JPH0636277Y2 - ガスタービンエンジンのオイルシール装置 - Google Patents

ガスタービンエンジンのオイルシール装置

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JPH0636277Y2
JPH0636277Y2 JP1260789U JP1260789U JPH0636277Y2 JP H0636277 Y2 JPH0636277 Y2 JP H0636277Y2 JP 1260789 U JP1260789 U JP 1260789U JP 1260789 U JP1260789 U JP 1260789U JP H0636277 Y2 JPH0636277 Y2 JP H0636277Y2
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JP
Japan
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compressor
spacer
surface side
rotary shaft
oil seal
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JP1260789U
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孝佳 北田
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Toyota Motor Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はガスタービンエンジンのコンプレッサと同軸線
上に配置されるエアインテーク内の軸受を潤滑した潤滑
油がコンプレッサに吸入されるのを防止するためのガス
タービンエンジンのオイルシール装置に関する。
〔従来の技術〕
ガスタービンエンジンは、コンプレッサや、燃焼器や、
タービン等を含む。吸入空気はコンプレッサと同軸線上
に配置されるエアインテークからコンプレッサに取り入
れられる。コンプレッサの回転軸はエアインテーク内ま
で延長され、エアインテーク内に設けた軸受に支承され
るようになっている。
例えば実開昭56-163725号公報に示されているように、
エアインテーク内には、オイルシールが軸受とコンプレ
ッサとの間に設けられ、軸受を潤滑した潤滑油がコンプ
レッサに吸入されるのを防止するようになっている。し
かし、コンプレッサの入口部を流れる吸入空気の静圧が
コンプレッサとエアインテークとの間の接合部にある隙
間に作用し、このために軸受からオイルシールを通過し
てコンプレッサに向かう空気の流れができ、気体状の潤
滑油がこの空気の流れにのってコンプレッサに洩れるこ
とがある。上記公報はこのような潤滑油の洩れを防止す
るためにオイルシールに高圧の空気を供給し、逆にオイ
ルシールから軸受に向かう空気の流れを生成して、潤滑
油の洩れを防止するようにしている。
〔考案が解決しようとする課題〕
上記公報に記載されたガスタービンエンジンのオイルシ
ール装置においては、高圧空気源としてコンプレッサの
背面側に存在する吐出圧相当の高圧が使用され、コンプ
レッサの背面側の高圧空気がコンプレッサの回転軸の内
部の高圧空気供給通路を通ってコンプレッサの前面側の
オイルシール部に供給される。回転軸に半径方向に設け
た孔が高圧空気源と高圧空気供給通路、並びに高圧空気
供給通路とオイルシール部とをそれぞれに接続する。し
かし、この高圧空気供給通路は回転軸の軸心に沿って延
びる長い孔として形成されているが、この長い孔はコン
プレッサの前後間の長さ以上の長さが必要であり、この
ような長い孔を回転軸の軸心と一致するように高精度で
設けることは困難を伴い、長い孔であれば或る程度の太
さも必要になるという問題があった。また同長い孔の形
成が回転軸の軸心に対してずれると回転のアンバランス
が大きくなるという問題があった。さらに、コンプレッ
サの背面側に存在する高圧空気の取り入れは回転軸に半
径方向に設けた孔を介して行われるが、回転軸は10数万
回転という高速度で回転して大きな遠心力を与えるの
で、高圧空気と言えども高速回転する回転軸の外側から
同回転軸の内部の高圧空気供給通路に向かって流れ難い
という問題があった。本考案の課題は高圧空気供給通路
の加工を容易にし、且つ回転軸の外側から内側への高圧
空気の流れを確実にするようにしたガスタービンエンジ
ンのオイルシール装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案によるガスタービンエンジンのオイルシール装置
