JP3265557B2 - 自動販売機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主に缶、瓶、紙パック等
に収容された商品を冷却し或いは加熱する自動販売機に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の自動販売機において、図
２乃至図４に示すものが知られている。図２の断面図に
示す自動販売機１は、その内部に商品コラム２ａ（２
ｂ）を有し、その背面側及び底面側には壁との間にダク
ト３を形成している。このダクト３の下部側には蒸発器
４ａ（４ｂ）、加熱装置５ａ（５ｂ）及び庫内循環用送
風機６ａ（６ｂ）が設置されており、一点鎖線矢印に示
すように商品コラム２内の空気をダクト３を通じて蒸発
器４ａ（４ｂ）及び加熱装置５ａ（５ｂ）に送風し、更
にスリット３ａを通じて商品コラム２ａ（２ｂ）内に循
環している。また、この自動販売機下部の機械室７には
圧縮機８、凝縮器９、凝縮器用送風機１０が設置されて
いる。

【０００３】この自動販売機１は図３の冷媒回路に示す
ように、圧縮機８、凝縮器９、減圧装置であるキャピラ
リチュ−ブ１１、常閉の第１及び第２電磁弁１２ａ，１
２ｂ、第１及び第２蒸発器４ａ，４ｂが順次直列に接続
され、圧縮機８の冷媒がこの順序で循環するようになっ
ている。また、この各蒸発器４ａ，４ｂは並列に接続さ
れ、各電磁弁１２ａ，１２ｂの開閉により一方又は双方
の蒸発器４ａ，４ｂに冷媒が流れる。また、この各蒸発
器４ａ，４ｂと対になって庫内循環用送風機６ａ，６ｂ
及び加熱装置５ａ，５ｂが設置されている。なお、１３
ａ，１３ｂは各商品コラム２ａ，２ｂ内の温度を検知す
る温度センサ、例えば第１及び第２温度スイッチで、こ
の各温度スイッチ１３ａ，１３ｂの検知温度に基づきそ
の対応する第１及び第２電磁弁１２ａ，１２ｂがオン・
オフ制御され、また、圧縮機８がオン・オフ制御され、
商品コラム２ａ，２ｂ内の冷却運転がされる。

【０００４】このように構成された自動販売機１は図４
のタイムチャ−トに示すように、いずれか一方の蒸発器
４ａ（４ｂ）が冷却運転しているときは圧縮機８が常時
駆動して各蒸発器４ａ，４ｂに冷媒を供給し、ここで、
第１電磁弁１２ａが開動作しているときは第１蒸発器４
ａで、また、第２電磁弁１２ｂが開動作しているときは
第２蒸発器４ｂで冷却運転がなされる。

【０００５】ここで、第１及び第２庫内循環用送風機６
ａ，６ｂは常時駆動しており、蒸発器４ａ，４ｂが冷却
運転されているときは、冷風が送風されて商品コラム２
ａ，２ｂ内が冷却される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各蒸発
器４ａ，４ｂの冷却運転時は第１及び第２庫内循環用送
風機６ａ，６ｂを駆動していなければならないが、各蒸
発器４ａ，４ｂの冷却運転の終了後も継続して駆動して
いるため、商品コラム２ａ，２ｂ内への外気の誘引作用
を起こしたり、また、各送風機６ａ，６ｂの駆動時に発
生するモ−タ熱が商品コラム２ａ，２ｂ内に侵入して商
品コラム２ａ，２ｂの温度が上昇するという問題点を有
していた。

【０００７】この問題点を解決するためには、この各庫
内循環用送風機６ａ，６ｂを各蒸発器４ａ，４ｂの冷却
運転時にのみ運転するようにすればよいが、この各蒸発
器４ａ，４ｂに霜が付着し、過着霜状態に至ったとき
は、商品コラム２ａ，２ｂ内の冷却不足を起こすため、
温度スイッチ１３ａ，１３ｂの検知温度が何時までも下
限設定温度を検知することなく、過着霜状態で各蒸発器
４ａ，４ｂの冷却運転を継続するという不具合が発生す
る。

