JP4399260B2 - 神経再生ペプチドおよび脳損傷治療におけるその使用方法 - Google Patents

神経再生ペプチドおよび脳損傷治療におけるその使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
背景
発明の分野
本発明は神経細胞遊走、増殖、生存性(survival)および/または神経突起伸長を促進するペプチドを含む組成物、およびそれらのペプチドを使用する方法に関する。より具体的には、本発明はそのようなペプチドの脳損傷および神経変性疾病の治療における使用に関する。
【0002】
関連技術
中程度から重度の外傷性脳損傷(TBI)および巣状虚血症または全身性虚血症は障害の後、短時間で重大な神経細胞損失および脳機能の損失を引き起こし得る。現在、頭部傷害または疾病による損傷の結果として脳に起こる細胞死を阻止するために利用できる治療方法はない。これまでに、神経機能を回復させるために利用できる治療法も存在しない。現在、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病および多発性硬化症のような慢性神経疾病のために利用できる治療法は症状を標的とするのみである。疾病過程に干渉するまたは細胞死を阻止するために現在利用できる薬剤は存在しない。
大脳皮質−皮質下非視床病変は傷害後3〜7日で視床領域内にアポトーシスを引き起こすことが知られている。退行性視床変性は視床におけるアストログリアおよびミクログリアの活性化を伴う(Hermannら、2000)。MRIのような非侵襲性技術により、非視床構造損傷を受けているTBI患者において小さくなった視床体積および増大した脳室−脳比値が明らかにされている(Andersonら、1996)。これらの発見は、退行性誘発神経細胞死についての視床皮質興奮性突出ニューロン(thalamocortical excitatory projection neuron)の高い易損性を示すものであり、従って、損傷または傷害を受けた視床ニューロンの救済の必要性を示すものである。
【0003】
視床内における抑制性神経回路が機能することは、視床内および線条体系内における神経活動の視床内ダウンレギュレーションにとって極めて重要である。ハンチントン病において起こるのと類似の線条体病変を有する動物がGABA-遊離ポリマーマトリックスを視床に移植すると改善された行動結果を示すことが示されている(Rozasら、1996)。線条体内の細胞レベルで、カルビンジン免疫反応性(「カルビンジン-ir」)抑制性ニューロンはアクチビンAの投与によって救済できることが示されている(Hughesら、1999)。
これまでに、胎児線条体インプラントを含む移植のみがハンチントン病動物モデルにおいて運動機能の改善または回復を生じさせている(NakaoとItakura,2000)。ハンチントン病の際に損傷した視床および線条体GABA作動系を回復させることにより行動性の改善が予測できる(Bealら、1986)。
【0004】
発生中の神経系の特徴は前駆細胞の正しい三次元空間的位置への広範な遊走である。これらの遊走は一連の表現型の分化および未成熟ニューロンの脊椎動物脳への再配置を促進する。およそ1兆のニューロンの正確な配線を達成するために、より高等な大脳皮質領域における層状構造の形成のような細胞組織編成の構築が必要である(総説についてはHattenとHeintz、1999を参照せよ)。
遊走神経細胞の動く方向に関する細胞性相関物は単一遊走細胞内の一過性Ca2+変化の頻度および程度であろうが(GomezとSpitzer、1999)、膜結合性分子または拡散性分子による神経細胞遊走の開始の引き金および/または拘束はなお不明である。
しかしながら、神経突起伸長および神経細胞遊走に関与している多くのきっかけが明らかにされている。インテグリンレセプターファミリーに属する原形質膜分子はラミニンのような細胞外マトリックスリガンドと相互作用し、基層へのニューロン接着を開始させる(LiangとCrutcher、1992;De CurtisとReichardt、1993)。インテグリン発現の制御は遺伝子発現制御、細胞接着、神経突起伸長および細胞遊走を含む広範な発生過程および細胞性過程に影響を与える。細胞遊走を促進する他のリガンドは細胞接着分子(すなわち、N-CAM;カドヘリン;TAG-1)、ラミニン様分子ネトリン-1、ニューロン-グリア接着リガンドアストロタクチンおよびEGFのような成長因子または神経栄養因子、TGF-α、血小板活性化因子、およびBDNFである(Doddら、1988;Yamamotoら、1990;Ishiiら、1992;FerriとLevitt、1995;GanzlerとRedies、1995)。
【0005】
最近、コラプシン-1(セマホリン3A)が発見された。コラプシン-1は一次感覚ニューロンについて軸索誘導および遊走パターンにおける化学反発活性を有している(Pasterkampra、2000)。対照的に、コラプシン-1は新皮質領域において皮質先端樹状突起を誘導するための化学誘因因子として作用する(Polleuxら、2000)。軸索誘導に対する類似の化学反発性効果および化学誘引性効果はスリット-1、拡散性タンパク質によっても示される(Broseら、2000)。
現在、神経細胞移動に至るカスケード、すなわち神経細胞の接着、続く遊走開始、方向転換を含む長距離にわたる遊走の過程、および遊走停止シグナルはなお解明が必要である。
TGF-αの同時投与を伴う中脳損傷は脳室下帯(「SVZ」)に由来する多分化能幹細胞の大規模増殖およびそれに続くそれらの子孫細胞の線条体への遊走を生じさせる(Fallonら、2000)。しかしながら、SVZに由来する神経細胞前駆体の長距離遊走をさけるため、病変部位の非常に近傍にある神経細胞の増殖および遊走を活性化することが望ましい。
神経細胞遊走化学誘引物質としてケモカインストロマ-由来因子(SDF-1)を扱った報告が一つだけある。SDF-1の胚性発現パターンは小脳顆粒細胞を引きつけ外部基底層から内部顆粒層へ遊走させる(Zhuら、2002)。しかしながら、このケモカインは出生後の組織には何ら影響を与えない。成人において脳損傷または神経変性性疾病後に神経芽細胞または神経細胞の遊走挙動に直接的な化学誘因効果を有する既知の遊走誘導因子は存在しない。
【0006】
発明の概要
従って、本発明の態様の目的は脳損傷および疾病への新たなアプローチを提供することである。そのような態様には1以上の遊走誘導因子、生存性誘導因子、伸長誘導因子および/または増殖誘導因子を投与して、脳傷害の後にまたは慢性神経変性性疾病の間に受けた組織損傷領域への神経細胞または神経芽細胞の遊走および/または増殖を促進することが含まれる。そのような治療上の改善は1以上のペプチド(本明細書では、神経再生ペプチド「NRP」と称する)を投与することによって達成することができる。NRPには、ホモログ、パラログおよび/またはアナログ(これらを一緒にして「NRP化合物」と呼ぶ)が含まれる。NRP化合物は単独で投与することも、1以上の他のNRP化合物と共に投与することも、神経突起伸長、神経細胞遊走、神経細胞生存性および/または神経細胞増殖を促進する他の型の物質と共に投与することもできる。
一般に、NRPおよび関連ペプチドには分子上に所望の生物学的特性を与えるアミノ酸配列が存在している。
NRPペプチドのいくつかの態様を以下の表1に示す。
【0007】
表1.神経再生ペプチド
【表1】
Figure 0004399260
*:NRP-2:NRP ヒト 13番染色体
NRP-3:NRP ヒト 3番染色体
NRP-4:NRP ヒト 15番染色体
NRP-5:NRP ヒト 7番染色体
NRP-7:NRP マウス フレームシフト
NRP-8:NRP マウス オルソログ 2
【0008】
いくつかの実施態様において、NRPは一般に約8〜約25アミノ酸鎖長を有し、約0.8〜約2.7kDaの分子量を有する。さらに、別の実施態様において、NRPは約6.5〜約10.0の等電点を有し、神経細胞生存性、神経突起伸長、神経細胞増殖および神経細胞遊走から選ばれる効果を促進する少なくとも一つの生物学的特性を有している。さらに、NRPは上記表1中で太字で示される1以上のドメインを有している。いくつかの態様において、NRPは[A]PG[R,S]ドメインをPE-ドメインと組み合わせて有している(例えば、NRP-1およびNRP-2)か、または、PE-ドメインを有せずに[A]PG[R,S]ドメインを有している(例えばNRP-5、NRP-7)。NRP生物学的活性のためには[A]PG[R,S]ドメインが存在することが望ましい。従って、別の実施態様において、NRPは[A]PG[R,S]ドメイン、[A,G]RRドメイン、およびARGドメインからなる群より選ばれる第1のドメインを有し得る。他の実施態様において、望ましくは、NRPは上述の第1のドメインに加えて、その第1のドメインと異なる第2のドメインを有し得る。第2のドメインはPEドメインまたは[A,G]RRドメインであってよい。さらにまたある実施態様において、NRPは上述したものの第3のドメインを有し得る。
従って、ある実施態様において、NRPは[A]PG[R,S]ドメインを単独で有しており、他のNRPはARGドメインを単独で有することができ、さらに他のNRPは[G,A]RRドメインを単独で有し得る。さらに別のNRPは[A]PG[R,S]ドメインおよびPEドメインを有し、更に別のNRPは[A]PG[R,S]ドメインおよび[G,A]RRドメインを有している。さらに別のNRPは[A]PG[R,S]ドメインおよび[A,G]RRドメインおよびPEドメインを有し得る。
【0009】
NRPファミリーのメンバーは少なくともCAAT-ボックスまたはTATA-ボックスまたはその両方をプロモーター領域に含む。
他の側面において、本発明の実施態様は、1以上のNRP、NRPアナログ(構造類似性を有するペプチドを含む)および/またはNRPプロドラッグ(プロ-NRPペプチドを含む)を投与して、神経細胞または神経芽細胞遊走、増殖、生存性および/または神経突起伸長を促進することにより、頭部傷害または慢性神経変性性疾病の結果として損傷を受けた脳の領域を治療する方法を提供する。この治療方法は特に新皮質損傷および脳皮質下領域への傷害を含む中程度から重度の外傷性脳傷害(TBI)を受けた患者に有用であるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
一つの実施態様において、NRP-2はヒト13番染色体上、ゲノムクローンbA87G1(Sanger Sequencing Center)内の相補鎖上塩基対77232-76768番に位置する核酸配列によってコードされる。このペプチドは神経細胞増殖および遊走誘導および神経突起伸長および神経細胞生存性促進活性に関してラットNRP-1と類似の機能を有している。
他の実施態様において、NRP-3は、ヒトゲノム中の3番染色体の相補鎖上塩基対34764-33003番上(ダブルツイストアノテーションによる)に位置する核酸配列によってコードされる。このNRPはまた神経細胞生存性促進および増殖活性、並びに遊走誘導活性および神経突起伸長活性を有している。
さらに別の実施態様において、NRP-4は、NCBIヒトゲノムアノテーション計画によればヒト15番染色体の正方向鎖上の塩基対21970003-21972239番に位置する核酸配列によってコードされる。この核酸配列から翻訳されるペプチドもNRPのヒト遺伝子ファミリーに属する。この配列によってコードされるペプチドは神経突起伸長機能および生存性促進機能、並びに神経細胞遊走および増殖誘導特性を示す。
【0011】
更に別の実施態様は、NCBIアノテーションによればヒト7番染色体の相補鎖上塩基対15047153-14824042番に位置する核酸配列によってコードされるNRP-5を含む。この配列によってコードされるペプチドは神経細胞生存性促進機能、および、増殖誘導活性、神経突起伸長刺激特性および遊走誘導特性を示す。
NRPの別の態様は、染色体6番の相補鎖上の116668725-116667697番領域(NCBIヒトゲノムアノテーション計画による領域)に位置するヒトゲノム由来のDNA配列によってアノテーションされている。得られるペプチドは神経細胞増殖および遊走を誘導し、神経突起伸長および生存を誘導する。
NRPの更なる態様は、げっ歯類に見出されている。一つのマウスNRPはNCBIのarachne_contig 191157(アラクネ_コンティグ191157)内に位置する339核酸からなる核酸配列によって、読み取り枠1を用いてコードされる。重複領域内部において、アノテーションされたNRPの位置29から始まり、読み取り枠3を用いる198核酸からなる第2のORFが存在する。このORFは短縮されたヒトDNA修復タンパク質に高い同一性を有するタンパク質をコードする。生じるペプチドNRP-7は神経細胞増殖および遊走、神経突起伸長および神経細胞生存を誘導する。
更に別の実施態様には、マウスペプチドであって、マウス・サンガー(Sanger)データベースのクローンbM344E9の逆相補鎖上に位置する核酸配列によってコードされるNRP-8が含まれる。タンパク質コード配列は塩基対5609-4052番にアノテーションされ、ここに位置している。このペプチドは神経細胞増殖および遊走、並びに神経突起伸長および神経細胞生存性を増強することができる。
【0012】
別の側面において、本発明は、増殖および遊走誘導活性を評価するin vitroバイオアッセイのための態様を含む。最近まで、長期間にわたってタグ無しの神経細胞の遊走を検出できるin vitro神経細胞遊走アッセイは殆ど無かった。それらのバイオアッセイの一つは、5日間にOTCとして構成された臭覚周辺原基細胞(olfactory peripheric placode cell)を監視するアッセイである(FueshkoとWray、1994)。本発明のある実施態様において、成人視床皮質器官型組織培養「OTC」を用いるin vitroバイオアッセイを用いて、推定NRPを遊走、増殖、生存性および/または神経突起伸長を誘導する能力について評価することができる。これらの実施態様は、以下の理由で特に有用であり得る:1)制御された条件下で、2つの器官を組織培養基質上で物理的に充分に遠くに分離する(約3から約5mm)ことにより、両方の培養器官(例えば、視床と皮質)の間の細胞間橋の形成が回避される;2)視床の個体発生の時間的経過故に、生後には視床内神経細胞遊走は実質的に完結している。従って、これらのバイオアッセイは広範な神経細胞遊走誘導因子のスクリーニングおよび同定に非常に適し得る。
【0013】
in vitroアッセイのある実施態様において、視床皮質OTCアッセイは神経細胞遊走の両方の型、すなわち、皮質内の放射状遊走および視床内の誘導接線方向遊走、を明らかにするという利点を含む。in vitro 制御条件下では、新皮質の個体発生という時間的経過のために、内在性皮質放射遊走のみを観察することができる。
他の実施態様において、基質に接着した小脳微小移植片が関わるin vitroバイオアッセイが提供される。これらの態様は、遊走神経細胞の数および微小移植片に対する遊走距離を定量することを含む、神経細胞遊走パターンに関するデータを提供するために使用することができる。
(抑制性顆粒細胞のような)小さな神経細胞からなる発達中の遊走−鎖および細胞遊走の全体的な増強は培養後わずか2〜3日で観察することができる。このアッセイ結果は、視床皮質OTCにおける細胞鎖誘導に類似している。
【0014】
本発明の別の側面の態様には、神経変性性疾病および脳傷害の治療へのNRPの使用が含まれる。特に、NRPは傷害または疾病領域の近くの静止神経幹細胞を欠く脳領域に使用するために特に適している。
NRP化合物は、出生後の分化した神経組織内において、神経細胞増殖、遊走、生存および神経突起伸長を開始させることができる。これらの特性は、びまん性軸索損傷、低酸素性虚血性脳症および他の形態の頭蓋大脳損傷を含む、中程度から重度のTBIを受けた患者の損傷領域内の神経回路を改善または修復することを目的とした治療計画において利用することができる。NRP化合物は、一般的な細菌性髄膜炎のような神経系の感染を治療するため、および虚血性梗塞、塞栓症、および低血圧性出血(hypotensive haemorrhage)のような出血を含む一般的な卒中の原因の治療に使用することができる。さらに、NRP化合物はアルツハイマー病、レヴィー小体痴呆、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)を含む神経変性性疾病、糖原病を含む神経系の代謝異常、および神経が損傷または破壊されている他の病態の治療に有用であり得る。
本発明を特定の実施態様により記載する。本発明の他の目的、特徴および利点は本明細書および図面により明らかにされるであろう。
【0015】
定義
用語「ホモログ」には、種間(オルソログ)または種内(パラログ)において進化的関連性があるために遺伝子配列が有意に関連している1以上の遺伝子が含まれる。ホモログには、また共通の祖先DNA配列から由来することによって関連する遺伝子も含まれる。また、ホモログには、種分化事象によって分離された遺伝子間の関連性、または遺伝子重複という事象による遺伝子間の関連性が含まれる(パラログを参照せよ)。本明細書においては、用語「ホモログ」には、進化的関連性によって互いに関連した遺伝子産物も含まれる。保存アミノ酸配列ドメインを有するNRPはホモログの例である。
【0016】
用語「パラログ」には、遺伝子重複の結果として互いに分かれた相同遺伝子の組の一つが含まれる。例えば、マウスαグロビンとβグロビン遺伝子はパラログである。本明細書において、用語「パラログ」には、進化的関連性によって互いに関連している遺伝子産物が含まれる。保存アミノ酸配列ドメインを有するヒトNRPはパラログの例である。
用語「オルソログ」には、種分化の結果として互いに分かれた相同遺伝子の組の一つが含まれる。例えば、マウスのαグロビン遺伝子とニワトリのαグロビン遺伝子はオルソログである。本明細書において、用語「オルソログ」には、進化的関連性によって互いに関連している遺伝子産物が含まれる。保存アミノ酸配列ドメインを有するヒトNRPとマウスNRPはホモログの例である。
用語「パラログペプチド」にはパラログヌクレオチド配列によってコードされるペプチドが含まれる。
【0017】
用語「ペプチド」および「タンパク質」にはアミノ酸から構成されるポリマーが含まれる。
用語「プロドラッグ」には、酵素的、代謝的または他のプロセッシングに伴って活性NRP、活性NRPアナログまたはNRPパラログを生じさせる、プロペプチドを含む分子が含まれる。
用語「NRP化合物」には、NRP、NRPホモログ、NRPパラログ、NRPオルソログ、NRPアナログ、およびNRPのプロドラッグが含まれる。
用語「NRP」には、進化的関連性に関わりなく、神経細胞または神経芽細胞遊走、増殖、生存および/または神経突起伸長を含む機能を有する神経再生ペプチドが含まれる。
【0018】
