JP3266007B2 - 演奏データ変換装置 - Google Patents

演奏データ変換装置

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JP3266007B2
JP3266007B2 JP26776296A JP26776296A JP3266007B2 JP 3266007 B2 JP3266007 B2 JP 3266007B2 JP 26776296 A JP26776296 A JP 26776296A JP 26776296 A JP26776296 A JP 26776296A JP 3266007 B2 JP3266007 B2 JP 3266007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常の演奏データ
をタブ譜(tablature)形式のデータに変換する演奏デ
ータ変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、通常の演奏データをタブ譜形式の
データ、すなわち弦楽器において、演奏者が押さえるべ
き弦の種類およびその弦のフレット番号を示す情報を有
するデータに変換する演奏データ変換装置は知られてい
る。
【0003】かかる演奏データ変換装置として、たとえ
ば、フレットボード(フィンガーボード)の操作領域を
音高の高低に応じて2つの領域(ハイポジションおよび
ロウポジション)に分割し、演奏者がこの分割された2
領域のうちいずれかを指定したときに、当該指定された
領域および変換すべき演奏データの調に応じて、その演
奏データをタブ譜形式のデータに変換するものがあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の演奏データ変換装置では、2領域のいずれかが指定
されると、演奏データはその領域内に収まるようにタブ
譜変換されるのみであるため、演奏者がこの変換後のタ
ブ譜形式のデータに基づいて忠実に演奏した場合には、
現在押さえている弦およびその弦のフレット位置から次
の弦およびその弦のフレット位置に移行しようとして
も、その間隔が離れており、指がスムーズに移行しない
ことがあった。これは、上記従来の演奏データ変換装置
ではスムーズな運指まで考慮して変換が行われていない
ため、変換後の隣接するデータ間に何の相関関係も発生
していないからである。
【0005】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、スムーズな運指を考慮して通常の演奏データをタブ
譜形式のデータに変換し、これにより演奏者の操作性を
向上させることが可能な演奏データ変換装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、入力された演奏データを、弦楽器の演奏
者が押さえるべき弦の種類および該弦のフレット番号を
示す情報からなるタブ譜形式のデータに変換する演奏デ
ータ変換装置において、前記演奏データを所定種類のフ
レーズに分割するフレーズ分割手段と、前記弦楽器の操
作領域を複数個の部分領域に分割し、該分割された部分
領域を候補単位として、前記フレーズ分割手段により分
割されたフレーズ中のすべての音の音高を割り当て可能
前記候補単位を検索する候補単位検索手段と、該検索
された候補単位に応じて演奏データを前記タブ譜形式の
データに変換するタブ譜変換手段とを有することを特徴
とする。
【0007】また、好ましくは、前記候補単位検索手段
は、当該フレーズ中のすべての音の音高を割り当て可能
候補単位が見つからない場合には、当該フレーズ中の
最低音または最高音を除外した後のすべての音の音高を
割り当て可能な候補単位を検索することを特徴とする。
【0008】さらに、好ましくは、前記検索された前記
候補単位が複数個ある場合に、そのうち所定の条件を最
もよく満たす候補単位を目的の部分領域に決定する部分
領域決定手段を有することを特徴とする。
【0009】また、さらに好ましくは、前記所定の条件
は、開放弦により近い位置であることを特徴とし、また
は、直前のフレーズに前記部分領域が決定されている場
合に、該部分領域により近い位置であることを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の実施の一形態に係る演奏
データ変換装置の概略構成を示すブロック図である。
【0012】同図に示すように、本実施の形態の演奏デ
ータ変換装置は、音高情報を入力するための鍵盤1と、
各種情報を入力するための複数のスイッチを備えたパネ
ルスイッチ2と、鍵盤1の各鍵の押鍵状態を検出する押
鍵検出回路3と、パネルスイッチ2の各スイッチの押下
状態を検出するスイッチ検出回路4と、装置全体の制御
を司るCPU5と、該CPU5が実行する制御プログラ
ムやテーブルデータ等を記憶するROM6と、演奏デー
タ、各種入力情報および演算結果等を一時的に記憶する
RAM7と、タイマ割り込み処理における割り込み時間
や各種時間を計時するタイマ8と、各種情報等を表示す
る、たとえば大型液晶ディスプレイ(LCD)若しくは
CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイおよび発光ダ
イオード(LED)等を備えた表示装置9と、記憶媒体
であるフロッピディスク(FD)をドライブするフロッ
ピディスクドライブ(FDD)10と、前記制御プログ
ラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種デー
タ等を記憶するハードディスクをドライブするハードデ
ィスクドライブ(HDD)11と、前記制御プログラム
を含む各種アプリケーションプログラムや各種データ等
を記憶するコンパクトディスク−リード・オンリ・メモ
リ(CD−ROM)をドライブするCD−ROMドライ
ブ12と、外部からのMIDI(Musical Instrument D
igital Interface)信号を入力したり、MIDI信号と
して外部に出力したりするMIDIインターフェース
(I/F)13と、通信ネットワーク101を介して、
たとえばサーバコンピュータ102とデータの送受信を
行う通信インターフェース(I/F)14と、鍵盤1か
ら入力された演奏データや予め設定された演奏データ等
を楽音信号に変換する音源回路15と、該音源回路15
からの楽音信号に各種効果を付与するための効果回路1
6と、該効果回路16からの楽音信号を音響に変換す
る、たとえばスピーカ等のサウンドシステム17とによ
り構成されている。
【0013】上記構成要素3〜16は、バス18を介し
て相互に接続され、CPU5にはタイマ8が接続され、
MIDII/F13には他のMIDI機器100が接続
され、通信I/F14には通信ネットワーク101が接
続され、音源回路15には効果回路16が接続され、効
果回路16にはサウンドシステム17が接続されてい
る。
【0014】HDD11のハードディスクには、前述の
ように、CPU5が実行する制御プログラムも記憶で
き、ROM6に制御プログラムが記憶されていない場合
には、このハードディスクに制御プログラムを記憶させ
ておき、それをRAM7に読み込むことにより、ROM
6に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作を
CPU5にさせることができる。このようにすると、制
御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行え
る。
【0015】CD−ROMドライブ12のCD−ROM
から読み出された制御プログラムや各種データは、HD
D11内のハードディスクにストアされる。これによ
り、制御プログラムの新規インストールやバージョンア
ップ等が容易に行える。なお、このCD−ROMドライ
ブ12以外にも、外部記憶装置として、光磁気ディスク
(MO)装置等、様々な形態のメディアを利用するため
の装置を設けるようにしてもよい。
【0016】通信I/F14は、上述のように、たとえ
ばLAN(Local Area Network)やインターネット、電
話回線等の通信ネットワーク101に接続されており、
該通信ネットワーク101を介して、サーバコンピュー
タ102に接続される。HDD11内のハードディスク
に上記各プログラムや各種パラメータが記憶されていな
い場合には、通信I/F14は、サーバコンピュータ1
02からプログラムやパラメータをダウンロードするた
めに用いられる。クライアントとなるコンピュータ(本
実施の形態では、演奏データ変換装置)は、通信I/F
14および通信ネットワーク101を介してサーバコン
ピュータ102へとプログラムやパラメータのダウンロ
ードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュー
タ102は、このコマンドを受け、要求されたプログラ
ムやパラメータを、通信ネットワーク101を介してコ
ンピュータへと配信し、コンピュータが通信I/F10
1を介して、これらプログラムやパラメータを受信して
HDD11内のハードディスクに蓄積することにより、
ダウンロードが完了する。
【0017】この他、外部コンピュータ等との間で直接
データのやりとりを行うためのインターフェースを備え
てもよい。
【0018】図2は、演奏データのデータフォーマット
の一例を示す図であり、(a)は、タブ譜変換を行う前
の通常の演奏データファイル(ソングファイル)のデー
タフォーマットを示し、(b)は、(a)の演奏データ
をタブ譜変換した後のタブ譜形式のデータファイルのフ
ォーマットを示している。
【0019】(a)に示すように、演奏データファイル
は、ヘッダデータ21、タイミングデータ22、イベン
トデータ23およびファイルエンドデータ24により、
主として構成されている。
【0020】ヘッダデータ21とは、演奏データの先頭
に記憶されるデータをいい、ヘッダデータ21として、
たとえば曲名や初期テンポ等のデータが記憶されてい
る。
【0021】タイミングデータ22とは、イベントデー
タ23間の相対的な時間間隔、すなわちイベントデータ
23を音源回路15に出力するタイミングを示す時間デ
ータをいう。なお、タイミングデータは通常数値データ
であり、この数値データは、タイマ8が所定時間毎に発
生するタイマ割込に応じて実行されるタイマ割込処理中
でデクリメントされ、“0”になるまで次のイベントデ
ータの読み出しが待機される。したがって、タイミング
データとしては、タイマ割込処理においてデクリメント
(ダウンカウント)されるカウント値が設定される。
【0022】イベントデータ23とは、ノートオンイベ
ントデータ、ノートオフイベントデータ、テンポデータ
およびピッチベンドイベントデータ等のデータをいう。
ノートオンイベントデータは、ノートオン、MIDIチ
ャンネル(CH)、ノートナンバおよびベロシティの各
データにより構成され、ノートオフイベントデータも、
同様に、ノートオフ、MIDIチャンネル、ノートナン
バおよびベロシティの各データにより構成されている。
このように、各ノートイベントデータ毎にMIDIチャ
ンネルを記憶するようにしたのは、本実施の形態では、
ノートイベントデータを各イベントの種類に拘わらず出
力順に1列に並べて記憶し、実際に読み出して処理する
段階で、当該MIDIチャンネルに基づいてイベントの
種類を判別し、その判別結果に応じてノートイベントの
処理を行うようにしたからである。なお、ノートオフイ
ベントデータは、ベロシティを含まないような構成にし
てもよい。
【0023】なお、本実施の形態では、音源回路15に
おけるMIDIチャンネル(以下、混同のおそれがない
場合には「チャンネル」と略す)は16チャンネルで構
成され、そのうち0〜8チャンネルは、ユーザが自由に
音色を割り当てることができ、9〜15チャンネルは、
後述するように、本システムがそれぞれ所定の目的のた
めに使用する。
【0024】また、本実施の形態では、タブ譜変換は、
0〜8チャンネルのうちいずれか1つのチャンネルのみ
の演奏データを対象にして行われる。このチャンネルを
ソーストラックといい、後述するように、ソーストラッ
クは、ユーザが任意に設定することができる。このよう
に、本実施の形態では、ソーストラックとして1チャン
ネルのみ指定できるように構成したが、これに限らず、
複数のチャンネルを指定できるように構成してもよい。
【0025】実際には、演奏データには、上述のデータ
