JP3268034B2 - 磁気シールド開口端の漏洩磁界補償方法 - Google Patents
磁気シールド開口端の漏洩磁界補償方法Info
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- JP3268034B2 JP3268034B2 JP31878592A JP31878592A JP3268034B2 JP 3268034 B2 JP3268034 B2 JP 3268034B2 JP 31878592 A JP31878592 A JP 31878592A JP 31878592 A JP31878592 A JP 31878592A JP 3268034 B2 JP3268034 B2 JP 3268034B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は磁気シールドルームの一
部開構造化設計を前提とする開口端侵入磁界の新規な能
動的補償技術に関するものである。
部開構造化設計を前提とする開口端侵入磁界の新規な能
動的補償技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】脳磁界は１０-12 Ｔオーダ以下と極めて
小さく、都市環境下での脳磁界計測には磁気シールドル
ームが不可欠である。現行のシールド技術は１９７０年
〜１９８０年初頭にほぼ確立されたもので、その後出現
した新しいシールド材料や技術が取り入れられておら
ず、ＳＱＵＩＤ磁束計の多チャンネル高性能化といった
計測技術の進歩に比べて性能的に大きく遅れている。強
磁性体による閉構造を基本としている現行の技術では、
例えば、被験者に閉塞感を与えないよう内部容積の大き
なシールドルームを建設しようとすると膨大な量のシー
ルド材（数トン〜数１０トン）が必要となり問題であ
る。
小さく、都市環境下での脳磁界計測には磁気シールドル
ームが不可欠である。現行のシールド技術は１９７０年
〜１９８０年初頭にほぼ確立されたもので、その後出現
した新しいシールド材料や技術が取り入れられておら
ず、ＳＱＵＩＤ磁束計の多チャンネル高性能化といった
計測技術の進歩に比べて性能的に大きく遅れている。強
磁性体による閉構造を基本としている現行の技術では、
例えば、被験者に閉塞感を与えないよう内部容積の大き
なシールドルームを建設しようとすると膨大な量のシー
ルド材（数トン〜数１０トン）が必要となり問題であ
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するためのもので、磁気シールドの一部開構造化設計
を前提とする開口端侵入磁界を能動的に補償する磁気シ
ールド開口端の漏洩磁界補償方法を提供することを目的
とする。
決するためのもので、磁気シールドの一部開構造化設計
を前提とする開口端侵入磁界を能動的に補償する磁気シ
ールド開口端の漏洩磁界補償方法を提供することを目的
とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気シールド
開口に侵入する漏洩磁界を打ち消す漏洩磁界補償方法に
おいて、開口面に平行な２成分と開口面に垂直な１成分
を検出する３軸磁気センサと、３軸磁気センサで検出し
た磁界の各成分が最小となるように補償電流を流すため
の３軸コイル系とを磁気シールド開口端部にそれぞれ配
置し、３軸磁気センサで検出した磁界の３成分が最小に
なるように、３軸コイルにそれぞれ独立して負帰還電流
を流すようにしたことを特徴とする。また、本発明は、
前記３軸コイル系が、開口面に垂直な１成分を打ち消す
円形コイル、開口面に平行な２成分を打ち消す２つの８
の字型コイルからなることを特徴とする。
開口に侵入する漏洩磁界を打ち消す漏洩磁界補償方法に
おいて、開口面に平行な２成分と開口面に垂直な１成分
を検出する３軸磁気センサと、３軸磁気センサで検出し
た磁界の各成分が最小となるように補償電流を流すため
の３軸コイル系とを磁気シールド開口端部にそれぞれ配
置し、３軸磁気センサで検出した磁界の３成分が最小に
なるように、３軸コイルにそれぞれ独立して負帰還電流
を流すようにしたことを特徴とする。また、本発明は、
前記３軸コイル系が、開口面に垂直な１成分を打ち消す
円形コイル、開口面に平行な２成分を打ち消す２つの８
の字型コイルからなることを特徴とする。
【０００５】
【作用】本発明は、侵入外乱磁界が開口面近傍でとる磁
界の分布パターンの性質を利用しして、その直交成分を
検出し、開口面内に互いに非干渉的に配置された１つ以
上の能動コイルで独立に補償するものであり、検出した
各成分が最小になるように能動コイルに負帰還させるこ
とにより、各成分ごとに独立に漏れ磁界を補償すること
ができる。
界の分布パターンの性質を利用しして、その直交成分を
検出し、開口面内に互いに非干渉的に配置された１つ以
上の能動コイルで独立に補償するものであり、検出した
