JP3264544B2 - 光学的変位量測定装置 - Google Patents

光学的変位量測定装置

Info

Publication number
JP3264544B2
JP3264544B2 JP05023693A JP5023693A JP3264544B2 JP 3264544 B2 JP3264544 B2 JP 3264544B2 JP 05023693 A JP05023693 A JP 05023693A JP 5023693 A JP5023693 A JP 5023693A JP 3264544 B2 JP3264544 B2 JP 3264544B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
image
diffracted light
fourier transform
order diffracted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05023693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06241725A (ja
Inventor
祐二 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamamatsu Photonics KK filed Critical Hamamatsu Photonics KK
Priority to JP05023693A priority Critical patent/JP3264544B2/ja
Publication of JPH06241725A publication Critical patent/JPH06241725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3264544B2 publication Critical patent/JP3264544B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体の変位量を光学的
に測定するための光学的変位量測定装置に係わる。ここ
で、物体の変位量とは、物体の移動量や変形量等をい
い、移動速度や変形速度等を含む。
【0002】
【従来の技術】物体の変位量を光学的に測定する手段の
一つとして、スペックル法がある。スペックル法では、
物体にレーザ光等の可干渉な光を照射し、該照射光が該
物体の粗面等で拡散反射して形成する斑点状の模様(以
下、「スペックルパターン」という)を利用する。第3
9回応用物理学関係連合講演会講演予稿集28a−A−
3に、図15に示すようなスペックル法を用いた光学的
変位量測定装置が提案されている。この光学的変位量測
定装置は、高速動作、高解像度、メモリー機能、及び、
二値記録特性を有する強誘電性液晶空間光変調素子(以
下、「FLC−SLM」という)と、入射光の重心位置
をそのスポット形状によらず高速、高解像度で検出で
き、FLC−SLMの特徴に良くマッチした半導体位置
検出素子(Position SensitiveLight Detector:以下、
「PSD」という)を採用している。この光学的変位量
測定装置では、粗物体330から生ずるスペックルパタ
ーンを、第一のFLC−SLM307上に二重書き込み
した後、レンズ312でフーリエ変換して第二のFLC
−SLM313上に記録する。さらにFLC−SLM3
13上に記録されたパターンをレンズ315によって再
度フーリエ変換し、PSD316上に一次回折光たる自
己相関信号光を形成する。演算・制御装置317は、P
SD316からの信号を二重書き込み系にフィードバッ
クし二重書き込み時間間隔を制御する。例えば、被測定
物体の速度が増加した場合には、自己相関信号光の位置
は0次光から離れPSD316からの位置出力が変化す
る。したがって、二重書き込み間隔を制御して、自己相
関信号光の位置を0次光側かつPSD位置検出誤差の小
さい中心部に移動させるようにする。このように、自己
相関信号光の位置をPSD316の略中心に制御した
後、PSD316の検出結果に基づいて、被測定物体の
速度を求める。かかる光学的変位量測定装置によれば、
広範囲の速度を高精度に測定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の光学的変
位量測定装置では、一次回折光をPSDに照射させ、P
SDの検出結果に基づいて二重書き込み間隔をフィード
バック制御する。そして、一次回折光をPSDの略中心
領域に照射させてから、PSDの検出結果に基づいて被
測定物体の移動速度を求めている。したがって、まず一
次回折光をPSDに照射させる必要がある。ここで、被
測定物体のおおよその移動速度があらかじめわかってい
る場合には、一次回折光をすぐにPSDに照射させるこ
とができるため、フィードバック制御をただちに開始す
ることができる。また、被測定物体の移動速度が不明の
場合にも、二重書き込み間隔をスウィープさせ被測定物
体の移動量を様々に変化させていけば、おおよその変位
速度を見つけだすことができる。したがって、やはり比
較的早くフィードバック制御を開始することができる。
しかし、被測定物体に急激な速度変化が起こり、一次回
折光がPSDの入射窓よりはずれてしまうような場合に
は、おおよその移動速度をより簡単に判断できれば、よ
り短時間にて測定を行うことができる。本発明は上記点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、被測定対象
の変位量をより短時間で測定でき、実時間測定性の点に
おいて極めて優れた光学的変位量測定装置を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学的変位量測定装置は、被測定対象へ光
を照射して、二の測定時刻における該被測定対象の像を
形成するための光照射手段と、該二の測定時刻における
該被測定対象の像を二重記録するための第一の記録手段
と、該第一の記録手段にコヒーレント光を照射して該二
重記録像を読みだすための第一のコヒーレント光投光手
段と、該読み出した二重記録像をフーリエ変換して第一
のフーリエ変換像を形成するための第一のフーリエ変換
手段と、該第一のフーリエ変換像を記録するための第二
の記録手段と、該第二の記録手段にコヒーレント光を照
射して該第一のフーリエ変換像を読みだすための第二の
コヒーレント光投光手段と、該読み出した第一のフーリ
エ変換像をフーリエ変換して0次の回折光点像を有する
第二のフーリエ変換像を形成するための第二のフーリエ
変換手段と、該第二のフーリエ変換像の0次の回折光点
像の光強度を検出するための光強度検出手段と、該光強
度検出手段の検出結果に基づき、該二の測定時刻の間に
おける該被測定対象の該第一の記録手段に対する相対的
変位量を求めるための変位量特定手段を備えている。こ
こで、該変位量特定手段は、該光強度検出手段の検出結
果を演算して該二の測定時刻の間における該被測定対象
の該第一の記録手段に対する相対的変位量を求めるため
の演算手段からなることが好ましい。本発明の光学的変
位量測定装置は、さらに、該第二のフーリエ変換像を調
整するための調整手段を備えていても良い。この場合に
は、該光強度検出手段は、該調整された第二のフーリエ
変換像の0次の回折光点像の光強度を検出する。ここ
で、該変位量特定手段は、該光強度検出手段の検出結果
に基づいて該調整手段の調整状態を制御するための制御
手段と、該調整された第二のフーリエ変換像が有する一
次の回折光点像の重心の位置を検出するための光重心位
置検出手段と、該光重心位置検出手段の検出結果と該調
整手段の調整状態に基づいて該二の測定時刻間における
該被測定対象と該第一の記録手段との相対的変位量を演
算するための変位量演算手段からなることが好ましい。
ここで、該光重心位置検出手段は、半導体位置検出素子
からなることが好ましい。該調整手段は、該二の測定時
刻の時刻間隔を調整する手段であることが好ましい。該
調整手段はまた、該二の測定時刻における被測定対象の
像の位置を相対的に調整する位置調整手段であってもよ
い。該位置調整手段は、例えば、該二の測定時刻におい
て形成される被測定対象の像を偏向する偏向手段と、該
偏向手段による該二の測定時刻の像の偏向量を相対的に
調整する偏向量調整手段とからなることが好ましい。ま
た、該第一及び第二の記録手段は、強誘電性液晶空間光
変調素子であることが好ましい。該光照射手段は、該被
測定対象にコヒーレント光を照射して、スペックルパタ
ーンを形成するものであることが好ましい。
