JP3693165B2 - 磁気シールド特性測定装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば微弱な脳磁場を計測する脳磁計測システム、心磁などの生体磁場計測システム、電子顕微鏡や電子ビーム露光装置等に使用される磁気シールドルームの外部磁気ノイズのシールド特性を測定する磁気シールド特性測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば脳から発生する磁場である脳磁や心臓から発生する心磁などの極めて微弱な生体磁気を、SQUID(超伝導量子干渉素子)で計測するシステムでは、環境磁気雑音を磁気シールドルームで低減させるとともに、グラジオメータと呼ばれる差分ピックアップコイルを使って遠方から来る磁気変動ノイズを低減させている。
【0003】
生体磁気計測用の磁気シールドルームは1mm厚の高透磁率パーマロイ板を2〜3枚重ねて1層、またはスペースを設けて2層以上としたパーマロイの壁と、渦電流を利用して磁気遮蔽効果を増すことと高周波磁気遮蔽を目的とするアルミや銅などの高導電率層をパーマロイ層間に入れた構造が一般的である。
そして、一般的な2層パーマロイの磁気シールドルームでは、生体磁気計測で重要な0.1Hz〜数100Hzの周波数領域で数100〜1000分の1程度まで環境磁気雑音を低減させる。
【0004】
一方、このような磁気シールドルームによるシールドばかりでなく、磁気シールドの低コスト化を図るため、以下の参考文献1〜3に記載されたアクティブ磁気シールド法が提案されている。
【0005】
参考文献1:富田他 第15回日本生体磁気学会論文集Vol.13 No1,2000 p172-173
参考文献2:加藤他 第15回日本生体磁気学会論文集Vol.13 No1,2000 p170-171
参考文献3:栗城 北大電子科学研究所発行「電子科学研究」p18-23 平成12年。
【0006】
参考文献1に開示されている手法は、磁気シールドルーム内に設置したSQUIDマグネトメータをセンサとして使い、磁気シールドルーム周囲に巡らせたフィードバックコイルにキャンセル磁界を発生させ、磁気シールドルームに侵入する磁界を低減させようというものである。
【0007】
参考文献2に開示されている手法は、磁気シールドルーム外壁の各面中央部に直交する方向に感度を持つようにフラックスゲート磁束計を張りつけて、各面に独立に設置されたフィードバックコイルにキャンセル磁界を発生させて、シールド効果を高めようというものである。
【0008】
参考文献3のp21図4には、誘導コイルを磁気シールドルームに巻いて、環境磁場変動によりコイルに誘起された電圧をフィードバック信号とする技術が開示されている。この場合、コイルに誘起される起電力は、面積に比例するため、磁気シールドルーム程度の大きさの面では数10ターンの巻き数でフラックスゲート磁束計よりも十分な感度をえることができる。併せて、磁気シールドルームの磁界収束効果があるため高感度となる。
【0009】
ところで、一般に磁気シールドルームは下記の参考文献4に示されたヘルムホルツ状コイルで磁気シールドルームを取り囲み、交流磁気外乱を与えてその磁気シールド性能が評価される。
参考文献4:ASTM A698/A 698M-92 Standard Test Method for Magnetic Shield Efficiency in attenuating Magnetic Fields']
【0010】
図8は従来の磁気シールド特性装置の構成概略を示す図である。
図8において、1は磁気シールドルーム、2は磁気シールドルーム1内に設けられる磁気センサ、3は磁気センサ2の出力を増幅する増幅器、4はヘルムホルツコイル、5はヘルムホルツコイル4に電流を供給するコイルドライバである。
【0011】
そして、ヘルムホルツコイル4にコイルドライバ5からアンペアオーダの電流を流して変動磁場を磁気シールドルーム1に印加し、磁気センサ2の出力を増幅器3で増幅し、この信号に基づいて磁気シールドルーム1の磁気シールド特性として、例えばシールドファクタS(遮蔽率:磁気シールドルームの性能)を測定する。
【0012】
磁気シールドルームの無い場合に検出されるであろう磁界強度をHo(コイル電流から算出される計算値)、磁気シールドルーム内で実際に計測された磁界HiからシールドファクタはS=Hi/Hoで表現される。これらの磁界は周波数の関数であり、直流を含む各周波数で定義可能で、磁気シールドルームの性能の指標とされている。また、一般的には、磁気シールドルームでは内部に磁場勾配が生じるため、磁気シールドルームの中心におけるシールドファクタで磁気シールドルームの性能を代表させる。
【0013】
一方、上述のようなアクティブ磁気シールドにおいては、人工的な外乱を用いることなく、アクティブシールドのオン/オフ時の比較で磁気シールドの性能を示す場合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
シールドファクタは磁気シールドルームの上下、左右、前後の3方向を評価軸として、夫々独立に計測しなければならない。
しかし、大型の計測用ヘルムホルツコイルを狭い室内に敷設するのは容易ではなく、場合によっては評価そのものが不可能になる。
