Gおよびその誘
導体Ala7がGlu結合部位で作用しないことを確認した。
Con−Gが、Gly部位で競合的インヒビターとして作用
するかを確認するために、膜調製物へのGly刺激[3H]M
K−801結合における10μM Con−Gの影響を測定した。
結果を図14に示す。図14では、三角はGly単独を表し;
四角は10μM Con−Gを有するGlyを示す。Con−Gは、
その効力において顕著な影響を有することなく、適度に
Gly刺激[3H]MK−801結合を約15%阻害する。点線は、
Con−GおよびGlyの組合せが相加的である場合の理論的
結合曲線を示す。図14から理解され得るように、Con−
Gは、競合阻害と一致する様式でGly刺激を阻害しな
い。それ故、Con−Gは、Cly部位の競合性インヒビター
ではないようである。
類似した結果が、誘導体Ala7−Con−Gに関して得ら
れた。Ala7−Con−Gは、[3H]MK−801結合におけるGl
u媒介増大に影響しなかったが、[3H]MK−801結合にお
けるGly媒介増大に拮抗した。Ala7−Con−Gに関する結
果を、Gluateの存在下(三角)または非存在下(丸)で
得、そして図15bに示す。しかし、高濃度では、Con−G
は部分的に(約65%)、そしてAla7−Con−Gは完全
に、Gly(10μM)により生じた[3H]MK−801結合を拮
抗し、それぞれ、513±72(n=3)および858±133nM
(m=3)のIC50値を有した。これらの結果を図15aに
示す。図15aでは、丸はCon−Gを表し;菱形はAla7−Co
n−Gを表し;点線は最大のGly刺激[3H]MK−801結合
を表し;そして破線はベースラインのGly刺激[3H]MK
−801結合を表す。この代表的な実験では、Ala7−Con−
GおよびCon−GのIC50値は、それぞれ、625nMおよび83
5nMである。
30nMの濃度では、Ala7−Con−Gは、スペルミンの濃
度応答曲線をベースライン値に減少させた。ところが、
Gly刺激[3H]MK−801結合は、約20%しか減少しなかっ
た(図16:菱形、Ala7−Con−Gを有しないGly;丸、30nM
Ala7−Con−Gを有するGly)。この実験のGlyのEC50
は、Ala7の存在下および非存在下でそれぞれ、56nMおよ
び58nMであった。この実験を繰り返し、同様の結果を得
た。Gly刺激[3H]MK−801結合を減少させるのに要求さ
れるAly7のIC50値(約500nM)は、スペルミン刺激
3H]MK−801結合を減少させるのに要求されるIC50
(約45nM)の10倍多かった。
Con−GおよびAla7−Con−Gはいずれも、[3H]5,7
−ジクロロキヌレン酸(DCK)(これは、NMDAレセプタ
ー複合体上のストリキニーネ非感受性Gly部位に対する
特異的リガンドである)、[3H]CGS39753(Gluate部位
に特異的な放射性リガンド)、または[3H]イフェンプ
ロジル(Ifrenprodil)(ポリアミン感受性部位に作用
するNMDAアンタゴニスト)の結合に影響しなかった。こ
れらの結果を以下の表IVに要約する。IC50値をμM濃度
で報告する。
対照的に、スペルミン、Gly、およびスペルミン−Gly
−増強による[3H]MK−801結合の増大に対するCon−G
(2.5μMまで)およびAla7−ConG(2.5μMまで)の阻
害性効果は、10μM Gluateの存在下で廃止された。
Ala7−Con−GおよびCon−GによるGly効果の阻害
は、NMDAレセプター複合体上のスペルミン会合部位およ
びGly部位のアロステリック相互作用により生じ得た。
これらの結論と一致して、いくつかの証拠が報告されて
おり、これらは、ポリアミンが、ストリキーニネ非感受
性Gly部位でGlyの見かけ上の親和性を増大することによ
りレセプター応答を増大することを示唆する。従って、
Gly刺激の適度な減少が洗浄脳膜におけるいくらかの残
存内因性ポリアミンのCon−G阻害に寄与し得ると考え