各成分が最小になるように能動コイルに負帰還させるこ
とにより、各成分ごとに独立に漏れ磁界を補償すること
ができる。
【０００６】
【実施例】図１は円筒シールドの一端における磁界補償
方法を説明するための図、図２は開口部における磁束線
パターンを示す図、図３は８の字型コイルを示す図、図
４は磁束線パターンを示す図、図５は補償電流を説明す
る図、図６は図４における中央部分での各位置に対する
磁束密度を示す図、図７はシードルケース開口方向に向
かう磁束線に対する補償を説明する図である。図中、１
はシールド壁、２は３軸コイル系、２ａはｚ軸コイル、
２ｂはｙ方向コイル、２ｃはｘ方向コイル、３はｘ成分
磁束線、４はｚ成分磁束線、５は３軸センサ、６は８の
字型コイル、１０はシールドケース、１１〜１４は補償
捲線である。
方法を説明するための図、図２は開口部における磁束線
パターンを示す図、図３は８の字型コイルを示す図、図
４は磁束線パターンを示す図、図５は補償電流を説明す
る図、図６は図４における中央部分での各位置に対する
磁束密度を示す図、図７はシードルケース開口方向に向
かう磁束線に対する補償を説明する図である。図中、１
はシールド壁、２は３軸コイル系、２ａはｚ軸コイル、
２ｂはｙ方向コイル、２ｃはｘ方向コイル、３はｘ成分
磁束線、４はｚ成分磁束線、５は３軸センサ、６は８の
字型コイル、１０はシールドケース、１１〜１４は補償
捲線である。
【０００７】先ず、本発明の補償原理について説明す
る。図２は、シールド壁１の一部に孔が開いている場合
の磁束線の分布を模式的に示したものであり、図では透
磁率μ＝０の完全反磁性体によるシールド壁を想定し、
磁束線はシールド壁面に平行である場合を示している。
磁束線間には互いに反発する斥力が働いており、このた
め磁束が存在しない（あるいは相対的に小さい）シール
ド内側へ磁束線が押し出され湾曲する。強磁性体壁の場
合も重ね合わせの原理からシールド内側ではこれと類似
の分布をとる。
る。図２は、シールド壁１の一部に孔が開いている場合
の磁束線の分布を模式的に示したものであり、図では透
磁率μ＝０の完全反磁性体によるシールド壁を想定し、
磁束線はシールド壁面に平行である場合を示している。
磁束線間には互いに反発する斥力が働いており、このた
め磁束が存在しない（あるいは相対的に小さい）シール
ド内側へ磁束線が押し出され湾曲する。強磁性体壁の場
合も重ね合わせの原理からシールド内側ではこれと類似
の分布をとる。
【０００８】このような開口近傍の磁界の漏れを補償す
るために、本発明は内側に侵入した磁束線を外側に押し
戻すように作用する磁界を重畳する。例えば、図２にお
いて孔が円形である場合には、円形の上半分と下半分と
で漏れ磁界の方向は反転する分布となり、磁界源として
は、簡易的には図３に示すような円形コイルを中心で半
回転捩じった８の字型コイルを用いるのが最も簡単であ
る。例えば、８の字型コイルは、図３における矢印の方
向に電流Ｉを流せば、コイルの上半分と下半分とで磁界
の向きが反転し、漏れ磁界の補償に役立てることができ
る。また、面に垂直に入射される磁界に対しては円形コ
イルを用いればよい。
るために、本発明は内側に侵入した磁束線を外側に押し
戻すように作用する磁界を重畳する。例えば、図２にお
いて孔が円形である場合には、円形の上半分と下半分と
で漏れ磁界の方向は反転する分布となり、磁界源として
は、簡易的には図３に示すような円形コイルを中心で半
回転捩じった８の字型コイルを用いるのが最も簡単であ
る。例えば、８の字型コイルは、図３における矢印の方
向に電流Ｉを流せば、コイルの上半分と下半分とで磁界
の向きが反転し、漏れ磁界の補償に役立てることができ
る。また、面に垂直に入射される磁界に対しては円形コ
イルを用いればよい。
【０００９】ところで、漏れ磁界は開口面に平行な直交
２成分と、面に垂直な１成分の合計３成分に分けられる
ので、各成分ごとに補償を行えばよい。円筒シールドの
一端に対して、本発明を適用する例について図１により
説明する。図１（ａ）、（ｂ）に示す３軸磁界センサ２
は、開口端のすぐ内側に配置されて開口端の面に平行な
ｘ，ｙ成分、開口端面に垂直方向（円筒軸方向）のｚ成
分を検出する。この開口端には、３軸コイル系２が配置
されており、図１（ｂ）に示すように、磁界のｚ成分を
補償するための円形コイル２ａ、ｙ成分を補償するため
の８の字型コイル２ｂ、ｘ成分を補償するための８の字
型コイル２ｃからなっている。そして、３軸磁界センサ
５で各方向の磁界を検出し、各成分が最小となるように
ｘ，ｙ，ｚ補償コイル２ａ〜２ｃにそれぞれ負帰還す
る。このとき、各補償コイルは互いに非干渉であること
が必要であり、いずれか１つのコイルの磁界は、他の２
つのコイルの磁界の補償効果に何ら影響を及ぼさないよ
うにする。これは直交配置により実現され、各成分毎に
独立に漏れ磁界を補償することができる。
２成分と、面に垂直な１成分の合計３成分に分けられる
ので、各成分ごとに補償を行えばよい。円筒シールドの