また、単純な評価の場合、磁気シールドルームのドアが最もシールド性能を劣化させる要素である為、この面の評価で簡略化させてしまうこともあり、性能評価を一定の基準のもとで実施することが困難である。
【0015】
ヘルムホルツコイルを人工的な外乱とするのは、磁気雑音の大きな成分である車の移動や電車などの大型構造物が発生させる磁気外乱をシミュレートすることを主目的としており、できるだけ空間的に均一な磁場の環境下で性能評価させようというものである。このことは遠隔地に磁場源を持ち、空間的に均一に近い外乱磁場に対する評価になっていると理解できる。
しかし、この計測法は比較的近くにある磁場源からの外乱は対象にしていないため、近くに磁場源がある場合の磁気シールドルーム内の特定位置でシールドファクタや磁気勾配を評価することはできない。
【0016】
一方、ヘルムホルツコイルを使ったアクティブ磁気シールドの場合、近接した位置に外乱発生用の別のヘルムホルツコイルを設ける必要がある。
従って、参考文献2,3に示されるようにセンサが磁気シールドルーム外部にある場合、フィードバック用センサに勾配の大きな磁場を与えてしまので、アクティブシールドの正常な動作を妨げることとなり、磁気シールド特性を測定することは困難である。
【0017】
また、開ループ式アクティブ磁気シールドの場合、センサの位置を含めて平行磁場を与えなければならないため、アクティブシールド用コイルに比べて十分大きなヘルムホルツコイルを設ける必要があるが、これは実現が困難である。
また、開ループ式アクティブ磁気シールドでは、センサから出力される磁場変動が最小となるようにキャンセル用のヘルムホルツコイルの各軸に流す電流設定用パラメータを調整しなければならないが、先に説明したように他のヘルムホルツコイルで磁場外乱を人工的に発生し得ないため、自然界のランダムな磁気雑音を信号にみたてて行わねばならない。ランダムな磁気雑音の変動は0.01Hz程度の極低周波を扱う為、キャンセル磁場強度の調整は極めて困難となり人手では実施困難である。
【0018】
このような磁気シールド特性の測定における問題点は、全てヘルムホルツコイルで人工磁場外乱を発生させることに起因しているものである。
【0019】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ヘルムホルツコイルを使用することなく人工磁場外乱を磁気シールドルームに印加し、アクティブ磁気シールドを含む汎用的な磁気シールド特性を簡略な手法により測定することができる磁気シールド特性測定装置を実現することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1においては、箱状で高透磁率部材からなる壁を有する磁気シールドルームの磁気シールド特性を内部に設けられた磁気測定手段により測定する磁気シールド特性測定装置において、前記磁気シールドルームの外部に設置されて磁界を発生し、評価用人工磁界として磁気シールドルームに印加する磁界発生手段と、前記磁界発生手段の前記磁気シールドルームに対する向きを変更させて前記磁気シールドルームに印加する磁界の方向を任意に設定する磁界方向設定手段、とを設け、前記磁気測定手段により磁界の漏れを測定することにより前記磁気シールドルームに印加された磁界の方向に対応した磁気シールド特性を測定することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0021】
本発明の請求項2においては、請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界方向設定手段は、前記磁気シールドルームに印加される磁界の方向が前記磁気シールドルームの評価軸の方向となるように前記磁界発生手段の向きを設定することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0022】
本発明の請求項3においては、請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界発生手段は、非磁性体で筒状のボビンと、このボビンの周囲に巻き回されるコイルを有し、このコイルに電流を供給することにより前記コイルの軸方向の磁界を発生することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0023】
本発明の請求項4においては、請求項3記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界方向設定手段は、前記コイルの軸を前記磁気シールドルームの設置面に垂直な面方向に回転可能とする機構、前記コイルの軸を前記磁気シールドルームの設置面に平行な面方向に回転可能とする機構、前記コイルを前記磁気シールドルームの高さ方向に移動可能とする機構の少なくとも一つを有することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0024】
本発明の請求項5においては、請求項3記載の磁気シールド特性測定装置において、前記ボビンの筒状の内部に軟磁性材料を設けたことを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0025】
