JP3268361B2 - ターボチヤージヤのスラストベアリング - Google Patents

ターボチヤージヤのスラストベアリング

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Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明はターボチヤージヤのスラストベアリングに関
する。
（背景技術） 排気ガス駆動のターボチヤージヤのシヤフトはオイル
で潤滑されたベアリングによりターボチヤージヤのハウ
ジング内に回転可能に支承される。コンプレツサホイー
ルがシヤフトの一端部に装着され、タービンホイールは
前記のシヤフトの他端部に装着される。タービンホイー
ルを通過して流動する排気ガスによりシヤフトが相当の
高速で（100,000rpm以上の場合が多い）駆動され、これ
に伴いコンプレツサホイールが回転され、自動車の吸気
マニホルドへ供給される空気が圧縮される。ターボチヤ
ージヤのシヤフトの軸方向の変位は非回転のスラストベ
アリングにより阻止される。シヤフトを高速回転させの
ため、スラストベアリングとシヤフトとの間のインター
フエース部を潤滑する必要がある。ハウジング内に供給
される潤滑オイルによりベアリングを潤滑するのみなら
ず、スラストベアリングとシヤフトと共に回転するブツ
シングの円周溝との間のインターフエース部も潤滑する
ことになる。スラストベアリングを潤滑するオイルはス
ラストベアリング内を極めて細い流路を経て供給され、
この流路の一部はある角度を持たせて穴空けして形成す
る必要がある。従つてドリルが折れたり、スラストベア
リングのスクラツプ化が比較的早期に生じる場合が多
い。
本発明によれば、この問題は粉末金属で作られた２個
の別の部材からスラストベアリングを組み立て、各部材
に他方の部材の対応する輪郭部と協働するような輪郭部
を設け、スラストベアリングの作動面へ潤滑オイルを供
給するに必要な内部通路を形成することにより解決され
得る。従つてドリルによる穴空けが不要となる。また既
存のスラストベアリングには外部オイル室が必要であつ
たが、本発明によればスラストベアリングには内部オイ
ル室が設けられ、従つて潤滑オイル漏れが大幅に減少さ
れる。
本発明の他の利点は以下の説明が進むに応じ明らかに
なろう。
（図面の簡単な説明） 図１はスラストベアリングを含む排気ガス駆動式のタ
ーボチヤージヤの部分断面図、図２は実質的に図３の線
２−２に沿つて切断された従来のターボチヤージヤのス
ラストベアリングの拡大断面図、図３は図２の従来のタ
ーボチヤージヤのスラストベアリングの側面図、図４は
本発明によるターボチヤージヤのスラストベアリング
の、図５の円４−４に沿つて切断した図２と同様の拡大
断面図、図５は図４のスラストベアリングの側面図、図
６は本発明による組み立て前のスラストベアリングの２
部材の、図４と同様の拡大断面図である。
（発明を実施するための最良の形態） 図１を参照するに、ターボチヤージヤ10にはハウジン
グ12が包有され、ハウジング12内にはベアリング16を介
してシヤフト14が支承される。シヤフト14には小径部17
が具備され、小径部17上にコンプレツサホイール18が装
着される。ブツシング20がシヤフト14と共に回転可能
に、コンプレツサホイール18と肩部22との間に配設さ
れ、肩部22自体はシヤフト14の小径部17と大径部との間
に形成されている。タービンホイール（図示せず）はシ
ヤフト14の対向端部に装着され、ベアリング16と同様の
ベアリング（図示せず）を介して支承され、シヤフト14
上にはタービンホイールも装着される。タービンホイー
ル18に対し排気ガスが流動されることにより、シヤフト
14が回転され、コンプレツサホイール18が回転される
と、導入部24を経て導入される空気が圧縮され、この圧
縮空気が導出渦室26内に送られる。
ブツシング20には円周方向に延びる溝28が形成され、
溝28内には円周方向に延びるスラストベアリング30が受
容されており、スラストベアリング30自体はキー溝32
（図３参照）によりハウジング12に対し非回転となるよ
うキー止めされ、周知構造のバネワツシヤ34により軸方
向の移動が制限される。ベアリング16およびスラストベ
アリング30はエンジンオイル供給源から導入部36を経て
ターボチヤージヤ10内に導入され、ドレン路38を経て再
びエンジンクランクケース内に導入される潤滑オイルに
より潤滑される。軸方向に延びる流路40および流路42を
経て潤滑オイルがベアリング16へ送られ、また潤滑オイ
ルはオイル路44を経てブツシング20とスラストベアリン
グ30との間のインターフエース部へ送られ、このオイル
路44はスラストベアリング30を貫通して延びている。
図２および図３には従来構造のスラストベアリング30
が示される。スラストベアリング30は一対の対向する作
動側面46、48を有しており、この作動側面46、48はブツ
シング20とのインターフエースをなしている。潤滑オイ
ルはオイル供給穴50を経て作動側面46、48の夫々へ送ら
れ、オイル供給穴50自体はオイル路44の一部をなしてお
り、スラストベアリング30を軸方向に貫通して設けられ
ている。スラストベアリング30にはブツシング20および
シヤフト14を受容するキー穴形状のスロツト52が形成さ
れる。オイルはオイル供給路54を経てオイル供給穴50へ
送られ、オイル供給路54自体はシヤフト14に対しほぼ半
径方向に延びているが、設計上の理由から適宜にバイト
を移動してオイル供給路54を形成せしめ得るから、図２
に示す如くある角度をなして形成される。オイル供給路
54を介しオイルがほぼ円周方向に延びるオイル室56から
送られる。バイトが適所に移動されオイル供給路54を形
成できるようにするため、オイル室56は外部室として設
けられる、即ち作動側面46に対し開放された解放部58を