【0005】
【作用】上記構成を有する本発明の光学的変位量測定装
置においては、該光照射手段が、該光学的変位量測定装
置に対して相対的に変位する被測定対象に、光を照射す
る。該照射光により、二の測定時刻における該被測定対
象の像が、それぞれ得られる。該第一の記録手段が、該
二の測定時刻の像を二重記録する。該第一のコヒーレン
ト光投光手段が、該第一の記録手段にコヒーレント光を
照射して、該第一の記録手段の該二重記録像を読み出
す。該読みだした二重記録像を、該第一のフーリエ変換
手段がフーリエ変換し、第一のフーリエ変換像を形成す
る。該第二の記録手段が、該第一のフーリエ変換像を記
録する。該第二のコヒーレント光投光手段が、該第二の
記録手段にコヒーレント光を照射して、該第一の記録手
段の該第一のフーリエ変換像を読み出す。該読みだした
第一のフーリエ変換像を、該第二のフーリエ変換手段が
フーリエ変換し、0次の回折光点像を有する第二のフー
リエ変換像を形成する。該光強度検出手段が、該第二の
フーリエ変換像の0次の回折光点像の光強度を検出す
る。該変位量特定手段が、該光強度検出手段の検出結果
に基づき、該二の測定時刻の間における該被測定対象の
該第一の記録手段(すなわち該光学的変位量測定装置)
に対する相対的変位量を求める。
【0006】ここで、該第二のフーリエ変換像の0次の
回折光点像の光強度は、該二の測定時刻における被測定
対象の像の相関、換言すれば、該二の測定時刻における
被測定対象の第一の記録手段(すなわち光学的変位量測
定装置)に対する相対的変位量に対応している。したが
って、該変位量特定手段が該演算手段である場合には、
該光強度検出手段の検出結果を演算して、該二の測定時
刻の間における該被測定対象の該第一の記録手段(すな
わち光学的変位量測定装置)に対する相対的変位量を求
める。
【0007】第二のフーリエ変換像が有する一次の回折
光点像の重心位置もまた、該二の測定時刻における被測
定対象の像の相関、換言すれば、該二の測定時刻におけ
る被測定対象の第一の記録手段(すなわち光学的変位量
測定装置)に対する相対的変位量に対応している。した
がって、本発明の光学的変位量測定装置が該第二のフー
リエ変換像を調整するための調整手段を備えている場合
には、該光強度検出手段は該調整された第二のフーリエ
変換像の0次の回折光点像の光強度を検出する。該変位
量特定手段の該制御手段が、該光強度検出手段の検出結
果に基づいて該調整手段の調整状態を制御する。該変位
量特定手段の該光重心位置検出手段が、該調整された第
二のフーリエ変換像の一次の回折光点像の重心の位置を
検出する。該変位量特定手段の該変位量演算手段が、該
光重心位置検出手段の検出結果と該調整手段の調整状態
に基づいて該二の測定時刻間における該被測定対象と該
第一の記録手段(すなわち光学的変位量測定装置)の相
対的変位量を演算する。ここで、該調整手段が該二の測
定時刻の時刻間隔を調整する手段からなる場合には、該
調整手段は、該二の測定時刻の時刻間隔を調整すること
により該第二のフーリエ変換像を調整する。また、該調
整手段が該二の測定時刻における被測定対象の像の位置
を相対的に調整する位置調整手段からなる場合には、か
かる被測定対象の像の相対的位置調整により該第二のフ
ーリエ変換像の調整を行う。特に、該位置調整手段が該
偏向手段と該偏向量調整手段とからなる場合には、該偏
向手段は該二の測定時刻に得られる像を偏向し、該偏向
量調整手段が該二の像の偏向角度を相対的に調整して該
二の像の相対的位置関係を調整することにより、該第二
のフーリエ変換像の調整を行う。
【0008】
【実施例】以下、本発明の第一の実施例を図面を参照し
ながら説明する。該実施例は、移動している被測定物体
の移動速度を測定するための光学的移動速度測定装置に
係わるものである。
【0009】図1は、本実施例に係る光学的移動速度測
定装置(以下、「測定装置」という)1の概略構成を示
す光学系統平面図である。該測定装置1は、レーザダイ
オード3からのレーザ光を、所定時間間隔をおいて二度
被測定物体30に照射して、二のスペックルパターンを
形成するためのスペックルパターン形成部1Aと;該形
成した二のスペックルパターンを二重記録するための第
一の強誘電性液晶空間光変調素子(以下、「第一のFL
C−SLM」という)7と;He−Neレーザ装置2か
らのレーザ光を、スペックルパターンが二重記録された
該第一のFLC−SLM7で位相変調し、さらに空間的
にフーリエ変換することにより、ヤングの干渉縞を形成
するための干渉縞形成部1Bと;該形成したヤングの干
渉縞を記録するための第二の強誘電性液晶空間光変調素
子(以下、「第二のFLC−SLM」という)13と;
He−Neレーザ装置2からのレーザ光を、ヤングの干
渉縞が記録された該第二のFLC−SLM13で位相変
調し、さらに空間的にフーリエ変換することにより、複
数の回折光光点を形成するための回折光形成部1Cと;
該形成した回折光光点のうちの0次回折光の光強度を測
定して該所定時間間隔の値をフィードバック制御し、そ
の後+1次回折光の重心位置を測定して被測定物体30
の該所定時間間隔における移動量ひいては移動速度を演
算するための測定・制御部1Dとを備えている。つま
り、測定装置1では、スペックルパターン形成部1Aで
得た互いに同一のパターンを有する二のスペックルパタ
ーンに対し、FLC−SLM7、干渉縞形成部1B、F
LC−SLM13、及び、回折光形成部1Cにより、ジ
ョイント変換相関処理と同様な処理を行って、0次の回
折光点像と該スペックルパターンの自己相関信号光(±
1次の回折光点像)を形成する。測定・制御部1Dによ
り、該0次の回折光点像の光強度を測定し、その測定結
果に基づいて該所定の時間間隔をフィードバック制御す
る。かかるフィードバック制御の後、やはり測定・制御
部1Dにより、+1次の回折光点像の重心位置を測定
し、その測定結果に基づいて該二のスペックルパターン
間の距離を演算し、もって、被測定物体の移動速度を演
算する。
【0010】以下、かかる測定装置1の構成について、
詳細に説明する。
【0011】直方体状の被測定物体30が、ベルトコン
ベア状の搬送装置31により、図1の矢印Vの方向(図
の紙面に沿う方向)に延びる搬送経路上を搬送移動され
ている。なお、該直方体状の被測定物体30は、図の紙
面に対し垂直な方向に延びる平面状粗面30Aを有して
いる。スペックルパターン形成部1Aでは、レーザダイ
オード(LD)3が、LDコントローラ4の制御のもと
レーザ光を所定時間間隔をおいて二度、特定の一の方向
に照射する。この結果、レーザスポット光が、被測定物
体30の搬送経路上の一の固定領域Rに、該所定時間間
隔をおいて二度パルス状に照射される。(以下、該二度
の照射時刻を、それぞれ、「第一の照射時刻t1及び第
二の照射時刻t2」といい、該所定時間間隔を「二重書
き込み間隔△t(=t2−t1)」という。また、該時間
間隔△tにおける該被測定物体30の移動距離を|S
(△t)|とする。)該二度の照射光は、それぞれ、被
測定物体30の粗面30Aのうち、照射時刻t1及びt2
に該固定領域Rに達した領域30R1及び30R2でそれ
ぞれ散乱反射され、二の反射光を形成する。(以下、そ
れぞれ、「第一及び第二の反射光」という。)該第一及
び第二の反射光は、該領域30R1及び30R2の粗面形
状に固有なスペックルパターンを有する。つまり、該第
一及び第二の反射光は、互いに同一のスペックル分布が
該移動方向Vに全体的に該移動距離|S(△t)|だけ
ずれたようなパターン(以下、それぞれ、「第一及び第
二のスペックルパターン」という)を有することにな
る。結像レンズ5が、該第一及び第二のスペックルパタ
ーンを、第一のFLC−SLM7の書き込み側光入射面
7Sw上に結像する。したがって、該光入射面7Swに結
像された第一及び第二のスペックルパターンは、互いに
同一のスペックル分布が、全体的に、一のシフト方向
X’に、一のシフト距離(以下、「シフト距離|M(△
t)|」という)だけずれたようなパターンとなる。こ
こで、該シフト方向X’は、被測定物体の移動方向(図
1の矢印V)と一定の関係にある。本実施例の場合、結
像レンズ5の光軸5Aは図の紙面にそって延びているた
め、該シフト方向X’も図の紙面に沿う方向に延びてい
る。また、該シフト距離|M(△t)|は、被測定物体
移動距離|S(△t)|との間に、該結像レンズ5の結
像倍率mで決まる以下の数式1の関係を有する。
【数1】|M(△t)|=m・|S(△t)|
【0012】該第一のFLC−SLM7は、該書き込み
側光入射面7Swに結像された該第一及び第二のスペッ