本発明の請求項6においては、請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界発生手段は、磁石と、この磁石の磁化方向と垂直な回転軸を中心として前記磁石を回転させる回転手段とを有し、この回転手段により前記磁石を回転させることにより前記磁化方向の磁界を発生することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0026】
本発明の請求項7においては、請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界発生手段は、前記磁気シールドルームを中心とする対象な位置に2つ設置されることを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
尚、以下の図面において、図8と重複する部分は同一番号を付してその説明は適宜に省略する。
図1は本発明による磁気シールド特性測定装置の構成概略図である。
図1において、6は筒状のボビンにコイルが巻き回された磁界発生手段、7はボビンに巻き回されたコイルに電流を供給するコイルドライバ、8は磁界方向設定手段である。
【0028】
図2は磁界発生手段の断面図である。
図2において、例えばエポキシ樹脂、紙等の非磁性体材料からなる筒状のボビン6aの周囲にコイル6bが巻き回されており、内部には例えばパーマロイ等の高飽和磁束密度の軟磁性材料からなる筒状の軟磁性板6cが設けられている、
尚、ボビン6a自体を高飽和磁束密度の軟磁性材料により構成するようにしても良い。
【0029】
図3は磁界方向設定手段の詳細を説明するための図である。
図3において、磁界方向設定手段8は、支持棒8a、支持棒8aの上部に設けられた回転軸8b、回転台8c、脚付固定台8dを有している。
【0030】
磁界発生手段6のボビン6aは回転軸8bに固定されて支持棒8aに支持されており、ボビン6aを回転軸8bを中心として回転させることにより、コイル6bの軸を磁気シールドルーム1の設置面に垂直な面方向に回転させることが可能である。
【0031】
そして、回転台8cは、支持棒8aをその長手方向の軸を中心として回転させる機構であり、回転台8cを回転させることによりコイル6bの軸を磁気シールドルーム1の設置面に平行な面方向に回転させることが可能である。
【0032】
また、支持棒8aは、上下移動可能に脚付固定台8dに支持されており、支持棒8aを上下移動させることにより、コイル6bの位置を磁気シールドルーム1の高さ方向に移動させることが可能である。
【0033】
次に、本発明による磁気シールド特性測定装置の動作について説明する。
まず、磁界発生手段6のボビン6aを回転軸8bを中心として回転させると共に回転台8cを回転させてコイル6bの軸方向が所望の評価軸の方向となるようにボビン6aの位置を設定し、コイル6bの高さが磁気センサ2の高さとほぼ同じ高さとなるように支持棒8aを上下方向に移動させてボビン6aを固定する。
【0034】
例えば、磁気シールドルーム1の評価軸を紙面の左右方向とする場合、図1に示したようにコイル6bの軸方向が紙面の左右方向となるように磁界発生手段6の向き及び位置を設定する。
そして、評価軸を磁気シールドルーム1の設置面に垂直方向(上下方向)とした場合は、図4に示すようにボビン6aを図1に示した位置から回転軸8bを中心として90度回転させて、コイル6bの軸方向が磁気シールドルーム1の設置面に垂直方向となるよう磁界発生手段6の向き及び位置を設定する。
また、評価軸を図1の紙面に垂直な方向(前後方向)とする場合は、図1に示した状態から回転台8cを90度回転させれば良い。
【0035】
そして、コイル6bにコイルドライバ7により電流を供給すると、コイル6bは励磁されると共に軟磁性板6cが磁化されてコイル6bの軸方向の回転磁界が発生し、磁気シールドルーム1に印加される。
この場合、発生する磁界の強度は軟磁性板6cの透磁率に応じて増倍されるので、高磁界が磁気シールドルーム1に印加される。
【0036】
また、生体磁気で意味のあるのある領域である低域(0.01Hz〜1Hz程度)から高域(1Hz〜200Hz程度)において、軟磁性板6cに発生する渦電流は小さいため、磁化特性が劣化することなく高磁界を磁気シールドルーム1に印加することができる。
【0037】
例えば図1に示した場合は、紙面の左右方向の磁界が評価用人工磁界として磁気シールドルーム1に印加され、図4に示した場合は、磁気シールドルーム1の設置面に垂直方向の磁界が評価用人工磁界として磁気シールドルーム1に印加される。
そして、磁気シールドルーム1内に設置された磁気センサ2により印加された磁界の漏れを検出して増幅器3で増幅し、評価軸に対する磁気シールド特性を測定する。
【0038】
尚、磁界発生手段6及び磁界方向設定手段8を、磁気シールドルーム1の寸法に対して十分離れた位置に配置することにより、平行磁場をシミュレートすることが可能である。
また、近接磁場の影響によるシールド特性を評価する場合は、磁界発生手段6及び磁界方向設定手段8は小型なので、それらを評価したい距離まで容易に移動させて特性を評価することができる。
【0039】
また、図5及び図6に示すように、磁気シールドルーム1の中心を軸対象とする反対側の位置に同一形状、同一方向の磁界発生手段6及び磁界方向設定手段8をもう1組設置して、それぞれのコイルに同一位相、同一振幅の電流を印加することにより、磁界発生手段6と磁気シールドルーム1の間の距離をあまり大きくとらなくても、磁気シールドルーム1の評価面内で比較的均一な磁場を得ることができる。
