JP3269405B2 - 数値制御工作機械の自動測定装置 - Google Patents

数値制御工作機械の自動測定装置

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JP3269405B2
JP3269405B2 JP26748996A JP26748996A JP3269405B2 JP 3269405 B2 JP3269405 B2 JP 3269405B2 JP 26748996 A JP26748996 A JP 26748996A JP 26748996 A JP26748996 A JP 26748996A JP 3269405 B2 JP3269405 B2 JP 3269405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は数値制御工作機械の
自動測定装置に係り、特に、NC工作機械の軸送りピッ
チ誤差の測定及び補正値の算出等を自動的に行う装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械には送りネジのピッチ誤差やバ
ックラッシ等があり、モータに加える信号と機械の移動
量との間に誤差が生じる。このような誤差は工作機械の
個体毎に特有なものであり、かかる誤差の測定を自動的
に行い、その測定値に応じてピッチ誤差補正値を計算し
てNC装置に伝送する自動測定装置が特開昭61−95
853号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された数値制御工作機械の自動測定装置は、各
測定位置の測定値(ピッチ誤差量)を直線で結び、その
傾きから各補正間隔における補正値を割り付けるという
方法が採用されているために、測定値が減少に転じるな
ど、測定値のバラツキが大きい場合に精度が悪く、適正
な補正が行えないという欠点がある。即ち、通常、ピッ
チ誤差量は上記公報の第4図のように単調増加的な直線
的変化をするものではなく、一般には増減を繰り返す曲
線的変化をすることから、直線近似による割り振りでは
精度のよい補正値を求めることができない。
【0004】また、従来の方法では、補正間隔以下の測
定間隔で測定したデータについては、補正区間の境を跨
ぐ2点のデータのみが利用され、他のデータは利用され
ないので、測定位置の間隔を狭めて測定回数を増やして
も、精度のよい補正値を算出することができないという
問題がある。本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、測定値のバラツキが大きい場合にもその測定結
果に基づいて高精度の補正値を求めることができる数値
制御工作機械の自動測定装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、数値制御装置により駆動制御される工作機
械のコラム、主軸頭又はテーブル等の移動体の位置を測
定する測定手段と、前記測定手段による測定対象の選
択、測定範囲、測定間隔及び測定内容の設定等の指示デ
ータを入力するデータ入力手段と、前記工作機械の軸送
りピッチ誤差を補正するための補正点の間隔(以下、補
正間隔という。)を設定するデータを含むNCパラメー
タを前記数値制御装置から取得するとともに、前記デー
タ入力手段から入力された指示データに基づいて前記移
動体の移動及び停止を指令する数値制御プログラムを生
成し、該数値制御プログラムによって前記数値制御装置
及び前記測定手段を制御して前記補正間隔よりも広い測
定間隔毎に測定データを取り込み、予め決められた補間
方法により未測定位置のデータを補間し、前記補正間隔
で区切られた補正区間について、前記補間により得られ
た補間値の平均を求め、この補間値平均を当該補正区間
の補正値とし、該補正値を前記数値制御装置に伝送する
測定制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】本発明によれば、測定間隔毎に取得された
測定値の測定データと、該測定値に基づいて補間された
補間値データの全てのデータを用いてその平均を補正値
として求めている。従って、従来の直線近似による割り
付けによる補正値の算出方法に比べ、一層精度の高い補
正値を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
