JP3265092B2 - プレキャストコンクリート版によるトンネルの施工方法 - Google Patents
プレキャストコンクリート版によるトンネルの施工方法Info
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Description
体による地中トンネルの構造に係り、そのトンネル壁体
がプレキャストコンクリート版で構成されているトンネ
ルの施工方法に関する。
構築する場合、左右一対の円弧版状のプレキャストコン
クリート版をトンネル壁体に用いて施工する方法が開発
されてきており、この方法の一例としては、図7(a)
〜(c)の順に示すように、左右一対のコンクリート版
11をアーチ状に組むとともにトンネル長さ方向に連結
してトンネル壁体11Aを構築し、この後、左右の開削
空間Sに側方盛土G1を左右交互に所定量ずつ埋め戻
し、さらに最終盛土G2を所定被り厚で埋めるといった
ものがある。
は、トンネル壁体11Aの左右の開削空間Sに交互に側
方盛土G1を埋め戻していく際、左右いずれか一方の開
削空間Sへの側方盛土G1の埋め戻し量が他方よりも常
に多くなることから、左右のコンクリート版11の双方
に発生する土圧による曲げモーメントは、図8(a)に
示すように均等状態にならない。つまり、埋め戻し量の
多い側のコンクリート版11の曲げモーメントが、少な
い側に比べると常に大きく発生する。
11に発生する曲げモーメントは、図8(b)に示す最
終盛土G1を施した際に左右に均等に発生する曲げモー
メントよりも大きく、したがってコンクリート版11を
製造するにあたっては、埋め戻し途中の土圧に抵抗し得
るような強度設計(主に厚さに関して)を図る必要があ
る。ところが、最終盛土G2を施した際ではその強度を
必要としないので、必要以上の厚さのコンクリート版1
1を用いることになる。すなわち、コンクリート版11
を最終的に必要十分の厚さ以上のものに製造せざるを得
ず、このためコンクリート版11の重量がかさんで運搬
や施工が困難になるとともに、材料費がかかってコスト
上昇を招くといった問題を抱えることになる。なお、図
8(a)(b)でMはコンクリート版に発生する曲げモ
ーメントの分布を示している。
あって、最終的に必要十分の厚さを備えていればよいコ
ンクリート版を組むことができることにより、施工の容
易化とコストの低減が図れるプレキャストコンクリート
版によるトンネルの施工方法を提供することを目的とし
ている。
するためになされたものであり、左右一対の円弧版状の
プレキャストコンクリート版を、その一端の脚部をそれ
ぞれ基礎に、他端の頂部を互いに突き合わせることによ
りアーチ状に組み、かつこれをトンネル長さ方向に連結
してトンネル壁体を構築するトンネル壁体構築工程の
後、トンネル壁体の左右の空間に、盛土を左右交互に所
定量ずつ埋め戻していく盛土埋め戻し工程を行っていく
プレキャストコンクリート版によるトンネルの施工方法
において、前記盛土埋め戻し工程を行う前に、前記各コ
ンクリート版の内側における前記頂部と前記脚部の間に
張っておく鋼棒等の弦材は、鋼棒の軸芯の延長線が、ト
ンネル頂部においては、頂部を除くプレキャストコンク
リート版の大部分の厚さの中央線と頂部の接合面とが交
差する箇所を交差するとともに、トンネル脚部において
は、プレキャストコンクリート版の厚さの中央線と基礎
の上面が交差する箇所に交差するように設定されている
ことを特徴としている
クリート版に張られた鋼棒が側方からの土厚に抵抗して
コンクリート版の曲げモーメント発生が抑制され、その
結果、コンクリート版を、埋め戻し途中に発生する曲げ
モーメントを考慮する必要がなく最終盛土を施した際の
最終的な曲げモーメントに抗する程度の強度すなわち厚
さに設定できる。
明する。図1は本実施例が適用されて開削工法により構
築されるトンネル1の正面図であり、図2(a)〜
(c)はトンネル1を構築する施工手順を順に示してい
る。
していくと、まず開削した地盤Gの底部の両側に、構築
するトンネル1の長さ方向(図面の表裏方向)に延びる
溝状の基礎2を設ける。次いで、左右一対の円弧版状の
プレキャストコンクリート版3(以下コンクリート版と
略称)を、その一端の脚部4をそれぞれ基礎2に、他端
の頂部5を互いに突き合わせることによりアーチ状に組
み、かつ構築するトンネル1の長さ方向に所要数連結す
るとともに、基礎2内にコンクリート6を打設して脚部
