JP3271377B2 - インバータ回路及びこれを用いた無電極放電ランプ点灯装置 - Google Patents

インバータ回路及びこれを用いた無電極放電ランプ点灯装置

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JP3271377B2
JP3271377B2 JP15892993A JP15892993A JP3271377B2 JP 3271377 B2 JP3271377 B2 JP 3271377B2 JP 15892993 A JP15892993 A JP 15892993A JP 15892993 A JP15892993 A JP 15892993A JP 3271377 B2 JP3271377 B2 JP 3271377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放電灯負荷、電動機
負荷、高周波過熱負荷、アンテナ負荷等に適用の可能な
インバータ回路及び、当該インバータ回路を用いた無電
極放電ランプ点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインバータ回路は、周波数固定発
信器の出力を受けてスイッチングを行うように構成され
ていた。また、無電極放電ランプ点灯装置においても、
上記のように、周波数固定発信器の出力を受けてスイッ
チングを行うように構成されたインバータ回路を用いて
構成されていた。
【0003】上記のインバータ回路によると、固定され
た周波数を受けてスイッチングするのであるから、出力
に係る周波数が安定化し所要の周波数範囲に収まるた
め、通信で用いられている周波数帯域に妨害電波が出力
されることがないと言う優れた特徴を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
インバータ回路によると、インダクタンスまたはキャパ
シタンス成分を含む負荷(以下、単に負荷という。)の
周波数特性の変動、例えば、始動時、あるいは、経年変
化等による変動によってインピーダンスマッチング状態
からずれが生じ、インバータ回路から出力される電圧と
電流との位相関係が変化する。このため、インバータ効
率の低下を来たし、最悪の場合には素子が破壊されてし
まうという問題が生じた。
【0005】そこで、周波数可変発振器を用いたインバ
ータ回路が考えられるが、係るインバータ回路による
と、負荷の周波数特性の変動に応じてインバータ回路の
出力の周波数が変動し、通信帯域への妨害電波が比較的
頻繁に生じる危険性がある。
【0006】無電極放電ランプ点灯装置の場合には、イ
ンバータ回路と励起コイルや始動用高圧発生部から構成
される負荷との間に、マッチング回路を設け、負荷イン
ピーダンスの偏角をゼロに近付けることが行われている
が、制作時の調整の誤差や経時変化等により、マッチン
グ状態からのずれが生じ、大量の無効電流が素子に流れ
該素子が破壊されるという問題点があった。
【0007】本発明は上述した従来のインバータ回路及
びそれを用いた無電極放電ランプ点灯装置の問題点を解
決せんとしてなされたもので、その目的は、妨害電波の
発生を問題とならぬ程度に抑えることができ、かつ、負
荷の周波数変動に的確に対応して素子の破壊を防止し得
るインバータ回路及び無電極放電ランプ点灯装置を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る無電極放
電ランプ点灯装置は、固定された周波数で発振する第1
の発振手段と、無電極放電ランプの負荷状態を検出する
負荷状態検出手段と、この負荷状態検出手段により検出
された前記無電極放電ランプの状態に応じた周波数で発
振する周波数可変の第2の発振手段と、前記第1の発振
手段の出力と前記第2の発振手段の出力とのいずれか一
方を選択して前記無電極放電ランプに供給する切換手段
と、前記無電極放電ランプの負荷状態に応じて無電極放
電ランプの安定点灯時には第1の発振手段に、それ以外
は第2の発振手段に前記切換手段の切換を制御する切換
制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】請求項2に係る無電極放電ランプ点灯装置
では、負荷状態検出手段は、無電極放電ランプに与えら
れる電圧、電流を取り込み、これらに基づき負荷状態を
検出することによって無電極放電ランプの安定点灯か否
かを判別することを特徴とする。
【0010】請求項3に係る無電極放電ランプ点灯装置
では、負荷状態検出手段は、得られた電圧と電流との位
相差に応じた位相差信号を出力する一方、切換制御手段
は、前記位相差信号に基づき切換制御を行うことを特徴
とする。
【0011】請求項4に係る無電極放電ランプ点灯装置
では、第1の発振手段は、水晶発振器により構成され、
第2の発振手段は、電圧制御発振器により構成されるこ
とを特徴とする。
【0012】請求項5に係る無電極放電ランプ点灯装置
は、負荷状態検出手段は、得られた電圧と電流との不要
周波数成分を除去するローパスフィルタと、このローパ
スフィルタの出力を所定振幅に制限する飽和増幅器と、
この飽和増幅器から出力される前記電圧と電流との位相
差に応じたパルスを出力する位相周波数比較器とを備え
ることを特徴とする。
【0013】請求項6に係る無電極放電ランプ点灯装置
は、無電極放電ランプに与えられる電圧、電流につい
て、これらが過渡的に変化したときに検出する過渡変化
検出手段と、この過渡変化検出手段により検出された電
圧、電流を得て、前記無電極放電ランプが安定点灯か否
かの状態を検出する負荷状態検出手段と、この負荷状態
検出手段により検出された無電極放電ランプの安定点灯
と非安定点灯が検出されたときには無電極放電ランプの
夫々の状態に応じた周波数で発振し、出力を前記無電極
放電ランプに供給する発振手段とを備えることを特徴と
する。
【0014】請求項7に係る無電極放電ランプ点灯装置
では、過渡変化検出手段は、ハイパスフィルタにより構
成されることを特徴とする。
【0015】請求項8に係る無電極放電ランプ点灯装置
は、請求項7ないし9のいずれか1項記載の無電極放電
ランプ点灯装置であって、上記インバータ回路の出力電
圧と出力電流の位相を検出する位相検出手段と、検出し
た出力電圧と出力電流の位相差が一定となるように上記