【0040】
図7は、磁石を用いて磁界発生手段を構成した場合を示す図であり、強力な磁石を磁気ダイポールに見たてて、機械的な回転で回転磁界を得るものである。
図7において、9はサマルイウムコバルトやネオジウムマグネットなどの材質で矢印方向に磁化された磁石である。
この磁石9は単極でも複数極でも良く、磁極面積を広げた磁気モーメントの大きな磁石が選択される。
【0041】
10は磁石9を固定する非磁性の固定具、11は固定具10に接続された回転軸、12は回転軸11を安定にするための軸受け、13は回転軸11を支える為の非磁性の材質で組上げられたハウジング、14は磁石を回転駆動させる回転手段としてのモータである。
【0042】
このように構成された磁界発生手段を図3に示した磁界方向設定手段8の支持棒8aに固定し、磁化方向が評価軸の方向となるように磁石の位置を設定し、モータ14によって磁石9を回転させて磁化方向の磁場を発生させることにより、先に説明したコイルによって磁場を印加させた場合と同様に磁気シールドルーム1に評価用人工磁界を印加して、磁気シールド特性を測定することができる。
この場合、コイルを使用した場合のように大電流を使用することなく、大きな回転磁界を得ることができる。
【0043】
また、コイルを使用して比較的高い周波数の磁界を得ようとした場合は、コイルのインダクタンスと容量で規定される共振周波数の影響で非常に大きな電流をコイルに供給する必要がある。しかし、磁石を使用する場合、電気的な共振周波数の影響がないため、磁極の数を増やすことにより例えば100kHz程度の高い周波数の磁界を発生させることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大型のヘルムホルツコイルを使用することなく、小型の磁界発生手段により評価用人工磁場を発生させ、磁界の方向を評価軸の方向となるように磁界方向設定手段により磁界発生手段の方向、位置を設定するようにしたので、磁気シールドルームの上下、左右、前後等の評価軸に対応したシールド特性を容易に測定することができる。
【0045】
また、本発明によれば、装置が小型で容易に移動させることができるので、磁界発生手段及び磁界方向設定手段を、磁気シールドルームの寸法に対して十分離れた位置に配置することにより、平行磁場をシミュレートすることが可能となり、また、磁界発生手段及び磁界方向設定手段を磁気シールドルームに近接させて配置することにより、近接磁場の影響によるシールド特性を容易に評価することができる。
【0046】
また、本発明によれば、磁界発生手段を磁気シールドルームを中心とする対象な位置に2つ設置するようにしたので、磁界発生手段と磁気シールドルームの間の距離をあまり大きくとらなくても、磁気シールドルームの評価面内で比較的均一な磁場を得ることができる。
【0047】
また、本発明によれば、磁界発生手段を磁石を用いて構成するようにしたので、大電流を使用することなく、高い周波数で大きな磁界を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気シールド特性測定装置の構成概略図である。
【図2】ボビンとコイルで構成された磁界発生手段の断面図である。
【図3】磁界方向設定手段の詳細を説明するための図である。
【図4】ボビンを図1に示した位置から回転軸を中心として90度回転させた場合を示す図である。
【図5】2つのコイルを対象な位置に設置した場合を示す図である。
【図6】2つのコイルを対象な位置に設置した場合を示す図である。
【図7】磁石を用いた磁界発生手段の構成を示す図である。
【図8】従来の磁気シールド特性測定装置の構成概略図である。
【符号の説明】
1 磁気シールドルーム
2 磁気センサ
6 磁界発生手段
6a ボビン
6b コイル
6c 軟磁性板
8 磁界方向設定手段
8a 支持棒
8b 回転軸
8c 回転台
8d 脚付固定台
9 磁石
11 回転軸
14 モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば微弱な脳磁場を計測する脳磁計測システム、心磁などの生体磁場計測システム、電子顕微鏡や電子ビーム露光装置等に使用される磁気シールドルームの外部磁気ノイズのシールド特性を測定する磁気シールド特性測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば脳から発生する磁場である脳磁や心臓から発生する心磁などの極めて微弱な生体磁気を、SQUID(超伝導量子干渉素子)で計測するシステムでは、環境磁気雑音を磁気シールドルームで低減させるとともに、グラジオメータと呼ばれる差分ピックアップコイルを使って遠方から来る磁気変動ノイズを低減させている。
【0003】
生体磁気計測用の磁気シールドルームは1mm厚の高透磁率パーマロイ板を2〜3枚重ねて1層、またはスペースを設けて2層以上としたパーマロイの壁と、渦電流を利用して磁気遮蔽効果を増すことと高周波磁気遮蔽を目的とするアルミや銅などの高導電率層をパーマロイ層間に入れた構造が一般的である。
そして、一般的な2層パーマロイの磁気シールドルームでは、生体磁気計測で重要な0.1Hz〜数100Hzの周波数領域で数100〜1000分の1程度まで環境磁気雑音を低減させる。
【0004】