4を基礎2に固着する。コンクリート版3の頂部5は、
その内面が、組み付け状態で水平となるよう断面テーパ
状に形成されている。なお、左右のコンクリート版3の
配列状態は、図3(a)に示すように幅を揃えてもよ
く、また図3(b)に示すように半幅ずつずれた千鳥組
としてもよい。
頂部5と脚部4との間には、予め鋼棒(弦材)7が1本
張られている。この鋼棒7は、コンクリート版3の幅方
向の中央にコンクリート版3の弦方向と平行な状態とな
っており、図4および図5に示すように、両端に形成さ
れたねじ部7aが、頂部5および脚部4にそれぞれボル
ト止めされたブラケット8、9に横から嵌め込まれ、ね
じ部7aにナット10をねじ込むことにより、ブラケッ
ト8、9を介してコンクリート版3に固定されている。
鋼棒7はブラケット8、9に緩みなく固定された状態で
よいが、ナット10のねじ込み量を調節してある程度緊
張した状態としてもよい。
うに各ブラケット8、9に固定された状態で、鋼棒7の
軸芯の延長線が、図4に示すように頂部5においては、
頂部5を除くコンクリート版3の大部分の厚さの中央線
と頂部5の接合面5aとが交差する箇所を交差し、また
脚部4においては図5に示すように、鋼棒7の軸芯の延
長線がコンクリート版3の厚さの中央線と基礎2の上面
2aが交差する箇所に交差するように設定されている。
3を複数組んでトンネル壁体1Aを構築するトンネル構
築工程が終わったら、次いで、このトンネル壁体1Aの
左右の開削空間Sに、側方盛土G1を左右交互に所定量
ずつ振り分けながらトンネル壁体1Aの頂部を覆うまで
埋め戻し、さらに最終盛土G2を所定被り厚で埋める盛
土埋め戻し工程を行う。
側方盛土G1を左右交互に埋め戻していく過程では、左
右いずれか一方の開削空間Sへの側方盛土G1の埋め戻
し量が他方よりも常に多くなることから、左右のコンク
リート版3双方に発生する土圧による曲げモーメントは
均等状態にならない状況が、従来では発生していたわけ
である。
ト版3に上述のごとく鋼棒7が張られており、この鋼棒
7が側方からの土厚に抗することにより曲げモーメント
の発生が抑制され、完全に左右均等状態とはならないま
でもそれに近付き、発生する曲げモーメントは従来に比
すと格段に低減する。その状態を図6に示す。したがっ
て、コンクリート版3の強度設計に関しては、埋め戻し
途中に発生する過大な曲げモーメントを考慮する必要が
なく、最終盛土G2を施した際の最終的な曲げモーメン
トに抗する程度の強度に近付けることができる。すなわ
ち、コンクリート版3の厚さを、最終的に必要十分の厚
さのものにすることが可能となり、もってコンクリート
版3の重量の軽減およびそれにともなう施工性の容易
化、コスト低減等が図られる。さらに、製造した段階か
ら鋼棒7を張っておけば、運搬時や移送時にも曲げモー
メントの発生が抑えられ変形あるいは損傷等の不具合の
発生を回避できる。
ストコンクリート版によるトンネルの施工方法によれ
ば、側方盛土を埋め戻す際、コンクリート版に張られた
鋼棒が側方からの土厚に抵抗してコンクリート版の曲げ
モーメント発生が抑制され、このため、コンクリート版
を、埋め戻し途中に発生する曲げモーメントを考慮する
必要がなく最終盛土を施した際の最終的な曲げモーメン
トに抗する程度の強度すなわち厚さに設定でき、その結
果、コンクリート版のコンクリート版の厚さを低減する
ことが可能となり、これに従い重量の軽減およびそれに
ともなう施工性の容易化、コスト低減等が図られるとい
った効果を奏する。
の正面断面図である。
て、(a)第1段階、(b)第2段階、(c)正面断面
図である。
状態を示す平面図で、(a)一例、(b)他の例であ
る。
す正面図である。
す正面図である。
ルのコンクリート版に発生する曲げモーメントの分布を
示す図である。
(a)第1段階、(b)第2段階、(c)正面断面図で
ある。
ート版に発生する曲げモーメントの分布を示す図、
(b)最終盛土を埋め戻した状態でコンクリート版に発
生する曲げモーメントの分布を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 左右一対の円弧版状のプレキャストコン
クリート版を、その一端の脚部をそれぞれ基礎に、他端
の頂部を互いに突き合わせることによりアーチ状に組
み、かつこれをトンネル長さ方向に連結してトンネル壁
体を構築するトンネル壁体構築工程の後、トンネル壁体