クルパターンを二重記録するべく、FLC−SLMコン
トローラ19により駆動される。
【0013】一方、干渉縞形成部1Bでは、He−Ne
レーザ装置2が、直線偏光状態の平行レーザビームを連
続的に照射している。かかるHe−Neレーザビーム
は、第一のコリメータレンズ8Aとスペイシャルフィル
ター8B及び第二のコリメータレンズ8Cからなるビー
ム径変換光学系8により、所望のビーム径の平行レーザ
ビームに変換される。該平行レーザビームの一部は、ハ
ーフミラー9で反射され、可変アパーチャ10Aとハー
フミラー10Bからなる第一の読みだし光学系10によ
り、該第一のFLC−SLM7の読みだし側光入射面7
rに導かれる。なお、該可変アパーチャ10Aは、該
レーザビームをさらに所望のビーム径に変換するための
ものである。該光入射面7Srに照射されたレーザビー
ムは、FLC−SLM7内で、該第一及び第二のスペッ
クルパターンの位置(該シフト距離|M(△t)|と該
シフト方向)に対応した位相変調を受けた後、該光入射
面7Srより出射する。こうして、該二重記録されたス
ペックルパターンの読みだしが行われる。該FLC−S
LM7から出射したレーザビームは、前記ハーフミラー
10Bを透過した後、第一のフーリエ変換レンズ12に
より空間的にフーリエ変換され、該レンズ12の像側焦
点面上にヤングの干渉縞を結像する。該ヤングの干渉縞
の縞の並ぶ方向(各縞の延びる方向に対し垂直な方向)
は、前記第一のFLC−SLM7に記録されたスペック
ル分布のシフト方向X’に平行であるため、図の紙面に
沿う方向に平行となる。また、該ヤングの干渉縞の縞間
隔(以下、「|K(△t)|」という)と前記シフト距
離|M(△t)|の逆数とは、以下の数式2に示すよう
に、FLC−SLM7の読みだし側面7Srに照射した
読みだし光(He−Neレーザ光)の波長λと該フーリ
エ変換レンズ12の焦点距離f12で決まる比例関係にあ
る。
【数2】|K(△t)|=λf12/|M(△t)| したがって、該ヤングの干渉縞の空間周波数U(△t)
は、次の数式で定められる。
【数3】 U(△t)=1/|K(△t)|=|M(△t)|/λf12
【0014】該第二のFLC−SLM13は、その書き
込み側光入射面13Swが該レンズ12の像側焦点面上
に位置するように配置されているため、該ヤングの干渉
縞が該光入射面13Swに結像される。該第二のFLC
−SLM13は、該ヤングの干渉縞を記録するように、
該FLC−SLMコントローラ19により駆動される。
【0015】回折光形成部1Cには、ミラー11Aとハ
ーフミラー11Bからなる第二の読みだし光学系11が
設けられており、ハーフミラー9を透過したHe−Ne
レーザ光を、第二のFLC−SLM13の読みだし側光
入射面13Srに導く。該光入射面13Srに照射された
レーザビームは、該FLC−SLM13内で、該ヤング
の干渉縞の位置(縞方向と縞間隔|K(△t)|)に対
応した位相変調を受けた後、該光入射面13Srより出
射する。こうして、該記録されたヤングの干渉縞の読み
だしが行われる。該第二のFLC−SLM13から出射
したレーザビームは、該ハーフミラー11Bを透過し、
第二のフーリエ変換レンズ15により空間的にフーリエ
変換される。この結果、該レンズ15の像側焦点面15
F上には、0次回折光光点と、該第一及び第二のスペッ
クルパターンの相関に応じた複数の回折光光点(n次回
折光;n=±1,±2,・・・)が結像される。該複数
の回折光光点は、該ヤングの干渉縞の縞の並ぶ方向に対
して平行に並ぶため、図1の紙面に沿う方向(X方向)
に並ぶことになる。より詳しくは、0次回折光は、レン
ズ15の光軸15Aが該像側焦点面15Fと交差する中
心点15O上に結像する。+1次、+2次、・・の回折
光は、該中心点15OからX方向にこの順に並ぶ。−1
次、−2次、・・の回折光は、それぞれ、該+1次、+
2次、・・の回折光と、該中心点15Oに対して点対称
となる位置に並ぶ。ここで、該±1次回折光は、同一の
パターンを有する該第一及び第二のスペックルパターン
に対してジョイント変換相関処理と同一の処理を施した
結果得られた該スペックルパターンの自己相関信号光で
ある。これら0次、±1次、・・・の回折光光点の互い
に隣あう光点間の距離(以下、「|N(△t)|」とい
う)は互いに等しく、その値は、以下の数式4に示すよ
うに、該ヤングの干渉縞の縞間隔|K(△t)|の値の
逆数と、FLC−SLM13の読みだし側面13Sr
照射した読みだし光(He−Neレーザ光)の波長λと
該フーリエ変換レンズ15の焦点距離f15で決まる一定
の比例関係にある。
【数4】|N(△t)|=λf15/|K(△t)|
【0016】したがって、上記数式1乃至4より、回折
光光点間距離|N(△t)|とシフト距離|M(△t)
|とは、以下の数式5の関係を有する。
【数5】 |N(△t)|=λf15/|K(△t)|=λf15・U(△t) =|M(△t)|・(λf15/λf12) =|M(△t)|・(f15/f12
【0017】ところで、本発明者は、該回折光光点と該
ヤングの干渉縞の縞間隔|K(△t)|(すなわち空間
周波数U(△t))との関係について、検討・研究を行
った結果、後述するように、光点間距離|N(△t)|
のみならず0次回折光の光強度(以下、「I」という)
も、ヤングの干渉縞縞間隔|K(△t)|と一定の関係
を有していることを実験的に発見した。すなわち、0次
回折光の光強度Iは、ヤングの干渉縞の空間周波数U
(△t)と図2に示すような一対一の関係、すなわち、
U(△t)が大きいほどIが大きくなるという単調増加
関係にあるということを実験的に発見した。かかる特性
によれば、図2に示すように、Iと被測定物体の移動距
離|S(△t)|も、一定の関係、すなわち、一対一の
対応関係を有していることがわかる。具体的には、I
は、|S(△t)|が大きいほど大きくなる単調増加関
係にある。数式1乃至3によれば、|S(△t)|とU
(△t)とは比例関係にあるからである。さらに、Iと
回折光光点間距離|N(△t)|も、一対一の対応関係
(単調増加関係)にあることがわかる。数式5によれ
ば、|N(△t)|とU(△t)とも比例関係にあるか
らである。なお、本発明者はさらに、+1次または−1
次回折光(以下、「一次回折光」という)の光強度も、
図2に示すごとく、|K(△t)|、U(△t)、及
び、|S(△t)|と、一対一の対応関係(詳しくは、
単調減少関係)にあることを実験的に発見した。
【0018】そこで、本発明の測定・制御部1Dでは、
一次元位置測定用半導体位置検出素子(PSD)16と
フォトダイオード116を、それらの入射窓16S及び
116Sが該像側焦点面15F上に位置するように配置
している。より詳しくは、図3(A)及び(B)に示す
ように、フォトダイオード116の円形入射窓116S
を、像側焦点面15Fの中心点15Oに配置して、これ
に0次回折光光点が入射しうるようにしている。フォト
ダイオード116は、入射した0次回折光光点の光強度
値Iに対応した信号を出力する。なお、入射窓116S
の面積は、0次回折光光点の全領域が入射窓116S内
に入射するよう、0次回折光光点のスポットサイズより
大きくしなければならない。入射窓116Sの面積はま
た、+1次及び−1次回折光光点が入射窓116Sに入
射しないような大きさに制限する必要がある。これら+
1次及び−1次の回折光の影響を除去して0次回折光の
光強度を正確に測定する必要があるからである。一方、
PSD16は、その検出しうる一次元方向がX方向に平
行に延びるように配置されている。PSD16はまた、
入射窓16Sの原点16Sx0が中心点15OからX方向
に所定距離dだけ離間するように、配置されている。な
お、入射窓16SのX方向における長さをLとする。P
SD16は、その入射窓16Sに+1次の回折光光点が
入射した場合に、その重心位置(すなわち、ピーク位
置)の原点16Sx0からの距離Xを示す信号を出力す
る。したがって、PSD116の検出結果たるXと回折
光光点間距離|N(△t)|とは、以下の数式6の関係
がある。
【数6】|N(△t)|=X+d したがって、上記の数式1乃至6より、以下の数式7が
求められる。
【数7】 |S(△t)|=(1/m)・(f12/f15)・(X+d) また、被測定物体30の移動速度Vは、以下の数式8で
求められる。
【数8】V=|S(△t)|/△t
【0019】図1に示すように、測定・制御部1Dに
は、PSD16とフォトダイオード116に接続された
演算・制御装置17が設けられている。演算・制御装置
17には、フォトダイオード116から0次回折光強度
Iを示す信号が入力されると共に、PSD16から+1