一方、このような磁気シールドルームによるシールドばかりでなく、磁気シールドの低コスト化を図るため、以下の参考文献1〜3に記載されたアクティブ磁気シールド法が提案されている。
【0005】
参考文献1:富田他 第15回日本生体磁気学会論文集Vol.13 No1,2000 p172-173
参考文献2:加藤他 第15回日本生体磁気学会論文集Vol.13 No1,2000 p170-171
参考文献3:栗城 北大電子科学研究所発行「電子科学研究」p18-23 平成12年。
【0006】
参考文献1に開示されている手法は、磁気シールドルーム内に設置したSQUIDマグネトメータをセンサとして使い、磁気シールドルーム周囲に巡らせたフィードバックコイルにキャンセル磁界を発生させ、磁気シールドルームに侵入する磁界を低減させようというものである。
【0007】
参考文献2に開示されている手法は、磁気シールドルーム外壁の各面中央部に直交する方向に感度を持つようにフラックスゲート磁束計を張りつけて、各面に独立に設置されたフィードバックコイルにキャンセル磁界を発生させて、シールド効果を高めようというものである。
【0008】
参考文献3のp21図4には、誘導コイルを磁気シールドルームに巻いて、環境磁場変動によりコイルに誘起された電圧をフィードバック信号とする技術が開示されている。この場合、コイルに誘起される起電力は、面積に比例するため、磁気シールドルーム程度の大きさの面では数10ターンの巻き数でフラックスゲート磁束計よりも十分な感度をえることができる。併せて、磁気シールドルームの磁界収束効果があるため高感度となる。
【0009】
ところで、一般に磁気シールドルームは下記の参考文献4に示されたヘルムホルツ状コイルで磁気シールドルームを取り囲み、交流磁気外乱を与えてその磁気シールド性能が評価される。
参考文献4:ASTM A698/A 698M-92 Standard Test Method for Magnetic Shield Efficiency in attenuating Magnetic Fields']
【0010】
図8は従来の磁気シールド特性装置の構成概略を示す図である。
図8において、1は磁気シールドルーム、2は磁気シールドルーム1内に設けられる磁気センサ、3は磁気センサ2の出力を増幅する増幅器、4はヘルムホルツコイル、5はヘルムホルツコイル4に電流を供給するコイルドライバである。
【0011】
そして、ヘルムホルツコイル4にコイルドライバ5からアンペアオーダの電流を流して変動磁場を磁気シールドルーム1に印加し、磁気センサ2の出力を増幅器3で増幅し、この信号に基づいて磁気シールドルーム1の磁気シールド特性として、例えばシールドファクタS(遮蔽率:磁気シールドルームの性能)を測定する。
【0012】
磁気シールドルームの無い場合に検出されるであろう磁界強度をHo(コイル電流から算出される計算値)、磁気シールドルーム内で実際に計測された磁界HiからシールドファクタはS=Hi/Hoで表現される。これらの磁界は周波数の関数であり、直流を含む各周波数で定義可能で、磁気シールドルームの性能の指標とされている。また、一般的には、磁気シールドルームでは内部に磁場勾配が生じるため、磁気シールドルームの中心におけるシールドファクタで磁気シールドルームの性能を代表させる。
【0013】
一方、上述のようなアクティブ磁気シールドにおいては、人工的な外乱を用いることなく、アクティブシールドのオン/オフ時の比較で磁気シールドの性能を示す場合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
シールドファクタは磁気シールドルームの上下、左右、前後の3方向を評価軸として、夫々独立に計測しなければならない。
しかし、大型の計測用ヘルムホルツコイルを狭い室内に敷設するのは容易ではなく、場合によっては評価そのものが不可能になる。
また、単純な評価の場合、磁気シールドルームのドアが最もシールド性能を劣化させる要素である為、この面の評価で簡略化させてしまうこともあり、性能評価を一定の基準のもとで実施することが困難である。
【0015】
ヘルムホルツコイルを人工的な外乱とするのは、磁気雑音の大きな成分である車の移動や電車などの大型構造物が発生させる磁気外乱をシミュレートすることを主目的としており、できるだけ空間的に均一な磁場の環境下で性能評価させようというものである。このことは遠隔地に磁場源を持ち、空間的に均一に近い外乱磁場に対する評価になっていると理解できる。
しかし、この計測法は比較的近くにある磁場源からの外乱は対象にしていないため、近くに磁場源がある場合の磁気シールドルーム内の特定位置でシールドファクタや磁気勾配を評価することはできない。
【0016】
一方、ヘルムホルツコイルを使ったアクティブ磁気シールドの場合、近接した位置に外乱発生用の別のヘルムホルツコイルを設ける必要がある。
従って、参考文献2,3に示されるようにセンサが磁気シールドルーム外部にある場合、フィードバック用センサに勾配の大きな磁場を与えてしまので、アクティブシールドの正常な動作を妨げることとなり、磁気シールド特性を測定することは困難である。
【0017】
また、開ループ式アクティブ磁気シールドの場合、センサの位置を含めて平行磁場を与えなければならないため、アクティブシールド用コイルに比べて十分大きなヘルムホルツコイルを設ける必要があるが、これは実現が困難である。