インバータ回路の駆動周波数をランプ始動時のみ制御す
る制御手段と、ランプ安定点灯時に上記インバータ回路
に固定の駆動周波数を出力する発振手段に切換え手段を
備えることを特徴とする。
【0016】請求項9に係る無電極放電ランプ点灯装置
は、直流電源を高周波電源に変換して出力するインバー
タ回路と、この高周波電源がマッチング回路および励起
コイルからなるメイン回路を介して供給される無電極放
電ランプとを有する無電極放電ランプ点灯装置におい
て、上記インバータ回路の出力状態を検出する出力状態
検出手段と、検出した出力状態に応じて上記インバータ
回路の駆動周波数を制御するメイン回路の制御ループ系
と、この制御ループ系とは独立して設けられ、始動時に
無電極放電ランプに始動用の高周波高電圧を印加する始
動回路及び始動回路の高周波の周波数または位相を制御
する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【実施例】図1には、本発明に係るインバータ回路の実
施例が示されている。この実施例では、固定の周波数で
発振する水晶発振器1と、負荷状態検出手段7から出力
される制御電圧に応じた周波数で発振する電圧制御発振
器(VCO)2とが備えられている。これら水晶発振器
1と電圧制御発振器2との出力はスイッチ3により一方
が選択され、増幅器4に与えられる。増幅器4にはスイ
ッチング素子が含まれ、発振出力を受けてスイッチング
がなされ、その出力は負荷5に供給される。増幅器4か
ら負荷5に到るラインには、電流ピックアップ部8と電
圧ピックアップ部9とが設けられ、夫々において増幅器
4から出力された電流と電圧とに対応する信号が検出さ
れる。この電圧と電流とは負荷状態検出手段7に与えら
れ、負荷状態の検出に用いられる。負荷状態の検出に
は、様々な手法が考えられるのであるが、ここでは、電
圧と電流との位相差を検出するものとする。即ち、負荷
5の周波数特性が変化すると、マッチング状態からのず
れによってインバータ出力に係る電圧と電流との位相に
変化が生じる。そこで、負荷状態検出手段7では、電圧
と電流との位相についていずれがどれだけ進んでいるか
(若しくは、遅れているか)を検出し、この結果に応じ
た電位を有する制御電圧を出力する。具体的には、例え
ば、位相差がゼロの時に、水晶発振器1と同じ周波数に
なるようなレベルを出力し、電圧が電流より位相が進む
につれ発振周波数を下げる方向へ制御電圧を遷移させ、
逆に、電流が電圧より位相が進むにつれ発振周波数を上
げる方向へ制御電圧を遷移させる。
【0028】更に、このインバータ回路には、切換制御
部6が設けられている。切換制御部6はスイッチ3を制
御する。切換制御部6は、負荷5から、または、負荷状
態検出手段7から負荷5の動作状態に関する情報を得て
おり、動作の始動時、負荷5の寿命末期等において、負
荷5のインピーダンスが大きく変動した時を検出し、係
る状態が検出されるとスイッチ3を電圧制御発振器2側
へ倒すように切り換え制御を行う。また、負荷5のイン
ピーダンスが安定しているときには、スイッチ3を水晶
発振器1側へ倒すように切り換え制御を行う。
【0029】以上の動作により、増幅器4の出力は基本
的には、電圧と電流との位相が合致した状態で負荷5に
供給され、インバータ回路の破壊が防止される。また、
負荷5のインピーダンスが安定しているときには、水晶
発振器1の出力を受けてスイッチングがなされ、固定周
波数による発振の利点である妨害電波の抑制を図ること
ができる。また、負荷5のインピーダンスが大きく変動
した時には、電圧制御発振器2により発振周波数が変化
して電圧と電流との位相のずれを抑制するように働く
が、この動作は、負荷5のインピーダンスが大きく変動
する始動時等の僅かな時間であり、妨害電波が通信等に
及ぼす影響は殆ど無いものである。
【0030】上記実施例は、負荷5のインピーダンス変
動に基づいてスイッチを切り換えた。インピーダンス変
動は取りも直さず、電圧と電流の位相差として現れるの
で、この位相差が許容値を越えた時に切り換えが行われ
る。他の実施例では、負荷5の動作を、光学的、磁気
的、熱的、電気的等に検出して、所望の時に切り換えを
行う。また、他の実施例では、スイッチ3は切換制御部
6によらずマニュアルで切り換えられる。
【0031】図2には、インバータ回路の他の実施例が
示されている。図1における構成要素と同一の構成要素
には同一の符号が付されている。この実施例では、負荷
に与えられる電圧、電流について、これらが過渡的に変
化したときに検出するために、ハイパスフィルタ11、
12を設け、電流ピックアップ部8、電圧ピックアップ
部9により検出される信号に過渡的な変化があった場合
のみに、負荷状態検出手段7A側へ通過させられるよう
に構成されている。
【0032】負荷状態検出手段7Aは、ハイパスフィル
タ11、12から信号が与えられないときには、予め定
められた周波数(図1の水晶発振器1の発振周波数に対
応)で発振が行われるように制御電圧を出力し、ハイパ
スフィルタ11、12から信号が与えられると、電圧と
電流の位相関係に基づき図1の負荷状態検出手段7と同
様の動作によって、制御電圧の出力を行う。
【0033】上記の構成によって、負荷5のインピーダ
ンスが過渡的に大きく変動した場合には、電圧制御発振
器2により発振周波数が変化して電圧と電流との位相の
ずれを抑制するように働き、負荷5のインピーダンスが
安定しているときには、水晶発振器1の出力と同様の固
定的な周波数の出力を受けてスイッチングがなされる。
即ち、図1の実施例と等価な効果を得ることができる。
【0034】上記のインバータ回路を用いた無電極放電
ランプ点灯装置について説明する。無電極放電ランプ点
灯装置では、始動時に巨大な電力を必要とし、かつ、そ
の際に高周波電源の負荷となる要素は、励起コイル及び
始動用高圧発生装置というリアクタンス成分が中心の要
素であるという特徴を有する。なお、始動用高圧発生装
置は、LC共振回路、高周波トランス等を構成要素とす
る。このため、高効率の高周波スイッチングのインバー
タ回路を用いると、大量の無効電流が素子を流れ、素子
の破壊が生じる。
【0035】そこで、上記のインバータ回路を用いるこ
とになるが、無電極放電ランプ点灯装置では、高周波電
源の負荷となる要素が実際上如何なる特性を有している
のか問題である。このため、無電極放電ランプ点灯装置
において負荷となる部分とインバータ回路に部分とを、
図3に示すハーフブリッジ型回路で実現し、コンデンサ
Csと電源電圧VDDとを調整し、FET- T1,T2が
破壊する時の限界出力電力と、電圧電流の位相差との関
係を調べた。ここにおいて、Lは励起コイル(170n
H)、Cpはマッチング用のコンデンサ(530p
F)、Rは出力電流測定用無誘導抵抗、Pは出力電圧測
定点をそれぞれ示す。
【0036】結果は、図4に示す通りであって、丸で示
したポイントでは電源及び素子の静的限界まで電力を上
昇させたが素子の破壊が生じなかったことを示す。ま
た、『×』で示したポイントでは、素子が実際に破壊し
た。同図に示す通り、位相差が負、即ち電流が電圧に対
し遅れた時に素子が極めて破壊され易くなることが判っ
た。上記結果は、MOSFETを用いた場合であるが、
他の素子によっても同様の傾向が確認された。また、他
のトポロジーによっても、例えば、E級シングルエンド
アンプによる構成、フルブリッジ構成による場合でも、
同様の傾向となることが確認された。
【0037】以上を前提とし、図5に示される如くのイ
ンバータ回路を用いた無電極放電ランプ点灯装置を構成
した。この無電極放電ランプ点灯装置においては、中空
の石英ガラス球内にクリプトンガスやNaI等が封入さ
れたランプ本体20に、棒状のガラス管からなる始動用
細管21が接合された無電極放電ランプLPを用いてい
る。始動時には、始動用細管21に高電圧を与えてプラ
ズマを発生させ、ランプ本体20にプラズマを誘起させ
るため、励起コイルLからコンデンサC3 を介して、コ
イルL1、コンデンサC4 、抵抗R1 が並列に接続され
たスタータ回路(始動回路)STに電力供給がなされ
る。スイッチSWはスタート用のスイッチを示す。励起
コイルLより電源側には、コンデンサCsとコンデンサ
CpとがT回路を構成するように接続され、マッチング
回路として機能する。スイッチング用のFET- T1、
T2の接続点とFET- T2のソースとの間からインバ
ータ出力が、上記のマッチング回路を介して励起コイル
Lに供給される。FET- T1のソースとFET- T2
のドレインとの間には、電源電圧VDDが与えられてい
る。スイッチング用の高周波は、ドライバ22からFE
T- T1、T2のゲートに与えられている。以上が従来
より知られている無電極放電ランプ点灯装置の基本的構
成である。
【0038】本実施例では、インバータ出力に係る電流
を検出するため、FET- T1、T2の接続点からコン
デンサCsに到るラインに電流トランス23を設け、イ
ンバータ出力に係る電圧を検出するため、FET- T1
のドレイン−ソース間にコンデンサC1、C2が直列に
接続されたコンデンサデバイダを設けている。検出端2
4A、24Bから取り込まれた信号は、それぞれローパ
スフィルタ25、26に致り、高調波が除去される。ロ
ーパスフィルタ25、26の出力はそれぞれアンプとシ
ュミット回路とにより構成される飽和増幅器27、28
へ到る。この飽和増幅器27、28では、電流、電圧対
応の信号がパルス信号(ロジック信号)に変換される。
このパルス信号は位相周波数比較器29へ与えられ、位
相差の検出が行われ、位相差に対応して正負のパルスが
出力される。
【0039】具体的には、電圧と電流との位相差がなけ
れば、出力信号は生じない。電圧が電流より進むとその
位相差に応じたパルス幅を持った正のパルスを発生し、
逆に、電流が電圧よりも進むとその位相差に応じたパル
ス幅を持った負のパルスを発生する。このようにして発
生されたパルスは位相周波数比較器29からローパスフ
ィルタ31とアナログスイッチ34の入力端子とに与え
られる。ローパスフィルタ31は、比較器32と共に切
換制御手段を構成し、与えられたパルスを積分して直流
の電圧に変換し、比較器32に入力端子へ与える。比較
器32の他の入力端子には基準電圧VREF が与えられて
いる。基準電圧VREF は、当該無電極放電ランプ点灯装
置が正常に動作するときに位相周波数比較器29の出力
信号を直流レベルにローパスフィルタ31で変換した値
である。例えば、電圧が電流に対し10乃至30パーセ
ント進んでいるときの値である。
【0040】比較器32に出力は、そのままアナログス
イッチ34の制御端子に与えられ、また、インバータ3
3を介してアナログスイッチ35の制御端子に与えられ
る。したがって、アナログスイッチ34、35は、いず
れか一方が選択的に開かれる。アナログスイッチ34、
35の出力端子の接続点からは選択された信号がローパ
スフィルタ36に与えられる。ローパスフィルタ36で
は、積分による直流電圧の作成が行われ、この直流電圧
は制御電圧として電圧制御発信器37に与えられる。電
圧制御発信器37は、与えられた電圧に相当する周波数
の発振を行う。電圧制御発信器37の出力は、増幅器3
9及び位相周波数比較器30に与えられる。
【0041】位相周波数比較器30には、電圧制御発信
器37の出力と固定的な周波数で発振している水晶発振
器38の出力が与えられている。位相周波数比較器30
は、位相周波数比較器29と同一の構成である。位相周
波数比較器30の出力信号はアナログスイッチ35の入
力端子に与えられている。従って、アナログスイッチ3
4が開状態になっているときに位相周波数比較器30の
出力はアナログスイッチ35で停止されるので装置の動
作に関与しない。これに対し、アナログスイッチ35が
開かれると位相周波数比較器30、ローパスフィルタ3
6、電圧制御発振器37、水晶発振器38は、PLL回
路を構成し、電圧制御発振器37の出力は水晶発振器3
8の発振周波数となる。このようにして電圧制御発振器
37から出力された信号は、増幅器39で増幅されドラ
イバ22へ与えられる。
【0042】次に、上記のように構成された無電極放電
ランプ点灯装置の動作を説明する。スイッチSWを閉じ
ると、コンデンサC3を介してコンデンサC4、コイル
L1、抵抗R1からなる共振回路に電力が供給され共振
が生じる。共振エネルギーは始動用細管21に供給さ
れ、プラズマ放電を生じさせる。このプラズマ放電は、
点灯用コイルLからのランプ本体20へのエネルギー供
給と相俟ってランプ本体20のプラズマ放電を誘起し、
リングプラズマがランプ本体20内に生じ点灯状態へと
到る。
【0043】上記の無電極放電ランプの始動時から点灯
に到るまでの間には、無電極放電ランプの周波数特性が
変化するのであるが、この変化を電流トランス23とコ
ンデンサC1、C2によるデバイダとにより電流電圧を
取り出し、フィードバックループによりインバータ回路
のスイッチング周波数をコントロールして、インピーダ
ンスマッチング状態を現出する。
【0044】電流トランス23とコンデンサC1、C2
によるデバイダとにより取り出された電流電圧は、ロー
パスフィルタ25、26により高調波の除去がなされ、
飽和増幅器27、28によりパルス信号への変換がなさ
れる。飽和増幅器27、28は同一の構成であり、図6
に示されるようである。
【0045】電流電圧に対応する取り出された信号は、
直流成分除去用のコンデンサC5を介してインバータ6
1に与えられる。インバータ61の入出力端子間には帰
還抵抗R2が接続され、インバータ61の入出力電圧が
電源電圧VDDの1/2になるように、即ち、飽和するよ
うに構成されている。一方、無電極放電ランプでは、イ
ンバータ回路の負荷が大きな寄生容量、寄生インダクタ
ンス等を含み、スイッチング波形は高調波を多く含むこ
とから、始動時の周波数変動により負荷側に到る電圧電
流波形に大きなリンギングが重畳することになるのであ
るが、飽和増幅器27、28によって電流と電圧との位
相情報を的確に捕らえ得る、デューティー比が約50パ
ーセントのパルス信号が得られる。更に、インバータ6
1の出力は、カップリングコンデンサC6を介してシュ
ミット回路62へ与えられ、更なる波形整形を受ける。
図6の各部(a)、(b)、(c)における信号波形が
図7に示されている。この波形に示される通り、コンデ
ンサC5により直流成分が除去され、帰還抵抗が付設さ
れたインバータ61によりパルス信号に変換がなされ、
最終的にシュミット回路62によって波形整形されたパ
ルスが得られる。なお、飽和増幅器の他の例としては、
帰還抵抗が付されたインバータを2段カスケード接続し
た構成を挙げることができる。係る構成により増幅率を
大きくすることができる。
【0046】さて、先に示した図5の実施例において、
飽和増幅器27、28の前段にローパスフィルタ25、
26を設けているが、この構成について説明する。無電
極放電ランプの始動時には、インバータ回路の負荷が殆
どリアクタンス成分のみにより構成されることになり、
ストレイインダクタンス、リードインダクタンス等の浮
遊インダクタンスが、マッチング回路のキャパシタンス
と共振を生じ負荷側に到る電圧電流にリンギングが多く
含まれることになる。このリンギングを多く含んだ電圧
電流を検出して、位相成分を抽出せんとしても、そのま
までは不可能である。例えば、図8(b)に示される信
号が検出端24A、24Bから取り込まれている場合に
は、単に飽和増幅器を用いると、リンギングに応じて5
つのパルスが生じてしまう(図8(a))。そこで、こ
の問題を回避するため、バンドパスフィルタ、ローパス
フィルタを用いることになるが、バターワース回路、チ
ェビシュク回路等のリアクタンス成分よりなる回路を用
いると、位相誤差がゼロにならず、また、スイッチング
の周波数の変化により、あるいは、素子のばらつきによ
り、位相誤差を持った信号が抽出されることになる。
【0047】本実施例では、レジスタンス成分よりなる
ローパスフィルタ25(26)を用いる。例えば、材質
を適当に選択すれば、磁性体の損失係数が周波数ととも
に増大するという性質を応用し、高周波成分を磁性体に
おいて損失させる構成を採用する。具体的には、図9に
示されるように、検出端である同軸ケーブルの端点51
からインダクタンスL3と抵抗R4との直列回路で等価
回路が表される素子、例えば、フェライトを用いたトロ
イダルコイル(例えば、10MHZ 付近から急激に損失
係数が増大する、アシドン社製 FT−37−43n7
回巻)を用いる。なお、抵抗R3は、同軸ケーブルの終
端抵抗である。係る構成のローパスフィルタ25(2
6)を用いると、ローパスフィルタ25(26)におい
て磁性体の損失係数が周波数とともに増大する領域が、
基本波から第5高調波になり、この範囲の高調波を適切
に除去することができる。即ち、このローパスフィルタ
25(26)の後段に配置された飽和増幅器26(2
7)と相俟って、検出された信号は、原信号と位相誤差
を持たず、位相比較に好適なパルスを得ることができ
る。
【0048】以上のようにして得られた電流電圧に対応
するパルスは、位相周波数比較器29へ与えられ、位相
の比較がなされる。ここで、電流の位相が電圧の位相よ
りも進んでいた場合について考える。この場合には、位
相差に応じた負のパルスが出力される。この負のパルス
から得られたローパスフィルタ31の出力が基準電圧V
REF より大であって、アナログスイッチ34を開かせた
とすると、ローパスフィルタ36により積分された制御
電圧は電圧制御発振器37の発振周波数を下げる方向へ
遷移し、位相差が大きくなると、負のパルスのパルス幅
が広がり、更に電圧制御発振器37の発振周波数を下げ
る方向へ制御電圧が遷移する。発振周波数の低下は、ス
イッチングの低下をもたらし、電圧に対し電流の位相を
遅らせるように作用する。
【0049】逆に、電圧の位相が電流の位相よりも進ん
でいると、正のパルスが位相周波数比較器29から出力
され、ローパスフィルタ36により積分された制御電圧
は電圧制御発振器37の発振周波数を上げる方向へ遷移
し、位相差が大きくなると、正のパルスのパルス幅が広
がり、更に電圧制御発振器37の発振周波数を上げる方
向へ制御電圧が遷移する。発振周波数の上昇は、スイッ
チングの上昇をもたらし、電圧に対し電流の位相を進め
るように作用する。なお、図においては、比較器32が
1つであって電圧の位相が電流の位相よりも進んでいる
ときに、アナログスイッチ34を開くことを考慮してい
ないが、他の実施例では、別の比較器と基準値とを用い
て、電圧の位相が電流の位相よりも極端に進んでいると
きに、アナログスイッチ34を開くようにする。
【0050】また、始動時等から抜けて、点灯等が正常
になされていれば、電圧と電流との位相差が所定の範囲
内となり、アナログスイッチ35が開かれ、水晶発振器
38による発振周波数でスイッチングがなされる。
【0051】なお、上記の実施例では、電圧と電流との
位相差が一致していれば、位相周波数比較器29の出力
はでないようにしたが、図4において説明したように、
電圧が電流に対しある程度進んでいることが好適である
から、他の実施例では、電圧または電流の検出経路に、
遅延回路を設けるなどして、電圧の位相を電流の位相よ
り進めて位相周波数比較器29に与え、例えば、電圧の
位相が20度だけ進むと出力がでないようにする。この
ように構成すると、図4から明らかな如く、最適の位相
関係において負側の出力が出なくなるので、このときに
アナログスイッチ34、35を切り換えてアナログスイ
ッチ35を開くようにすることができる。勿論、この場
合でも、電圧の位相が進み過ぎた場合に、再びアナログ
スイッチ34が開かれるように構成するものとする。
【0052】次に、図2に示したインバータ回路を採用
した無電極放電ランプ点灯装置が、図10に示されてい
る。同図において、図5と同一の構成要素には同一の符
号を付し重複する説明を省略する。この実施例の特徴
は、検出端24A、24Bから得た信号をハイパスフィ
ルタ41、42へ導き電流電圧に過渡的な変位が生じた
場合にのみ、位相検出部40へ信号が到達するようにし
た点にある。位相差検出部40は、ハイパスフィルタ4
1、42から信号が得られない場合には、図4の水晶発
振器38の出力の周波数と同一の周波数のパルスを出力
する。このパルスがローパスフィルタ36で積分されて
制御電圧となり、電圧制御発振器37により対応する周
波数の発振がなされる。電圧制御発振器37の出力は増
幅器で増幅され、ドライバ22へ与えられてスイッチン
グ用の信号として用いられる。
【0053】一方、電流電圧が過渡的に変位して、信号
が位相検出部40へ与えられると、位相検出部40は2
つの信号の位相関係に基づき、正または負の位相差に対
応したパルスを出力する。電流の位相が電圧の位相より
も進んでいた場合には、位相差に応じた負のパルスが出
力される。このパルスは、ローパスフィルタ36により
積分され制御電圧となる。この制御電圧は電圧制御発振
器37の発振周波数を下げる方向へ遷移し、位相差が大
きくなると、負のパルスのパルス幅が広がり、更に電圧
制御発振器37の発振周波数を下げる方向へ制御電圧が
遷移する。発振周波数の低下は、スイッチングの低下を
もたらし、電圧に対し電流の位相を遅らせるように作用
する。逆に、電圧の位相が電流の位相よりも進んでいる
と、正のパルスが位相差比較部40から出力され、ロー
パスフィルタ36により積分された制御電圧は電圧制御
発振器37の発振周波数を上げる方向へ遷移し、位相差
が大きくなると、正のパルスのパルス幅が広がり、更に
電圧制御発振器37の発振周波数を上げる方向へ制御電
圧が遷移する。発振周波数の上昇は、スイッチングの上
昇をもたらし、電圧に対し電流の位相を進めるように作
用する。
【0054】つぎに、図11に示す他の実施例の無電極
放電ランプ点灯装置を説明する。この図で、商用交流電
源43はダイオードブリッジ44で整流されたあと、直
流電圧レギュレータ45で安定化された直流電源VDD
され、ハーフブリッジ型に接続されたスイッチング素子
のFET- T1,T2に加えられる。ここで、増幅器3
9、ドライバ22およびFET- T1,T2は、インバ
ータ回路を構成している。このインバータ回路から出力
される高周波電源は、直列共振コンデンサCsと並列共
振コンデンサCpからなるマッチング回路を介して無電
極放電ランプの励起コイルLに供給される。STは、始
動回路である。インバータ回路の出力電圧は検出点24
Bで検出され、位相比較器46に送られ、出力電流は検
出点24Aで検出され、位相比較器46に送られる。こ
の位相比較器46では、出力電圧と出力電圧の位相差が
検出され、この位相差に比例した電圧信号が電圧制御発
振器37に送られる。この電圧制御発振器37の出力
は、増幅器39を介してインバータスイッチング素子を
駆動するドライバ22に供給される。これにより、高周
波電源の出力電圧と出力電圧の位相差が一定に保たれる
ように、インバータ回路の駆動周波数が制御される。ま
た、インバータ回路の出力電流は、整流回路47で直流
に変換され、出力電流値に比例した電圧信号にされたあ
と比較器48に送られる。この比較器48では、基準電
圧49と出力電流値とが比較され、この比較出力に基づ
いて直流電圧レギュレータ45が制御されることによ
り、インバータ回路の出力電流値が一定に保たれる。
【0055】このように位相を合わせるループと出力電
流値を一定化する2つの制御ループが働いており、この
ような制御ループによりインバータ回路の出力状態を監
視することにより、インバータ回路のスイッチング素子
に逆方向電流が流れなくなり、素子を保護できる。ま
た、スイッチング素子のバラツキやマッチング回路のバ
ラツキに対する許容幅を広くでき、始動時に十分な電流
を励起コイルに流すことができる。
【0056】つぎに、図12に示すさらに他の実施例の
無電極放電ランプ点灯装置を説明する。この図で、イン
バータ回路の出力電圧は検出点24Bで検出され、抵抗
54で適当な感度に調整されたあと、ダイオード55、
抵抗56、コンデンサ57からなる整流回路で、出力電
圧値に比例した直流電圧信号に変換され、差動増幅器5
8の反転入力端子に加えられる。また、インバータ回路
の出力電流は検出点24Aで検出され、抵抗50で適当
な感度に調整されたあと、ダイオード51、抵抗52、
コンデンサ53からなる整流回路で、出力電流値に比例
した直流電圧信号に変換され、差動増幅器58の非反転
入力端子に加えられる。これにより、差動増幅器58で
は、出力電圧値と出力電流値との差が検出され、この差
信号が誤差増幅器59で増幅されたあと、差信号に比例
した電圧信号が電圧制御発振器37に送られる。このよ
うに高周波電源の出力電圧値と出力電流値とを適当な感
度で検出して、両値が一致するようにインバータ回路の
駆動周波数を制御することにより、インバータ回路から
見た負荷位相角を常に一定に保つことができ、インバー
タスイッチング素子を保護できるとともに、安定な始動
を確保できる。
【0057】つぎに、図13に示すさらに他の実施例の
無電極放電ランプ点灯装置を説明する。この実施例で
は、インバータ回路から出力される高周波電源が、略無
損失の伝送線路60の同軸ケーブルによって照明器具に
伝送される。このように構成することにより、照明器具