次回折光の重心位置(ピーク位置)を示す信号が入力さ
れる。演算・制御装置17には、既述の数式7及び8が
格納されており、PSDからの信号に基づき数式7、8
を演算する。演算・制御装置17はまた、LDコントロ
ーラ4を介してレーザダイオード3に接続されており、
レーザダイオード3がレーザ光を被測定物体30に照射
するのを制御する。ここで、演算・制御装置17は、L
Dコントローラ4を介して二重書き込み間隔△tの値を
も調整する。演算・制御装置17はまた、FLC−SL
Mコントローラ19を介して第一及び第二のFLC−S
LM7、13に接続されており、これらを駆動制御す
る。換言すれば、演算・制御装置17は、LDコントロ
ーラ4とFLC−SLMコントローラ19を介して、後
述する回折光形成動作Fを実行し、レンズ15の像側焦
点面15F上に回折光光点を結像させる。より具体的に
は、演算・制御装置17は、フォトダイオード116か
らの信号に基づいて、LDコントローラ4を介して二重
書き込み間隔△tを調整し、コントローラ4、19を介
して後述の回折光形成動作Fを実行する。かかる回折光
形成動作Fは、フォトダイオード116からの信号によ
り+1次回折光光点がPSD16の入射窓16S内に入
射したことが判断されるまで、繰り返し実行される。+
1次回折光光点がPSD16の入射窓16S内に入射し
たことが判断されると、演算・制御装置17は、その際
にPSD16が出力した信号の示すX値に基づき既述の
数式7及び8の演算を実行して、被測定物体の移動距離
|S(△t)|及び移動速度Vを求める。演算・制御装
置17には速度表示装置18が接続されている。この速
度表示装置18は、求められた被測定物体の移動速度V
の値をその表示面に表示する。
【0020】上記構成の測定装置1に採用されている第
一のFLC−SLM7について、以下、詳細に説明す
る。該第一のFLC−SLM7では、図4に示すよう
に、強誘電性液晶層(以下、「液晶層」という)7F
が、一対の配向層7Eと7Gとの間に設けられている。
該配向層7Eの該液晶層7Fと反対の側には、誘電体ミ
ラー7Dと、アモルファスシリコン層(以下、「α−S
i層」という)7Cと、書き込み側透明電極(以下、
「電極」という)7Bと、ガラス層7Aが設けられてい
る。また、該配向層7Gの該液晶層7Fと反対の側に
は、読み出し側透明電極(以下、「電極」という)7H
と、ガラス層7Iと、反射防止膜7Jとが設けられてい
る。該液晶層7FはカイラルスメクチックC(Sc *)液
晶である。該α−Si層7Cは光伝導体層であり、アド
レス材料として機能する。該ガラス層7Aが前記書き込
み側光入射面7Swを、また該反射防止膜7Jが読み出
し側光入射面7Srを規定する。該一対の電極7Bと7
Hとの間には、後述するように、FLC−SLMコント
ローラ19が、書き込み用及び消去用の駆動電圧Vw
eと補償電圧Vwc,Vecをパルス状に印加する。この
補償電圧Vwc,Vecは、液晶層7Fの劣化を防止するた
めに印加されるものである。また、図1に示すように、
発光ダイオード(LED)6が書き込み側光入射面7S
wの全面を照射するように設けられており、液晶層7F
に既に記録されている像を消去するのに用いられる。
【0021】以上、第一のFLC−SLM7の構成につ
いて説明したが、第二のFLC−SLM13も該第一の
FLC−SLM7と同様の構成をしており、該FLC−
SLMコントローラ19が、その電極13B・13H間
の印加電圧を制御する。また、図1に示すように、第二
のFLC−SLM13には、記録消去用の発光ダイオー
ド(LED)14が備えられている。上記FLC−SL
M7及び13は、書き込み速度が極めて早く実時間測定
性において極めて優れている。また、二値記録デバイス
であるため、スペックルパターンやヤングの干渉縞を記
録するのに適している。なお、FLC−SLMの構造及
び動作の詳細は、特開平2−289827号公報に説明
されている。
【0022】上記構成の測定装置1が演算・制御装置1
7の制御のもと実行する回折光形成動作Fについて、図
5を参照しながら説明する。まず、発光ダイオード6が
第一のFLC−SLM7の該光入射面7Swに一様な光
を照射している間、演算・制御装置17が、FLC−S
LMコントローラ19を介して、該第一のFLC−SL
M7の電極7B・7H間に消去用補償電圧Vecと消去用
駆動電圧Veを互いに等しい時間だけこの順に印加し、
前回の測定の際FLC−SLM7に記録された像を消去
する。なお、該補償電圧Vecと該駆動電圧Veは、互い
に極性が逆で、その絶対値が等しい。演算・制御装置1
7は、次に、該電極7B・7H間に、書き込み用補償電
圧Vwcと書き込み用駆動電圧Vwをやはり互いに等しい
時間だけこの順で加える。(なお、該書き込み用駆動電
圧Vwの極性は、該消去用駆動電圧Veのそれと逆であ
る。また、該補償電圧Vwcと該駆動電圧Vwとは、互い
に極性が逆で、その絶対値が等しい。)演算・制御装置
17は、この書き込み駆動電圧Vwの印加中、LDコン
トローラ4を介してレーザダイオード3を制御し、二重
書き込み間隔Δtをおいて2回レーザ光を被測定物体3
0に照射させる。このようにして、該FLC−SLM7
に該第一及び第二のスペックルパターンを二重記録す
る。一方、He−Neレーザ装置2からのレーザ光は、
FLC−SLM7の読みだし側面7Srに常に照射され
ている。したがって、該FLC−SLM7に二重記録さ
れたスペックルパターンがただちに読み出されヤングの
干渉縞が形成される。演算・制御装置17は、該第一の
FLC−SLM7に該電圧Vwc・Vwを印加するのと同
時に、該第二のFLC−SLM13に消去用の補償電圧
ecと駆動電圧Veを加える。これと同時に、発光ダイ
オード14が該FLC−SLM13に一様な光を照射す
ることにより、前回の測定の際記録された像を消去す
る。演算・制御装置17は、FLC−SLM7へのスペ
ックルパターンの書き込みの終了と同時に、該FLC−
SLM13の電圧13B・13H間に、書き込み補償電
圧Vwcと書き込み駆動電圧Vwを順に印加して、ヤング
の干渉縞をFLC−SLM13に記録する。He−Ne
レーザ装置2からのレーザ光は、FLC−SLM13の
読みだし側面13Srに常に照射されている。したがっ
て、該FLC−SLM13に記録されたヤングの干渉縞
がただちに読み出され、該第一及び第二のスペックルパ
ターンの相関を示す回折光光点が形成される。
【0023】本発明の測定装置1においては、フォトダ
イオード116の出力信号に基づき二重書き込み間隔△
tを調整しながら、上記回折光形成動作Fを繰り返し行
う。そして、フォトダイオード116の出力信号が+1
次回折光光点がPSD16の入射窓16S内に入射した
ことを示したところで、演算・制御装置17は、PSD
16の出力信号に基づき数式7及び8の演算を行い、被
測定物体30の移動距離及び移動速度を求める。
【0024】かかる測定動作について、以下、説明す
る。
【0025】回折光形成動作Fにて得られる回折光の光
点間距離|N(△t)|と0次光強度Iとは、既述のよ
うに図2の関係にある。したがって、数式6より、0次
光強度IはPSD16の検出結果Xに対しても単調増加
関係にある。ここで、X=0の場合(|N(△t)|=
dの場合)の0次光強度をIa、X=Lの場合(|N
(△t)|=L+dの場合)の0次光強度をIbとする
と、フォトダイオード116がIa≦I≦Ibなる0次
光強度Iを検出した場合にのみ、+1次回折光光点がP
SD16の入射窓16S内に入射していることがわか
る。そこで、本実施例の測定装置1では、フォトダイオ
ード116がIa≦I≦Ibなる0次光強度Iを検出す
るまで、LDコントローラ4を介して二重書き込み間隔
△tを調整する。Ia≦I≦Ibなる0次光強度Iが得
られると、演算・制御装置17は、その際のPSD16
の出力結果Xに基づき数式7及び8を演算して、移動距
離|S(△t)|及び移動速度Vを求める。
【0026】かかる測定動作を、図7に示すフローチャ
ートを参照して説明する。演算・制御装置17はまず、
LDコントローラ4を介して二重書き込み間隔△tを所
定の値Ti(i=1)に設定し、FLC−SLMコント
ローラ19を介して第i回目(i=1)の回折光形成動
作Fi(i=1)を実行する(ステップS1)。演算・
制御装置17は次に、フォトダイオード116の検出結
果たる0次光光強度I(Ii:i=1)を受け取り、こ
れがIa≦Iiの関係を満たすか否か判断する(ステッ
プS2)。Ia>Iiの場合には、被測定物体の移動速
度Vが比較的小さいため二重書き込み間隔Ti(i=
1)間に被測定物体の移動した移動距離|S(△t)|
