JP3273140B2 - 床下収納庫 - Google Patents

床下収納庫

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JP3273140B2
JP3273140B2 JP19796094A JP19796094A JP3273140B2 JP 3273140 B2 JP3273140 B2 JP 3273140B2 JP 19796094 A JP19796094 A JP 19796094A JP 19796094 A JP19796094 A JP 19796094A JP 3273140 B2 JP3273140 B2 JP 3273140B2
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正照 新村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建物躯体の厨房室等
に配設される床下収納庫に係り、特に、床下空間を有効
に利用して収納面積を大幅に向上させることができる床
下収納庫に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】周知のように、建物躯体の一
階床部には、缶詰めや瓶類等を収納する床下収納庫が設
けられる場合が多いが、従来の床下収納庫は、断面略凹
状に形成された一つの収納庫を床下に固定すると共に、
この収納庫が取り付けられた床面に穴部を開口し、該開
口部を蓋体で開閉できるように構成されている。
【0003】しかしながら、上記従来の床下収納庫は、
床下に広い空間が形成されているにも拘らず、ただ一つ
の収納庫を上記穴部に臨むように取り付けている構成で
ありため、収納容積が非常に小さいので使い勝手が非常
に悪く、また、床下空間を有効に利用していない等の問
題を有していた。
【0004】この発明は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、この種の床下
収納庫の収納容積を大幅に拡大することができると共
に、床に形成された穴部に林材する収納庫の数を、従来
と同様の一つの収納庫とすることで、物品の取り出しや
収納を従来と同様に簡単に行なうことができ、しかも、
各収納庫を用いて収納物の分類収納も可能であるため、
物品の整理収納も容易に行なうことができる床下収納庫
を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にあっては、床下収納庫を、建物躯体の床
下に配設される床下収納庫を、矩形状の枠体と、この枠
体内に3個以上収容され上記枠体に沿って移動する断面
略凹状の収納庫と、上記枠体に沿って配設されるチェー
ンと、このチェーンの上記収納庫と向かい合う側に取り
付けられ、かつ、一の収納庫に対しては少なくとも一個
配置される磁石と、上記枠体の4隅に配置され、チェー
ンを搬送させるスプロケットと、を有して構成され、上
記磁石と向かい合う収納庫の表面には、該磁石と引き合
う磁性板を取付けると共に、少なくとも上記枠体に沿う
部位に一の収納庫が収容できる空間部を設け、上記チェ
ーンを所定の駆動装置で駆動させることで、上記収納庫
の一つを上記床に開設された穴部に臨むように移送する
ことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】それ故、この発明に係る床下収納庫にあって
は、例えば、上記枠体内に、収納庫を2列で3個づつ収
納できる水平或は垂直移動構造とし、その内の収納庫の
1個分の空間部を残して、計5個の収納庫を収容し、一
方の列を3個、他方を2個とする。この状態で、例え
ば、モータ等の駆動装置により、スプロケットを回して
チェーンの搬送を開始すると、各収納庫は磁石の作用に
よりチェーンの移動方向に引く力が作用し、この状態で
コーナー部の収納庫のみは、チェーンの移動方向にある
隣が空間部であるため、チェーンの移動に伴って収納庫
が移動し、やがて空間部に収納庫が移る。
【0007】この間、他の収納庫は、磁石の作用に逆ら
ってそのままの位置に止まる。その後は、上記移動した
収納庫の反対側に空間部が形成され、さらに、チェーン
が移動すると、この空間部の他方の2個の収納庫がコー
ナー部方向へと移送され、これにともない新しい空間部
を形成する。このようにして、次々と空間部を形成しつ
つ収納庫が枠体内を移動する。
【0008】また、上記空間部に移動可能な収納庫以外
の収納庫は、チェーンが搬送状態にあってもそのままの
位置に留まることになるが、この場合には、回転体がこ
ろがり、磁石の作用に逆らう収納庫の荷重を和らげる。
さらに、上記磁石または磁性板の一方または両方が電磁
石からなる構成とすることにより、収納庫の重量に応じ
て磁力の調節が行える。
【0009】
【実施例】以下、添付図面に示す一実施例に基づき、こ
の発明を詳細に説明する。
【0010】図1は、この発明の一実施例に係る床下収
納庫を示すものであり、この床下収納庫Bは、厨房室の
流し調理台Kが設置された床Fと基礎Cとの間に形成さ
れた床下空間部Dに配設されている。尚、図中符号A
は、上記床Fに開設された穴部を開閉する蓋体を示して
おり、該蓋体Fは、ヒンジ装置(図示せず)を介して回