られる。
実施例6:改変らせん状コアを有するCon G誘導体。
巻貝から単離された17アミノ酸Con−Gの構造が、ア
ミノ酸残基7から13にわたる強固ならせん状コアを有す
ることを、NMR、CD、およびIRにより決定した。このら
せん状コアは、2つの可動性末端片である6アミノ酸長
アミノ末端片および4アミノ酸長カルボキシ末端片に隣
接される。アゴニストまたはアンタゴニスト活性のいず
れかを担うペプチドのドメインを決定するため、および
それらの活性に要求される決定基およびアミノ酸を確立
するために、拮抗作用から部分作動作用/拮抗作用を通
じて完全な作動作用までの範囲の完全な活性スペクトル
を有するCon−Gアナログにおける広範な構造活性デー
タを得た。可動性アミノ末端は、NMDAアンタゴニストま
たはこのペプチドのダウンレギュレート活性を担い、一
方、可動性カルボキシ末端は、ポリアミンアゴニスト活
性を担う。所望のレベルの刺激または阻害を有するアゴ
ニスト、部分アゴニスト、またはアンタゴニストを得る
ために、この情報から、所望のレベルのアゴニストまた
はアンタゴニスト活性が、短いペプチドフラグメント中
に設計され得る。
天然のらせん状コアを異なる配列と交換することによ
り、結合および活性測定に深遠な衝撃がもたらされるこ
とが見出された。Con−Gアナログを、アルファヘリッ
クス(配列番号56、「アルファヘリックスConG」)を生
じるか、310ヘリックス(配列番号55、「310ヘリックス
ConG」)を生じるか、またはらせん状構造を妨害するこ
とが知られる化合物を含有するコア(リンカー)を用い
て、設計および合成した。結合親和性ならびにそれらの
アゴニスト/アンタゴニスト活性を測定した。適切なア
ラインメントおよび機能のための間隔を有するには、2
つの可動性末端片が、特定の方向に向き、そしてヘリッ
クスから特定の角度に向けられなければならないことを
見出した。
改変らせん状コアを有するConGアナログを、配列番号
55〜64として表1に示す。配列番号64では、「B」はア
ミノイソ酪酸を表す。アナログの活性を表IIに示す。さ
らに、改変コアの各々の相対的ヘリシティ(helicity)
を、最小らせんから最大らせんまで1〜5のスケールで
表す。ここで、1=不規則、2=1巻き、3=ゆるんだ
アルファヘリックスまたは310ヘリックス、4=水中で
安定なαヘリックス、および5=完全なヘリックスであ
る。
図20は、ConGならびにアナログSer14−ConG、Ala7−C
onG、およびAla7,10,14−ConGの相対的拮抗作用を示す
グラフである。ConGおよびSer14−ConGのみが、全体のN
MDAレセプター刺激のPA部分に拮抗し;他のもの、Ala7
−ConGおよびAla7,10,14−ConGは、NMDAレセプター刺激
のGluおよびGly部分のPA部分に拮抗する。異なるアナロ
グとの拮抗作用活性の測定の結果は、コアまたはリンカ
ーの3次元構造が、発揮される拮抗作用の型に重要であ
ることを説明する。アルファヘリックス状コアは、アナ
ログを、Glu、Gly、およびPA刺激を抑制し得る完全なNM
DAレセプターアンタゴニストとし、一方、310らせん状
コアは、アナログを、NMDAレセプター刺激のPAのみを抑
制し、GluおよびGly部分を抑制しない選択的pAアタゴニ
ストとする。従って、リンカーの長さおよび構造は、活
性に重要であるペプチドの1つの特徴である。リンカー
ヘリックスにおける、1から2程度の少ない巻き数、ま
たは4から5程度の多い巻き数が、活性に十分である。
310ヘリックスは、1巻きあたり約3アミノ酸を含有す
る。アルファヘリックスは、1巻きあたり約3.7アミノ
酸を含有する。
要約すると、このデータは、Con−Gが、NMDAレセプ
ター上の新規および以前には認識されていなかったアロ
ステリック調整/調節部位でのポリアミン刺激結合に対
するアンタゴニストとして作用することを明らかにす
る。