が小さく、回折光光点間距離|N(△t)|がdより小
さくなっていることがわかる。この場合には、+1次回
折光光点はPSD16の入射窓16Sには入射していな
い。したがって、演算・制御装置17は、二重書き込み
間隔△tを、今回(第i回目)の回折光形成動作Fi
て採用した所定の値Tiより大きい値Ti+1に設定しなお
し(ステップS3、S4)、FLC−SLMコントロー
ラ19を介して第i+1回目の回折光形成動作Fi+1
実行する(ステップS1)。回折光形成動作により得ら
れた0次光強度IiがIa≦Iiの関係を満たしたら(ス
テップS2:Yes)、演算・制御装置17はさらに、
該光強度IiがIi≦Ibの関係を満たしているか否か判
断する(ステップS5)。Ii>Ibの場合には、被測
定物体の移動速度Vが比較的大きいため二重書き込み間
隔Ti間に被測定物体の移動した移動距離|S(△t)
|が大きく、回折光光点間距離|N(△t)|がd+L
より大きくなっていることがわかる。この場合にも、+
1次回折光光点はPSD16の入射窓16Sに入射して
いない。したがって、演算・制御装置17は、二重書き
込み間隔△tを、今回(第i回目)の回折光形成動作F
iにて採用した所定の値Tiより小さい値Ti+1に設定し
なおし(ステップS6、S7)、FLC−SLMコント
ローラ19を介して第i+1回目の回折光形成動作F
i+1を実行する(ステップS1)。一方、ある回(n回
目:i=n)の回折光形成動作Fi(i=n)にて得ら
れた0次光強度InがIa≦In≦Ibを満たすものと判
断された場合には(ステップS2、S5でYes)、+
1次回折光がPSD16の入射窓16S内に入射したも
のと判断される。したがって、演算・制御装置17は、
その回(第n回目)の回折光形成動作Fnを実行した際
にPSD16が検出したX値に基づいて数式7及び8を
演算し、被測定物体の移動距離|S(△t)|及び移動
速度Vを求める(ステップS8)。
【0027】以上のように、本実施例の測定装置1によ
れば、+1次回折光がPSD16の入射窓16Sよりは
ずれた場合でも、フォトダイオード116により得られ
た0次光強度により、+1次回折光の位置を知ることが
できる。したがって、0次光強度の検出値に基づき二重
書き込み間隔△tを調整することにより、極めて敏速に
+1次回折光をPSD16の入射窓16S内に戻すこと
ができる。また、このように、0次回折光の強度を検出
しその結果より+1次回折光の位置をおおまかに知るこ
とができるため、被測定物体の見かけ上の移動量を様々
に変化させて+1次回折光の位置を探索する操作の必要
がない。したがって、従来に比べより短時間にて測定を
行うことが可能である。さらに、本発明によれば、被測
定物体の広い範囲の速度変化に対してその測定が可能で
ある。また、0次回折光の強度より+1次回折光の位置
をおおまかに知ることができるため、PSD16の入射
窓16Sの面積をより小さくすることができる。すなわ
ち、小型の位置計測装置にて計測が可能となる。
【0028】なお、上述の実施例では、0次回折光光点
の光強度Iをフォトダイオードにより検出した。しかし
ながら、フォトダイオード116の代わりに別のPSD
116’を新たに設けても良い。すなわち、中心点15
OにPSD116’を配置し、0次回折光光点をその入
射窓116’Sに入射させても良い。この場合には、P
SD116’の複数の出力電極で得られる電流量の総和
を検出することにより、0次光光強度Iを求めることが
できる。また、0次光光点の重心位置も検出することが
できる。したがって、0次光光点の結像位置が変動し中
心点15Oよりずれた場合にも、回折光光点間距離|N
(△t)|を正確に検出することができ、被測定物体の
移動量|S(△t)|を高精度で測定することができ
る。
【0029】また、上述の実施例においては、フォトダ
イオード16の検出結果に基づき+1次回折光がPSD
16の入射窓16S内に入射するように制御した後、P
SD16の検出結果に基づいて被測定物体の移動距離|
S(△t)|を求めている。しかしながら、以下のよう
に、フォトダイオード16の検出結果に基づき+1次回
折光がPSD16の入射窓16Sの中心部に入射するよ
うに制御し、その後に、PSD16の検出結果に基づい
て移動距離を求めても良い。すなわち、図2のグラフに
おいて、X=L/2の場合(|N(△t)|=d+(L
/2)の場合)の0次光強度をIcとすると、フォトダ
イオード16が0次光強度Ic−dIc≦I≦Ic+d
Ic(ここで、dIcは所定の微小値)を検出した場合
に、+1次光光点がPSD16の入射窓16Sの中心領
域に入射していることがわかる。したがって、フォトダ
イオード116で得られる0次光強度Iが関係式Ic−
dIc≦I≦Ic+dIcを満足するまで、二重書き込
み間隔△tを調整しながら回折光形成動作Fを繰り返し
実行し、該関係式を満足する0次光強度Iが得られたと
ころで、PSD16の検出結果を基に数式7及び8の演
算を行っても良い。PSDは、一般に、その中心領域の
精度が高いため、かかる方法によれば、被測定物体の移
動距離及び移動速度をより高精度で求めることができ
る。
【0030】また、上述の実施例では、レーザ光を被測
定物体に照射し反射光にスペックルパターンを形成し
て、該被測定物体の移動量を測定している。しかし、被
測定物体の種類等によっては、その透過光にスペックル
パターンを形成し、測定を行ってもよい。さらに、上述
の実施例では、レーザダイオード3が所定の時刻間隔Δ
tをおいて2回レーザ光を被測定物体30に照射するよ
うにしている。しかしながら、図6に示すように、レー
ザダイオード3が、レーザ光を被測定物体30に常に照
射させるようにしても良い。この場合には、FLC−S
LMコントローラ19が、第一のFLC−SLM7に対
し、該第一及び第二の時刻t1及びt2に(すなわち、時
刻間隔Δtをおいて2回)、書き込み駆動電圧Vwをパ
ルス状に印加する。こうして、該時刻t1及びt2におい
て得られるスペックルパターン1及び2を、FLC−S
LM7に二重記録するようにしても良い。なお、該照射
時刻t1及びt2における書き込み駆動電圧Vwの印加時
間は、その総和がその直前に印加する書き込み補償電圧
wcの印加時間と等しくなるように制御する。
【0031】さらに、上述の実施例では、図5及び6に
示すように、第一及び第二のFLC−SLM7、13の
読みだし側光入射面7Sr、13Srに常にHe−Neレ
ーザ光を照射させている。しかしながら、図中に点線で
示すようなタイミングで照射させても良い。すなわち、
第一のFLC−SLM7の読みだし側光入射面7Sr
は、FLC−SLM7への書き込み駆動電圧Vwの印加
の終了後、一定の時間だけHe−Neレーザ光を照射し
て、ヤングの干渉縞を形成させる。これと同時に、第二
のFLC−SLM13に前記電圧Vwc、Vwを印加し
て、該形成されたヤングの干渉縞を記録する。同様に、
第二のFLC−SLM13の読みだし側光入射面13S
rには、FLC−SLM13への書き込み駆動電圧Vw
印加の終了後、一定の時間だけHe−Neレーザ光を照
射して、回折光光点を形成させる。なお、このようにH
e−Neレーザ光を選択的に読みだし側光入射面7
r、13Srに照射させるためには、例えば、図1に点
線で示すように、前記第一及び第二の読みだし光学系1
0、11に、それぞれ、光シャッタ21及び22を設け
れば良い。
【0032】本発明者は、本発明の測定装置1における
0次回折光強度Iと被測定物体の移動距離|S(△t)
|の関係を調べるべく、以下の実験を行った。
【0033】この実験においては、図8に示すように、
レーザダイオード3を使用せず、He−Neレーザ光を
被測定物体30たるスリガラス板に照射し続けた。被測
定物体30たるスリガラス板を、搬送装置31たる移動
ステージにより、矢印V方向に延びる搬送経路に沿って
搬送移動させた。より詳しくは、DCサーボモーターベ
ルトにより移動ステージ31を矢印Vの方向に移動させ
た。本実験では、被測定物体30であるスリガラス板を
透過したHe−Neレーザ光(λ=0.632x10-3
[mm])にスペックルパターンを形成し、これを利用
して測定を行った。また、結像レンズ5は使用しなかっ
た。したがって、数式1における結像倍率m=1であ
る。また、第一及び第二のフーリエ変換レンズ12、1
5として、それぞれ、焦点距離f12=150[mm]及
びf15=1000[mm]のフーリエ変換レンズを使用
した。フォトダイオード116の代わりにPSD11
6’を設けて、PSD116’の出力電流の総和量が示
す0次回折光強度Iを観察した。なお、該演算・制御装
