JP3264625B2 - カード発行装置の動作制御方法 - Google Patents

カード発行装置の動作制御方法

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JP3264625B2
JP3264625B2 JP21176296A JP21176296A JP3264625B2 JP 3264625 B2 JP3264625 B2 JP 3264625B2 JP 21176296 A JP21176296 A JP 21176296A JP 21176296 A JP21176296 A JP 21176296A JP 3264625 B2 JP3264625 B2 JP 3264625B2
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cassette
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種カード、例え
ば、テレホンカード等のプリペイドカードを発行するた
めにコンビニエンスストア等で用いられるカード発行装
置の動作制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のテレホンカードに代表されるプリ
ペイドカードの普及に伴って、薄くて可撓性を有するカ
ードを取り扱うカード発行装置が種々提案され、実用化
されている。その一例として、例えば、実開平5−92
876号公報を参照すれば、額面、絵柄等の種類の異な
るプリペイドカードを50枚程度ずつ複数のカードカセ
ット内に予め収納しておき、これらのカードカセットを
共通の開閉扉で覆われた発行装置本体内のカセット実装
部に予めセットしておき、カード発行要求があった場合
には目的とするカードが収納されたカードカセット中か
ら1枚のカードをピックアップローラによって取り出
し、カード発行口から発行させるようにしたものがあ
る。各カードを封印されたカードカセット内に収納し、
かつ、発行装置本体内のカセット実装部にセットし鍵付
きの開閉扉で閉じておくのは、開閉扉の鍵を責任者以外
が直接操作できないようにして、カード抜取り盗難、そ
の他の金銭上のトラブル発生要因を極力除去するためで
ある。複数枚のカードを積層状態で収納するカードカセ
ットに関して、矩形箱状のケース本体の端面にはカード
を1枚分だけ取り出せる幅の狭いスリット状のカード排
出口が形成されており、このカード排出口を介してカー
ドを排出させる構造が一般的である。また、カードカセ
ットのケース本体の一面にはピックアップローラがケー
ス本体内の最表位のカードに当接するように進入させる
ためのローラ進入用開口部が形成されている。
【0003】このようなカード発行装置において、カセ
ット実装部周りの構成をみると、カードカセットを積層
状態で装着させる装着部が形成されているとともに、各
カードカセット毎にピックアップローラを含むピックア
ップ手段が個別に配設されている。よって、目的カード
カセットに対応するピックアップローラをソレノイドに
よってカードに接触させて回転駆動させることによりそ
のカードカセットから目的カードが1枚だけ取り出さ
れ、対応するカード発行口から発行される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
カード発行装置によると、各々のカードカセット毎にピ
ックアップローラ及びカード発行口が設けられているた
め、カセット間を詰めるのに制約を受け、カセット実装
部が大型化し、装置全体の小型化の支障となる。特に、
1つのカード発行装置で取り扱うカードの種類が増え、
例えば、10種類以上といったカードを扱う場合を考え
ると、多段積層構造の大型化が避けられず、必要とする
部品点数も多く、大掛かりな装置となってしまう。
【0005】カード発行口を全てに共通な1個のみとし
小型化を図ったものもある。即ち、画像形成装置におけ
る多段給紙カセットからの給紙構造に準じた構造であ
り、各ピックアップローラと各カードカセット共通の搬
送経路のローラ・ベルト類は同時に回転する構造とさ
れ、目的カードカセットに対応するソレノイドのみに通
電させて対応するピックアップローラを一定時間のみカ
ードに接触させることにより1枚ずつカードの取り出し
を可能としている。しかし、複数のローラとベルトとを
組み合わせて各カードカセットから共通なカード発行口
までの搬送経路を形成しており、カード発行口から最も
遠い位置に装着されているカードカセットからカードを
発行させる場合には、カードが複数のローラ間、ベルト
間等を順次通り抜けることになるので、その間に必要以
上に擦られ或いは傷付けられて、カードに記憶されてい
る情報を消失してしまう等の不都合がある。これでは、
不良品を発行してしまうことになり、カード発行装置と
しての信頼性に欠ける。
【0006】従って、多数のカードカセットを積層させ
てもその積層構造が大型化することがなく部品点数も削
減できる新規なカード発行装置の開発が待望される。そ
こで、本発明は、このようなカード発行装置を開発した
場合に、その装置が支障なく動作するために必要な処置
を講ずることができるカード発行装置の動作制御方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数枚のカードを取出可能に収納した複数のカードカセ
ットを個々に引出自在に収納するカセット収納部が積層
方向に形成されたカセットラックと、このカセットラッ
クの前記各カセット収納部に収納された複数のカードカ
セット中から所望のカードカセットを選択して対応する
カセット収納部から引き出すカセット引出装置と、全て
のカードカセットに共用されて引き出されたカードカセ
ット中のカードを1枚だけ取り出す1つのピックアップ
ローラを含むカード取出装置と、前記ピックアップロー
ラを含む前記カード取出装置及び前記カセット引出装置
を搭載して前記カードカセットの積層方向の全範囲を横
切るように移動自在なキャリアユニットと、エンコーダ
のフィードバック制御により前記キャリアユニットを移
動させる直流サーボモータとを有して、取り出されたカ
ードを保持しながらカード発行口まで搬送するキャリア
装置と、目標カードカセットに対する前記キャリアユニ
ットの移動の基準点を決定するための基準位置センサと
を備えたカード発行装置の動作制御方法であって、電源
投入時及び停電復帰時には前記カードカセットが前記キ
ャリアユニットに対して引出状態にあるか否かを検出
し、引出状態にある場合にはそのカードカセットを前記
カセット引出装置によりカセット収納部内の元の位置に
戻す復帰動作を行ってから、初期動作として前記キャリ
アユニットを基準位置センサの位置まで移動させて基準
点検出を行うようにした。
【0008】従って、積層状態のカードカセットの全範
囲に渡って移動自在なキャリアユニットに全てのカード
カセットに共通な1個のピックアップローラを搭載し、
目的カードカセットの位置に移動させてカセット引出装
置によりカードカセットを引き出して、カード取出装置
のピックアップローラによるカード取出しを可能にし、
取り出されたカードをキャリアユニットの移動によりカ
ード発行口まで搬送させることによりカードを発行する
新規なカード発行方式においては、キャリアユニットの
移動に際してその搬送路が確保されていないとカード発
行動作を行えないだけでなく、キャリアユニットやカー
ドカセット等の破損をも生ずることがある。特に電源投
入時や停電復旧時には以前の状態が電気的に管理されて
いない状態からの立上りとなるので、キャリアユニット
が移動不可能な状態のままキャリアユニットの移動を開
始させてしまうと上記のような不都合を生ずる。そこ
で、電源投入時及び電源復旧時には、カードカセットが
引出状態にあってキャリアユニットが移動できない状態
にあるかを検出し、移動できない状態の場合には引出状
態のカードカセットを収納させてキャリアユニットの移
動を可能にしてから、キャリアユニットを移動させてそ
の初期動作である基準点検出を行わせるので、常に支障
なくカード発行動作を行わせることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図面に基
づいて説明する。本発明のカード発行装置の動作制御方
法は、その実施の一形態として、コンビニエンスストア
等の店舗において、POS(Points Of Sales)端末
脇に併置されてPOS端末等のホスト側からの指令によ
り所望のプリペイドカードを1枚ずつ発行する装置に適
用される。
【0010】<基本的な説明>まず、図1に示す要部の
分解斜視図、図2に示すカセットラック付近の斜視図、
図3に示す全体的な正面概略構成図、図4に示す全体的
な側面概略構成図、図5に示すキャリアユニット部分の
概略平面図及び概略側面図、及び、図6に示すカードカ
セットの斜視図を参照して、本実施の形態のカード発行