以外のデータも含まれているが、本発明を説明する上で
必須のものではないため、その説明を省略する。
【0026】また、本実施の形態では、イベントデータ
を、その割り当てられたMIDIチャンネルに拘わら
ず、出力順に1列に並べて記憶するようにしたが、これ
に限らず、MIDIチャンネルに対応したトラックを設
け、このトラック毎にイベントデータを割り当てるよう
にしてもよい。このようにすれば、上述のように、ノー
トイベントデータ毎にMIDIチャンネルを記憶する必
要はないが、メモリ容量は増大する。
【0027】また、本実施の形態では、演奏データのデ
ータフォーマットを上述のように「イベントデータ+タ
イミング(相対時間)データ」という構成にしたが、こ
れに限る必要はなく、たとえば「イベントデータ+絶対
時間データ」、「音高データ+符長データ」等どのよう
なフォーマットでもよい。
【0028】このようなフォーマットを有する演奏デー
タは、本発明の方法により、図2(b)に示すタブ譜形
式のデータに変換される。以下、本発明のタブ譜変換の
概要を説明し、その後、詳細に説明する。
【0029】(a)の演奏データを、まず、2種類のフ
レーズに分割する。この2種類のフレーズとは、「単音
フレーズ」および「和音フレーズ」であり、ノートオン
イベント同士が時間的にオーバーラップしないフレーズ
を単音フレーズと判別し、オーバーラップするフレーズ
を和音フレーズと判別する。なお、この単音フレーズお
よび和音フレーズの判別方法の詳細は、それぞれ図9お
よび10を用いて後述する。
【0030】フレーズ分割処理が進むに従って、分割さ
れたフレーズの始めを示す「フレーズ始」データおよび
その終わりを示す「フレーズ終」データが演奏データ中
に挿入される。これにより、1つのフレーズを構成する
タイミングデータ22およびイベントデータ23を判別
することができる。ここで、「フレーズ始」データに
は、単音フレーズと和音フレーズとをそれぞれ区別する
ための「単音フレーズ始」データおよび「和音フレーズ
始」データがあり、「フレーズ終」データには、同様
に、単音フレーズと和音フレーズとをそれぞれ区別する
ための「単音フレーズ終」データおよび「和音フレーズ
終」データがある。
【0031】このようにして分割された各フレーズ毎
に、当該フレーズを構成する各イベントデータ(ノート
オン/オフイベントデータ)を、それぞれタブ譜形式の
データに変換する。本実施の形態では、タブ譜形式のデ
ータへの変換とは、ソーストラック(チャンネル0〜8
のうちのいずれか指定されたチャンネル)のノートオン
/オフイベントデータをチャンネル10〜15のうちい
ずれかのチャンネル(各チャンネルは、それぞれタブ譜
における6線譜の1弦〜6弦に対応し、音源回路15に
おいては、MIDIチャンネル10〜15にそれぞれギ
ターの1弦〜6弦に相当する若干異なる音色が割当てら
れる)に割り当てることを云う。すなわち、タブ譜形式
のデータへの変換とは、本実施の形態では、演奏者が押
さえるべき弦を決定することである。この変換されたタ
ブ譜形式のデータを用いて、実際にタブ譜表示する場合
には、タブ譜は演奏者が押さえるべき弦とフレット番号
により表現される一方、本実施の形態では、各ノートイ
ベントのノートナンバをフレット番号に変換しないよう
に構成したため、ノートナンバからフレット番号を算出
する必要がある。このように、ノートナンバをそのまま
にしたのは、ノートナンバからフレット番号の算出を容
易に行うことができるのに反して、変換後のデータはタ
ブ譜表示に使用されるのみではないため、ノートナンバ
をそのまま保持しておく方が汎用性が高いからである。
しかし、ノートナンバに代えて、対応するフレット番号
に変換して記憶するようにしてもよいことは云うまでも
ない。
【0032】このように各ノートイベントをギターの1
弦〜6弦に対応した6つのMIDIチャンネルに振り分
け、該振り分けた各ノートイベントを、音源回路15の
それぞれギターの1弦〜6弦に対応した若干異なる音色
が設定された6つのMIDIチャンネルへと供給する
と、実際のギター演奏に近い自然な演奏となる。
【0033】図3は、本実施の形態の演奏データ変換装
置で用いられるパラメータの一例を示す図である。
【0034】本実施の形態の演奏データ変換装置は、主
として、通常の演奏データ(図2(a))をタブ譜形式
の演奏データ(図2(b))に変換するタブ譜変換処理
とこの変換後の演奏データに表情付けを行う表情付け変
換処理の2種類の異なった処理を独立して行うように構
成されているので、パラメータも、図3に示すように、
「タブ譜変換用パラメータ」と「表情付けパラメータ」
の2種類のパラメータにより構成されている。
【0035】タブ譜変換用パラメータは、前記ソースト
ラックの番号を指定するソーストラックパラメータST
N、フレーズ区切りを判別するためのクロック数(時間
間隔)を指定するフレーズ区切り時間間隔パラメータP
IC、フレット番号の上限値を指定する最高フレット番
号パラメータUFN、現在処理の対象となっているフレ
ーズ(以下、「対象フレーズ」という)に対する候補ポ
ジション(この詳細は、図8〜12で後述する)をサー
チしたときに、複数の候補ポジションがサーチされ、そ
のうち1つを決定する場合に、直前のフレーズにおいて
決定されたポジションを参照して対象フレーズのポジシ
ョンを決定するか否かを指定する前ポジション参照パラ
メータRTPP、タブ譜変換すべき演奏データ(ソース
トラックのノートオン/オフイベントデータ)がフレッ
トボード上に乗らない(収まらない)データであって
も、そのすべてをフレットボード上に強制的に配置する
か否かを指定する強制配置パラメータFANOF等によ
り構成されている。
【0036】表情付けパラメータは、和音フレーズのよ
うに、複数のノートイベントデータの発音開始時刻が略
同一の場合に、その各発音開始時点を所定時間だけずら
せるコードクオンタイズ処理を行うか否かを指定するコ
ードクオンタイズパラメータCQ、この所定時間を決定
するためのノートオンシフト幅を指定するノートオンシ
フト幅パラメータOSW、3種類のコードストローク、
すなわちアップストローク、ダウンストロークおよびオ
ルタネートのうちいずれのストロークが選択されている
かをモードで示すパラメータ(以下、「ストロークモー
ド」という)S-MODE等により構成されている。な
お、上述したパラメータ以外にも、表情付けパラメータ
として使用するパラメータはあるが、そのパラメータに
ついては、実際に使用する時点で説明し、ここでの説明
は省略する。
【0037】以上のように構成された演奏データ変換装
置が実行する制御処理を、以下、図4〜31を参照して
説明する。
【0038】前述したように、本実施の形態の演奏デー
タ変換装置は、主として「タブ譜変換処理機能」と「表
情付け変換処理機能」の2種類の機能を備えているの
で、各機能をそれぞれ個別に説明する。
【0039】まず、図4〜12を参照して、「タブ譜変
換処理機能」を実現する制御処理を説明する。
【0040】図4は、タブ譜変換処理サブルーチンの手
順を示すフローチャートであり、本タブ変換処理は、前
記CPU5が実行するメインルーチン(図示せず)を構
成する一部の処理である。
【0041】ユーザが、たとえば前記パネルスイッチ2
のタブ譜変換スイッチ(図示せず)を押下すると、本タ
ブ譜変換処理サブルーチンが呼び出され、実行される。
なお、本タブ譜変換処理サブルーチンにCPU5の制御
が移行する前に、ユーザの指示に応じてタブ譜変換の対
象となる演奏データファイルが前記HDD11のハード
ディスクから読み出され、前記RAM7の所定位置に確
保された演奏データ格納領域にロードされているものと
する。
【0042】図4において、まず、ユーザが前記タブ譜
変換用パラメータから所望のパラメータを選択し、その
値を変更指示すると、当該パラメータはその指示された
値に設定される(ステップS1)。ここで、タブ譜変換
用パラメータを含む前記図3のパラメータ群は、その初
期値が前記ROM6またはHDD11のハードディスク
に予め格納されており、ユーザが、たとえば前記パネル
スイッチ2の電源スイッチ(図示せず)を押下すると、
この初期値が読み出され、RAM7の所定位置に確保さ
れたパラメータ格納領域にロードされる。したがって、
このステップS1のパラメータ設定処理では、ユーザが
初期設定されたパラメータ値を変更したい場合にのみ、
その設定を行うようにする。
【0043】次に、前記演奏データ格納領域にロードさ
れた元演奏データをフレーズ分割するために、当該元演
奏データ中の各フレーズをサーチするフレーズサーチ処
理サブルーチン(その詳細は、図5を用いて後述する)
を実行する(ステップS2)。
【0044】さらに、ステップS2でサーチされ、分割
された各フレーズ毎に、その中に含まれるノートオン/
オフイベントデータが入る前記ポジション(前述のよう
に、候補ポジションが複数個ある場合にはそのうちの1
つ)を決定するとともに、該各ノートオン/オフイベン
トデータをそれぞれ前記チャンネル10〜15のうちい
ずれかのチャンネルに振り分ける(割り当てる)ポジシ
ョン決定、振り分け処理サブルーチン(その詳細は、図
8を用いて後述する)を実行した(ステップS3)後
に、本タブ譜変換処理サブルーチンを終了する。
【0045】図5は、上記フレーズサーチ処理サブルー
チンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【0046】同図において、まず、ソーストラックを選
択する(ステップS11)。この処理は、前記ソースト
ラックパラメータSTNの値に応じて行われる。すなわ
ち、前記ロードされた演奏データが複数のチャンネル分
のデータである場合には、その中から、ソーストラック
パラメータSTNにより指定されたトラック(チャンネ
ル)が選択され、この選択されたチャンネルの演奏デー
タ(ノートオン/オフイベントデータ)に対して、以下
の処理が実行される。
【0047】次に、演奏データを1つ読み出し(ステッ
プS12)、該読み出された演奏データがノートオンイ
ベントデータであるか否かを判別する(ステップS1
3)。
【0048】ステップS13で、読み出された演奏デー
タがノートオンイベントデータのときには、図6を用い
て後述するノートンオン処理サブルーチンを実行した
(ステップS14)後に、前記ステップS12に戻る一
方、読み出された演奏データがノートオンイベントデー
タでないときにはステップS15に進む。
【0049】ステップS15では、読み出された演奏デ
ータがノートオフイベントデータであるか否かを判別
し、ノートオフイベントデータのときには、図7を用い
て後述するノートオフ処理サブルーチンを実行した(ス
テップS16)後に、前記ステップS12に戻る一方、
ノートオフイベントデータでないときにはステップS1
7に進む。
【0050】ステップS17では、読み出された演奏デ
ータが前記ファイルエンドデータであるか否かを判別
し、ファイルエンドデータでないとき、すなわち前記タ
イミングデータまたはノートオン/オフイベント以外の
イベントデータ(たとえばピッチベンドイベントデータ
等)であるときには何もせずに前記ステップS12に戻
る一方、ファイルエンドデータのときには本フレーズサ
ーチ処理サブルーチンを終了する。
【0051】図6は、前記ステップS14のノートオン
処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャートで
ある。
【0052】本ノートオン処理および次に説明するノー
トオフ処理は、下記のフレーズ区切り条件に基づいて、
対象となる演奏データ(前記演奏データ格納領域にロー
ドされた演奏データ)を「単音フレーズ」または「和音
フレーズ」に分割する処理を行っている。 1)単音フレーズの始まりと判別する条件 単音フレーズにおいて無音区間が所定時間(たとえ
ば、前記フレーズ区切り時間間隔パラメータPICで指
定された時間)以上経過した後に最初にノートオンがあ
ったとき 和音フレーズが終了した後に最初にノートオンがあっ
たとき 2)単音フレーズの終わりと判別する条件 単音フレーズにおいて無音区間が所定時間(たとえ
ば、前記フレーズ区切り時間間隔パラメータPICで指
定された時間)以上経過したとき 単音フレーズにおいて複音になったとき 3)和音フレーズの始まりと判別する条件 単音フレーズにおいて複音になったとき 4)和音フレーズの終わりと判別する条件 和音フレーズにおいてすべてのノートがオフになった