置17には、測定装置1の制御動作のみを行わせ、演算
動作は行わせなかった。したがって、速度表示装置18
も使用しなかった。
【0034】本実験においては、演算・制御装置17
が、図9に示すような動作タイミングで、測定装置1全
体を動作させた。すなわち、図6の場合と同様に、He
−Neレーザ光を被測定物体であるスリガラス板に照射
させ続けた。第一のFLC−SLM7の消去用電圧
ec、Veの印加時間をそれぞれ1000[μs]、書
き込み用補償電圧Vwcの印加時間を300[μs]、及
び、書き込み用駆動電圧Vwの印加時間を150[μ
s]とした。該書き込み用駆動電圧Vwを、二重書き込
み間隔△t=1[ms]をおいて、2回、FLC−SL
M7に印加するようにした。一方、第二のFLC−SL
M13の消去用電圧Vec、Veの印加時間をそれぞれ1
000[μs]、書き込み用電圧Vwc、Vwの印加時間
をそれぞれ500[μs]とした。また、本実験では、
FLC−SLM7に書き込み電圧Vwc、Vwを印加して
スペックルパターンを記録した後、He−Neレーザ光
をFLC−SLM7の読みだし側面7Srに照射して、
ヤングの干渉縞を形成させた。これと同時に、FLC−
SLM13に書き込み電圧Vwc、Vwを印加して、ヤン
グの干渉縞を記録した。その後、He−Neレーザ光を
FLC−SLM13の読みだし側面13Srに照射し
て、回折光光点を形成させた。なお、読みだし側面13
rへのHe−Neレーザ光の照射時間を1950[μ
s]とした。上記のタイミングで行う測定を、時間間隔
4000+△t[μs]で繰り返し実行した。各測定を
実行する際、スリガラス板(すなわち移動ステージ)の
速度Vを300[mm/s]以上の様々な値に設定し
た。どの測定においても、二重書き込み間隔△tを1
[ms]に固定したので、|S(△t)|=V・1[m
s]を様々な値に変えその度に測定を実行したことにな
る。
【0035】ところで、本実験では、上述のように速度
Vを300[mm/s]以上に制約し二重書き込み間隔
△tを1[ms]に固定した。したがって、以下の数式
9より、回折光光点間距離|N(△t)|は2[mm]
以上に制約されることがわかる。
【数9】 |N(△t)|=(f15/f12)・|M(△t)| =(1000/150)x(300x1x10-3)=2[ms] また、本実験では、FLC−SLM13の面13Sr
照射するHe−Neレーザ光(読みだし光)の直径を1
0[mm]に設定した。従って、以下の数式10より、
得られる0次回折光光点のスポット直径Rは、80x1
-3[mm]となることがわかる。
【数10】 R=1.22x(0.632x10-3x1000)÷10 =80x10-3 以上の点を考慮し、本実験においては、PSD116’
の入射窓116S’のX方向における長さを1[mm]
程度に抑え、入射窓116S’が0次光スポット全体を
捉えるものの+1次及び−1次の回折光を捉えることが
ないようにした。
【0036】かかる実験により、図10のグラフに示す
結果が得られた。すなわち、被測定物体の移動距離|S
(△t)|と0次光強度Iとの間に、図10のグラフに
示す関係があることが実験的に確かめられた。なお、こ
の図には、移動距離|S(△t)|と共に、FLC−S
LMに記録されたヤングの干渉縞の空間周波数U(△
t)と回折光光点間距離|N(△t)|の値をも併記し
た。(これらU(△t)と|N(△t)|の値は、|S
(△t)|から数式1及び5により得られたものであ
る。)この図10から明かなように、0次回折光光強度
Iは、|S(△t)|、U(△t)及び|N(△t)|
に対し、一対一の対応関係を有していることがわかっ
た。より詳しくは、0次回折光光強度Iは|S(△t)
|、U(△t)及び|N(△t)|に対し単調増加関数
になっていることがわかった。なお、この実験において
は、+1次回折光の光強度についても測定を行った。そ
の結果も図10に示した。この図より明かなように、+
1次回折光の光強度もまた、|S(△t)|、U(△
t)及び|N(△t)|に対し、一対一の対応関係を有
していることがわかった。より詳しくは、+1次回折光
光強度は、|S(△t)|、U(△t)及び|N(△
t)|に対し単調減少関数になっていることがわかっ
た。
【0037】以下、本発明の第二の実施例を図11を参
照しながら説明する。本実施例の光学的移動速度測定装
置100は、ガルバノミラー等の偏向器101とミラー
コントローラ102が設けられている点を除き、第一の
実施例の光学的移動速度測定装置1と同一である。偏向
器101は、被測定物体30からの第一及び第二の反射
光を偏向するためのものである。ここで、偏向器101
は、二重書き込み間隔△tの間にその偏向方向を偏向角
度θだけ変位させる。したがって、FLC−SLM7に
結像される第一及び第二のスペックルパターンは、見か
け上のシフト距離|M’(△t)|をもって離間するこ
とになる。この見かけ上のシフト距離|M’(△t)|
は、既述の数式1の代わりに以下の数式11を満たし、
かつ、既述の数式2乃至8の|M(△t)|を満足する
ものである。
【数11】 |M’(△t)|=α(θ、m)・|S(△t)| ここで、α(θ、m)は、偏向角度θ及びレンズ5の結
像倍率mに依存する変数である。一方、ミラーコントロ
ーラ102は、偏向器101の偏向角度θを調整し、見
かけ上のシフト距離|M’(△t)|を任意の値に調整
するためのものである。
【0038】以上の構成を有する本実施例の測定装置1
00においては、演算・制御装置17は、フォトダイオ
ード116の検出結果を観察し二重書き込み間隔△tの
かわりに偏向角度θをフィードバック調整しながら、回
折光形成動作Fを繰り返し実行する。フォトダイオード
116の検出結果たる0次光強度Iが、+1次回折光が
PSD16の入射窓16S内またはその中心領域に結像
されたことを示したところで、PSDの測定結果に基づ
き、数式7及び8の演算を行い、被測定物体の移動距離
及び速度を求める。なお、本実施例においては、偏向角
度θのみならず測定時刻間隔△tも併せて調整しても良
い。
【0039】以上のように、本実施例の測定装置100
においても、+1次回折光がPSD16の入射窓16S
よりはずれた場合、フォトダイオード116により得ら
れた0次光強度により+1次回折光の位置を知ることが
できる。したがって、0次光強度の検出値に基づき偏向
角度(及び二重書き込み間隔)を調整することにより、
極めて敏速に+1次回折光をPSD16の入射窓16S
内に戻すことができる。また、0次回折光の強度の検出
結果より+1次回折光の位置をおおまかに知ることがで
きるため、被測定物体の見かけ上の移動量を様々に変化
させて+1次回折光の位置を探索する操作がいらなくな
り、短時間にて測定を行うことができる。また、被測定
物体の広い範囲の速度変化に対してその測定が可能であ
る。さらに、0次回折光の強度より+1次回折光の位置
をおおまかに知ることができるため、PSD16の入射
窓16Sの面積を小さくすることができる。
【0040】なお、上記第一及び第二の実施例において
は、フォトダイオード116とPSD16とは、レンズ
15の像側焦点面15F上に並行して配置されていた。
しかしながら、フォトダイオード116とPSD16と
は並行して配置する必要はない。例えば、図12に示す
ように、レンズ15の像側焦点面15Fの後段に他のレ
ンズ等の集光手段115を設け、0次の回折光点像を集
光手段115の後段に形成させて、そこにフォトダイオ
ード116を配置してもよい。この場合には、フォトダ
イオード116の入射窓116Sの面積は、新たな集光
手段115により集光される0次光光点のスポットサイ
ズのみにより決定され、得られる+1次回折光光点の位
置については考慮する必要がないという利点がある。た
だし、PSD16は、0次光の透過をさえぎってはなら
ないよう配置しなければならないのは当然である。
【0041】以下、本発明の第三の実施例を図13を参
照しながら説明する。該実施例も上記第一、二の実施例
と同様、移動している被測定物体の移動速度を測定する
ための光学的移動速度測定装置に係わるものである。
【0042】図13に示すように、本実施例の光学的移
動速度測定装置200の測定・制御部1Dには、第一の
実施例と異なり、PSD16はなくフォトダイオード1
16のみが設けられている。本実施例では、演算・制御
装置17は、フォトダイオード116による0次回折光
強度検出結果のみに基づき被測定物体の移動距離及び移
動速度の測定を行う。すなわち、既述のように、0次回
折光強度Iは、被測定物体の移動距離|S(△t)|に