装置の基本的構成及び基本的動作を説明する。
【0011】A.基本的構成 本実施の形態のカード発行装置は、額面や絵柄の異なる
10種類のカード1を発行可能に構成されており、同一
サイズ・同一形状で各々異なるカード1を予め複数枚、
ここでは、50枚ずつ収納した10個の矩形箱状のカー
ドカセット2が用意されている。各カードカセット2は
何れも同一サイズ・同一形状で直方体箱状に形成された
ケース本体3を有する。各ケース本体3の先端側端面の
上端部側にはスリット状のカード排出口4が形成され、
かつ、上面側には後述するピックアップローラをこのケ
ース本体3内に進入させるためのローラ進入用開口部5
が形成されている。また、ケース本体3の後部側の一方
の側面には上下方向に貫通するカセット取出用の凹部6
が形成されている。
【0012】装置本体10内の下部側にはキャリア移動
用の直流サーボモータであるキャリアモータ11、カセ
ット搬送用パルスモータ12、カード搬送用パルスモー
タ13等の駆動源、その他が実装されるベース板14が
設けられ、このベース板14上にはカセットラック15
が立設されている。このカセットラック15には両側板
16a,16bと複数の仕切板17とにより10個のカ
ードカセット2分のカセット収納部18が上下方向に仕
切り形成されている。これらのカセット収納部18の前
後方向は何れも開口されたままとされ、前方がカセット
取出口19とされ、図示しない開閉扉で閉塞される後方
がカセット挿入口20とされている。従って、カセット
挿入口20側から各々のカードカセット2をカセット収
納部18に挿入することにより、これらのカードカセッ
ト2は前記カセットラック15内に積層状態でカセット
取出口19側から取出自在に収納されることになる。前
記カセットラック15の一方の側板16aには各カセッ
ト収納部18毎に引出溝22が前後方向(水平方向)に
形成され、これらの引出溝22の前記カセット挿入口2
0側の端部は全てのカセット収納部18を横切るように
上下方向に形成した縦共通溝23により連通している。
この縦共通溝23の位置はカセット収納部18内の正規
の位置に収納されたカードカセット2の前記凹部6の位
置に対応するように設定されている。
【0013】次に、前記ベース板14と装置本体10内
の天井板30との間には前記側板16a側にて前記カセ
ットラック15に沿わせた2本の丸シャフト31,32
が回転自在に取り付けられている。前記カセットラック
15の周囲にはこれらの丸シャフト31,32にガイド
されて全ての前記カセット収納部18に渡って上下方向
に移動自在なキャリアユニット33が設けられている。
このキャリアユニット33はガイド装置として機能する
キャリア装置34の主要部を構成するもので、前記ベー
ス板14に取り付けられて前記キャリアモータ11によ
り正逆転駆動される駆動プーリ35と前記天井板30に
取り付けられた従動プーリ36との間に掛け渡されたタ
イミングベルト37の一部に係止されることにより、前
記タイミングベルト37に従いこのキャリアユニット3
3が上下方向に往復移動する構造とされている。
【0014】さらに、前記カセットラック15のカセッ
ト収納部18に収納されたカードカセット2をカセット
取出口19側から突出するように移動させるカセット引
出装置40が設けられている。このカセット引出装置4
0は、前記キャリアユニット33に対して前後方向にス
ライド自在に支持されたラック42付きのスライダ43
と、このスライダ43の背面側に前記側板16aを横切
る位置まで突出形成されて前記カードカセット2の凹部
6に選択的に係脱する爪体である引込ピン44とを稼働
部45として備え(図5参照)、前記スライダ43のラ
ック42部分に噛合する駆動力伝達手段としての回転体
となるギヤ46も前記キャリアユニット33に搭載され
ている。即ち、カセット引出装置40の主要部を構成す
る稼働部45とギヤ46とがキャリアユニット33に搭
載されている。前記引込ピン44は前記引出溝22内を
水平方向に自在に移動し、かつ、前記縦共通溝23内を
上下方向に自在に移動し得るようにこれらの溝幅よりも
小さめに形成されている。
【0015】前記カセット引出装置40は前記カセット
搬送用パルスモータ12を駆動源とするもので、このカ
セット搬送用パルスモータ12のモータギヤ47に噛合
する伝達ギヤ48が前記丸シャフト31の下端側に取り
付けられており、この丸シャフト31の回転が前記ギャ
46に伝達され、前記ラック42を介して前記スライダ
43を往復直線運動させるように構成されている。前記
キャリアユニット33が何れの位置に位置していても前
記丸シャフト31の回転を前記ギヤ46に伝達するため
に、前記丸シャフト31には前記キャリアユニット33
の移動範囲に渡ってキー溝31aが形成され、前記ギヤ
46側にはこのキー溝31aに常に係合するキー46a
が形成されている。即ち、前記ギヤ46は前記丸シャフ
ト31に対して軸方向には移動自在で回転方向には回転
力を伝達するように嵌合されている。
【0016】また、前記カセット収納部18から引き出
されたカードカセット2中からカード1を1枚だけ取り
出すためのカード取出装置50が設けられている。この
カード取出装置50は、前記カセットラック15の前面
側に位置しており、引き出されたカードカセット2中の
最表位である最上位のカード1を前記カード排出口4か
ら1枚だけ取り出すためのピックアップローラ51と、
このピックアップローラ51により取り出された1枚の
カード1をさらに前方へ送るための一対の搬送ローラ5
2と、その搬送方向を上方向に切り換える一対の搬送ロ
ーラ53とを稼働部54として備えている。この稼働部
54も支持棒55、補助フレーム56等を利用して前記
キャリアユニット33に搭載されている。前記ピックア
ップローラ51は引き出された前記カードカセット2に
対して前記ローラ進入用開口部5を介して最上位のカー
ド1表面に接触する位置と離反する位置とを選択的に採
り得るもので、前記搬送ローラ52の軸57部分を支点
としてアーム58により回動自在に支持されている。こ
のピックアップローラ51がカード1に接触するカード
取出可能位置とカード1から離反した退避位置とを選択
的に採るように切り換える駆動源としてソレノイド59
が設けられ、このソレノイド59は前記補助フレーム5
6に支持されている。また、前記ピックアップローラ5
1が前記カード1に押圧接触するように押圧力を付与す
るばね60が前記アーム58と前記補助フレーム56と
の間に係止されている。よって、前記ピックアップロー
ラ51は前記ソレノイド59に通電されていない状態で
カード取出可能位置を採り得るように設定されている。
61は一対のガイド板である。
【0017】前記カード取出装置50におけるカード搬
送は、前記カード搬送用パルスモータ13を駆動源とす
るもので、このカード搬送用パルスモータ13のモータ
ギヤ62に噛合する伝達ギヤ63が前記丸シャフト32
の下端側に取り付けられている。また、前記搬送ローラ
52の軸57上にはベベルギヤ64が設けられ、このベ
ベルギヤ64に噛合するベベルギヤ65が前記丸シャフ
ト32上に設けられている。即ち、これらのベベルギヤ
65,64は前記丸シャフト32の回転を90°方向変
換して前記搬送ローラ52の回転力として伝達する駆動
力伝達手段として機能し、前記キャリアユニット33上
に搭載されている。前記キャリアユニット33が何れの
位置に位置していても前記丸シャフト32の回転を前記
ベベルギヤ65に伝達するために、前記丸シャフト32
には前記キャリアユニット33の移動範囲に渡ってキー
溝32aが形成され、前記ベベルギヤ65側にはこのキ
ー溝32aに常に係合するキー65aが形成されてい
る。即ち、前記ベベルギヤ64は前記丸シャフト32に
対して軸方向には移動自在で回転方向には回転力を伝達
するように嵌合されている。また、前記キャリアユニッ
ト33上において、前記アーム58の一側には前記搬送
ローラ52の回転を前記ピックアップローラ51に伝達
するためのギヤ列66が設けられている。また、前記ベ
ベルギヤ64に噛合してその回転を前記搬送ローラ53
側に伝達するためのギヤ列67が前記キャリアユニット
33に設けられている。
【0018】また、装置本体10において、前記搬送ロ
ーラ53に対応する最上位位置にはカード発行口70が
形成されている。
【0019】B.基本的動作 このような基本的構成において、ホスト側から或るカー
ド1について発行指令があると、その目的とするカード
1が収納されている所望のカードカセット2のカセット
ラック15からの選択引出がカセット引出装置40によ
り行われる。まず、キャリアモータ11の駆動によりタ
イミングベルト37を介してキャリアユニット33を上
下方向に移動させることにより、スライダ43等の稼働
部45を目的カードカセット2が収納されているカセッ
ト収納部18に位置させる。この時、引込ピン44は縦
共通溝23及び凹部6に位置して上下動するため、スラ