とき 図6において、まず、他のノートが継続中か否か、すな
わち本処理の対象ノートオンイベントデータが読み出さ
れる前に、他のノートオンイベントデータが読み出さ
れ、そのノートオンイベントデータに対応するノートオ
フイベントデータが読み出されていないか否かを判別し
(ステップS21)、他のノートが継続中でないときに
はステップS22に進む一方、他のノートが継続中のと
きにはステップS27に進む。
【0053】ステップS22では、直前に読み出された
ノートのノートオフタイミングから、前記図3のフレー
ズ区切り時間間隔パラメータPICによって示されるク
ロック数(以下、「時間PIC」という)経過したか否
かを判別する。なお、本タブ譜変換処理は、演奏データ
の再生処理と異なり、演奏データを実時間で1つずつ読
み出して行うのではなく、CPU5の能力に応じた速度
で行うため、時間PIC経過したか否かの判別は、実際
の経過時間に基づいて行っているわけではない。したが
って、経過時間は、タイミングデータを読み出す毎に、
その直前に読み出されたノートオン/オフイベントデー
タに応じて、当該タイミングデータの値を加算または減
算して算出する。
【0054】前記ステップS22の判別で、直前に読み
出されたノートのノートオフタイミングから時間PIC
経過したときには、読み出されたノートオンイベントデ
ータが単音フレーズ中のものであるか否か、すなわち前
記「単音フレーズ始」データが挿入されたフレーズ中の
ものであるか否かを判別する(ステップS23)。
【0055】ステップS23で、読み出されたノートオ
ンイベントデータが単音フレーズ中のものであるときに
は、このノートオンイベントデータのノートオンタイミ
ング、すなわちこのノートオンイベントデータの直前に
前記「単音フレーズ終」データを挿入する(ステップS
24)一方、単音フレーズ中のものでないときには、ス
テップS24をスキップしてステップS25に進む。す
なわち、ステップS24に処理が移行するときには、前
記フレーズ区切り条件が満たされているため、当該ノ
ートオンの直前は「単音フレーズの終わり」と判別され
る。
【0056】ステップS25では、このノートオンイベ
ントデータのノートオンタイミングに「単音フレーズ
始」データを挿入した後に、本ノートオン処理サブルー
チンを終了する。すなわち、ステップS22からステッ
プS23を経てステップS25に処理が移行するときに
は、前記フレーズ区切り条件が満たされているため、
当該ノートオンは「単音フレーズの始まり」と判別され
る。
【0057】一方、ステップS22の判別で、直前に読
み出されたノートのノートオフタイミングから時間PI
C経過していないときには、前回判別されたフレーズは
和音フレーズか否かを判別する(ステップS26)。
【0058】ステップS26で、前回判別されたフレー
ズが和音フレーズのときには前記ステップS25に進む
一方、前回判別されたフレーズが和音フレーズでないと
きには本ノートオン処理サブルーチンを終了する。すな
わち、ステップS22からステップS26を経てステッ
プS25に処理が移行するときには、前記フレーズ区切
り条件が満されているため、当該ノートオンは「単音
フレーズの始まり」と判別される。
【0059】ステップS27では、読み出されたノート
オンイベントデータが和音フレーズ中のものであるか否
か、すなわち前記「和音フレーズ始」データが挿入され
たフレーズ中のものであるか否かを判別し、和音フレー
ズ中のものであるときには直ちに本ノートオン処理サブ
ルーチンを終了する一方、和音フレーズ中のものでない
ときにはステップS28に進む。
【0060】ステップS28では、直前に読み出された
ノートのノートオンタイミングに「単音フレーズ始」デ
ータが挿入されているか否かを判別し、「単音フレーズ
始」データが挿入されているときには、該「単音フレー
ズ始」データを「和音フレーズ始」データに書き換えた
(ステップS29)後に、本ノートオン処理サブルーチ
ンを終了する一方、「単音フレーズ始」データが挿入さ
れていないときには、当該ノートオンイベントデータの
ノートオンタイミングに「単音フレーズ終」データおよ
び「和音フレーズ始」データをこの順序で挿入した(ス
テップS30)後に、本ノートオン処理サブルーチンを
終了する。
【0061】ここで、ステップS28で、「単音フレー
ズ始」データが挿入されているか否かを判別するのは、
本実施の形態では、フレーズの先頭には、当該フレーズ
の種類に拘わらず、最初は「単音フレーズ始」データが
常に挿入され(前記ステップS25参照)、その後、当
該フレーズが和音フレーズの条件を満たすことが分かっ
た時点で、この「単音フレーズ始」データを「和音フレ
ーズ始」データに書き換えるように構成したからであ
る。
【0062】このように、ステップS29に処理が移行
するときには、前記フレーズ区切り条件が満たされて
いるため、当該ノートオンは「和音フレーズの始まり」
と判別される。また、ステップS30に処理が移行する
ときには、前記フレーズ区切り条件、が満たされて
いるため、当該ノートオンの直前は「単音フレーズの終
わり」と判別されるとともに、当該ノートオンは「和音
フレーズの始まり」と判別される。
【0063】図7は、前記ステップS16のノートオフ
処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャートで
ある。
【0064】同図において、まず、読み出されたノート
オフイベントデータが和音フレーズ中のものであるか否
かを判別し(ステップS41)、和音フレーズ中のもの
でないときには、直ちに本ノートオフ処理サブルーチン
を終了する一方、和音フレーズ中のものであるときに
は、前記21と同様にして、他のノートが継続中か否か
を判別する(ステップS42)。
【0065】ステップS42で、他のノートが継続中の
ときには、直ちに本ノートオフ処理サブルーチンを終了
する一方、他のノートが継続中でないときには、前記読
み出されたノートオフイベントデータのノートオフタイ
ミングに「和音フレーズ終」データを挿入した(ステッ
プS43)後に、本ノートオフ処理サブルーチンを終了
する。すなわち、ステップS43に処理が移行するとき
には、前記フレーズ区切り条件が満たされているた
め、当該ノートオンは「和音フレーズの終わり」と判別
される。
【0066】図8は、前記図4のステップS3のポジシ
ョン決定、振り分け処理サブルーチンの詳細な手順を示
すフローチャートである。
【0067】図8において、まず、1フレーズ分の演奏
データを読み出す(ステップS51)。上述したよう
に、演奏データは単音フレーズおよび和音フレーズの2
種類のフレーズに分割され、各フレーズは「フレーズ
始」データおよび「フレーズ終」データにより区切られ
ているため、このステップS51の処理は、「フレーズ
始」データおよびその直後の「フレーズ終」データをサ
ーチし、この両データ間のすべてのノートオン/オフイ
ベントデータを読み出すことによってなされる。
【0068】次に、対象フレーズが和音フレーズである
か否かを判別し(ステップS52)、和音フレーズでな
いとき、すなわち単音フレーズのときには、図9を用い
て後述する単音フレーズ処理サブルーチンを実行する
(ステップS53)一方、和音フレーズのときには、図
10を用いて後述する和音フレーズ処理サブルーチンを
実行する(ステップS54)。
【0069】続くステップS55では、最後のフレーズ
まで上記処理を行ったか否かを判別し、まだ処理すべき
フレーズが残っているときには前記ステップS51に戻
って前述の処理を実行する一方、処理すべきフレーズが
残っていないときには、本ポジション決定、振り分け処
理サブルーチンを終了する。
【0070】このように、本実施の形態では、分割され
たフレーズを1単位として、候補ポジションの決定およ
びチャンネルの振り分け行われる。
【0071】図9は、上記ステップS53の単音フレー
ズ処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャート
である。
【0072】同図において、まず、読み出されたフレー
ズ中のすべてのノートが入る候補ポジションをポジショ
ン1〜UFN−3の間で1個または複数個サーチする
(ステップS61)。
【0073】図12は、フレットボードの一例を示す図
であり、候補ポジションを説明するためのものである。
【0074】同図中、垂直方向の線分f0〜fUFNはフ
レットを示し(ただし、f0については開放を意味す
る)、水平方向の線分g1〜g6は弦を示している。フ
レットは、前記図3の最高フレット番号パラメータUF
Nで示される個数あり、前述したように、最高フレット
番号パラメータUFNの値は、ユーザが任意に設定でき
る。
【0075】フレットは、最大4本の指で押さえるた
め、各指がそれぞれ別のフレットを押さえる場合があ
り、したがって、候補ポジションは、6弦かつ4フレッ
トを1単位として構成される(ただし、候補ポジション
1のみ開放位置を含めて5フレットを1単位とする)。
このため、候補ポジションの個数は、UFN−3個とな
る。
【0076】なお、1つの単音フレーズを演奏する際
に、手の位置を多少フレット方向にスライドさせて演奏
することもできるため、候補ポジションを5フレット以
上を1単位として構成するようにしてもよい。
【0077】また、すべての弦について同一フレット番
号からなるものに限らず、各弦毎に多少フレット番号が
異なるようなポジションを設定してもよい。
【0078】図9に戻り、候補ポジションがサーチされ
たか否かを判別し(ステップS62)、候補ポジション
がサーチされなかったときには、前記読み出された全ノ
ートから最高音および最低音を除外し、残りのノートに
対して再度候補ポジションをサーチし(ステップS6
3)、前記ステップS62に戻る。なお、最高音または
最低音のどちらか一方のみを除外するようにしてもよ
い。
【0079】一方、ステップS62で、候補ポジション
がサーチされたときにはステップS64に進み、前記前
ポジション参照パラメータRTPPの値が“1”である
か否かを判別する。ここで、前ポジション参照パラメー
タRTPPは、フラグと同様に、“0”または“1”の
いずれかの値を採り、“1”が設定されている場合に
は、直前のフレーズにおいて決定されたポジションを参
照して対象フレーズのポジションが決定される。
【0080】ステップS64で、RTPP=1のときに
は、前回ポジション、すなわち直前のフレーズにおいて
決定されたポジションに最も近いポジションを選択する
(ステップS65)。ただし、対象フレーズが曲の先頭
に位置する場合には、最も音高が低いポジションを選択
する。
【0081】一方、ステップS64で、RTPP=0の
ときには、最も音高が低いポジションを選択する(ステ
ップS66)。
【0082】なお、ステップS65およびS66の処理
は、候補ポジションが複数個サーチされたときにのみ意
味を持つことは云うまでもない。
【0083】続くステップS67では、対象フレーズに
含まれる全ノートオン/オフイベントデータを前記選択
された候補ポジション中の弦およびフレットに振り分け
るノート振り分け処理サブルーチンを実行した(ステッ
プS67)後に、本単音フレーズ処理サブルーチンを終
了する。
【0084】なお、本単音フレーズ処理サブルーチンで
は、ステップS62およびS63で、1フレーズ内のノ
ートが1つの候補ポジション内に入りきらなかった場合
には、その最高音および最低音をそれぞれ除外し、残り
のノートに対して再度候補ポジションをサーチするよう
にしたが、これに限らず、このフレーズをさらに分割し
て、別々に候補ポジションをサーチするようにしてもよ
い。
【0085】図10は、前記ステップS54の和音フレ
ーズ処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャー
トである。
【0086】同図において、まず、読み出されたすべて
のノート、すなわちノートオン/オフイベントデータを
音高順(たとえば低い順)に並び替え、前記ステップS
61と同様にして、そのすべての音高が入る候補ポジシ
ョンをポジション1〜UFN−3の間で1個または複数
個サーチする。
【0087】続くステップS72〜S75の処理は、そ
れぞれ前記ステップS64〜67の処理と同様であるの
で、その説明を省略する。
【0088】なお、本和音フレーズ処理サブルーチン
は、前記単音フレーズ処理サブルーチンに比較して、候