また、開ループ式アクティブ磁気シールドでは、センサから出力される磁場変動が最小となるようにキャンセル用のヘルムホルツコイルの各軸に流す電流設定用パラメータを調整しなければならないが、先に説明したように他のヘルムホルツコイルで磁場外乱を人工的に発生し得ないため、自然界のランダムな磁気雑音を信号にみたてて行わねばならない。ランダムな磁気雑音の変動は0.01Hz程度の極低周波を扱う為、キャンセル磁場強度の調整は極めて困難となり人手では実施困難である。
【0018】
このような磁気シールド特性の測定における問題点は、全てヘルムホルツコイルで人工磁場外乱を発生させることに起因しているものである。
【0019】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ヘルムホルツコイルを使用することなく人工磁場外乱を磁気シールドルームに印加し、アクティブ磁気シールドを含む汎用的な磁気シールド特性を簡略な手法により測定することができる磁気シールド特性測定装置を実現することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1においては、箱状で高透磁率部材からなる壁を有する磁気シールドルームの磁気シールド特性を内部に設けられた磁気測定手段により測定する磁気シールド特性測定装置において、前記磁気シールドルームの外部に設置されて磁界を発生し、評価用人工磁界として磁気シールドルームに印加する磁界発生手段と、前記磁界発生手段の前記磁気シールドルームに対する向きを変更させて前記磁気シールドルームに印加する磁界の方向を任意に設定する磁界方向設定手段、とを設け、前記磁気測定手段により磁界の漏れを測定することにより前記磁気シールドルームに印加された磁界の方向に対応した磁気シールド特性を測定することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0021】
本発明の請求項2においては、請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界方向設定手段は、前記磁気シールドルームに印加される磁界の方向が前記磁気シールドルームの評価軸の方向となるように前記磁界発生手段の向きを設定することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0022】
本発明の請求項3においては、請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界発生手段は、非磁性体で筒状のボビンと、このボビンの周囲に巻き回されるコイルを有し、このコイルに電流を供給することにより前記コイルの軸方向の磁界を発生することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0023】
本発明の請求項4においては、請求項3記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界方向設定手段は、前記コイルの軸を前記磁気シールドルームの設置面に垂直な面方向に回転可能とする機構、前記コイルの軸を前記磁気シールドルームの設置面に平行な面方向に回転可能とする機構、前記コイルを前記磁気シールドルームの高さ方向に移動可能とする機構の少なくとも一つを有することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0024】
本発明の請求項5においては、請求項3記載の磁気シールド特性測定装置において、前記ボビンの筒状の内部に軟磁性材料を設けたことを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0025】
本発明の請求項6においては、請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界発生手段は、磁石と、この磁石の磁化方向と垂直な回転軸を中心として前記磁石を回転させる回転手段とを有し、この回転手段により前記磁石を回転させることにより前記磁化方向の磁界を発生することを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0026】
本発明の請求項7においては、請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、前記磁界発生手段は、前記磁気シールドルームを中心とする対象な位置に2つ設置されることを特徴とする磁気シールド特性測定装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
尚、以下の図面において、図8と重複する部分は同一番号を付してその説明は適宜に省略する。
図1は本発明による磁気シールド特性測定装置の構成概略図である。
図1において、6は筒状のボビンにコイルが巻き回された磁界発生手段、7はボビンに巻き回されたコイルに電流を供給するコイルドライバ、8は磁界方向設定手段である。
【0028】
図2は磁界発生手段の断面図である。
図2において、例えばエポキシ樹脂、紙等の非磁性体材料からなる筒状のボビン6aの周囲にコイル6bが巻き回されており、内部には例えばパーマロイ等の高飽和磁束密度の軟磁性材料からなる筒状の軟磁性板6cが設けられている、