イダ43が搭載されたキャリアユニット33の上下方向
の移動動作には支障ない。目的カードカセット2の位置
でカセット搬送用パルスモータ12を駆動させ、丸シャ
フト31、ギヤ46を回転させると、スライダ43が前
方向にスライドする。この時、スライダ43と一体で引
出溝22内を移動する引込ピン44が凹部6に係止して
いるので、この引込ピン44が目的カードカセット2を
カセット収納部18内から前方向へスライドさせ、その
カードカセット2の先端側がカセットラック15よりも
突出する引出状態とさせる(図10参照)。なお、カー
ドカセット2の引出しに先行してソレノイド59に通電
され、ピックアップローラ51に対応する位置までのカ
ードカセット2の引出しに支障を来さないように、ピッ
クアップローラ51が退避位置を採るように位置制御さ
れる(図9参照)。よって、キャリアモータ11により
キャリアユニット33を上下方向に移動させて目的のカ
ードカセット2に対応する位置で停止させ、カセット搬
送用パルスモータ12を駆動させることにより、目的の
カードカセット2をカセットラック15から少し引き出
すことができる。
【0020】カセットラック15から目的のカードカセ
ット2が引き出されると、そのカードカセット2からの
1枚のカード1の取出しがカード取出装置50により行
われる。まず、目的のカードカセット2が所定の位置ま
で引き出されると、ソレノイド59が非通電状態となり
ピックアップローラ51がローラ進入用開口部5内に入
り込み、カードカセット2内の最上位のカード1に接触
する(図11参照)。この時、ばね60による押圧力を
受けるので、ピックアップローラ51はカード1に押圧
接触する。この動作と並行して、カード搬送用パルスモ
ータ13を駆動させることにより、丸シャフト32、ベ
ベルギヤ65,64、ギヤ列66を介してピックアップ
ローラ51が回転駆動される。これにより、最上位のカ
ード1は回転しながら押圧接触しているピックアップロ
ーラ51による繰出力を受けてカード排出口4からカー
ドカセット2外に取り出される(図12参照)。取り出
されたカード1は同時に回転している搬送ローラ52に
よる搬送を受けてさらに進む。取り出されたカード1が
この搬送ローラ52による搬送を受ける状態になると、
重送を防止するためソレノイド59に通電され、回転状
態のピックアップローラ51が退避位置に離反する(図
13参照)。さらに、カセット搬送用パルスモータ12
が逆転駆動され、カセット引出装置40の引出し時とは
逆の動作により、引き出されていたカードカセット2を
カセット収納部18内の元の位置に戻す処理が行われる
(図14参照)。搬送ローラ52による搬送力を受けて
いるカード1が搬送ローラ53側に達すると継続して搬
送力を受けるが、カード1の先端側が真上方向を向きそ
の後端側がこの搬送ローラ53を抜け出ない状態でカー
ド搬送用パルスモータ13が停止され、カード1はガイ
ド板61にガイドされつつ搬送ローラ53により上向き
のまま保持された状態となる。
【0021】カード取出装置50による1枚のカード1
の取出しが終了すると、再び、キャリアモータ11が駆
動され、キャリアユニット33が目的カードカセット2
の位置から最上位の位置に向けて上方向に移動される。
よって、搬送ローラ53により保持されているカード1
もキャリアユニット33の移動とともにカード発行口7
0まで搬送される。これにより、カード1の先端がカー
ド発行口70から外部に露出するので、カード1を手で
抜き取ることが可能となり、カード1が発行される。
【0022】このように複数のカードカセット2はカセ
ットラック15を利用して単に積層させておき、これら
のカードカセット2中から目的カードカセット2をカセ
ット引出装置40により引き出し、引き出されたカード
カセット2中からカード取出装置50によって1枚のカ
ード1のみを取り出し、取り出されたカード1をキャリ
アユニット33によりカード発行口70まで搬送させて
発行させる構成によれば、積層状態の各カードカセット
2間にピックアップローラを含むカード取出装置の構成
部材を配設させる必要がなく、積層状態のカードカセッ
ト2間を極力接近させることができる。特に、本実施の
形態の場合であれば、各カードカセット2間に仕切板1
7が存在するだけの状態に最接近させることができ、扱
うカードカセット2の個数が多い場合でもカセットラッ
ク15の高さを低く抑えることができ、従って、カード
発行装置全体を小型化することができる。
【0023】また、1つのピックアップローラ51が全
てのカードカセット2からのカード取出しに共用されて
いるので、各カードカセット毎にピックアップローラ類
を個別に設ける場合に比して部品点数を大幅に減少させ
ることができる。
【0024】さらには、カードカセット2から取り出さ
れたカード1をキャリア装置34によってカード発行口
70まで搬送させるのでこのカード発行口70に遠い位
置(本実施の形態では、下方側のカセット収納部18ほ
ど遠い位置となる)のカードカセット2からのカード取
出し時であってもそのカード1が通過する搬送経路が長
くなることはなく、カード1に記憶されているデータ等
を消失させてしまう可能性が極減する。特に、本実施の
形態においては、カードカセット2から取り出されたカ
ード1を搬送ローラ53によって保持した状態のキャリ
アユニット33がカード発行口70まで移動することに
よりそのカード1をカード発行口70に搬送させるの
で、何れのカードカセット2から取り出されたカード1
であってもカード1自身が通過する搬送経路(ピックア
ップローラ51〜搬送ローラ52,53)は全てのカー
ド1について共通であり、最短であるので、データ消失
の心配はなく、カード発行装置としての信頼性が向上す
る。
【0025】また、本実施の形態では、キャリアユニッ
ト33に一体化させたカセット引出装置40とカード取
出装置50とを備えているが、主にこれらの稼働部4
5,54やソレノイド59のみがキャリアユニット33
に搭載され、これらの駆動源となるパルスモータ12,
13は装置本体10のベース板14側に取り付けられて
いるので、一体化構造であっても移動するキャリアユニ
ット33を極力軽量化できる。よって、このキャリアユ
ニット33を移動させるためのキャリアモータ11の負
荷が軽減される。同時に、ソレノイド59以外の駆動源
を搭載せず軽量化されたキャリアユニット33を移動さ
せるので、その移動速度の高速化を図ることもでき、カ
ード発行口70から遠いカードカセット2からカード1
を取り出して発行する場合であってもその発行に要する
時間を短縮させることができる。また、キャリアユニッ
ト33にはパルスモータ12,13を搭載せず、キャリ
アユニット33の移動をガイドする丸シャフト31,3
2を利用して機構的に回転駆動力を伝達するようにして
いるので、キャリアユニット33に対するモータ駆動エ
ネルギー供給用の配線が不要となり、その断線等の心配
がないので、動作の信頼性が向上する上にコストダウン
を図れることになる。
【0026】<個別的な説明> A.カセットラック15周りの構成について つづいて、各部の詳細について個別的に説明する。ま
ず、カセットラック15周りの構成について説明する。
装置本体10においてカセットラック15の背面側(即
ち、カセット挿入口20側)を閉塞する開閉扉(図示せ
ず)が開閉自在に取り付けられている。この開閉扉は責
任者のみが開閉できるように通常は閉塞されており、ホ
スト側から開放信号が与えられた場合にこの開閉扉を開
放させる開放許可ソレノイド81がベース板14に取り
付けられている。よって、開閉扉が閉じられている通常
状態では、カセットラック15の各カセット収納部18
に収納されているカードカセット2の後端側の位置は開
閉扉によってある程度規制された状態となる。一方、各
カセット収納部18の前方はカセット取出口19として
開放されたままであるが、このカセット取出口19側に
対してはシャッタ機構82が設けられている。このシャ
ッタ機構82は、図2ないし図4に示すように、前記カ
セット取出口19の直前に上下方向に変位自在に配設さ
れたシャッタ部材83と、このシャッタ部材83を上下
方向に所定量だけ変位させるために前記側板16bに取
り付けられたシャッタ開放ソレノイド84と、このシャ
ッタ開放ソレノイド84の非通電時に前記シャッタ部材
83を所定位置に付勢維持させるために前記シャッタ部
材83と前記側板16bとの間に係止させたばね87に
より構成されている。前記シャッタ部材83は前記カセ
ットラック15と同等の長さを有する板状部材であり、
前記仕切板17に対応するシャッタ片85と前記カセッ
ト取出口19に対応する開口部86とが交互に形成され
ている。よって、シャッタ片85がカセット取出口19
に対応する位置に位置する時にはカセット収納部18内
に収納されているカードカセット2の前方への移動が禁
止された状態となり、開口部86がカセット取出口19
に対応する位置に位置する時にはカセット収納部18内