補ポジションが見つからなかった場合の処理を省略して
いるが、これは、和音フレーズを構成するノートをすべ
て含む候補ポジションは必ず存在するという前提に立っ
ているからであり、この前提が常に成り立つとは限らな
いときには、単音フレーズ処理サブルーチンと同じよう
に、候補ポジションが見つからなかった場合の処理を追
加すればよい。
【0089】図11は、前記ステップS67およびS7
5のノート振り分け処理サブルーチンの詳細な手順を示
すフローチャートである。
【0090】同図において、まず、対象フレーズ内のノ
ートデータ、すなわちノートオン/オフイベントデータ
を1つ読み出す(ステップS81)。
【0091】次に、該ノート、すなわち該読み出された
ノートオン/オフイベントデータの音高は前記選択され
た候補ポジション内に入るか否かを判別する(ステップ
S82)。ここで、候補ポジション内に入るか否かの判
別を行うのは、前記図9の単音フレーズ処理サブルーチ
ンのステップS63で、最高音および最低音を除外して
候補ポジションがサーチされた場合があるからである。
【0092】ステップS82で、対象ノートが前記選択
された候補ポジションに入るときには、その候補ポジシ
ョンに基づいて、該ノートが位置する弦およびフレット
位置を決定し、該決定された弦に基づいて各チャンネル
に振り分ける、すなわち候補ポジションの中において、
対象ノートが何弦の何フレットに対応するかをテーブル
参照や演奏等により求め、該決定された弦に対応するチ
ャンネルを決定する(ステップS83)。なお、ポジシ
ョン1のみ2弦の最低フレット(f0)と3弦の最高フ
レット(f4)の音は同一であるので、このノートにつ
いては弦およびフレットが一義的には決まらないが、そ
のフレーズ内の他の音の弦およびフレットとの関係か
ら、より自然に演奏できる方を選択すればよい。他のノ
ートについては弦とフレットは一義的に決まる。このよ
うにして決定された弦が、たとえば、前記図12の弦g
1である場合にはチャンネル10に振り分けられ、弦g
3である場合にはチャンネル12に振り分けられる。
【0093】一方、ステップS82で、対象ノートが前
記選択された候補ポジション内に入らないときには、該
ノートの音高は6弦(図12の弦g6)を開放した状態
で発音される楽音の音高より低いか、または、1弦(図
12の弦g1)の最高フレット(本実施の形態では、図
12のフレットfUFN)が押さえられた状態で発音され
る楽音の音高より高いか否かを判別する(ステップS8
4)。
【0094】ステップS84で、その答えが否定(“N
O”)のときには、候補ポジションに入らない低い音に
ついては弦を6弦(弦g6)とし、高い音については1
弦(弦g1)として、フレット位置を決定し、該決定さ
れた弦に基づいて、前記ステップS83と同様に各チャ
ンネルに振り分けた(ステップS85)後に、ステップ
S89に進む。
【0095】一方、ステップS84で、その答えが肯定
(“YES”)のときには、前記強制配置パラメータF
ANOFの値を判別する(ステップS86)。ここで、
強制配置パラメータFANOFは、前記前ポジション参
照パラメータRTPPと同様に、“0”または“1”の
いずれかの値を採り、“1”が設定されている場合に
は、対象ノートがフレットボード上に乗らないものであ
ったとしても、フレットボード上に強制的に配置され
る。
【0096】ステップS86で、強制配置パラメータF
ANOFが“1”のとき、すなわち、たとえば演奏デー
タが弦楽器用に作成されたものではなく、対象ノートを
割り当てる弦およびフレットがない場合であっても、す
べてのノートをフレットボード上に強制的に割り当てる
ように設定されているときには、対象ノートの音高を、
低い音については1オクターブだけ上に、高い音につい
ては下にシフトした(ステップS87)後に、前記ステ
ップS82に戻り、上記候補ポジションに基づいた弦お
よびフレット位置の再サーチを実行する。
【0097】一方、ステップS86で、強制配置パラメ
ータFANOFが“0”のときには、該ノートに対応す
るノートオン/オフイベントデータを削除した(ステッ
プS88)後に、ステップS89に進む。
【0098】ステップS89では、対象フレーズのすべ
てのノートに対して上記ステップS81〜S88の処理
を終了したか否かを判別し、まだ処理すべきノートが残
っているときには前記ステップS81に戻って、前述の
処理を繰り返す一方、すべてのノートに対して処理を終
了したときには、本ノート振り分け処理サブルーチンを
終了する。
【0099】このようにして、本実施の形態では、演奏
データを単音フレーズおよび和音フレーズの2種類のフ
レーズに分割し、該分割されたフレーズ毎に候補ポジシ
ョンをサーチするように構成したので、演奏内容に応じ
て適切な候補ポジションを検出することができ、これに
より、タブ譜変換を行う際に、1つのフレーズは1つの
ポジションで演奏できるように対象ノートを最適な弦に
振り分けることができる。
【0100】また、候補ポジションが複数個サーチさ
れ、その中からポジションを1つ決定する場合に、ユー
ザの設定に応じて、「最も音高が低いポジション」また
は「前回ポジション参照」のいずれか一方の条件を満た
すポジションを決定するようにしたので、ユーザのポジ
ション選択の自由度を増加させ、これにより操作性を向
上させることができる。このとき、「最も音高が低いポ
ジション」を選択した場合には、和音演奏の際に開放弦
を利用した押さえやすいポジションを決定することがで
きる一方、「前回ポジション参照」を選択した場合に
は、ポジションチェンジの少ない、スムーズな演奏ポジ
ションを決定することができる。
【0101】なお、本実施の形態では、「最も音高が低
いポジション」または「前回ポジション参照」のうちい
ずれか一方の選択を、ユーザが自由に設定するように構
成したが、これに限らず、対象フレーズが「和音フレー
ズ」である場合または「単音フレーズ」である場合に応
じて、自動的に選択条件を変更するようにしてもよい。
たとえば、和音演奏時は、最も低いポジションを優先す
る一方、単音演奏時は、前回のポジションを参照する。
これにより、よりスムーズな演奏を行うことができ、和
音演奏と単音演奏が混在していない曲の場合には、特に
有効である。
【0102】また、本実施の形態では、演奏データを単
音フレーズと和音フレーズの2種類のフレーズに分割
し、各フレーズの区切りを示すデータを演奏データ中に
記憶させるようにしたが、これに限らず、他の方法によ
り区切るようにしてもよい。たとえば、演奏データとは
別のトラックに時間データと区切りデータを記憶させる
ようにしてもよい。
【0103】次に、図13〜31を参照して、「表情付
け変換処理機能」を実現する制御処理を説明する。
【0104】図13は、表情付け変換処理サブルーチン
の手順を示すフローチャートであり、本表情付け変換処
理は、前記タブ譜変換処理と同様に、前記CPU5が実
行するメインルーチンを構成する一部の処理である。
【0105】ユーザが、たとえば前記パネルスイッチ2
の表情付け変換スイッチ(図示せず)を押下すると、本
表情付け変換処理サブルーチンが呼び出され、実行され
る。
【0106】図13において、まず、前記ステップS1
と同様にして、ユーザが前記図2の表情付けパラメータ
から所望のパラメータを選択し、その値を変更指示する
と、当該パラメータはその指示された値に設定される
(ステップS91)。
【0107】次に、表情付け変換処理として前記コード
クオンタイズ処理が設定されている場合に、演奏データ
にコードクオンタイズ処理を施すコードクオンタイズ処
理サブルーチンを実行し(ステップS92)、表情付け
変換処理としてポルタメント変換処理が設定されている
場合に、演奏データにポルタメントを施すポルタメント
変換処理サブルーチンを実行する(ステップS93)。
【0108】次いで、表情付け変換処理として、効果音
(本実施の形態では、フレットノイズ)を挿入する効果
音挿入処理が設定されている場合に、演奏データに当該
効果音を挿入する効果音挿入処理サブルーチンを実行し
(ステップS94)、表情付け変換処理としてアルペジ
オ強調処理が設定されている場合に、演奏データにアル
ペジオ強調を施すアルペジオ強調処理サブルーチンを実
行し(ステップS95)、表情付け変換処理としてベロ
シティランダマイズ処理が設定されている場合に、演奏
データのベロシティをランダムに変更するベロシティラ
ンダマイズ処理サブルーチンを実行した(ステップS9
6)後に、最終フレーズまで処理が進んだか否かを判別
する(ステップS97)。
【0109】ステップS97で、最終フレーズまで進ん
でいれば、本表情付け変換処理サブルーチンを終了する
一方、最終フレーズまで進んでいなければ、次のフレー
ズを対象フレーズとし(ステップS98)、ステップS
92へと戻る。
【0110】図14は、前記ステップS92のコードク
オンタイズ処理サブルーチンの詳細な手順を示すフロー
チャートである。
【0111】同図において、まず、コードクオンタイズ
の設定はオンであるか否かを、前記コードクオンタイズ
パラメータCQの値をチェックすることにより判別する
(ステップS101)。ここで、コードクオンタイズパ
ラメータCQは、前記前ポジション参照パラメータRT
PPと同様にして、“0”または“1”のいずれかの値
を採り、“1”が設定されている場合には、表情付け変
換処理としてコードクオンタイズ処理が設定(オン)さ
れていることを示す。
【0112】ステップS101で、コードクオンタイズ
の設定がオン(CQ=1)のときには、対象フレーズが
和音フレーズであるか否かを判別する(ステップS10
2)。
【0113】ステップS102の判別で、対象フレーズ
が和音フレーズでないとき、または、前記ステップS1
01の判別で、コードクオンタイズの設定がオフ(CQ
=0)のときには、直ちに本コードクオンタイズ処理サ
ブルーチンを終了する一方、ステップS102の判別
で、対象フレーズが和音フレーズのときにはステップS
103に進む。
【0114】このように、ステップS102で、対象フ
レーズが和音フレーズか否かの判別を行うようにしたの
は、コードクオンタイズの設定がフレーズの種類に依存
せずになされるからである。したがって、コードクオン
タイズの設定がフレーズの種類に依存する場合、たとえ
ば曲の進行に従ってパラメータシーケンス、すなわち前
記図2のパラメータ群の各パラメータ値(各表情付け処
理のオン/オフ設定を含む)が演奏データ中の適切な位
置に配置されたシーケンスが与えられるように構成され
た場合(後述する図33を参照)には、このステップS
102の処理を省略することができる。他の表情付け処
理においても、上記シーケンスが与えられている場合に
は、この判別は、同様に省略することができる。
【0115】ステップS103では、全チャンネル、す
なわちチャンネル10〜15のノートデータ、すなわち
ノートオン/オフイベントデータを見て、同一タイミン
グでノートオンする複数ノートをサーチする。ここで、
同一タイミングであるか否かは、対象ノートデータ間の
ノートオンタイミングの差が“0”である場合に限ら
ず、その差が、予め設定された幅の範囲内に入っている
場合にも、同一タイミングと判定するようにしてもよ
い。
【0116】続くステップS104では、対象ノートが
あるか否か、すなわちステップS103で複数のノート
がサーチされたか否かを判別し、対象ノートがあると
き、すなわち複数のノートがサーチされたときには、そ
の対象ノートに対応するノートオンタイミングをシフト
するタイミングシフト処理サブルーチン(その詳細は、
図15を用いて後述する)を実行する(ステップS10
5)。
【0117】次いで、ステップS106では、予め設定
されたレシオに応じて対象ノートのベロシティ値をシフ
ト(変更)するベロシティシフト処理サブルーチン(そ
の詳細は、図16を用いて後述する)を実行し、ステッ
プS107では、対象ノートの発音時間を短縮する、い
わゆるミュートカッティング奏法をシミュレートするミ
ュートカッティング処理サブルーチン(その詳細は、図
17を用いて後述する)を実行した(ステップS10
7)後に、前記ステップS103に戻って、前述の処理
を繰り返す。
【0118】一方、ステップS104の判別で、対象ノ
ートがないとき、すなわちステップS103で複数のノ
ートがサーチされなかったときには、本コードクオンタ
イズ処理サブルーチンを終了する。
【0119】図15は、前記ステップS105のタイミ