有しており、バイトが適宜に駆動されてオイル供給路54
が形成される。上述の構成ではオイル供給路54およびオ
イル供給穴50は極めて細く設けられる。このためこれら
の穴をあけるために使用するバイトが簡単に破損し勝ち
で、製造上問題になる。流路を形成する従来の別の方法
によれば、オイル室56を経て半径方向に直線路が形成さ
れ、次いでスラストベアリングの外径部が閉塞される
が、この方法も製造上の欠点がある。
しかしてオイル供給穴50およびオイル供給路54を適所
に形成することが困難であり、スラストベアリング30の
製造コストが高くなる。また外部オイル室56は作動側面
46に対し開放されるため、流路40とスラストベアリング
30との間のインターフエース部からの漏れ（通常オイル
側部漏れと言われる）が増大し、この結果オイルの消費
量が増大する。このときオイル室56のオイルはオイル供
給穴50から供給される。
本発明による改良されたスラストベアリングが図４、
図５および図６に示される。特に図６を参照するにスラ
ストベアリング30には一対の部材60、62が包有される。
部材60、62は夫々粉末金属を型に入れて圧縮し部材60、
62を形成する周知の粉末金属法により作成され得る。図
４および図５に示す組み立てられたスラストベアリング
30には部材60を貫通して延びる一部66と部材62を貫通し
て延びる一部68とを有するようなオイル供給穴64が形成
される。一部66、68は共に当業者に周知な方法により粉
末金属型を好適に空洞化することにより形成できる。オ
イル供給路70は部材62で円周方向に離間され半径方向に
延びる溝72と、部材62を受容する部材60内のくぼみ部77
の一部をなす好適な輪郭が持たされた輪郭面74とを含む
部材60、62上の好適な輪郭面により区画される。同様に
オイル室76はスラストベアリング30内で（シヤフト14に
対し）円周方向に延びる内部スロツトとして形成され
る。オイル室76は部材62上で円周方向に延びる輪郭面78
とこれと協働する部材60上の輪郭面74とにより区画され
る。従つてオイル室76はスラストベアリング30に対し内
部に設けられており、スラストベアリング30の作動側面
46を貫通して延び、流路40と連通する開口部80の周囲に
のみオイル側部漏れが生じるが、潤滑オイルはオイル室
76内に供給され、これによりスラストベアリング30から
のオイル側部漏れが最小限に抑えられる。部材60、62間
のインターフエース部は図５に輪郭線82により示され
る。部材60、62は焼結法により、部材60のくぼみ部77内
に部材62を配置し、次に部材60、62の材料の融点温度以
下の温度で、一方部材60、62が熔融されて一体スラスト
ベアリングとなるに十分な高い温度までスラストベアリ
ング30を加熱することにより組み立てられ得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハーチヤート，リチヤード アンソニー アメリカ合衆国 カリフオルニア州 90272，パシイフイツク パリセイズ, インチヤンテツド ウエイ 677 (56)参考文献 実開 平２−130426（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F02B 39/00 F16C 17/04 F16C 33/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】スラストベアリングにより軸方向の移動が
    制限されたシヤフト14と、一対の対向する側面および側
    面間に延びシヤフト14を受容する開口部を有したスラス
    トベアリング30と、スラストベアリング30の一対の側面
    46、48間をスラストベアリング30を貫通して延び潤滑オ
    イルを側面に供給するオイル供給穴64と、スラストベア
    リング内に形成され潤滑オイルをオイル供給穴64へ供給
    するオイル供給路70とを備え、スラストベアリング30は
    互いに組立可能な一対の部材60、62でなり、オイル供給
    路70はその一部が設けられた部材60、62を組み立てたと
    きスラストベアリング30内に穴空けすることなく形成さ
    れてなり、更にオイル室76がスラストベアリング30の側
    面46、48間に具備され、オイル室76は一方の側面を貫通
    して延びる開口部80を経て潤滑オイル供給源と連通さ
    れ、オイル室76はオイル供給路70を介してオイル供給穴
    64と連通されてなるターボチヤージヤ用スラストベアリ
    ング。
  2. 【請求項２】スラストベアリング30がシヤフト14上に装
    着されたときオイル供給路70はシヤフト14に対し実質的
    に半径方向に延び、オイル供給路70は一対の部材が組み
    立てられたとき各部材の協働する面によりオイルの閉供
    給通路として区画される請求範囲１のターボチヤージヤ
    用スラストベアリング。
  3. 【請求項３】各部材60、62は互いに組み立てられたとき
    協働してオイル室76を区画する輪郭面を有する請求範囲
    ２のターボチヤージヤ用スラストベアリング。
  4. 【請求項４】スラストベアリングがシヤフト上に装着さ
    れたときオイル室76はシヤフトに対し実質的に円周方向
    に延び、オイル供給路70がオイル室76からオイル供給穴
    64へ向かってシヤフト14に対し実質的に半径方向内側に
    延びる請求範囲３のターボチヤージヤ用スラストベアリ
    ング。
  5. 【請求項５】オイル供給路70は部材60、62が組み立てら
    れたとき各部材60、62の協働する溝によりオイルの閉供
    給通路として区画される請求範囲１のターボチヤージヤ
    用スラストベアリング。
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