に収納されているカードカセット2の前方への移動が可
能な開放状態となる。前記シャッタ開放ソレノイド84
が非通電状態にある通常時にはばねによる付勢力の下に
前記シャッタ片85がカセット収納部18前面に位置す
る禁止位置を採り、前記シャッタ開放ソレノイド84に
通電されるとシャッタ片85が仕切板17の位置に一致
するようにシャッタ部材83が上昇し(又は、下降
し)、開口部86がカセット収納部18前面に位置する
開放位置を採るように変位される(図3及び図4参
照)。
【0027】よって、通常はシャッタ部材83のシャッ
タ片85がカセット収納部18前面に位置する禁止位置
にあるので、開閉扉を開放して各カセット収納部18に
カードカセット2を挿入する場合にその先端がこのシャ
ッタ片85に突き当たるのでカセット取出口19から落
下してしまうことがなく、挿入量が規制されるので挿入
操作が容易となる。また、実際にカセット引出装置40
によりカードカセット2の引出を行わない場合におい
て、装置本体10に振動等が加わってもカセット収納部
18に収納されているカードカセット2が不用意にカセ
ット取出口19から落下してしまうことも防止される。
これは、カードカセット2の収納位置が常に所定の位置
に規制されることも意味し、収納状態の各カードカセッ
ト2の凹部6の位置が前後にずれることがなく、縦共通
溝23に沿った引込ピン44の上下方向の動きが阻害さ
れることもない。カセット引出装置40によるカードカ
セット2の引出時には開口部86がカセット収納部18
に対向するので支障なくカセット引出を行える。本実施
の形態では、カセット引出を必要としない部分について
も共通に開放されるが、その分、シャッタ部材83の形
状やその動作制御が簡単になる。即ち、本実施の形態の
シャッタ部材83に限らず、例えば、単にカセットラッ
ク15の全長に渡る長さを有して全てのカセット収納部
18を横切る棒状部材を横方向に移動自在に設けるよう
にしてもよい。
【0028】B.ピックアップローラ51付近の構成 次に、ピックアップローラ51付近の構成を説明する。
ピックアップローラ51としてはカードカセット2から
のカード1の取出しを確実にするため、通常は、ゴム材
質のローラが用いられるが、その材質が劣化したり表面
に異物が付着するとカード1の取出し能力が不安定とな
り、カード発行装置として致命傷になりかねないので、
交換を必要とする。特に、本実施の形態では、1個のみ
のピックアップローラ51を全てのカードカセット2か
らのカード1の取出しに共用しているため、その使用頻
度が激しく劣化しやすいので、ピックアップローラ51
の交換は必須となる。一般にこの種のローラは2枚のフ
レーム(アーム)間に通した軸上にピックアップローラ
が装着されているため、ローラの交換に際しては工具を
用いてフレームを取り外さなければならず、交換作業が
面倒である。この点、本実施の形態では、工具を用いる
ことなく、ピックアップローラ51の交換を行えるワン
タッチ交換可能な構成とされている。
【0029】即ち、図15及び図16に示すように、ア
ーム58に対して軸受90を介して回転自在に支持され
た軸91の一端がアーム58より外方に突出しており、
この突出した軸91の一端にピックアップローラ51が
着脱自在に嵌合されている。前記ピックアップローラ5
1のロール体92の軸穴93には環状の溝94が形成さ
れ、この溝94部分にリング状のばね95が装着されて
いる。このばね95の内径は前記軸穴93の内径よりも
小さく設定されている。また、前記軸穴93の軸方向の
約半分は丸穴形状部93aとされ、残りの約半分は扁平
とされた異形穴形状部93bとされている。前記溝94
は前記丸穴形状部93a部分に形成されている。一方、
前記軸91の先端には前記ばね95が内蔵された前記軸
穴93への挿入を容易にするためのテーパ91aが形成
されているとともに、前記異形穴形状部93bに対応す
るように扁平とされた異形軸形状部91bが形成されて
いる。さらには、前記軸91には前記溝94に対応する
位置に前記ばね95の位置決め用の環状凹部91cが形
成されている。
【0030】これにより、ピックアップローラ51の交
換に際しては、ロール体92を軸91の一端に押し込ん
でいくと内蔵されているばね95はテーパ91aに沿っ
て広げられながら軸穴93内の溝94及び軸91の環状
凹部91cに嵌まって止まる。同時にロール体92の異
形穴形状部93bが異形軸形状部91bに嵌合するの
で、軸91が回転した場合、その回転は異形軸形状部9
1bと異形穴形状部93bとの嵌合を介してロール体9
2(従って、ピックアップローラ51)に伝達され、ピ
ックアップローラ51は確実に回転する。この時、ピッ
クアップローラ51にかかる軸方向の力は小さいため、
ロール体92が軸91上を動くことはない。一方、ピッ
クアップローラ51を取り外すために、ある程度大きな
力を軸方向に作用させると、ばね95による制止力では
規制できなくなり、ピックアップローラ51を軸91の
一端からそのまま取り外すことができる。
【0031】即ち、本実施の形態のピックアップローラ
51は、軸91方向には所定以上の力を作用させること
により着脱自在な着脱嵌合構造を有し、回転方向には軸
91の回転を伝達する回転力伝達嵌合構造を有して、軸
91の一端に取り付けられたロール体92を備えた構造
とされており、頻繁となり得るピックアップローラ51
の交換作業を工具を用いずにワンタッチで簡単に行うこ
とができる。
【0032】なお、ピックアップローラ51を軸91の
一端にワンタッチで装着自在とする構成としては、図示
例に限らず、マグネットを利用した着脱嵌合構造及び回
転力伝達嵌合構造を有する構成、ピンによる回り止めを
利用した着脱嵌合構造及び回転力伝達嵌合構造を有する
構成等であってもよい。
【0033】C.目的カードカセット2の識別選択に関
する構成について カセットラック15に積層状態で収納された複数のカー
ドカセット2中からの目的カードカセット2の識別選択
に関する構成について説明する。例えば、前述した実開
平5−92876号公報に示されるような従来のカード
発行装置では、各カード毎に用いるカードカセット及び
そのカセットの本体内への実装位置に関する対応関係が
予め全て決められており、間違った個所にカードカセッ
トが実装されないように対をなすカセット収納部・カー
ドカセットには互いに合致する溝部が形成されている。
よって、ホスト側から或るカードの発行指令があった場
合には、そのカードが収納されているカードカセットの
位置が既知であるので、対応するピックアップローラを
駆動させることにより目的とするカードの発行が可能と
なる。しかし、この方式はカードの種類が異なる毎にカ
ードカセットの形状が異なるとともに、各々のカセット
の実装個所も特定されており、カセット実装個所の選択
に自由がなく融通性に欠ける。これは、扱うカードカセ
ットの個数が多くなった場合には、逐一実装個所を確認
しながら収納させなければならないことを意味し、面倒
で手間のかかる作業となってしまう。
【0034】これに対して、本実施の形態では、カード
1の種類が異なってもカードカセット2は全てのカード
1に共通な同一形状のものが用いられ、かつ、カセット
ラック15に対してはカードカセット2とカセット収納
部18とが1:1の特定な対応関係になく何れのカセッ
ト収納部18に対して収納させてもよい自由度を持たせ
てある。そして、何番目のカセット収納部18にどの種
類のカード1が入っているカードカセット2が収納され
ているかを識別するため、各カードカセット2毎に異な
るバーコード100が付されている。このバーコード1
00はそのカードカセット2に収納したカード1の種別
情報を示す識別情報部として機能するもので、本実施の
形態では、図6等に示すように移動するキャリアユニッ
ト33が横切る周面の1つであるカセット前端面101
に付されている。また、バーコード100のバーの向き
も横方向とされ、このバーコード100の読取動作が上
下方向の走査により行われるように設定されている。こ
のようなバーコード100の読み取りを行うための読取
手段であるバーコードスキャナ102がキャリアユニッ
ト33上でカセット取出口19に対向する向きに搭載さ
れている。
【0035】前記バーコードスキャナ102による各カ
ードカセット2のバーコード100の読取動作は、少な
くとも装置の電源投入時に自動的に実行される。即ち、
カセットラック15に収納されている全てのカードカセ
ット2に関して各カセット収納部18毎に順にバーコー
ド100の情報をバーコードスキャナ102によって読
み取ることにより、どのカセット収納部18にどのカー
ド1用のカードカセット2が収納されているかを認識
し、その情報をホスト側に送ることによりホスト側のR
AMに格納させる。この処理が各カセット収納部18と
各カードカセット2との位置関係を認識するための位置
関係認識手段の機能として実行される。これにより、ホ
