JP3272841B2 - アリルアルコ−ル類の精製法 - Google Patents

アリルアルコ−ル類の精製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学レンズ材料として使
用されるジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ−ト
の原料として、又フタル酸ジアリル、アクリル酸アリ
ル、メタクリル酸アリル等の樹脂改質剤原料として、又
医農薬の中間体として使用、製造されるアリルアルコ−
ル類の精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】および
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アリルアルコ−ル類は
酸化プロピレンの異性化反応や、プロピレンから酢酸ア
リルを経由する方法で製造される。これらの方法で製造
したアリルアルコ−ル類は保存中に過酸化物が生成する
ことが判明した。有機過酸化物は重合開始剤となること
が知られている。このため、これらの有機過酸化物の存
在するアリルアルコ−ルを使用してジエチレングリコ−
ルビスアリルカ−ボネ−トや、フタル酸ジアリル、アク
リル酸アリル、メタクリル酸アリル等を製造しようとす
ると、反応、精製時に有機過酸化物が熱分解し重合物生
成の原因となり、製品収率を著しく低下させる原因とな
ることが予想される。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記のような
従来技術の問題を解決すべく検討した結果、燐化合物と
アリルアルコ−ル類を加熱することにより過酸化物を分
解することができることを見いだした。
【0005】すなわち、本発明は、 「アリルアルコ−ル類と燐化合物(又は燐単体)を加熱
した後、アリルアルコ−ル類と燐化合物(又は燐単体)
を分離することを特徴とするアリルアルコ−ル類の精製
法」 である。
【0006】本発明におけるアリルアルコ−ル類という
のはアリルアルコ−ルおよびアリル基を有するその誘導
体である。
【0007】本発明に使用される燐化合物としては、ホ
スフィン類、ホスファイト類等が挙げられる。又、黄
燐、赤燐などの燐単体もほん発明における燐化合物であ
る。具体的にはホスフィン類としてはトリフェニルホス
フィン、トリブチルホスフィン等が例示される。具体的
にはホスファイト類等としては、トリフェニルホスファ
イト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(2、4−ジタ−シャリ−ブチルフェニル)ホスファイ
ト等が例示される。
【0008】これらの燐化合物の添加量は粗アリルアル
コ−ル類中の過酸化物を分解できる最小量で良いが、一
般的には粗アリルアルコ−ル類に対して0.5〜5wt
%の範囲で使用することが好ましい。アリルアルコ−ル
類と燐化合物を加熱する温度は40〜200℃の範囲で
行うことができる。好ましくは70〜150℃の範囲で
行うことが好ましい。温度が高過ぎると、製品であるア
リルアルコ−ル類の重合の危険性が高くなるため、好ま
しくない。逆に温度が低すぎると、アリルアルコ−ル類
中の過酸化物を分解するのに必要な、加熱時間が長くな
るため、好ましくない。
【0009】加熱に要する時間はアリルアルコ−ル類中
の過酸化物を分解するのに必要な最低限の時間で良い。
具体的には温度、過酸化物濃度等によってその時間は異
なるが、一般的には100℃前後の処理温度では5〜8
時間で十分である。
【0010】アリルアルコ−ル類と燐化合物を分離する
方法としては公知の手法を用いることができる。例え
ば、蒸留などにより分離することが好ましい。
【0011】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
簡便にアリルアルコ−ル類の品質を向上させることがで
きる。
【0012】実施例 以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本
発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
【0013】実施例1 アリルアルコ−ル10kgと100gのトリフェニルホ
スファイトをフラスコに入れ、窒素下において96〜9
7℃で5時間加熱還流した。その後、蒸留によってアリ
ルアルコ−ルを分離した。得られたアリルアルコ−ルの
過酸化物濃度を測定したところ、過酸化物は検出されな
かった。このアリルアルコ−ルを窒素下において、50
℃で2週間保存した後に過酸化物濃度を測定したとこ
ろ、1.2μmol/gであった。
【0014】実施例2 実施例1で得られた過酸化物の検出されなかったアリル
アルコ−ルを乾燥した空気中で、50℃で2週間保存し
た後に過酸化物濃度を測定したところ、1.4μmol
/gであった。
【0015】実施例3 実施例1の条件においてトリフェニルホスファイトの代
わりにトリフェニルホスフィンを使用して蒸留を行っ
た。得られたアリルアルコ−ルの過酸化物濃度を測定し
たところ、過酸化物は検出されなかった。このアリルア
ルコ−ルを窒素下において、50℃で2週間保存した後
に過酸化物濃度を測定したところ、1.3μmol/g
であった。
【0016】実施例4実施例3 で得られた過酸化物の検出されなかったアリル
アルコールを乾燥した空気中で、50℃で2週間保存し
た後に過酸化物濃度を測定したところ、1.5μmol
/gであった。
【0017】比較例1 実施例1においてトリフェニルホスファイトを加えない
で蒸留を行った。得られたアリルアルコ−ルの過酸化物
濃度を測定したところ、過酸化物は検出されなかった。
このアリルアルコ−ルを窒素下において、50℃で2週
間保存した後に過酸化物濃度を測定したところ、4.0
μmol/gであった。(以下余白)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリルアルコール類と、ホスフィン類、
    ホスファイト類および燐単体の中から選ばれる1種類ま
    たは複数の燐化合物(又は燐単体)を加熱した後、ア
    リルアルコール類と燐化合物(又は燐単体)を分離す
    ることを特徴とするアリルアルコール類の精製法。
  2. 【請求項2】 燐化合物(又は燐単体)が、トリフェニ
    ルホスフィン、トリブチルホスフィン;トリフェニルホ
    スファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
    トリス(2,4−ジターシャリーブチルフェニル)ホス
    ファイト;黄燐、又は赤燐である請求項1記載のアリル
    アルコール類の精製法。
  3. 【請求項3】 アリルアルコール類と燐化合物(又は燐
    単体)とを加熱する温度が40〜200℃である請求項
    又は2に記載のアリルアルコール類の精製法。
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