の左右の空間に、盛土を左右交互に所定量ずつ埋め戻し
ていく盛土埋め戻し工程を行っていくプレキャストコン
クリート版によるトンネルの施工方法において、 前記盛土埋め戻し工程を行う前に、前記各コンクリート
版の内側における前記頂部と前記脚部の間に張っておく
鋼棒等の弦材は、 鋼棒の軸芯の延長線が、トンネル頂部においては、頂部
を除くプレキャストコンクリート版の大部分の厚さの中
央線と頂部の接合面とが交差する箇所を交差するととも
に、トンネル脚部においては、プレキャストコンクリー
ト版の厚さの中央線と基礎の上面が交差する箇所に交差
するように設定されていること を特徴とするプレキャス
トコンクリート版によるトンネルの施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30207693A JP3265092B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | プレキャストコンクリート版によるトンネルの施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30207693A JP3265092B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | プレキャストコンクリート版によるトンネルの施工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07150898A JPH07150898A (ja) | 1995-06-13 |
JP3265092B2 true JP3265092B2 (ja) | 2002-03-11 |
Family
ID=17904634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30207693A Expired - Lifetime JP3265092B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | プレキャストコンクリート版によるトンネルの施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3265092B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160121356A (ko) * | 2015-04-10 | 2016-10-19 | 주식회사 디에스글로벌이씨엠 | 프리캐스트 아치형 터널 구조체 및 그 시공 방법 |
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JP4694430B2 (ja) * | 2006-07-12 | 2011-06-08 | 石川島建材工業株式会社 | 盛土内にトンネルを構築する方法 |
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JP5994583B2 (ja) * | 2012-11-06 | 2016-09-21 | 株式会社大林組 | トンネルの支保工補強構造及びトンネルの支保工補強構造を用いたトンネル施工方法 |
JP2015021322A (ja) * | 2013-07-22 | 2015-02-02 | 鉄建建設株式会社 | トンネルの構築方法及びトンネル構造物 |
-
1993
- 1993-12-01 JP JP30207693A patent/JP3265092B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20160121356A (ko) * | 2015-04-10 | 2016-10-19 | 주식회사 디에스글로벌이씨엠 | 프리캐스트 아치형 터널 구조체 및 그 시공 방법 |
KR101675908B1 (ko) * | 2015-04-10 | 2016-11-22 | 주식회사 디에스글로벌이씨엠 | 프리캐스트 아치형 터널 구조체 및 그 시공 방법 |
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JPH07150898A (ja) | 1995-06-13 |
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