スト側では実際のカード発行に際しては、既にどの位置
のカセット収納部18にどのカード1用のカードカセッ
ト2が収納されているかが分かるので、カード発行指令
とともにその取出位置指令を与えることができる。
【0036】この場合の読取動作を行わせる電源投入時
とは、現実に電源を投入した時点のみならず、その時点
から実際にカード1の取出動作を開始させるまでの間を
も含む意味である。また、少なくとも電源投入時に全て
のカードカセット2に関してバーコード100の読み取
りを行わせるのは、電源投入時点でCPUがそれ以前の
状態を全てイニシャライズしてしまうためである。ま
た、本実施の形態では、電源投入時のみに限らず、開閉
扉が開閉された場合にもバーコードスキャナ102によ
るバーコード100の読取動作が最初からやり直され
る。これは、開閉扉が開閉された場合には、カセット収
納部18に対してカードカセット2が入れ替えられた可
能性があるためである。
【0037】よって、使用者がカードカセット2の収納
位置を自由に入れ替えても何ら支障ないことになる。ま
た、本実施の形態によれば、各カードカセット2に付さ
れたバーコード100を読み取るためにバーコードスキ
ャナ102による走査を必要とするが、バーコード10
0の走査方向が上下方向に設定され、かつ、カセットラ
ック15の全範囲について移動するスキャナユニット3
3の移動を利用して行えるので、走査系を別個に設ける
ことなく簡単に実現できる。
【0038】なお、各カードカセット2が有する識別情
報部としては、バーコード100に限らず、凹凸情報等
であってもよく、要は、各カードカセット2に付すこと
ができてカード1の種別情報を読み取り可能に保有して
いるものであればよい。また、バーコード100等を付
ける位置としても、カセット前端面101に限らず、キ
ャリアユニット33が横切り得る周面上、例えば、側板
16aのカセット側面等であってもよく、その位置に合
わせてバーコードスキャナ102の搭載位置を変更すれ
ばよい。
【0039】D.1枚のカードのみを取り出すための構
成について 次に、カードカセット2から1枚のカード1のみを確実
に取り出すための構成について図17ないし図19を中
心に説明する。
【0040】この種のカード発行装置においては、カー
ド発行指令があった場合には対応するカードを重送や不
送りを生ずることなく1枚だけ確実に発行させることが
重要である。ちなみに、従来のカード発行装置において
は、カードカセットの外部であってカードの搬送経路上
にカード1枚分の幅に形成されたリミッタを配設し、こ
のリミッタの幅管理によりカードが2枚重なって発行さ
れることがないように規制している。しかし、この方式
ではリミッタの幅に関する寸法管理が難しい上に、用い
られるカードの規格・種類が違ってくればカードの厚み
も異なってくる可能性があり、前述したようにカードカ
セットの収納位置に自由度を持たせた場合にはカセット
外部に位置するリミッタとの整合が採れず、重送や不送
りが発生することもある。
【0041】この点、本実施の形態では、カードカセッ
ト2の外部にリミッタを設けるような構成を採らず、カ
ードカセット2自身及びピックアップローラ51との関
係の工夫により1枚のカード1のみを確実に取り出せる
ように構成されている。まず、プラスチック製で腰の強
いカード1を積層状態で収納するケース本体3内には、
図17等に示すように、前記カード1が載せられる底板
110が設けられている。また、前記ケース本体3内の
底面中央部上には前記底板110を介して積層状態のカ
ード1の先端側を天井面111側に向けて押し上げるよ
うに付勢力が作用する状態で板ばね112が取り付けら
れている。さらに、前記ケース本体3内の底面上であっ
て、前記板ばね112の両側には、前記底板110を介
して積層状態のカード1の後端側を天井面111側に向
けて押し上げるように付勢力が作用する状態で前傾手段
となる板ばね113が取り付けられている。この板ばね
113の押上力は、ケース本体3内のカード1にピック
アップローラ51が押圧接触した状態で積層状態のカー
ド1の最上位後端部を天井面111に押し当てることに
より、これらのカード1が全体的にピックアップローラ
51側が低めとなる前傾状態となるように設定されてい
る(図18参照)。また、前記ケース本体3内のカード
排出口4側の内壁面にはリブ114が形成され、このリ
ブ114の上端(従って、カード排出口4付近)側には
カード排出口4側に向けて傾斜させたテーパ形状部11
5が形成されている。一方、このようなカードカセット
2に対してその引出位置にてローラ進入用開口部5から
進入してカード1の取出しを行うピックアップローラ5
1は前記板ばね112による押上力よりも大きいばね6
0による付勢力で最上位のカード1に押圧接触するが、
このケース本体3内へのピックアップローラ51の進入
量が常に一定となるようにケース本体3の一部に当接す
る進入量規制部116が支持体であるアーム58の一部
に形成されている。このように進入量の規制されたピッ
クアッブローラ51が押圧接触することにより前傾状態
にある積層されたカード1中の最上位のカード先端位置
はカード排出口4の位置よりも前記テーパ形状部115
の高さ分だけずれた位置となるようにこのテーパ形状部
115の高さが設定されている。なお、搬送ローラ52
直後の位置には取り出されたカード1の先端を光学的に
検出するカード位置センサ117が設けられている。
【0042】ここで、 μ1 ;ピックアップローラ51とカード1との間の摩擦
係数 μ2 ;カード1と天井面111との間の摩擦係数 μ3 ;カード1間の摩擦係数 F1 ;ピックアップローラ51の回転によるカード繰出
力 P1 ;ピックアップローラ51・カード1間の押圧力 P2 ;天井面111に対するカード1の押圧力 であり、μ1 ≫μ2 ,μ3 、P1 >P2 とすると、 F1 =μ11 −μ22 −μ3 (P1 +P2 ) で表される。
【0043】よって、カセット収納部18から引き出さ
れたカードカセット2中のカード1に対してピックアッ
プローラ51が回転しながら押圧接触する状態になる
と、このピックアップローラ51が直接当接している最
上位のカード1に対しては上式で示されるカード繰出力
1 が作用し、この最上位のカード1はその先端側がテ
ーパ形状部115に従い上向きに反りながら進行してカ
ード排出口4からケース本体3外に出る。この時、搬送
ローラ52もピックアップローラ51と同速で回転して
おり、取り出されたカード1の先端は搬送ローラ52間
に入り込み、さらに前方に取り出される。この動作にお
いて、カード1の先端がカード位置センサ117により
検出されると、その時点でソレノイド59に通電されて
ピックアップローラ51がローラ進入用開口部5から抜
け出るように退避し、カードカセット2内のカード1か
ら離れる。従って、ピックアップローラ51は回転を継
続しているが、後続のカード1に対しては繰出力が作用
せず、重送が防止される。一方、今回取り出されたカー
ド1の搬送は搬送ローラ52、さらには搬送ローラ53
によりそのまま継続されるので、カード1はカードカセ
ット2から完全に取り出される。
【0044】このようなカード1の取出動作において、
テーパ形状部115による重送防止作用について説明す
る。カード1間の摩擦係数μ3 が常に一定であれば、基
本的には最上位の1枚のカード1が繰出搬送されても2
枚目以降のカード1には搬送力は作用しないが、現実に
は、カード1間の異物付着、その他の何らかの外的要因
により1枚目・2枚目間の摩擦係数と2枚目・3枚目間
の摩擦係数とが異なることはある。このような状況下で
は、ピックアップローラ51の繰出力F1 を受けて最上
位の1枚のカード1が送られると、その下の2枚目、3
枚目のカード1も連れ送りされ、前傾状態に収納されて
いる各々のカード1の先端がテーパ形状部115に突き
当たる。そして、カード1は腰が強いため、ピックアッ
プローラ51により直接繰出力F1 を受けている最上位
のカード1はその繰出力F1 がテーパ形状部115によ
り生ずる抵抗力よりも十分に大きいため、腰の強いこの
カード1はテーパ形状部115に乗り上げるように反り
ながらカード排出口4側に送られる(図19(b)参
照)。一方、2枚目以降のカード1はテーパ形状部11
5により生ずる抵抗力に打ち勝つほどの繰出力を受けて
いないためテーパ形状部115に従って反ることができ
ず、突き当たったその場に留まり、連れ送りされず、2
枚目以降の重送が防止される。別の観点から考えると、
取り出しに際して数枚のカード1の先端がテーパ形状部
115に突き当てられることによりカード1間に隙間を
生ずるため、カード1間を剥がしやすくなり重送防止に
有効に作用するとともに、テーパ形状部115でのカー
ド1の動きによれば、1枚目・2枚目のカード1間が動
摩擦状態に変化するのに対して2枚目・3枚目のカード
1間が静摩擦状態に変化して1枚目のみ動きやすく、2
