JP3271681B2 - 遮音構造体 - Google Patents

遮音構造体

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JP3271681B2
JP3271681B2 JP32942293A JP32942293A JP3271681B2 JP 3271681 B2 JP3271681 B2 JP 3271681B2 JP 32942293 A JP32942293 A JP 32942293A JP 32942293 A JP32942293 A JP 32942293A JP 3271681 B2 JP3271681 B2 JP 3271681B2
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隆 坪崎
和弘 徳永
恭一 渡辺
浩 菅原
雄五郎 増田
章祐 奥
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ダッシュパネルに取
付けられる自動車用インシュレータダッシュ等に好適な
遮音構造体に関するもので、特に、防音性能を向上させ
た遮音構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図2に示すように、エンジンル
ームEと車室Rとを区画するダッシュパネル1の車室内
面上には、エンジンルームEから車室Rへの騒音の伝播
を防止するために、インシュレータダッシュ2が設置さ
れている。
【0003】このインシュレータダッシュ2は、図3に
示すように、充填材を混入した塩ビシート,ゴムシート
等、比較的高密度の遮音材層3と、フェルト,ポリウレ
タンフォーム,不織布等、多孔質基材からなる吸音材層
4との積層構造体が一般に使用されている。
【0004】そして、上記吸音材層4によりエンジンル
ームEからの騒音を吸音するとともに、ダッシュパネル
1と遮音材層3との2重壁遮音効果により、上記吸音効
果と併せて良好な防音特性を発揮するように構成されて
いる。
【0005】ところで、最近ではダッシュパネル1の面
形状に正確にフィットするように、吸音材層4として成
形吸音材を使用することが主流である。例えば、繊維系
のものは、化繊や綿にバインダ樹脂を添加し、プレスで
成形する。この場合、熱可塑性タイプのバインダ樹脂と
しては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの
熱融着繊維などが使用され、また熱硬化性タイプのバイ
ンダ樹脂としては、フェノール樹脂が使用されることが
多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インシュレータダッシュ2においては、ダッシュアッパ
ー部など、インシュレータダッシュ2の設定スペースの
確保が困難な箇所では、吸音材層4が薄肉成形となり、
硬くなる。
【0007】また、一般部位でも保形性の点から、面剛
性がもたされており、特にホットプレス成形品は表面が
硬くなりがちである。
【0008】このように、吸音材層4が硬いと、ダッシ
ュパネル1の振動をこの吸音材層4を介して遮音材層3
に伝達しやすく、遮音材層3の振動が騒音となり、車室
内の静粛性を阻害するという問題点が指摘されている。
【0009】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、成形体からなる吸音材層を使用した自動車
用インシュレータダッシュ等の遮音構造体において、車
体パネルからの振動を遮音材層に伝達するのを抑える機
能をもつ吸音材層を使用することにより、防音性能を著
しく高めた遮音構造体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、振動,騒音等が入射する外部との間を鋼
板などの隔壁によって遮蔽されている構造体で、遮音を
目的として設置される遮音材層と成形吸音材層とを積層
一体化してなる遮音構造体において、前記成形吸音材層
は、隔壁の面形状に即して成形された形状を保持する保
形性吸音材層と、隔壁からの振動を減衰する柔軟性吸音
材層とからなる積層構造体で形成され、かつ振動源,騒
音源側に保形性吸音材層、その背面側に柔軟性吸音材層
を配置させたもので、以下に詳述するように、保形性吸
音材層が、平均繊維径3デニール以下の合成樹脂繊維か
ら構成された不織布でなり、柔軟性吸音材層が、平均繊
維径2デニール未満の合成樹脂繊維から構成された面密
度が20〜300g/m 2 の不織布、平均繊維径2〜1
0デニールの合成樹脂繊維から構成された面密度が20
〜250g/m 2 の不織布、あるいは、平均繊維径10
〜15デニールの合成樹脂繊維から構成された面密度が
20〜200g/m 2 の不織布でなることを特徴とす
る。
【0011】ここで、遮音構造体の基本性能というべき
遮音性能は、吸音率と振動伝達率の測定により推定する
ことができ、遮音性能を向上させるためには、この2つ
の性能を上げることが必要となる。
【0012】第1に吸音の効果であるが、遮音性能は吸
音率が高い方が良い。吸音率は面密度,繊度等の様々な
要因に起因しており、面密度を上げることは吸音率を向
上させるのに非常に有効な手段である。
【0013】しかし、密度を上げることは、重量がかさ
み値段も高くなるため、自動車用インシュレータダッシ
ュ等の量産品としては不適である。
【0014】さらに、密度が上がると振動伝達率が高く
なり、遮音性能が低下する。
【0015】第2に、振動伝達率は小さいほど遮音性能
が高い。ここで、振動伝達率はその物体のバネ定数に大
きく依存し、遮音性能向上のためにバネ定数の低減が必
要である。
【0016】よって、遮音性能を向上させるために高吸
音率で、かつ低バネ定数が理想であるが、両性能は一般
に相反し、共に向上させることは困難である。
【0017】そこで、吸音材層で吸音を行ない、柔軟性
吸音材層で低バネ定数化を達成させる目的で積層構造体
を形成することにした。
【0018】ここで、吸音材層の位置関係で吸音率の
代に違いが出ることが確認され、さらに、ある条件の
繊維の太さと、面密度の範囲内において吸音率が向上す
ることを確認した。
【0019】吸音性能を向上させるための積層吸音材の
位置は、振動,騒音源側に保形性吸音材層を、その背面
側に柔軟性吸音材層を配置することが必要である。
【0020】この位置関係だけで、吸音率の向上代が最
高30%向上する結果が得られた。これは、柔軟性吸音
材層の部位が低目付けであるため、比較的高目付けの音
源側保形性吸音材層の仮想的な背後空気層的役割を果た
しているからであると推定できる。
【0021】保形性吸音材層は、平均繊維径が3デニー
ル以下であることが必要である。吸音性能は繊維径に大
きく依存し、大抵、繊度が細いほど吸音性能は向上す
る。
【0022】しかし、細い繊維は高コストであり、さら
に繊維から不織布吸音材を形成するための成形性が非常
に悪くなる。よって、全てを3デニール以下の細繊維に
するのは自動車部品等の量産品としては経済的に問題が
あり、6デニール程度の繊維を数%配合するのが好まし
いが、特に限定はしない。しかし、平均繊度が3デニー
ルを越えてしまうと、本来の吸音性能が大幅に低下して
しまい、遮音材として不適となる。
【0023】また、保形性吸音材層に必要とされる面密
度は、吸音性能の必要性から、0.5kg/m 2以上であ
り、材料コスト,部品重量,バネ定数の観点から1.5
kg/m 2以下が特に好ましいが、これも限定はしない。
【0024】次に、柔軟性吸音材層について説明する。
本来、柔軟性吸音材層は、バネ定数を低減するために設
定されるが、使用繊維の範囲を限定することにより吸音
効果も向上することが確認された。
【0025】本来の目的であるバネ定数低減は、積層す
ることでバネが直列に結合されることと同等となり、低
密度の柔軟性吸音材層を用いるならば、バネ定数の低減
に特に有効である。
【0026】音源側に高密度の保形性吸音材層を位置さ
せることにより、その逆の場合に比べ吸音率が向上する
理由は、柔軟性吸音材層が低目付けであり、厚みを有す
るため、高密度側の背後空気層的な役割をするためと考
えている。
【0027】このとき、平均繊維径や密度に限定条件が
入り、ある条件の範囲内にのみ吸音率が向上することが
確認された。
【0028】まず、平均繊維径が2デニール未満の場合
には、20〜300g/m 2の範囲で向上することが確
認された。
【0029】基本的に繊度は小さい方が性能向上のため
に有効である。よって、上記の範囲の方が、下記の太繊
維構成よりも吸音性能向上のためには特に有効である。
【0030】しかし、細い繊維の含有が多くなればなる
ほど、不織布吸音材を構成するときの成形性が悪化する
ため、経済性が低下する。
【0031】よって、この成形性の観点から、太い繊維
を含有させた柔軟性吸音材層が必要となるが、この場合
の平均繊維径,密度の範囲は、上記のものよりもさらに
限定を受ける。
【0032】平均繊維径が2〜10デニールのときに
は、面密度20〜250g/m 2の範囲で、平均繊維径
が10〜15デニールのときには、面密度が20〜20
0g/m 2の範囲で吸音率の向上が確認できた。
【0033】平均繊維径が15デニールを越えると、ほ
とんど吸音率に関し有効な結果を得られなかった。
【0034】柔軟性吸音材層の厚さは、吸音率に関して
いえば厚い方が良いが、自動車部品のように限られたス
ペースの中では妥当ではなく、高密度吸音材との兼合い
で決定される。具体的には5mm以下が望ましく、遮音性
能を特に向上させるためには2mm程度が望ましいが、特
に限定しない。
【0035】
【作用】以上の構成から明らかなように、保形性吸音材
層と柔軟性吸音材層とからなる積層構造体で遮音構造体
を構成するとともに、音源側に保形性吸音材層を位置さ
せることにより、吸音性能を高めることができた。
【0036】
【実施例】以下、本発明による遮音構造体の実施例つい
て、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】図1は本発明を適用した自動車用インシュ
レータダッシュの構成を示す断面図である。
【0038】図1において、自動車用インシュレータダ
ッシュ10は、高比重の充填材を混入した塩ビシート,
ゴムシート等比較的面密度の大きな遮音材層20と、こ
の遮音材層20の裏面側に圧着一体化される嵩高性不織
布マットを成形してなる成形吸音材層30とから大略構
成されている。
【0039】そして、遮音材層20および成形吸音材層
30は、後述するコールドプレス成形により所要形状に
成形され、図示しないクリップ等の固着手段により隔壁
であるダッシュパネル40の車室内側面上に固定され
る。
【0040】ところで、本発明の特徴は、成形吸音材層
30として、ダッシュパネル40の形状に即して成形さ
れた形状を保持する保形性吸音材層31と、ダッシュパ
ネル40からの振動を減衰する柔軟性吸音材層32との
積層体から構成するとともに、振動,騒音源側に保形性