対し図2及び10に示すような単調増加関数となってい
る。したがって、様々な値の移動距離|S(△t)|に
対して得られる0次光強度値Iを予め測定し、Iと|S
(△t)|との関係を示すグラフや数式等を求めておけ
ば、移動距離の不明な任意の被測定物体に対しても、フ
ォトダイオードの検出結果を測定することで、その移動
距離ひいては移動速度を求めることができる。したがっ
て、本実施例の測定装置200では、演算・制御装置1
7に、かかる予め得られたIと|S(△t)|との関係
を示すグラフや数式等を格納しておく。演算・制御装置
17は、フォトダイオード116から入力された0次光
強度値Iから、かかるグラフや数式等により被測定物体
の移動距離|S(△t)|を求め、さらに、数式8から
速度Vを演算する。
【0043】フォトダイオード116は極めて高速に光
量を検出することができるため、応答速度の早いFLC
−SLM7、13の動作に追随した動作を行うことがで
きる。したがって、かかるFLC−SLM7、13とフ
ォトダイオード116とを組み合わせて構成された本実
施例の測定装置200も、短時間で測定を行うことがで
き、実時間測定性において極めて優れている。
【0044】なお、フォトダイオード116の代わり
に、光電子増倍管等の他の光強度検出手段を用いても良
い。また、PSDを用いても良い。
【0045】本発明は、上述した実施例の光学的移動速
度測定装置に限定されることなく、本発明の主旨から逸
脱することなく、種々の変更が可能となる。
【0046】スペックルパターンを二重記録する手段7
としては、強誘電性液晶空間光変調素子に限られず、第
一の測定時刻における被測定物体の受光パターンを少な
くとも第二の測定時刻まで蓄積でき、被測定物体の像
(スペックルパターン)を二重記録することが可能な空
間光変調素子であればよい。たとえば、MSLMでも良
い。
【0047】また、ヤングの干渉縞を記録する手段13
としては、強誘電性液晶空間光変調素子に限られず、T
NLC−SLM(ツイストネマティック液晶SLM)
や、位相変調タイプのSLM(例えばホモジニアスネマ
ティックSLM)でも良い。また、変調部にEO結晶を
用いたSLM(例えばMSLM)でもよい。ただし、変
調部として、回折効率にピーク値をもち特定な空間周波
数において高い回折効率を与えるような材料(例えば図
14のような回折効率を有するサーモプラスチック感光
材料)を用いたSLMは適さない。なぜなら、かかるS
LMでは、ヤングの干渉縞の空間周波数U(△t)と得
られる0次回折光強度Iとの間に一対一の対応関係(単
調増加または単調減少関係)が生じないからである。た
だし、測定に際し、一対一の対応関係(単調増加または
単調減少関係)が得られる範囲のみを使用するようにす
れば、かかる材料を用いたSLMも採用することができ
る。同様に、アナログの位相変調型のSLMも、一対一
の対応関係(単調増加または単調減少関係)が得られる
範囲を使用することにより該手段13として採用するこ
とができる。換言すれば、本発明の測定装置において採
用すべきヤングの干渉縞を記録するための手段として
は、記録される干渉縞の空間周波数U(△t)と、読み
だし光をこの干渉縞が記録された手段により変調し光学
的にフーリエ変換して得られる0次回折光の光強度Iと
が、(単調減少または単調増加の)一対一の対応関係を
有するものであれば良い。
【0048】上述の実施例では、測定装置は固定されて
おり被測定物体が移動していたが、この逆に、測定装置
が移動しており被測定物体が固定されていてもよい。こ
の場合には、固定されている被測定物体の測定装置に対
する相対的な移動量及び速度を測定することによって、
速度測定装置の絶対的移動量及び速度を求めることがで
きる。たとえば、測定装置を自動車等移動する物体に載
置することにより、この移動物体の移動量及び速度を求
めることができる。上述の実施例は、光学的移動速度測
定装置に関するものであったが、本発明はこれに限られ
ない。被測定物体の歪み状態を測定し応力分布を調べる
ようなものでも良い。物体の移動量や歪み量等、物体の
変位量を測定できれば良い。さらに、被測定物体には、
レーザ光のようなコヒーレント光でなく、インコヒーレ
ント光を照射しても良い。この場合には、スペックルパ
ターンでなく、被測定物体の像を第一のFLC−SLM
に記録する。第一及び第二の照射時刻における被測定物
体の像を第一のFLC−SLMに二重記録し、該二重記
録像を読み出しフーリエ変換すれば、ヤングの干渉縞が
得られる。これを第二のFLC−SLMに記録し、さら
に、該記録されたヤングの干渉縞を読みだしフーリエ変
換すれば、該回折光が得られるからである。
【0049】また、被測定物体からの透過光または反射
光に形成されたパターンの光強度が小さい場合には、結
像レンズ5と第一のFLC−SLM7との間に、公知の
イメージインテンシファイアを設け、パターンの光強度
を高めた後に、第一のFLC−SLM7の書き込み入射
面7Swに入射させるようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したことから明かなように、本
発明の光学的変位量測定装置においては、該光照射手段
が、該光学的変位量測定装置に対して相対的に変位する
被測定対象に、光を照射する。該照射光により、二の測
定時刻における該被測定対象の像が、それぞれ得られ
る。該第一の記録手段が、該二の測定時刻の像を二重記
録する。該第一のコヒーレント光投光手段が、該第一の
記録手段にコヒーレント光を照射して、該第一の記録手
段の該二重記録像を読み出す。該読みだした二重記録像
を、該第一のフーリエ変換手段がフーリエ変換し、第一
のフーリエ変換像を形成する。該第二の記録手段が、該
第一のフーリエ変換像を記録する。該第二のコヒーレン
ト光投光手段が、該第二の記録手段にコヒーレント光を
照射して、該第一の記録手段の該第一のフーリエ変換像
を読み出す。該読みだした第一のフーリエ変換像を、該
第二のフーリエ変換手段がフーリエ変換し、0次の回折
光点像を有する第二のフーリエ変換像を形成する。該光
強度検出手段が、該第二のフーリエ変換像の0次の回折
光点像の光強度を検出する。該変位量特定手段が、該光
強度検出手段の検出結果に基づき、該二の測定時刻の間
における該被測定対象の該光学的変位量測定装置に対す
る相対的変位量を求める。したがって、本発明の光学的
変位量測定装置によれば、被測定対象の変位量を短時間
で測定でき、実時間測定性に極めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例にかかる光学的移動速度
測定装置を示す光学系統平面図である。
【図2】フーリエ変換レンズ15の像側焦点面15F上
に得られる0次回折光及び一次回折光の光強度と、ヤン
グの干渉縞の空間周波数U(△t)、被測定物体の移動
距離|S(△t)|、回折光光点間距離|N(△t)
|、及び、PSDの出力値Xの定性的関係を示すグラフ
である。
【図3】(A)は、図1のPSD16とフォトダイオー
ド116をレンズ15の側から見た場合の配置状態を説
明する正面説明図であり、(B)は、図1のPSD16
とフォトダイオード116とレンズ15の位置関係を説
明する平面説明図である。
【図4】図1の強誘電性液晶空間光変調素子を拡大して
示す断面図である。
【図5】図1の光学的移動速度測定装置が実行する回折
光形成動作Fの動作タイミングチャートである。
【図6】図1の光学的移動速度測定装置が実行する回折
光形成動作Fの他の例の動作タイミングチャートであ
る。
【図7】図1の光学的移動速度測定装置が回折光形成動
作Fを繰り返し実行することにより、被測定物体の移動
距離・移動速度を求める動作を示すフローチャートであ
る。
【図8】実験に採用した本発明の測定装置1の要部を示
す光学系統平面図である。
【図9】実験に採用した本発明の測定装置1の測定動作
の動作タイミングチャートである。
【図10】0次回折光及び一次回折光の光強度と、ヤン
グの干渉縞の空間周波数U(△t)、回折光光点間距離
|N(△t)|、及び、被測定物体の移動距離|S(△
t)|の定性的関係を示す実験結果である。
【図11】本発明の第二の実施例にかかる光学的移動速
度測定装置を示す光学系統平面図である。
【図12】フォトダイオード116の他の配置状態を説
明する平面説明図である。
【図13】本発明の第三の実施例にかかる光学的移動速
度測定装置を示す光学系統平面図である。
【図14】サーモプラスチック感光材料の回折効率を示
すグラフである。
【図15】従来の光学的変位量測定装置を示す光学系統
平面図である。
【符号の説明】