係る数値制御工作機械の自動測定装置の好ましい実施の
形態について詳説する。図1には、本発明に係る数値制
御工作機械の自動測定装置を縦型NCマシニングセンタ
に適用した例が示されている。同図中符号1はマシニン
グセンタ(工作機械本体)のベッドであり、該ベッド1
上にはテーブル2及びコラム3が設けられている。テー
ブル2は、図中左右方向(x軸方向)及び紙面垂直方向
(y軸方向)に移動自在に支持され、コラム3には、主
軸頭(可動体)4が図の上下方向(z方向)に移動自在
に設けられている。
【0008】図中符号5は、前記テーブル2及び主軸頭
4の移動、並びに、主軸6の回転等を制御するNC装置
であり、トップビーム等の適当な位置にアーム部材8を
介して取付けられている。尚、コラム3はベッド1上に
固定されているものとして説明するが、コラム3はベッ
ド1上に移動自在に支持されていてもよい。このマシニ
ングセンタの自動測定を行う自動測定装置は、主として
レーザ光源10、カウンター12、干渉光学ヘッド14
及び反射鏡16、17、18等から成るレーザ測長装置
と、前記レーザ測長装置及び前記NC装置5等を制御す
るノート型のパソコン20とから構成される。
【0009】前記レーザ測長装置のレーザ光源10に
は、例えばHe−Neレーザ発振器が採用され、該レー
ザ光源10から出た光は光ファイバー(送信ファイバ
ー)22を介して干渉光学ヘッド14に導かれる。x軸
又はy軸方向の測定を行う場合は、干渉光学ヘッド14
の光出射部が前記反射鏡16、17の高さに一致するよ
うに前記主軸頭4を降下させることにより行う。このと
き、x軸及びy軸の測定方向の切り換えはマシニングセ
ンタの主軸6を90度回転させて行う。また、z軸方向
の測定は前記干渉光学ヘッド14から出射される光を下
側に向けることにより行う。
【0010】前記干渉光学ヘッド14から出射された光
は、反射鏡16、17、18のうち測定対象として選択
された軸方向に移動する反射鏡によって反射された後、
再び該干渉光学ヘッド14に入射する。干渉光学ヘッド
14は、反射鏡16、17、18の移動量(z軸測定の
場合は、相対移動量)を干渉縞の強度変化に変換し、こ
の強度変化を光ファイバ(受信ファイバ)23でカウン
タ12に伝送する。
【0011】カウンター12は光電素子を有し、前記光
ファイバー23で導かれた光信号(強度変化を示す光)
を電気信号に変換して計数する。また、このカウンター
12は、パソコン20とパラレル入出力バス(I/Oバ
ス)26を介して接続され、計数結果等の各種データの
授受が行われる。前記パソコン20は、前記カウンター
12から入力される測定データ等の各種データを記憶す
るメモリや演算処理回路を含み、データや指令を入力す
るためのキーボード28と測定結果等を表示するディス
プレイ部(LCD)30とを有している。該パソコン2
0には、後述する自動測定システムを機能させるソフト
ウエアが組み込まれている。尚、このソフトウエアはプ
ロッピーディスク32等の記憶媒体に保存が可能であ
る。
【0012】パソコン20は、RS232C等の入出力
インターフェースを介して前記NC装置5と接続され、
NC装置5の駆動制御、測定軸の移動に対する測定デー
タの自動取得、補正量の算出、ピッチ誤差補正データの
書き込み等、一連の作業を全て自動で実行する。尚、同
図には示されていないが、測定結果やNCパラメータ等
を印刷出力するプリンタを接続してもよい。
【0013】次に、自動測定システムの内容を説明す
る。図2には、自動測定装置によってピッチ誤差補正を
行う場合の処理の流れが示されている。自動測定装置を
起動すると(ステップS10、以下ステップ番号のみを
示す)、先ず、初期処理が行われる(S11)。この初
期処理では、変数の初期値設定やハードウエアのリセッ
ト等が行われ、システムが作動する為に必要となる環境
が整えられる。
【0014】続いて、NC装置5に規定されたパラメー
タ(NCパラメータ)のうち所定のパラメータを取得し
(S12)、ディスプレイ部30に表示する。この時、
取得・表示されるNCパラメータとしては、NC装置の
機種名、Gコード制御軸名、リファレンス点のピッチ誤
差補正点の番号、前記リファレンス点をゼロした場合の
最もプラス(+)側のピッチ誤差補正点の番号、最もマ
イナス(−)側のピッチ誤差補正点の番号、ピッチ誤差