アミノ酸は標準的な記号で表される:アラニンは「A」または「Ala」、アルギニンは「R」または「Arg」、アスパラギンは「N」または「Asn」、アスパラギン酸は「D」または「Asp」、システインは「C」または「Cys」、グルタミン酸は「E」または「Glu」、グルタミンは「Q」または「Gln」、グリシンは「G」または「Gly」、ヒスチジンは「H」または「His」、イソロイシンは「I」または「Ile」、ロイシンは「L」または「Leu」、リジンは「K」または「Lys」、メチオニンは「M」または「Met」、フェニルアラニンは「F」または「Phe」、プロリンは「P」または「Pro」、セリンは「S」または「Ser」、スレオニンは「T」または「Thr」、トリプトファンは「W」または「Trp」、チロシンは「Y」または「Tyr」、およびバリンは「V」または「Val」で表される。
【0019】
核酸は以下で表されるヌクレオチドを含む:「a」で表されるアデニン;「t」で表されるチミン;「c」で表されるシトシン;および「g」で表されるグアニン。グアニンまたはアデニンのいずれかであり得るヌクレオチドは「r」で表され、チミンまたはシトシンのいずれかであり得るヌクレオチドは「y」で表され、グアニン、アデニン、シトシンまたはチミンのいずれかであり得るヌクレオチドは「n」で表される。ポリヌクレオチドはDNAでもRNAでもよく、一本鎖でも二本鎖でもよい。ポリヌクレオチドがRNAポリヌクレオチドである場合は、ウラシル「u」がチミンの代わりとなるであろう。
【0020】
具体的実施態様の記載
本発明の実施態様には、脳損傷を治療するための方法および組成物が含まれ、神経細胞遊走誘導因子、神経突起伸長および増殖促進因子(NRP、NRPアナログおよび/またはNRPプロドラッグ、ヒトおよびマウスパラログを含むNRPパラログによってコードされるペプチド、ホモログおよびオルソログが含まれる)が包含される。
以下は、ラットNRP-1のヌクレオチド配列(配列番号1)およびアミノ酸配列(配列番号2)である:
【0021】
Figure 0004399260
【0022】
しかしながら、遺伝コードの縮退のために、複数のコドンが同じアミノ酸をコードし得る。従って、種々の核酸配列が同じアミノ酸配列をコードし得る。これらの変種のそれぞれは、配列番号2に翻訳され得るものであり、従って、これらの全ての変種は本発明の範囲内に含まれる。例えば、配列番号1に記載の核酸配列を含む複数の核酸配列がラットNRP-1アミノ酸配列をコードする。本発明は、その核酸配列によってコードされるアミノ酸配列を保存する変種、ならびに、ラットNRP-1アナログおよびNRP-1オルソログおよび/またはパラログをコードする核酸配列を含む、配列番号1に記載のヌクレオチド配列の変種を更に含む。単なる例示として、遺伝コードによる配列番号1の変種を以下に列挙する。コドンは隣接コドンとは空白で分離されており、「/」に続く核酸は「/」の前にある核酸のバリエーションである。
【0023】
5' tat/c gat/c cca/t/c/g gag/a gcc/g/a/t gcc/g/a/t tct/a/c/g gcc/g/a/t cca/t/c/g
gga/t/c/g tcg/a/t/c ggg/a/t/c aac/t cct/a/c/g tgc/t cat/c 3'
【0024】
表示したバリエーションを含む上述の配列は上記で定義した文字r、yおよびnを用いて以下の配列を与えることができる:
5' tay gay ccn gar gcn gcn tcn gcn ccn ggn tcn ggn aay ccn tgy cay 3' 配列番号3
他のNRPをコードする他のヌクレオチド配列は遺伝コードの冗長性に従って変動し得ることは言うまでもない。さらに、DNAのみならずRNAも本発明のペプチドをコードすることができ、核酸がRNAである場合は、ウラシルがチミンの代わりとなるであろう。
【0025】
ヒト悪液質(cachexia)cDNA(米国特許第5,834,192号)を鋳型としてヒト遺伝子がアノテーションされた。生存性促進ペプチドは生存性促進ペプチド(Cunninghamら、1998)に96%同一性を有しており、ラットNRP-1は悪液質タンパク質に100%同一性を有し、対応する既知のcDNAをもつ唯一のNRP-1ホモログである。ヒト悪液質タンパク質は12番染色体上、塩基対621841-625428の領域内にあり、5つのエキソンからなっている。悪液質mRNAのスプライシング部位を13番染色体上の同定されたNRPヒトパラログ(サンガーシケンシングセンター−bA87G1:塩基対77232-76768)と比較し、NRP-1ヒトオルソログ(このオルソログは本明細書ではNRP-2という)のコード領域をアノテーションした。NRP-2のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は以下の通りである:
【0026】
配列番号4および5
Figure 0004399260
【0027】
下線を引いたヌクレオチド配列はシグナルペプチドを表す。
12番染色体上のヒト悪液質遺伝子(米国特許第5,834,192号からのcDNA)のパラログ形態の配列を鋳型としたスプライシング部位解析によって予測すると、タンパク質コードDNA配列は4つのエキソンからなる。ゲノムクローンbA87G1の染色体地図は正確なエキソン位置決定のための基礎と考える。エキソン1は、bp 77232-77170番の間に位置する。エキソン2はbp77088-77046番に位置する。エキソン3は、bp77036-76824番の間に位置する。エキソン4は塩基対76778-76768番(この後に停止コドンTAAが続く)に位置する。翻訳されるタンパク質は110アミノ酸からなり、ヒト悪液質タンパク質と長さが同一であり、ヒト悪液質タンパク質に全体として24.5%の同一性を有する。両方のタンパク質の細胞外局在性に関するシグナルペプチド(アミノ酸1〜19)の配列比較により、31.6%の同一性が明らかにされた。重要なことに、成熟(切断)ペプチドの最初の30アミノ酸を比較することにより46.7%のアミノ酸同一性が明らかにされた。さらに、このペプチドはNRP-1と類似の神経細胞遊走、増殖、生存および神経突起伸長活性を有している(図16、17および18を参照せよ)。
【0028】
NRP-1の第2のオルソログがアノテーションされており、これは3番染色体の逆相補鎖上の塩基対34764-33003番に位置する(ダブルツイストヒトゲノムアノテーション計画による領域)ヒトゲノムDNA配列によってコードされている。タンパク質コード配列は以下の位置にある5つのエキソンからなっている:エキソン1:34764-34743;エキソン2:34729-34700;エキソン3:33745-33596;エキソン4:33498-33459;エキソン5:33043-33003。以下に示すように、このヌクレオチド配列(配列番号6)は333個のヌクレオチドを有し、アミノ酸配列(配列番号7;本明細書ではNRP-3という)は111個のアミノ酸を有する。
【0029】
配列番号6および7
9 18 27 36
5' atg aaa ata aat gta tta att aaa tta atg acc aag tca gat
Met Lys Ile Asn Val Leu Ile Lys Leu Met Thr Lys Ser Asp
45 54 63 72 81
tct ttt aaa agc caa gcc agg ggc caa gtt ccc cca ttt cta
Ser Tyr Lys Ser Gln Ala Arg Gly Gln Val Pro Pro Phe Leu
90 99 108 117 126
ggg ggg gtg ggg tgc ccc tgg ttt ttt caa aca agg ttt tgg
Gly Gly Val Gly Cys Pro Trp Phe Phe Gln Thr Arg Phe Trp
135 144 153 162
ggc cat agt ttt gca gtt aaa ctg gcc tcc aac ctt tcc cag
Gly His Ser Phe Ala Val Lys Leu Ala Ser Asn Leu Ser Gln
171 180 189 198 207
gca gag aaa ttg gtc ctt cag caa acc ctt tcc caa aaa ggc
Ala Glu Lys Leu Val Leu Gln Gln Thr Leu Ser Gln Lys Gly
216 225 234 243 252
cta gac gga gca aaa aaa gct gtg ggg gga ctc gga aaa cta
Leu Asp Gly Ala Lys Lys Ala Val Gly Gly Leu Gly Lys Leu
261 270 279 288
gga aaa gat gca gtc gaa gat cta gaa agc gtg ggt aaa gga
Gly Lys Asp Ala Val Glu Asp Leu Glu Ser Val Gly Lys Gly
297 306 315 324 333
gcc gtc cat gac gtt aaa gac gtc ctt gac tca gta cta tag 3' 配列番号:6
Ala Val His Asp Val Lys Asp Val Leu Asp Ser Val Leu *stop 配列番号:7
【0030】
この配列はNRPのヒト遺伝子ファミリーに属し、本明細書ではNRP-3と称する。この配列はヒト悪液質関連タンパク質に50%同一性および62.7%類似性を有する。さらに、このヌクレオチド配列によってコードされるペプチドはNRP-1と類似の特性を有する。
第3のオルソログがアノテーションされ、15番染色体の正方向鎖上の領域21970003-21972239番に位置する(NCBIヒトゲノムアノテーション計画による領域)ヒトゲノムDNA配列に含まれる。タンパク質コード領域は以下の位置にある6つのエキソンからなっている:エキソン1:21970003-21970031;エキソン2:21970515-21970545;エキソン3:21970571-21970644;エキソン4:21970818-21970861;エキソン5:21971526-21971731;エキソン6:21972189-21972239。この配列は145個のアミノ酸をコードする435核酸からなる。このヌクレオチド配列(配列番号8)およびアミノ酸配列(配列番号9;本明細書ではNRP-4という)は以下の通りである:
【0031】
配列番号8および9
9 18 27 36
5’ atg gct gtt gtg tta ctt gca cca ttt ggg gac atc agc cag
Met Ala Val Val Leu Leu Ala Pro Phe Gly Asp Ile Ser Gln
45 54 63 72 81
gaa atc aca aag gtt ggg aca ggg act cca ggg agg gct gag
Glu Ile Thr Lys Val Gly Thr Gly Thr Pro Gly Arg Ala Glu
90 99 108 117 126
gcc ggg ggc cag gtg tct cca tgc ctg gcg gcg tcc tgc agt
Ala Gly Gly Gln Val Ser Pro Cys Leu Ala Ala Ser Cys Ser

135 144 153 162
cag gcc tat ggc gcc atc ttg gct cac tgc aac ctc tgc ctc
Gln Ala Tyr Gly Ala Ile Leu Ala His Cys Asn Leu Cys Leu
171 180 189 198 207
cca ggt tca atg att aaa aaa aag aag aaa ttt ata gtt gaa
Pro Gly Ser Met Ile Lys Lys Lys Lys Lys Phe Ile Val Glu
216 225 234 243 252
ata gaa agt caa cct tta aag tct tac agg gaa aat tct acc
Ile Glu Ser Gln Pro Leu Lys Ser Tyr Arg Glu Asn Ser Thr
261 270 279 288
cat ttt ccc aga cca gtc cta aat ctt atg cga aaa cac tgt
His Phe Pro Arg Gly Val Leu Asn Leu Met Arg Lys His Cys
297 306 315 324 333
ggg gaa aag ggg gaa gaa ggg cct tgt ttc tct ccc aag caa
Gly Glu Lys Gly Glu Glu Gly Pro Cys Phe Ser Pro Lys Gln
342 351 360 369 378
atg ggg gag agg cga gnn tgt ggc gga ggg cta ggg ttg gct
Met Gly Glu Arg Arg XXX Cys Gly Gly Gly Leu Gly Leu Ala
387 396 405 414
cgc gag atc act aat tta aca tcc gct cat ctg ttg gtc ttg
Arg Glu Ile Thr Asn Leu Thr Ser Ala His Leu Leu Val Leu
423 432 435
aat atc agc aac cag tga 3’ 配列番号: 8
Asn Ile Ser Asn Gln *stop 配列番号: 9
【0032】
この配列はNRPのヒト遺伝子ファミリーに属する。この配列はヒト13番染色体上に位置する核酸配列によってコードされるNRPに45%のアミノ酸類似性を有している。トリプレット244-246番(アミノ酸位置82番);トリプレット391-393番(アミノ酸位置131番)およびトリプレット421-423番(アミノ酸位置141番)は潜在的にN-グリコシル部位をコードする。アミノ酸位置118番は、核酸配列中の不確定さのためにxとなっている。このペプチド、NRP-4は、神経細胞増殖促進活性、神経突起伸長および神経細胞生存性促進活性を有する。
【0033】
ラットNRP-1の他のヒトオルソログ(「NRP-5」)はホモサピエンス7番染色体NCBIデータベースの作業草案(NCBI:ref/NT_007933.9/Hs7_8090)の逆相補鎖上に位置するDNA配列によってコードされる。タンパク質コード配列がアノテーションされており、この配列は3つのエキソンからなり、266個のアミノ酸をコードする全長798核酸からなっている。タンパク質コードエキソンの正確な位置は以下の通りである:エキソン1:15047153-15046815;エキソン2:14897885-14897772;エキソン3:14824386-14824042。ヒトEST(GenBank AW138864)から、mRNAが発現されているという証拠がある。このヌクレオチド配列(配列番号10)およびアミノ酸配列(配列番号11;NRP-5)は以下の通りである:
【0034】
配列番号10および11
Figure 0004399260
Figure 0004399260
【0035】
NRP-5タンパク質全体は266個のアミノ酸からなる。
アノテーションした翻訳NRPアミノ酸配列NRP-5は3番染色体上にあるヒトカルシウム依存性分泌活性化因子タンパク質(GenBank XP_036915)に76%類似性を有している。さらに、翻訳されたヒト7番染色体NRP-5のエキソン1(339核酸)は翻訳されたマウス5' EST(RIKEN BB632392)に95.5%ホモロジーを有している。このタンパク質は、NRP-1および他のNRPに存在する、神経突起伸長、神経性存、神経細胞増殖および神経細胞遊走という生物学的特性を示すドメインを共通にする。
我々は、6番染色体の逆相補鎖上の領域116668725-116667697番に位置する(NCBIヒトゲノムアノテーション計画による領域)ヒトゲノムのDNA配列をアノテーションしている。タンパク質コード配列は以下の位置にある3つのエキソンからなっている:エキソン1:116668725-116668697;エキソン2:116668333-116668305;エキソン3:116667872-116667697。この配列は、本明細書ではNRP-6と称するが、78個のアミノ酸をコードする234核酸からなっている。この配列はNRPのヒト遺伝子ファミリーに属する。ヒトESTに対して見出された最も高いホモロジーは、ヒト胎盤組織から単離されたヒトcDNAクローンGenBank CS0DK001Y119に比較した場合の核酸59-234番からの同一性を示している。このクローンをその3'プライミング末端からシーケンシングすると、924核酸からなっていた。我々のホモログは234核酸の後の停止コドンTGAが末端を形成しているため、この遺伝子産物を扱っていない。NRPをコードするヌクレオチド配列(配列番号12)および、ペプチドのアミノ酸配列(配列番号13;NRP-6)は以下の通りである:
【0036】
配列番号12および13
Figure 0004399260
【0037】
NRP-6のアミノ酸配列は、アノテーションされたヒト13番染色体上のNRPパラログ、NRP-2と14.1%同一性、および44.9%類似性を有している。このタンパク質は、NRP-1および他のNRP(例えば、NRP2-5)に存在する、神経突起伸長、神経細胞生存性、神経細胞増殖および神経細胞遊走という生物学的特性を示すドメインを共通にする。
さらに、他のNRP-1オルソログ、マウスNRPファミリーメンバーが同定されている。マウスNRPファミリーメンバー(本明細書ではタンパク質2、配列番号17として示され、NRP-7と称する)はNCBIのarachne contig_191157内に位置し339核酸からなり、読み取り枠1を使用する。重複領域内に、アノテーションされたNRPパラログの位置29から開始し、読み取り枠3を使用する198核酸の第2のORFが存在する。このORFは短縮されたヒトDNA修復タンパク質に高い同一性を有するタンパク質(本明細書では、タンパク質1と称する)をコードする。検索プログラムtBLASTNと生物学的に活性なNRPペプチド配列KDPEARRAPGSLHPCLAASCSAAG(配列番号18)を用いてマウスEST RIKENデータベース中にblastヒットを得た。この5'-生成マウスESTはアクセッション番号GenBank AK012518を有し、以下の配列を有している(配列番号14):
【0038】
Figure 0004399260
【0039】
タンパク質1 読み取り枠3
オープンリーディングフレーム3(ESTの位置13から開始する、198核酸のORF)の翻訳により、以下のタンパク質配列が明らかになる(配列番号15):
【0040】
Figure 0004399260
【0041】
この配列はGenBankアクセッション番号Q13686のヒトアルキル化DNA修復タンパク質のアミノ酸配列に82%のホモロジー(同一性および化学的類似性)を有する。マウス型はC-末端が短縮されており、ヒトDNA修復タンパク質の389アミノ酸の僅か66個しかない。
【0042】
タンパク質2 読み取り枠1