ングシフト処理サブルーチンの詳細な手順を示すフロー
チャートである。
【0120】同図において、まず、対象ノートの発音継
続時間を示すゲートタイムデータのうち、最短ゲートタ
イムを求め、該最短ゲートタイムに前記ノートオンシフ
ト幅パラメータOSW値を乗算してシフト量を算出する
(ステップS111)。本実施の形態では、ノートオン
シフト幅パラメータOSWは%値で設定されているの
で、シフト量、すなわちシフトクロック数(時間)は、
次式により算出される。
【0121】 シフト量 = 最短ゲートタイム×OSW/100 なお、ノートオンシフト幅パラメータOSWは、%値に
限らず、たとえばレシオで設定してもよい。
【0122】次に、現在のストロークモードパラメータ
S-MODEを判別し(ステップS112)、ストロー
クモードパラメータS-MODEが「オルタネートモー
ド」、すなわち弦をカッティングする方向がアップ方向
とダウン方向とに交互に切り替わるモードのときには、
ストロークがアップ方向のストロークであるか、または
ダウン方向のストロークであるかを判定する(ステップ
S113)。以下、このアップ/ダウン判定の方法を説
明する。
【0123】本実施の形態では、アップ/ダウン判定
は、対象和音フレーズ内のコード(和音)のノートオン
タイミングが8分音符上タイミングのとき行われ、8分
音符(8ビートのコードストローク)単位でダウンとア
ップが繰り返すように、具体的には、ノートオンタイミ
ングが8分音符の奇数拍、すなわち4分音符上にあると
きにはダウンストロークと判定され、ノートオンタイミ
ングが8分音符の偶数拍上にあるときにはアップストロ
ークと判定される。
【0124】なお、ノートオンタイミングが8分音符の
タイミングからわずかにずれているときも8分音符とみ
なす。また、8分音符上にはのらない16分音符の偶数
拍はすべてアップストロークとしている。
【0125】図19は、このアップ/ダウン判定の方法
を説明するための図であり、(a)は、アップストロー
クとダウンストロークとをどのようなタイミングで判定
するかを示す図であり、(b)は、(a)の方法により
8ビートのコードストロークのアップ/ダウン判定を行
った判定結果を示す図である。図中、横軸はクロック数
を示し、記号vは、対象コードのノートオンタイミング
を示し、記号dは、該記号dに対応するノートオンタイ
ミングvのコードがダウンストロークと判定されたこと
を示し、記号uは、該記号uに対応するノートオンタイ
ミングvのコードがアップストロークと判定されたこと
を示している。なお、本実施の形態では、1クロックの
周期は1536分長、すなわち4分音符を384等分し
た時間に相当する。
【0126】同図(a)に示すように、コード1のノー
トオンタイミングは384番目のクロック上、すなわち
4分音符上にあるため、コード1はダウンストロークと
判定され、コード2のノートオンタイミングは960番
目のクロック上、すなわち8分音符の裏拍上にあるた
め、コード2はアップストロークと判定される。
【0127】このような方法により、8ビートのコード
ストロークのアップ/ダウン判定を行うと、(b)に示
すように、8分音符毎にアップストロークとダウンスト
ロークとが繰り返すことになる。
【0128】なお、16ビートの3,7,11,15拍
は8分音符の偶数拍となるためアップストロークとなっ
てしまう。この不都合を解消するため、コード演奏が8
ビートなのか16ビートなのかを判定し、アップストロ
ークとダウンストロークの判定アルゴリズムを変えるよ
うにしてもよい。
【0129】図15に戻り、ステップS114では、上
述のようにしてアップ/ダウン判定されたコードストロ
ークがダウンストロークであるか否かを判別し、ダウン
ストロークのときには、6弦(前記図12では弦g6)
から1弦(図12では弦g1)の方向にノートオンタイ
ミングがずれるように、前記ステップS111で算出し
たシフト量に基づいて対象ノートのノートオンタイミン
グをシフトした(ステップS115)後に、本タイミン
グシフト処理サブルーチンを終了する。
【0130】一方、ステップS114で、判定されたコ
ードストロークがアップストロークのときには、ステッ
プS115の処理と逆に、1弦から6弦の方向にノート
オンタイミングがずれるように、前記算出されたシフト
量に基づいて対象ノートのノートオンタイミングをシフ
トした(ステップS116)後に、本タイミングシフト
処理サブルーチンを終了する。
【0131】一方、前記ステップS112の判別で、ス
トロークモードパラメータS-MODEが「ダウンモー
ド」のときには前記ステップS115に進む一方、スト
ロークモードパラメータS-MODEが「アップモー
ド」のときには前記ステップS116に進む。
【0132】図18は、このタイミングシフト処理サブ
ルーチンによりタイミングシフトされる前および後のコ
ードのノートオンタイミングを示す図であり、図中、縦
軸は音高を示し、横軸は時刻を示している。そして、
(a)は、タイミングシフトされる前の対象コードのノ
ートオンタイミングの一例を示し、(b)は、(a)の
ノートオンタイミングをタイミングシフトした結果を示
し、(c)は、対象コードのゲートタイム時間が(a)
より短い場合のノートオンタイミングの一例を示し、
(d)は、(c)のノートオンタイミングをタイミング
シフトした結果を示している。なお、(b)および
(d)はアップストロークのときのタイミングシフト例
である。
【0133】同図の例では、ノートオンシフト幅パラメ
ータOSWは20%に設定されているので、(b)に示
すように、対象コードの各隣接するノートのノートオン
タイミングは、(a)の最短ゲートタイム(時間t0〜
t1)の20%だけシフト(時間t0〜t01,t01
〜t02)している。同様にして、(d)に示すよう
に、対象コードの各隣接するノートのノートオンタイミ
ングは、(c)の最短ゲートタイム(時間t0〜t2)
の20%だけシフト(時間t0〜t03,t03〜t0
4)している。
【0134】このように、本実施の形態では、対象コー
ド中、最短ゲートタイムに応じてシフト量が決定される
ので、最初にノートオンしたノートのノートオフタイミ
ングが、該対象コード中の他のノートオンタイミングよ
り遅れることがなくなり、違和感のないタイミングシフ
トがなされる。
【0135】図16は、前記ステップS106のベロシ
ティシフト処理サブルーチンの詳細な手順を示すフロー
チャートである。
【0136】同図において、まず、スロープトップ、す
なわちベロシティスロープの最初(ベロシティのシフト
量が最小)となる弦を判別する(ステップS121)。
ここで、スロープトップの判別は、図示しないスロープ
トップパラメータに設定されたパラメータ値に応じて行
われる。スロープトップパラメータには、アップストロ
ークとダウンストロークとに応じて、それぞれ1弦側と
6弦側とを交互に切り換えてスロープトップに割り当て
る「オルタネートモード」、スロープトップを常に1弦
側に割り当てる「オールウェーズボトムゲージモー
ド」、スロープトップを常に6弦側に割り当てる「オー
ルウェーズトップゲージモード」の3種類のモードの内
いずれかのモードパラメータが、ユーザにより設定され
る。
【0137】ステップS121で、スロープトップがオ
ルタネートに切り替わるとき、すなわち「オルタネート
モード」が設定されているときにはステップS122に
進み、前記ステップS113と同様にして、アップ/ダ
ウン判定を行う。
【0138】続くステップS123では、この判定され
たコードストロークがダウンストロークか否かを判別
し、ダウンストロークのときには、図20に示すベロシ
ティスロープにおいて、スロープトップを1弦に設定す
るとともにスロープボトムを6弦に設定し、このように
設定されたベロシティスロープに基づいて各弦に対応す
るスロープレシオを決定し、該決定されたスロープレシ
オに従って各対象ノートのベロシティをシフトした(ス
テップS124)後に、本ベロシティシフト処理を終了
する。
【0139】ここで、図20に示すベロシティスロープ
のレシオ値は、スロープトップおよびスロープボトムに
おける各レシオ値のみ、ユーザが任意に設定できるよう
に構成され、他のレシオ値は、この設定された両レシオ
値に基づいて、たとえば線形補間により算出する。な
お、これに限らず、すべての弦に対応するレシオ値を、
ユーザが任意に設定できるようにしてもよいことは云う
までもない。
【0140】一方、ステップS123の判別で、前記判
定されたコードストロークがアップストロークのときに
は、上記ステップS124の処理と逆に、図20のベロ
シティスロープにおいて、スロープトップを6弦に設定
するとともにスロープボトムを1弦に設定し、このよう
に設定されたベロシティスロープに基づいて各弦に対応
するスロープレシオを決定し、該決定されたスロープレ
シオに従って各対象ノートのベロシティをシフトした
(ステップS125)後に、本ベロシティシフト処理を
終了する。
【0141】一方、ステップS121の判別で、スロー
プトップが1弦のときにはステップS124に進む一
方、スロープトップが6弦のときにはステップS125
に進む。
【0142】図17は、前記ステップS107のミュー
トカッティング処理サブルーチンの詳細な手順を示すフ
ローチャートである。
【0143】同図において、まず、各対象ノートのゲー
トタイムはミュート対象であるか否かを判別し(ステッ
プS131)、ミュート対象であるときには、ストロー
クモードS-MODEはミュート対象であるか否かを判
別する(ステップS132)。
【0144】ここで、各対象ノートのゲートタイムおよ
びストロークモードS-MODEがそれぞれミュート対
象であるか否かは、各パラメータの状態に応じて判別す
る。すなわち、この各パラメータには、ミュート対象と
なるゲートタイムの上限値およびコードストロークの方
向を設定でき、ステップS131では、対象ゲートタイ
ムがこの設定されたゲートタイムの上限値より短かいと
きに、当該ゲートタイムはミュート対象と判別され、ス
テップS132では、ストロークモードS-MODEが
この設定されたコードストロークの方向に一致するとき
に、当該ストロークモードS-MODEはミュート対象
と判別される。
【0145】ステップS132の判別で、ストロークモ
ードS-MODEがミュート対象のときには、図示しな
い設定パラメータに従ってゲートタイムを変更した(ス
テップS133)後に、本ミュートカッティング処理を
終了する。ここで、設定パラメータとは、前記ノートオ
ンシフト幅パラメータOSWと同様に、ゲートタイムを
変更するレシオ値を設定するパラメータであって、その
レシオ値は、前記ステップS91のパラメータ設定にお
いてユーザが決定する。なお、「ミュート」感を出すた
めに設定パラメータには、通常ゲートタイムを短くする
ような値が設定されるが、これに限らず、ゲートタイム
を長くするような値を設定するようにしてもよい。
【0146】一方、ステップS131の判別で、各対象
ノートのゲートタイムがミュート対象でないとき、また
はステップS132で、ストロークモードS-MODE
がミュート対象でないときには、直ちに本ミュートカッ
ティング処理を終了する。
【0147】このように、本コードクオンタイズ処理サ
ブルーチンでは、対象ノートのゲートタイムに応じて和
音の発音タイミングのずれ量が制御されるので、たとえ
ばすばやいカッティング(ゲートタイムが短い場合が多
い)のときにはずれが少なく、ゆっくりとしたストロー
ク(ゲートタイムが長い場合が多い)のときにはずれが
多いといった制御を行うことができ、これにより、特に
ギター演奏をシミュレートする場合には、演奏データの
楽音をよりギター演奏らしく発音することができる。
【0148】図21は、前記図13のステップS93の
ポルタメント変換処理サブルーチンの詳細な手順を示す
フローチャートである。本ポルタメント変換処理サブル
ーチンは、「チョーキング」、「ハンマリングオン/プ
リングオフ」、「グリッサンド(スライド)」の3種類
のギター奏法をシミュレートする。
【0149】図21において、まず、ポルタメント変換
の設定はオンになっているか否かを判別する(ステップ
S141)。この判別は、ポルタメント変換を行うか否
か(オン/オフ)をユーザが自由に設定できるポルタメ
ント変換パラメータ(図示せず)の値をチェックするこ
とにより行う。
【0150】ステップS141で、ポルタメント変換の