吸音材層31を配置した点にある。
【0041】すなわち、ダッシュパネル40面側に保形
性吸音材層31を添設し、その表面側に柔軟性吸音材層
32,遮音材層20が順次車室内側に向けて積層される
構成である。
【0042】このように、本発明では、保形性吸音材層
31と柔軟性吸音材層32との積層構造を採用すること
により、振動の大幅な減衰により車室内の静粛性に大き
く貢献でき、防音性能に優れたインシュレータダッシュ
10が提供できるが、特に、保形性吸音材層31を振動
源,騒音源側に配置させ、更に、成形吸音材層30に使
用する不織布マットに適切な繊度,面密度を特定したこ
とによる作用効果について、以下の試験方法を用いて説
明する。
【0043】すなわち、以下の要領で<実施例1>〜<
実施例11>、および<比較例1>〜<比較例5>、な
らびに<従来例1>を作製した。
【0044】<実施例1>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径1.5デニールの繊維より構
成された、面密度40g/m 2の不織布である300×
300mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層
遮音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレ
ス成形して、遮音材料(1)を作製した。
【0045】<実施例2>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径1.5デニールの繊維より構
成された、面密度80g/m 2の不織布である300×
300mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層
遮音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレ
ス成形して、遮音材料(2)を作製した。
【0046】<実施例3>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径1.5デニールの繊維より構
成された、面密度160g/m 2の不織布である300
×300mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積
層遮音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプ
レス成形して、遮音材料(3)を作製した。
【0047】<実施例4>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径6デニールの繊維より構成さ
れた、面密度60g/m 2の不織布である300×30
0mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m2の積層遮音
構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレス成
形して、遮音材料(4)を作製した。
【0048】<実施例5>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径6デニールの繊維より構成さ
れた、面密度80g/m 2の不織布である300×30
0mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m2の積層遮音
構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレス成
形して、遮音材料(5)を作製した。
【0049】<実施例6>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径6デニールの繊維より構成さ
れた、面密度160g/m 2の不織布である300×3
00mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層遮
音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレス
成形して、遮音材料(6)を作製した。
【0050】<実施例7>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径6デニールの繊維より構成さ
れた、面密度240g/m 2の不織布である300×3
00mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層遮
音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレス
成形して、遮音材料(7)を作製した。
【0051】<実施例8>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径13デニールの繊維より構成
された、面密度60g/m 2の不織布である300×3
00mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層遮
音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレス
成形して、遮音材料(8)を作製した。
【0052】<実施例9>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径13デニールの繊維より構成