EST配列の枠1内に更に長い323核酸のORFを見出すことができる。我々は次に、マウスゲノム中のこの323核酸ORFの5'末端をアノテーションし、NCBIデータベースのマウスarachne_contig 191157配列中、23970-24374番に新たな遺伝子が位置することを見出した。タンパク質コード配列は113個のアミノ酸をコードする、全体で339の長さの核酸を有する2つのエキソンからなっている。エキソン1の位置は23970-23990番であり、エキソン2については24057-24374番である。ラットNRP-1のこのマウスNRPオルソログのヌクレオチド配列(配列番号16)およびアミノ酸配列(配列番号17;NRP-7)は以下の通りである:
【0043】
配列番号16および17
Figure 0004399260
【0044】
NRP-9の発現されるアミノ酸配列は全体で113個のアミノ酸を含んでいる。
タンパク質機能プログラムツールSMARTは、28アミノ酸からなるシグナルペプチド配列を予測する。このタンパク質はヒト13番染色体上のNRPオルソログに対して13.6%同一性および23.6%類似性を有し、NRP-1に類似した神経細胞生存性、遊走、増殖および伸長活性を有する。
【0045】
第2のマウスNRPファミリーメンバーはマウスサンガーデータベースのbM344E9ゲノムクローン内の逆相補鎖上に位置する。検索プログラムtBLASTNを生物学的に活性なNRPペプチド配列KDPEARRAPGSLHPCLAASCSAAG(配列番号18)と共に用いて、我々は、マウスサンガーゲノムデータベース中、ゲノムクローンbM344E9内に類似性を有する領域を得た。タンパク質コード配列がアノテーションされており、5つのエキソンからなり、141個のアミノ酸をコードする、全体で423の長さの核酸からなっている。コードエキソンの位置は以下の通りである:エキソン1:5609-5596;エキソン2:5502-5489;エキソン3:5398-5283;エキソン4:5243-5229;エキソン5:5215-4952。ラットNRP-1のマウスオルソログ(本明細書ではNRP-8と称する)のコードヌクレオチド配列(配列番号19)およびアミノ酸配列(配列番号20)は以下の通りである:
【0046】
配列番号19および20
Figure 0004399260
【0047】
NRP-8の発現されるアミノ酸配列は141個のアミノ酸残基を含んでいる。
位置112-114のアスパラギン残基は、N-グリコシル化共通配列が存在するので、グリコシル化されていると推定される。新たなマウスNRP-1オルソログNRP-8は13番染色体上に位置するヒトNRPオルソログ(NRP-2)に対して35.5%ホモロジーを有し、NCBIのarachne contig上に位置するマウスNRP-1に対して28.9%ホモロジーを有している。さらに、このペプチドはNRP-1または他のNRPペプチドに存在するアミノ酸配列ドメインと類似のドメインを含んでおり、このペプチドは神経細胞遊走、増殖、生存および/または神経突起伸長を含む生物学的特性を有している。
【0048】
上述したNRP化合物に加えて、我々はNRP-様ペプチドドメインを有する他の遺伝子を同定しており、これらもNRPを発現させるために有用であり得る。これらには、マイコバクテリアおよび腫瘍細胞からの遺伝子が含まれる。最近公表された論文には、我々が提示している配列(PGR/S)に類似した共通配列(PE_PGRS)を含むマイコバクテリウム・ツベルキュロシス(結核菌)のPEマルチジーンファミリーが開示されている。彼らはまた、これらのタンパク質はこの微生物により宿主中で放出され、細菌生存性を促進すると述べている。以下は、彼らが論文中で提示している、PE_PGRSコンセンサス配列が見出された例である:
【0049】
M.ツベルキュロシスのRv1818c遺伝子産物のアミノ酸配列(配列番号21)
Figure 0004399260
【0050】
エプスタイン-バールウイルス核抗原1のアミノ酸配列(配列番号22)
Figure 0004399260
【0051】
Brennan、M.J.とDelogu, G., (2002)より。PEマルチジーンファミリー:マイコバクテリアに関する「分子マントラ」(The PE multigene family: a “molecular mantra” for mycobacteria), Trends in Microbiology 5:246-249。
【0052】
NRP-1〜NRP-10の全配列を使用する必要がないことは理解できるであろう。そうではなく、約8アミノ酸のペプチド断片を本発明に従って使用することができる。本明細書において同定されたコンセンサス配列領域が与えられたならば、合成ペプチドを作製、または天然に存在するNRPを短縮して生物学的に活性なペプチドの部分を得ることができる。発現されるペプチドの短縮の方法(例えば、合成DNAを使用する)または酵素的修飾方法はこの分野で知られたものである。
【0053】
NRP化合物の使用
従って、本発明はNRP、NRP-1によってコードされるペプチド、NRP-1のホモログ、オルソログまたはパラログ、およびNRP-1のプロドラッグ(NRP-1のプロドラッグとは酵素的、代謝的または他の方法で改変されてNRP-1、NRPホモログ、NRPパラログ、NRPオルソログまたはNRPアナログとなる分子である)に関する実施態様を含む。そのような分子を、総称して「NRP化合物」と称する。NRP化合物はヌクレオチド配列(DNAであってもRNAであってもよく、一本鎖であっても二本鎖であってもよい)によってコードされるであろう。本発明は本出願に記載の配列自体のみならずその相補配列も含むことは言うまでもない。
上記で示したように、本発明の実施態様は、NRP-1および関連NRPが神経細胞および神経芽細胞の増殖および遊走を誘導し得るという驚くべき発見を発明者らがしたことに基づいている。急性脳傷害または慢性神経変性性疾病によって生じた損傷領域への神経細胞の遊走および増殖は、神経機能の改善を生じ得る。従って、NRP化合物は脳組織が変性したまたは死んでいる種々の疾患または状態を治療するために使用することができる。
【0054】
NRPで治療し得る疾患または状態
NRP化合物が有益である疾患または状態には以下が含まれる:
細菌感染、真菌感染、スピロヘーター感染、寄生虫感染および発熱性感染を含むサルコイド、急性細菌性髄膜炎、軟膜炎を含む中枢神経系の感染;
卒中、虚血性卒中、アテローム硬化性血栓症、ラクネス(lacunes)、塞栓症、高血圧性出血、破裂性大動脈瘤、血管奇形、一過性脳虚血発作、頭蓋内出血、自然クモ膜下出血、高血圧性脳障害、脳動脈の炎症性疾患、例えば心不全(冠動脈バイパス手術によって生じ得る)によって生じる灌流低下および他の形態の脳血管疾患を含む脳血管疾患;
頭蓋底骨折および脳神経損傷、頚動脈-海綿静脈洞フィステル、気脳症、気瘤および鼻漏、脳挫傷、外傷性脳内出血、子供の急性脳腫脹、を含む頭部外傷;
視神経脊髄炎、急性播種性脳脊髄炎、急性および亜急性壊死性出血性脳炎、シルダー汎発性脳硬化症、および末梢神経疾患を伴う多発性硬化症を含む脱髄性疾患;
【0055】
1以上の進行性痴呆症候群、汎発性脳萎縮、非アルツハイマー型汎発性脳皮質萎縮、レーヴィ小体痴呆疾患、ピック病、前頭側頭骨痴呆疾患(frontotemporal dementia)、視床変性、非ハンチントン病型舞踏病および痴呆、皮質脊髄変性(ヤコブ)、痴呆-パーキンソン-筋萎縮性側索硬化複合症(Guamaninaその他)を含む神経系変性疾病;
1以上の錯乱、知覚麻痺または昏睡-虚血-低酸素症、低血糖症、高血糖症、高炭酸ガス血症、肝不全およびライ症候群の1以上を含む症候群として表される代謝疾病、進行性錐体外路症候群として表される代謝疾病、小脳性失調症、異常高熱、セリアック病として表される代謝疾病、クッシング病およびステロイド性脳障害、甲状腺性精神病(thyroid psychosis)および甲状腺機能低下、膵性脳障害を含む、精神病または痴呆を生じさせる代謝疾病、を含む、神経系の後天性代謝異常;
【0056】
栄養失調による神経系の疾患;
アルコールおよびアルコール依存症;
オピエートおよび合成鎮痛剤、催眠鎮静薬、興奮剤、向精神薬、バクテリアトキシン、植物毒、毒牙および毒針、重金属、工業的毒物、抗腫瘍性および免疫抑制物質、サリドマイド、アミノグリコシド抗生物質(聴覚毒性)およびペニシリン誘導体(発作)、心臓保護薬(β遮断剤、ジギタリス誘導体およびアミオダロン)を含む薬剤および他の化学物質による神経系異常。
【0057】
上記リストによって例示されるように、本発明の組成物および方法はヒト神経損傷および疾病の治療用途を見出すことができる。より一般的には、本発明の組成物および方法は急性脳障害の結果として神経損傷を受けたヒト患者の治療に用途が見出され、これには、汎発性軸索損傷、分娩時低酸素性損傷、外傷性脳損傷、卒中、虚血性梗塞、塞栓症、および高血圧性出血;CNSトキシンへの曝露、細菌性髄膜炎のような中枢神経系の感染;低酸素-虚血性脳障害、末梢神経障害を伴うような代謝疾病および糖原病が含まれるがこれらに限定されず、または、慢性神経損傷または神経変性性疾病の患者の治療に用途が見出され、それらには多発性硬化症、レーヴィス小体痴呆症、アルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病が含まれるが、これらに限定されない。
そのような疾病にかかったまたは損傷を受けた患者は神経細胞増殖および遊走、ならびに神経突起伸長を開始させることのできる治療プロトコルによって大きな利益を受けるであろう。
【0058】
さらに一般的には、本発明は、外傷、トキシン曝露、呼吸停止または低酸素-虚血の形態の傷害に伴う損傷領域への神経細胞および神経芽細胞の遊走の誘導に応用できる。
NRP-1、そのオルソログ、アナログ、パラログ、および同定したNRPペプチドドメインを含むプロドラッグを含むNRP化合物は神経細胞および神経芽細胞遊走を促進するために使用することができる。最も簡便には、これはNRP化合物を患者に直接投与することによって達成することができる。
しかしながら、NRPは有利に使用できるが、NRP化合物の他の形態の投与を排除する意図はない。例えば、NRPのヒトパラログ形態またはペプチド断片をNRPの代わりに投与することができる。例として、NRPのCNSにおける効果的量は、NRPおよび担体を含むNRPのプロドラッグ形態の投与によって増大させることができる。ここで、NRPと担体は患者内で切断または消化されやすい結合によって連結されている。投与後、切断または消化されてNRPを遊離するどのような適切な結合も使用することができる。
【0059】
他の適切な治療方法は、NRPまたはそのアナログ、パラログまたはNRPのプロペプチドを患者の中枢神経系内で活性な形態で発現し得る細胞、またはそのような細胞を含むインプラントを介してNRPレベルを増大させることである。
NRPは医薬または医薬調製物の一部として投与することができる。このことは、NRP化合物をいずれかの製薬的に適切な担体、アジュバントまたは賦形剤と合わせることを含み得る。さらに、NRP化合物は他の非-NRP神経保護剤、増殖剤または他の薬剤と共に用いることができる。通常、担体、アジュバントまたは賦形剤の選択はもちろん使用する投与経路に依存するであろう。
投与経路は広範に変えることができる。NRPは種々の方法で投与することができる;腹腔内投与、静脈投与、または脳室内投与。末梢適用は、その場合、中枢神経系との直接干渉がないので選択方法の一つである。
この技術分野で知られたどのような末梢投与経路も使用することができる。これらには、非経口経路、例えば、末梢循環系への注射、皮下投与、眼窩内投与、眼科投与、脊髄内投与、大槽内投与、局所投与、フュージョン(例えば、徐放性装置または浸透圧ポンプのようなミニポンプ、または皮膚パッチを使用する)、インプラント、エアロゾル、吸入、乱刺、腹腔内投与、嚢内投与、筋肉内投与、鼻内投与、経口投与、口腔内投与、肺投与、直腸投与または腟内投与が含まれる。本組成物はヒトまたは他の哺乳動物への非経口投与用に、上述の神経疾病の治療法を提供するために治療上効果的な量(例えば、患者の病的状態を除去または低下させる量)で製剤することができる。
投与の一つの経路には皮下注射(たとえば、0.9%塩化ナトリウムに溶解する)および経口投与(たとえばカプセルで)が含まれる。
時にはNRP化合物を患者のCNSに直接投与することが望ましいことがあるのも理解されるであろう。これはどのような適切な直接投与経路によっても達成することができる。この例には、側脳室注射(lateral cerebroventricular injection)または患者の脳の側脳室へ外科的に挿入されたシャントを介した投与が含まれる。
【0060】
NRPの投与量の決定
投与すべきNRPの効果的な量の決定は当業者の能力範囲内であり、当業者にとって日常的なことであろう。ある実施態様において、使用すべきNRPの量は本明細書に記載したアッセイシステムを用いたin vitro研究によって評価することができる。投与すべきNRPの最終量は投与経路、使用するNRPおよび治療すべき神経学的疾患または状態に依存するであろう。たとえば、適切な用量は、体重100gあたりNRP-1約0.01mg〜約1mgであろう。あるいは、中枢に投与する場合には体重100gあたり約0.06μg〜約0.6mgのNRP-1であろう。
医薬に含めるために、NRPはメリーフィールドらの段階的固相合成法(J. Am. Chem. Soc.14:2149-2154)のような通常の方法によって直接合成することができる。ペプチド合成のそのような方法はこの分野で知られており、たとえば、FieldsとColowick、1997、Solid Peptide Synthesis (Methods in Enzymology, vol. 289), Academic Press, San Diego, CA.に記載されている。あるいは、合成はApplied Biosystemsモデル430Aのような商業的に入手可能なペプチド合成機の使用を含んでもよい。
【0061】
一般的な計画として、一用量あたり非経口的に投与されるNRP-1の全体の薬理学上効果的な量は用量応答曲線によって測ることができる範囲内であろう。一つの範囲は、体重100gあたり約0.06mg〜0.6mgである。たとえば、投与量を決定するために治療すべき哺乳動物の体液中で血液中のNRP-1を測定することができる。あるいは、患者へNRP-1の投与量を増加させながら投与してNRP-1について患者の血清濃度を調べることができる。使用すべきNRP-1の量はNRP-1のこれらの血清濃度に基づいてモルベースで計算することができる。
具体的には、化合物の適切な投与量を決定するための一つの方法は体液または血液のような生物学的流体中のNRP濃度を測定することを必要とする。そのような濃度を測定することはRIAおよびELISAを含むどのような方法によっても行うことができる。NRP濃度の測定後、この流体を単一用量または複数用量を用いて化合物と接触させる。この接触工程後、流体中のNRP濃度を再測定する。流体中のNRP濃度が、この分子の投与目的である所望の効果を生じるに十分な量だけ低下しているのであれば、最大効果を生じるようにこの分子の投与量を調整することができる。この方法はin vitroまたはin vivoで行うことができる。この方法はin vivoで行うことができ、たとえば、流体を哺乳動物から抜き出し、NRP濃度を測定し、本明細書記載の化合物を単一用量または複数用量を用いて哺乳動物に投与し(すなわち、接触工程は哺乳動物への投与によって行われる)、次にその哺乳動物から抜き出した体液からNRP濃度を測定する。
【0062】
NRP化合物は持続放出系によって適切に投与される。持続性放出組成物の適切な例には成型品形態、たとえばフィルムまたは微小カプセル形態の半透過性ポリマーマトリックスが含まれる。持続性マトリックスにはポリ乳酸(米国特許第3,773,919号;EP 58,481)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langerら、1981)、エチレンビニルアセテート(Langerら、既出)、またはポリD-(-)-3-ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が含まれる。持続性放出組成物には、リポソーム関連化合物も含まれる。本化合物を含むリポソームは、DE3,218,121;Hwangら1980;EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143,949;EP142,641;日本特許出願83-118008;米国特許第4,485,045号および第4,544,545号;EP 102,324に例示されるように当業者によく知られた方法によって調製される。ある実施態様において、リポソームは小さな(約200から800オングストローム)単一ラメラ型であって、脂質含量が約30モルパーセントコレステロールよりも高い。選択する割合はもっとも効率的な治療のために調整される。前述した、また後述する、本明細書で参照する全ての米国特許はその全体が参照により本明細書に取り込まれるものとする。
たとえば、1995年11月30日に発行されたWO 95/32003に記載された結合技術に基づいて、非PEG化ペプチドに比べて長い寿命を有するPEG化ペプチドも使用することができる。
【0063】
非経口投与については、投与量は体重100gに対して約0.01〜約1mg、あるいは体重100gあたり約0.06μg〜0.6mgのNRP化合物である。ある実施態様において、化合物は一般に所望の純度にてそれぞれを製薬的にまたは非経口的に許容できる担体(すなわち、使用する用量および濃度で受容者に対して毒性がなく、製剤の他の成分と共存可能なもの)と混合することにより、注射可能な用量単位形態(溶液、懸濁液、または乳濁液)で製剤化することができる。たとえば、この製剤は酸化剤、およびポリペプチドに有害であることが知られている他の化合物を含まないことが好ましい。上述の用量は限定的なものではないことは理解できるであろう。当業者は上記の範囲の外側の用量も決定することができる。
ある実施態様において、製剤は化合物を液体担体または細かくした固体担体またはその両方と均一かつ十分に接触させることにより調製することができる。次に、所望であれば、この生成物を所望の製剤に成形することができる。ある実施態様において、担体は非経口的担体であるか、あるいは、受容者の血液と等張な溶液である。そのような担体ビヒクルの例には、水、生理食塩水、リンゲル溶液、緩衝溶液、デキストロース溶液が含まれる。不揮発性油、やエチルオレエートのような非水性ビヒクルも有用である。
【0064】
適切にはこの担体は等張性および化学的安定性を増強する物質のような少量の添加物を含む。そのような材料は望ましくは使用する用量および濃度で受容者に対して非毒性であり、その例としては、リン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸および他の有機酸またはそれらの塩、アスコルビン酸のような抗酸化剤、低分子量ポリペプチド(約10残基未満)、たとえばポリアルギニンまたはトリペプチド、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンのようなタンパク質、ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジンまたはアルギニンのようなアミノ酸、単糖、二糖、および、セルロースまたはその誘導体を含む他の炭水化物、グルコース、マンノース、トレハロースまたはデキストリン、EDTAのようなキレート剤、マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール、ナトリウムのような対向イオン、ポリソルベートポキサマー、またはポリエチレングリコール(PEG)のような非イオン性界面活性剤、および/または中性の塩、たとえばNaCl、KCl、MgCl2、CaCl2等が揚げられる。
