JP3265426B2 - ディジタル信号処理方法及びその装置 - Google Patents

ディジタル信号処理方法及びその装置

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JP3265426B2
JP3265426B2 JP2000231181A JP2000231181A JP3265426B2 JP 3265426 B2 JP3265426 B2 JP 3265426B2 JP 2000231181 A JP2000231181 A JP 2000231181A JP 2000231181 A JP2000231181 A JP 2000231181A JP 3265426 B2 JP3265426 B2 JP 3265426B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタル信号処理
方法及びその装置に係り、特に、アナログ量のデ−タを
ディジタル量のデ−タに変換するに好適なディジタル信
号処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置としては、例えば、
電気学会誌105刊12号第12頁以下に記載されてい
るように、電力系統ディジタル保護リレ−に用いたもの
が知られている。この装置は入力部、処理部、整定部及
び出力部を備えて構成されており、この入力部に、高周
波除去用のアナログフィルタ、サンプルホ−ルド回路、
マルチプレクサ、A/D変換器及びバッファを備えたデ
ィジタル信号処理装置が設けられている。この装置によ
れば、アナログ入力信号のうち基本波に重畳した高調波
分をアナログフィルタにより除去し、アナログフィルタ
の出力信号を600Hzの周期でサンプリングし、アナ
ログ信号をディジタル信号に変換するようになってい
る。そしてこのディジタル信号から電力系統の電圧及び
電流の大きさ、またはインピ−ダンスを求めてリレ−を
作動させる構成が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、アナログ入力信号に重畳した高調波成分及び外乱ノ
イズについてはアナログフィルタによって除去すること
はできるが、アナログフィルタ以降で発生するノイズ、
例えば外乱ノイズ及びA/D変換器における量子化誤差
に伴うノイズについては考慮されておらず、これらのノ
イズによってディジタルデ−タの演算値に誤差が生じる
という不具合がある。すなわち、サンプリング周波数が
600Hzであるため、サンプリングによる外乱ノイズ
や量子化誤差に伴うノイズの発生する周波数領域がアナ
ログフィルタの通過域(アナログ入力信号の周波数領
域)と重なるため、アナログ入力信号と外乱ノイズ及び
量子化誤差に伴うノイズの分離ができず、これらのノイ
ズによって演算誤差が生じることになる。このためA/
D変換器の分解能の性能を充分に高めることができなか
った。
【0004】本発明の目的は、外乱ノイズ及び量子化誤
差に伴うノイズをアナログ入力信号と分離してディジタ
ルデ−タの演算精度を高めることができるディジタル信
号処理方法及びその方法を適用した装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、第1の方法として、アナログ信号をサン
プリングしてディジタルデ−タに変換し、このディジタ
ルデ−タにディジタルフィルタによるフィルタ処理を施
し、フィルタ処理されたディジタルデ−タを演算処理す
るに際して、ディジタルフィルタの阻止域をアナログ信
号の通過域より高い周波数帯域に設定し、サンプリング
周波数を、外乱ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズの発
生領域がディジタルフィルタの阻止域以上となる周波数
に設定したディジタル信号処理方法を採用したものであ
る。
【0006】第2の方法として、アナログ信号をサンプ
リングしてディジタルデ−タに変換し、このディジタル
デ−タにディジタルフィルタによるフィルタ処理を施
し、フィルタ処理されたディジタルデ−タを演算処理す
るに際して、サンプリング周波数を、サンプリングによ
る外乱ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズが多く発生す
る領域がアナログ信号の通過域よりも高い領域となる周
波数に設定し、ディジタルフィルタの阻止域をアナログ
信号の通過域より高くサンプリング周波数の1/2以下
の周波数域に設定したディジタル信号処理方法を採用し
たものである。
【0007】第1の方法または第2の方法を含む第3の
方法として、サンプリング周波数の1/N(N:2以上
の整数)倍の周波数をディジタルフィルタの零点周波数
に設定したディジタル信号処理方法を採用したものであ
る。
【0008】第3の方法を含む第4の方法として、ディ
ジタルフィルタの零点周波数及び減衰特性を外乱ノイズ
及び量子化誤差に伴うノイズの実測値に従って設定した
ディジタル信号処理方法を採用したものである。
【0009】第3の方法を含む第5の方法として、外乱
ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズの発生領域及び大き
さを演算により求め、この演算値を基にディジタルフィ
ルタの零点周波数及び減衰特性を設定したディジタル信
号処理方法を採用したものである。
【0010】第3の方法を含む第6の方法として、外乱
ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズの発生領域及び大き
さをスペクトル分析し、この分析結果からディジタルフ
ィルタの零点周波数及び減衰特性を設定したディジタル
信号処理方法を採用したものである。
【0011】第1〜第6の方法のうちいずれか1つの方
法を含む第7の方法として、ディジタル演算処理の演算
周期よりも短い周期でアナログ信号をサンプリングする
ディジタル信号処理方法を採用したものである。
【0012】第1の装置として、アナログ信号をサンプ
リングしてホ−ルドするサンプルホ−ルド手段と、サン
プルホ−ルド手段によりホ−ルドされたデ−タをディジ
タルデ−タに変換するアナログ−ディジタル変換手段
と、アナログ−ディジタル変換手段出力のディジタルデ
−タにフィルタ処理を施すディジタルフィルタ手段と、
ディジタルフィルタ手段出力のディジタルデ−タを基に
演算処理を実行するディジタル処理手段とを備え、ディ
ジタルフィルタ手段は、ディジタルフィルタの阻止域が
アナログ信号の通過域より高い周波数帯域に設定され、
サンプルホ−ルド手段のサンプリング周波数は、外乱ノ
イズ及び量子化誤差に伴うノイズの発生領域が前記ディ
ジタルフィルタ手段の阻止域以上となる周波数に設定さ
れているディジタル信号処理装置を構成したものであ
る。
【0013】第1の装置を含む第2の装置として、ディ
ジタルフィルタ手段の零点周波数はサンプリング周波数
の1/N(N:2以上の整数)倍の周波数に設定されて
いるディジタル信号処理装置を構成したものである。
【0014】第3の装置として、電力系統の電気量を示
すアナログ信号をサンプリングしてホ−ルドするサンプ
ルホ−ルド手段と、サンプルホ−ルド手段によりホ−ル
ドされたデ−タをディジタルデ−タに変換するアナログ
−ディジタル変換手段と、アナログ−ディジタル変換手
段出力のディジタルデ−タにフィルタ処理を施すディジ
タルフィルタ手段と、ディジタルフィルタ手段出力のデ
ィジタルデ−タを基に電力系統の事故判定を行うディジ
タル演算処理手段とを備え、ディジタルフィルタ手段
は、ディジタルフィルタの阻止域がアナログ信号の通過
域より高い周波数帯域に設定され、サンプルホ−ルド手
段のサンプリング周波数は、外乱ノイズ及び量子化誤差
に伴なうノイズの発生領域が前記ディジタルフィルタ手
段の阻止域以上となる周波数に設定されている電力系統
ディジタル信号処理装置を構成したものである。
【0015】第3の装置を含む第4の装置として、ディ
ジタルフィルタ手段の零点周波数はサンプリング周波数
の1/N(N:2以上の整数)倍の周波数に設定されて
いる電力系統ディジタル信号処理装置を構成したもので
ある。
【0016】第5の装置として、解析対象の物理量に関
するアナログ信号をサンプリングしてホ−ルドするサン
プルホ−ルド手段と、サンプルホ−ルド手段によりホ−
ルドされたデ−タをディジタルデ−タに変換するアナロ
グ−ディジタル変換手段と、アナログ−ディジタル変換
手段出力のディジタルデ−タにフィルタ処理を施すディ
ジタルフィルタ手段と、ディジタルフィルタ手段出力の
ディジタルデ−タを基にスペクトル解析を実行するディ
ジタル処理手段とを備え、ディジタルフィルタ手段は、
ディジタルフィルタの阻止域がアナログ信号の通過域よ
り高い周波数帯域に設定され、サンプルホ−ルド手段の
サンプリング周波数は、外乱ノイズ及び量子化誤差に伴
なうノイズの発生領域が前記ディジタルフィルタ手段の
阻止域以上となる周波数に設定されているディジタル信
号解析装置を構成したものである。
【0017】第5の装置を含む第6の装置として、ディ
ジタルフィルタ手段の零点周波数はサンプリング周波数
の1/N(N:2以上の整数)倍の周波数に設定されて
いるディジタル信号解析装置を構成したものである。
【0018】第7の装置として、音声に関するアナログ
信号をサンプリングしてホ−ルドするサンプルホ−ルド
手段と、サンプルホ−ルド手段によりホ−ルドされたデ
−タをディジタルデ−タに変換するアナログ−ディジタ
ル変換手段と、アナログ−ディジタル変換手段出力のデ
ィジタルデ−タにフィルタ処理を施すディジタルフィル
タ手段と、ディジタルフィルタ手段出力のディジタルデ
−タにエコ−キャンセル処理を施すディジタル処理手段
とを備え、ディジタルフィルタ手段は、ディジタル信号
の阻止域がアナログ信号の通過域より高い周波数帯域に
設定され、サンプルホ−ルド手段のサンプリング周波数
は、外乱ノイズ及び量子化誤差に伴なうノイズの発生領
域が前記ディジタルフィルタ手段の阻止域以上となる周
波数に設定されている音声信号処理装置を構成したもの
である。
【0019】第7の装置を含む第8の装置として、ディ
ジタルフィルタ手段の零点周波数はサンプリング周波数
の1/N(N:2以上の整数)倍の周波数に設定されて
いる音声信号処理装置を構成したものである。
【0020】第9の装置として、複数のアナログ信号を
順次サンプリングしてホ−ルドするサンプルホ−ルド手
段と、サンプルホ−ルド手段によりホ−ルドされたデ−
タをディジタルデ−タに変換するアナログ−ディジタル
変換手段と、アナログ−ディジタル変換手段出力のディ
ジタルデ−タにフィルタ処理を施すディジタルフィルタ
手段と、ディジタルフィルタ手段出力のディジタルデ−
タを基に演算処理を実行するディジタル処理手段とを備
え、ディジタルフィルタ手段は、ディジタル信号の阻止
域がアナログ信号の通過域より高い周波数帯域に設定さ
れ、サンプルホ−ルド手段のサンプリング周波数は、外
乱ノイズ及び量子化誤差に伴なうノイズの発生領域が前
記ディジタルフィルタ手段の阻止域以上となる周波数に
設定されているディジタルデ−タ記録装置を構成したも
のである。
【0021】第9の装置を含む第10の装置として、デ
ィジタルフィルタ手段の零点周波数はサンプリング周波
数の1/N(N:2以上の整数)倍の周波数に設定され
ているディジタルデ−タ記録装置を構成したものであ
る。
【0022】第11の装置として、音声に関するアナロ
グ信号をサンプリングしてホ−ルドするサンプルホ−ル
ド手段と、サンプルホ−ルド手段によりホ−ルドされた
デ−タをディジタルデ−タに変換するアナログ−ディジ
タル変換手段と、アナログ−ディジタル変換手段出力の
ディジタルデ−タにフィルタ処理を施すディジタルフィ
ルタ手段と、ディジタルフィルタ手段出力のディジタル
デ−タを基に演算処理を実行するディジタル処理手段と
を備え、ディジタルフィルタ手段は、ディジタル信号の
阻止域がアナログ信号の通過域より高い周波数帯に設定
され、サンプルホ−ルド手段のサンプリング周波数は、
外乱ノイズ及び量子化誤差に伴なうノイズの発生領域が
前記ディジタルフィルタ手段の阻止域以上となる周波数
に設定されているディジタルオ−ディオ装置を構成した
ものである。
【0023】第11の装置を含む第12の装置として、
ディジタルフィルタ手段の零点周波数はサンプリング周
波数の1/N(N:2以上の整数)倍の周波数に設定さ
れているディジタルオ−ディオ装置を構成したものであ
る。
【0024】前記した手段によれば、アナログ信号は、
サンプリング及びアナログ/ディジタル変換することに
より、サンプリング周波数の1/N(Nは2以上の整
数)の周波数の離散信号になる。このため、サンプリン
グを高速に行えば、外乱ノイズ及び量子化誤差に伴うノ
イズなどの総合ノイズの周波数を高周波化することがで
きる。従って、サンプリング周波数を、総合ノイズの発
生領域がディジタルフィルタの阻止域以上となる周波数
に設定すれば、総合ノイズをディジタルフィルタの阻止
域に発生させることが可能となる。そしてディジタルフ
ィルタの阻止域をアナログ信号の通過域より高い周波数
帯域に設定すれば、総合ノイズをディジタルフィルタに
よって除去することが可能となる。これによりディジタ
ルデ−タのS/N比を高めることができ、精度の高いデ
−タを得ることが可能となる。
【0025】またディジタルデ−タの減衰特性を設定す
るに際して、サンプリング周波数の1/Nの周波数にデ
ィジタルフィルタの零点周波数を設定すれば、総合ノイ
ズを大幅に低減することが可能となる。
【0026】またノイズ成分や量子化誤差に伴うノイズ
の周波数成分はランダムであるので、これらの周波数分
析を行い、この分析結果からディジタルフィルタの減衰
特性を設定すれば、ノイズの発生状態に合わせて誤差の
低減が可能となる。
【0027】また、アナログ信号をサンプリングする際
しては、ディジタル演算処理の演算周期よりも短い周期
でアナログ信号をサンプリングすれば、誤差を大幅に低
減することができ、アナログ/ディジタル変換手段の分
解能以上の分解能を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0029】図1において、サンプルホルダ101、A
/D変換器102、ディジタルフィルタ103、ディジ
タル処理部104によりディジタル信号処理装置が構成
されており、サンプルホルダ101にアナログセンサ1
00からのアナログ信号が入力されている。アナログセ
ンサ100は例えば、電流、電圧、速度、圧力、温度な
ど各種アナログ量のデ−タを電圧に変換するもので構成
されている。そしてアナログセンサ100のアナログ信
号がサンプルホルダ101に入力されると、サンプルホ
ルダ101によってサンプリングされると共にホ−ルド
され、ホ−ルドされたデ−タがA/D変換器102へ出
力される。A/D変換器102は入力デ−タをディジタ
ルデ−タに変換し、変換したデ−タをディジタルフィル
タ103へ出力するようになっている。ディジタルフィ
ルタ103は入力デ−タにフィルタ処理を施し、入力デ
−タ群の中から特定の周波数成分のデ−タを抽出し、抽
出したデ−タをディジタル処理部104へ出力するよう
になっている。ディジタル処理部104は入力デ−タを
基に各種処理演算を行い、演算結果を出力するようにな
っている。
【0030】ここで、アナログセンサ100の出力信号
を計測したところ、アナログ信号の信号成分には、図3
の(A)に示されるように、高次の高調波成分が含まれ
ていることが測定された。すなわち、アナログ信号に
は、ノイズ成分として電源などに誘導したノイズ、いわ
ゆる外乱ノイズが含まれている。このような外乱ノイズ
は、サンプルホルダ101の出力及びA/D変換器10
2の入力部にも発生する。このようなアナログ信号をサ
ンプリング周波数fs=600Hzでサンプリングする
と、図3の(B)に示されるような波形となり、周波数
分析してみると図3の(C)に示されるように、アナロ
グ信号の通過帯域内にノイズが発生する。このノイズ成
分はサンプリング周波数fsの1/N(Nは2以上の整
数)の周波数に依存して発生することが確認された。
【0031】そこで、本実施形態においては、図2に示
されるようにディジタルフィルタ103の阻止域T2を
アナログ信号の通過域T1より高い周波数帯域に設定す
ると共に、サンプルホルダ101のサンプリング周波数
fsを、外乱ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズの発生
領域がディジタルフィルタ103の阻止域T2以上とな
る周波数に設定することとされている。すなわち、周波
数f〜fを通過域とした場合、ノイズが多く発生す
る周波数領域f〜1/2fsが阻止域T2となるよう
設定されている。またディジタルフィルタ103の特性
を設定するに際しては、サンプリング定理により扱う周
波数領域はサンプリング周波数fsの半分以下を考慮す
ればよいので、例えば周波数f〜1/2fsの部分を
減衰させるように、周波数−ゲイン特性を設定すればよ
いことになる。
【0032】上記構成において、図3の(D)に示され
るように、サンプリング周波数fs=3kHzでサンプ
リングしたところ、図3の(E)に示されるように、外
乱ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズを含む総合ノイズ
107が通過域T1をはずれ、ディジタルフィルタ10
3の阻止域T2内に発生することが測定された。すなわ
ち総合ノイズをアナログ信号と分離することが可能とな
り、高精度なディジタル信号処理演算を行うことが可能
となる。
【0033】次に、図4を用いて図1を発展させた実施
形態について説明する。
【0034】本実施形態はディジタルフィルタ200の
みが異なり他のものは前記実施形態と同様であるので、
同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略す
る。
【0035】外乱ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズを
含む総合ノイズはサンプリング周波数fsの1/N(N
は整数)の周波数に従って発生する。そこで、図5の
(A),(B)に示されるように、ノイズ成分202の周
波数に合わせてディジタルフィルタ200の零点周波数
F1〜F6を設定すれば、ノイズをより減衰させること
ができる。この場合、ディジタルフィルタ200の零点
周波数として、阻止域T2に含まれる周波数であって、
サンプリング周波数fsの1/整数となる周波数をすべ
て選択したり、あるいはノイズレベルの実測値からノイ
ズレベルの高い零点周波数のみを選択することも可能で
ある。
【0036】また総合ノイズはランダムに発生するの
で、前もって総合ノイズが多く発生する周波数を予想し
て零点周波数を設定することも可能である。更に後述す
るように、ノイズの発生する周波数を検出し、検出した
周波数がディジタルフィルタ200の零点周波数となる
ように、ディジタルフィルタ200の構成及び特性をア
ダプティブに変更することも可能である。
【0037】また、A/D変換器102を、12ビット
の分解能を有するもので構成した場合、ディジタルフィ
ルタ200として図5に示される特性のものを用いれ
ば、A/D変換器102の分解能以上の分解能を得るこ
とができる。
【0038】つぎに、ディジタルフィルタ200の実施
形態を図6及び図7に基づいて説明する。
【0039】図6及び図7はディジタルフィルタ200
の代表的なブロック概念構成を示し、図6はIIR型
(Infinite-extent Impulse Response)フィルタで
あい、図7はFIR型(Finite-extent Impulse Re
sponse)フィルタである。
【0040】図6において、次数が2次の場合のフィル
タは加算ブロック301,302,303,304、フ
ィルタ係数ブロック305,306,307,308,
309、信号Wnを周期Tの1時刻分遅延する遅延ブロ
ック310、信号Wn−1を1時刻分遅延する遅延ブロ
ック311を備えて構成されており、入力信号Xnにフ
ィルタ処理を施してフィルタ出力デ−タYnを発生する
ようになっている。
【0041】上記フィルタを演算式で表わすと次の
(1),(2)によって表わされる。
【0042】
【数1】 Wn=Xn+Wn−1・B1+Wn−2・B2……(1)
【0043】
【数2】 Yn=Wn・A0+Wn−1・A1+Wn−2・A2 ……(2) 上記構成において、フィルタ係数305〜309を調整
することにより、次の(3)〜(7)式に示す各種のフ
ィルタを実現することができる。(ロ−パスフィルタ)
【0044】
【数3】 (バンドパスフィルタ)
【0045】
【数4】 (ハイパスフィルタ)
【0046】
【数5】 (ノッチフィルタ)
【0047】
【数6】 ここで、r=2・cos2πf・T T:サンプリング周期 f:阻止周波数 (オ−ルパスフィルタ)
【0048】
【数7】 なお、zは伝達関数であり、Zはアナログ系のsに相当
する(s=jω,z=ejω)。
【0049】図7に示すフィルタは加算ブロック32
0,321、フィルタ係数ブロック322,323,3
24、入力信号X’nを1時刻分遅延する遅延ブロック
325、信号X’n−1を1時刻分遅延する遅延ブロッ
ク326を備えて構成されており、入力信号X’nにフ
ィルタ処理を施して出力デ−タY’nを出力するように
なっている。
【0050】上記構成におけるフィルタを演算式で示す
と次の(8)式によって表わせる。
【0051】
【数8】 X’n=A’0・X’n+A’1・X’n−1+A’2・X’n−2 ……(8) 所望の減衰特性を得るために、上記したフィルタをカス
ケ−ド接続して実現する。
【0052】上記した各フィルタを用いるに際して、本
実施形態では、後述するようにDSP(デジタルシグナ
ルプロセッサ)を用いたディジタルフィルタ手段により
入力信号のフィルタ処理を行い、予め定められたフィル
タ係数に基づいてサンプリング周期T毎に繰り返して演
算処理を行うこととしている。このため、入力点数に応
じて時分割によるフィルタ処理を、ソフトウェア的に行
わせることができ、入力点数の増減、特性の変更、プリ
ント基板の標準化に対応することが可能となる。すなわ
ち、従来、12チャンネル分の信号系が必要な場合、ア
ナログフィルタとして12チャンネル分必要となるが、
本実施形態のフィルタを用いれば、チャンネル数に応じ
てソフトウェア的にフィルタを構成すればよいことにな
る。
【0053】また、アナログフィルタを用いずにフィル
タ処理できることから、アナログフィルタのように、抵
抗、コンデンサなどの素子の初期値偏差、周囲温度によ
る素子値の変動、軽減変化による素子の劣化などの要因
がまったくなく、高性度化、無調整化が可能となる。更
に外付けの点検回路が不要となり、内部のソフトウェア
で特性の変更等に対応できるため、製作工程を大幅に短
縮でき、メンテナンスも不要となる。
【0054】次に、誤差の周波数成分を検出し、ディジ
タルフィルタ200の構成及び特性を変更して、更に誤
差を低減させる実施形態について説明する。
【0055】まず、図8に従ってディジタルフィルタ2
00の特性変更例について説明する。
【0056】図8に示すディジタルフィルタ200はI
IR型のフィルタであり、フィルタ係数ブロック30
5,307,309の係数によって構成を決定すること
ができる。例えば、フィルタをロ−パスフィルタとして