尚、ボビン6a自体を高飽和磁束密度の軟磁性材料により構成するようにしても良い。
【0029】
図3は磁界方向設定手段の詳細を説明するための図である。
図3において、磁界方向設定手段8は、支持棒8a、支持棒8aの上部に設けられた回転軸8b、回転台8c、脚付固定台8dを有している。
【0030】
磁界発生手段6のボビン6aは回転軸8bに固定されて支持棒8aに支持されており、ボビン6aを回転軸8bを中心として回転させることにより、コイル6bの軸を磁気シールドルーム1の設置面に垂直な面方向に回転させることが可能である。
【0031】
そして、回転台8cは、支持棒8aをその長手方向の軸を中心として回転させる機構であり、回転台8cを回転させることによりコイル6bの軸を磁気シールドルーム1の設置面に平行な面方向に回転させることが可能である。
【0032】
また、支持棒8aは、上下移動可能に脚付固定台8dに支持されており、支持棒8aを上下移動させることにより、コイル6bの位置を磁気シールドルーム1の高さ方向に移動させることが可能である。
【0033】
次に、本発明による磁気シールド特性測定装置の動作について説明する。
まず、磁界発生手段6のボビン6aを回転軸8bを中心として回転させると共に回転台8cを回転させてコイル6bの軸方向が所望の評価軸の方向となるようにボビン6aの位置を設定し、コイル6bの高さが磁気センサ2の高さとほぼ同じ高さとなるように支持棒8aを上下方向に移動させてボビン6aを固定する。
【0034】
例えば、磁気シールドルーム1の評価軸を紙面の左右方向とする場合、図1に示したようにコイル6bの軸方向が紙面の左右方向となるように磁界発生手段6の向き及び位置を設定する。
そして、評価軸を磁気シールドルーム1の設置面に垂直方向(上下方向)とした場合は、図4に示すようにボビン6aを図1に示した位置から回転軸8bを中心として90度回転させて、コイル6bの軸方向が磁気シールドルーム1の設置面に垂直方向となるよう磁界発生手段6の向き及び位置を設定する。
また、評価軸を図1の紙面に垂直な方向(前後方向)とする場合は、図1に示した状態から回転台8cを90度回転させれば良い。
【0035】
そして、コイル6bにコイルドライバ7により電流を供給すると、コイル6bは励磁されると共に軟磁性板6cが磁化されてコイル6bの軸方向の回転磁界が発生し、磁気シールドルーム1に印加される。
この場合、発生する磁界の強度は軟磁性板6cの透磁率に応じて増倍されるので、高磁界が磁気シールドルーム1に印加される。
【0036】
また、生体磁気で意味のあるのある領域である低域(0.01Hz〜1Hz程度)から高域(1Hz〜200Hz程度)において、軟磁性板6cに発生する渦電流は小さいため、磁化特性が劣化することなく高磁界を磁気シールドルーム1に印加することができる。
【0037】
例えば図1に示した場合は、紙面の左右方向の磁界が評価用人工磁界として磁気シールドルーム1に印加され、図4に示した場合は、磁気シールドルーム1の設置面に垂直方向の磁界が評価用人工磁界として磁気シールドルーム1に印加される。
そして、磁気シールドルーム1内に設置された磁気センサ2により印加された磁界の漏れを検出して増幅器3で増幅し、評価軸に対する磁気シールド特性を測定する。
【0038】
尚、磁界発生手段6及び磁界方向設定手段8を、磁気シールドルーム1の寸法に対して十分離れた位置に配置することにより、平行磁場をシミュレートすることが可能である。
また、近接磁場の影響によるシールド特性を評価する場合は、磁界発生手段6及び磁界方向設定手段8は小型なので、それらを評価したい距離まで容易に移動させて特性を評価することができる。
【0039】
また、図5及び図6に示すように、磁気シールドルーム1の中心を軸対象とする反対側の位置に同一形状、同一方向の磁界発生手段6及び磁界方向設定手段8をもう1組設置して、それぞれのコイルに同一位相、同一振幅の電流を印加することにより、磁界発生手段6と磁気シールドルーム1の間の距離をあまり大きくとらなくても、磁気シールドルーム1の評価面内で比較的均一な磁場を得ることができる。
【0040】
図7は、磁石を用いて磁界発生手段を構成した場合を示す図であり、強力な磁石を磁気ダイポールに見たてて、機械的な回転で回転磁界を得るものである。
図7において、9はサマルイウムコバルトやネオジウムマグネットなどの材質で矢印方向に磁化された磁石である。
この磁石9は単極でも複数極でも良く、磁極面積を広げた磁気モーメントの大きな磁石が選択される。
【0041】
10は磁石9を固定する非磁性の固定具、11は固定具10に接続された回転軸、12は回転軸11を安定にするための軸受け、13は回転軸11を支える為の非磁性の材質で組上げられたハウジング、14は磁石を回転駆動させる回転手段としてのモータである。
【0042】
このように構成された磁界発生手段を図3に示した磁界方向設定手段8の支持棒8aに固定し、磁化方向が評価軸の方向となるように磁石の位置を設定し、モータ14によって磁石9を回転させて磁化方向の磁場を発生させることにより、先に説明したコイルによって磁場を印加させた場合と同様に磁気シールドルーム1に評価用人工磁界を印加して、磁気シールド特性を測定することができる。
この場合、コイルを使用した場合のように大電流を使用することなく、大きな回転磁界を得ることができる。
【0043】