は、ガスタービンエンジンのコンプレッサと同軸線上に
配置されるエアインテークを有し、該コンプレッサの回
転軸が該エアインテーク内の軸受により支承され、オイ
ルシールが該軸受と該コンプレッサとの間に設けられ、
該オイルシールに高圧空気を供給して該軸受用の潤滑油
が該コンプレッサに洩れるのを防止するようにしたガス
タービンエンジンのオイルシール装置において、該回転
軸の外周に長手方向の溝を設け、該回転軸に取りつけた
コンプレッサインペラのハブ部及び該ハブ部の前面側の
スペーサ及び後面側のスペーサによって該回転軸の長手
方向の溝を覆い、該前面側のスペーサ及び該後面側のス
ペーサにそれぞれ該溝と連通する半径方向の通路を設け
て、コンプレッサインペラの後面側の高圧空気を該オイ
ルシールに供給する高圧空気供給通路を形成し、該後面
側の該半径方向の通路が該回転軸の回転方向に向いて傾
斜して設けられていることを特徴とするものである。
〔作用〕
上記構成においては、高圧空気供給通路が回転軸の外周
に長手方向の溝として形成されているので回転軸の軸心
に沿って延びる長い孔と比べると加工を非常に簡単に行
うことができるようになる。さらに、高圧空気の導入の
ための後面側のスペーサに設けられた通路が回転軸の半
径方向で回転方向に向いて傾斜して設けられているの
で、回転軸の外側の高圧空気を掻き取るようにして後面
側のスペーサ内部に供給し、よって回転軸の外周に設け
た高圧空気供給通路に供給できる。
〔実施例〕
以下本考案の実施例について図面を参照して説明する。
第4図を参照すると、車両用ガスタービンエンジン10
は、円錐筒状のエアインテーク12と、このエアインテー
ク12と同軸線上に配置されるコンプレッサ14と、燃焼器
16と、タービン18と、排気装置20とからなる。コンプレ
ッサ14はインペラ14aを有し、回転軸22がインペラ14aと
タービンホイール18aとを連結して設けられる。回転軸2
2は2個の軸受24によって支承され、軸受24のうちの1
個はエアインテーク12内にある。また、燃焼器16には燃
焼ノズル26と点火プラグ28が配置される。ガスタービン
エンジン10の概略の作用においては、空気が矢印Aによ
って示されるようにエアインテーク12の外周面に沿って
コンプレッサ14に吸入され、圧縮される。燃焼器16は圧
縮空気と燃料とから燃焼ガスを生成し、タービン18を駆
動する。タービン18からは出力が取り出されるととも
に、コンプレッサ14のインペラ14aが駆動される。
第1図は第4図の要部拡大図であり、エアインテーク12
とコンプレッサ14の部分を詳細に示している。コンプレ
ッサ14のインペラ14aは中央のハブ部14bを含み、このハ
ブ部14bが回転軸22に嵌合される。2個のスペーサ30,32
がコンプレッサ14のハブ部14bの前面側及び後面側に配
置され、軸受24やハブ部14bやタービンホイール18a(第
4図)とともに回転軸22に固定されるようになってい
る。従って、2個のスペーサ30,32はハブ部14bの前面及
び後面に密着して回転軸22とともに回転する。なお、一
方のスペーサ30を前面側のスペーサと呼び、他方のスペ
ーサ32を後面側のスペーサと呼ぶことにする。
前面側のスペーサ30の外周面には長手方向のほぼ全長区
間範囲で多数のフィン34が形成されており、これらのフ
ィン34はエアインテーク12の内周面36と協働してラビリ
ンスシールを形成する。実施例においては、ラビリンス
シールを形成する前面側のスペーサ30と軸受24との間に
第3のスペーサ38が配置され、第3のスペーサ38はラビ
リンスシールを形成する部位のエアインテーク12の内周
面36の直径よりも大きい直径の鍔38aを有し、軸受24の
ための潤滑油が飛沫がラビリンスシールへ飛ぶのを防止
している。なお、潤滑油はエアインテーク12の内部を通
って形成された潤滑油通路40から供給され、エアインテ
ーク12の底部のリターン通路から排出するようになって
いる。
第1図及び第3図に示されるように、回転軸22の外周に
は直径方向に対向する一対の溝44が設けられる。溝44は
前面側のスペーサ30と後面側のスペーサ32との間を長手
方向に延びる。溝44は回転軸22の外周に開口する溝であ
るが、回転軸22に嵌合されるコンプレッサ14のインペラ
のハブ部14b及び前面側のスペーサ30及び後面側のスペ
ーサ32によって覆われ、閉じた通路となる。前面側のス
ペーサ30の中間部には溝44の一端部付近に接する内周環
状溝46が設けられ、後面側のスペーサ32には溝44の一端
部付近に接する内周環状溝48が設けられる。前面側のス
ペーサ30及び後面側のスペーサ32にはそれぞれ各内周環
状溝46,48から外周に通じる一対の半径方向の通路50,52
が形成される。