【０００８】本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、不
必要な庫内循環用送風機の駆動を規制し、商品収納室の
温度上昇を抑制するとともに、蒸発器が過着霜状態とな
ったときは強制的にこの蒸発器の冷却運転を停止し除霜
運転がされる自動販売機を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、請求項１の発明は、一台の圧縮機と、各々の
冷却運転時に該圧縮機からの冷媒が循環する複数台の蒸
発器、該各蒸発器に対応して設置された庫内循環用送風
機等を含む冷却機器を備え、該各蒸発器を庫内毎に有す
る温度センサの検知信号に基づき断続的に冷却運転する
とともに、該各庫内循環用送風機を駆動し該各蒸発器で
冷却された空気を各商品収納室に循環する自動販売機に
おいて、前記各庫内循環用送風機は、前記温度センサの
検知温度が上限設定温度より低い温度から上昇して該上
限設定温度に達したとき駆動し、下限設定温度より高い
温度から下降して該下限設定温度に達したとき停止する
よう設定するとともに、前記各温度センサの検知温度が
所定時間に亘り下限設定温度より高い温度から下降して
下限設定温度に達していないときは、該温度センサに対
応する前記庫内循環用送風機の駆動を継続するとともに
該温度センサに対応する前記蒸発器の冷却運転を所定時
間に亘り強制的に停止するよう設定したことを特徴とす
る。

【００１０】請求項２の発明は、一台の圧縮機と、各々
の冷却運転時に該圧縮機からの冷媒が循環する複数台の
蒸発器、該各蒸発器に対応して設置された庫内循環用送
風機等を含む冷却機器を備え、該各蒸発器を庫内毎に有
する温度センサの検知信号に基づき断続的に冷却運転す
るとともに、該各庫内循環用送風機を駆動し該各蒸発器
で冷却された空気を各商品収納室に循環する自動販売機
において、前記各庫内循環用送風機は、前記圧縮機の起
動及び停止に同期して起動及び停止するとともに、前記
各温度センサの検知温度が所定時間に亘り下限設定温度
より高い温度から下降して該下限設定温度に達しないと
きは、該温度センサに対応する前記庫内循環用送風機の
駆動を継続するとともに該温度センサに対応する前記蒸
発器の冷却運転を所定時間に亘り強制的に停止するよう
設定したことを特徴とする。

【００１１】

【作用】請求項１の発明によれば、庫内循環用送風機
は、温度センサが上限設定温度に達したとき駆動し、下
限設定温度に達したとき停止するため、不必要な庫内循
環用送風機の駆動が防止される。

【００１２】また、温度センサの検知温度が所定時間内
に亘り下限設定温度に達しないとき、即ち、蒸発器に霜
が過着霜状態となり庫内が十分に冷却されない状態にな
ったときは蒸発器の冷却運転を所定時間に亘り強制的に
停止する。他方、この過着霜状態では温度センサの検知
温度が下限設定温度に達していないため、庫内循環用送
風機は駆動している。このように、蒸発器の冷却運転が
停止し、また、庫内循環用送風機が駆動しているため、
この庫内循環用送風機の送風により、蒸発器に付着して
いる霜が除去される。

【００１３】請求項２の発明は、請求項１の温度センサ
の検知信号に代えて圧縮機の駆動状態に基づき庫内循環
用送風機の駆動を制御するものである。ここで、この圧
縮機は蒸発器が多数設置されているときに、この蒸発器
のいずれかが冷却運転を行っているときは必ず駆動し、
他方いずれの蒸発器も冷却運転を行っていないときは必
ず停止している。従って、この圧縮機の運転制御に基づ
いて不必要な庫内循環用送風機の駆動が防止される。

【００１４】

【実施例】図１、図５及び図６は本発明に係る自動販売
機の第１実施例を示すもので、図１はこの自動販売機の
冷媒回路図である。なお、従来例を示す図２乃至図４と
同一構成部分については同一符号をもって表す。

【００１５】即ち、自動販売機の冷却回路は、第１及び
第２蒸発器４ａ，４ｂ、第１及び第２加熱装置５ａ，５
ｂ（例えば電熱ヒ−タ）、第１及び第２庫内循環用送風
機６ａ，６ｂ、圧縮機８、凝縮器９、凝縮器用送風機１
０、キャピラリチュ−ブ１１、第１及び第２電磁弁１２
ａ，１２ｂを有し、この圧縮機８で圧縮された冷媒を図
１の一点鎖線矢印に示すように、凝縮器９→キャピラリ
チュ−ブ１１→第１及び第２電磁弁１２ａ，１２ｂ→第
１及び第２蒸発器４ａ，４ｂ→圧縮機８へ順次循環させ
ることにより、各蒸発器４ａ，４ｂにて冷却運転を行
う。ここで、この第１蒸発器４ａ及び第１加熱装置５ａ
と第２蒸発器４ｂ及び第２加熱装置５ｂはそれぞれ異な
った商品収容室即ち商品コラム２ａ，２ｂを冷却或いは
加熱するもので、それぞれ個別に運転制御されている。

【００１６】このように構成された自動販売機は、マイ
クロコンピュ−タ構成のＣＰＵ１４にて圧縮機８、第１
及び第２庫内循環用送風機６ａ，６ｂ、第１及び第２電
磁弁１２ａ，１２ｂを駆動制御している。また、このＣ
ＰＵ１４はタイマ１４ａを有しており、このタイマ１４
ａの起動は商品コラム２ａ，２ｂ内に設置された庫内温
度を検知する温度スイッチ１３ａ，１３ｂにより制御さ
れる。