実施例7:cGMP形成の阻害 サイクリックGMPアッセイ 実験をプレートしてから8日後に行った。培養皿を、
マグネシウムを有さない0.5mlのLockの緩衝液(154mM N
aCl、5.6mM KCl、2.3mM CaCl、5.6mMグルコース、8.6mM
HEPES、pH7.4)で2回洗浄した。細胞を、アンタゴニ
ストまたは/およびスペルミンの存在下および非存在下
で、15分間25℃にて同一の培地中でプレインキュベート
した。次いで、細胞をNMDA(100μM)またはカイニン
酸(50μM)の存在下および非存在下で3分間インキュ
ベートした。インキュベーションを、急速な培地の除
去、および引き続く0.2mlの0.4M HClO4の添加により終
結させた。細胞を皿から掻き落とし、そいて超音波処理
した。ポモジネートのアリコートを、KOHで中和し、遠
心分離してKClO4を除去し、そして酢酸でpH 6に調整し
た。サイクリックGMP含量を、市販の放射イムノアッセ
イキット(Biomedical Technologies,Inc.,Stoughton,M
A,U.S.A.)を用いて測定した。結果を、3連のアッセイ
のS.E.M.とともに平均値で表し、そしてデータを、1mg
のタンパク質あたりのサイクリックGMPのピコモルで表
す。
結果 Ala7−Con−Gは、カイニン酸(50μM)媒介効果
(2.5μMまで)を変化させることなく、顆粒細胞の初
代培養物中のサイクリックGMP形成のNMDA刺激による増
大を阻害した。IC50は、同一の条件下でCon−G(IC50
300+30mM、n=5)よりも4倍(p<0.01)高い77±
7.5nM(n=4)であった。結果を図17に示す。この代
表的な実験では、Con−G(四角)およびAla7−Con−G
(丸)は、サイクリックGMPのNMDA(100μM)刺激によ
る増大を阻害し、それぞれ、332nMおよび78nMのIC50
であった(データは、3連の値の平均値±SEMを表
す)。
実施例8:神経毒性に対する保護 神経毒性の評価 小脳顆粒細胞の調製 小脳顆粒細胞の初代培養物を、Galloら、「培養物中
で分化する小脳の顆粒細胞からのグルタメートの選択的
放出」Proc.Nat'l Acad.Sci.USA,29:7010−7023,1982
(これは参考として本明細書に援用される)の方法によ
り、6〜8日齢Sprague−Dawleyラットから調製した。
解離した細胞を、10%ウシ胎児血清(Quality Biologic
al,Inc.,Gaithersburg,MD)、2mM 1−グルタミン、0.1m
g/mlゲンタマイシン、および25mM KClを含有するEagle'
s Basal Medium(Gibco,Grand Inland,N.Y.)に再懸濁
した(残りの細胞培養試薬の全てをSigma,Do.,St.Loui
s,Moから入手した)。細胞を、1.8〜3.8×105細胞/cm2
の密度で、22〜35mmのポリ−L−リジン(10μg/ml)被
覆した皿に播種した。非ニューロン細胞の生育を阻害す
るために、播種してから18〜24時間後にシトシンアラビ
ノシド(10μM)を添加した。この方法により生成され
た培養物は、≧90%の顆粒細胞ニューロンを含有した。
培地は培養期間中に交換しなかった。細胞を、加湿した
95%空気/5%CO2雰囲気中で37℃にてインキュベートし
た。
神経毒性の測定 実験を、9日間培養した細胞を用いて実施した。培養
培地を除去し、そして顆粒細胞を1.5mlのインキュベー
ション緩衝液(160.6mM NaCl、5.6mM KCl、2.3mM CaC
l2、および8.6mM HEPES,pH 7.4−マグネシウムもグルコ
ースも有さないLocke緩衝液)で2回洗浄した。細胞
を、25分間37℃にて1mlの緩衝液でプレインキュベート
した。緩衝液の交換の後、試験化合物を適切な培養物に
添加し、そしてさらに15分間(37℃)インキュベートし
た。緩衝液を再び交換し、そしてGlu(100μM)をCon