また、コイルを使用して比較的高い周波数の磁界を得ようとした場合は、コイルのインダクタンスと容量で規定される共振周波数の影響で非常に大きな電流をコイルに供給する必要がある。しかし、磁石を使用する場合、電気的な共振周波数の影響がないため、磁極の数を増やすことにより例えば100kHz程度の高い周波数の磁界を発生させることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大型のヘルムホルツコイルを使用することなく、小型の磁界発生手段により評価用人工磁場を発生させ、磁界の方向を評価軸の方向となるように磁界方向設定手段により磁界発生手段の方向、位置を設定するようにしたので、磁気シールドルームの上下、左右、前後等の評価軸に対応したシールド特性を容易に測定することができる。
【0045】
また、本発明によれば、装置が小型で容易に移動させることができるので、磁界発生手段及び磁界方向設定手段を、磁気シールドルームの寸法に対して十分離れた位置に配置することにより、平行磁場をシミュレートすることが可能となり、また、磁界発生手段及び磁界方向設定手段を磁気シールドルームに近接させて配置することにより、近接磁場の影響によるシールド特性を容易に評価することができる。
【0046】
また、本発明によれば、磁界発生手段を磁気シールドルームを中心とする対象な位置に2つ設置するようにしたので、磁界発生手段と磁気シールドルームの間の距離をあまり大きくとらなくても、磁気シールドルームの評価面内で比較的均一な磁場を得ることができる。
【0047】
また、本発明によれば、磁界発生手段を磁石を用いて構成するようにしたので、大電流を使用することなく、高い周波数で大きな磁界を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気シールド特性測定装置の構成概略図である。
【図2】ボビンとコイルで構成された磁界発生手段の断面図である。
【図3】磁界方向設定手段の詳細を説明するための図である。
【図4】ボビンを図1に示した位置から回転軸を中心として90度回転させた場合を示す図である。
【図5】2つのコイルを対象な位置に設置した場合を示す図である。
【図6】2つのコイルを対象な位置に設置した場合を示す図である。
【図7】磁石を用いた磁界発生手段の構成を示す図である。
【図8】従来の磁気シールド特性測定装置の構成概略図である。
【符号の説明】
1 磁気シールドルーム
2 磁気センサ
6 磁界発生手段
6a ボビン
6b コイル
6c 軟磁性板
8 磁界方向設定手段
8a 支持棒
8b 回転軸
8c 回転台
8d 脚付固定台
9 磁石
11 回転軸
14 モータ
Claims (7)
- 箱状で高透磁率部材からなる壁を有する磁気シールドルームの磁気シールド特性を内部に設けられた磁気測定手段により測定する磁気シールド特性測定装置において、
前記磁気シールドルームの外部に設置されて磁界を発生し、評価用人工磁界として磁気シールドルームに印加する磁界発生手段と、
前記磁界発生手段の前記磁気シールドルームに対する向きを変更させて前記磁気シールドルームに印加する磁界の方向を任意に設定する磁界方向設定手段、とを設け、
前記磁気測定手段により磁界の漏れを測定することにより前記磁気シールドルームに印加された磁界の方向に対応した磁気シールド特性を測定することを特徴とする磁気シールド特性測定装置。 - 請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、
前記磁界方向設定手段は、前記磁気シールドルームに印加される磁界の方向が前記磁気シールドルームの評価軸の方向となるように前記磁界発生手段の向きを設定することを特徴とする磁気シールド特性測定装置。 - 請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、
前記磁界発生手段は、非磁性体で筒状のボビンと、このボビンの周囲に巻き回されるコイルを有し、このコイルに電流を供給することにより前記コイルの軸方向の磁界を発生することを特徴とする磁気シールド特性測定装置。 - 請求項3記載の磁気シールド特性測定装置において、
前記磁界方向設定手段は、前記コイルの軸を前記磁気シールドルームの設置面に垂直な面方向に回転可能とする機構、前記コイルの軸を前記磁気シールドルームの設置面に平行な面方向に回転可能とする機構、前記コイルを前記磁気シールドルームの高さ方向に移動可能とする機構の少なくとも一つを有することを特徴とする磁気シールド特性測定装置。 - 請求項3記載の磁気シールド特性測定装置において、
前記ボビンの筒状の内部に軟磁性材料を設けたことを特徴とする磁気シールド特性測定装置。 - 請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、
前記磁界発生手段は、磁石と、この磁石の磁化方向と垂直な回転軸を中心として前記磁石を回転させる回転手段とを有し、この回転手段により前記磁石を回転させることにより前記磁化方向の磁界を発生することを特徴とする磁気シールド特性測定装置。 - 請求項1記載の磁気シールド特性測定装置において、
前記磁界発生手段は、前記磁気シールドルームを中心とする対象な位置に2つ設置されることを特徴とする磁気シールド特性測定装置。
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