補正点の間隔(補正間隔)、ピッチ誤差補正倍率などで
ある。
【0015】次に、測定に関する指示データの入力を受
け付ける(S13)。例えば、被測定機械の機種名、機
械番号、x,y,z軸のうち測定しようとする軸(測定
軸)の軸コード又は名称、測定データの出力先、測定長
さ、両端逃げ長さ、測定間隔、移動方向、移動方法、測
定回数、補正ゾーン、及び目標値等の各種データをキー
ボード28から入力することになる。
【0016】測定長さとは、測定対象に対する長さの全
域のことであり、リファレンス点をゼロとしたマイナス
側とプラス側の2点を設定する。両端逃げ長さは、プラ
ス側とマイナス側共通の長さを指定する。この時、測定
軸の最大ストロークから両端逃げ長さを減算した値を測
定長さとして指定することが望ましい(図3参照)。測
定間隔とは、測定ポイントから次の測定ポイントまでの
距離(測定ピッチ)をいう。この測定ピッチを指定する
と、測定ポイントは図3に示すように(リファレンス
点)+(ピッチシフト)の位置を基準に前記測定ピッチ
の間隔で前記測定長さの全域に割り振られる。尚、測定
長さや測定ピッチ等の指定単位はNC側の最小設定単位
に準ずる。
【0017】移動方向の設定には、測定の開始方向(リ
ファレンス点からプラス側とするかマイナス側とする
か)の選択、及び移動方向と測定値極性の決定が含まれ
る。また、各測定ポイントの到達方向を往方向、復方
向、両方向のいずれかに決める設定も含まれる。移動方
法の設定では、早送り、切削送り、一方向位置決めの何
れかを選択し、また、機械座標系に合わせてアブソリュ
ート指令又はインクリメンタル指令の別を設定する。
【0018】測定回数については、リファレンス点から
スタートして全測定ポイントを測定後、リファレンス点
に戻るまでの測定を1回として測定回数を設定する。測
定回数を複数回に設定すると、各測定ポイントのデータ
は平均化される。その他、ピッチ誤差補正のデータ解析
に関連する他の指示データについては、ピッチ誤差補正
の処理との関係において後述する(図9〜図22)。
【0019】続いて、上記各種の指示データが入力され
ると、その指示データに基づいて測定用のNCプログラ
ムを作成する(S14)。このNCプロラムは、測定軸
の移動体(テーブル2又は主軸頭4)の移動及び停止を
指令するとともに、前記レーザ測定装置を制御して前記
測定ピッチ毎に測定データを取り込みを指令するもので
ある。
【0020】NCプログラム作成後、このNCプログラ
ムに従って測定データの取得が開始される(S15)。
即ち、パソコン20からNC装置5に1ブロック分の指
令を送信する(S16)。この指令によって工作機械の
モータが駆動され、指令に係る移動体(テーブル2又は
主軸頭4)が測定ポイントまで移動する。パソコン20
は、NC装置5からの戻り信号によって測定軸が移動し
ているか、停止しているかを判別する(S17、S1
8)。軸が移動している場合、処理はS17に戻り、移
動処理が続けられる。他方、S18において、軸の停止
が確認されると、そのポイント(測定ポイント)におけ
る測定値をメモリの所定の配列部に格納する(S1
9)。
【0021】設定されている全ての測定ポイントでの測
定が終了したか否かが確認され(S20)、終了してい
ない場合は、処理はS16に戻り、上記処理S16〜S
20が繰り返される。S20において全ての測定ポイン
トでの測定の終了が確認されると、各測定ポイントにお
ける測定値を基に補正値の算出処理に移行する(S2
1、S22)。補正値の算出過程の詳細については後述
するが、処理の流れとしては、先ず、補正区間の平均高
さを求め(S21)、その平均値のリファレンス点から
の差分値を補正値として定める(S22)。そして、そ
の補正値(インクリメント値)をNC装置に送信する
(S23)ことになる。
【0022】次に、補正値の算出過程について説明す
る。図4には、測定データの一例が示されている。同図
の横軸は測定軸の移動距離(位置)を意味し、測定ポイ
ントが図中▼で示されている。同図の縦軸はリファレン
ス点を基準とした測定値(補正値)を示しており、各測
定ポイント毎に取得された測定値が図中●で示されてい
る。また、横軸に示した△は補正ポイントを表してい
る。
【0023】補正間隔(ピッチ誤差補正点の間隔)は、
NCパラメータによって設定がされており、同図に示す