−G(0.1〜5μM)、MK−801(10μM)、またはビヒ
クルとともに添加した。30分後、緩衝液を除去し、細胞
を1.5mlの完全なLocke緩衝液(154mM NaCl、5.6mM KC
l、2.3mM CaCl2、5.6mMグルコース、8.6mM HEPES、1〜
0mM MgCl2、pH 7.4)で2回洗浄し、そして細胞を1mlの
培養培地中18〜24時間インキュベートした。細胞死をト
リパンブルーを用いて測定した。細胞死および神経保護
を、以下の式により計算した: %毒性=D/(D+L)×100; %保護=100−(%毒性) ここで「D」は、400×明視野顕微鏡(bright field mi
crosoopy)を用いて3つの異なる無作為の視野中で計数
された死滅細胞の数と等しく、そして「L」は、同一の
3つの視野中の生存細胞の数と等しい。
図18は、Con−Gが、NMDAレセプターのGlu過剰刺激に
より誘導される興奮毒性死(過度のCa++流量に起因す
る)から細胞を保護するのに用いられ得ることを考証し
ている。図18では、小脳顆粒細胞培養物におけるCon−
GおよびMK−801の保護効果を、100μM濃度のGluで誘
導される神経毒性に応じて測定した。Con−G部位にお
けるCon−Gの作用は、興奮毒性死から細胞を実質的に
保護するように、Ca++の流量を減少させるのに十分であ
る。実際、5μM Con−Gで達成される保護は、10μM M
K−801で得られる保護に匹敵する。Con−Gは実際にチ
ャンネルをブロックするわけではないので、チャンネル
ブロック化合物で見られる劇的な長期効果を生じること
は期待されない。従って、ポリアミン部位の応答をアロ
ステリックに調整することにおけるCon−Gの作用は、N
MDAレセプターの全体の応答を調整するように作用す
る。
実施例9:サブタイプ特異的結合の決定 種々の化合物が、新規のCon−G部位またはその一部
に結合する化合物を決定するアッセイに利用され得る。
例えば、いくつかの調製された誘導体は、Con部位のみ
に結合し、一方、他のものはポリアミン部位のみに結合
する。さらに他のものはCon−Gと同様に両方に結合す
る。各群(完全アンタゴニスト、部分アゴニスト、およ
び完全アゴニスト)の代表的な標識された化合物が、類
似した結合特性を有する他の化合物を確認するのに用い
られ得る。
NR1/NR2bサブタイプのポリアミン刺激の阻害 Con−Gは、NMDAレセプターの1つのサブタイプ、NR1
/NR2bサブタイプに特異的であることが見出された。Kut
suwadaら、Nature,358:36−41(1992)(この開示は参
考として本明細書に援用される)に示されるように、NR
2a、NR2b、およびNR2cサブユニット特異的mRNAを、クロ
ーン化cDNAからインビトロで合成し、そしてNR1サブユ
ニット特異的mRNAとともにXenopus卵母細胞に注入し
た。−70mV膜ポテンシャルでの正常カエルRinger溶液で
得られるピーク内部電流は、10μM L−Glu+10μM Gly
および100μM NMDA+10μM Glyに応じて300nAであっ
た。それらは、全ての3つのサブユニット組合せを注入
された卵母細胞とほぼ同じであった。電流振幅は、NR1
サブユニット単独を移植した卵母細胞に関する電流増幅
よりも非常に大きかった。また、NR2サブユニット特異
的mRNA単独を注射した卵母細胞は、検出可能な応答を示
さなかった(<1nA)。
100μMカイニン酸および100μM AMPAはいずれも、NR
1およびNR2サブユニットを注入した卵母細胞の測定可能
な応答を誘起しなかった。ポリアミンの添加は、NR1/NR
2aおよびNR1/NR2cサブユニットを注入した卵母細胞中の
内部電流において効果を有さなかったが、NR1/NR2b形質
転換卵母細胞における振幅を約30%増加させた。このデ
ータは、ポリアミンがNMDAレセプターのNR1/NR2bサブタ
イプに作用するという知見と一致する。Igarashiら、J.