設定がオンのときには、対象フレーズが単音フレーズで
あるか否かを判別する(ステップS142)。
【0151】ステップS142で、対象フレーズが単音
フレーズのときにはステップS143に進む一方、対象
フレーズが単音フレーズではないとき、すなわち和音フ
レーズのとき、または、ステップS141で、ポルタメ
ント変換の設定がオフのときには、直ちに本ポルタメン
ト変換処理サブルーチンを終了する。
【0152】ステップS143では、全チャンネル、す
なわちチャンネル10〜15のノートデータ、すなわち
ノートオン/オフイベントデータを見て、時間的に隣接
する2つのノートを決定し、ステップS144では、該
2つのノートは同じ弦上にあるか否か、すなわち該2つ
のノートに割り当てられた各チャンネル番号は同一であ
るか否かを判別する。
【0153】ステップS144で、該2つのノートが同
じ弦上にあるときには、該2つのノートの音程はハンマ
リングオン/プリングオフ処理を施すべき指定値(以
下、「ハンマリングオン/プリングオフ用指定値」とい
う)以内に入っているか否かを判別する(ステップS1
45)。なお、このハンマリングオン/プリングオフ用
指定値も、ユーザが任意に設定することができるが、好
ましくは、後述するグリッサンド用指定値よりも小さい
値を設定するとよく、半音1〜2程度がよい。
【0154】ステップS145で、該2つのノートの音
程がハンマリングオン/プリングオフ用指定値よりも大
きいときには、該2つのノートの音程はグリッサンド処
理を施すべき指定値(以下、「グリッサンド用指定値」
という)以上であるか否かを判別する(ステップS14
6)。なお、このグリッサンド用指定値も、ユーザが任
意に設定することができるが、好ましくは、ハンマリン
グオン/プリングオフ用指定値よりも大きく設定すると
よく、3半音程度がよい。
【0155】ステップS146で、該2つのノートの音
程がグリッサンド用指定値以上であるときには、グリッ
サンドの設定はオンであるか否かを判別する(ステップ
S147)。この判別は、グリッサンド処理を行うか否
か(オン/オフ)をユーザが自由に設定できるグリッサ
ンド処理パラメータ(図示せず)の値をチェックするこ
とにより行う。
【0156】ステップS147で、グリッサンドの設定
がオンのときには、図26を用いて後述するグリッサン
ド処理サブルーチンを実行する。
【0157】一方、ステップS146の判別で、前記2
つのノートの音程がグリッサンド用指定値未満のとき、
または、ステップS147の判別で、グリッサンドの設
定がオフのときには、ステップS154に進む。
【0158】一方、前記ステップS145の判別で、前
記2つのノートの音程がハンマリング/プリングオフ用
指定値以内のときには、ハンマリングオン/プリングオ
フの設定はオンであるか否かを判別する(ステップS1
49)。この判別も、前記ステップS147の判別と同
様に、ハンマリングオン/プリングオフ処理を行うか否
か(オン/オフ)をユーザが自由に設定できるハンマリ
ングオン/プリングオフ処理パラメータ(図示せず)の
値をチェックすることにより行う。
【0159】ステップS149の判別で、ハンマリング
オン/プリングオフの設定がオンのときには、図22を
用いて後述するハンマリングオン/プリングオフ処理サ
ブルーチンを実行する(ステップS150)一方、ハン
マリングオン/プリングオフの設定がオフのときには、
ステップS150をスキップしてステップS154に進
む。
【0160】一方、前記ステップS144の判別で、前
記2つのノートが同じ弦上にないときには、該2つのノ
ートの音程はチョーキング処理を施すべき指定値(以
下、「チョーキング用指定値」という)以内であるか否
かを判別する(ステップS151)。なお、このチョー
キング用指定値もユーザが任意に設定することができ、
好ましくは、半音2つ程度がよい。
【0161】ステップS151で、該2つのノートの音
程がチョーキング用指定値以内であるときには、チョー
キングの設定はオンであるか否かを判別する(ステップ
S152)。この判別も、前記ステップS147の判別
と同様に、チョーキング処理を行うか否か(オン/オ
フ)をユーザが自由に設定できるチョーキング処理パラ
メータ(図示せず)の値をチェックすることにより行
う。
【0162】ステップS152で、チョーキングの設定
がオンのときには、図24を用いて後述するチョーキン
グ処理サブルーチンを実行した(ステップS153)後
に、ステップS154に進む一方、チョーキングの設定
がオフのとき、または、前記ステップS151の判別
で、前記2つのノートの音程がチョーキング用指定値よ
り大きいときには、ステップS153をスキップしてス
テップS154に進む。
【0163】ステップS154では、対象フレーズの全
ノートに対して、上述の処理を終了したか否かを判別
し、まだ処理すべきノートが残っているときには、前記
ステップS143に戻って前述の処理を繰り返す一方、
処理すべきノートが残っていないときには、本ポルタメ
ント変換処理サブルーチンを終了する。
【0164】図22は、前記ステップS150のハンマ
リングオン/プリングオフ処理サブルーチンの詳細な手
順を示すフローチャートである。
【0165】同図において、まず、対象となる2つのノ
ートのうち、後ろのノートを削除し、該後ろのノートの
ノートオフタイミングに前のノートのノートオフタイミ
ングを延ばす(ステップS161)。
【0166】次に、前記後ろのノートのノートオンタイ
ミングの位置にピッチベンドを挿入する(ステップS1
62)。但し、ピッチベンドのベンド量は、該後ろのノ
ートのピッチになるように設定する。
【0167】さらに、図示しない設定パラメータに従っ
てベロシティを変更した(ステップS163)後に、本
ハンマリングオン/プリングオフ処理サブルーチンを終
了する。ここで、設定パラメータとは、前記前のノート
のベロシティを変更するためのレシオ値を設定するパラ
メータであって、そのレシオ値は、ユーザが任意に設定
できる。
【0168】図23は、このハンマリングオン/プリン
グオフ処理サブルーチンにより表情付け変換を行う前お
よび後のノートイベントの構造を示す図であり、(a)
は、変換前の対象となる2つのノートイベントの一例を
示し、(b)は、(a)のノートイベントの変換後の状
態を示し、(c)は、変換後に挿入されたピッチベンド
イベントデータのピッチベンド量の推移を示している。
図23中、横軸は時刻を示し、縦軸は、(a),(b)
においては音高を示し、(c)においてはピッチベンド
量を示している。
【0169】前記対象となる2つのノートイベントの音
高が、(a)に示すように、それぞれ「ノート1」およ
び「ノート2」である場合に、ハンマリングオン/プリ
ングオフ処理サブルーチンが実行されると、(b)に示
すように、後ろのノートイベントである「ノート2」は
削除され、前のノートイベントである「ノート1」のノ
ートオフタイミングtf1が「ノート2」のノートオフ
タイミングtf2まで延ばされ、「ノート1」の発音継
続時間(ゲートタイム)は時間T1となる。そして、
(c)に示すように、「ノート2」が存在した位置(t
o2〜tf2)に、「ノート1」の音高が「ノート2」
の音高になるようなピッチベンド量、すなわち「ノート
1」と「ノート2」との音高差に相当するピッチベンド
量を有するピッチベンドイベントデータが挿入される。
【0170】このようにして、変換前は「ノート1」の
発音を終了し、所定時間(tf1〜to2)無音状態を
継続した後に、「ノート2」の発音を開始するという構
造であったノートイベントデータが、「ノート1」の音
高の楽音を発音している状態から急に「ノート2」の音
高に変化する構造のノートイベントデータに変換される
ので、奏法ハンマリングオン/プリングオフを適切にシ
ミュレートすることができる。
【0171】図24は、前記ステップS153のチョー
キング処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャ
ートである。
【0172】同図において、まず、前記ステップS16
1と同様にして、対象となる2つのノートのうち、後ろ
のノートを削除し、該後ろのノートのノートオフタイミ
ングに前のノートのノートオフタイミングを延ばす(ス
テップS171)。
【0173】次に、図示しない設定パラメータに従って
ピッチベンドを挿入する(ステップS172)。ここ
で、設定パラメータとは、ディレイパラメータおよびレ
ゾリューションパラメータをいう。ディレイパラメータ
とは、前記前のノートのノートオンタイミングからピッ
チベンドを開始するタイミングまでのディレイ時間を設
定するパラメータであり、その設定値はクロック数で表
され、ユーザが任意に設定できる。レゾリューションパ
ラメータとは、ピッチベンドを開始してから終了するま
で挿入されるピッチイベントデータの個数を示すパラメ
ータであり、その設定値はピッチベンドのオンタイミン
グをクロック数で表し、ユーザが任意に設定できる。そ
して、ピッチベンド量は、たとえば前記ROM6にテー
ブルデータとして設定されるピッチベンドカーブ(図示
せず)に従って決定され、このようにして決定されたピ
ッチベンド量を用いて、ピッチベンドイベントデータ
は、前記前のノートのノートオンタイミングよりディレ
イパラメータで示されるディレイ時間後から前記後ろの
ノートのノートオンタイミングまで、値(前記ピッチベ
ンド量)が該後ろのノートイベントのピッチまで前記ピ
ッチベンドカーブに従って徐々に変化するとともに、前
記レゾリューションパラメータで指定された間隔でベン
ド量が変化するように挿入される。なお、ピッチベンド
カーブを複数種類用意しておき、任意に選択できるよう
にしてもよい。
【0174】次いで、ステップS173では、前記ステ
ップS163と同様にして、設定パラメータに従ってベ
ロシティを変更した後に、本チョーキング処理サブルー
チンを終了する。
【0175】図25は、このチョーキング処理サブルー
チンにより表情付け変換を行う前および後のノートイベ
ントの構造を示す図であり、(a)は、変換前の対象と
なる2つのノートイベントの一例を示し、(b)は、
(a)のノートイベントの変換後の状態を示し、(c)
は、変換後に挿入されたピッチベンドイベントデータの
ピッチベンド量の推移を示している。なお、(a)およ
び(b)は、それぞれ前記図23(a)および(b)と
同様であるため、その説明を省略する。
【0176】(c)に示すように、「ノート1」のノー
トオンタイミング(時刻to1)よりディレイパラメー
タで示されるディレイ時間T2後、すなわち「ノート
1」の発音途中のある時点(時刻to1+T2)から、
徐々に、すなわちレゾリューションパラメータで示され
る時間間隔かつ前記ピッチベンドカーブで示されるベン
ド量の幅で、「ノート1」の音高が変更され、「ノート
2」のノートオンタイミング(時刻to2)で、「ノー
ト2」の音高となるようにピッチベンドが挿入される。
【0177】このようにして、変換前は「ノート1」の
発音を終了し、所定時間(tf1〜to2)無音状態を
継続した後に、「ノート2」の発音を開始するという構
造であったイベントデータが、「ノート1」の音高の楽
音を発音している状態から徐々に「ノート2」の音高に
変化する構造のイベントデータに変換されるので、奏法
チョーキングを適切にシミュレートすることができる。
【0178】また、ディレイ時間T2によりディレイチ
ョーキングまでもシュミレートすることができる。な
お、このディレイ時間T2は、ディレイパラメータによ
り絶対時間が設定されるものに限らず、ノート1のゲー
トタイムに対する割合や、ノート1のノートオンからノ
ート2のノートオンまでの時間に対する割合で設定する
ようにしてもよい。
【0179】図26は、前記ステップS148のグリッ
サンド処理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャ
ートである。
【0180】同図において、まず、前記ステップS16
1と同様にして、対象となる2つのノートのうち、後ろ
のノートを削除し、該後ろのノートのノートオフタイミ
ングに前のノートのノートオフタイミングを延ばす(ス
テップS181)。
【0181】次に、図示しない設定パラメータに従って
ピッチベンドを挿入する(ステップS182)。ここ
で、設定パラメータとは、ディレイパラメータを云い、
このディレイパラメータは、前記図24で説明したディ
レイパラメータと同様に、前記前のノートのノートオン