動自在に軸支されている。また、上記穴部は、後記する
一つの収納庫の平面形状と略同じ開口面積を有して構成
されている。
【0011】そして、上記床下収納庫Bは、周りが矩形
状をなすフレームからなる枠体1を形成して構成されて
おり、該枠体1の内側には、枠体1に沿ってレール11
が配設されている。
【0012】この枠体1の内部には、断面略凹状に形成
された3個の収納庫3と、この収納庫3を2列にして、
夫々3個或いは2個に収納庫3が収納され、この2個の
収納庫3が配置された列には、一の収納庫3が収容でき
る広さの空間部9が形成されている。また、枠体1に沿
ってチェーン2が配備されている。
【0013】上記チェーン2は、図1及び図2に示すよ
うに、所定の間隔をおいて2列設けられている。また、
上記枠体の正面及び背面の左右端部には、チェーン2の
搬送方向を変え、また、チェーン2を枠体1に沿って正
確に搬送させるためのスプロケット4が設けられてい
る。
【0014】さらに、本実施例では、2列のチェーンの
水平方向に架け渡した渡棒10の両端近傍に、板状の磁
石5(永久磁石)を取り付けている。この渡棒10は、
所定の間隔を隔ててチェーン2の全体にわたって設けら
れている。
【0015】また、上記収納庫3の外周面であって、上
記磁石5の面と向かい合う部位には、鉄材等の磁性体か
らなる磁性板7が配置されている。勿論、収納庫3の外
周面の全体を鉄板等で構成してもよい。
【0016】図3は、収納庫3のチェーン2と向かい合
う側面を形成する上記磁性板7と、チェーン2に取り付
けられた磁石5と、が近接する部位を示したものであ
る。
【0017】上記磁石5は、ボルト12を用いてチェー
ン2に固定されている。また、磁石5の磁性板7と近接
する面の4隅近傍には、ボールからなる回転体8がその
一部を残して磁石5に埋め込まれる状態で取り付けられ
ている。勿論、上記チェーン2と向かい合う収納庫3の
上部面、或は、下部面に設けられる磁性板7と磁石5と
の間についても上記と同様である。
【0018】上記回転体8は磁石5と磁性板7との滑り
をある程度確保するために有効なものであり、構造的に
必ずしも必要とするものではない。また、この回転体8
に代えて滑らかなフィルム状のものを用いてもよい。
【0019】上記回転体8によって、磁石5の面と磁性
板7との間には、約0.1mm〜0.3mm程度の間隙
が設けられる。この回転体8は球状であるが、他に円柱
状のローラであっても差し支えない。回転体8の材質と
しては、セラミックス製のものが用いられ、また、回転
体8の周囲にはフッ素系樹脂系のコーティングがされた
もの、または、フィルムで覆ったものを使用してもよ
い。
【0020】一方、枠体1の枠内には、合計5個の収納
庫3と、この収納庫3の1個分の空間部9が設けられて
おり、各収納庫3はそれぞれ独立した状態におかれてい
る。このため、空間部9が収納庫3の移動方向に形成さ
れている限りは、その収納庫3はチェーン2の移動によ
り自在に空間部9に向けて前後方向、或いは左右方向に
移動することができる。
【0021】次に、上記床下収納庫における収納庫3の
搬送動作について説明すると、搬送に際しては、先ず、
流し調理台Kのキャビネットに配設された停止スイッチ
と移動スイッチからなるスイッチSWの移動スイッチを
選択してモータ等の駆動源(図示せず)を作動させ、こ
の駆動源の作動によりチェーン2の搬送が開始される。
すると、このチェーン2に固定されている全ての磁石5
が水平方向に移動を開始し、これに伴ってこれら磁石5
の作用により、各磁石5がそれらと向かい合う収納庫3
を磁力で引きつけ、これによってチェーン2の移動に伴
って収納庫3をその移動方向に移動させる力が働く。
【0022】また一方では、収納庫3の移動方向に他の
収納庫3が詰まっている場合には移動できないが、この
ときには、磁石5に設けた回転体8により磁石5は収納
庫3の磁性板7の面を含めた各近接する壁面をころがる
ことになる。尚、上記駆動源としては、他に倍力機構等
を用いて人力によりチェーン2を搬送させる構造であっ
てもよい。
【0023】例えば、図1に示すように、枠体1内の奥
行列左端に空間部9がある場合には、チェーン2の搬送
(時計方向とする)が開始されると、前列左側の収納庫
3は、上記磁力の作用で奥行側の空間部9へ向けて移動
を開始する。
【0024】この時、他の収納庫3は移動ができない停
止状態に置かれているので、その状態ではチェーン2に
引かれる磁石5は、収納庫に近接する壁面を回転体8で
ころがる。やがて、前列左側の収納庫3の全体が、空間
部9への移動を終了すると、元の前列左側の収納庫3が
あった位置に空間部9が形成され、この後は、磁石5の
磁力の作用により前列中間部及び前列右側の収納庫3
が、チェーン2の移動に伴って水平に移送される。尚、
収納庫3の水平方向の移動を円滑にするため、上記各収
納庫3の底部と対面する枠体の底部に、図示はしない
が、球状ベアリング等を配設するのが望ましい。
【0025】このようにして、次々と空間部を形成して
は、そこを埋めるように収納庫3が移動していき、チェ
ーン2の回転と共に各収納庫3も枠体1内を回転しなが
ら移動する。この場合の移動順序としては、 順序1:前列右側の収納庫3が奥行列左側の空間部9に