Pharm.Exp.Ther.,272:1101−1109(1995)。
ConGに対する、ヘテロマーのNR1/NR2a、NR1/NR2b、NR
1/NR2c NMDAレセプターサブユニットを注入したポリア
ミン刺激Xenopus卵母細胞の電流応答を調査した。図19
に示したように、スペルミンおよびConGのサブユニット
特異的効果を、−70mMで電位クランプした(voltage−c
lamped)卵母細胞中でL−GluおよびGly(各々10μM)
で電流を誘導し、10μMスペルミンの存在下でNR1/NR2
a、NR1/NR2b、およびNR1/NR2cレセプターを発現させる
ことにより測定した。3μM ConGを、図19の水平方向の
バーにより示される時間の間適用した。3μMのConGの
添加は、NR1/NR2aおよびNR1/NR2cレセプターによる電流
には影響を有さなかったが、NR1/NR2bレセプターサブタ
イプにおけるポリアミン刺激を阻害した。これは、ConG
が、ポリアミン刺激イオン流量を阻害する能力に関する
限りは、第1かつ唯一のポリアミン特異的インヒビター
であることを示す。
従って、ConGならびにそのアナログおよび模倣物は、
神経精神薬理学的障害におけるNMDAレセプターのNR1/NR
2bサブタイプにおけるポリアミンの生理機能および役割
を調査するため、および臨床的に有効な薬物の開発のた
めのプローブとして用いられ得る。改変ペプチドおよび
模倣分子は、予め選択された親和性および活性を有する
ように、そして増強された安定性および生物学的利用能
を有するように設計され得る。
本発明は、Con−Gおよび特定のCon−G誘導体に関し
て記載されてきたが、細部は本発明を限定するように解
釈されるべきではない。むしろ、本発明の開示において
当業者に明らかであり、かつ添付した請求の範囲に示さ
れる本発明の精神および範囲を逸脱することがないよう
な、種々の等価物、改変物、および他の誘導体が包含さ
れる。ここで、本明細書に記載される全ての文献は、参
考として本明細書に援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/566 A61K 37/02 (56)参考文献 国際公開94/7914(WO,A1) J.Biol.Chem.,Vol. 268(23),p.17173−17178 Nurosci.Lett.,Vo l.118(2),p.241−244 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/46 C07K 7/08 C07K 5/10 A61K 38/00 G01N 33/566 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下からなる群より選択される式で表され
    る化合物:
  2. 【請求項2】NMDAレセプターを介するイオンの流量を減
    少するための組成物であって、有効量の請求項1の化合
    物またはその薬学的に受容可能な塩を、患者への投与の
    ための薬学的キャリアと組み合わせて包含する、組成
    物。
  3. 【請求項3】前記化合物またはその薬学的に受容可能な
    塩の有効量が、前記NMDAレセプターを介するイオンの流
    量を減少することによって、該NMDAレセプターの過剰刺
    激から生じる神経精神薬理学的障害を処置する量であ
    る、請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記化合物またはその薬学的に許容可能な
    塩の有効量が、前記NMDAレセプターを介するイオンの流
    量を減少することによって、該NMDAレセプターの過剰刺
    激から生じる気分障害を処置する量である、請求項2に
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記化合物またはその薬学的に受容可能な
    塩の有効量が、前記NMDAレセプターを介するイオンの流
    量を減少することによって、化学的毒性を処置する量で
    ある、請求項2に記載の組成物。
  6. 【請求項6】前記化合物またはその薬学的に受容可能な
    塩の有効量が、前記NMDAレセプターを介するイオンの流
    量を減少することによって、神経変性障害を処置する量
    である、請求項2に記載の組成物。
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