ように、測定ポイントと補正ポイントとは必ずしも一致
していない。従って、測定ポイント毎に取得された離散
的な測定値をともに、各補正ポイントにおける補正値を
決定する必要がある。即ち、各測定ポイントの測定値を
予め決められた所定の補間方法で補間し、補正間隔で区
切られた補正区間の補間値平均をその補正区間の補正値
とする。本実施の形態では補間方法として直線補間を例
に説明するが、多項式近似、B−スプライン、エルミー
ト曲線、ベジェ曲線など他の補間方法を用いてもよい。
【0024】図5には、補正区間の平均高さを求める処
理の流れが示されている。図2に示したメインルーチン
の処理S21から、図5に示すサブルーチンの処理が開
始されると、先ず、処理に使用される変数x,x′,S
の初期値設定処理が行われる(S31)。即ち、x=
0、x′=0、S=0と設定される。尚、文字変数の意
味については図6を参照しながら明らかにしていく。
【0025】次いで、補正区間の片側の補正ポイントa
座標の高さy(a)を求める(S32)。ここで、a座
標をxとおく(S33)。そして、xと当該補正区間の
他方の補正ポイントb座標との間に測定値、つまり測定
ポイントが存在すれば、xに最も近い測定ポイントの位
置座標をx′とする(S34)。測定値の有無の判定
(S35)において、xと当該補正区間の他方の補正ポ
イントb座標との間に測定値が存在する場合には、補間
直線とxとx′との間の面積を求め(S36)、面積値
を示すSに加算する。以後、x′をxに置き換えて(S
37)、処理はS34に戻る。
【0026】S35において測定値が存在しない場合に
は、補正ポイントb座標の高さy(b)を求める(S3
8)。次いで、xとb座標間の面積を求めSに加算する
(S39)。即ち、図6に示す場合は、S36で求めた
面積S1 と本処理で求めた面積S2 とが加算される(S
=S1 +S2 )。次いで、Sを(b−a)で除算するこ
とにより、a座標とb座標とで区切られた補正区間につ
いての平均高さを求める(S40)。その後、更に補正
区間が存在するか否かが判別され(S41)、次の補正
区間が存在する場合には、上記S34〜S41と同様の
処理が繰り返される。全ての補正区間について上記処理
が完了すると、図2に示したメインルーチンに戻り、S
22の処理が行われる。
【0027】こうして求めた平均高さをリファレンス点
からの差分で表し、その差分値を補正値とする。この補
正値はアブソリュート値で表すこともできるし、インク
リメント値で表すこともできる。尚、図4には、このよ
うにして得られた各補正区間の平均高さが■を含む線で
示されている。次に、上記の如く構成された数値制御工
作機械の自動測定装置を用いたピッチ誤差補正につい
て、各種設定パラメータとの関連において説明する。
【0028】NC装置のピッチ誤差補正とは、リファレ
ンス点を基準に駆動軸がある位置まで移動すると、予め
NC装置に設定してある補正量に従って駆動軸の移動量
を調整するものである。この時の移動量調整位置(即
ち、補正がかかるポイント、以下、補正点という)は、
リファレンス点を中心にプラス側、マイナス側に等間隔
で振り分けられた位置である(図7参照)。
【0029】即ち、リファレンス点から移動して最初の
補正点は、設定された補正間隔の半分の位置になる。例
えば、補正間隔が10mmの場合は、駆動軸座標5、1
5、25、…、−5、−15、−25…(mm)の位置
で移動量調整が行われる。図7には、リファレンス点を
基準とする補正点と各補正点におけるピッチ誤差補正量
(アブソリュート値)との関係の一例が示され、図8に
は各補正点におけるピッチ誤差補正量(アブソリュート
値及びインクリメント値)と、NC側に設定される補正
量の一例が示されている。補正点の番号列には、必ずリ
ファレンス点を含める必要があり(図8、補正点番号3
3)、測定軸のストロークの一部の位置だけに補正をか
けるということはできないようになっている。
【0030】図8に示されているように、リファレンス
点(補正番号33)を基準としてプラス側の補正点(補
正番号34以上)については、インクリメント値がその
まま設定補正量としてNC側に設定される。一方、リフ
ァレンス点に補正はかからないので、その設定欄には補
正点番号32のインクリメント値(−1)が設定され、
以下、マイナス側の補正点(補正番号32以下)につい