の小型化と軽量化が図れる。この照明器具内には、π型
に接続されたコンデンサ63,Cs ,Cp からなるマッ
チング回路、励起コイルL、始動回路ST、無電極放電
ランプLPが配されている。また、伝送線路端とマッチ
ング回路との間には、インバータ回路側に跳ね返る反射
波成分を検出する方向性結合器からなる反射波検出器6
2と、ランプ負荷への入力電圧と入力電流の位相角を検
出する位相検出器61が設けられている。これら反射波
検出器62と位相検出器61の出力は、乗算器64に送
られて掛け合わされ、乗算値に比例した電圧信号が電圧
制御発振器37に送られる。これにより、反射波と位相
角の検出信号の乗算値に基づいてインバータ回路の駆動
周波数が制御される。このとき、図14に示すように位
相角が正であれば周波数を上げる方向に制御され、位相
角が負であれば周波数を下げる方向に制御されること
で、反射波の最も少ない動作点でランプを点灯できる。
【0058】つぎに、図15に示すさらに他の実施例の
無電極放電ランプ点灯装置を説明する。この実施例で
は、インバータ回路の出力電圧が検出点24Bで検出さ
れ、ローパスフィルタ68、増幅器69、遅延回路70
を介して位相周波数比較器71に送られる。また、出力
電流は検出点24Aで検出され、ローパスフィルタ6
5、増幅器66、遅延回路67を介して位相周波数比較
器71に送られる。この位相周波数比較器71では、出
力電圧と出力電流の位相差が検出され、この位相差の信
号がローパスフィルタ72を介して電圧制御発振器37
に送られる。この電圧制御発振器37の出力信号は、ラ
ンプ始動時にハイレベルとなるタイミング信号(制御信
号)を受けて切り換わる切換え回路75、増幅器39を
介してインバータ回路のドライバ22に供給される。こ
れにより、ランプ始動時のみ電圧制御発振器37の出力
がインバータ回路に加えられ、位相差が一定となるよう
にインバータ回路の駆動周波数が制御されるので、高周
波電源とランプ負荷とのマッチングがとれる。また、水
晶発振子73が接続された発振回路74からの固定周波
数の出力信号は、切換え回路75を介してインバータ回
路に供給され、ランプ始動完了後に固定の駆動周波数で
インバータ回路が駆動される。この構成によれば、イン
バータ回路の出力状態を制御する制御ループの中に、固
定周波数発振用の発振回路74が入っておらず、切換え
時のノイズにより電圧制御発振器37が誤動作すること
はなく、良好にランプを始動状態から点灯状態に切り換
えられる。
【0059】つぎに、図16に示すさらに他の実施例の
無電極放電ランプ点灯装置を説明する。この実施例で
は、インバータ回路の出力周波数をfとし、出力電圧と
出力電流の位相差の角度をφL としたとき、図15にお
いて電圧制御発振器37を含む制御ループによって初期
設定される初期値a1のdφL /dfの傾きの符号と、
動作が整定された始動完了後に発振回路74による動作
に移行したときの動作点a2におけるdφL /dfの傾
きの符号とが一致するように定めている。このようにす
ることにより、擬動作点b,cを含む動作領域B,Cに
入り込むことがなく、常に正常な動作領域Aでインバー
タ回路の出力状態を制御できるため、インバータ素子を
保護できるとともに、安定にランプを始動できる。
【0060】つぎに、さらに他の実施例の無電極放電ラ
ンプ点灯装置を説明する。この実施例では、インバータ
回路から見た負荷インピーダンスの偏角(負荷位相角)
が点灯時よりも始動時の方が大きくなるように設定す
る。また、同時に始動時の負荷無効電流dIlsが、dI
ls/dφL <0となる領域の負荷位相角φL で動作する
ように設定する。このような設定は、マッチング回路の
コンデンサCs の可変や始動回路STの切り換え、イン
バータ回路の駆動周波数を制御することで行なうことが
できる。このように位相角を十分に大きくとると、負荷
電流が低下し、インバータスイッチング素子がオフする
期間に充電される荷電量が適度となり、逆方向に印加さ
れる電圧が低くなることで、寄生ダイオードがオンし難
くなり、無効電流はもっぱら接合容量を流れるので、ス
イッチング素子が保護される。このように、始動時の初
期設定をうまく行なうことにより、始動時の低負荷イン
ピーダンスでも負荷電流が大きくならず、安全にランプ
を始動できる。
【0061】つぎに、図17に示すさらに他の実施例の
無電極放電ランプ点灯装置を説明する。この実施例で
は、電圧制御発振器37を含むメイン回路の制御ループ
には入らない独立した始動回路を別に設けている。この
始動回路は、発振源76、インバータ回路77、並列共
振回路78からなり、高周波高電圧発生源となるインバ
ータ回路77から始動時に無電極放電ランプLPのラン
プ本体20に接続されるガスプローブ(始動用細管)2
1に高エネルギを印加できる。このように始動回路を独
立して設けた場合、メイン回路の制御ループによって始
動回路をも含めた制御を行なう必要がなくなり、始動時
の不安定要素がなくなることで、ランプを良好に始動で
き、ランプの立ち切れによる不点が発生しなくなる。
【0062】つぎに、図18に示すさらに他の実施例の
無電極放電ランプ点灯装置を説明する。この実施例で
は、メイン回路の制御ループとは独立して設けられた始
動回路内に、始動回路の出力状態を制御するための制御
ループが備えられている。具体的には、インバータ回路
79の出力電圧と出力電流の位相差が、位相周波数比較
器81で検出され、この比較出力がローパスフィルタ8
2を介して電圧制御発振器83に送られる。これによ
り、電圧制御発振器83から出力を受けるインバータ回
路の駆動周波数が、始動時の負荷状態(ランプ本体内の
放電状態)に応じて(位相差が一定となるように)制御
され、適正にランプを始動することができる。なお、イ
ンバータ回路の出力は、高圧発生部80を介してランプ
本体20のガスプローブ21に印加される。
【0063】以上説明した無電極放電ランプ点灯装置に
よれば、負荷の周波数特性が平常時から変動したとき等
の僅かな時間において、発振周波数を負荷状態に応じて
変化させる発振手段による出力を受けてスイッチングが
なされるようにでき、妨害電波の発生が実質上通信等に
影響を与えない範囲で起き、かつ、負荷状態に応じた周
波数を受けてスイッチングがなされマッチング状態が現
出され素子の破壊を防止でき得る。