【００１７】図５は蒸発器４ａ，４ｂの冷却運転時にお
けるＣＰＵ１４の制御フロ−チャ−ト、図６はこの冷却
運転時のタイムチャ−トを示したものである。ここで、
この第１庫内循環用送風機６ａと第１電磁弁１２ａと温
度センサ１３ａとが、この第２庫内循環用送風機６ｂと
第２電磁弁１２ｂと温度センサ１３ｂとがそれぞれ対と
なって個別に制御されるものであるが、その制御方法が
同一であるため、これをまとめて説明する。

【００１８】温度スイッチ１３ａ（１３ｂ）がオンして
いるか否かを判断し（Ｓ１）、ここで商品コラム２ａ
（２ｂ）内の温度が未だ温度スイッチ１３ａ（１３ｂ）
の上限設定温度に達していないときは、電磁弁１２ａ
（１２ｂ）及び庫内循環用送風機６ａ（６ｂ）を停止し
ている（Ｓ２，Ｓ３）。他方、これとは逆に温度スイッ
チ１３ａ（１３ｂ）の上限設定温度に達したときは、電
磁弁１２ａ（１２ｂ）及び庫内循環用送風機６ａ（６
ｂ）を駆動し（Ｓ４，Ｓ５）、商品コラム２ａ（２ｂ）
内の冷却運転を行う。この冷却運転の断続により商品コ
ラム２ａ（２ｂ）内を温度スイッチ１３ａ（１３ｂ）の
上限設定温度と下限設定温度との間の温度に保持してい
る。

【００１９】このような冷却運転中に、この電磁弁１２
ａ（１２ｂ）及び庫内循環用送風機６ａ（６ｂ）の駆動
を開始する度に、タイマ１４ａにより３時間セットしタ
イマカウントを行う（Ｓ６，Ｓ７）。この時間（図６で
はＴ₁ で示す）が経過する前に温度スイッチ１３ａ（１
３ｂ）がオフするとき、即ち商品コラム２ａ（２ｂ）が
下限設定温度に達したときは、ステップ２に移行し、こ
の冷却運転の断続運転が継続される（Ｓ８，Ｓ９）。他
方、この３時間の間に温度スイッチ１３ａ（１３ｂ）が
オフすることなく、３時間以上に亘りオン状態となって
いるときは、電磁弁１２ａ（１２ｂ）をオフする（Ｓ１
０）。

【００２０】まさに、この温度センサ１３ａ（１３ｂ）
のオン状態は、蒸発器４ａ（４ｂ）に付着し霜が過着霜
状態で商品コラム２ａ（２ｂ）内の冷却不足を生じてい
ることを意味している。このような状態になったとき
は、タイマ１４ａを１０分間セットし、この１０分間
（図６のＴ₂ で示す）に亘って蒸発器４ａ（４ｂ）の冷
却運転を停止する（Ｓ１１，Ｓ１２，Ｓ１３）。このと
き、庫内循環用送風機６ａ（６ｂ）は駆動しているた
め、この蒸発器４ａ（４ｂ）に付着した霜がこの送風に
より融解し除霜が行われる。この除霜運転が１０分後に
停止し（Ｓ１４）、再度冷却運転が行われる。

【００２１】このように本実施例に係る第１及び第２庫
内循環用送風機６ａ，６ｂは、図６に示すように、各温
度センサ１２ａ，１２ｂがオンしているときにのみ駆動
し、それ以外のときは停止しているため、商品コラム２
ａ，２ｂ内に不必要に空気が循環することがなく、外気
の侵入及び各送風機６ａ，６ｂのモ−タ熱の侵入が減少
する。

【００２２】また、蒸発器４ａ，４ｂの過着霜状態を温
度スイッチ１３ａ，１３ｂのオン状態の継続時間で判断
し、過着霜状態になったと判断したときは、電磁弁１２
ａ，１２ｂをオフさせ除霜運転を行うため、その除霜機
能においても確実なものとなっている。

【００２３】図７及び図８は本発明の第２実施例を示す
もので、図７は前記ＣＰＵ１４の駆動制御の他の例を示
すフロ−チャ−ト、図８は同じく他の例を示すタイムチ
ャ−トである。前記実施例では各庫内循環用送風機６
ａ，６ｂの駆動制御を温度センサ１３ａ，１３ｂにより
行っているが、本実施例ではこれを圧縮機８の駆動及び
停止に基づき各庫内循環用送風機６ａ，６ｂを同じく制
御している。