構成する場合には、フィルタ係数ブロック305の係数
A0=1.0、フィルタ係数ブロック307の係数A1
=2.0、フィルタ係数ブロック309の係数A2=
1.0とすればよく、零点を設けるために、ノッチフィ
ルタの構成にするには、係数A0=1.0、係数A2=
2cosωT、係数A2=1.0とすればよい。(但
し、ω=2πf,f:零点周波数) フィルタの特性、例えば中心周波数fや選択度Qは、
ブロック400で示されるように、フィルタ係数306
の係数B1,B2を所望の特性を満たすように変更する
ことにより実現できる。
【0057】図9の(A)〜(C)にはロ−パスフィル
タ402、バンドパスフィルタ403、ノッチフィルタ
403の周波数−ゲイン特性例が示されている。
【0058】次に、図10及び図11に基づいて図4に
示す実施形態の詳細な処理内容について説明する。
【0059】図10はブロック511で示すイニシャル
処理において誤差の周波数分析を行い、誤差を低減する
ようにしたフィルタ係数を導出し、これに基づいてブロ
ック512にて通常の処理を行う例である。以下にその
具体的な内容を説明する。
【0060】まず、ステップ500において、ディジタ
ルデ−タをデ−タメモリに格納するに際して、デ−タメ
モリのクリアなどの初期設定を行い、A/D変換器10
2からディジタルデ−タが入力されたか否かの判定を行
う(ステップ501)。ディジタルデ−タが入力された
ときには(ステップ502)、ディジタルデ−タがn個、
例えば512個入力されたか否かの判定を行なう(ステ
ップ503)。ディジタルデ−タがn個入力されるまで
ステップ501〜503までの処理を継続し、デ−タ数
がn個に達したときには、これらのデ−タに関するスペ
クトル分析を実施する(ステップ504)。このスペク
トル分析を行うに際しては、FFT演算(高速フ−リエ
変換)を用いて行う。このスペクトル分析によって通過
域T1以外の領域に発生するノイズの周波数を検出す
る。この後検出した周波数がディジタルフィルタ200
の零点周波数となるようにフィルタ係数を導出する(ス
テップ505)。具体的には、ノッチフィルタを用いて
零点周波数を設定する場合には、フィルタ係数は次の
(9)〜(13)式によって求めることができる。
【0061】
【数9】 A0=1.0 ……(9)
【0062】
【数10】 A1=2cosωT ……(10)
【0063】
【数11】 A2=1.0 ……(11)
【0064】
【数12】
【0065】
【数13】 但し、ω:2πf:零点周波数 ω:2πf:しゃ断周波数 Q :選択度 T :サンプリング周期 以上の演算式を用いて誤差の発生する周波数を零点にす
るようにイニシャル処理する段階で、フィルタの特性及
び構成を決定する。すなわちフィルタをカスケ−ドに何
段接続するかなどについて決定する。実際には、発生す
る誤差の周波数は大きく変化することはないので、イニ
シャル時にフィルタの特性及び構成を設定しても実用上
問題になることはない。
【0066】次に、ブロック512の処理に移り、オン
ラインでの処理として、デ−タ入力割込みがあるか否か
の判定を行い(ステップ506)、割込みがある場合に
は、デ−タ入力を行う(ステップ507)。この後イニシ
ャル時に求めたディジタルフィルタの係数を用いてディ
ジタルフィルタ処理を実行し、誤差の低減を図る(ステ
ップ508)。入力デ−タにフィルタ処理が施されたデ
−タを基にディジタル演算を行い(スイップ509)、
演算結果に従ったデ−タを出力する(ステップ51
0)。
【0067】図11は、図10に示した実施形態がイニ
シャル時に誤差の周波数分析をい、この分析結果に従っ
てフィルタ係数を設定したのに対して、サンプリング毎
に誤差の周波数分析を行い、フィルタ係数をアダプティ
ブに変更し、常時誤差の周波数成分を大幅に低減するよ
うにしたものである。
【0068】以下に具体例について説明する。
【0069】まず、デ−タメモリをクリアなどする初期
設定を実行し(ステップ600)、デ−タ入力割込み有
りか否かの判定を行う(ステップ601)。デ−タ入力
割込み有りのときにはデ−タを入力し(ステップ60
2)、この入力デ−タを基にオンラインにてスペクトル
分析を行う(ステップ603)。このスペクトル分析に
よって誤差の周波数分析を行い、この分析結果に従っ
て、検出したノイズの周波数成分を低減するように、デ
ィジタルフィルタの係数を求める(ステップ604)。
この後フィルタ係数を求めて入力デ−タにフィルタ処理
を施す(ステップ605)。次にフィルタ処理されたデ
−タを基にディジタル演算を行い(ステップ606)、
その演算結果を出力する(ステップ607)。そしてこ
れらの一連の動作を周期T毎に繰り返しディジタルデ−
タを算出する。
【0070】本実施形態の場合には、フィルタの構成及
び特性をアダプティブに変更するようにしたため、ラン
ダムに発生する外乱ノイズや量子化誤差に伴うノイズの
発生状況に合わせてノイズを低減することができ、更に
高精度なディジタル演算処理が実現できる。
【0071】図12には、本発明に係るディジタル信号
処理装置を電力用ディジタル保護リレ−装置に適用した
ブロック構成が示されている。
【0072】図12に示される装置は保護リレ−に係る
処理機能を9種のユニットに分割して構成されており、
これらのユニットのうちアナログ入力ユニット700に
本発明に係るディジタル信号処理装置が適用されてい
る。そしてこれらの各ユニットは、マルチプロセッサシ
ステムのためのシステムコントロ−ルユニット705、
アナログ入力のA/D変換およびディジタルフィルタ処
理を行なうアナログ入力ユニット700、リレ−演算ユ
ニット701、シ−ケンス処理ユニット702、整定・
表示処理ユニット706、ディジタル入出力ユニット7
03、事故検出ユニット709、補助リレ−ユニット7
04、表面パネルユニット710から構成されている。
【0073】ユニット700,701,702,70
4,705及び706はそれぞれ汎用システムバスB1
を介して接続されている。
【0074】また、シ−ケンス処理ユニットとディジタ
ル入出力ユニット703とは、汎用システムバスB1と
は異なる入出力I/OバスB2で接続されている。
【0075】さらに、事故検出ユニット709内のリレ
−演算部707とシ−ケンス処理部708は、上記した
バスB1およびB2とは異なる入出力I/OバスB3で
接続されている。
【0076】なお、システムには、図示しないが電源装
置を備え、これにより、各ユニットが駆動される。
【0077】次に、上記電力用ディジタル保護リレ−装
置の概要を図13〜図16に基づいて説明する。
【0078】ステップ2001では、電力系統よりの情
報、すなわち、例えば、送電線の電圧、電流を入力し、
さらにアナログ量をディジタル量に変換する。
【0079】ステップ2002では、事故検出あるいは
制御用の電気量を導出する。この電気量の導出には、電
力系統事故時の電圧、電流の大きさ、事故点までのイン
ピ−ダンスZ、抵抗分R、リアクタンス分X、事故点の
方向、事故時の周波数などがある。
【0080】ステップ2003では、ステップ2002
で導出した電気量を所定の整定値と比較判定する。比較
判定の結果、事故と判定されたら、ステップ2004に
進む。
【0081】ステップ2004では、ステップ2003
で判定された事故条件が継続されているかどうかの判定
を行ない、継続されていればステップ2005に進む。
ステップ2005では、事故と判定されたのでその情報
を記憶する。ステップ2006では、ステップ2005
で記憶されている各種リレ−の動作を基に、システムの
シ−ケンス処理(外部条件、タイマ−との組み合わせも
ある)を行ない、事故と判定された場合には、遮断器に
対する遮断指令を発するものである。ステップ2007
は、装置の点検・監視処理である。
【0082】電力用のディジタル制御保護装置は、上記
した処理をアナログ入力のサンプリング周期Tのn倍
(nは整数)以内に繰り返し実行するものである。
【0083】図14には公知のリアクタンスリレ−(1
要素分)とモ−リレ−(1要素分)の特性例を示す。図
において、jxはインピ−ダンスの誘導リアクタンス分
である。
【0084】またステップ2002では、上記リレ−要
素を約30〜50要素分処理し、ステップ2006のシ
−ケンス処理はこれらのリレ−要素出力を基に、システ
ムに対応した所期のシ−ケンス処理を行なう。さらに図
14に示したZ1およびZ2が整定値であり、保護リレ
−の場合には、この値が保護範囲を決定する。この値は
電力系統の変更、これに伴う保護範囲の変更の場合に
は、人間により装置外部よりオンラインにて変更される
ようになっている。
【0085】図15は、図14に示したリアクタンスリ
レ−の処理フロ−例を示し、図16は図15のそれぞれ
の処理ステップに対応する処理波形例を示す。図15と
図16において、符号S1〜S7はそれぞれ対応するも
のである。
【0086】このリアクタンスリレ−の場合、まず、電
圧・電流デ−タを入力し(ステップS1,2)、これら
について種々の演算を実行し(ステップS3〜S7)、
演算結果を整定値と比較する(ステップS8)。ここ
で、演算結果が整定値より大きければ、異常状態の持続
時間を調べるためのカウンタ(図示せず)を+1歩進す
る(ステップ9)。
【0087】ついで、このカウンタの計数値が所定計数
値より大きくなったか否かを調べる(ステップS10)。
ここで、カウンタの計数値が所定計数値より大きけれ
ば、リレ−を動作させるべき状態と判断して、要素リレ
−の出力を1とする(ステップS11)。 一方、計数
値が所定値に達していなければ、要素リレ−の出力を0
として、動作させないでおく(ステップS12)。
【0088】ところで、前記ステップS8において、演
算結果が整定値より小さければ、前記カウンタをクリア
し(ステップS13)、当然のことながら、要素リレ−
の出力は0である(ステップS14)。
【0089】次に、本発明を適用する電力用ディジタル
保護装置のアナログ入力ユニットについて説明する。
【0090】図17において、1101−1〜1101
−Nは外部から入力するアナログ信号in1〜inNを
入力し上記入力信号に重畳する高調波を除去するための
ロ−パスフィルタ(主にサンプリングによる折り返し誤
差防止用に用いる、以下LPFと略記する)である。1
102−1〜1102−Nはサンプルホ−ルド(以下S
/Hと略記する)回路、1103はマルチプレクサ(M
PXと略記する)、1104はアナログディジタル変換
(以下A/Dと略記する)回路、1105はデュアルポ
−トRAM(DPRAM)を用いたA/D変換デ−タの
バッファメモリである。
【0091】1100はDSP(Digital Signal P
rocessor)、1107はDSPのインストラクション格
納用のプログラムメモリ(ROM)、LBはロ−カルバ
ス、1109はシステムバスとのデ−タの受け渡し用の
デュアルポ−トデ−タメモリ、1110はシステムバス
インタ−フェイス回路、B1はシステムバスである。
【0092】1106はタイミング発生回路であって、
S/H回路1102−1〜1102−N、MPX110
3,A/D回路1104およびバッファメモリ1105
の動作を制御する。また、DSP1100に対して割込
み信号を発する。
【0093】以上示した実施形態では、個別のIC及び
LSIを組み合せて構成した例を示した。
【0094】ところで、個別のIC及びLSIを一つの
LSIに集積することは実現可能なことである。
【0095】例えば、図17において、アナログ部であ
る、LPF,S/H,MPX及びA/D変換器を1つの
LSIに集積し、DSP,ROM、バッファメモリ及び
デ−タメモリを1つのLSIに集積することで、回路の
大幅な小形化及びコンパクト化が達成できる。
【0096】あるいは、図17に示した各機能のIC及
びLSIを1つのLSIに集積して、より一層の小形化
及びコンパクト化を図ってもよいことは、容易に理解で
きることである。
【0097】先に説明したディジタルフィルタ演算は、
図17の1100に示したDSPで行う。すなわち、デ
ィジタルフィルタ演算は、先にも述べたように、小数点
デ−タの積和演算を多数繰返す必要があるため、高速な
積和演算が可能なDSPが適する。
【0098】DSPは、固定小数点演算形及び浮動小数
点演算形があり、本発明のディジタルフィルタ演算を実
行するプロセッサとしては両方とも適用可能であるが、
広いダイナミックレンジが確保でき、オ−バ−フロ−や
アンダ−フロ−を特に意識する必要がない浮動小数点演
算形DSPを用いるのが望ましい。
【0099】次に、このDSPについて述べる。
【0100】図18にDSPの一実施形態の構成の詳細
図を示す。
【0101】本実施形態のDSPは、図示のように、外
部メモリのアドレス指定を行なうアドレスレジスタ12
00、パラレル・ポ−トとして使用するデ−タレジスタ
1201、デ−タRAM1203、mビット×mビット
の高速並列乗算器1204、インストラクション用RO
M1205、加減算等を行なうALU(ArithmeticLogi
c Unit)1207、アキュムレ−タ等のレジスタ12
08、外部との制御信号(a,bおよびcなど)の割込
み等をコントロ−ルする制御回路1209、DSP内の
内部バス1210を含んで構成されている。
【0102】前記乗算器1204は、1インストラクシ
ョンサイクルの間に入力信号A,Bの内容を乗算し、そ
の結果Cを、内部バス1210に出力するものである。
【0103】また、ALU1207は、内部バス121
0からのデ−タとレジスタ1208のデ−タとを加減算
し、結果をレジスタ1208に書き込む。
【0104】なお、DSPは、周知のように、1インス
トラクションサイクルの間に積和演算が可能であるこ
と、パイプライン処理が可能であることなどにより、固
定および浮動小数点デ−タの高速な数値演算を実現でき
ることを特徴とする。これにより、多入力点数に係る入
力デ−タを実時間でフィルタリング可能とするものであ
る。この点、浮動小数点演算ユニットを内蔵しない汎用
のマイクロプロセッサでは処理速度が遅いので、適用で
きない。
【0105】図19は、図17に示したアナログ入力ユ
ニットの処理タイミング例を示す。図に示すように、ア
ナログ入力ユニットは、適用するシステムにより、以下
に示す3種のケ−スで処理できるようになっている。
【0106】まず、図19の(B)に示すように、例え
ば、ディジタルフィルタ演算は3kHz周期で行い、5
サンプルのディジタルフィルタ演算の終了後に、演算結
果を制御・保護演算ユニットに転送する。これにより6
00Hz周期の演算部との同期化を図ることができる。
【0107】第2のケ−スとしては、(C)図に示すよ
うにディジタルフィルタ演算は3kHz周期で行い、演
算結果も3kHz周期で制御・保護演算ユニットに転送
するようにする。
【0108】第3のケ−スとしては、(D)図に示すよ
うに、ディジタルフィルタ演算と共に、制御・保護演算
も3kHz周期で行うようにする。すなわち、図18に
示したDSPでフィルタ演算及び制御・保護演算の両方
を行うようにする。これにより第2,第3のケ−スの場
合には演算処理の高速化が図れる。
【0109】次に本発明を電力用ディジタル保護リレ−
に適用したことによる特性改善効果例について述べる。
【0110】図20は、送電線の後備保護などに適用さ
れる、リアクタンスリレ−の位相特性を示す。このう
ち、図20(A)は、従来方式(アナログフィルタ適
用)の位相特性を示し、(B)は本発明を適用した方式
の位相特性を示す。両方式共にリアクタンスリレ−の演
算は全く同じアルゴリズムである。
【0111】リアクタンスリレ−の演算式及び条件を以
下に示す。