【0064】また、以上説明した無電極放電ランプ点灯
装置によると、電圧電流の過渡的な変化時のみに周波数
を変え、過渡的な変化が見られない時には固定の周波数
で発振を行うようにできる。この発振による出力を受け
てスイッチングがなされるようにでき、妨害電波の発生
が実質上通信等に影響を与えない範囲で起き、かつ、負
荷状態に応じた周波数を受けてスイッチングがなされマ
ッチング状態が現出され、素子の破壊を防止することが
できる。
【0065】上記無電極放電ランプ点灯装置によれば、
無電極放電ランプの周波数特性が平常時から変動したと
き等の僅かな時間において、発振周波数を無電極放電ラ
ンプの状態に応じて変化させる発振手段による出力を受
けてスイッチングがなされるようにできるインバータ回
路を用いるので、妨害電波の発生が実質上通信等に影響
を与えない範囲で起き、法規制の範囲内で周波数を変動
させることができる。かつ、無電極放電ランプの状態に
応じた周波数を受けてスイッチングがなされマッチング
状態が現出され素子の破壊を防止でき得る。
【0066】また、上記無電極放電ランプ点灯装置によ
れば、電圧電流の過渡的な変化時のみに周波数を変え、
過渡的な変化が見られない時には固定の周波数で発振を
行うインバータ回路を用いるので、この発振による出力
を受けてスイッチングがなされるようにでき、妨害電波
の発生が実質上通信等に影響を与えない範囲で起きる。
かつ、無電極放電ランプの状態に応じた周波数を受けて
スイッチングがなされマッチング状態が現出され、素子
の破壊を防止することができる。
【0067】また、上記無電極放電ランプ点灯装置で
は、インバータ回路の出力電圧と出力電流の位相差を一
定に保つ制御ループだけでなく、出力電流値を一定化す
る制御ループも働いており、インバータスイッチング素
子やマッチング回路のバラツキに対する許容幅を広くで
きることで、部品選定と設計が容易となる。このような
制御は、インバータ回路の出力電圧値と出力電流値とを
適当な感度で検出して両値が一致するように制御ループ
を組んだとしても同様に行なえる。
【0068】また、上記無電極放電ランプ点灯装置で
は、インバータ回路から出力される高周波電源を同軸ケ
ーブルからなる略無損失の伝送線路でランプ側に伝送す
る場合に、反射波成分が十分小さくできるように制御ル
ープを設けているので、インバータスイッチング素子を
保護できるという利点がある。また、上記無電極放電ラ
ンプ点灯装置では、メイン回路の制御ループとは独立し
た始動回路を設けているので、制御ループの制御対象と
なる負荷状態に不安定要素が軽減され、ランプの始動が
容易となるとともに、立ち切れによる不点が発生しなく
なり、良好にランプを点灯できる。
【0069】
【発明の効果】 以上説明したように本発明に係る請求項
1に記載の無電極放電ランプ点灯装置は、無電極放電ラ
ンプの負荷状態を検出して、上記無電極放電ランプの負
荷状態に応じて無電極放電ランプの安定点灯時には固定
された周波数で発振する第1の発振手段に、それ以外は
周波数可変の第2の発振手段に上記切換手段の切換を制
御するので、無電極放電ランプの安定点灯時には固定さ
れた周波数による点灯状態となり妨害電波の発生を抑止
することができ、始動時などのような無電極放電ランプ
のインピーダンスが大きく変動する場合にのみ周波数変
動による点灯状態となり点灯装置の回路保護を図りなが
ら始動後の安定点灯状態へと速やかに以降可能となる効
果がある。また、本発明に係る請求項6に記載の無電極
放電ランプ点灯装置は、無電極放電ランプが安定点灯か
否かの状態を検出して、無電極放電ランプの安定点灯と
非安定点灯が検出されたときには無電極放電ランプの夫
々の状態に応じた周波数で発振し、発振出力を上記無電
極放電ランプに供給するので、始動時などのような無電
極放電ランプの非安定点灯のときと始動時以降のような
安定点灯のときとで、適宜な発振周波数の出力を無電極
放電ランプに供給でき、適切な駆動状態を実現できる効
果がある。更に、本発明に係る請求項9に記載の無電極
放電ランプ点灯装置は、インバータ回路による高周波電
源で無電極放電ランプを駆動する場合に、インバータ回
路の駆動周波数を制御するメイン回路の制御ループ系と
は独立して設けられる始動回路の高周波の周波数または
位相を制御するので、始動時に無電極放電ランプに印加
する高周波高電圧の周波数または位相を始動に必要で適
切な値として適切な駆動を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインバータ回路の実施例のブロック
図。
【図2】本発明のインバータ回路の他の実施例のブロッ
ク図。
【図3】無電極放電ランプ点灯装置における素子破壊の
実験回路を示す図。
【図4】無電極放電ランプ点灯装置における素子破壊の
実験結果を示す図。
【図5】本発明に係る無電極放電ランプ点灯装置の実施
例を示すブロック図。
【図6】本発明に係る無電極放電ランプ点灯装置の実施
例に用いられる飽和増幅器の一例を示す構成図。
【図7】図6の各部の信号波形を示す図。
【図8】ローパスフィルタを用いないときのパルス化時
の波形を示す図。
【図9】本発明に係る無電極放電ランプ点灯装置の実施
例に用いられるローパスフィルタの一例を示す構成図。
【図10】本発明に係る無電極放電ランプ点灯装置の他
の実施例を示すブロック図。
【図11】本発明の無電極放電ランプ点灯装置のさらに
他の実施例を示すブロック図。
【図12】本発明の無電極放電ランプ点灯装置のさらに
他の実施例を示すブロック図。
【図13】本発明の無電極放電ランプ点灯装置のさらに
他の実施例を示すブロック図。
【図14】反射電力と位相の関係を示す特性図。
【図15】本発明の無電極放電ランプ点灯装置のさらに
他の実施例を示すブロック図。
【図16】本発明の無電極放電ランプ点灯装置のさらに
他の実施例を説明するための特性図。
【図17】本発明の無電極放電ランプ点灯装置のさらに
他の実施例を示すブロック図。
【図18】本発明の無電極放電ランプ点灯装置のさらに
他の実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 水晶発振器 2 電圧制
御発振器 3 スイッチ 4 増幅器 5 負荷 6 切換制
御部 7、7A 負荷状態検出手段 8 電流ピ
ックアップ部 9 電圧ピックアップ部 11、12