一方、コンプレッサ14のインペラのハブ部14bの後面側
にはハウジングの一部であるリヤプレート54があり、後
面側のスペーサ32との間でシールを行うリテーナリング
56がスナップリング58によってリヤプレート54に係止さ
れている。リヤプレート54とインペラのハブ部14bの後
面との間には微小な空間60があり、コンプレッサ14の吐
出圧がこの空間60に通じている。従って、微小な空間60
の高圧の空気は、後面側のスペーサ32の半径方向の通路
52及び内周環状溝48、回転軸22の外周の溝44によって形
成される高圧空気供給通路、及び前面側のスペーサ30の
内周環状溝46及び半径方向の通路50を通って前面側のス
ペーサ30によって形成されるラビリンスシールへ供給さ
れる。ラビリンスシールへ供給された高圧空気は前面側
のスペーサ30の中間部の半径方向の通路50からシール部
に噴出して軸方向前後に分散し、少なくとも軸受24の方
向に流れる高圧の空気は潤滑油を含んで軸受24の方から
シール部に向かう空気の流れを阻止する。半径方向の通
路50からコンプレッサ14の方へ流れる高圧の空気はエア
インテーク12の端部からコンプレッサ14内へ吸入され
る。
さらに、第2図に示されるように、後面側のスペーサ32
の半径方向の通路52は矢印Bによって示されるように回
転軸32の回転方向に向いて傾斜して形成されており、微
小な空間60の高圧の空気を掻き取るように後面側のスペ
ーサ32の内周環状溝48に供給されるようになっている。
また、後面側のスペーサ32の半径方向の通路52は後面側
のスペーサ32の端面に設けた溝として形成され、コンプ
レッサ14のハブ部14bに密着することによって通路を形
成するようになっている。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案によれば、回転軸の外周に
長手方向の溝を設け、この溝をコンプレッサインペラの
ハブ部及び該ハブ部の前面側のスペーサ及び後面側のス
ペーサによって覆い、該前面側のスペーサ及び該後面側
のスペーサにそれぞれ該溝と連通する半径方向の通路を
設けて、コンプレッサインペラの後面側の高圧空気をオ
イルシールに供給する高圧空気供給通路を形成している
ので、オイルシール性能を確保するとともに、回転軸の
軸心に沿って延びる長い孔と比べると加工を非常に簡単
に行うことができるようになり、回転軸の直径が比較的
に小さい場合でも強度を確保することができる。さらに
該後面側の該半径方向の通路が該回転軸の回転方向に向
いて傾斜して設けられているので、回転軸の外側の高圧
空気を掻き取るようにして後面側のスペーサ内部に供給
し、よって大きな遠心力の作用下でも回転軸の外周に存
在する高圧空気を回転軸の内部側に供給できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案によるガスタービンエンジンのオイルシ
ール装置の第4図の要部を示す拡大断面図、第2図は第
1図の線II-IIに沿った断面図、第3図は第1図の線III
-IIIに沿った断面図、第4図はガスタービンエンジンの
概略全体図である。 12……エアインテーク、 14a……コンプレッサインペラ、 14b……ハブ部、22……回転軸、 24……軸受、30,32……スペーサ、 34……フィン、44……溝、 50,52……半径方向の通路。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスタービンエンジンのコンプレッサと同
    軸線上に配置されるエアインテークを有し、該コンプレ
    ッサの回転軸が該エアインテーク内の軸受により支承さ
    れ、オイルシールが該軸受と該コンプレッサとの間に設
    けられ、該オイルシールに高圧空気を供給して該軸受用
    の潤滑油が該コンプレッサに洩れるのを防止するように
    したガスタービンエンジンのオイルシール装置におい
    て、該回転軸の外周に長手方向の溝を設け、該回転軸に
    取りつけたコンプレッサインペラのハブ部及び該ハブ部
    の前面側のスペーサ及び後面側のスペーサによって該回
    転軸の長手方向の溝を覆い、該前面側のスペーサ及び該
    後面側のスペーサにそれぞれ該溝と連通する半径方向の
    通路を設けて、コンプレッサインペラの後面側の高圧空
    気を該オイルシールに供給する高圧空気供給通路を形成
    し、該後面側の該半径方向の通路が該回転軸の回転方向
    に向いて傾斜して設けられていることを特徴とするガス
    タービンエンジンのオイルシール装置。
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