ては、インクリメント値が隣の補正点番号の欄にシフト
して設定される。こうしてNC装置側に補正量が設定さ
れ、この設定された補正量に基づいてNC装置のピッチ
誤差補正が行われる。
【0031】例えば、ピッチ誤差の補正を施さない場合
に図9の示すような特性を示す工作機械に対して、それ
ぞれ5mm(図10)、50mm(図11)、100m
m(図12)の補正間隔で補正した場合の補正後のピッ
チ誤差のグラフを示す。これらのグラフを比較すると明
らかなように、補正間隔の短いものほど精度は良くなっ
ている。但し、必要以上に多くの補正点を作ると、却っ
て位置決めバラツキが多くなったり、円弧補間精度の劣
化を招くことがある。即ち、補正点の数は、NC側の補
正点数の制限や、最大早送り速度による制限等との関係
で最小の補正点間隔が規定される。
【0032】上述の補正点の間隔と同様、測定間隔につ
いても、一般に、精度を上げるためにはより細かく、何
度も測定した方が信頼性が高まると思われがちである
が、必要以上に細かく測定すると、本来のピッチ誤差以
外の誤差要因(経時変化、慣性による停止時の誤差等)
がデータに含まれる場合がある。また、短い測定間隔の
間に機械的特性が急激に変化するとは考えられず、常識
的な測定間隔で十分である。
【0033】図13には、図9の特性を有する工作機械
に対して、測定間隔を50mmとした場合の補正後のピ
ッチ誤差が示され、図14には測定間隔を100mmと
した場合の補正後のピッチ誤差が示されている。両図を
比較して分かるように、変化率の大きい位置(350m
m以上)において測定間隔の相違による影響があらわれ
ているが、他の領域については補正後の結果において著
しい差異は認められない。
【0034】次に、指示データとして設定される補正倍
率、補正ゾーン、測定方向及び目標値の意味について説
明する。ピッチ誤差補正値の単位は測定値の検出単位と
なるが、NC装置は、指示データにより指定されるパラ
メータによって、この時の補正倍率を変えることができ
る。即ち、実際の補正量は、次式(1) 補正量=ピッチ誤差補正値×検出単位×ピッチ誤差補正倍率 …(1) のようになる。
【0035】図10より図14は補正倍率が1.0に設
定され、検出単位×ピッチ誤差補正倍率が1μmに相当
した場合のグラフであるが、図15には、検出単位×ピ
ッチ誤差補正倍率を2μm相当に設定した場合(補正倍
率2.0)の補正後のピッチ誤差が示され、図16に
は、検出単位×ピッチ誤差補正倍率を5μm相当に設定
した場合(補正倍率5.0)の補正後のピッチ誤差が示
されている。
【0036】補正ゾーンのパラメータは、ピッチ誤差補
正値を算出する時の基になるピッチ誤差測定値の小数部
を切り上げるか、四捨五入するか、或いは切り捨て計算
するかを選択するためのもパラメータである。このパラ
メータの設定により、真値に対して+側(図17)、−
側(図18)、中心振り分け(不図示)の補正ゾーンを
選択することができる。
【0037】図19には、ピッチ誤差を往路で測定した
場合(グラフC1 )、復路で測定した場合(グラフC2
)、及び往復の平均(グラフC3 )の一例が示されて
いる。同図が示すように、ピッチ誤差の補正量を実際に
詳細に測定すると移動軸に対し往方向と復方向とで微妙
に値が異なり、また、バックラッシ成分などでオフセッ
トしている。
【0038】本システムでは、補正の対象として、往方
向、復方向、往復平均の何れかを選択し、そのデータか
らオフセット成分を取り除いてピッチ誤差計算を行って
いる。図20には、図19に示した往復平均値でピッチ
誤差補正を行った場合の例が示されている。往復平均値
で処理した場合には真値から5μmほどオフセットした
ままとなるが、このオフセット成分はバックラッシ補正
等の他の手段で補正するのが望ましい。
【0039】上述の説明では、与えられた条件のなか
で、ピッチ誤差を完全に補正する(直線を目標とする)
ための補正値を算出したが、この目標値を設定すること
で、目標値になるように補正値計算を調整してピッチ誤
差補正をかけることもできる。図21、図22には、そ
れぞれ目標値を5.0μm(図21)、8.0μm(図
22)に設定した場合の例が示されている。
【0040】次に、具体的な数値を用いて、補正量の計
算の方法を説明する。図23には、測定間隔を50m
m、補正間隔を120mmに設定した例が示されてい