NRP化合物は望ましくはpH約4.5〜約8にてこのようなビヒクル中に製剤化される。前述の賦形剤、担体または安定化剤のいくつかの使用は化合物の塩を形成させるであろうことは理解されるであろう。最終調製物は安定な液体または凍結乾燥固体であってよい。
【0065】
他の実施態様において、アジュバントを使用することができる。錠剤、カプセルその他に含めることができる典型的なアジュバントはアカシア、コーンスターチまたはゼラチンのようなバインダー、微結晶セルロースのような賦形剤、コーンスターチまたはアルギン酸のような崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、スクロースまたはラクトースのような甘味剤;ペパーミント、ウインターグリーン、チェリーのような香料添加物である。投与形態がカプセルである場合、上述の材料に加えて、脂肪油のような液体担体を含んでもよい。種々の型の他の材料も投与単位の物理的形態の被覆剤または修飾剤として使用することができる。シロップまたはエリキシルは活性化合物、スクロースのような甘味料、プロピルパラベンのような保存剤、着色料、およびチェリーのような香料を含んでよい。注射用の滅菌組成物は通常の製薬法に従って製剤化することができる。たとえば、水またはゴマ油、ピーナッツ油または綿油のような天然の植物油、あるいはエチルオレエートその他の合成脂肪ビヒクルのようなビヒクル中の活性化合物の溶解液または分散液が望ましい。バッファー、保存剤、抗酸化剤、その他を許容できる製薬法に従って取り込ませることができる。
【0066】
望ましくは、治療的投与のためのNRP化合物は滅菌されるであろう。滅菌はフィルター膜(たとえば、約0.2ミクロンの孔サイズ)を通してろ過することにより容易に行うことができる。治療組成物は一般に滅菌アクセス端子を有する容器中、たとえば、経静脈溶液バッグ、または皮下注射針で刺すことのできる栓を有するバイアル中に置くことができる。
他の実施態様において、NRP化合物は単位用量または複数用量の容器中、例えば、密封したアンプルまたはバイアル中に、水溶液または再構成用の凍結乾燥製剤として保存することができる。凍結乾燥製剤の例として、10mlバイアルを5mlの滅菌ろ過した化合物の0.01%(w/v)水溶液で満たし、得られた混合物を凍結乾燥する。インフュージョン溶液は凍結乾燥した化合物を静菌水または他の適切な溶媒を用いて再構成することにより調製することができる。
【0067】
遺伝子治療
本発明の別の実施態様において治療方法はNRP化合物をコードする核酸を用いた、生物を治療するための遺伝子治療を含む。一般に、遺伝子治療は生物体内のNRPレベルを増加(または過剰発現)させるために利用することができる。ヌクレオチド配列の例には配列番号1、3、4、6、8、10、12、14、16または19、またはNRPの共通ドメインおよび生物学的特性を有するペプチドをコードするそれらの部分が含まれる。切断されると生物学的に活性なNRPを生じ得るプロ-NRPをコードするために他の配列を使用することができるのは言うまでもない。
NRPをコードする配列で生物体をトランスフェクションするためにどの適切なアプローチを利用することもできる。例えば、in vivoおよびex vivoの方法を使用することができる。in vivoデリバリーのため、核酸は単独またはベクター、リポソーム、沈殿物等と共に生物体、例えばヒトに直接注射することができ、ある実施態様では、NRP化合物の発現が望まれる部位にそれらが注射される。ex vivo治療については、生物体の細胞が取り出され、核酸がそれらの細胞に導入され、改変されたそれらの細胞がその生物体に直接に投与され、または、多孔膜内に包埋されて患者に移植される(例えば米国特許第4,892,538号、および第5,283,187号を参照せよ。)。
【0068】
核酸を生きた細胞に導入するために利用できる種々の技術がある。これらの技術は核酸がin vitroで培養細胞に導入されるか、意図した宿主の細胞にin vivoで導入されるかに依存して変動する。in vitroで哺乳動物細胞に核酸を導入するために適した技術には、リポソームの使用、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE-デキストラン、リン酸カルシウム沈殿法等が含まれる。遺伝子のex vivoデリバリーのために一般に使用されるベクターはレトロウイルスである。
ある実施態様において、in vivo核酸導入技術にはウイルスベクター(たとえば、アデノウイルス、I型ヘルペス単純ウイルス、またはアデノ随伴ウイルス)によるトランスフェクションおよび脂質を基礎とする系(脂質媒介遺伝子導入のための有用な脂質は、たとえば、N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウム(DOTMA)、ジオレオイルファチジルエタノールアミン(DOPE)、および3-β[N-(N'、N'-ジメチルアミノエタン)カルボモイル]コレステロール(DC-Chol)である)が含まれる。
【0069】
ある状況では、核酸含有ベクターを標的細胞へ向ける因子とともにその核酸源を供給することが望ましいかもしれない。そのような「標的化」分子には、標的細胞の細胞表面膜タンパク質に特異的な抗体、標的細胞上のレセプターに対するリガンド等が含まれる。リポソームを使用する場合、標的化および/または取り込みを容易にするために、エンドサイトーシスと関連した細胞表面膜タンパク質に結合するタンパク質を使用することができる。そのようなタンパク質の例には、特定の細胞型にトロピック(tropic)なキャプシドタンパク質またはその断片、循環してインターナリゼーションを受けるタンパク質に対する抗体、細胞内局在性を狙ったタンパク質および細胞内半減期を増強するタンパク質が含まれる。他の実施態様において、レセプター媒介エンドサイトーシスを利用することができる。そのような方法は、たとえば、Wuら、1987またはWagnerら、1990に記載されている。現在知られている遺伝子マーキングおよび遺伝子治療プロトコルの総説については、Anderson 1992を参照されたし。また、WO 93/25673およびそれに引用されている文献も参照されたい。
キットも本発明の範囲内にあることが意図されている。典型的なキットは1以上のNRP化合物を製薬的に許容できるバッファー中にNRPを含むNRP製剤のための容器、ある態様ではバイアル、および、使用者がその医薬製剤を利用するための指示をした製品挿入物またはラベルのような説明書を含むことができる。
【0070】
実施例
以下の実施例は本発明のある実施態様を説明するために提供されるものである。他の実施態様も考えることができ、それらがなお本発明の範囲内であることは容易に理解されるであろう。これらの全ての態様は本発明の一部であると考えられる。
【0071】
実施例1 ヒトおよびマウスNRPの同定
バイオインフォマティックツールを用いて、ヒト、ラットおよびマウスゲノム中にNRPを同定した。これらの新規なNRP遺伝子は以下の方法によりアノテーションした。
鋳型としてラットNRP-1の16アミノ酸を用いてBLASTP検索を行った。我々はラットNRP-1に100%同一性を有する配列、ヒト悪液質関連タンパク質を見いだした。ヒト悪液質関連タンパク質のcDNAはヒト12番染色体上に位置する5つのエキソンによってコードされている。ラットNRP-1とヒト悪液質タンパク質の一部との同一性の故に、NRPオルソログの新たなアノテーションをこれらの5つのエキソンに並べて配置した。ヒトNCBI-データベースに対するtBlastN検索により13番染色体上に321核酸のそれまで未知であったオープンリーディングフレーム(ORF)が明らかになった。この配列はアミノ酸1-30(シグナル配列のない悪液質タンパク質)を有する、悪液質関連タンパク質断片に顕著なホモロジーを有するペプチドをコードしている。これらの方法を用いてマウスNRPオルソログのみならず他のヒトNRPオルソログも同定した。
【0072】
タンパク質または核酸配列のマルチアラインメントまたはペアアラインメントのためのプログラム、ClustalWを用いてアラインメント解析を行った。ヒト13番染色体上に新たにアノテーションされたNRP遺伝子(NRP-2:配列番号4)のタンパク質コードエキソンを明らかにするために、悪液質タンパク質のタンパク質コードヌクレオチド配列を13番染色体のORF付近の領域と比較した。悪液質DNAの非コード5'領域を用いてNRPオルソログのエキソン1を決定した。他のヒトおよびマウスNRPをアノテーションするため、アミノ酸配列のアラインメントを行った。用語「アノテーション」には、タンパク質コード情報を含むDNA配列、新たなエキソンを生成するスプライシング部位を同定するための処理、および、所望の特性または他の特性を有するNRPを同定するために適切なペプチドまたはタンパク質ドメインの存在および構造(具体的なアミノ酸を含む)を予測するための処理が含まれる。
【0073】
プロセッシングされていないRNA(プレ-mRNA)中の5'および3'スプライシング部位を同定するために、スプリコソームのスプライシング部位に関するヘキサマーヒト共通配列をそれぞれ13番染色体NRP配列(配列番号4)に対してアラインメントし、新たにアノテーションしたNRP遺伝子配列のタンパク質コード配列中に存在するエキソンの数を決定するためエキソン−イントロンの境界を明らかにした。マウススプライシング部位を明らかにするために、Baldwinら、およびWagenerらによる文献をテンプレートとして用いた。ヒトスプライシング部位同定のためには、van der Flierら、およびGuthらの文献を用いた。
このようにして、我々は関連するアミノ酸ドメインおよび類似の生物学的特性を有する複数のNRPが神経再生ペプチドの新たに認識された遺伝子ファミリー中に存在していると結論づけた。NRP遺伝子ファミリーのメンバーにはヒト、ラット、マウスおよびバクテリア由来のペプチドが含まれる。このファミリーのNRPは、神経修復が必要である種々の神経学的疾患または損傷を治療するために使用することができる。
【0074】
実施例2:遊走誘導活性評価のためのin vitroアッセイI
我々は、遊走誘導活性を有するNRPを同定するための新たなアッセイ系を開発した。このアッセイ系はマグデブルグ公衆衛生局動物倫理委員会(Gesundheitsamt Magdeburg animal ethics committee)に認可されたガイドラインに従って使用した。新生ロングエバンス(Long Evans)ラット(P0)を断頭して殺し、神経組織を器官型培養(OTC)の調製に使用した。新皮質組織(発生中のラット脳のPaxinosラット解剖図に従えば領域17-18)および背側視床(視覚野)からの視床組織を取り出した。この領域は視軸を表す。背側視床は視床下部を除去するための横断切断により接近可能とした。続いて、McIllwain組織切断機を用いて視床を正面スライスして350μm厚切片にした。解剖顕微鏡を用いて、手綱核を目印として背側視床領域のみを選び出した。皮質組織を2つの矢状および2つの前頭交差(frontal intersection)を用いて切開し、後頭皮質(occipital cortex)の17-18領域を得た。最後の前頭切断を行う前に、海馬体を除去した。皮質組織をMcIllwain組織切断機により350μm厚の正面切片にスライスし、ゲイ平衡塩類溶液(GBSS)+0.65%D(+)グルコース中でインキュベーションし、復元のため組織を4℃にて少なくとも30〜40分維持した。
【0075】
各アッセイについて2つの組織切片、ひとつは皮質、一つは視床、を少なくとも互いに3mmの距離をおいてガラス基板(例えば、カバーガラス;図1)上に配置し、凝固血漿を用いて基板に接着し、続いて、ローラ管インキュベーター内で25%熱不活性化ウマ血清(Gaehwiler、1981)を添加したBME/HBSS(Invitrogen)培地を用いて器官型培養として組織を36℃にて培養した。調製した培地の712.5μlサンプルに0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.3)中の37.5μlの精製ラットNRP-1(濃縮または希釈状態)またはリン酸塩のみ(対照)を添加した。600ng/ml NRP-1を用いる実験のためには、ペプチドをスピードバキューム遠心により4倍に濃縮した。培地は3日ごとに交換した。各実験の終了後、組織を通常の固定液を用いて固定し、遊走神経細胞を免疫細胞化学法によって解析した。
【0076】
視床および皮質組織が接近している(互いに1.5mm未満)従来技術の条件を用いると、組織は自発的に相互的な神経突起伸長および細胞間橋を共培養開始から7〜10日以内に生じさせる(Bolzら、1992)。細胞間橋の自発的再生および形成は、外来的に添加したNRPのような神経再生分子を同定しようとする試みを混乱させる。
しかしながら、我々は思いがけなかったことに、視床組織と皮質組織が2mmを超えて隔離されると、自発再生的特徴は現れないことを見いだした。従って、神経突起伸長または細胞間橋が観察されることは、全てこの培養培地に添加した因子の影響のためである。我々は、ラットNRP-1並びにヒトおよびマウスオルソログNRPを含むNRPが1以上の視床皮質細胞間橋をわずか培養3〜4日以内に長距離にわたって(例えば、約3〜5mm)誘導することを見いだした(図1)。従って、本発明のある実施態様において、NRPを同定および/または定量できる。他の実施態様において、NRP量を規格化することができ、このことは神経学的疾病または状態を治療するための、NRPの治療的応用の基礎を形成する。
【0077】
統計学的解析
視床神経細胞の遊走をNRPの存在下で培養3日後に測定した。遊走距離は、マイクロメートルスケールのついた顕微鏡接眼レンズによって、遊走細胞列の組織端から計測した。図4を参照せよ。遊走細胞鎖の形成に関する閾値として、相互連結した神経細胞の数を少なくとも5個と考えた。用量応答曲線の決定のために、視床組織の縁から遊走した神経細胞の最長距離を測定した。結果を、平均値+/-標準偏差として示した。
【0078】
結果:神経細胞鎖遊走および/または神経細胞列遊走の誘導
図3は海馬OTC上清から回収したラットNRP-1によって誘導された細胞間橋の形成を表す。NRP-1は視床皮質OTCへ培養開始時に添加した(図3を参照せよ)。この条件下で、増殖および分化神経細胞を含む細胞間橋の形成が起こる。大部分のNRP濃度にて、細胞間橋は視床組織に由来し(図3および図4A、4Dを参照せよ)、わずかに単一用量のNRPにおいて、細胞間橋は皮質組織からも生じた(図4B)。この観察結果の可能な一つの理由は、視床および皮質組織のそれぞれの異なった解剖学的構造のためかもしれない。新皮質組織は遊走した視床細胞が皮質組織へ侵入するのを妨害し得る基底板を有しているが、視床はそのような基底板を欠いている。神経細胞遊走が起こる前に、NRP-1添加視床皮質共培養を開始した後最初の36時間以内に各組織間の相互連絡した神経突起ネットワークが形成された(図5を参照せよ)。最初の遊走細胞は培養開始後30〜48時間の間に観察された(図4Dを参照せよ)。
【0079】
用量応答曲線(図6を参照せよ)により、6ng/ml(3nM−3μg/ml均一精製NRP-1の1/500希釈)という適用濃度は視床と皮質組織間に2500±240μmの細胞間橋を確立することが明らかになった。in vitro系における生物学的活性の濃度範囲は約1〜10nMであった。3μg/ml RNP-1という濃度は280nmの波長のUVにて吸光度0.003という値から見積もった。
我々は、NRP-1は出生後視床皮質脳切片外植片において神経細胞遊走を誘導すると結論付けた。遊走細胞鎖は視床と皮質組織間のギャップ領域に橋かけする。さらに、我々はNRPは神経細胞遊走を促進するために使用できると結論した。NRPが神経細胞遊走を誘導できるということは神経変性性疾患および損傷において変性した神経ネットワーク回復におけるNRP-1の応用性を示すものである。
【0080】
実施例3:遊走細胞は神経細胞起源であり、分化した表現型を有している
細胞間橋の細胞的特性を決定するために、我々は神経特異的免疫組織化学法を用いた。免疫化学組織法はObstとWahle、1995の方法に従って行った。上述したOTCを0.1Mリン酸バッファーで2回、3時間リンスした。試験を行った後、組織を通常の免疫組織化学に適した固定液で固定した。組織および細胞への抗体の浸透を改善するため、OTCを、25%スクロース、10%グリセロール、100mM NaClを0.01Mリン酸バッファー(pH7.4)中に含む凍結用溶液中、-80℃にて10分間インキュベーションした(Gulyasら、1996)。次にOTCを5分間1% H2O2中でインキュベーションし、続いて0.4%Triton 100および10%正常ヤギ血清(ブロッキング溶液)で3時間(Sigma Chemicals)処理した。1次抗体(抗-パルブアルブミンIgG;抗-カルレチニンIgG;抗-MAP-2 IgG)をPBS中の0.4%トライトン、2%BSA、2%正常ヤギ血清で4℃にて一晩インキュベーションした。
【0081】
0.2%トライトン、2%BSA、2%正常ヤギ血清のPBS溶液で希釈(1/200)したビオチン化二次抗体を2時間インキュベーションし、続いて、アビジン-ビオチン-ホースラディッシュペルオキシダーゼ複合体(Dakopatts、Hamburg、Germany)あるいはストレプトアビジン-Cy3複合体(Sigma)とインキュベーションした。二重染色実験のために、ビオチン化二次抗体、続いてストレプトアビジン-Cy2およびCy2に結合させたヤギ抗-マウスIgG(1/150)を使用した。OTCを各インキュベーション工程の間、3x15分間リンスした。ペルオキシダーゼ活性は0.05%ジアミノベンジジン(DAB)および0.009%H2O2の50mM Trisバッファー(pH7.4)溶液で10分間現像した。続く処理には、乾燥、浄化、およびDBA-処理OTCについてはDePeX(登録商標)(Serva、Heidelberg、Germany)、またはFluoromout(登録商標)(BDH LAb、Poole、England)で共培養物上にカバースリップをかけることが含まれる。
【0082】
結果:視床皮質細胞間橋は神経細胞起源である