一端に対して、本発明を適用する例について図１により
説明する。図１（ａ）、（ｂ）に示す３軸磁界センサ２
は、開口端のすぐ内側に配置されて開口端の面に平行な
ｘ，ｙ成分、開口端面に垂直方向（円筒軸方向）のｚ成
分を検出する。この開口端には、３軸コイル系２が配置
されており、図１（ｂ）に示すように、磁界のｚ成分を
補償するための円形コイル２ａ、ｙ成分を補償するため
の８の字型コイル２ｂ、ｘ成分を補償するための８の字
型コイル２ｃからなっている。そして、３軸磁界センサ
５で各方向の磁界を検出し、各成分が最小となるように
ｘ，ｙ，ｚ補償コイル２ａ〜２ｃにそれぞれ負帰還す
る。このとき、各補償コイルは互いに非干渉であること
が必要であり、いずれか１つのコイルの磁界は、他の２
つのコイルの磁界の補償効果に何ら影響を及ぼさないよ
うにする。これは直交配置により実現され、各成分毎に
独立に漏れ磁界を補償することができる。
【００１０】次に、本発明による磁界の２次元数値解析
した例について説明する。図４は、一辺１ｍのコの字形
をした長い（紙面に垂直方向）超伝導体からなるシール
ドケース１０の側面から一様磁界が印加された場合の解
析結果を示しており、超伝導体１０は透磁率μ＝１
０-8、空間部分はμ＝１、外部磁界は１Ｇとして計算し
たものである。なお、図４において、補償捲線１１〜１
４に流す補償電流は、図５（ａ）に示すように、中心に
配置された補償捲線１２，１３と、両端の補償捲線１
１，１４は大きさが等しく互いに逆向きであり、これら
の補償捲線により生ずる磁界は図５（ｂ）に示すように
なる。
した例について説明する。図４は、一辺１ｍのコの字形
をした長い（紙面に垂直方向）超伝導体からなるシール
ドケース１０の側面から一様磁界が印加された場合の解
析結果を示しており、超伝導体１０は透磁率μ＝１
０-8、空間部分はμ＝１、外部磁界は１Ｇとして計算し
たものである。なお、図４において、補償捲線１１〜１
４に流す補償電流は、図５（ａ）に示すように、中心に
配置された補償捲線１２，１３と、両端の補償捲線１
１，１４は大きさが等しく互いに逆向きであり、これら
の補償捲線により生ずる磁界は図５（ｂ）に示すように
なる。
【００１１】図４（ａ）は補償しなかった場合の磁束線
の分布を示しており、シールドケース１０内に磁束線が
湾曲して侵入する様子が分かる。一方、図４（ｂ）は最
適補償電流を流した場合の磁束線の分布を示しており、
侵入磁界が抑制されて補償されていることが分かる。
の分布を示しており、シールドケース１０内に磁束線が
湾曲して侵入する様子が分かる。一方、図４（ｂ）は最
適補償電流を流した場合の磁束線の分布を示しており、
侵入磁界が抑制されて補償されていることが分かる。
【００１２】シールドケース１０の中心線上底面から上
方に漏洩磁界分布をプロットしたのが図６であり、●は
補償しない場合、〇は補償した場合であり、磁界の侵入
が大幅に抑制されていることが分かる。
方に漏洩磁界分布をプロットしたのが図６であり、●は
補償しない場合、〇は補償した場合であり、磁界の侵入
が大幅に抑制されていることが分かる。
【００１３】また、図７は図４において、コの字形シー
ルドケースの開口の上面から磁界を印加したときの補償
に対する同様の計算結果を示したものである。超伝導体
シールドケースによって磁界の侵入は抑制されるもの
の、未補償の場合には上端面近傍では磁界の侵入が生じ
ているが、補償電流を流すことにより、大幅に磁界の侵
入が抑制されている。
ルドケースの開口の上面から磁界を印加したときの補償
に対する同様の計算結果を示したものである。超伝導体
シールドケースによって磁界の侵入は抑制されるもの
の、未補償の場合には上端面近傍では磁界の侵入が生じ
ているが、補償電流を流すことにより、大幅に磁界の侵
入が抑制されている。
【００１４】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、開構造設
計において、非干渉コイル系により各成分を独立して補
償することができ、この場合、各コイルは平面構造であ
り場所をとらず、装着容易であるとともに、負帰還ルー
プの設計が容易で補償精度も高くすることが可能とな
る。
計において、非干渉コイル系により各成分を独立して補
償することができ、この場合、各コイルは平面構造であ
り場所をとらず、装着容易であるとともに、負帰還ルー
プの設計が容易で補償精度も高くすることが可能とな
る。
【図１】 円筒シールドの一端における磁界補償方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図２】 開口部における磁束線パターンを示す図であ
る。
る。
【図３】 ８の字型コイルを示す図である。
【図４】 コの字形シールドケースを用いた場合の磁束
線分布を示す図である。
線分布を示す図である。
【図５】 図４における補償捲線を説明する図である。