【0112】
【数14】 ここに、 I:電流値、 V:電圧値、Z:整定値、 K:比較値、 N:積分回数 整定値 1 Ω 周波数 50Hz 電 流 5 A 図20から明らかなように、従来方式は、不動作域と動
作域の間の不完全動作域が広い。すなわち、このことは
動作インピ−ダンス誤差が大きいことを表わしている。
この実施形態では特性角上(位相角90°)の動作イン
ピ−ダンス誤差(整定したインピ−ダンスに対し、動作
したインピ−ダンスの誤差)が3〜4%ある。
【0113】一方、図20(B)に示す本発明を適用し
た方式は不動作域と動作域の間の不完全動作域が狭い。
すなわち、このことは動作インピ−ダンス誤差が従来方
式に比べ、非常に小さいことを表わしている。
【0114】この実施形態では、特性角上の動作インピ
−ダンス誤差は1%以下を実現した例である。
【0115】第21図は、上記したリアクタンスリレ−
の動作インピ−ダンス特性例を示す。
【0116】図21において、点線で示す1500a及
び1500bの特性は従来方式の動作インピ−ダンス特
性を示すものであり、実線で示す1501a及び150
1bの特性は本発明による動作インピ−ダンス特性を示
すものである。
【0117】この特性図からも明らかなように、本発明
による動作インピ−ダンス特性が従来方法に比べ、不完
全動作域が狭く、非常に高精度化(高感度化)が実現で
きることが明らかであり、従来方式に対し、3〜5倍の
高感度化が可能である。
【0118】図22は、微分方程式に基づき事故点まで
の抵抗分R及びリアクタンス分Lを求める距離リレ−の
入力部に、本発明を適用した場合の位相特性を示すもの
である。
【0119】図22(A)は従来方法による特性例であ
り、(B)が本発明による特性例である。
【0120】図から明らかであるように、本発明を適用
した特性が、動作域と不動作域との間の不完全動作域の
幅が非常に狭く、高精度化(高感度化)を実現できるこ
とが理解される。
【0121】図23は、本発明を適用した、電力系統の
電圧実効値検出の処理ブロック構成例を示すものであ
る。各ブロックの処理は、先に説明した図17のDSP
1100で演算処理する。これは、例えば電力系統の電
圧・無効電力制御装置に適用するものである。
【0122】図23において、1701のブロックはデ
ィジタルフィルタ処理ブロックで本発明を適用するブロ
ックである。このブロックで、入力信号Viに重畳した
高調波及びオフセット分と外乱ノイズや量子化誤差を減
衰させる。
【0123】特に、基本波のn倍(整数倍)の低次高調
波及び上記した外乱ノイズや量子化誤差の周波数がディ
ジタルフィルタの零点周波数あるいは、零点周波数の近
傍になるように、フィルタ係数を設定し、大きな減衰量
を得るようにする。
【0124】次に、フィルタリングしたデ−タを用い
て、1702のブロックで信号の周波数を求める。
【0125】ところで、入力デ−タの周波数、すなわち
電力系統の周波数は変動する(±1〜3Hz)ため、デ
ィジタルフィルタの周波数特性で変動するゲインを補正
する必要がある。
【0126】そこで、1703のブロックでは、170
2のブロックで求めた周波数を用いて、入力デ−タのゲ
イン補正を行う。
【0127】次に、ゲイン補正した、フィルタリングし
た入力デ−タのピ−ク値を1704のブロックで求め
る。
【0128】例えば、ピ−ク値を求めるには、ピ−クの
値を保持する方法や、以下の式に示すような演算を行う
ことにより求めることができる。
【0129】
【数15】 △t:サンプリング間隔 ω=2πf f:検出した周波数 次に、上記ピ−ク値を用いて、1705のブロックでは
実効値を求め、さらに高精度化のために、1706のブ
ロックで平均化処理を行う。
【0130】このようにして、入力デ−タの実効値を、
精度0.01%以下で求めることができる。
【0131】当然ながら、この高精度化を達成するため
には、1701のブロックに示した本発明を適用したデ
ィジタルフィルタが不可欠であることは言うまでもない
ことである。
【0132】次に、本発明を適用した、別の電力系統の
電圧実効値検出方法の実施形態について図24を用いて
説明する。
【0133】処理の概要は、電力系統からの入力信号の
周波数に応じた外部同期信号に同期して、入力信号をサ
ンプリングすると共にA/D変換して、ディジタルフィ
ルタリングし、電圧実効値を求めるものである。いわ
ば、サンプリング周波数を外部条件によりアダプティブ
に変更して、フィルタ特性を変更し、同一アルゴリズム
(例えば、1周期分のデ−タを二乗して積分する。)で
高精度に電圧実効値を求めるものである。これは、例え
ば電力系統の静止形無効電力補償装置に適用するもので
ある。
【0134】図24において、ステップ1800ではデ
−タ入力割込み有かを判定する。このとき、割込み信号
は、先に述べたように、電力系統からの入力信号の周波
数に同期するものである。
【0135】割込み有ならば、ステップ1801でデ−
タ入力を行う。
【0136】その後、ステップ1802で本発明を適用
したディジタルフィルタ演算処理を行う。
【0137】すなわち、外乱ノイズや量子化誤差の発生
する周波数をディジタルフィルタの阻止域となるように
して、ステップ1803に示す電圧実効値検出に悪影響
を与えないようにする。
【0138】ステップ1803では、例えば、以下に示
すような演算を行い、電圧の実効値を求める。
【0139】
【数16】 この場合、入力信号の周波数に応じてサンプリング周波
数を変更するので、入力信号の周波数にかかわらずに、
上記アルゴリズムは一定でよい。
【0140】ステップ1804では、検出した電圧実効
値を出力する。
【0141】図25は、ステップ1802で示したディ
ジタルフィルタの周波数−ゲイン特性例を示す。
【0142】電力系統からの入力信号の周波数の変化分
だけ、例えば、特性1805を特性1806に変更させ
たものである。
【0143】ここで、外乱ノイズや量子化誤差の発生す
る周波数も、サンプリング周波数に比例して変化するの
で、これらの誤差の低減効果は変わることはない。従っ
て、非常に高精度に、電圧実効値の検出が可能であるこ
とは、いうまでもないことである。
【0144】次に、本発明を適用したディジタル信号処
理システムの実施形態について説明する。
【0145】まず、図26に示すシステムは信号解析シ
ステムである。
【0146】本実施形態では、物理量(変位、速度、圧
力、温度など)をトランスデュ−サ3001によって、
電位に変換する。このトランスデュ−サ3001の出力
を通常規則的な時間間隔でディジタル化する。すなわ
ち、A/D変換器3002でディジタル量に変換する。
【0147】このディジタル量を、例えば、スペクトラ
ムアナライザ3004でスペクトル解析し、振幅、位
相、電力あるいはエネルギ−等の周波数分析を行なう。
この場合、スペクトル解析に本発明を適用すれば、A/
D変換により発生する量子化誤差を大幅に低減でき、高
精度なスペクトル解析が可能である。また、A/D変換
したデ−タの高周波成分の除去、あるいは、特定の信号
周波数成分の抽出をディジタルフィルタ3004を用い
て行なえば、高精度がデ−タが得られる。
【0148】なお、3005は、取込んだ信号と他の信
号との相関関数を求めるための相関器がある。
【0149】図26において、本発明をA/D変換後の
フィルタリングの部分に適用することができ、高精度な
信号解析システム(例えばスペクトラムアナライザな
ど)を構成できる。
【0150】図27に示すシステムは、音声信号処理装
置、すなわち、CODEC(変復調器)の構成例であ
る。
【0151】アナログセンス4001により音声信号を
取込み、この信号をA/D変換器4002でA/D変換
した後に、ディジタルシグナルプロセッサ4003に
て、エコ−キャンセルなどの処理を施し、D/A変換器