視床皮質細胞間橋内の遊走細胞は神経細胞起源であることが見いだされた。図7Cは、MAP-2-ir細胞は視床起点において高度に秩序だった構造を形成したことを示している。MAP-2-ir神経細胞の列は図7に観察される単一細胞鎖遊走とは異なる細胞列の辺縁を形成した。辺縁における神経細胞はその先端樹状突起と共に神経突起構造を伴う遊走細胞列の中央部方向へ突出した(図7C)。再生した細胞間橋の神経細胞は高レベルのMAP-2タンパク質を有している。MAP-2は遊走新皮質神経細胞の先導尖端神経突起内で強く発現している(図8)。視床遊走細胞列内において、MAP-2-ir神経細胞の亜集団がカルシウム結合タンパク質パルブアルブミンと共局在した(図7A、Bおよび図9を参照せよ)。パルブアルブミンは視床における神経細胞分化の出生後後期マーカーであり、視床網様体形成の抑制性細胞および興奮性視床投射神経細胞を検出することができる(Siegら、1998)。図7Eと図7Fは細胞間橋内の増殖細胞は部分的にパルブアルブミンと共存していることを明らかにしている。この発見はNRP-1が視床細胞間橋においてパルブアルブミン陽性神経細胞の初期分化を刺激することを示している。従って、増殖細胞は神経細胞起源であり、NRPは神経細胞増殖および分化を刺激した。
NRP-1が神経細胞増殖、遊走および初期分化を誘導できることは神経変性性疾病および損傷において変性した神経ネットワークの回復におけるNRP化合物の多数の治療的応用を示すものであると我々は結論した。この実施例はまた本発明の実施態様の新規なアッセイ系はNRP化合物の検出および定量のための感度の高い、迅速かつ選択的な方法を提供するという結論も支持する。
【0083】
実施例4:遊走−誘導活性評価のためのin vitroアッセイII
本発明の別のアッセイには小脳微小移植片を含む態様が含まれる。2つの半球の層状小脳皮質をP4ロングエバンスラットから外植し、0.65%D(+)グルコース溶液を含むGBBS中で小片に切断し、0.4mmゲージ針により粉砕し、続いて125μm孔サイズの篩を通して押し出した。バッファーを無血清BSA-添加START V-培地(Biochrom)に交換するため、得られた微小外植片を2回遠心した(200xg)。最後に、この微小外植片を500μl START V-培地中で再構成した。培養のため、38μlの細胞懸濁液と2μlの遊走誘導因子(NRP-1)の0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.3)溶液またはリン酸塩単独(対照)とを35mmペトリディッシュ中ポリ-D-リジン被覆スライド上で、5%CO2を含む大気中、湿度100%、34℃にて3時間インキュベーションした。続いて、1mlのSTART V-培地を添加し、培養物を培養2〜3日後に評価した(図2を参照せよ)。
免疫組織化学および神経細胞遊走実験のため、小脳微小外植片を培養2〜3日後に以下の方法によって固定した:微小外植片を連続的に0.4%、1.2%、3%パラホルムアルデヒド/0.25%グルタルアルデヒドでそれぞれ2分間処理し、続いて4%パラホルムアルデヒド/0.25%グルタルアルデヒドの0.1Mリン酸ナトリウム溶液(pH7.4)中で5分間インキュベーションして固定した。MAP-2はビオチン-ストレプトアビジン/Cy3検出系を用いて視床皮質OTCの免疫組織化学の項に記載したように検出した。
【0084】
統計解析
100〜200μmの直径を有する微小外植片を統計解析のために選択した。神経細胞遊走の定量的解析のため、直径100μmの10個の連続的な環を有する光学装置を微小外植片の上に設置した。培養開始48時間後に遊走していた全ての神経細胞を計数した。それぞれの微小外植片の辺縁周囲の環1〜10(0.1〜1mm)の間に位置する神経細胞(図2を参照せよ)を計数し、各環を総遊走細胞の百分率として表した。独立ステューデントt-検定(unpaired Student's t-test)を有意解析のために使用した。結果は平均値+/-標準偏差として示した。
【0085】
結果:微小外植片系における小脳細胞遊走の誘導
精製NRP-1の3nMという濃度が小脳微小外植片系内の神経細胞の遊走を有意に増強するのに十分であった。遊走細胞の数は、直径100〜120μmの外植片の辺縁から1000μmの距離までを計測したところ、30〜140の範囲であった。NRP-1との培養2日後に、遊走小脳細胞の7.3±2.8%という極めて有意な(p<0.001)集団が微小外植片から400〜500μmに分布し、遊走細胞の13.2±13.9%が500〜600μmに分布した(図13および14を参照せよ)。ビヒクル(0.01Mリン酸ナトリウム)処理した対照はある範囲の神経細胞遊走を明らかにした(200μm遊走距離を越えては因子処理サンプルより有意には良好でなかった)。この相対的にわずかな遊走は、出生後初期の小脳組織においては小脳顆粒細胞を形成するための最後の遊走過程が完結していないためかもしれない。従って、P4動物の顆粒細胞は、培養した場合にある程度の本来的な神経細胞遊走活性を有していることが明らかになった。しかしながら、我々は精製したNRP-1は遊走細胞の数および移動距離の双方について実質的な増大を生じさせることを見いだした。
【0086】
同様な小脳顆粒細胞遊走は出生後初期の小脳神経細胞に高度に発現しているアンジオテンシンIIのAT2レセプターの活性化によっても誘導される(Coteら、1999)。非常に効果的なアゴニストCGP42112を用いてAT2レセプターを活性化すると、最長の遊走距離は培養開始96時間後でおよそ550μmであった。遊走誘導因子は小脳微小外植片に対して類似の遊走距離を与えるが、アンジオテンシンII誘導遊走パターンに対して2つの主要な相違が存在する。第1に、アンジオテンシンはNRP-1のように神経細胞鎖遊走を誘導せず、第2にアンジオテンシンIIによる誘導の場合には神経細胞遊走全体の過程がかなり遅い。
従って、我々は、NRP-1は別個の新規な機構で神経細胞遊走を誘導し、アンジオテンシンIIレセプターを介して遊走するのではないと結論した。NRP-1が神経細胞遊走を誘導できるということは、神経変性性疾病または傷害による神経ネットワーク損傷の回復におけるNRPの応用性を示すものである。
【0087】
実施例5 視床皮質OTCにおける神経細胞増殖の誘導
実施例3および4に記載したようなラットからの視床皮質OTCを培養開始時から2μMのBrdUとインキュベーションし、培養後24時間でBrdUを除去した。OTCは4%パラホルムアルデヒドの0.1Mリン酸バッファー(pH7.4)溶液中で固定した。ブロッキングをPBS中の0.4%トライトン100および10%正常ヤギ血清で30分間行った。続いて、培養物を2N HCl中で37℃にて30分間処理し、0.1M Na2B4O7で2x5分間中和した。内在ペルオキシダーゼ活性はOTCを1%H2O2で5分間処理することにより防止した(PAP反応の場合のみ)。1次抗体(マウス抗-BrdU 1/50-Sigma)反応はPBS中0.4%トライトン、2%BSAで一晩行った。
ビオチン化ヤギ抗-マウスIgGを作用させ(1/200、2時間)、続いてアビジンビオチンホースラディッシュペルオキシダーゼ系を適用し、最後にDAB-検出(0.05%) を適用した;0.009%H2O2、0.025%塩化コバルトと0.02%硫酸ニッケルアンモニウムで増感。BrdU陽性核は黒く染色される。PBSで3回洗浄後、ウサギ抗-パルブアルブミンIgG(1/1000)を室温にて0.4%トライトン、2%BSAのPBS溶液中で一晩作用させ、続いて同じバッファー中でヤギ抗-ウサギ抗体(1/100)を作用させた。続いて、PBS中でPAP反応(ウサギPAP 1/200)を行わせDAB-反応によって現像した。パルブアルブミン-ir細胞質は褐色に染色される。OTCをDePeX(登録商標)で覆った。二重蛍光検出のため、マウス抗-BrdU IgGおよびウサギ抗-パルブアルブミンIgG(またはウサギ抗-カルレチニン1/1000)を中和工程後に同時に作用させ、抗-パルブアルブミン抗体結合をビオチン-ストレプトアビジン/Cy2検出系で検出し、一方BrdUの存在は抗-マウス/Cy3 IgGによって調べた。これらの蛍光OTCをFluoromout(登録商標)で覆った。
【0088】
統計解析
視床組織内のパルブアルブミン/BrdU共局在性の定量的解析のため、DAB/PAP反応系を使用した。なぜなら、二重蛍光技術は密な組織における消光効果によって特徴づけられ、従って、細胞単層のためには非常に適しているからである(図9を参照せよ)。我々は5つの因子処理培養物および5つの対照培養物について全てのパルブアルブミン-ir細胞を計数した。続いて、二重陽性細胞(BrdU陽性核を有するパルブアルブミン-ir細胞)を計数し、その結果を全視床パルブアルブミン-ir神経細胞集団に対するパーセンテージとして表した。独立ステューデントt-検定を用いて有意解析を行った。結果は平均値+/-標準偏差として示した。
【0089】
結果
新たに形成された細胞間橋の神経発現パターンをパルブアルブミン、カルレチニン、またはMAP-2陽性免疫学的反応を用いて検出した。これらにより、神経細胞は部分的にBrdUと共局在することが示され、このことはこれらの神経細胞が細胞周期のS期にあることを示す。細胞間橋内の別の細胞亜集団は強いMAP-2、カルレチニンまたはパルブアルブミン発現を示し、BrdUについては陽性ではなかった(図9A)。機構はよく知られていないが、ひとつの理論は、これらの細胞は遊走を完了しており、S相から外れてそれらの個別の神経細胞型へ分化し始めているというものである。培養開始時にBrdUを添加した培養物において、遊走促進因子の添加4日後に細胞周期状態を調べた。視床におけるパルブアルブミン発現細胞は対照組織および処理組織において500〜700であった。抗-パルブアルブミン抗血清および抗-BrdU抗体を用いた二重染色実験により、培養5日後に、NRP-処理した視床領域はパルブアルブミン-ir神経細胞の6.8±1.3%(p<0.01)がBrdUと共局在しており、一方対照(培地のみ)はパルブアルブミン-ir神経細胞のわずかに2.7±0.7%が増殖状態にあることが明らかになった(図10および11)。増殖しているパルブアルブミン発現神経細胞が2.7%であるという対照値は、初期培養という傷害性事象後におけるこれらの神経細胞の基底レベルを表す。NRP-1(3nM)を視床皮質OTCに投与することは視床組織内のパルブアルブミン発現神経細胞の増殖を培地単独で処理した対照に比較して150%増強した。より顕著な増殖率は、新たに形成された(遊走した)細胞間橋内に観察され、そこではパルブアルブミン発現神経細胞の大部分が増殖状態にあった(図7EおよびF、および図9)。
【0090】
我々は、星状細胞におけるNRP-1の増殖誘導に関する効果も定量的に調べた。標準的な器官型組織培養は反応性星状細胞の数の増加を示したが、これは組織抽出工程という傷害的事象のためであろう。従って、我々はNRP添加4日後に新たに視床と皮質組織の間に形成された細胞間橋のみに注目した。我々は、GFAPを発現する星状細胞の小さな亜集団のみがBrdUの取り込みを示すことを見いだした(図12を参照せよ)。
精製したNRP-1は優先的に神経細胞増殖を誘導するが、アストログリア分裂を誘導しない。従って、我々は、NRPは効果的な因子であり神経細胞を増殖させ得ると結論した。この結果はまた、神経組織が損傷を受けたまたは変性している神経学的疾病および脊髄損傷、例えばハンチントン病、パーキンソン病、および両側麻痺の治療におけるNRPおよびそのパラログまたは断片の応用性を示すものである。さらに、この結果はNRPが、移植術のような神経代償治療の成果改善における応用性を示している。
【0091】
実施例6:小脳微小外植片に対する合成NRPの効果
組織培養に由来する精製NRPで観察された結果がNRP自体によるものであって混入物またはこの材料中の他の物質によるものではないことを確かめるために、合成NRPを用いた一連の実験を行った。NRPはAuspep(Australia)から供給された。それらは、C-末端がアミド化されて供給され、MALDI-MSスペクトル解析によれば95%を超える純度であった。
マウスNRP(arachne_contig 191157マウス;配列番号17;配列番号18)は純度91%であった。これらのペプチドを使用時まで-80℃にてアルゴン下で凍結乾燥保存した。種々のアッセイにおける更なる使用の前に、これらをPBS、あるいは、100μg/mlヒトトランスフェリン/PBS、または別の実施態様では100μg/mlのBSA/PBS中で再構成し、さらに、10μg/mlのBSAまたはトランスフェリンを含むPBSで希釈した。
【0092】
1.NRPの生存性および増殖誘導活性の測定のための小脳微小外植片系
毒物学的および薬剤投与実験は、1/100部のトキシンおよび神経保護薬を新たに調製したP4またはP8ラット由来の小脳微小外植片に同時に加えるように設計した。グルタミン酸塩をMilliQ水で50mMストック溶液として調製し、50mMの3-ニトロプロピオン酸をMilliQ水中でpH調整(pH6.8-7.2)した。酸化性ストレス誘導トキシン、3-ニトロプロピオン酸(3-NP)、および興奮性トキシン、グルタミン酸塩のアッセイ中における濃度は、それぞれ0.5mMとした。凍結乾燥ペプチドをPBSまたは100μg/mlヒトトランスフェリン中で10μMストック溶液として再構成した。続いて系列希釈を行った。小脳微小外植片は34℃、空気中5%CO2、湿度100%にて培養し、それからパラホルムアルデヒド量を漸次増加させて(0.4%、1.2%、3%および4%−各2〜3分間処理)固定した。
上述したトキシンを用いて、小脳外植片を培養開始時から24時間NRP希釈物および0.1μM BrdUに曝露した。続いて、新たなトキシンおよびNRPを加えずに80%の培地を交換した。in vitroで3日後、小脳培養物を上述したように固定した。取り込まれたBrdUレベルの検出を前述したように行った。これらの条件下で、小脳細胞集団の99%を超える細胞が神経細胞であった。従って、NRP添加後のいかなる細胞数増加もほとんど神経細胞増殖によるものであったと思われる。
【0093】
解析:神経細胞増殖および生存性アッセイ
生存性の統計的解析のため、各固定小脳培養物の最も高い細胞密度を有する4つの視野(各視野は0.65mm2の面積を有する)を選び、神経突起伸長を示している細胞を計数した。統計有意差をステューデントのt-検定により計測した。
増殖の統計的解析のため、最も高密度のBrdU-陽性核を示す各固定小脳培養物の4つの領域(各領域は0.65mm2の面積を有する)を選び、BrdU-陽性核を計数した。統計的有意差をステューデントt-検定により測定した。
【0094】
2.走触性遊走アッセイ
同時にパラログペプチドの細胞接着および神経細胞遊走誘導特性をテストするため、走触性遊走細胞アッセイが開発された(Luら、2001)。この目的のため、12μm孔サイズの適合インサートを備えたTranswell(登録商標)細胞培養ディッシュ(Costar)を用いて線条体細胞および新皮質細胞を培養した。
このインサートをPDL(0.1mg/ml PBS溶液−細胞培養等級、Sigma社より)で15分間室温にてコーティングした。培養ディッシュを初めにNRP-1化合物でコーティングした。この目的のため、13番染色体上に位置するヌクレオチド配列にコードされるアノテーションしたヒトNRPの19mer形態(NRP-11:KDPEARRAPGSLHPCLAAS;配列番号23)および、アノテーションされたマウスarachne_contig 191157遺伝子NRPオルソログ(配列番号16)のNRPmfsの24mer形態(NRP-12:SEPEARRAPGRKGGVVCASLAADW:配列番号24)を選択した。凍結乾燥したペプチドをPBS中の100μg/mlヒトトランスフェリンまたはウシ血清アルブミン(BSA)で再構成し、さらにそれぞれのタンパク質が10μg/mlで存在するようにNRP希釈を行った。0.01〜1μg/mlのペプチド濃度およびブランクトランスフェリンおよびBSA対照を使用した。NRPの最終量は15〜1500ng/110mm2とした。ペプチドコーティングは37℃にて2時間行った。PBS洗浄後、培養ディッシュを続いてPDL(0.1mg/ml)で2時間37℃にてコーティングして、PBSで洗浄した。
線条体細胞の播種については、1.5mlのNeurobasal/B27培地を培養ディッシュに入れ、0.5mlのNeurobasal/B27培地をインサートに入れた。細胞播種のためのアッセイの準備を整えた。皮質細胞の播種のため50%Neurobasal/B27培地および50%の星状細胞コンディション培地を培養ディッシュおよびインサートに加え、細胞を播種した。
【0095】
線条体組織の調製
ラットE18/E19胚からの線条体組織の調製のため、種雌をチャンバー内で4分間までのCO2処置で犠牲にし、帝王切開のために用意した。術後、胚をそれぞれの羊膜腔から取り出して断頭し、頭部を氷中で、線条体調製用にはDMDM/F12培地中、皮質調製用にはPBS+0.65D(+)-グルコース中に入れた。腹側を上面にしてDMEM/F12(Invitrogen)培地中に脳全体を頭蓋から取り出した。実体顕微鏡下で両半球から線条体を切り出すことにより線条体を取り出し、次にこれを氷上のFalconチューブに入れた。
【0096】
両半球についての線条体切開は以下のように行った;胚の脳を、腹側を下にし、吻側を前面にして設置した。正中線に沿って、一方の半球を細い鉗子を用いて丁寧に開いた。正面吻切開(frontral rostral cut)を行い、皮質洞内の吻中心(rostral-center)に位置する内部領域(線条体)を露出させた。鉗子を用いて線条体を摘み出し、下層の皮質を避けないように注意した。組織片を氷上のFalconチューブに入れた。P1000ピペッターを用いて1mlの培地中で集めた線条組織を粉砕した。溶液を緩やかにピペット尖端部内で15回ピペッティングして上下させることにより、交代流の剪断力を利用して細胞をばらばらにした。組織片は30秒以内にFalconチューブの底に落ち、続いて上清を氷上の新しい滅菌Falconチューブに移した。この上清は分散した解離細胞の懸濁液を含んでいる。第1のチューブ内の組織片に1mlの氷冷却DMEM/F12培地を加えて組織片を前のように粉砕して2回目の粉砕にかけた。そのようにして、すでに解離した細胞に過剰な損傷を与えなかった。組織片を沈殿させ、上清を氷上の新しい滅菌Falconチューブに移した。細胞を250gで4℃にて5分間遠心した。再懸濁した細胞ペレットを用いて細胞数を計数した。
【0097】
皮質星状細胞培養物の調製
P1ラットからの一つの皮質半球を使用して4mlのDMEMに集めた。5mlガラスピペットおよび続いて18ゲージの針を通して粉砕を行った。その後、細胞を100μm細胞濾過器を通過させ、50ml DMEM中で洗浄し、250gで5分間遠心した。沈降物を20mlのDMEM+ウシ胎児血
清中に再懸濁した。各10mlを25cm2フラスコに加えた。それらを37℃および10%CO2にて、培地を週2回交換して培養した。細胞がコンフルエントに達した後、細胞をPBSで3回洗浄し、Neurobasal/B27培地に調整し、さらに3日間インキュベーションした。上清は使用時まで一時保存用に-80℃で凍結した。
皮質組織をE18/E19ラット胚から取り出した。腹側を上にして、脳全体からスパチュラで2つの皮質半球をPBS+0.65%D(+)グルコース含有ペトリディッシュに注意深く取り出した。組織を固定するため鉗子を皮質の吻部(rostral part)(臭球(B. olfactorius)の近く)に入れ、2つの側方−矢状方向切開を行い、パラホルムおよび嗅内皮質(entorhinal corices)を除去した。次の切開は海馬体除去のための後端(posterior end)における正面方向切開(frontal oriented cut)を伴った。最後の正面切開は、直前の切開の数ミリメートル離れたところで行い、視覚皮質の領域17/18を入手した。
【0098】
集めた皮質を氷上でPBS+0.65%D(+)-グルコース中に入れ、350gにて5分間遠心した。上清を除去し、トリプシン/EDTA(0.05%/0.53mM)を37℃にて8分間添加した。等量のDMEM+10%ウシ胎児血清を加えて反応を停止させた。遠心により上清を除去し、続いてNeurobasal/B27培地中で2回洗浄した。細胞をガラスパスツールピペットにより1mlのNeurobasal/B27培地で1回、および続いて22ゲージの針を備えた1mlシリンジを用いてさらに2回、粉砕した。細胞懸濁液を100μm細胞濾過器を通過させ、続いて1mlのNeurobasal/B27培地でリンスした。細胞を計数し、走触性遊走アッセイの用意を調えた。
【0099】
走触性遊走アッセイのための細胞培養条件
200,000個の線条細胞または皮質細胞を約50μlの体積でインサートに播種し、全インサートのアッセイを37℃にて空気中5%CO2および100%湿度を含む大気中で培養した。24〜48時間後、既に述べたようにホルムアルデヒド量を上述のように漸次増加させて細胞を固定した。
【0100】
統計解析
神経突起伸長を示し、少なくとも1mm遊走した(培養ディッシュの底に位置する)全てのパラホルムアルデヒド固定細胞を培養開始48時間後に計数した。ステューデントのt-検定を行い、有意値を得た。
【0101】
結果:神経細胞増殖誘導活性および神経細胞生存性活性および神経細胞遊走誘導活性
13番染色体上に位置するヒトNRP(アミノ酸配列を配列番号5に示した)の生物学的活性をテストするため、このペプチドのNRP-2 KGおよびNRP-2KSを用いた。NRP-2KGはアノテーションしたアミノ酸配列(配列番号5)のアミノ酸20〜43番に位置し、ペプチドKDPEARRAPGSLHPCLAASCSAAG(NRP-2KG)を生成し、19mer形態(NRP-2KS)は配列番号5のアミノ酸位置20〜38番に位置する。小脳培養物のヒトNRP-2KGによる5〜100nMの濃度における15時間の前条件づけ(図15)は、酸化/興奮性トキシン傷害からの完全な神経保護を生じさせた。このデータにより、広範な用量、1〜200nMにおいて、NRP-2KGは細胞毒性を示さないことが示された。1nMの濃度において、NRP-2KGは3-NP/グルタミン酸塩傷害からの42.4%の回復を示し、これは損傷においてヒトNRP-2KGによる1nMという濃度で見られる46.0%回復に類似している(図15および16に比較)。NRP-2KGの効果的な投与量範囲は損傷細胞においてずっと大きく、すなわち0.1pM〜1nMであった。比較すると、損傷細胞における用量は5nM〜100nMの範囲で生物学的活性を有していた。
【0102】
適用した増殖アッセイの範囲で、ラットNRP-1およびNRP-2KSを神経細胞増殖誘導活性についてテストした(図19を参照せよ)。生存性および細胞接着特性の増強と増殖とを区別するため、NRP-2KSを培養24時間後に投与した。ラットNRP-1は神経細胞増殖に特異的効果を有している(図7,9および10を参照せよ)。NRP-2KSによって誘導される神経細胞増殖は、非損傷微小外植片を用いると約0.3〜30nMの範囲で生じた(神経突起伸長を示す細胞を計数することによって確認)。最も高い活性は300pMという濃度で観察され、この濃度にて神経細胞増殖の増大、すなわちビヒクル処理対照より117.5%大きな増殖性を生じさせた。ラットNRP-1は3nMにて最も高い効果を示し、81.2%の神経細胞増殖のアップレギュレーションを示した(図17を参照せよ)。
【0103】
神経細胞遊走誘導因子の化学誘因活性をアッセイするため、走触性遊走アッセイ(Luら、2001)を行った。ヒトNRP-2KGをBSAまたはトランスフェリン存在下でTranswell(登録商標)培養ディッシュ上にコーティングし、続いてPDL-コーティングした。播種した胚性線条細胞は培養ディッシュインサートから培養ディッシュの底へ1mmの距離にわたって遊走した。NRP-2KGをBSA中で再構成した場合、遊走誘導活性は有意ではなかったが、NRP-2KGをヒトトランスフェリン中で再構成して続いて150ngのNRP-2KGを固定化した場合は、トランスフェリン対照単独に比較してin vitroで2日後に466.0%を越える神経細胞が培養ディッシュの底まで遊走した(図18を参照せよ)。
3番染色体上に位置するヒトNRP(配列番号6)の生物学的活性を、アノテーションしたNRPタンパク質配列(配列番号7)のアミノ酸13〜23番に位置する11merペプチド(NRP-13:SDSFKSQARGQ:配列番号27)を用いてテストした。NRP-13は小脳微小外植片神経毒性アッセイにおいて100pM〜1nMの適用で最大生物学的活性を表した(図21を参照せよ)。48時間後、100pMのNRP-13は酸化剤/興奮毒素損傷からの回復を27.7%増大させた。
【0104】
15番染色体上に位置するヒトNRP(配列番号8)の生物学的活性を、アノテーションしたNRPタンパク質コード配列のアミノ酸22〜32番に位置するペプチドの11mer形態(NRP-14:GTPGRAEAGGQ:配列番号28)を用いてテストした。神経細胞生存性について、NRP-14は小脳微小外植片神経毒性アッセイにおける測定では10〜100nMにて最大生物学的活性を示した。48時間後、100nMのNRP-14は酸化剤/興奮毒素損傷からの回復を平均して46.3%増大させた(図19を参照せよ)。
NRP-14を神経細胞増殖誘導活性についてもテストした。NRP-14の神経細胞増殖誘導活性は10nMの濃度にて観察され、損傷小脳外植片に比較して132.2%の増殖アップレギュレーションを示した(図20を参照せよ)。損傷および非損傷(ビヒクル処理)微小外植片間で増殖速度に相違はなく、このことは、24時間傷害プロトコルは反応性星状細胞を生成しなかったことを示す。
【0105】
arachne_contig191157マウスNRP(配列番号17)の生物学的活性をこのペプチドの24mer形態を用いてテストした。このペプチドはアノテーションしたNRPタンパク質コード配列(配列番号17)のアミノ酸62〜85番に位置している。付与される神経細胞生存性活性は小脳微小外植片神経毒性アッセイにおいて0.1〜10pMのNRP適用で最大であった(図23)。48時間後、ヒトトランスフェリン中で再構成した1pMの24mer NRP(SEPEARRAPGRKGGVVCASLAADW)は酸化剤/興奮毒素損傷からの57.7%回復を明らかにした(図22)。ヒトトランスフェリン中で再構成しないと24merマウスNRPはより低い生存性促進活性しか示さなかった。最大活性範囲は、100pM〜1nMであり、100pMマウスNRPにて酸化剤/興奮毒素損傷からの44.8%回復を示した(図25を参照せよ)。
24mer NRPを神経細胞増殖誘導活性についてテストした。マウス24mer NRPについての神経細胞増殖誘導活性は0.1pM〜100pMのマウスNRPにて見ることができ、それぞれ損傷小脳微小外植片について平均252.6%および123.7%の増殖速度のアップレギュレーションが見られた(図24を参照せよ)。損傷および非損傷(ビヒクル処理)微小外植片間で増殖速度に関して相違はなかった。
【0106】
走触性遊走アッセイを用いて化学誘因活性について24mer NRPをテストした。マウス24mer NRPをTranswell(登録商標)培養ディッシュ上にBSA存在下でコーティングし、続いてPDLコーティングした。続いて、マウスNRPをこの培地に直接1pg/mlで添加した。播種した胚性皮質細胞は培養ディッシュインサートから培養ディッシュの底へ1mmにわたる距離を遊走した。マウスNRPをBSA中で再構成し、続いて15ngの24merマウスNRPを固定化した場合は、BSA対照単独に比較して、1日後にin vitroで49.8%を越える神経細胞が培養ディッシュの底まで遊走した(図25を参照せよ)。
我々は、海馬OTC上清由来の、質量2046のNRP-1が、分化した培養生後視床において神経細胞増殖および神経細胞遊走を誘導すると結論する。さらに、NRP-1は皮質基底板という障壁を通過することにより新皮質神経細胞遊走を誘導した。小脳細胞はNRP-1投与に応答して非常に増強された遊走挙動を示すので、NRP-1の活性は組織特異的でない。
【0107】
この結果は、NRP-1の、神経細胞増殖および遊走が望まれる、特に、別個の領域が変性しており、従って新たなニューロンの補充が望まれる神経変性性疾患、例えば、パーキンソン病における黒質のドーパミン作動性ニューロン損失、アルツハイマー病における基底前脳のコリン作動性ニューロン損失およびハンチントン病における尾状核および線条のGABA作動性ニューロン損失、における神経細胞増殖および遊走における応用性を示唆するものである。
開示したラット、ヒトおよびマウスNRP(およびそれらの断片)は類似の活性を有している。これらのペプチドは神経細胞増殖誘導活性および遊走誘導活性、および神経突起伸長および神経細胞生存性促進活性を神経細胞に与える。
【0108】
これらの結果は、神経修復が望まれる状況でNRP化合物が有用であり得ることを示している。そのような状況には、ニューロンが損傷を受けた、または変性している疾病および傷害が含まれる。アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病その他のようなある種の神経学的疾病は本発明の実施態様のペプチドを用いて治療することができる。さらに、脊髄または他の中枢神経系損傷のような、どんな型の神経損傷も本発明のNRPを用いて治療することができる。そのような損傷は外傷(鈍力または穿通)、卒中、梗塞、低血圧または高々度曝露などによって起こる低酸素によって生じ得る。
本明細書に記載した新規なアッセイ系は、ラット脳組織を用いて行われているが、ヒトおよびマウス起源を含むどんな供給源からのNRPでもその活性を検出および測定するための効果的な方法である。ヒトおよびげっ歯類NRPは共通のペプチドドメインを有するため、これらのアッセイの実施態様は、ヒトおよび少なくとも本明細書で明らかにされたペプチドドメインの特徴の少なくとも一つを共有する他の種におけるNRPの効果について予測できる。
【0109】
実施例7:海馬OTC上清からのラットNRP-1の精製
ラットNRP-1を海馬OTCから精製した。P0ロングエバンスラットの海馬体からの350μm厚の矢状切開切片を含酸素、無タンパク質最少基本培地「MEM」中で調製し、4℃にて30分間の回復期間を設けた。続いて、この切片を0.4μmの境界膜上に置き、無タンパク質MEM中で、1%CO2大気中、Stoppiniによって記載された方法(Stoppiniら、1991)に従って、空気−液体境界培養として7〜14日間培養した。3日ごとに細胞上清を集め、使用時まで-20℃にて保存した。
ラットNRP-1を培養海馬OTCの約5〜14日間(DIV)の培養後に得られた100mlの無タンパク質培地(BME培地+HBSS)のサンプルから精製した。このサンプルの上清を200体積の結合バッファー(0.05Mリン酸カリウム−pH7)に対して透析した(図26のフローチャートを参照せよ)。
透析した上清を約1ml/分の流量にて5mlのHiTrap Blue Sepharose(Amersham/Pharmacia)カラム上でクロマトグラフィーを行った。KClを用いた段階勾配により、結合バッファー中最終濃度1.5MのKClが使用されるまで溶出を行った。
【0110】
続いて、Blue Sepharoseカラムから溶出した試料をヒドロキシアパタイト結合バッファー(0.01M リン酸ナトリウム−pH7)に対して透析した。続いて、クロマトグラフィー(1ml/分)を1ml ヒドロキシアパタイトカラム(Biorad)上で行った。溶出は0.4M リン酸ナトリウム(pH6.8)が使用されるまでの段階勾配によって行った。
得られた溶出液は0.01Mリン酸ナトリウム(pH7)に対して透析し、続いて80%(v/v)アセトンにより-20℃にて3時間沈殿させた。遠心沈殿物を200μlの0.2M NaCl、0.05%(v/v) Tween80、0.02Mリン酸ナトリウム(pH7)で再構成した。
Biorad社から入手したMacroprep-40/1000上で流速3.4cm/hにてゲルろ過を行った。カラムの大きさは50x1.5cmとした。遊走-誘導活性を有する溶出液は分子量50,000〜10,000の間に溶出された。
次にサンプルを0.01Mクエン酸ナトリウム(pH4)に対して透析し、クロマトグラフィーを流速1ml/分で、1ml Econo-Pac S(Biorad)カラム上で行った。溶出は結合バッファー(pH4.5)中の1M NaClの急勾配により行った。NRP-1は0.5〜0.6M NaClの間に溶出され、254nmにおいて測定した最大吸光度は0.04であった(図27を参照せよ)。
【0111】
陽イオン交換クロマトグラフィー後(図15)、MALDI-TOF MS解析によって明らかにしたところ、NRP-1は均一に精製されていた(図28を参照せよ)。質量スペクトルにより、質量2046の主ピーク/存在量が明らかになった。最初の16個のN-末端アミノ酸をシーケンシングし、これらのアミノ酸の明瞭な同定結果を得た。このことはNRP-1が実質的にタンパク質またはペプチド夾雑物を含んでいなかったことを示す。
精製したタンパク質は-80℃にて凍結乾燥保存した。
得られた配列により、30個のアミノ酸からなる最近報告された生存性促進ペプチド(Cunninghamら、1998)およびヒト悪液質タンパク質(米国特許第5834192号)との同一性が明らかになった。この16残基NRP-1の配列決定したC-末端から開始する分子質量計算を、生存性促進ペプチドおよびヒト悪液質タンパク質の進行中の(ongoing)配列と比較したところ、NRP-1が悪液質タンパク質または生存性促進ペプチドの単純な分解産物である可能性が排除された。
NRP-1は治療的使用が許されるに充分なまでに単離および精製することができる。NRP-1は精製可能であるので、神経修復が必要である神経学的状態または神経系損傷の治療のために投与することができる。
【0112】
Figure 0004399260
Figure 0004399260
Figure 0004399260
Figure 0004399260
【0113】
工業上の利用性
本発明の遺伝子の実施態様は、神経細胞生存、神経細胞遊走、神経細胞伸長および/または増殖が望まれる神経学的状態の治療のための治療組成物としてまたは医薬の製造のために有用である。そのような状態には、パーキンソン病およびアルツハイマー病を含む種々の神経変性性疾病が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】 図1は、基質上の視床皮質共培養、および続く精製NRP-1への曝露後3〜4日後の視床細胞間橋の生成を含む、本発明のin vitroバイオアッセイの一つの配置を示したものである。背側視床内の大脳辺縁系の一部である手綱核内において遊走に対する選択性が存在した。
【図2】 図2は、小脳微小外植片における神経細胞遊走を定量するために使用する方法の模式図を表したものである。直径100μmの連続した10個の環を含む透明な被覆を微小外植片の回りに載せた。遊走細胞のパーセンテージを計算するために、それぞれの連続環内の全ての細胞を計数し、環1〜10に分布する全細胞数で割った。
【図3】 図3は、in vitroインキュベーション4日後の視床皮質OTCにおける視床と皮質組織間の神経細胞間橋の形成の顕微鏡写真を表す。インキュベーションの開始時に、培養物に300ng/mlのNRP抽出物(ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーの総蛋白質として)を加えた。図3Aは2つの遊走細胞鎖の全体像を示す。上の神経細胞鎖は皮質への道のりを完了しているが、下の細胞鎖は皮質組織への道程の半分に達している。細胞鎖が神経細胞起源であることは図3Bから3Dに示すように遊走細胞のMAP-2発現パターンによって確認した。A/Bにおける二重矢印は同じ位置を示している。図3Cおよび3Dにおいて、遊走細胞鎖の顕微鏡写真は皮質組織の近くで撮られている。バー:500μm(図3A);100μm(図3Bから3D)。
【図4】 図4は、視床皮質系内に生じている細胞鎖の組織特異性を示した顕微鏡写真である。遊走細胞鎖/細胞列は視床組織から開始している(図4A)。最大の効果を示す濃度は3nM NRP-1であった。皮質遊走鎖が生じており、それは図4Bに示してある。倍率を大きくすると、遊走しているMAP-2陽性神経細胞は神経突起構造により相互連絡していることが明らかにされた(図4C中の矢印)。図4Dにおいて、視床細胞の遊走開始を見ることができる。黒い矢印は核を表し、白の矢印は遊走細胞の先導過程を示す。バー:500μm(図4Aおよび4B);100μm(図4C);80μm(図4D)。
【図5】 図5は,NRP-1添加(高度に精製した陽イオン交換溶出物 3nM)OTCのインキュベーション開始24時間後における視床領域の位相差顕微鏡写真である。黒い線は手綱核(中抜き矢印)の元の辺縁を表す。手綱核の大量の「組織拡大」が起こった。白い矢印は遊走過程にある細胞鎖を示す。遊走細胞鎖から多数の神経突起が由来し、皮質組織へ向かって伸びている(黒い矢印)。バー:1000μm。
【図6】 図6は、視床皮質OTCにおけるNRP-1に対する用量応答関係のグラフを表す。NRP-1の生物学的活性範囲をアッセイするため、均一に精製した(陽イオン交換体)タンパク質をインキュベーション開始時に視床皮質OTCに加えた。用量応答曲線のため、2,4,6、20および600ng/mlという濃度のNRP-1をテストした。2ng/ml(1nM)にて、生物学的活性(神経細胞遊走の誘導)が明瞭に検出された。最大の遊走促進を生じる濃度は6ng/ml(3nM)であった。約20〜60ng/ml(10〜30nM)の濃度にて、NRP-1は神経細胞遊走を増大させなかった。全ての濃度はアッセイ中で6回テストした。
【図7】 図7は、in vitroにて4日後の視床皮質細胞間橋の生成を示す。共培養物に3nMの高度に精製したNRP-1を添加した。図7Aでは2つの視床皮質連結(矢印)が確立されていることが示され、MAP-2陽性細胞が明らかになっている。四角部分はより高い倍率で図7Bに示した。図7Bは軌道状に整列して遊走している双極形態のパルブアルブミン陽性神経細胞を含む細胞列を示している。図7Cは視床細胞列の起点近くのMAP2-陽性神経細胞を示している。細胞列は神経組織の高度に秩序だった配向によって特徴付けられる。一次神経突起は細胞間橋の中央部の軸索層へ向かって突出している(小さな矢印)。図7Dは手綱、形成された視床皮質細胞間橋、および皮質層に位置するBrdU陽性増殖細胞(矢印)を示している。円は高度に増殖している領域を示す。図7Eは細胞間橋内のBrdU陽性細胞を示す。亜集団(矢印)がバルブアルブミンと共局在している(図7Fの矢印)。バー:500μm(図7Aおよび7D);100μm(図7B、7Eおよび7F);50μm(図7C)。
【図8】 図8はMAP-2の細胞発現の増強および遊走過程との相関関係を示した顕微鏡写真である。強いMAP-2発現が遊走皮質神経細胞の先端突起内に観察され、これは遊走開始時の先導的過程である。白矢印は皮質層Iの位置を示しており、約500μmである。2次および3次樹状突起は見られない。バー:40μm。
【図9】 図9は視床皮質共培養物の視床および皮質組織の間にあるパルブアルブミン-ir視床神経細胞の増殖および遊走を示した顕微鏡写真である。3nMの高度に精製したNRP-1およびBrdUを視床皮質OTCに24時間添加し、4DIV後に固定した。図9Aは遊走細胞列がパルブアルブミンおよびBrdUについて陽性である増殖神経細胞(太い白の矢印で示した)を含むことを明らかにしている共焦点画像である。いくつかの神経細胞はパルブアルブミンについてのみ陽性である(細い矢印)。白の長い矢印は視床組織の位置を示している。図9Bおよび9Cは遊走列内の大部分のパルブアルブミン-ir細胞(図9B)は増殖細胞であることを示している(図9C;矢印)。繊維の免疫反応性に注目し、神経細胞が神経線維に沿って「移行」いることに注目する。バー:100μm(図9A);50μm(図9Bおよび9C)。
【図10】 図10は視床のパルブアルブミン-ir神経細胞における増殖開始の定量的解析を示す。BrdUおよび3nMのNRP-1を共培養開始時に投与した。24時間後に培地を交換した。視床組織内(手綱核、外側膝状核、視床網様体核および視床正中核を含む)のパルアルブミンおよびBrdUの共局在性をin vitroにて5日後に評価した。全パルブアルブミン-ir視床集団の6.8%が増殖性特徴を有していた。ビヒクルに比較してNRP-1は強い増殖誘導を示した。Nは評価した視床組織の数を表す。
【図11】 視床組織内の増殖パルブアルブミン-ir細胞の定量を表した図である。NRP-1投与の5日後に、視床の中枢部内のパルブアルブミン-ir細胞において顕著な増殖誘導(白い矢印)があった。パルブアルブミン発現細胞の大部分は非増殖性のままであった(図11Aの矢尻)。手綱核内では、ごく一部のパルブアルブミン発現細胞のみがBrdUで二重標識される(図11B)。ビヒクル処理培養物では、二重標識パルブアルブミン発現細胞は極めてまれにしか見られなかった(図11Cの矢印)。図11Dでは、示した皮質層VI近くに遊走したカルレチニン/BrdU陽性細胞が存在した。バー:50μm。
【図12】 図12は、NRP-1で誘導された増殖の特異性を表す。GFAPの発現パターンおよびBrdU取込を監視することにより星状細胞の増殖状態をテストした。視床皮質OTCに3nMの高度に精製した遊走誘導因子を添加し、in vitroにて4日後に固定した。図12Aは増殖的特徴を有する星状細胞(図12B、白矢尻)のごく一部の集団のみを含む神経細胞遊走列を伴った非増殖GFAP陽性星状細胞(白矢印)を表す。神経細胞遊走列のごく近傍の星状細胞のおよそ30%が増殖性特徴を有していた。バー:50μm。
【図13】 図13は、小脳遊走誘導の定量化を示したものである。NRP-1投与2日後、小脳細胞の大規模な誘導が見られた。大部分の細胞は小脳辺縁から200〜300μmの間に分布した。細胞のかなりの数は辺縁から約500〜600μmに分布した。ビヒクル処理培養物の細胞は300μmという最大分布を示した。実験データは3つの異なる培養物由来の9個の評価微小外植片に由来するものである。
【図14】 図14は、小脳微小外植片における神経細胞遊走を示したものである。カバー・スリップ上で沈降時間、3時間の後に微小外植片に75nMの精製NRP-1を加えた。共培養開始時に(細胞培養液の添加)、NRP-1を最終濃度3nMで加えた。図14Aは、微小外植片起源の、主として小さな細胞(直径10〜15μm)の大規模な遊走および神経突起伸長があったことを示している。直径15μmを越える遊走細胞を矢尻で示してある。小さな抑制性神経細胞が遊走細胞列として(図14A、14Bおよび14C)、または、微小外植片を連結する神経ネットワーク上に幾分大まかに整列して(図14D)遊走している。図14Eおよび14Fにおいて、MAP-2発現が示されている。図14F中の矢印は遊走神経細胞を示している。
【図15】 図15はプレインキュベーション法を用いたNRP-2断片KG(ヒト13番染色体)による生存性アッセイの結果を示す。小脳微小外植片をNRP-2断片KGと共に15時間プレインキュベーションし、続いて3-NP/グルタミン酸塩で9時間損傷させた。72時間後、神経突起伸長を示した細胞を計数することにより、神経細胞生存性を評価した。5〜100nMで用いると、NRP hc 13は完全に損傷の効果を逆転させた。5、10および100nMのNRP-2断片KG hc 13は培養神経細胞の増殖を誘導した。
【図16】 図16は、NRP-2断片KGを用いた生存性アッセイの結果を示す。小脳外植片を3-NP/グルタミン酸塩で損傷させ、同時にNRP-2断片KGでレスキューした。48時間後、神経突起伸長を示した細胞を計数することにより神経細胞生存性を評価した。同時適用した損傷におけるNRP-2の生存性に関する最大生物学的活性は100pM〜1nMにあった。
【図17】 図17は、NRP-2断片KGおよびラットNRP-1を用いた、無損傷増殖誘導の結果を示す。初期神経生存または接着効果によるアッセイにおける妨害を減少させるため、培養開始24時間後にペプチドを添加した。培養物はin vitroにて3日後に固定した。NRP-2断片KGの300pMにて大規模な神経細胞増殖があった。
【図18】 図18は、NRP-2断片KSを用いた走触性遊走アッセイの結果を示す。NRP-2断片KS(0.01μg/mlおよび0.1μg/ml)を10μg/ml BSAまたは10μg/mlヒトトランスフェリン中でそれぞれ希釈した。被覆したNRP-2断片KSを続いて100μg/ml PDLコーティングにかけた。線条細胞をPDL-被覆インサート中に播種し、遊走行動を48時間後に測定した。培養ディッシュを150ngのNRP2断片KSでコーティングした場合に、大規模な線条体神経細胞の遊走誘導があった。
【図19】 図19はヒトNRP-4断片GQを用いた生存性研究の結果を示す。小脳微小外植片を3-NP/グルタミン酸塩で損傷させ、同時にNRP-4断片GQ(ヒト15番染色体)でレスキューした。48時間後、神経突起伸長を示した細胞を計数することにより神経細胞生存性を評価した。生存性に関するNRP-4断片GQの最大生物学的活性は10nM〜100nMにあった。
【図20】 図20はNRP-4断片GQを用いた損傷条件下における増殖誘導に関する研究の結果を示す。小脳外植片を3-NP/グルタミン酸塩で損傷させた。NRP-4断片およびBrdUを同時に24時間投与した。72時間後、各培養物について4つの顕微鏡視野内のBrdU陽性核を計数した。増殖誘導はペプチドの10nM濃度にて観察された。
【図21】 図21はNRP-3断片SQ(ヒト3番染色体)による生存性アッセイの結果を示す。小脳微小外植片を3-NP/グルタミン酸塩で損傷させ、同時にNRP-3断片SQでレスキューした。48時間後、神経突起伸長を示した細胞を計数することにより神経細胞生存性を評価した。生存性についてNRP-3の最大生物学的活性は100pM〜1nMにあった。
【図22】 図22は、マウスNRP-7断片SWを用いた生存性アッセイの結果を示す。小脳微小外植片を3-NP/グルタミン酸塩で損傷させ、同時にヒトトランスフェリン存在下でマウスNRP-7によりレスキューした。48時間後、神経突起伸長を示した細胞を計数することにより神経細胞生存を評価した。生存性についてNRP-7断片SWの最大生物学的活性は0.1pM〜1pMにあった。
【図23】 図23は、マウスNRP-7断片SWを用いた生存性アッセイの結果を示す。小脳微小外植片を3-NP/グルタミン酸塩で損傷させ、同時にヒトトランスフェリンなしでNRP-7(SW)によりレスキューした。48時間後、神経突起伸長を示した細胞を計数することにより神経細胞生存を評価した。生存性についてNRP-7断片SWの最大生物学的活性は100pM〜1nMにあった。
【図24】 図24は、NRP-7断片SWマウスペプチドを用いた、損傷条件下における増殖誘導の研究結果を示す。小脳微小外植片を3-NP/グルタミン酸塩で損傷させた。NRPおよびBrdUを同時に24時間投与した。72時間後、各培養物について4つの顕微鏡視野内のBrdU陽性核を計数した。マウスNRP-7の0.1pMおよび100pMにより大規模な増殖誘導があった。損傷および非損傷小脳細胞間で増殖の相違は見られなかった。このことは、小脳微小外植片系内の損傷誘導増殖星状細胞の数が非常に少ないことを間接的に示している。
【図25】 図25は、NRP-7断片SWを用いた走触性遊走アッセイ研究の結果を示す。NRP-7(0.1μg/mlおよび1μg/ml)を10μg/ml BSA中で希釈してコーティングを行い、続いて50μg/mlのPDLコーティングを行った。皮質細胞をPDL被覆インサート中に播種し、1pg/mlの24merペプチドを溶液中に添加した。in vitroにて1日後に細胞計数を行った。
【図26】 図26はNRP-1精製に使用した工程のフローチャートを示す。
【図27】 図27は、均一精製NRP-1を得るための陽イオン交換精製工程の結果を示す。精製はHigh S(Biorad)陽イオン交換体上で、Bioradの低圧クロマトグラフユニットを用いて行った。10mMクエン酸塩(pH4)に対して徹底的に脱塩した、ゲルろ過クロマトグラフィーからの80%アセトン-沈殿生物学的活性ピークを0.01Mクエン酸塩中でクロマトグラフィーにかけた(1ml/分)。0.01Mクエン酸塩(pH4.5)中の1M NaClを用いてカラムを溶出した。遊走-促進活性は溶出体積43〜53mlに溶出された。254nmの波長で吸光度を測定した。得られたNRPの純度をN-末端アミノ酸配列により確認したが、明瞭な結果を与えた。
【図28】 図28は、MALDI-TOF質量分光測定によるNRP-1分析の結果を示す。陽イオン交換からの主要ペプチドの純度および質量(M+H+)をMALDI-TOF MSによって確認した。主要なピークを表す単一の荷電ペプチドNRP-1は2046という質量を有していた。
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> Neuren Pharmaceuticals Limited
Neuren Pharmaceuticals Inc.

<120> Neural Regeneration Peptide and Methods for their use in
Treatment of Brain Damage
<130> X1L0301
<150> 60/314952
<151> 2001-08-24
<160> 28
<170> PatentIn version 3.2
<210> 1
<211> 48
<212> DNA
<213> RAT
<400> 1
tatgatccag aggccgcctc tgccccagga tcggggaacc cttgccat 48
<210> 2
<211> 16
<212> PRT
<213> RAT
<400> 2
Tyr Asp Pro Glu Ala Ala Ser Ala Pro Gly Ser Gly Asn Pro Cys His
1 5 10 15
<210> 3
<211> 48
<212> DNA
<213> ARTIFICIAL
<220>
<223> Synthetic
<220>
<221> misc_feature
<222> (3)..(6)
<223> n=c, t/u
<220>
<221> misc_feature
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<223> n=a, t, c, g
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<221> misc_feature
<222> (12)..(12)
<223> n=g,a
<220>
<221> misc_feature
<222> (15)..(36)
<223> n=a,t,c,g
<220>
<221> misc_feature
<222> (39)..(39)
<223> n=c, t/u
<220>
<221> misc_feature
<222> (42)..(42)
<223> n=a,t,c,g
<220>
<221> misc_feature
<222> (45)..(48)
<223> n=c, t/u
<400> 3
tanganccng angcngcntc ngcnccnggn tcnggnaanc cntgncan 48
<210> 4
<211> 333
<212> DNA
<213> HUMAN
<400> 4
atgagagtca gagtacaact caagtctaat gtccaagttg gagcaggaca ctcagcaaag 60
gatccagagg caaggagagc acctggaagc ctacatccct gtctagcagc atcatgctca 120
gctgctggcc tgcacacaag ctcgtggaag aacctgtttt tgatagaagg actagtaagt 180
atttgcctag ggcacatagt tgtacaagag acggacgttt ttaggtcctt gcggtttctt 240
gcatttccag aaaacttgct tcaaatattt ttccagatgc aaaattcctt ggatccttgt 300
tttagaatga atctattaaa aacttcacat taa 333
<210> 5
<211> 110
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 5
Met Arg Val Arg Val Gln Leu Lys Ser Asn Val Gln Val Gly Ala Gly
1 5 10 15
His Ser Ala Lys Asp Pro Glu Ala Arg Arg Ala Pro Gly Ser Leu His
20 25 30
Pro Cys Leu Ala Ala Ser Cys Ser Ala Ala Gly Leu His Thr Ser Ser
35 40 45
Trp Lys Asn Leu Phe Trp Ile Glu Gly Leu Val Ser Ile Cys Leu Gly
50 55 60
His Ile Val Val Gln Glu Thr Asp Val Phe Arg Ser Leu Arg Phe Leu
65 70 75 80
Ala Phe Pro Glu Asn Leu Leu Gln Ile Phe Phe Gln Met Gln Asn Ser
85 90 95
Leu Asp Pro Cys Phe Arg Met Asn Leu Leu Lys Thr Ser His
100 105 110
<210> 6
<211> 336
<212> DNA
<213> HUMAN
<400> 6
atgaaaataa atgtattaat taaattaatg accaagtcag attcttttaa aagccaagcc 60
aggggccaag ttcccccatt tctagggggg gtggggtgcc cctggttttt tcaaacaagg 120
ttttggggcc atagttttgc agttaaactg gcctccaacc tttcccaggc agagaaattg 180
gtccttcagc aaaccctttc ccaaaaaggc ctagacggag caaaaaaagc tgtgggggga 240
ctcggaaaac taggaaaaga tgcagtcgaa gatctagaaa gcgtgggtaa aggagccgtc 300
catgacgtta aagacgtcct tgactcagta ctatag 336
<210> 7
<211> 111
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 7
Met Lys Ile Asn Val Leu Ile Lys Leu Met Thr Lys Ser Asp Ser Phe
1 5 10 15
Lys Ser Gln Ala Arg Gly Gln Val Pro Pro Phe Leu Gly Gly Val Gly
20 25 30
Cys Pro Trp Phe Phe Gln Thr Arg Phe Trp Gly His Ser Phe Ala Val
35 40 45
Lys Leu Ala Ser Asn Leu Ser Gln Ala Glu Lys Leu Val Leu Gln Gln
50 55 60
Thr Leu Ser Gln Lys Gly Leu Asp Gly Ala Lys Lys Ala Val Gly Gly
65 70 75 80
Leu Gly Lys Leu Gly Lys Asp Ala Val Glu Asp Leu Glu Ser Val Gly
85 90 95
Lys Gly Ala Val His Asp Val Lys Asp Val Leu Asp Ser Val Leu
100 105 110
<210> 8
<211> 438
<212> DNA
<213> HUMAN
<220>
<221> misc_feature
<222> (353)..(354)
<223> n=modified form of a/t/c/g; n=a/t/c/g
<400> 8
atggctgttg tgttacttgc accatttggg gacatcagcc aggaaatcac aaaggttggg 60
acagggactc cagggagggc tgaggccggg ggccaggtgt ctccatgcct ggcggcgtcc 120
tgcagtcagg cctatggcgc catcttggct cactgcaacc tctgcctccc aggttcaatg 180
attaaaaaaa agaagaaatt tatagttgaa atagaaagtc aacctttaaa gtcttacagg 240
gaaaattcta cccattttcc cagaccagtc ctaaatctta tgcgaaaaca ctgtggggaa 300
aagggggaag aagggccttg tttctctccc aagcaaatgg gggagaggcg agnntgtggc 360
ggagggctag ggttggctcg cgagatcact aatttaacat ccgctcatct gttggtcttg 420
aatatcagca accagtga 438
<210> 9
<211> 145
<212> PRT
<213> HUMAN
<220>
<221> SITE
<222> (118)..(118)
<223> X=UNCERTAIN. AMINO ACID COULD NOT BE DETERMINED.
<400> 9
Met Ala Val Val Leu Leu Ala Pro Phe Gly Asp Ile Ser Gln Glu Ile
1 5 10 15
Thr Lys Val Gly Thr Gly Thr Pro Gly Arg Ala Glu Ala Gly Gly Gln
20 25 30
Val Ser Pro Cys Leu Ala Ala Ser Cys Ser Gln Ala Tyr Gly Ala Ile
35 40 45
Leu Ala His Cys Asn Leu Cys Leu Pro Gly Ser Met Ile Lys Lys Lys
50 55 60
Lys Lys Phe Ile Val Glu Ile Glu Ser Gln Pro Leu Lys Ser Tyr Arg
65 70 75 80
Glu Asn Ser Thr His Phe Pro Arg Gly Val Leu Asn Leu Met Arg Lys
85 90 95
His Cys Gly Glu Lys Gly Glu Glu Gly Pro Cys Phe Ser Pro Lys Gln
100 105 110
Met Gly Glu Arg Arg Xaa Cys Gly Gly Gly Leu Gly Leu Ala Arg Glu
115 120 125
Ile Thr Asn Leu Thr Ser Ala His Leu Leu Val Leu Asn Ile Ser Asn
130 135 140
Gln
145
<210> 10
<211> 801
<212> DNA
<213> HUMAN
<400> 10
atgctggacc cgtcttccag cgaagaggag tcggacgagg ggctggaaga ggaaagccgc 60
gatgtgctgg tggcagccgg cagctcgcag cgagctcctc cagccccgac tcgggaaggg 120
cggcgggacg cgccggggcg cgcgggcggc ggcggcgcgg ccagatctgt gagcccgagc 180
ccctctgtgc tcagcgaggg gcgagacgag ccccagcggc agctggacca tgagcaggag 240
cggaggatcc gcctgcagct ctacgtcttc gtcgtgaggt gcatcgcgta ccccttcaac 300
gccaagcagc ccaccgacat ggcccggagg cagcagaagc ttaacaaaca acagttgcag 360
ttactgaaag aacggttcca ggccttcctc aatggggaaa cccaaattgt agctgacgaa 420
gcattttgca acgcagttcg gagttattat gaggtttttc taaagagtga ccgagtggcc 480
agaatggtac agagtggagg gtgttctgct aaggacttca gagaagtatt taagaaaaac 540
atagaaaaac gtgtgcggag tttgccagaa gtggatggct tgagcaaaga gacagtgttg 600
agctcatgga tagccaaata tgatgccatt tacagaggtg aagaggactt gtgcaaacag 660
ccaaatagaa tggccctaag tgcagtgtct gaacttattc tgagcaagga acaactctat 720
gaaatgtttc agcagattct gggtattaaa aaactggaac accagctcct ttataatgca 780
tgtcaggtaa gtggtctctg a 801
<210> 11
<211> 266
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 11
Met Leu Asp Pro Ser Ser Ser Glu Glu Glu Ser Asp Glu Gly Leu Glu
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Glu Glu Ser Arg Asp Val Leu Val Ala Ala Gly Ser Ser Gln Arg Ala
20 25 30
Pro Pro Ala Pro Thr Arg Glu Gly Arg Arg Asp Ala Pro Gly Arg Ala
35 40 45
Gly Gly Gly Gly Ala Ala Arg Ser Val Ser Pro Ser Pro Ser Val Leu
50 55 60
Ser Glu Gly Arg Asp Glu Pro Gln Arg Gln Leu Asp Asp Glu Gln Glu
65 70 75 80
Arg Arg Ile Arg Leu Gln Leu Tyr Val Phe Val Val Arg Cys Ile Ala
85 90 95
Tyr Pro Phe Asn Ala Lys Gln Pro Thr Asp Met Ala Arg Arg Gln Gln
100 105 110
Lys Leu Asn Lys Gln Gln Leu Gln Leu Leu Lys Glu Arg Phe Gln Ala
115 120 125
Phe Leu Asn Gly Glu Thr Gln Ile Val Ala Asp Glu Ala Phe Cys Asn
130 135 140
Ala Val Arg Ser Tyr Tyr Glu Val Phe Leu Lys Ser Asp Arg Val Ala
145 150 155 160
Arg Met Val Gln Ser Gly Gly Cys Ser Ala Asn Asp Phe Arg Glu Val
165 170 175
Phe Lys Lys Asn Ile Glu Lys Arg Val Arg Ser Leu Pro Glu Ile Asp
180 185 190
Gly Leu Ser Lys Glu Thr Val Leu Ser Ser Trp Ile Ala Lys Tyr Asp
195 200 205
Ala Ile Tyr Arg Gly Glu Glu Asp Leu Cys Lys Gln Pro Asn Arg Met
210 215 220
Ala Leu Ser Ala Val Ser Glu Leu Ile Leu Ser Lys Glu Gln Leu Tyr
225 230 235 240
Glu Met Phe Gln Gln Ile Leu Gly Ile Lys Lys Leu Glu His Gln Leu
245 250 255
Leu Tyr Asn Ala Cys Gln Val Ser Gly Leu
260 265
<210> 12
<211> 237
<212> DNA
<213> HUMAN
<400> 12
atgagagaca aacaacatct aaatgcaaga cataaaaagg aaaggaagga gagatcatat 60
agtacaacac tacaaggtgt tctcaacaaa aagtctttgt tagacttcaa taatactatt 120
tggtacttct atcagcaaat aggaagcatt ccaatactta ttagatcctc taccatcaga 180
cacagaaatt acctagaaaa cagaaatgta ttgccaaatc tcaaacaaga gggctga 237
<210> 13
<211> 78
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 13
Met Arg Asp Lys Gln His Leu Asn Ala Arg His Lys Lys Glu Arg Lys
1 5 10 15
Glu Arg Ser Tyr Ser Thr Thr Leu Gln Gly Val Leu Asn Lys Lys Ser
20 25 30
Leu Leu Asp Phe Asn Asn Thr Ile Trp Tyr Phe Tyr Gln Gln Ile Gly
35 40 45
Ser Ile Pro Ile Leu Ile Arg Ser Ser Thr Ile Arg His Arg Asn Tyr
50 55 60
Leu Glu Asn Arg Asn Val Leu Pro Asn Leu Lys Gln Glu Gly
65 70 75
<210> 14
<211> 449
<212> DNA
<213> MOUSE
<400> 14
ggcagcctcg agatggggaa gatggcggct gctgtggctt cattagccac gctggctgca 60
gagcccagag aggatgcttt ccggaagctt ttccgcttct accggcagag ccggccgggg 120
acagcggacc tgggagccgt catcgacttc tcagaggcgc acttggctcg gagcccgaag 180
cccggcgtgc cccaggtagg aaaggaggag tagtgtgtgc cagcctagcg gccgactggg 240
ccacccgaga ctgggccgcc tccgcggctt tggagggaag cccctgctgg gcctgtccag 300
tgagctgtaa tgtcgagcga tgagcgacca gctgcctcgc tgtcccaacg ctctggccac 360
ggcttgtgcc ttgccgccat ttcccccaac ccacgcgggc cacggcttgt gccctgccgc 420
catttccccc aacccacgcg accttgctc 449
<210> 15
<211> 66
<212> PRT
<213> MOUSE
<400> 15
Met Gly Lys Met Ala Ala Ala Val Ala Ser Leu Ala Thr Leu Ala Ala
1 5 10 15
Glu Pro Arg Glu Asp Ala Phe Arg Lys Leu Phe Arg Phe Tyr Arg Gln
20 25 30
Ser Arg Pro Gly Thr Ala Asp Leu Gly Ala Val Ile Asp Phe Ser Glu
35 40 45
Ala His Leu Ala Arg Ser Pro Lys Pro Gly Val Pro Gln Val Gly Lys
50 55 60
Glu Glu
65
<210> 16
<211> 342
<212> DNA
<213> MOUSE
<400> 16
atgaatcgaa accctggagt ccctcgagat ggggaagatg gcggctgctg tggcttcatt 60
agccacgctg gctgcagagc ccagagagga tgctttccgg aagcttttcc gcttctaccg 120
gcagagccgg ccggggacag cggacctggg agccgtcatc gacttctcag aggcgcactt 180
ggctcggagc ccgaagcccg gcgtgcccca ggtaggaaag gaggagtagt gtgtgccagc 240
ctagcggccg actgggccac ccgagactgg gccgcctccg ggccggcttt ggagggaagc 300
ccctgctggg cctgtccagt gagctgtaat gtcgagcgat ga 342
<210> 17
<211> 113
<212> PRT
<213> MOUSE
<400> 17
Met Asn Arg Asn Pro Gly Val Pro Arg Asp Gly Glu Asp Gly Gly Cys
1 5 10 15
Cys Gly Phe Ile Ser His Ala Gly Cys Arg Ala Gln Arg Gly Cys Phe
20 25 30
Pro Glu Ala Phe Pro Leu Leu Pro Ala Glu Pro Ala Gly Asp Ser Gly
35 40 45
Pro Gly Ser Arg His Arg Leu Leu Arg Gly Ala Leu Gly Ser Glu Pro
50 55 60
Glu Ala Arg Arg Ala Pro Gly Arg Lys Gly Gly Val Val Cys Ala Ser
65 70 75 80
Leu Ala Ala Asp Trp Ala Thr Arg Asp Trp Ala Ala Ser Gly Pro Ala
85 90 95
Leu Glu Gly Ser Pro Cys Trp Ala Cys Pro Val Ser Cys Asn Val Glu
100 105 110
Arg

<210> 18
<211> 24
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 18
Lys Asp Pro Glu Ala Arg Arg Ala Pro Gly Ser Leu His Pro Cys Leu
1 5 10 15
Ala Ala Ser Cys Ser Ala Ala Gly
20
<210> 19
<211> 426
<212> DNA
<213> MOUSE
<400> 19
atgtgcactc tgcaggtatg gtcttcctcc ctcccttccc tcccccacct ctctgagggg 60
tcaggggtca gcatttggat gctgctccca ccaggcccag ctttagaaat gaattcctcc 120
ggcctccttt atactcttga gacctcctgg ggaaccagga ccctcttggc tcctctggtg 180
acatacatgg gatctgatgc atctgaggtg gatgcaagaa gagcaaaaaa gagtctccac 240
tgcatcctgt ctgacaccag ccatccccgg ggccatgccc ggaatgagag gaggcttggc 300
cttggggttt ggaagaccga gctttgggtc cagaccctgc tatcactgat ggtgacatcc 360
tgggaagttt atgaaactcg ttcgtgcctc agtttcccca tcaggccttt agctcactgg 420
ggataa 426
<210> 20
<211> 141
<212> PRT
<213> MOUSE
<400> 20
Met Cys Thr Leu Gln Val Trp Ser Ser Ser Leu Pro Ser Leu Pro His
1 5 10 15
Leu Ser Glu Gly Ser Gly Val Ser Ile Trp Met Leu Leu Pro Pro Gly
20 25 30
Pro Ala Leu Glu Met Asn Ser Ser Gly Leu Leu Tyr Thr Leu Glu Thr
35 40 45
Ser Trp Gly Thr Arg Thr Leu Leu Ala Pro Leu Val Thr Tyr Met Gly
50 55 60
Ser Asp Ala Ser Glu Val Asp Ala Arg Arg Ala Lys Lys Ser Leu His
65 70 75 80
Cys Ile Leu Ser Asp Thr Ser His Pro Arg Gly His Ala Arg Asn Glu
85 90 95
Arg Arg Leu Gly Leu Gly Val Trp Lys Thr Glu Leu Trp Val Gln Thr
100 105 110
Leu Leu Ser Leu Met Val Thr Ser Trp Glu Val Tyr Glu Thr Arg Ser
115 120 125
Cys Leu Ser Phe Pro Ile Arg Leu Leu Ala His Trp Gly
130 135 140
<210> 21
<211> 498
<212> PRT
<213> Mycobacterium tuberculosis
<400> 21
Met Ser Phe Val Val Thr Ile Pro Glu Ala Leu Ala Ala Val Ala Thr
1 5 10 15
Asp Leu Ala Gly Ile Gly Ser Thr Ile Gly Thr Ala Asn Ala Ala Ala
20 25 30
Ala Val Pro Thr Thr Thr Val Leu Ala Ala Ala Ala Asp Glu Val Ser
35 40 45
Ala Ala Met Ala Ala Leu Phe Ser Gly His Ala Gln Ala Tyr Gln Ala
50 55 60
Leu Ser Ala Gln Ala Ala Leu Phe His Glu Gln Phe Val Arg Ala Leu
65 70 75 80
Thr Ala Gly Ala Gly Ser Tyr Ala Ala Ala Glu Ala Ala Ser Ala Ala
85 90 95
Pro Leu Glu Gly Val Leu Asp Val Ile Asn Ala Pro Ala Leu Ala Leu
100 105 110
Leu Gly Arg Pro Leu Ile Gly Asn Gly Ala Asn Gly Ala Pro Gly Thr
115 120 125
Gly Ala Asn Gly Gly Asp Gly Gly Ile Leu Ile Gly Asn Gly Gly Ala
130 135 140
Gly Gly Ser Gly Ala Ala Gly Met Pro Gly Gly Asn Gly Gly Ala Ala
145 150 155 160
Gly Leu Phe Gly Asn Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Asn Val Ala
165 170 175
Ser Gly Thr Ala Gly Phe Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Leu Leu
180 185 190
Tyr Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Arg Ala Gly Gly Gly
195 200 205
Val Gly Gly Ile Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Asn Gly Gly Leu
210 215 220
Leu Phe Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Val Gly Gly Leu Ala Ala Asp
225 230 235 240
Ala Gly Asp Gly Gly Ala Gly Gly Asp Gly Gly Leu Phe Phe Gly Val
245 250 255
Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Thr Gly Thr Asn Val Thr Gly Gly
260 265 270
Ala Gly Gly Ala Gly Gly Asn Gly Gly Leu Leu Phe Gly Ala Gly Gly
275 280 285
Val Gly Gly Val Gly Gly Asp Gly Val Ala Phe Leu Gly Thr Ala Pro
290 295 300
Gly Gly Pro Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Leu Phe Gly Val Gly
305 310 315 320
Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ile Gly Leu Val Gly Asn Gly Gly Ala
325 330 335
Gly Gly Ser Gly Gly Ser Ala Leu Leu Trp Gly Asp Gly Gly Ala Gly
340 345 350
Gly Ala Gly Gly Val Gly Ser Thr Thr Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly
355 360 365
Gly Asn Ala Gly Leu Leu Val Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly
370 375 380
Ala Leu Gly Gly Gly Ala Thr Gly Val Gly Gly Ala Gly Gly Asn Gly
385 390 395 400
Gly Thr Ala Gly Leu Leu Phe Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Phe Gly
405 410 415
Phe Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Leu Gly Gly Lys Ala Gly Leu
420 425 430
Ile Gly Asp Gly Gly Asp Gly Gly Ala Gly Gly Asn Gly Thr Gly Ala
435 440 445
Lys Gly Gly Asp Gly Gly Ala Gly Gly Gly Ala Ile Leu Val Gly Asn
450 455 460
Gly Gly Asn Gly Gly Asn Ala Gly Ser Gly Thr Pro Asn Gly Ser Ala
465 470 475 480
Gly Thr Gly Gly Ala Gly Gly Leu Leu Gly Lys Asn Gly Met Asn Gly
485 490 495
Leu Pro

<210> 22
<211> 641
<212> PRT
<213> Epstein Barr Virus
<400> 22
Met Ser Asp Glu Gly Pro Gly Thr Gly Pro Gly Asn Gly Leu Gly Glu
1 5 10 15
Lys Gly Asp Thr Ser Gly Pro Glu Gly Ser Gly Gly Ser Gly Pro Gln
20 25 30
Arg Arg Gly Gly Asp Asn His Gly Arg Gly Arg Gly Arg Gly Arg Gly
35 40 45
Arg Gly Gly Gly Arg Pro Gly Ala Pro Gly Gly Ser Gly Ser Gly Pro
50 55 60
Arg His Arg Asp Gly Val Arg Arg Pro Gln Lys Arg Pro Ser Cys Ile
65 70 75 80
Gly Cys Lys Gly Thr His Gly Gly Thr Gly Ala Gly Ala Gly Ala Gly
85 90 95
Gly Ala Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Ala Gly Ala Gly
100 105 110
Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly
115 120 125
Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala
130 135 140
Gly Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly
145 150 155 160
Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Ala Gly
165 170 175
Ala Gly Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Ala Gly Gly
180 185 190
Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Ala Gly
195 200 205
Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Ala
210 215 220
Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Ala
225 230 235 240
Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly
245 250 255
Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly
260 265 270
Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly
275 280 285
Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly
290 295 300
Ala Gly Gly Ala Gly Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Ala Gly Ala Gly
305 310 315 320
Gly Ala Gly Ala Gly Gly Gly Gly Arg Gly Arg Gly Gly Ser Gly Gly
325 330 335
Arg Gly Arg Gly Gly Ser Gly Gly Arg Gly Arg Gly Gly Ser Gly Gly
340 345 350
Arg Arg Gly Arg Gly Arg Glu Arg Ala Arg Gly Gly Ser Arg Glu Arg
355 360 365
Ala Arg Gly Arg Gly Arg Gly Arg Gly Glu Lys Arg Pro Arg Ser Pro
370 375 380
Ser Ser Gln Ser Ser Ser Ser Gly Ser Pro Pro Arg Arg Pro Pro Pro
385 390 395 400
Gly Arg Arg Pro Phe Phe His Pro Val Gly Glu Ala Asp Tyr Phe Glu
405 410 415
Tyr His Gln Glu Gly Gly Pro Asp Gly Glu Pro Asp Val Pro Pro Gly
420 425 430
Ala Ile Glu Gln Gly Pro Ala Asp Asp Pro Gly Glu Gly Pro Ser Thr
435 440 445
Gly Pro Arg Gly Gln Gly Asp Gly Gly Arg Arg Lys Lys Gly Gly Trp
450 455 460
Phe Gly Lys His Arg Gly Gln Gly Gly Ser Asn Pro Lys Phe Glu Asn
465 470 475 480
Ile Ala Glu Gly Leu Arg Ala Leu Leu Ala Arg Ser His Val Glu Arg
485 490 495
Thr Thr Asp Glu Gly Thr Trp Val Ala Gly Val Phe Val Tyr Gly Gly
500 505 510
Ser Lys Thr Ser Leu Tyr Asn Leu Arg Arg Gly Thr Ala Leu Ala Ile
515 520 525
Pro Gln Cys Arg Leu Thr Pro Leu Ser Arg Leu Pro Phe Gly Met Ala
530 535 540
Pro Gly Pro Gly Pro Gln Pro Gly Pro Leu Arg Glu Ser Ile Val Cys
545 550 555 560
Tyr Phe Met Val Phe Leu Gln Thr His Ile Phe Ala Glu Val Leu Lys
565 570 575
Asp Ala Ile Lys Asp Leu Val Met Thr Lys Pro Ala Pro Thr Cys Asn
580 585 590
Ile Arg Val Thr Val Cys Ser Phe Asp Asp Gly Val Asp Leu Pro Pro
595 600 605
Trp Phe Pro Pro Met Val Glu Gly Ala Ala Ala Glu Gly Asp Asp Gly
610 615 620
Asp Asp Gly Asp Glu Gly Gly Asp Gly Asp Glu Gly Glu Glu Gly Gln
625 630 635 640
Glu

<210> 23
<211> 18
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 23
Asp Pro Glu Ala Arg Arg Ala Pro Gly Ser Leu His Pro Cys Leu Ala
1 5 10 15
Ala Ser

<210> 24
<211> 24
<212> PRT
<213> MOUSE
<400> 24
Ser Glu Pro Glu Ala Arg Arg Ala Pro Gly Arg Lys Gly Gly Val Val
1 5 10 15
Cys Ala Ser Leu Ala Ala Asp Trp
20
<210> 25
<211> 24
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 25
Lys Asp Pro Glu Ala Arg Arg Ala Pro Gly Ser Leu His Pro Cys Leu
1 5 10 15
Ala Ala Ser Cys Ser Ala Ala Gly
20
<210> 26
<211> 19
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 26
Lys Asp Pro Glu Ala Arg Arg Ala Pro Gly Ser Leu His Pro Cys Leu
1 5 10 15
Ala Ala Ser
<210> 27
<211> 11
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 27
Ser Asp Ser Phe Lys Ser Gln Ala Arg Gly Gln
1 5 10
<210> 28
<211> 11
<212> PRT
<213> HUMAN
<400> 28
Gly Thr Pro Gly Arg Ala Glu Ala Gly Gly Gln
1 5 10

Claims (15)

  1. 配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27および配列番号28からなる群より選ばれるアミノ酸配列からなる、神経再生ペプチド(NRP)化合物。
  2. 請求項1記載のNRP化合物の薬理学上効果的な量を含む、神経再生を促進するための医薬組成物。
  3. 神経再生が、神経細胞生存、神経細胞増殖、神経細胞遊走および神経突起伸長からなる群より選ばれる、請求項2記載の医薬組成物。
  4. 動物の脳幹神経節において神経再生を促すための、請求項2記載の医薬組成物。
  5. 神経組織がパーキンソン病、アルツハイマー病、低酸素症、虚血症またはハンチントン病のために変性している危険性がある、請求項記載の医薬組成物。
  6. 生物体において神経変性によって特徴付けられる神経学的疾病の治療用医薬組成物であって、請求項1記載のNRP化合物の薬理学上効果的な量を含む前記医薬組成物。
  7. 神経学的疾病が、パーキンソン病、アルツハイマー病、低酸素症、虚血症およびハンチントン病からなる群より選ばれる、請求項6記載の医薬組成物。
  8. 神経細胞増殖および/または神経細胞遊走を誘導する医薬組成物であって、請求項1記載のNRP化合物の神経細胞に対する効果的な量を含む前記医薬組成物。
  9. 神経突起伸長促進用医薬組成物であって、請求項1記載のNRP化合物の神経細胞に対する効果的量を含む前記医薬組成物。
  10. 神経細胞生存性促進用医薬組成物であって、請求項1記載のNRP化合物の神経細胞に対する効果的量を含む前記医薬組成物。
  11. 神経細胞増殖および/または神経細胞遊走を誘導する医薬組成物であって、請求項1記載のNRP化合物の神経細胞に対する効果的量を含む前記医薬組成物。
  12. 神経細胞が生きた動物内に存在している、請求項11記載の医薬組成物。
  13. 神経細胞が動物の体内に存在していない、請求項11記載の医薬組成物。
  14. 神経細胞が動物の中枢神経系に存在している、請求項11記載の医薬組成物。
  15. 請求項1記載のNRP化合物の効果的量を含む脊髄損傷治療用医薬組成物。
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