【００２４】即ち、圧縮機８がオンしているか否かを判
断し（Ｓ）、オンしているときは庫内循環用送風機６
ａ（６ｂ）を駆動し（Ｓ）、オフしているときは庫内
循環用送風機６ａ（６ｂ）の駆動を停止する（Ｓ）。

【００２５】この実施例によれば、複数の各庫内循環用
送風機６ａ，６ｂが一台の圧縮機８にて同時制御される
ため制御が簡単になる。このような制御は複数台の蒸発
器にて一室を冷却する自動販売機に好適なものといえ
る。

【００２６】なお、前記実施例では冷却及び加熱両用の
自動販売機について説明したが、冷却専用の自動販売機
についても同様に適用することができる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、庫内循環用送風機は、温度センサが上限設定温
度に達したとき駆動し、下限設定温度に達したとき停止
するため、不必要な庫内循環用送風機の駆動が防止され
る。また、温度センサの検知温度が所定時間内に亘り下
限設定温度に達しないとき、即ち、蒸発器に霜が過着霜
状態となり庫内が十分に冷却されない状態になったとき
は蒸発器の冷却運転を所定時間に亘り強制的に停止し、
除霜運転が行われるため、蒸発器の除霜も確実に行われ
る。

【００２８】請求項２の発明は、請求項１の発明の効果
を奏することは勿論のこと、蒸発器が多数設置されてい
るときに、この蒸発器のいずれかが冷却運転を行ってい
るときは必ず圧縮機が駆動し、他方いずれの蒸発器も冷
却運転を行っていないときは必ず圧縮機が停止する。従
って、庫内循環用送風機の運転制御が圧縮機の１台の運
転制御によりなされ、その制御がより簡単なものとな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動販売機の冷媒回路図

【図２】自動販売機の概略断面図

【図３】従来の自動販売機の冷媒回路図

【図４】従来の自動販売機における冷却運転のタイムチ
ャ−ト

【図５】本発明の第１実施例に係る自動販売機の冷却運
転のフロ−チャ−ト

【図６】本発明の第１実施例に係る自動販売機の冷却運
転のタイムチャ−ト

【図７】本発明の第２実施例に係る自動販売機の冷却運
転のフロ−チャ−ト

【図８】本発明の第２実施例に係る自動販売機の冷却運
転のタイムチャ−ト

【符号の説明】

１…自動販売機、２ａ，２ｂ…商品コラム、４ａ，４ｂ
…第１及び第２蒸発器、６ａ，６ｂ…第１及び第２庫内
循環用送風機、８…圧縮機、１２ａ，１２ｂ…第１及び
第２電磁弁、１３ａ，１３ｂ…温度スイッチ、１４…Ｃ
ＰＵ、１４ａ…タイマ。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一台の圧縮機と、各々の冷却運転時に該
   圧縮機からの冷媒が循環する複数台の蒸発器、該各蒸発
   器に対応して設置された庫内循環用送風機等を含む冷却
   機器を備え、該各蒸発器を庫内毎に有する温度センサの
   検知信号に基づき断続的に冷却運転するとともに、該各
   庫内循環用送風機を駆動し該各蒸発器で冷却された空気
   を各商品収納室に循環する自動販売機において、 前記各庫内循環用送風機は、前記温度センサの検知温度
   が上限設定温度より低い温度から上昇して該上限設定温
   度に達したとき駆動し、下限設定温度より高い温度から
   下降して該下限設定温度に達したとき停止するよう設定
   するとともに、 前記各温度センサの検知温度が所定時間に亘り下限設定
   温度より高い温度から下降して下限設定温度に達してい
   ないときは、該温度センサに対応する前記庫内循環用送
   風機の駆動を継続するとともに該温度センサに対応する
   前記蒸発器の冷却運転を所定時間に亘り強制的に停止す
   るよう設定したことを特徴とする自動販売機。
2. 【請求項２】 一台の圧縮機と、各々の冷却運転時に該
   圧縮機からの冷媒が循環する複数台の蒸発器、該各蒸発
   器に対応して設置された庫内循環用送風機等を含む冷却
   機器を備え、該各蒸発器を庫内毎に有する温度センサの
   検知信号に基づき断続的に冷却運転するとともに、該各
   庫内循環用送風機を駆動し該各蒸発器で冷却された空気
   を各商品収納室に循環する自動販売機において、 前記各庫内循環用送風機は、前記圧縮機の起動及び停止
   に同期して起動及び停止するとともに、 前記各温度センサの検知温度が所定時間に亘り下限設定
   温度より高い温度から下降して該下限設定温度に達しな
   いときは、該温度センサに対応する前記庫内循環用送風
   機の駆動を継続するとともに該温度センサに対応する前
   記蒸発器の冷却運転を所定時間に亘り強制的に停止する
   よう設定したことを特徴とする自動販売機。