4004にてD/A変換してアナログ信号に変更する。
そしてアナログ信号によりアナログ制御器4005でア
ナログ制御を実行する。
【0152】図27図において、本発明はA/D変換及
びディジタルシグナルプロセッサによるエコ−キャンセ
ル処理の部分に適用できる。
【0153】図28に示すシステムは、ディジタルデ−
タレコ−ダの構成例である。
【0154】図28において、複数のアナログ入力信号
をアナログセンサ5001で取込み、これらの信号をア
ナログマルチプレクサ5002で切換えて、順次A/D
変換器5003でA/D変換し、ディジタルシグナルプ
ロセッサ5004でディジタル信号処理を施し、このデ
−タをレコ−ダ5005に記憶するものである。図28
において、本発明は、A/D変換及びディジタルシグナ
ルプロセッサの部分に適用することができ、入力信号の
忠実な記憶が可能である。
【0155】図29に示すシステムは、ディジタルオ−
ディオ装置の一例である。このシステムでは、音源60
01をアナログ処理部6002で処理し、この信号をA
/D変換器6003でA/D変換し、このデ−タに処理
部6004でディジタル処理を施し、録音機6005で
録音するものである。音を再生する場合には、よりディ
ジタル的に録音した信号7001を処理部7002で処
理し、このデ−タをD/A変換器7003でD/A変換
し、アナログ信号を処理部7004で処理し、スピ−カ
7005から音として出力するようにしたものである。
【0156】図29において、本発明は、録音系のA/
D変換及びディジタル処理の部分に適用することがで
き、これにより、音源の忠実な録音が可能であり、信号
対ノイズ比(S/N比)が大幅に向上できる。
【0157】
【発明の効果】本発明によれば、外乱ノイズ及び量子化
誤差によるノイズの周波数領域をディジタルフィルタの
阻止域にすることができるので、以下に示す効果があ
る。
【0158】(1)適用したA/D変換器の分解能以上
の分解能が発揮できる。
【0159】(2)外乱ノイズ、量子化誤差に伴なうノ
イズの影響を受けない高精度で安定な入力信号の抽出が
可能である。
【0160】(3)電力系統用保護装置に適用すること
により、不完全な動作域を非常にせまくすることがで
き、高精度な保護演算が可能である。
【0161】(4)電力系統の電圧実効値検出に適用す
ることにより、検出精度0.01%以下で電圧実効値を
求めることができ、電圧・無効電力制御装置及び静止形
無効電力補償装置の大幅な精度向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック構成図であ
る。
【図2】図1に示すデジタルフィルタの特性図である。
【図3】従来例と本発明のサンプリング方法を説明する
ための図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示すブロック構成図で
ある。
【図5】図4に示すデジタルフィルタの特性図である。
【図6】IIR形フィルタの構成図である。
【図7】FIR形フィルタの構成図である。
【図8】IIR形フィルタの適用例を示す図である。
【図9】図8に示すフィルタを用いたときの周波数特性
図である。
【図10】本発明をアダプティフィルタに適用したとき
の作用を説明するためのフロ−チャ−トである。
【図11】本発明をアダプティフィルタに適用したとき
の作用を説明するためのフロ−チャ−トである。
【図12】本発明を適用した電力系統制御・保護装置の
ブロック構成図である。
【図13】図12の作用を説明するためのフロ−チャ−
トである。
【図14】電力系統制御・保護装置の位相特性図であ
る。
【図15】リアクタンスリレ−の作用を説明するための
フロ−チャ−トである。
【図16】図15の処理フロ−に対応した動作波形図で
ある。
【図17】本発明を適用した電力系統制御・保護装置の
アナログ入力ユニットのブロック構成図である。
【図18】DSPのブロック構成図である。
【図19】アナログ入力ユニットの動作タイミングを説
明するための図である。
【図20】本発明を適用した電力系統制御・保護装置の
位相特性図である。
【図21】本発明を適用したリアクタンスリレ−の動作
インピ−ダンス特性図である。
【図22】本発明を適用した距離リレ−の位相特性図で
ある。
【図23】本発明を適用した電力系統の電圧実効値検出
の処理ブロック構成図である。
【図24】図23の作用を説明するためのフロ−チャ−
トである。
【図25】図23に示す装置の周波数特性図である。
【図26】本発明を適用した信号解析装置のブロック構
成図である。
【図27】本発明を適用した音声信号処理装置のブロッ
ク構成図である。
【図28】本発明を適用したデジタルデ−タレコ−ダの
ブロック構成図である。
【図29】本発明を適用したディジタルオ−ディオ装置
のブロック構成図である。
【符号の説明】
100 アナログセンサ 101 サンプルホルダ 102 A/D変換器 103、200 ディジタルフィルタ 104 ディジタル処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 潤三 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 河合 忠雄 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分事業所内 (56)参考文献 特開 昭63−93225(JP,A) 特開 昭62−7298(JP,A) 特開 平1−227612(JP,A) 特開 昭62−285510(JP,A) 特開 昭50−3747(JP,A) 特開 昭50−110251(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 3/02 H03H 17/00 H03M 1/08

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ信号をサンプリングしてディジ
    タルデ−タに変換し、このディジタルデ−タにディジタ
    ルフィルタによるフィルタ処理を施し、フィルタ処理さ
    れたディジタルデ−タを演算処理するに際して、ディジ
    タルフィルタの阻止域をアナログ信号の通過域より高い
    周波数帯域に設定し、サンプリング周波数を、外乱ノイ
    ズ及び量子化誤差に伴うノイズの発生領域がディジタル
    フィルタの阻止域以上となる周波数に設定したディジタ
    ル信号処理方法。
  2. 【請求項2】 アナログ信号をサンプリングしてディジ
    タルデ−タに変換し、このディジタルデ−タにディジタ
    ルフィルタによるフィルタ処理を施し、フィルタ処理さ
    れたディジタルデ−タを演算処理するに際して、サンプ
    リング周波数を、サンプリングによる外乱ノイズ及び量
    子化誤差に伴うノイズが多く発生する領域がアナログ信
    号の通過域よりも高い領域となる周波数に設定し、ディ
    ジタルフィルタの阻止域をアナログ信号の通過域より高
    くサンプリング周波数の1/2以下の周波数域に設定し
    たディジタル信号処理方法。
  3. 【請求項3】 サンプリング周波数の1/N(N:2以
    上の整数)倍の周波数をディジタルフィルタの零点周波
    数に設定した請求項1または2に記載のディジタル信号
    処理方法。
  4. 【請求項4】 ディジタルフィルタの零点周波数及び減
    衰特性を外乱ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズの実測
    値に従って設定した請求項3に記載のディジタル信号処
    理方法。
  5. 【請求項5】 外乱ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズ
    の発生領域及び大きさを演算により求め、この演算値を
    基にディジタルフィルタの零点周波数及び減衰特性を設
    定した請求項3に記載のディジタル信号処理方法。
  6. 【請求項6】 外乱ノイズ及び量子化誤差に伴うノイズ
    の発生領域及び大きさをスペクトル分析し、この分析結
    果からディジタルフィルタの零点周波数及び減衰特性を
    設定した請求項3に記載のディジタル信号処理方法。
  7. 【請求項7】 ディジタル演算処理の演算周期よりも短
    い周期でアナログ信号をサンプリングする請求項1、
    2、3、4、5又は6に記載のディジタル信号処理方
    法。
  8. 【請求項8】 アナログ信号をサンプリングしてホ−ル
    ドするサンプルホ−ルド手段と、サンプルホ−ルド手段
    によりホ−ルドされたデ−タをディジタルデ−タに変換
    するアナログ−ディジタル変換手段と、アナログ−ディ
    ジタル変換手段出力のディジタルデ−タにフィルタ処理
    を施すディジタルフィルタ手段と、ディジタルフィルタ
    手段出力のディジタルデ−タを基に演算処理を実行する
    ディジタル処理手段とを備え、ディジタルフィルタ手段
    は、ディジタルフィルタの阻止域がアナログ信号の通過
    域より高い周波数帯域に設定され、サンプルホ−ルド手
    段のサンプリング周波数は、外乱ノイズ及び量子化誤差
    に伴うノイズの発生領域が前記ディジタルフィルタ手段
    の阻止域以上となる周波数に設定されているディジタル
    信号処理装置。
  9. 【請求項9】 ディジタルフィルタ手段の零点周波数は
    サンプリング周波数の1/N(N:2以上の整数)倍の
    周波数に設定されている請求項8記載のディジタル信号
    処理装置。
  10. 【請求項10】 電力系統の電気量を示すアナログ信号
    をサンプリングしてホ−ルドするサンプルホ−ルド手段
    と、サンプルホ−ルド手段によりホ−ルドされたデ−タ
    をディジタルデ−タに変換するアナログ−ディジタル変
    換手段と、アナログ−ディジタル変換手段出力のディジ
    タルデ−タにフィルタ処理を施すディジタルフィルタ手
    段と、ディジタルフィルタ手段出力のディジタルデ−タ
    を基に電力系統の事故判定を行うディジタル演算処理手
    段とを備え、ディジタルフィルタ手段は、ディジタルフ
    ィルタの阻止域がアナログ信号の通過域より高い周波数
    帯域に設定され、サンプルホ−ルド手段のサンプリング
    周波数は、外乱ノイズ及び量子化誤差に伴なうノイズの
    発生領域が前記ディジタルフィルタ手段の阻止域以上と
    なる周波数に設定されている電力系統ディジタル信号処
    理装置。
  11. 【請求項11】 ディジタルフィルタ手段の零点周波数
    はサンプリング周波数の1/N(N:2以上の整数)倍
    の周波数に設定されている請求項10記載の電力系統デ
    ィジタル信号処理装置。
  12. 【請求項12】 解析対象の物理量に関するアナログ信
    号をサンプリングしてホ−ルドするサンプルホ−ルド手
    段と、サンプルホ−ルド手段によりホ−ルドされたデ−
    タをディジタルデ−タに変換するアナログ−ディジタル
    変換手段と、アナログ−ディジタル変換手段出力のディ
    ジタルデ−タにフィルタ処理を施すディジタルフィルタ
    手段と、ディジタルフィルタ手段出力のディジタルデ−
    タを基にスペクトル解析を実行するディジタル処理手段
    とを備え、ディジタルフィルタ手段は、ディジタルフィ
    ルタの阻止域がアナログ信号の通過域より高い周波数帯
    域に設定され、サンプルホ−ルド手段のサンプリング周
    波数は、外乱ノイズ及び量子化誤差に伴なうノイズの発
    生領域が前記ディジタルフィルタ手段の阻止域以上とな
    る周波数に設定されているディジタル信号解析装置。
  13. 【請求項13】 ディジタルフィルタ手段の零点周波数
    はサンプリング周波数の1/N(N:2以上の整数)倍
    の周波数に設定されている請求項12記載のディジタル
    信号解析装置。
  14. 【請求項14】 音声に関するアナログ信号をサンプリ
    ングしてホ−ルドするサンプルホ−ルド手段と、サンプ
    ルホ−ルド手段によりホ−ルドされたデ−タをディジタ
    ルデ−タに変換するアナログ−ディジタル変換手段と、
    アナログ−ディジタル変換手段出力のディジタルデ−タ
    にフィルタ処理を施すディジタルフィルタ手段と、ディ
    ジタルフィルタ手段出力のディジタルデ−タにエコ−キ
    ャンセル処理を施すディジタル処理手段とを備え、ディ
    ジタルフィルタ手段は、ディジタル信号の阻止域がアナ
    ログ信号の通過域より高い周波数帯域に設定され、サン
    プルホ−ルド手段のサンプリング周波数は、外乱ノイズ
    及び量子化誤差に伴なうノイズの発生領域が前記ディジ
    タルフィルタ手段の阻止域以上となる周波数に設定され
    ている音声信号処理装置。
  15. 【請求項15】 ディジタルフィルタ手段の零点周波数
    はサンプリング周波数の1/N(N:2以上の整数)倍
    の周波数に設定されている請求項14記載の音声信号処
    理装置。
  16. 【請求項16】 複数のアナログ信号を順次サンプリン
    グしてホ−ルドするサンプルホ−ルド手段と、サンプル
    ホ−ルド手段によりホ−ルドされたデ−タをディジタル
    デ−タに変換するアナログ−ディジタル変換手段と、ア
    ナログ−ディジタル変換手段出力のディジタルデ−タに
    フィルタ処理を施すディジタルフィルタ手段と、ディジ
    タルフィルタ手段出力のディジタルデ−タを基に演算処
    理を実行するディジタル処理手段とを備え、ディジタル
    フィルタ手段は、ディジタル信号の阻止域がアナログ信
    号の通過域より高い周波数帯域に設定され、サンプルホ
    −ルド手段のサンプリング周波数は、外乱ノイズ及び量
    子化誤差に伴なうノイズの発生領域が前記ディジタルフ
    ィルタ手段の阻止域以上となる周波数に設定されている
    ディジタルデ−タ記録装置。
  17. 【請求項17】 ディジタルフィルタ手段の零点周波数
    はサンプリング周波数の1/N(N:2以上の整数)倍
    の周波数に設定されている請求項16記載のディジタル
    デ−タ記録装置。
  18. 【請求項18】 音声に関するアナログ信号をサンプリ
    ングしてホ−ルドするサンプルホ−ルド手段と、サンプ
    ルホ−ルド手段によりホ−ルドされたデ−タをディジタ
    ルデ−タに変換するアナログ−ディジタル変換手段と、
    アナログ−ディジタル変換手段出力のディジタルデ−タ
    にフィルタ処理を施すディジタルフィルタ手段と、ディ
    ジタルフィルタ手段出力のディジタルデ−タを基に演算
    処理を実行するディジタル処理手段とを備え、ディジタ
    ルフィルタ手段は、ディジタル信号の阻止域がアナログ
    信号の通過域より高い周波数帯域に設定され、サンプル
    ホ−ルド手段のサンプリング周波数は、外乱ノイズ及び
    量子化誤差に伴なうノイズの発生領域が前記ディジタル
    フィルタ手段の阻止域以上となる周波数に設定されてい
    るディジタルオ−ディオ装置。
  19. 【請求項19】 ディジタルフィルタ手段の零点周波数
    はサンプリング周波数の1/N(N:2以上の整数)倍
    の周波数に設定されている請求項18記載のディジタル
    オ−ディオ装置。
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