移動、 順序2:前列中間部及び前列右側の収納庫3が上方に移
動、 順序3:奥行列左側の収納庫3が前列右側に移動、 順序4:奥行列中間部及び奥行列左側に移動した上記順
序1の収納庫3が奥行列右側に移動、 することになり、以下、上記順序の動作が繰り返され
る。
【0026】その結果、上記チェーン2の搬送により収
納庫3を上記物品挿脱用の穴部へと移動させることがで
きる。
【0027】上記枠体1の幅方向の長さHは、収納庫3
の幅×3(個)とこれに若干の枠体1の幅を加えたもの
であり、また、奥行側の長さW1は、収納庫3の奥行寸
法×2(列)とこれに若干の枠体1の奥行寸法及び収納
庫3同士の隙間W2を加えたものであり、床下収納庫全
体として無駄な空間のない構成としている。
【0028】上記床下収納庫で用いた磁石5について
は、収納庫3の重量や収納される物品重量等によって必
要な荷重能力を設ける必要があり、このためには、磁力
の強化或は磁石5の収納庫3に近接する部分の面積を広
げる等の対応がとられることになる。
【0029】また、上記実施例では、磁石5に永久磁石
を用いているが、これに代えて電磁石を用いることもで
きる。さらに、上記収納庫3の周囲面には、鉄等の磁性
体からなる磁性板7を配置したが、これに代えて電磁石
13或は磁石5(永久磁石)を配置してもよい。この電
磁石13を配置する場合には、例えば、チエーン2に沿
って給電用の配線が必要となる。
【0030】上記電磁石13を用いた場合には、収納庫
3の重量に応じて磁力を変えることができると共に、磁
力が不必要な箇所、即ち、移動を要しない収納庫3と向
かい合う電磁石13には励磁しないように制御すること
ができ、その分全体の移動に要する負荷が軽減される。
【0031】従って、上記実施例に係る床下収納庫によ
れば、収納庫3を囲む枠体1に沿って、磁石5が取付け
られたチェーン2を配置しただけの非常に簡単な構造で
あり、しかも、隣合う収納庫3同士は、当接或いは近接
した状態におかれるため、空間が有効に利用されること
になる。
【0032】さらに、この実施例では、床下収納庫全体
が占める容積は少なくて済み、床下空間の利用効率の高
い床下収納庫が提供できる。また、構造が簡単で複雑な
部品等を用いていないため、製造コストは少なくて済み
と共に、上記穴部に臨む収納庫3は従来と同様に一つだ
けであるため、物品の出し入れも容易に行なうことがで
き、さらには、必要に応じて収納庫3を移動させるだけ
の構成であるため、物品の種類毎に分類して収納してお
くこともでき、整理が容易となる、という効果が得られ
る。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る床
下収納庫によれば、収納庫を囲む枠体に沿って磁石を取
付けたチェーンを配置し、このチェーンの搬送により収
納庫を移動させる構成を採用したので、構造が極めて簡
単になってコストが低減でき、また、床下収納庫全体が
占める容積は少なくて済み、床下空間の利用効率の高い
床下収納庫が提供できる他、床に形成された物品挿脱用
の穴部に臨む収納庫は従来と同様に一つだけであるた
め、物品の出し入れも容易に行なうことができ、さらに
は、必要に応じて収納庫を移動させるだけの構成である
ため、物品の種類毎に分類して収納しておくこともで
き、厨房室でストックされる物品の整理が容易となる等
の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る床下収納庫の配設状
態を示す平面図である。
【図2】同床下収納庫の断面図である。
【図3】同床下収納庫の平面図である。
【図4】同床下収納庫の正面図である。
【図5】同床下収納庫の外周面に設けられる磁性板とチ
ェーンに取付けられた磁石との部位を示した正面説明図
である。
【図6】同床下収納庫の外周面に設けられる磁性板とチ
ェーンに取付けられた磁石との部位を示した側面説明図
である。
【符号の説明】
A 蓋体 B 床下収納庫 D 床下空間 F 床 K 流し調理台 1 枠体 2 チェーン 3 収納庫 4 スプロケット 5 磁石 7 磁性板 8 回転体 9 空間部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物躯体の床下に配設される床下収納庫
    を、矩形状の枠体と、この枠体内に3個以上収容され上
    記枠体に沿って移動する断面略凹状の収納庫と、上記枠
    体に沿って配設されるチェーンと、このチェーンの上記
    収納庫と向かい合う側に取り付けられ、かつ、一の収納
    庫に対しては少なくとも一個配置される磁石と、上記枠
    体の4隅に配置され、チェーンを搬送させるスプロケッ
    トと、を有して構成され、上記磁石と向かい合う収納庫
    の表面には、該磁石と引き合う磁性板を取付けると共
    に、少なくとも上記枠体に沿う部位に一の収納庫が収容
    できる空間部を設け、上記チェーンを所定の駆動装置で
    駆動させることで、上記収納庫の一つを上記床に開設さ
    れた穴部に臨むように移送することを特徴とする床下収
    納庫。
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