枚目は動きにくくなることにより重送防止がなされると
も考えられる。このようにして、給紙装置に用いらる紙
とは異なり腰の強いカード1に着目し、前傾状態に積層
されたカード1をテーパ形状部115で先端側を反らせ
ながら取り出すことにより重送を確実に防止できる。
【0045】一方、カードカセット2内へのピックアッ
プローラ51の進入量にばらつきがあると、ピックアッ
プローラ51が深く入り込み過ぎることによりカード1
の先端をリブ114に突き当てるだけとなって不送りを
生じたり、ピックアップローラ51の入り込みが浅過ぎ
てカード1が全面的に天井面111に接しやすくなりス
リップしやすくて不送りを生ずる可能性がある。この
点、本実施の形態では、ピックアップローラ51用のば
ね60による押圧力は板ばね112による押上力よりも
十分強く設定され、アーム58の進入量規制部116が
天井面111上に必ず当接することによりピックアップ
ローラ51の進入量が常に一定となるように規制される
ので、常に安定した繰出力を作用させることができ、不
送りも生じない。
【0046】E.カードカセット2の位置決めに関して カセットラック15のカセット収納部18に収納された
カードカセット2は、収納状態にある定位置とカード取
出し用に引き出された引出位置とを採り得るが、何れの
位置でも位置ずれを生じないように位置決めされる。こ
のため、図20に示すように、丸シャフト31上にはギ
ヤ46と一体化されたカム体120が設けられている。
このカム体120の所定位置には2つの切欠120a,
120bが形成されている。キャリアユニット33上に
は支点121により回動自在に支持されて前記カム体1
20の周面上を常に転動するコロ状のカムフォロワ12
2を有するアーム123が設けられている。このアーム
123はばね124によりカム体120側に付勢されて
いる。また、前記アーム123の先端側をアクチュエー
タ125としてオン・オフされるカセット原点センサ1
26もキャリアユニット33上に搭載されている。この
カセット原点センサ126は前記カムフォロワ122が
切欠120a又は120bの何れかに入り込んだ状態に
アーム123が変位した時にオンするように設定されて
いる。
【0047】なお、図21に示すように、スライダ43
の背面側には引込ピン44とともにこの引込ピン44よ
りも短めのガイドピン127が一体で段違いに形成さ
れ、キャリアユニット33の側面に形成された2つの段
違いのスリット孔128a,128bをこれらの引込ピ
ン44及びガイドピン127が貫通することにより、ス
ライダ43が一定範囲内でスライド自在とされている。
なお、引込ピン44やガイドピン127には抜止めピン
129が差し込まれている。
【0048】このような構成において、目的カードカセ
ット2が定位置に位置している時には(引込ピン44は
スリット孔128aの左端に位置し、かつ、縦共通溝2
3の位置でカードカセット2の凹部6に係合してい
る)、図20(a)に示すようにカムフォロワ122が
カム体120に対して定位置用の切欠120aに入り込
む状態にあり、アクチュエータ125はカセット原点セ
ンサ126をオンさせる。この状態で、カセット搬送用
モータ12を駆動させて丸シャフト31を回転させると
ギヤ46が回転することによりラック42を介してスラ
イダ43も右方向にスライドし、その引込ピン44と凹
部6との係合を介してカードカセット2の引出しが行わ
れる。この際、カム体120も同時に回動するので、図
20(b)に示すように、カムフォロワ122が切欠1
20aから抜け出るのでアクチュエータ125も離反す
る方向に変位し、カセット原点センサ126はオフす
る。カードカセット2が所定の引出位置まで引き出され
ると、カムフォロワ122が引出位置用の切欠120b
に入り込む状態になるので、アクチュエータ125はカ
セット原点センサ126をオンさせる。このオン信号が
カセット搬送用パルスモータ12の制御に用いられ、こ
のカセット搬送用パルスモータ12への通電が断たれ
る。モータは非通電状態となり、ギヤ46は回転自在な
不安定状態となるが、カムフォロワ122が切欠120
bに入り込んでおり、カム体120(従って、ギヤ4
6)の回動を規制しているので、引出状態のカードカセ
ット2が不用意に前後方向に動くことはなく、所定の引
出位置に維持される。
【0049】F.各種センサ類に関して 本実施の形態のカード発行装置では、各種動作のタイミ
ング制御等に供するため、前述したカード位置センサ1
17、カセット原点センサ126の他に、光学的、機械
的な各種センサが設けられている。模式的に示す図7及
び図8を参照して説明する。まず、装置本体10におい
ては、図7に示すように開閉扉の開閉を検出するための
扉開閉センサ130が設けられている。また、シャッタ
部材83に関して禁止位置なる原点位置にあるか否かを
検出するシャッタ原点センサ131が設けられている。
さらに、キャリアユニット33の移動量を決める基準位
置を特定するためのキャリア原点センサ132が上部側
に設けられている。一方、キャリアユニット33上には
図8に示すように搬送ローラ52直前に配設されてカー
ド1の先端を検出するカード位置センサ133、搬送ロ
ーラ53の出口側に配設されてカード1の先端や後端を
検出するカード出口センサ134が搭載されている。ま
た、前記カードカセット2のケース本体3の先端側一部
に上下方向に貫通する位置に形成された検出孔135
(図6参照)を介して、引出状態のカードカセット2内
のカード1の有無を検出する上下一対のカード有無セン
サ136もキャリアユニット33に搭載されている。
【0050】G.カード発行までの各部の動作タイミン
グ制御に関して 本実施の形態のようにキャリアユニット33が目的カー
ドカセット2の位置まで移動してそのカードカセット2
を引き出し、引き出されたカードカセット2から1枚の
カード1を取り出し、取り出されたカード1をキャリア
ユニット33によりカード発行口70まで搬送させるこ
とにより発行させる場合、発行までの間に、カードカセ
ット2やキャリアユニット33が動く分、発行に要する
時間が長くかかってしまうおそれがあるが、本実施の形
態では、各部の動作を極力同時的に行わせるよう動作タ
イミングを制御することにより、カード発行時間の短縮
化が図られている。この際、次の動作に移るタイミング
を時間的に制御すると動作的に不確実になるので、本実
施の形態では確実なトリガを用意して動作の確実性を確
保している。
【0051】図22に示すフローチャート、及び、図2
3に示すタイムチャートを参照して説明すると、ホーム
ポジション(最下位位置)待機中にカード発行指令があ
ると、キャリアモータ11の駆動によってキャリアユニ
ット33を目的カードカセット2の位置へ移動させる処
理動作が行われる。このようなキャリアユニット33の
移動中に、カセットラック15からのカードカセット2
の引出準備を完了させておくために、シャッタ開放ソレ
ノイド84を駆動させてシャッタ部材83を開放させる
開放処理を並行して行わせ、かつ、ソレノイド59を駆
動させてピックアップローラ51を退避位置へ変位させ
る退避処理を並行して行わせる。これにより、キャリア
ユニット33が目的カードカセット2の位置に移動した
時点ではそのカードカセット2の引出準備が完了した状
態となり、時間的なロスがない。
【0052】つづいて、カセット搬送用パルスモータ1
2を駆動させることによりカセット引出装置40が目的
カードカセット2の引出処理を行う。この時、キャリア
ユニット33の移動完了はキャリアモータ11の位置偏
差カウンタに溜るパルス数から判断し、カセット搬送用
パルスモータ12の駆動開始のトリガとされる。カセッ
ト引出装置40により目的カードカセット2を引き出し
た後にソレノイド59を非通電状態としてピックアップ
ローラ51をカード取出可能位置に変位させてカード取
出装置50による目的カードカセット2からのカード1
の取出動作を行う。この時、カセット搬送用パルスモー
タ12の指令パルス状態からの移動完了信号とカードカ
セット2が正規の引込位置にあることを検出するカセッ
ト原点センサ126からの検出信号との2つの信号から
判断して、カード取出開始(ピックアップローラ51の
復帰)のトリガとされる。このカード取出装置50によ
るカード取出動作中に、取り出したカード1を搬送ロー
ラ52により搬送させながらソレノイド59に通電して
ピックアップローラ51を退避位置へ退避させる退避処
理を並行して行わせるとともに、カセット搬送用パルス
モータ12を逆転駆動させて引き出されていたカードカ
セット2をカセット収納部18内の元の位置に戻すカセ
ット復帰処理と並行して行わせる。この時、1枚目のカ
ード1がピックアップローラ51を通り過ぎる手前を検
出するカード位置センサ133の検出信号を用いてピッ
クアップローラ51を退避させるトリガとされる。
【0053】次いで、引き出されたカード1をキャリア