る。同図において縦線で区切った区間が補正区間に相当
しており、各補正区間内で補正量の線グラフ(図中■を
含むグラフ)は、測定値の線グラフ(図中◆を含むグラ
フ)の平均高さを示している。
【0041】同図を用いて−420mmから−540m
mの補正区間の補正値を実際に計算してみる。先ず、測
定ポイント−400mm、−450mm、−500mm
の測定値は、それぞれ、−8.8μm、−16.0μ
m、−21.7μmである。補正ポイント−420mm
の位置に測定値は存在しないので、−400mmの測定
値と−450mmの測定値を直線補間して求める。即
ち、−420mmの位置における補間値は−11.68
μmになる。
【0042】次に、−420mmから−450mmまで
の面積を求めると415200μm 2 、−450mmか
ら−500mmまでの面積を求めると942500μm
2 となる。従って、これら面積を合計して平均高さを求
めると約−16.97μmとなる。同様にして他の補正
区間についても平均高さを求めたものが図24に示され
ている。同図における補正位置とは補正ポイントを意味
し、ピッチ誤差測定値の欄には、上述の如く求めた平均
高さが示されている。尚、このピッチ誤差は、リファレ
ンス点を基準に把握されるものなので、例えば、リファ
レンス点から補正位置−60未満まではピッチ誤差0.
0、補正位置−60から補正位置−180未満までの間
はピッチ誤差−1.8となる(図23参照)。即ち、上
記求めた補正位置−420から補正位置−540の間の
平均高さ(−16.9)は、補正位置−540(データ
No.−1)の欄に示されている。
【0043】同図の補正データとは、ピッチ誤差測定値
の小数部を四捨五入したものである。尚、補正ゾーンの
設定に応じて切り上げ又は切り捨て処理することも可能
である。この小数部の処理の影響が補正結果に示されて
いる。各補正位置における補正量は、図7でも説明した
ようにリファレンス点を基準として前記補正データに基
づいて設定される。この補正量をインクリメント値で表
した値がNC装置側に送信される補正値(NC送信値)
である。
【0044】このように、各補正区間内の測定値のグラ
フの面積から平均高さを計算して、その区間の補正量を
求めるようにしたので、補正区間内の全ての測定値及び
補間値に対して、妥当な補正量をかけることができると
いう利点がある。上記実施の形態では、測定ピッチと補
間ピッチが異なる場合について説明したが、測定ピッチ
をNC装置の補間ピッチと一致させる設定も可能であ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る数値
制御工作機械の自動測定装置によれば、測定間隔毎に取
得された測定値及び該測定値に基づいて補間された補正
区間の補間値の全てのデータを用いてその平均を算出し
て当該補正区間の補正値を求めるようにしたので、測定
値のバラツキが大きい場合にも高精度の補正値を得るこ
とができる。これにより、各補正区間内の全ての点に対
して有効な補正が行えるという利点がある。
【0046】また、全ての測定値及び補間値を利用して
いることから、測定間隔を狭めて、より細かく測定する
ほど精度の高い補正値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る数値制御工作機械の自動
測定装置を縦型NCマシニングセンタに適用した例を示
すシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、自動測定装置によってピッチ誤差補正
を行う場合の処理の流れを示すプローチャートである。
【図3】図3は、測定長さと測定ピッチの関係を説明す
る為に用いた説明図である。
【図4】図4は、測定データと補正値の一例を示すグラ
フである。
【図5】図5は、補正区間の平均高さを求める処理の流
れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、補正区間の平均高さを求める方法を説
明するために用いた説明図である。
【図7】図7は、リファレンス点を基準とする補正点と
各補正点におけるピッチ誤差補正量との関係の一例を示
すグラフである。
【図8】図8は、図7に示した各補正点におけるピッチ
誤差補正量と設定補正量の関係を示す図表である。
【図9】図9は、ピッチ誤差の補正を施さない場合の工