された、面密度80g/m 2の不織布である300×3
00mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層遮
音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレス
成形して、遮音材料(9)を作製した。
【0053】<実施例10>保形性吸音材層は、平均繊
維径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、
柔軟性吸音材層は平均繊維径13デニールの繊維より構
成された、面密度160g/m 2の不織布である300
×300mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積
層遮音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプ
レス成形して、遮音材料(10)を作製した。
【0054】<実施例11>保形性吸音材層は、平均繊
維径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、
柔軟性吸音材層は平均繊維径13デニールの繊維より構
成された、面密度240g/m 2の不織布である300
×300mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積
層遮音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプ
レス成形して、遮音材料(11)を作製した。
【0055】<比較例1>保形性吸音材層は、平均繊維
径が5デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径2デニールの繊維より構成さ
れた、面密度40g/m 2の不織布である300×30
0mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m2の積層遮音
構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレス成
形して、遮音材料を作製した。
【0056】<比較例2>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径2デニールの繊維より構成さ
れた、面密度320g/m 2の不織布である300×3
00mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層遮
音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレス
成形して、遮音材料を作製した。
【0057】<比較例3>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径6デニールの繊維より構成さ
れた、面密度260g/m 2の不織布である300×3
00mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層遮
音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレス
成形して、遮音材料を作製した。
【0058】<比較例4>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径15デニールの繊維より構成
された、面密度210g/m 2の不織布である300×
300mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層
遮音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレ
ス成形して、遮音材料を作製した。
【0059】<比較例5>保形性吸音材層は、平均繊維
径が3デニールの繊維より構成された不織布であり、柔
軟性吸音材層は平均繊維径16デニールの繊維より構成
された、面密度200g/m 2の不織布である300×
300mm,厚さ30mm,総面密度1.0kg/m 2の積層
遮音構造体を165℃で加熱し、50kgf /cm2 でプレ
ス成形して、遮音材料を作製した。
【0060】<従来例1>開繊された合成繊維より構成
された300×300mm,厚さ30mm,面密度1.0kg
/m 2の成形フェルトを200℃で加熱し、50kgf /
cm2 でプレス成形して、遮音材料を作製した。
【0061】<試験例>上記<実施例1>〜<実施例1
1>,<比較例1>〜<比較例5>,および<従来例1
>において得られた遮音材料について、以下の実験を実
施した。
【0062】試験例(吸音率測定1) 上記の各実施例,比較例,および従来例の方法によって
得たサンプルについて、JIS1405の管内法による
建築材料の垂直入射吸音率測定法に基づいて測定を行な
った。サンプルサイズ100φおよび30φ、領域10
0〜6.4KHZ 。このとき、柔軟性吸音材層を音源側に
位置させて測定を行なった。
【0063】試験例(吸音率測定2) 上記の各実施例,比較例,および従来例の方法によって
得たサンプルについて、JIS1405の管内法による
建築材料の垂直入射吸音率測定法に基づいて測定を行な
った。サンプルサイズ100φおよび30φ、測定領域
100〜6.4KHZ 。このとき、保形性吸音材層を音源
側に位置させて測定を行なった。
【0064】向上代の計算 柔軟性吸音材層を音源側に位置させたときを基準とし、