タイミングからピッチベンドを開始するタイミングまで
のディレイ時間を設定するパラメータである。このステ
ップS182の処理が前記ステップS172の処理に対
して異なる点は、変更するピッチベンド量が半音単位で
変化するのみであるので、その説明を省略する。
【0182】次いで、前記ステップS163と同様にし
て、設定パラメータに従ってベロシティを変更した(ス
テップS183)後に、本グリッサンド処理サブルーチ
ンを終了する。
【0183】図27は、このグリッサンド処理サブルー
チンにより表情付け変換を行う前および後のノートイベ
ントの構造を示す図であり、図25に対して、ピッチベ
ンド量の推移が、(c)に示すように、半音単位で変更
されている点が異なるのみであるので、その説明を省略
する。
【0184】このようにして、変換前は「ノート1」の
発音を終了し、所定時間(tf1〜to2)無音状態を
継続した後に、「ノート2」の発音を開始するという構
造のイベントデータが、「ノート1」の音高を発音して
いる状態から半音単位で「ノート2」の音高に変化する
構造のイベントデータに変換されるので、奏法グリッサ
ンドを適切にシミュレートすることができる。
【0185】以上説明したように、ポルタメント変換処
理では、「グリッサンド処理」、「ハンマリングオン/
プリングオフ処理」、「チョーキング処理」の3種類の
変換処理から、対象となる2つのノートの音程に応じて
1つの処理が選択され、この処理に従って当該2つのノ
ートのノートイベントの構造が変更される。
【0186】なお、本実施の形態では、ポルタメント変
換処理が呼び出され、上記条件を満足する場合には、必
ず上記3種類の変換処理から1つの変換処理が選択され
て実行されるが、このように、該1つの変換処理をポル
タメント変換処理毎に毎回実行せずに、所定回数毎に1
回実行するようにしてもよい。さらに、この所定回数
は、ランダムに変更するようにしてもよい。
【0187】図28は、前記図13のステップS94の
効果音挿入処理サブルーチンの詳細な手順を示すフロー
チャートである。
【0188】図28において、まず、ステップS141
と同様にして、効果音挿入の設定はオンであるか否かを
判別する(ステップS191)。この判別は、効果音
(本実施の形態では、フレットノイズ)を挿入するか否
か(オン/オフ)をユーザが自由に設定できる効果音パ
ラメータ(図示せず)の値をチェックすることにより行
う。
【0189】ステップS191で、効果音挿入の設定が
オンのときには、対象フレーズは単音フレーズであるか
否かを判別する(ステップS192)。
【0190】ステップS192で、対象フレーズが単音
フレーズのときにはステップS193に進む一方、対象
フレーズが単音フレーズでないとき、すなわち和音フレ
ーズのとき、または、ステップS191で、効果音挿入
の設定がオフのときには、直ちに本効果音挿入処理サブ
ルーチンを終了する。
【0191】ステップS193では、前記ステップS1
43と同様にして、全チャンネル、すなわちチャンネル
10〜15のノートデータ、すなわちノートオン/オフ
イベントデータを見て、時間的に隣接する2つのノート
を決定し、ステップS194では、前記ステップS14
5と同様にして、該2つのノートの音程は効果音を挿入
すべき指定値(以下、「効果音挿入指定値」という)以
上か否かを判別する(ステップS194)。なお、この
効果音挿入指定値も、ユーザが任意に設定することがで
きる。
【0192】ステップS194で、該2つのノートの音
程が効果音挿入指定値以上であるときには、フレットノ
イズを発音するノートイベントを所定チャンネル(本実
施の形態では、チャンネル9)に挿入する(ステップS
195)。具体的には、フレットノイズのノートイベン
トは、そのノートナンバは上記2つのノートイベントの
うち前のノートと同じノートナンバで、そのベロシティ
は所定値を採り、そのノートオンタイミングは前のノー
トのノートオフタイミングであり、そのノートオフタイ
ミングは後ろのノートのノートオンタイミングであるよ
うに決定される。
【0193】一方、ステップS194で、前記2つのノ
ートの音程が前記効果音挿入指定値未満のときには、ス
テップS195をスキップしてステップS196に進
む。
【0194】ステップS196では、対象フレーズのす
べてのノートに対して上記処理を終了したか否かを判別
し、まだ処理すべきノートが残っているときには、前記
ステップS193に戻って前記処理を繰り返す一方、す
べてのノートに対して処理を終了したときには、本効果
音挿入処理サブルーチンを終了する。
【0195】図29は、この効果音挿入処理サブルーチ
ンにより表情付け変換を行う前および後のノートイベン
トの構造を示す図であり、(a)は、変換前の対象とな
る2つのノートイベントの一例を示し、(b)は、
(a)のノートイベントの変換後の状態を示している。
【0196】(b)中、「FXノート」は、挿入された
フレットノイズのノートイベントを示し、前述のよう
に、「FXノート」は、「ノート1」と同じノートナン
バを有し、そのノートオンタイミングは、「ノート1」
のノートオフタイミング(時刻tf1)となり、そのノ
ートオフタイミングは、「ノート2」のノートオンタイ
ミング(時刻to2)となっている。
【0197】このようにして、隣接する2音において、
前の音と次の音の間でフレットノイズを発音するように
構成したので、自然な位置(時間)でフレットノイズを
発生させることができる。
【0198】なお、上述したポルタメント変換処理と効
果音挿入処理は、1つのフレーズ内における2つのノー
トの間にピッチベンドや効果音を挿入するようにした
が、連続する2つのフレーズのうちの、前フレーズの最
終ノートと、次フレーズの先頭ノートの間に挿入するよ
うにしてもよい。
【0199】図30は、前記図13のステップS95の
アルペジオ強調処理サブルーチンの詳細な手順を示すフ
ローチャートである。
【0200】図30において、まず、前記ステップS1
41と同様にして、アルペジオ強調の設定はオンである
か否かを判別する(ステップS201)。この判別も、
アルペジオ強調を行うか否か(オン/オフ)をユーザが
自由に設定できるアルペジオ強調パラメータ(図示せ
ず)の値をチェックすることにより行う。
【0201】ステップS201で、アルペジオ強調の設
定がオンであるときには、対象フレーズが単音フレーズ
であるか否かを判別する(ステップS202)。
【0202】ステップS202で、対象フレーズが単音
フレーズのときには、図示しない設定パラメータに従っ
て、対象フレーズ内の指定された弦に対応するチャンネ
ルの全ノートのゲートタイムおよびベロシティを変更し
た(ステップS203)後に、本アルペジオ強調処理サ
ブルーチンを終了する。ここで、設定パラメータとは、
ベースノートとして取り扱う弦を、その対応するチャン
ネル番号で決定するためのストリングパラメータ、ゲー
トタイムを変更するレシオを決定するためのゲートタイ
ムレシオパラメータ、前記ベースノートのベロシティを
変更するレシオを決定するためのベロシティレシオパラ
メータの3種類のパラメータをいう。これらすべてのパ
ラメータの値は、ユーザが任意に設定できる。
【0203】一方、ステップS201の判別で、アルペ
ジオ強調の設定がオフのとき、または、ステップS20
2の判別で、対象フレーズが単音フレーズでないときに
は、直ちに本アルペジオ強調処理サブルーチンを終了す
る。
【0204】このようにして、親指で演奏するノートに
ついては、音を強く、そして長く演奏することにより、
ギターのアルペジオ奏法をより効果的にシミュレートす
ることができる。なお、本アルペジオ強調サブルーチン
は、アルペジオ奏法をシミュレートする目的のみの使用
に限らず、指弾きのバッキング、たとえばボサノバのバ
ッキングやジャズのハーモナイズソロ等のシミュレート
に使用すれば、コードのベースラインの動きが強調され
て、さらに効果的な表現を演奏データに付与することが
できる。
【0205】図31は、前記図13のステップS96の
ベロシティランダマイズ処理サブルーチンの詳細な手順
を示すフローチャートである。
【0206】図31において、まず、前記ステップS1
41と同様にして、ベロシティランダマイズの設定はオ
ンであるか否かを判別する(ステップS211)。この
判別も、ベロシティランダマイズを行うか否か(オン/
オフ)をユーザが自由に設定できるベロシティランダマ
イズパラメータ(図示せず)の値をチェックすることに
より行う。
【0207】ステップS211で、ベロシティランダマ
イズの設定がオフのときには、直ちに本ベロシティラン
ダマイズ処理サブルーチンを終了する一方、ベロシティ
ランダマイズの設定がオンのときにはステップS212
に進む。
【0208】ステップS212では、図示しない設定パ
ラメータに従って、対象フレーズ内の全ノートのベロシ
ティをランダムに変更した後に、本ベロシティランダマ
イズ処理サブルーチンを終了する。ここで、設定パラメ
ータとは、元のベロシティを変更するレシオの範囲を設
定するためのベロシティレシオレンジパラメータをい
い、このパラメータ値も、ユーザが任意に設定できる。
そして、このようにして設定された範囲内のレンジ値が
ランダムに選択され、この選択されたレンジ値が、対象
フレーズ内のすべてのノートのベロシティに乗算され
る。
【0209】このようにして、対象フレーズ内の各ノー
ト間のフラットなベロシティがランダムに変更されるの
で、演奏データに、より音楽的な味付けをすることがで
きる。
【0210】以上説明したように、本実施の形態では、
演奏データを単音フレーズおよび和音フレーズの2種類
のフレーズに分割し、該分割されたフレーズ毎に候補ポ
ジションをサーチするように構成したので、演奏内容に
応じて適切な候補ポジションを検出することができ、こ
れにより、スムーズな運指を考慮して通常の演奏データ
をタブ譜形式のデータに変換でき、演奏者の操作性を向
上させることができる。
【0211】なお、本実施の形態では、各種パラメータ
は、前記ステップS1およびS91のパラメータ設定処
理において、ユーザが1つずつ設定するようにしたが、
これに限らず、図32に示すように、演奏データに最適
な(標準的な)パラメータ群を予め設定し、当該演奏デ
ータファイル(ソングファイル)に対応させて、パラメ
ータファイルとして、たとえば前記HDD11のハード
ディスク等に記憶し、ユーザがある1つのソングファイ
ルを選択したときには、そのソングファイルに対応する
パラメータファイルを自動的に前記パラメータ格納領域
にロードするようにしてもよい。これにより、ユーザは
演奏データ毎に各パラメータを設定する必要がなくな
り、目的の演奏データに標準的なパラメータのみを選択
するユーザにとっては、パラメータ設定を行う手間が省
け、操作性が向上する。
【0212】さらに、曲の進行に従って使用するパラメ
ータを変更したいユーザには、図33に示すように、ソ
ングファイルに対応してパラメータシーケンスファイル
を予め記憶し、ユーザがある1つのソングファイルを選
択したときに、該ソングファイルに対応するパラメータ
シーケンスファイルおよびこのパラメータシーケンスフ
ァイルで使用しているパラメータファイルもソングファ
イルとともに前記所定領域にロードするようにすればよ
い。これにより、曲中のある部分を指定して、その位置
に、たとえば「チョーキング」をかける等のより細かな
設定を行うことができ、熟練者にとっても、満足できる
パラメータ設定ができ、操作性をより向上させることが
できる。
【0213】また、パラメータファイルは、図34に示
すように、弦楽器の種類に応じて、個別に用意するよう
にしてもよい。たとえば、弦楽器がエレキギターの場合
にはチョーキングを多用する反面、アコースティックギ
ターの場合にはフレットノイズが出やすいというよう
に、弦楽器の種類に応じて効果音が変わるため、表情付
けパラメータも変更する必要があるからである。これに
より、選択した楽器の種類に応じて最適なパラメータを
設定することができる。
【0214】図35は、前記図32または33で説明し
たように、ソングファイルに対応してパラメータファイ
ルまたはパラメータシーケンスファイルが記憶されてい
る場合に、前記演奏データ記憶領域にソングファイルを
ロードするソングファイルロード処理サブルーチンの手
順を示すフローチャートである。図35中、かっこ内
は、ソングファイルに対応してパラメータシーケンスフ
ァイルが記憶されている場合のソングファイルロード処