ユニット33によりカード発行口70まで搬送する搬送
動作を行う。このようにカード発行口70へキャリアユ
ニット33を移動させる際、カセット搬送用パルスモー
タ12の移動完了信号とカードカセット2が元の定位置
にあることを検出するカセット原点センサ126からの
検出信号との2つの信号をトリガとすることで、キャリ
アユニット33を移動させる際の安全を確保している。
即ち、カードカセット2が突き出た状態でキャリアユニ
ット33が移動動作を開始してしまうことはない。この
搬送動作中にソレノイド59を再び非通電状態としてピ
ックアップローラ51をカード読取可能位置へ変位させ
て待機させる処理を行わせ、かつ、シャッタ開放ソレノ
イド84も非通電状態としてシャッタ部材83を禁止位
置へ変位させる復帰処理を行わせる。
【0054】なお、本実施の形態では、カセット原点セ
ンサ126はカードカセット2が定位置と引出位置とに
あるときの2状態を検出するセンサとして構成されてい
るので、他のセンサとの条件をとることにより、カード
カセット2が定位置に位置しているか引出位置に位置し
ているかを判定する。
【0055】H.キャリアユニット33の移動のための
原点検出方法に関して キャリアユニット33を各カードカセット2の引出位置
に移動させるためにはキャリアユニット33の移動に関
して絶対位置(基準点)を決定するための基準位置セン
サとなるキャリア原点センサ132が必要となる。しか
し、センサ取付誤差やセンサ特性のばらつきなどによっ
てキャリア原点センサ132の検出点が製品毎に違って
しまう可能性がある。この場合、製品毎にキャリア原点
センサ132の物理的位置を調整すればよいが、面倒な
上に必ずしも正確な調整を行えない。また、キャリア原
点センサ13の物理的位置を調整したとしても、各カー
ドカセット間の間隔のばらつきまでは調整できない。こ
の点、本実施の形態では、キャリア原点センサ132の
物理的位置調整を行うことなく、出荷前の工程で自動的
に補正するための調整プログラムが組み込まれている。
概略的には、キャリア原点センサ132から各カセット
引出位置までの長さを測定し、それらの実測値をホスト
側のEEPROM(Electoric Erasable Programmab
le ROM)に記憶させておき、出荷後にユーザが実際
に使用する際にはこのEEPROMに記憶させたデータ
を用いることによりキャリアユニット33の移動量に関
する位置決めを行わせるように制御するものである。こ
のための調整プログラムに従った制御処理を図24に示
すフローチャートを参照して説明する。
【0056】まず、出荷前の段階において、キャリア原
点センサ132から最も遠い(最下位=10番目の)カ
ードカセット2の位置へキャリアユニット33を手動で
移動させ、引込ピン44を対応するカセット収納部18
用の引出溝22中に位置させた状態で、調整プログラム
を走らせる。なお、この調整作業に関しては、カセット
ラック15にカードカセット2を収納することなく空の
状態で行われる。また、調整プログラムの起動はディッ
プスイッチを適宜設定して電源スイッチを投入すること
により行われる。
【0057】まず、キャリアモータ11をその場で励磁
させることによりオンさせるが、最初はそのゲインが低
く設定される。この後、一定量のパルス分、キャリアユ
ニット33を上下に移動させるとこのキャリアユニット
33は引込ピン44が引出溝22内で移動し得る隙間分
しか上下に移動することができない。この時の実際の上
下の移動分をキャリアモータ11直結のエンコーダのフ
ィードバックパルス数をサンプリングすることにより、
引込ピン44を引出溝22の上下方向(積層方向)中央
に位置させるためのデータを取得できる。そこで、キャ
リアモータ11の移動量を調整して引込ピン44が引出
溝22の中心点に位置するようにキャリアユニット33
を移動させた位置で保持させる。続いて、キャリアモー
タ11のゲインを通常に戻すとともに引込ピン44も縦
方向に移動可能となるホームポジション(縦共通溝23
位置)へ戻してそこから上昇させることによりキャリア
原点センサ132の検出動作を行うと、このキャリア原
点センサ132と最下位のカードカセット2用の引出溝
22の中心位置までのパルス数を正確に認識できる。次
に、最下位から2番目のカードカセット2に関して同様
のサンプリング動作を行う、といった具合に、残りの全
てのカードカセット2に関して同様の作業を繰り返すこ
とにより、キャリア原点センサ132から各カードカセ
ット2用の引出溝22の中心位置に対する全ての移動量
を正確に把握できる。このように調整プログラムを走ら
せることにより実測したデータを、ホスト側のEEPR
OMに書き込んでおくことにより、出荷後の実際の使用
に際しては、キャリア原点センサ132の位置を検出す
るだけで後はEEPROMに記憶されているキャリア原
点センサ132・各カードカセット2(用の引出溝22
の中央位置)間の距離(移動量)データを用いることに
より、発行指令のあった目的カードカセット2への移動
量を取得して移動を正確に行わせることができる。
【0058】なお、カセットラック15における各カー
ドカセット2間の距離(引出溝22間の距離)を組立て
上で正確に出せる場合であれば、上記の作業は全てのカ
ードカセット位置に関して行う必要はなく、最低限、キ
ャリア原点センサ132から最も遠いカードカセット位
置についてのみ実測して記憶しておき、残りのカードカ
セット位置に関してはその実測値を利用した演算により
算術的に算出するようにしてもよい。
【0059】I.電源オン時のキャリアユニット33の
動作制御に関して 本実施の形態では、キャリアユニット33を目的カード
カセット2の位置に移動させ、カセットラック15から
目的カードカセット2を引き出してそのカードカセット
2からカード1を取り出し、さらにこのカード1をキャ
リアユニット33によってカード発行口70まで搬送さ
せる構成のため、キャリアユニット33の上下方向の搬
送路確保されていないとカード発行動作を行わせること
ができず、むりやり駆動させるとカードカセット2やキ
ャリアユニット33自身の破損等のエラーを生じてしま
う。特に、電源投入時や停電復旧時には電気的に管理さ
れていない状態からの立上りであり、様々な状況が起こ
り得るので、キャリアモータ11をオンさせる前に各種
センサ類から得られる情報により状況を把握し、キャリ
アユニット33が移動不可能な状態にあることが検出さ
れれば、その障害要因を除去してから通常動作を開始す
るようにキャリアモータ11(従って、キャリアユニッ
ト33の移動)が制御される。
【0060】キャリアユニット33が移動不可能になる
現象の典型例としては、カード発行動作中に、停電その
他の原因で電源が切られてしまった場合が考えられる。
この場合、カードカセット2がカセットラック15から
引き出された引出状態にあり、引込ピン44が引出溝2
2中に位置しているので、このままでは、キャリアユニ
ット33をキャリア原点センサ132の位置まで移動さ
せる初期動作としての原点検出動作を行わせることはで
きない。このような現象を考慮して、本実施の形態で
は、図25に示すようなキャリアユニット33の動作制
御に関するプログラムが組み込まれている。
【0061】この動作制御は電源投入(停電後の復旧時
を含む)に伴い、起動される。まず、カセット原点セン
サ126等の各種センサ類の検出状態をチェックし、そ
の状況からキャリアユニット33が移動可能であるか否
かを判定する。移動が可能であれば、キャリアモータ1
1をオンさせてキャリアユニット33を上方に移動さ
せ、キャリア原点センサ132の検出動作を行い、その
後、今度はキャリアモータ11を逆転させてキャリアユ
ニット33を低速で下降させ、全カードカセット2をバ
ーコードスキャナ102でスキャニングすることによ
り、バーコード100を読み取る。このスキャニング動
作でバーコード10から読み取った全カードカセット2
に関するカード種別情報をカセット収納部位置情報と合
わせて書き込み、キャリアユニット33をホームポジシ
ョン(例えば、最下位位置)へ移動させることにより、
カード発行待機状態となる。
【0062】一方、電源投入時点でキャリアユニット3
3の移動が不可能であると判定されると、キャリアユニ
ット搬送路を確保するための動作制御が実行される。ま
ず、移動が不可能である状況として、引込ピン44がホ
ームポジション(縦共通溝23の位置)に位置するか否
かがチェックされる。引込ピン44がホームポジション
に位置しなければ、カードカセット2がキャリアユニッ
ト33に対して引出状態にあり、引込ピン44が引出溝
22中に位置していると判定される。この場合には、キ
ャリアモータ11のゲインを低くした状態でオンさせ、
その場で励磁させる。この後、一定量のパルス分だけ、
キャリアユニット33を上下に移動させると、キャリア
ユニット33は引出溝22の溝幅分しか上下に移動でき
ない。この時の移動量を実測値としてサンプリングする