作機械の特性の一例を示すグラフである。
【図10】図10は、補正間隔を5mmに設定した場合
の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図11】図11は、補正間隔を50mmに設定した場
合の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図12】図12は、補正間隔を100mmに設定した
場合の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図13】図13は、測定間隔を50mmに設定した場
合の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図14】図14は、測定間隔を100mmに設定した
場合の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図15】図15は、補正倍率を2.0に設定した場合
の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図16】図16は、補正倍率を5.0に設定した場合
の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図17】図17は、補正ゾーンをプラス側に設定した
場合の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図18】図18は、補正ゾーンをマイナス側に設定し
た場合の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図19】図19は、ピッチ誤差を往路、復路、及び往
復の平均でそれぞれ測定した場合の差異を示すグラフで
ある。
【図20】図20は、図19に示した往復平均値でピッ
チ誤差補正を行った場合の補正後のピッチ誤差のグラフ
である。
【図21】図21は、目標値を5.0μmに設定した場
合の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図22】図22は、目標値を8.0μmに設定した場
合の補正後のピッチ誤差のグラフである。
【図23】図23は、補正量の計算の方法を説明するた
めに用いたグラフである。
【図24】図24は、補正位置、補正量及びNC送信値
等の関係を示す図表である。
【符号の説明】
1…ベッド 2…テーブル 3…コラム 4…主軸頭 5…NC装置 10…レーザ光源 12…カウンター 14…干渉光学ヘッド 16、17、18…反射鏡 22、23…光ファイバー 20…パソコン 28…キーボード 30…ディスプレイ部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 19/18 G05B 19/404 B23Q 15/24 B23Q 17/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数値制御装置により駆動制御される工作
    機械のコラム、主軸頭又はテーブル等の移動体の位置を
    測定する測定手段と、 前記測定手段による測定対象の選択、測定範囲、測定間
    隔及び測定内容の設定等の指示データを入力するデータ
    入力手段と、前記工作機械の軸送りピッチ誤差を補正するための補正
    点の間隔(以下、補正間隔という。)を設定するデータ
    を含むNCパラメータを前記数値制御装置から取得する
    とともに、 前記データ入力手段から入力された指示デー
    タに基づいて前記移動体の移動及び停止を指令する数値
    制御プログラムを生成し、該数値制御プログラムによっ
    て前記数値制御装置及び前記測定手段を制御して前記補
    正間隔よりも広い測定間隔毎に測定データを取り込み、
    予め決められた補間方法により未測定位置のデータを補
    間し、前記補正間隔で区切られた補正区間について、前
    記補間により得られた補間値の平均を求め、この補間値
    平均を当該補正区間の補正値とし、該補正値を前記数値
    制御装置に伝送する測定制御手段と、 を備えたことを特徴とする数値制御工作機械の自動測定
    装置。
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