理を示している。このように、ソングファイルに対応し
てパラメータファイルが記憶されている場合とパラメー
タシーケンスファイルが記憶されている場合の両方の処
理手順を1つのフローチャートで示したのは、両処理手
順に共通する処理が多いからである。したがって、以
下、ソングファイルに対応してパラメータファイルが記
憶されている場合についてのみ、ソングファイルロード
処理手順を説明する。
【0215】図35において、まず、ユーザの指示に応
じてソングファイルが選択され(ステップS221)、
該選択されたファイルが前記演奏データ格納領域にロー
ドされる(ステップS222)。
【0216】次に、該ソングファイルと同一ファイル名
のパラメータファイルがあるか否かを判別し(ステップ
S223)、同一ファイル名のパラメータファイルがあ
るときには、該パラメータファイルを前記パラメータ格
納領域にロードした(ステップS224)後に、本ソン
グファイルロード処理サブルーチンを終了する。ここ
で、ソングファイルに対応するパラメータファイルは、
図32に示すように、そのファイル名は同一であり、そ
のセカンダリネーム、すなわちコンマ以下の名称(“P
RM”)を異ならせることにより、ソングファイルであ
るのか、またはパラメータファイルであるのかを区別し
ている。したがって、ソングファイルに対応して記憶し
たパラメータファイルを検索するためには、ステップS
223の判別のように、対象ソングファイルと同一ファ
イル名のパラメータファイルを検索するようにすればよ
い。これは、パラメータシーケンスファイルを検索する
場合でも同様である。
【0217】一方、ステップS223で、対象ソングフ
ァイルと同一ファイル名のパラメータファイルがないと
きには、ユーザが指示したパラメータファイルを選択し
(ステップS225)、該選択されたパラメータファイ
ルを前記パラメータ格納領域にロードした(ステップS
226)後に、本ソングファイルロード処理を終了す
る。
【0218】このようにして、ユーザが所望のソングフ
ァイルを指定すると、該ソングファイルに対応するパラ
メータファイル(またはパラメータシーケンスファイ
ル)が自動的にロードされる。したがって、ユーザはパ
ラメータを1つずつ設定する手間を省くことができ、こ
れにより、操作性がさらに向上する。
【0219】また、演奏データと楽器とを対応させ、ユ
ーザが演奏データを選択すると、自動的に対応する楽器
が選択されるようにしてもよい。そして、この楽器の選
択により、たとえば、前記表示装置9にその楽器の絵を
表示させ、タブ譜形式データに基づいて演奏者の指使い
を表示したり、さらに、その楽器の音色を音源回路15
に自動的に設定する等を行うようにしてもよい。
【0220】なお、本実施の形態では、本発明を演奏デ
ータ変換装置の形態で構成したが、これに限らず、パー
ソナルコンピュータとアプリケーションプログラムの形
態で構成することもできる。このアプリケーションプロ
グラムは、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等
の記憶媒体に記憶させ、パーソナルコンピュータに供給
するようにしてもよいし、ネットワークを介して供給す
るようにしてもよい。
【0221】また、本実施の形態では、図1に示すよう
に、本発明を音源装置(音源回路12、効果回路13お
よびサウンドシステム14)および自動演奏装置(CP
U5)を内蔵した演奏データ変換装置で実現したが、こ
れに限らず、それぞれ別体の装置で構成し、MIDIイ
ンタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて
各装置を接続して本発明を実現するようにしてもよい。
【0222】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に依れば、
入力された演奏データが所定種類のフレーズに分割さ
れ、該分割されたフレーズ毎に候補単位が検索され、該
検索された候補単位に応じて、演奏データがタブ譜形式
のデータに変換されるので、演奏データの内容に応じて
適切な候補単位を検出することができ、これにより、タ
ブ譜形式のデータに変換する際に、各演奏データを最適
な位置に振り分けることができ、演奏者の操作性を向上
させることが可能となる効果を奏する。
【0223】また、前記分割されたフレーズ中のすべて
の音の音高を割り当て可能な候補単位が見つからない場
合には、当該フレーズ中の最低音または最高音を除外し
た後のすべての音の音高を割り当て可能な候補単位が検
索されるので、常に候補単位を見つけることができ、こ
れにより、常に演奏データをタブ譜形式のデータに変換
することができる。
【0224】さらに、前記分割されたフレーズ毎に候補
単位が検索された結果、複数個の候補単位が検索された
場合に、そのうち所定の条件を最もよく満たす候補単位
が目的の部分領域として決定されるので、スムーズな運
指まで考慮した適切なタブ譜形式のデータに変換するこ
とができる。
【0225】また、好ましくは、前記条件が開放弦に近
い位置に設定されるので、和音演奏の際に開放弦を利用
した操作しやすい部分領域を決定するこができる。
【0226】さらに、好ましくは、前記条件が、直前の
フレーズに前記部分領域が決定されている場合に、該部
分領域により近い位置に設定されるので、ポジションチ
ェンジの少ない、スムーズに演奏できる部分領域を決定
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る演奏データ変換装
置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】演奏データのデータフォーマットの一例を示す
図である。
【図3】図1の演奏データ変換装置で用いられるパラメ
ータの一例を示す図である。
【図4】タブ譜変換処理サブルーチンの手順を示すフロ
ーチャートである。
【図5】図4のフレーズサーチ処理サブルーチンの詳細
な手順を示すフローチャートである。
【図6】図5のノートオン処理サブルーチンの詳細な手
順を示すフローチャートである。
【図7】図5のノートオフ処理サブルーチンの詳細な手
順を示すフローチャートである。
【図8】図4のポジション決定、振り分け処理サブルー
チンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図9】図8の単音フレーズ処理サブルーチンの詳細な
手順を示すフローチャートである。
【図10】図8の和音フレーズ処理サブルーチンの詳細
な手順を示すフローチャートである。
【図11】図9および10のノート振り分け処理サブル
ーチンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図12】フレットボードの一例を示す図であり、候補
ポジションの選択方法を説明するための図である。
【図13】表情付け変換処理サブルーチンの手順を示す
フローチャートである。
【図14】図13のコードクオンタイズ処理サブルーチ
ンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図15】図14のタイミングシフト処理サブルーチン
の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図16】図14のベロシティシフト処理サブルーチン
の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図17】図14のミュートカッティング処理サブルー
チンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図18】図15のタイミングシフト処理サブルーチン
によりタイミングシフトされる前および後のコードのノ
ートオンタイミングを示す図である。
【図19】図15および16中のアップ/ダウン判定の
方法を説明するための図である。
【図20】ベロシティスロープの一例を示す図である。
【図21】図13のポルタメント変換処理サブルーチン
の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図22】図21のハンマリングオン/プリングオフ処
理サブルーチンの詳細な手順を示すフローチャートを示
す図である。
【図23】図22のハンマリングオン/プリングオフ処
理サブルーチンにより表情付け変換を行う前および後の
ノートイベントの構造を示す図である。
【図24】図21のチョーキング処理サブルーチンの詳
細な手順を示すフローチャートである。
【図25】図24のチョーキング処理サブルーチンによ
り表情付け変換を行う前および後のノートイベントの構
造を示す図である。
【図26】図21のグリッサンド処理サブルーチンの詳
細な手順を示すフローチャートである。
【図27】図26のグリッサンド処理サブルーチンによ
り表情付け変換を行う前および後のノートイベントの構
造を示す図である。
【図28】図13の効果音挿入処理サブルーチンの詳細
な手順を示すフローチャートである。
【図29】図28の効果音挿入処理サブルーチンにより
表情付け変換を行う前および後のノートイベントの構造
を示す図である。
【図30】図13のアルペジオ強調処理サブルーチンの
詳細な手順を示すフローチャートである。
【図31】図13のベロシティランダマイズ処理サブル
ーチンの詳細な手順を示すフローチャートである。
【図32】パラメータファイルをソングファイルに対応
付けるようにした場合の一例を示す図である。
【図33】パラメータシーケンスファイルをソングファ
イルに対応付けるようにした場合の一例を示す図であ
る。
【図34】楽器の種類に応じてパラメータファイルを用
意した場合のパラメータファイルの一例を示す図であ
る。
【図35】ソングファイルに対応するパラメータファイ
ルまたはパラメータシーケンスファイルがある場合に、
ソングファイルをロードするソングファイルロード処理
サブルーチンの手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
5 CPU(フレーズ分割手段、タブ譜変換手段、候補
単位検索手段、部分領域決定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 101 - 102 G10H 1/00 A

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された演奏データを、弦楽器の演奏
    者が押さえるべき弦の種類および該弦のフレット番号を
    示す情報からなるタブ譜形式のデータに変換する演奏デ
    ータ変換装置において、 前記演奏データを所定種類のフレーズに分割するフレー
    ズ分割手段と、前記 弦楽器の操作領域を複数個の部分領域に分割し、該
    分割された部分領域を候補単位として、前記フレーズ分
    割手段により分割されたフレーズ中のすべての音の音高
    を割り当て可能な前記候補単位を検索する候補単位検索
    手段と、 該検索された候補単位に応じて演奏データを前記タブ譜
    形式のデータに変換するタブ譜変換手段とを有すること
    を特徴とする演奏データ変換装置。
  2. 【請求項2】 前記候補単位検索手段は、当該フレーズ
    中のすべての音の音高を割り当て可能な候補単位が見つ
    からない場合には、当該フレーズ中の最低音または最高
    音を除外した後のすべての音の音高を割り当て可能な
    補単位を検索することを特徴とする請求項1記載の演奏
    データ変換装置。
  3. 【請求項3】 前記検索された前記候補単位が複数個あ
    る場合に、そのうち所定の条件を最もよく満たす候補単
    位を目的の部分領域に決定する部分領域決定手段を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の演奏データ変換装
    置。
  4. 【請求項4】 前記所定の条件は、開放弦により近い位
    置であることを特徴とする請求項3記載の演奏データ変
    換装置。
  5. 【請求項5】 前記所定の条件は、直前のフレーズに前
    記部分領域が決定されている場合に、該部分領域により
    近い位置であることを特徴とする請求項3記載の演奏デ
    ータ変換装置。
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