ことで、引込ピン44を引出溝22の中心に位置させる
ためのデータを取得することができる。そこで、キャリ
アモータ11のゲインを通常に戻し、引込ピン44が引
出溝22の中心に位置する状態で励磁する。この状態で
保持することにより、引込ピン44が引出溝22の中心
に位置しており、引出溝22をすらないので、引込ピン
44をスムーズに移動させることができる。この状態
で、カセット搬送用パルスモータ12を駆動させて引込
ピン44を定位置側(縦共通溝23の位置側)に移動さ
せることにより、引出状態にあったカードカセット2を
定位置に復帰させることができる。カードカセット2が
定位置に戻ったことはカセット原点センサ126により
検出される。これにより、キャリアユニット33は自由
に上下方向に移動し得る状態になるので、通常動作(キ
ャリア原点センサ132の検出動作、キャリアユニット
33中に取り出されたカード1が存在していればカード
発行口70まで移動させて発行する動作等)を行い、カ
ード発行待機状態となる。
【0063】このような搬送路を確保するための動作に
おいて、カードカセット2をカセットラック15内の定
位置に保持しておくためのシャッタ部材83も開放状態
のままとなり、キャリアユニット33が位置していない
他のカードカセット2が振動等によってカセット取出口
19側に突出していてキャリアユニット33の移動を阻
害する可能性もある。そこで、念のため、シャッタ部材
83に関しても電源投入時にその開閉動作を実行させ、
シャッタ部材83を閉じることができなければカセット
取出口19側に突出したカードカセット2が存在するも
のと判定し、このカードカセット2についてはカード引
出装置40では戻せないので、エラー表示してオペレー
タに修復を促す。
【0064】電源投入時のこのようなシャッタ部材83
の開閉動作は、キャリアユニット33の位置でカードカ
セット2が突出していない場合にも同様に行われ、シャ
ッタ部材83を閉じることができなければカセット取出
口19側に突出したカードカセット2が存在するものと
判定し、このカードカセット2についてはカード引出装
置40では戻せないので、エラー表示してオペレータに
修復を促す。
【0065】J.その他 本実施の形態では、複数のカードカセット2をカセット
ラック15によって上下方向に積層し、キャリアユニッ
ト33等が上下方向に移動することによりカード発行動
作が行われるように構成したが、例えば、カードカセッ
トを水平方向に積層させてキャリアユニット等が水平方
向に移動することによりカード発行動作を実行するよう
に構成してもよい。
【0066】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、積層状態
のカードカセットの全範囲に渡って移動自在なキャリア
ユニットに全てのカードカセットに共通な1個のピック
アップローラを搭載し、目的カードカセットの位置に移
動させてカセット引出装置によりカードカセットを引き
出して、カード取出装置のピックアップローラによるカ
ード取出しを可能にし、取り出されたカードをキャリア
ユニットの移動によりカード発行口まで搬送させること
によりカードを発行する新規なカード発行方式に関して
は、キャリアユニットの移動に際してその搬送路が確保
されていないとカード発行動作を行えないだけでなく、
キャリアユニットやカードカセット等の破損をも生ずる
ことがあり、特に電源投入時や停電復旧時には以前の状
態が電気的に管理されていない状態からの立上りとなる
ので、キャリアユニットが移動不可能な状態のままキャ
リアユニットの移動を開始させてしまうと上記のような
不都合を生ずるが、電源投入時及び電源復旧時には、カ
ードカセットが引出状態にあってキャリアユニットが移
動できない状態にあるかを必ず検出し、移動できない状
態の場合には引出状態のカードカセットを収納させてキ
ャリアユニットの移動を可能にしてから、キャリアユニ
ットを移動させてその初期動作である基準点検出を行わ
せるので、常に支障なくカード発行動作を行わせること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す要部の分解斜視図
である。
【図2】カセットラック付近を示す斜視図である。
【図3】全体的な正面概略構成図である。
【図4】全体的な側面概略構成図である。
【図5】(a)はキャリアユニット部分の概略平面図、
(b)はその概略側面図である。
【図6】カードカセットの斜視図である。
【図7】センサ配置を示す模式的側面図である。
【図8】(a)はキャリアユニットにおけるセンサ配置
を示す模式的平面図、(b)はその模式的側面図であ
る。
【図9】カセット引出及びカード取出動作の最初を示す
側面図である。
【図10】カセット引出及びカード取出動作の次のステ
ップを示す側面図である。
【図11】カセット引出及びカード取出動作の次のステ
ップを示す側面図である。
【図12】カセット引出及びカード取出動作の次のステ
ップを示す側面図である。
【図13】カセット引出及びカード取出動作の次のステ
ップを示す側面図である。
【図14】カセット引出及びカード取出動作の次のステ
ップを示す側面図である。
【図15】ピックアップローラ付近の構造を示す断面図
である。
【図16】ピックアップローラ付近を示す斜視図であ
る。
【図17】カードカセットを示す分解斜視図である。
【図18】カード取出構成を示す縦断側面図である。
【図19】カードカセットのカード排出口付近を拡大し
て示す縦断側面図である。
【図20】カセット原点センサ付近を示す平面図であ
る。
【図21】図20のA方向から見たキャリアユニットに
おけるガイド構成を示す側面図である。
【図22】カード発行処理制御の基本を示すフローチャ
ートである。
【図23】その制御に伴う動作タイミングを示すタイム
チャートである。
【図24】キャリア移動のための調整プログラムによる
原点検出方法を示すフローチャートである。
【図25】電源投入時のキャリア動作制御を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 カード 2 カードカセット 11 直流サーボモータ 15 カセットラック 18 カセット収納部 33 キャリアユニット 34 キャリア装置 40 カセット引出装置 50 カード取出装置 51 ピックアップローラ 70 カード発行口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 毅 静岡県三島市文教町1−4843−1 テッ ク技研株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−65845(JP,A) 特開 平4−223946(JP,A) 特開 平4−213533(JP,A) 特開 平9−309635(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 3/44 B65H 1/28 320

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚のカードを取出可能に収納した複
    数のカードカセットを個々に引出自在に収納するカセッ
    ト収納部が積層方向に形成されたカセットラックと、 このカセットラックの前記各カセット収納部に収納され
    た複数のカードカセット中から所望のカードカセットを
    選択して対応するカセット収納部から引き出すカセット
    引出装置と、 全てのカードカセットに共用されて引き出されたカード
    カセット中のカードを1枚だけ取り出す1つのピックア
    ップローラを含むカード取出装置と、 前記ピックアップローラを含む前記カード取出装置及び
    前記カセット引出装置を搭載して前記カードカセットの
    積層方向の全範囲を横切るように移動自在なキャリアユ
    ニットと、エンコーダのフィードバック制御により前記
    キャリアユニットを移動させる直流サーボモータとを有
    して、取り出されたカードを保持しながらカード発行口
    まで搬送するキャリア装置と、 目標カードカセットに対する前記キャリアユニットの移
    動の基準点を決定するための基準位置センサとを備えた
    カード発行装置の動作制御方法であって、 電源投入時及び停電復帰時には前記カードカセットが前
    記キャリアユニットに対して引出状態にあるか否かを検
    出し、引出状態にある場合にはそのカードカセットを前
    記カセット引出装置によりカセット収納部内の元の位置
    に戻す復帰動作を行ってから、初期動作として前記キャ
    リアユニットを基準位置センサの位置まで移動させて基
    準点検出を行うようにしたことを特徴とするカード発行
    装置の動作制御方法。
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