保形性吸音材層を音源側に位置させた場合の優位性を%
表示した。これらの試験結果を表1にて示す。
【0065】
【表1】 表1より、実施例で作製した各種遮音材料は、従来例に
比べ、吸音率が大幅に向上していることが確認でき、遮
音性能が高いことが示唆されている。また、特許請求の
範囲から外れる仕様で作製した比較例は、性能について
満足な値を得ることができない。
【0066】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る遮音構
造体は、成形吸音材層として、保形性吸音材層と柔軟性
吸音材層との積層構造体から構成し、保形性吸音材層
が、平均繊維径3デニール以下の合成樹脂繊維から構成
された不織布でなり、柔軟性吸音材層が、平均繊維径2
デニール未満の合成樹脂繊維から構成された面密度が2
0〜300g/m 2 の不織布、あるいは、平均繊維径2
〜10デニールの合成樹脂繊維から構成された面密度が
20〜250g/m 2 の不織布、あるいは、平均繊維径
10〜15デニールの合成樹脂繊維から構成された面密
度が20〜200g/m 2 の不織布でなるようにしたか
ら、吸音率が向上して、取付スペース上成形吸音材層が
薄肉を余儀なくされて、振動伝達しやすくなる部位で
も、柔軟性吸音材層により振動を減衰でき、防音性能が
著しく向上するとともに、特に、振動源,騒音源側であ
るダッシュパネル面に対し、保形性吸音材層を配置させ
ることにより、柔軟性吸音材層を背後空気層として機能
させることができ、良好な吸音性能が得られ、車室内の
静粛性に大きく貢献することができるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遮音構造体を適用した自動車用イ
ンシュレータダッシュの構成を示す断面図。
【図2】自動車用インシュレータダッシュの設置箇所を
示す説明図。
【図3】従来の自動車用インシュレータダッシュの構成
を示す断面図。
【符号の説明】
10 自動車用インシュレータダッシュ 20 遮音材層 30 成形吸音材層 31 保形性吸音材層 32 柔軟性吸音材層 40 ダッシュパネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 恭一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 菅原 浩 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 増田 雄五郎 大阪府高槻市別所本町17番6ー341号 (72)発明者 奥 章祐 大阪府大阪市住之江区南港中5丁目5番 32ー808号 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10K 11/16 B60R 13/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動,騒音等が入射する外部との間を鋼
    板などの隔壁によって遮蔽されている構造体で、遮音を
    目的として設置される遮音材層と成形吸音材層とを積層
    一体化してなる遮音構造体において、 前記成形吸音材層は、 隔壁の面形状に即して成形された形状を保持する平均繊
    維径3デニール以下の合成樹脂繊維から構成された不織
    布でなる保形性吸音材層と、平均繊維径2デニール未満の合成樹脂繊維から構成さ
    れ、面密度が20〜300g/m 2 の不織布でなり 隔壁
    からの振動を減衰する柔軟性吸音材層とからなる積層構
    造体で形成され、 かつ振動源,騒音源側に保形性吸音材層、その背面側に
    柔軟性吸音材層を配置させたことを特徴とする遮音構造
    体。
  2. 【請求項2】 振動,騒音等が入射する外部との間を鋼
    板などの隔壁によって遮蔽されている構造体で、遮音を
    目的として設置される遮音材層と成形吸音材層とを積層
    一体化してなる遮音構造体において、 前記成形吸音材層は、 隔壁の面形状に即して成形された形状を保持する平均繊
    維径3デニール以下の合成樹脂繊維から構成された不織
    布でなる保形性吸音材層と、平均繊維径2〜10デニールの合成樹脂繊維から構成さ
    れ、面密度が20〜250g/m 2 の不織布でなり 隔壁
    からの振動を減衰する柔軟性吸音材層とからなる積層構
    造体で形成され、 かつ振動源,騒音源側に保形性吸音材層、その背面側に
    柔軟性吸音材層を配置させたことを特徴とする遮音構造
    体。
  3. 【請求項3】 振動,騒音等が入射する外部との間を鋼
    板などの隔壁によって遮蔽されている構造体で、遮音を
    目的として設置される遮音材層と成形吸音材層とを積層
    一体化してなる遮音構造体において、 前記成形吸音材層は、 隔壁の面形状に即して成形された形状を保持する平均繊
    維径3デニール以下の合成樹脂繊維から構成された不織
    布でなる保形性吸音材層と、平均繊維径10〜15デニールの合成樹脂繊維から構成
    され、面密度が20〜200g/m 2 の不織布でなり
    壁からの振動を減衰する柔軟性吸音材層とからなる積層
    構造体で形成され、 かつ振動源,騒音源側に保形性吸音材層、その背面側に
    柔軟性吸音材層を配置させたことを特徴とする遮音構造
    体。
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