ハイパスフィルタ 20 ランプ本体 21 始動
用細管 22 ドライバ 23 電流
トランス 24A、24B 検出端 25、26
ローパスフィルタ27、 28 飽和増幅器 29、30
位相周波数比較器 31、36、82 ローパスフィルタ 32 比較
器 33 インバータ 34、35
アナログスイッチ 37、83 電圧制御発振器 38、73
水晶発振器 39 増幅器 43 商用
交流電源 44 ダイオードブリッジ 45 直流
電圧レギュレータ 46、61 位相検出器 47 整流
回路 48 比較器 49 基準
電圧 50、54 感度調整用の抵抗 58 差動
増幅器 59 誤差増幅器 60 伝送
線路 62 反射波検出器 64 乗算
器 71、81 位相周波数比較器 74、75
発振器 75 切換え器 77、79
インバータ回路 78 並列共振回路 80 高圧
発生部 LP 無電極放電ランプ ST 始動
回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横関 一郎 東京都港区三田一丁目4番28号 東芝ラ イテック株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−266395(JP,A) 特開 昭55−83473(JP,A) 特開 平4−342995(JP,A) 特開 昭57−148579(JP,A) 特開 平3−190082(JP,A) 実開 平3−57897(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48 H02J 3/24 H05B 41/24

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定された周波数で発振する第1の発振
    手段と、 無電極放電ランプの負荷状態を検出する負荷状態検出手
    段と、 この負荷状態検出手段により検出された前記無電極放電
    ランプの状態に応じた周波数で発振する周波数可変の第
    2の発振手段と、 前記第1の発振手段の出力と前記第2の発振手段の出力
    とのいずれか一方を選択して前記無電極放電ランプに供
    給する切換手段と、 前記無電極放電ランプの負荷状態に応じて無電極放電ラ
    ンプの安定点灯時には第1の発振手段に、それ以外は第
    2の発振手段に前記切換手段の切換を制御する切換制御
    手段とを備えることを特徴とする無電極放電ランプ点灯
    装置。
  2. 【請求項2】 負荷状態検出手段は、無電極放電ランプ
    に与えられる電圧、電流を取り込み、これらに基づき負
    荷状態を検出することによって無電極放電ランプの安定
    点灯か否かを判別することを特徴とする請求項1記載の
    無電極放電ランプ点灯装置。
  3. 【請求項3】 負荷状態検出手段は、得られた電圧と電
    流との位相差に応じた位相差信号を出力する一方、 切換制御手段は、前記位相差信号に基づき切換制御を行
    うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無電
    極放電ランプ点灯装置。
  4. 【請求項4】 第1の発振手段は、水晶発振器により構
    成され、 第2の発振手段は、電圧制御発振器により構成されるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の無電極放電ランプ点灯装置。
  5. 【請求項5】 負荷状態検出手段は、得られた電圧と電
    流との不要周波数成分を除去するローパスフィルタと、
    このローパスフィルタの出力を所定振幅に制限する飽和
    増幅器と、この飽和増幅器から出力される前記電圧と電
    流との位相差に応じたパルスを出力する位相周波数比較
    器とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いずれか1項に記載の無電極放電ランプ点灯装置。
  6. 【請求項6】 無電極放電ランプに与えられる電圧、電
    流について、これらが過渡的に変化したときに検出する
    過渡変化検出手段と、 この過渡変化検出手段により検出された電圧、電流を得
    て、前記無電極放電ラ ンプが安定点灯か否かの状態を検
    出する負荷状態検出手段と、 この負荷状態検出手段により検出された無電極放電ラン
    プの安定点灯と非安定点灯が検出されたときには無電極
    放電ランプの夫々の状態に応じた周波数で発振し、出力
    を前記無電極放電ランプに供給する発振手段とを備える
    ことを特徴とする無電極放電ランプ点灯装置。
  7. 【請求項7】 過渡変化検出手段は、ハイパスフィルタ
    により構成されることを特徴とする請求項6記載の無電
    極放電ランプ点灯装置。
  8. 【請求項8】 請求項3ないし5のいずれか1項記載の
    無電極放電ランプ点灯装置であって、 上記インバータ回路の出力電圧と出力電流の位相を検出
    する位相検出手段と、 検出した出力電圧と出力電流の位相差が一定となるよう
    に上記インバータ回路の駆動周波数をランプ始動時のみ
    制御する制御手段と、 ランプ安定点灯時に上記インバータ回路に固定の駆動周
    波数を出力する発振手段に切換え手段を備えることを特
    徴とする無電極放電ランプ点灯装置。
  9. 【請求項9】 直流電源を高周波電源に変換して出力す
    るインバータ回路と、この高周波電源がマッチング回路
    および励起コイルからなるメイン回路を介して供給され
    る無電極放電ランプとを有する無電極放電ランプ点灯装
    置において、 上記インバータ回路の出力状態を検出する出力状態検出
    手段と、 検出した出力状態に応じて上記インバータ回路の駆動周
    波数を制御するメイン回路の制御ループ系と、 この制御ループ系とは独立して設けられ、始動時に無電
    極放電ランプに始動用の高周波高電圧を印加する始動回
    路及び始動回路の高周波の周波数または位相を制御する
    制御手段と を備えることを特徴とする無電極放電ランプ
    点灯装置。
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