JP3273363B2 - プリント基板製造用アルミニウム中間板 - Google Patents

プリント基板製造用アルミニウム中間板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂ベースのプリ
ント基板を製造する際に使用されるプリント基板製造用
アルミニウム中間板、殊に、多段プレスに使用され、表
面に離型性を有すると共に反復使用可能なプリント基板
製造用アルミニウム中間板に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂ベースのプリント基板は、ガラスク
ロスや紙などの基材にエポキシ樹脂やフェノール樹脂な
どの熱硬化性樹脂を含浸させて乾燥処理した半硬化状態
のプリプレグ(prepreg)を、加熱硬化させることによ
り得られる。プリプレグの加熱硬化は、必要に応じて適
当な大きさに切断(裁断)したプリプレグを複数枚積層
し、上下方向から熱と圧力を所定時間加える多段プレス
により行われる。
【0003】図3は、一般的なプリプレグの多段プレス
を説明する斜視図である。この図に示すように、多段プ
レスは、熱板10dの上に、ステンレス鏡面板51、離
型フィルム52、プリプレグP〔3枚重ね〕、離型フィ
ルム52、ステンレス鏡面板51、離型フィルム52・
・・のように、ステンレス鏡面板51、離型フィルム5
2、プリプレグPの三者を順々に40段程度(3枚重ね
のプリプレグPを基準にしての段数)、サンドイッチ状
に積み重ね(以下、積み重ねたものを「積層物」とい
う)、最後に最上層にあるステンレス鏡面板51の上に
熱板10uを置く。このように、プリプレグPは1段ご
とに、上下をステンレス鏡面板51と離型フィルム52
に挟まれる。そして、上下から熱と圧力を加えることに
より、プリプレグPの硬化が行われ、プリント基板が製
造される。図3は、3枚重ねのプリプレグから1枚のプ
リント基板を製造するものである。この多段プレスで
は、上下の熱板10u・10dの温度をそれぞれ180
℃程度にして、3〜4時間、プリプレグPの加熱及び加
圧を行う。なお、熱は、上下の熱板10u・10dを熱
源として、伝導伝熱により上下方向に伝わる。
【0004】ところで、ステンレス鏡面板51は、厚さ
1.0〜1.2mm程度のステンレス製の薄板から構成
され、プリプレグPを硬化して得られるプリント基板の
表面が平らになるようにする役割を果たす。このため、
ステンレス鏡面板51は、表面に凹凸や傷がないように
極めて平滑に表面仕上げされている。一方、離型フィル
ム52は、プリプレグPを加熱硬化させた後、硬化後の
プリント基板がステンレス鏡面板51に付着しないよう
にする役割を果たす。この離型フィルム52は、離型性
に優れたフッ素系のフィルムなど、例えば「テドラーフ
ィルム(登録商標)」が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この離
型フィルム52は、1回の使用によりシワなどができて
しまうため、反復使用することができず、使用毎に廃棄
される。また、このフッ素系などのフィルムは高価なた
め、製品であるプリント基板のコストを引き上げてしま
う。さらに、環境面からは、フッ素系のフィルムはリサ
イクルが困難であり、環境上好ましくないという問題が
ある。また、ステンレス鏡面板51は、1回〜数回の使
用ごとに表面研磨及び清浄を行う必要があり、取り扱い
が不便であるという問題がある。さらに、多数のステン
レス鏡面板51と離型フィルム52をプリプレグPと共
に積み重ねるのは、多大な労力を必要とする。この労力
は、コストを押し上げる要因になる。加えて、ステンレ
ス鏡面板51は重いので、多段プレスを行う装置への重
量的な負担が大きい。従って、多段プレスにおける労力
の大幅な低減、部材の反復使用によるコスト低減、装置
への重量的な負担低減などが求められる。
【0006】ところで、特公平8−21765号公報に
は、「アルミニウム箔の支持シート、及び該支持シート
の両面を覆い、少なくとも375℃まで熱的に安定であ
るポリマー樹脂を含む離型材料の層を具備することを特
徴とする、印刷回路板の積層および穴あけに使用する二
目的のセパレーター離型板」が提案されている。ちなみ
に、この公報に記載されている発明は、「回路板(プリ
プレグ)の間のコストのかかるステンレス鋼のセパレー
ター板(ステンレス鏡面板)の必要性をなくすこと」、
「使い捨て離型シート(離型フィルム)の必要性をなく
すこと」などを目的としてなされたものである。そし
て、この公報には、「アルミニウム箔の支持シートは、
約0.13〜0.64mmの厚さであり、3003−H
19又は3004−H19アルミニウム箔はこの目的の
ために満足すべきものである」ことが記載されている。
また、ポリマー樹脂(ポリマー材料)について、「この
ポリマー材料は、ほぼ375℃まで熱的に安定である、
多数の樹脂の1つとすることができる」ことが記載され
ている。さらには、「離型材料はポリマー樹脂であり、
少なくとも375℃まで熱的に安定である」ことが記載
されている。
【0007】しかし、375℃まで耐えるポリマー樹脂
は、高価である。従って、耐熱温度を下げて、安価なポ
リマー樹脂を使用することができる方策が望まれる。ま
た、3003−H19又は3004−H19のアルミニ
ウムでは、優れた品質の製品(プリント基板)を得るこ
とができない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ステンレ
ス鏡面板及び使い捨ての離型シートをなくすことを前提
にして、鋭意研究を行い、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、前記課題を解決した本発明のプリン
ト基板製造用アルミニウム中間板は、アルミニウム薄板
の少なくとも片面をエポキシ樹脂及びシリコーン樹脂を
含んでなる離型層で覆ったプリント基板製造用アルミニ
ウム中間板であって、前記離型層を構成するエポキシ樹
脂及びシリコーン樹脂の比率は、エポキシ樹脂100重
量部に対してシリコーン樹脂が5〜100重量部であ
り、前記アルミニウム薄板を構成するアルミニウムは、
引張強さが300N/mm 2 以上、かつ、耐力が280
N/mm 2 以上であることを特徴とする。この構成のア
ルミニウム中間板は、多層プレスにおけるステンレス鏡
面板と離型シートを一体にしたものである。このアルミ
ニウム中間板を多段プレスに使用すると、アルミニウム
の熱伝導率が良いので、多段プレスにおける1回の処理
時間も少なくなる。このため、多段プレスにおいて、熱
板を無理に加熱する必要はなく、樹脂の耐熱温度は20
0℃程度あれば充分である。従って、離型層として安価
なエポキシ樹脂を使用することができる。また、離型層
は、機械的強度の優れたアルミニウム薄板をベースにコ
ーティングしているため、シワなどができてしまうこと
がなく反復使用が可能になる。
【0010】加えて、離型層を構成するエポキシ樹脂及
びシリコーン樹脂の比率が、エポキシ樹脂100重量部
に対してシリコーン樹脂が5〜100重量部であるの
で、170〜200℃程度の耐熱性と優れた離型性を有
し、かつ多数回の反復使用が可能な離型層を得ることが
できる。なお、この離型層におけるエポキシ樹脂とシリ
コーン樹脂の配合比率は、従来知られているエポキシ樹
脂とシリコーン樹脂を配合した離型シートにおけるエポ
キシ樹脂とシリコーン樹脂の配合比率(エポキシ100
重量部に対してシリコーン樹脂5重量部以下)とは大き
く異なる。従って、さらなる反復使用が可能になるもの
である。
【0011】そして、アルミニウム薄板を構成するアル
ミニウムの、引張強さが300N/mm2以上、かつ、
耐力が280N/mm2以上であるので、多段プレスの
際、プリプレグの流動及び基材(ガラスクロスなど)の
凹凸による表面転写が、アルミニウム中間板に生じるの
を効果的に防止することができる。従って、アルミニウ
ム中間板を、さらに反復使用することができる。あるい
は、アルミニウム薄板の厚みを薄くすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態の
プリント基板製造用アルミニウム中間板の構成を示す断
面図である。図2は、本実施の形態のプリント基板製造
用アルミニウム中間板を使用した多段プレスを説明する
斜視図である。
【0013】本実施の形態のプリント基板製造用アルミ
ニウム中間板Aの構成を説明する(図1参照)。プリン
ト基板製造用アルミニウム中間板Aは、アルミニウム薄
板1の両面をエポキシ樹脂及びシリコーン樹脂を含んで
なる離型層2で覆った構成を有する。このプリント基板
製造用アルミニウム中間板A(以下「アルミニウム中間
板A」という)は、プリプレグPを加熱硬化して、プリ
ント基板を製造する際に使用され、優れた離型性を有す
ると共に優れた耐久性を有し、反復使用が可能なもので
ある。
【0014】〔アルミニウム薄板〕 アルミニウム中
間板Aは、アルミニウム薄板1の表面を離型層2で覆っ
たものであるが、アルミニウムは軽くて機械的強度に優
れ、かつ熱伝導率が良好な金属である。軽いことによ
り、プリプレグPの多段プレス時における取り扱いが容
易になると共に、多段プレスを行う際の重量負荷が低減
される。また、機械的強度に優れることにより、プリプ
レグPの流動及び基材の凹凸による表面転写が、アルミ
ニウム薄板1に生じ難い。さらに、熱伝導率が良好であ
ることにより、離型層2が必要以上の高温に晒されるこ
とがなくなる。従って、離型層2を安価な材料で構成す
ることができる。同時に、離型層2の寿命も延長する。
また、多段プレスにおける1回の処理量を大幅に多くす
ることができる。加えて、多段プレスにおける処理時間
を大幅に短くすることができる。なお、本実施の形態の
アルミニウム中間板は、5回程度(以上)の反復使用を
想定したものである。このため、アルミニウム薄板1も
5回程度(以上)の反復使用に耐えることが要求され
る。
【0015】このアルミニウム薄板1を構成するアルミ
ニウム(アルミニウム材)について、アルミニウム材の
引張強さ及び耐力の値が小さいと、多段プレス時にプリ
プレグPの流動及び基材の凹凸による表面転写が、アル
ミニウム薄板1に生じやすくなる。従って、アルミニウ
ム材は、引張強さが300N/mm2以上、かつ耐力が
280N/mm2以上あることが好ましい。なお、この
ような条件を満たすアルミニウム材としては、強度が高
く腰のある5000系のアルミニウム(例えば518
2)などがある。
【0016】アルミニウム薄板1は、0.2mm以上の
厚さのものを使用することができるが、厚さが薄いと、
多段プレス時に前記したプリプレグPの流動及び基材の
凹凸によるアルミニウム薄板1への表面転写が生じやす
くなる。この表面転写などを考慮するとアルミニウム薄
板1の厚さは、0.3mm以上あることがさらに好まし
い(5182−H38を例にした場合)。なお、このア
ルミニウム薄板1は、厚さが増すと熱の伝わりが悪くな
ると共に重量増によって材料費が増す。従って、アルミ
ニウム薄板1が厚すぎるのも良くない。このため、アル
ミニウム薄板1の厚さは、1mm以下(好ましくは0.
6mm以下)とするのがよい。ちなみに、多段プレス時
において、アルミニウム薄板1には、約30〜60kg
/cm2程度の圧力が加わる。
【0017】〔離型層〕 離型層2は、アルミニウム
薄板1の表面に形成され、プリプレグPを熱硬化させた
プリント基板がアルミニウム中間板Aから容易に剥がれ
るようにする離型材の役割を果たす。なお、本実施の形
態の離型層2は、エポキシ樹脂及びシリコーン樹脂から
なる。
【0018】エポキシ樹脂としては、エポキシ当量13
0〜10,000の、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹
脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェ
ノール樹脂、からなる群の少なくとも1以上を選択して
使用することができる。
【0019】シリコーン樹脂としては、メチルフェニル
ポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、ジメ
チルポリシロキサン、エポキシ変性、アルキル変性、ア
ミノ変性、カルボキシル変性、水酸基官能性、アルコー
ル変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル
変性、エポキシポリエーテル変性、ポリエーテル変性、
アルキル高級アルコール変性、ポリエステル変性、アシ
ロキシアルキル変性、ハロゲン化アルキルアシロキシア
ルキル変性、ハロゲン化アルキル変性、アミノグリコー
ル変性、メルカプト変性ジメチルポリシロキサン混合
体、からなる群の少なくとも1以上を選択して使用する
ことができる。いずれも、エポキシ樹脂と相溶性が良
く、架橋して硬化するタイプのシリコーン樹脂である。
【0020】離型層2におけるエポキシ樹脂とシリコー
ン樹脂の比率は、固形分でエポキシ樹脂100重量部に
対してシリコーン樹脂5〜100重量部が好ましい。こ
の範囲であれば、多数回の反復使用に耐え得る離型層2
を得ることができる。ちなみに、シリコーン樹脂の割合
が少ないと、離型層2の耐熱性及び離型性が悪くなる。
一方、シリコーン樹脂の割合が多くなると、耐熱性は向
上するが製品たるアルミニウム中間板Aのコストが高く
なる。また、シリコーン樹脂の割合が多くなると、プリ
ント基板上にシリコーンが転写しやすくなる。さらに、
離型層2の作製時におけるエポキシ樹脂の硬化性が低下
する。なお、離型性(剥離性)及び塗膜強度を阻害しな
い範囲で、他の樹脂成分を添加することもできる。
【0021】離型層2の膜厚は、1〜6μmの範囲が好
ましい。離型層2の膜厚が薄いと、アルミニウム薄板1
表面の圧延粗度を打ち消すことができず、プリプレグP
(プリント基板)に圧延粗度に起因した模様(圧延の
目)が写ってしまう。なお、アルミニウム薄板1表面の
圧延粗度は、通常1μm程度である。このため、離型層
2の膜厚が1μmの場合、圧延粗度を完全に打ち消すこ
とは困難である。しかし、離型層2の膜厚が1μmあれ
ば、圧延粗度をある程度打ち消すことができる。従っ
て、前記のとおり、離型層2の膜厚は1μm以上が好ま
しい。なお、離型層2の膜厚は、アルミニウム中間板A
の離型層2を溶剤で除去する前と除去した後における重
量を測定することにより求めることができる。
【0022】一方、離型層2の膜厚が厚いと、アルミニ
ウム薄板1表面の圧延粗度を打ち消すことはできるが、
離型層2に衝撃による剥離やひび割れなどが生じやすく
なる(例えば、カット時の端面の剥離やひび割れな
ど)。また、コスト的にも高くなる。従って、前記のと
おり、離型層2の膜厚は6μm以下が好ましい。なお、
離型層2は、2〜4μmがさらに好ましい。この範囲で
あれば、アルミニウム薄板1の表面粗度を充分に打ち消
すことができると共に、ひび割れも生じにくい。ちなみ
に、シリコーン樹脂単体で離型層2を構成した場合は、
アルミニウム薄板1表面の圧延粗度を打ち消すことがで
きる程度に厚い離型層2を形成することが困難である。
また、コストも高くなる。
【0023】なお、本実施の形態のアルミニウム中間板
Aは、5回程度(以上)の反復使用を想定したものであ
る。従って、離型層2も、5回程度(以上)の反復使用
に耐えることが要求される。また、離型層2の耐熱性
は、多段プレスにおける170〜200℃の温度に耐え
ることが要求される。この点、前記した離型層2であれ
ば、このような要求に応えることができる。
【0024】アルミニウム中間板Aの製造方法について
説明する。アルミニウム中間板A(離型層2)は、例え
ば、エポキシ樹脂とシリコーン樹脂を所定の割合で混合
して、この混合液を所定サイズのアルミニウム薄板1の
上に所定厚になるように塗布し、熱処理を行うことによ
り得られる。塗布する手法としては、ロールコート、グ
ラビアコート、リバースコート、バーコートなどがあ
る。なお、塗膜に熱処理を行うことにより、樹脂間で3
次元網目構造が形成され、強固な離型層2で覆われたア
ルミニウム中間板A(プリント基板製造用アルミニウム
中間板A)が得られる。
【0025】次に、このようにして得たアルミニウム中
間板Aの使用方法例を説明する。アルミニウム中間板A
は、多段プレスにおける従来のステンレス鏡面板及び離
型フィルムに代えて、プリプレグPを上下からサンドイ
ッチする。
【0026】具体的には、図2に示すように、熱板10
dの上に、アルミニウム中間板A、プリプレグP、アル
ミニウム中間板A、プリプレグP、・・・のように、ア
ルミニウム中間板AとプリプレグPを順々に60段程度
(3枚重ねのプリプレグPを基準にしての段数)、サン
ドイッチ状に積み重ね(以下、積み重ねたものを「積層
物」という)、最後に最上層にあるアルミニウム中間板
Aの上に熱板10uを置く。このように、多段プレスに
おいて、プリプレグPは、その両面をアルミニウム中間
板Aの離型層2に挟まれる。ちなみに、この図において
は、3枚のプリプレグPから1枚のプリント基板が作製
される。
【0027】そして、積層物を上下から加圧すると共
に、2〜3時間程度加熱する。加圧する圧力は、約30
〜60kg/cm2である。また、熱板10u・10d
の温度は、170〜200℃である。この加圧及び加熱
により、プリプレグPのエポキシ樹脂が熱硬化して(架
橋による3次元網目構造を形成)、強固なプリント基板
になる。加圧及び加熱後、積層物を解体して、硬化し、
かつ平坦になったプリント基板を取り出す。なお、アル
ミニウム中間板Aは、優れた機械的強度を持ったアルミ
ニウム薄板1をベースにしているため、反復使用が可能
である。
【0028】このように、(1)アルミニウム中間板A
は、優れた機械的強度を持ったアルミニウム薄板1を
ベース材にしているので劣化が少ないこと、離型層2
がエポキシ樹脂とシリコーン樹脂による優れた強度と離
型性を有すること、などにより反復使用が可能である。
また、(2)作業労力について、アルミニウムは軽量で
あるため取り扱いやすく、作業を容易に行うことができ
る。さらに、(3)1プレス当たりの処理量について、
アルミニウムは軽量かつ熱伝導率が良いため、1プレス
当たりの処理量を従来に比べて1.5倍程度にすること
ができる。そして、(4)1プレス当たりの処理時間に
ついて、アルミニウムが高い熱伝導率を有するため、1
プレス当たりの処理時間を従来に比べて2/3程度にす
ることができる。
【0029】
【実施例】次に、実施例により、本発明を更に詳細に説
明する(図1及び図2、表1参照)。なお、本発明は、
本実施例に限定されるものではない。ここで、表1は、
実施例及び比較例のアルミニウム中間板の製造条件及び
評価試験の結果を示す。
【0030】〔アルミニウム中間板〕 エポキシ樹脂
100重量部に対してシリコーン樹脂100重量部を配
合し、この配合物を、5000系(5182)のアルミ
ニウム薄板1(厚さ0.4mm)の上に、硬化後の離型
層2の厚さが3〜4μmになるようにバーコータで塗布
した。塗布後、290℃で90秒間処理して硬化させ、
アルミニウム薄板1の両面を離型層2で覆って実施例の
アルミニウム中間板Aを作製した(図1参照)。なお、
比較例1〜比較例3のアルミニウム中間板も、実施例の
アルミニウム中間板Aの製造方法に準じて製造した。
【0031】〔プリプレグ〕 プリプレグPは、基材
たるガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸した後、乾燥処
理して半硬化状態にすることにより得た。このプリプレ
グPのサイズは、縦200mm・横200mm・厚さ
0.1mmである。実施例、比較例ともこのプリプレグ
Pを使用した。
【0032】〔評価試験〕 実施例及び比較例のアル
ミニウム中間板について、それぞれ多段プレスを同じ条
件で行い、アルミニウム中間板の評価試験を行った。評
価試験において、アルミニウム中間板は、いずれも5回
反復使用した。評価試験の結果を、表1に示す。なお、
離型性は、剥離抵抗の大きさで判断した。転写性は、油
性インクのはじきで判断した。表面性(光沢性)は、目
視で判断した。塗膜強度(硬度)は、引っかき試験で判
断した。
【0033】
【表1】
【0034】評価試験において、実施例のアルミニウム
中間板Aは、いずれの項目も良好な結果を示した。
【0035】以上説明した本発明は、前記実施の形態及
び実施例に限定されることなく、広く変形実施すること
ができる。例えば、離型層の表面を粗面化して、表面が
艶消しされたプリント基板が製造されるようにしても良
い。離型層の表面を粗面化するには、離型層作製原料で
あるエポキシ樹脂とシリコーン樹脂の配合物に、粗面化
剤として、シリカ(SiO 2)、マグネシア(Mg
O)、アルミナ(Al23)などを混合すればよい。ま
た、多段プレスにおいて、プリプレグの表面に銅箔が張
られることがあるが、この場合も本発明の範疇に属す
る。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム中間板
(プリント基板製造用中間板)の離型層として安価な樹
脂を使用することができる。また、軽量であるので、多
段プレスにおける作業労力が大幅に削減される。また、
軽量さと高い熱伝導率により、1プレス当たりの処理量
も多くすることができる。さらに、1プレス当たりの処
理時間も大幅に削減することができる。従って、生産性
が極めて向上し、プリント基板の製造コストを大幅に低
減することができる。加えて、離型層が優れた離型性と
優れた耐久性を有するので、反復使用可能である。従っ
て、この点からもプリント基板の製造コストを削減す
る。同時に、廃棄物の量を減らすことができる。また、
フッ素系の樹脂を使用する必要がないので、環境面での
問題も少ない。離型層における樹脂の比率が、エポキシ
樹脂100重量部に対してシリコーン樹脂が5〜50重
量部であれば、170〜200℃の耐熱性を有すると共
に優れた離型性と優れた耐久性を発揮する離型層が低コ
ストで得られる。アルミニウムの引張強さが300N/
mm2以上、耐力が280N/mm2以上あれば、プリプ
レグの流動及び基材の凹凸による表面転写を効果的に防
止することができ、アルミニウム中間板をさらに多数回
反復使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態のプリント基板製
造用アルミニウム中間板の構成を示す断面図である。
【図2】 図1のプリント基板製造用アルミニウム中
間板を使用した多段プレスを説明する斜視図である。
【図3】 従来のステンレス鏡面板及び離型フィルム
を使用した多段プレスを説明する斜視図である。
【符号の説明】 A プリント基板製造用中間板(アルミニウム中間
板) P プリプレグ 1 アルミニウム薄板 2 離型層 10u 熱板(上部側) 10d 熱板(下部側) 51 ステンレス鏡面板 52 離型フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−33846(JP,A) 特開 平1−171822(JP,A) 特公 平8−21765(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 H05K 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム薄板の少なくとも片面をエポ
    キシ樹脂及びシリコーン樹脂を含んでなる離型層で覆っ
    プリント基板製造用アルミニウム中間板であって、 前記離型層を構成するエポキシ樹脂及びシリコーン樹脂
    の比率は、エポキシ樹脂100重量部に対してシリコー
    ン樹脂が5〜100重量部であり、 前記アルミニウム薄板を構成するアルミニウムは、引張
    強さが300N/mm 2 以上、かつ、耐力が280N/
    mm 2 以上であること、 を特徴とするプリント基板製造用アルミニウム中間板。
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