【図６】 図４のシールドケースの中央部分における磁
束密度を示す図である。
束密度を示す図である。
【図７】 コの字形シールドケースの開口方向に向かう
磁束線に対する補償を説明する図である。
磁束線に対する補償を説明する図である。
１…シールド壁、２…３軸コイル系、３…ｘ成分磁束
線、４…ｚ成分磁束線、５…３軸センサ、６…８の字型
コイル、１０…シールドケース、１１〜１４…補償捲
線。
線、４…ｚ成分磁束線、５…３軸センサ、６…８の字型
コイル、１０…シールドケース、１１〜１４…補償捲
線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 特許法第30条第１項適用申請有り 第16回日本応用磁気 学会学術講演会講演概要集（1992．11．07）社団法人日 本応用学会 Ｐ350「非干渉コイル系による漏れ磁界補 償：開構造軽量磁気シールドの実現のために」 (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G12B 17/02 H04N 9/29 H05K 9/00
Claims (2)
- 【請求項１】 磁気シールド開口に侵入する漏洩磁界を
打ち消す漏洩磁界補償方法において、 開口面に平行な２成分と開口面に垂直な１成分を検出す
る３軸磁気センサと、 ３軸磁気センサで検出した磁界の各成分が最小となるよ
うに補償電流を流すための３軸コイル系とを磁気シール
ド開口端部にそれぞれ配置し、３軸磁気センサで検出し
た磁界の３成分が最小になるように、３軸コイルに それ
ぞれ独立して負帰還電流を流すようにしたことを特徴と
する磁気シールド開口端の漏洩磁界補償方法。 - 【請求項２】 前記３軸コイル系は、開口面に垂直な１
成分を打ち消す円形コイル、開口面に平行な２成分を打
ち消す２つの８の字型コイルからなることを特徴とする
請求項１記載の漏洩磁界補償方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31878592A JP3268034B2 (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | 磁気シールド開口端の漏洩磁界補償方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31878592A JP3268034B2 (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | 磁気シールド開口端の漏洩磁界補償方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06167583A JPH06167583A (ja) | 1994-06-14 |
| JP3268034B2 true JP3268034B2 (ja) | 2002-03-25 |
Family
ID=18102919
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31878592A Expired - Fee Related JP3268034B2 (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | 磁気シールド開口端の漏洩磁界補償方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3268034B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4814618B2 (ja) * | 2005-11-02 | 2011-11-16 | 株式会社竹中工務店 | 磁気シールドルーム |
| JP5076161B2 (ja) * | 2006-12-28 | 2012-11-21 | 国立大学法人九州大学 | 分離型磁気シールド装置 |
| US9451734B2 (en) | 2012-09-18 | 2016-09-20 | Seiko Epson Corporation | Magnetic shielding device and magnetic shielding method |
| EP2851702A1 (en) | 2013-09-11 | 2015-03-25 | Seiko Epson Corporation | Magnetic shielding apparatus and magnetic shielding method |
-
1992
- 1992-11-27 JP JP31878592A patent/JP3268034B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06167583A (ja) | 1994-06-14 |
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