1 光学的移動速度測定装置 2 He−Neレーザ装置 3 レーザダイオード 7 強誘電性液晶空間光変調素子 12 フーリエ変換レンズ 13 強誘電性液晶空間光変調素子 15 フーリエ変換レンズ 16 PSD 116 フォトダイオード 17 演算・制御装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定対象へ光を照射して、二の測定時
    刻における該被測定対象の像を形成するための光照射手
    段と、該二の測定時刻における該被測定対象の像を二重
    記録するための第一の記録手段と、該第一の記録手段に
    コヒーレント光を照射して該二重記録像を読みだすため
    の第一のコヒーレント光投光手段と、該読み出した二重
    記録像をフーリエ変換して第一のフーリエ変換像を形成
    するための第一のフーリエ変換手段と、該第一のフーリ
    エ変換像を記録するための第二の記録手段と、該第二の
    記録手段にコヒーレント光を照射して該第一のフーリエ
    変換像を読みだすための第二のコヒーレント光投光手段
    と、該読み出した第一のフーリエ変換像をフーリエ変換
    して0次の回折光点像を有する第二のフーリエ変換像を
    形成するための第二のフーリエ変換手段と、該第二のフ
    ーリエ変換像の0次の回折光点像の光強度を検出するた
    めの光強度検出手段と、該光強度検出手段の検出結果に
    基づき、該二の測定時刻の間における該被測定対象の該
    第一の記録手段に対する相対的変位量を求めるための変
    位量特定手段を備えたことを特徴とする光学的変位量測
    定装置。
  2. 【請求項2】 前記変位量特定手段が、前記光強度検出
    手段の検出結果を演算して該二の測定時刻の間における
    該被測定対象の該第一の記録手段に対する相対的変位量
    を求めるための演算手段からなることを特徴とする請求
    項1記載の光学的変位量測定装置。
  3. 【請求項3】 前記第二のフーリエ変換像を調整するた
    めの調整手段をさらに備え、前記光強度検出手段が、該
    調整された第二のフーリエ変換像の0次の回折光点像の
    光強度を検出し、前記変位量特定手段が、該光強度検出
    手段の検出結果に基づいて該調整手段の調整状態を制御
    するための制御手段と、該調整された第二のフーリエ変
    換像が有する一次の回折光点像の重心の位置を検出する
    ための光重心位置検出手段と、該光重心位置検出手段の
    検出結果と該調整手段の調整状態に基づいて該二の測定
    時刻間における該被測定対象と該第一の記録手段との相
    対的変位量を演算するための変位量演算手段からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学的変位量測定装置。
JP05023693A 1993-02-16 1993-02-16 光学的変位量測定装置 Expired - Fee Related JP3264544B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05023693A JP3264544B2 (ja) 1993-02-16 1993-02-16 光学的変位量測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05023693A JP3264544B2 (ja) 1993-02-16 1993-02-16 光学的変位量測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06241725A JPH06241725A (ja) 1994-09-02
JP3264544B2 true JP3264544B2 (ja) 2002-03-11

Family

ID=12853376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05023693A Expired - Fee Related JP3264544B2 (ja) 1993-02-16 1993-02-16 光学的変位量測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3264544B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9621568D0 (en) * 1996-10-16 1996-12-04 Central Research Lab Ltd Road traffic speed measurement
JP6739392B2 (ja) 2017-04-10 2020-08-12 浜松ホトニクス株式会社 擬似スペックルパターン生成装置、擬似スペックルパターン生成方法、観察装置および観察方法
JP6739391B2 (ja) * 2017-04-10 2020-08-12 浜松ホトニクス株式会社 擬似スペックルパターン生成装置、擬似スペックルパターン生成方法、観察装置および観察方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06241725A (ja) 1994-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2538456B2 (ja) 光学的変位量測定装置
US5202748A (en) In situ process control system for steppers
US4254337A (en) Infrared interference type film thickness measuring method and instrument therefor
JPS6224985B2 (ja)
US5166742A (en) Optical deformation measuring apparatus by double-writing speckle images into a spatial light modulator
US5239595A (en) Optical method for identifying or recognizing a pattern to be identified
JP2004523805A (ja) ビーム案内を有するリソグラフ及び記憶媒体にデジタルホログラムを生成する方法
NL8005258A (nl) Interferometer.
JP3264544B2 (ja) 光学的変位量測定装置
JPS62239120A (ja) テレセントリツク光線を発生する方法及び装置
US5202740A (en) Method of and device for determining the position of a surface
JP2587753B2 (ja) 光学的変位量測定装置
US20030179373A1 (en) Method for position and/or angle measurement by means of gratings
JPH08313205A (ja) 斜入射干渉計装置
JP2509500B2 (ja) 光学的変位量測定装置
HU203595B (en) Process and apparatus for contactless definition of diameter of thin wires
JP2676296B2 (ja) 光学的変位測定装置
US5426504A (en) Optical depth gauge for optically rough surfaces
JP3436407B2 (ja) 斜入射干渉計装置
JPH0812049B2 (ja) 光学的変位量測定装置
JP2676290B2 (ja) 光学的変位量測定装置
JPH0827292B2 (ja) 光学的変位量測定装置
JPH05134229A (ja) 空間光変調装置
JP3192461B2 (ja) 光学的測定装置
JPH0711413B2 (ja) 非接触型の表面形状測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071228

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081228

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091228

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees