JPH05134229A - 空間光変調装置 - Google Patents

空間光変調装置

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JPH05134229A
JPH05134229A JP32387991A JP32387991A JPH05134229A JP H05134229 A JPH05134229 A JP H05134229A JP 32387991 A JP32387991 A JP 32387991A JP 32387991 A JP32387991 A JP 32387991A JP H05134229 A JPH05134229 A JP H05134229A
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JP
Japan
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spatial light
light modulator
erasing
light
liquid crystal
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Application number
JP32387991A
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English (en)
Inventor
Yuji Kobayashi
祐二 小林
Naohisa Kosaka
直久 向坂
Narihiro Yoshida
成浩 吉田
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学的変位量測定装置において測定物体の移
動状態を連続的に測定することを可能とする空間光変調
装置を提供することを目的とする。 【構成】 空間光変調装置10においては、空間光変調
器11にパターン光を記録するための記録動作条件たる
記録動作電圧値Vwと動作時間Twの値と、記録された
パターンを消去するための消去動作条件たる消去動作電
圧Veと動作時間Teの値とを、制御装置12により相
対的に制御する。したがって、記録されたパターンはこ
の相対的な関係に応じて消去動作により選択的に消去さ
れる。 【効果】 空間光変調装置10を光学的変位量測定装置
に適用することにより、測定物体の移動状態を連続的に
測定することが可能となる。また、光学的な和算しきい
値動作を行うニューロン素子としても使用することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空間光変調装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報を2次元あるいは1次元の並列光情
報として処理するデバイスとして空間光変調器(Spa
tial Light Modulator)がある。
図1に示すように空間光変調器1は基本的にアドレス材
料2と光変調材料3の組み合わせからなる。該空間光変
調器1ではアドレス材料入力面に入力された入力情報
(並列光情報または時系列電気信号)は該アドレス材料
で電荷像等に変換され、その電荷像等によって光変調材
料の光学的特性を変化させる。読みだし光を光変調材料
に照射すると、上記光学的特性の変化に応じて変調され
出力情報を得ることができる。
【0003】空間光変調器の中には、光変調材料3に一
定の動作電圧を印加した上で像の書き込みや消去を行う
ものがある。たとえば、液晶空間光変調装置(LCL
V)、BSO空間光変調器(PROM)、MSLM(M
ultichannel Spatial Light
Modulator)等である。これらの空間光変調
器1では、光変調材料3に一定の書き込み用動作電圧を
印加した状態で一定の書き込み時間にわたって書き込み
像をアドレス材料入力面に入力する。該書き込み像はア
ドレス材料3で電荷像に変換されることにより、光変調
材料3にかかる電界強度が該電荷像に応じて変化する。
この結果、該光変調材料3の光学的特性が変化して該書
き込み像の書き込みが行われる。該光変調材料3は変化
後の光学的特性を該書き込み電圧が切られた後も維持す
る性質を有するため、該書き込み像が一定時間該光変調
材料3内に蓄積される。該書き込み像を消去する際に
は、該光変調材料に一定の消去用動作電圧を印加した状
態で一定の消去時間にわたってアドレス材料入力面全面
に一様な像を入力する。該光変調材料3全体の光学的特
性が変化することで該書き込み像の消去が行われる。
【0004】かかる空間光変調器を用いる装置の例とし
て光学的変位量測定装置がある。例えば、特開昭57−
187605号公報はBSO空間光変調器を用いた光学
的移動量測定装置を開示している。この装置では、移動
する測定物体のスペックルパターンをBSO空間光変調
器に所定時間間隔をおいて二重記録する。BSO空間光
変調器に読みだし光を照射して該二重記録されたスペッ
クルパターンを読みだし、これを光学的にフーリエ変換
して測定物体の該所定時間間隔における移動量を測定す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の光学
的変位量測定装置においては、測定物体の該所定時間間
隔における移動量の測定が終了するとBSO空間光変調
器に記録されたスペックルパターンを消去する。その
後、測定物体のスペックルパターンを所定時間間隔をお
いて再びBSO空間光変調器に二重記録し該所定時間間
隔における測定物体の移動量を測定する。したがってか
かる光学的変位量測定装置では、断続的に採取した時刻
における移動状態しか測定できず、測定物体の移動状態
を連続的に測定することができない。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は光学的変位量測定装置において測
定物体の移動状態を連続的に測定することを可能とする
空間光変調器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、空間光変
調器に引加する書き込み用動作電圧値と書き込み時間及
び消去用動作電圧値と消去時間を相対的に制御すること
により、書き込み像の消去動作に対する相対的記録蓄積
状態を変化させることを開発した。
【0008】そこで、本発明の空間光変調装置は、空間
光変調器と、該空間光変調器に情報を記録するための記
録動作条件と該記録された情報を消去するための消去動
作条件とを相対的に制御する制御装置とにより構成され
る。
【0009】ここで該空間光変調器は強誘電性液晶空間
光変調器であることが好ましい。
【0010】
【作用】上記構成を有する本発明の空間光変調装置にお
いては、該空間光変調器に情報を記録するための記録動
作条件と該記録した情報を消去するための該空間光変調
器の消去動作条件とを、制御装置により相対的に調整す
る。かかる調整により、該記録した情報の該消去動作に
対する相対的記録蓄積状態を変化させることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の第一実施例を図面を参照しな
がら説明する。本第一実施例は空間光変調器として強誘
電性液晶空間光変調器(FLC−SLM)を採用したも
のである。
【0012】図2は本実施例の強誘電性液晶空間光変調
装置(以下、「空間光変調装置」という)10の構成を
示す断面図である。該空間光変調装置10は空間光変調
器11と制御装置12とからなる。該空間光変調器11
では、強誘電性液晶層(以下、「液晶層」という)11
Fが一対のPVAラビング配向膜11Eと11Gとの間
に設けられている。該配向膜11Eの該液晶層11Fと
反対の側には、SiO2/TiO2誘電体多層膜ミラー1
1Dとアモルファスシリコン光導電膜(以下、「a−S
i膜」という)11CとITO透明導電膜11Bと石英
ガラス層11Aがこの順に設けられている。該a−Si
膜11Cはアドレス材料として、また該ITO透明導電
膜11Bは書き込み側透明電極として機能する。また、
該配向膜11Gの液晶層11Fと反対の側には、ITO
透明導電膜11Hと石英ガラス層11IとSiO2/T
iO2誘電体多層膜無反射コート11Jとがこの順に設
けられている。該ITO透明導電膜11Hは読み出し側
透明電極として、また該SiO2/TiO2誘電体多層膜
無反射コート11Jは読みだし光反射防止膜として機能
する。該液晶層11FはカイラルスメクチックC
(Sc *)液晶であり、本実施例ではメルク社製ZLI−
4003(商品名)を用いている。図2に示すように、
該石英ガラス層11Aが書き込み光入射面11Swを、
また該反射防止膜11Jが読み出し光入射面11Sr
規定する。該一対の透明電極11Bと11Hとの間には
後述する書き込み用及び消去用の動作電圧とこれらの補
償電圧がパルス状に印加される。
【0013】該空間光変調器11の両透明電極11B及
び11Hには制御装置12が接続されており、両電極間
に印加する動作電圧の値及び引加時間を制御する。ま
た、発光ダイオード(LED)13が該空間光変調器1
1の書き込み側入射面11Swの全面を照射するように
設けられており、液晶層11Fに既に記録されている像
を消去するのに用いられる。
【0014】該カイラルスメクチックC(Sc *)液晶層
11Fは、分子の自発分極の方向が両電極11B及び1
1Hのいずれかの方向に向いた状態で安定する二値安定
特性を有する。液晶層11Fが二つの安定状態のうちの
一つで安定している場合において、該液晶層に自発分極
の方向とは逆向きで値が該液晶層に特有のしきい値Es
以上の電場がかかると、自発分極が電場の方向に揃うよ
う反転し液晶分子の配列状態が変化して他の一つの安定
状態に入る。
【0015】以下、空間光変調装置10の基本的動作に
ついて図3Aを参照しながら説明する。まず、液晶層1
1Fに既に書き込まれているパターンを消去するため
に、制御装置12が消去用直流動作電圧Veを空間光変
調器11の両電極11B・11H間に一定の消去用動作
時間Teにわたって引加する。この消去用動作電圧を引
加している間、発光ダイオード13により一様光を入射
面11Sw全面に照射する。該一様光は、aーSi光導
電膜11C全面に達し該aーSi膜11C全体を低抵抗
として液晶層11F全体に前記しきい値電場Es以上の
電場を与える。この結果、液晶層11Fの液晶分子全体
の自発分極が該消去用動作電圧により定まる電場の方向
(電極11B及び11Hのいずれかに向かう方向)に揃
って書き込みパターンが消去される。
【0016】かかる消去動作により液晶層11Fの分子
全体がその自発分極が一方の電極の方向に向いた状態で
安定した場合において、制御装置12が両電極11B・
11H間に前記消去用動作電圧とは逆極性の書き込み用
直流動作電圧Vwを一定の書き込み用動作時間Twにわた
って印加する。したがって、該書き込み用直流動作電圧
wは該自発分極とは逆向きの電場を与えるような極性
を有している。この書き込み動作電圧を引加している
間、書き込みパターン光を入射面11Swを介してa−
Si光導電膜11Cに入射させる。この結果、a−Si
膜11Cが光入射位置において低抵抗となり、液晶層1
1Fの対応する位置に前記しきい値電場Es以上の電場
がかかる。光入射部分に対応した位置の液晶分子の自発
分極が該電場の方向に反転し分子の配列状態が変化して
書き込みパターンが液晶層11F内に記録される。この
分子配列状態はその後電圧を切ってもそのまま保持され
るため、書き込みパターンが液晶層11F内に蓄積され
る。パターン書き込みが行われた液晶層11F内ではパ
ターン書き込み位置とそれ以外の位置とで液晶分子の配
列状態が異なるため読み出し光に対する屈折率が異な
る。読み出し光を読み出し光入射面11Srより入射さ
せると、読みだし光は液晶層11F内を伝搬し誘電体ミ
ラー11Dで反射して再び液晶層11F内を伝搬し読み
出し光入射面11Srより出射する。読み出し光は、液
晶層11F内を伝搬中に書き込みパターンに基づいた位
相変調を受け、書き込みパターンの読み出しを行う。
【0017】なお、図3Aに示すように、該書き込み動
作電圧を印加する直前には、該書き込み動作電圧Vw
絶対値が等しく逆極性の補償動作電圧Vwcを該書き込み
動作時間Twと同一の時間だけ電極11B・11H間に
印加し、液晶層11Fの劣化を防止している。また、該
消去動作電圧を印加する直前にも、該消去動作電圧Ve
と絶対値が等しく逆極性の補償動作電圧Vecを該消去動
作時間Teと同一の時間だけ印加する。以下、制御装置
12が電極11B,11H間に補償電圧Vwcと書き込み
電圧Vwとを印加する動作を「書き込み動作」といい、
補償電圧Vecと消去電圧Veを印加する動作を「消去動
作」という。
【0018】なお、書き込みパターン光や消去用一様光
は、図3Aに示すように動作電圧VwやVeの印加時間T
w及びTeと同期して入射させるようにしてもよいが、図
3Bに示すように、該動作電圧を印加していない間も入
射させつづけてもよい。少なくとも動作電圧の印加時間
w及びTe中は入射させつづけるようにすれば良い。該
動作電圧の印加と書き込みパターン光または消去用一様
光の入射が同時に行われた時にのみ書き込みパターンの
記録動作または消去動作が可能となるからである。
【0019】本発明においては、制御装置12が空間光
変調器11の両電極11B及び11H間に印加する動作
電圧の大きさVwやVeと動作時間Tw及びTeで決定され
る動作条件を制御することで、空間光変調装置10の動
作状態を調整する。具体的には、書き込み用動作電圧V
wの大きさと書き込み用動作時間Twで決定される書き込
み動作条件と消去用動作電圧の大きさVeと消去用動作
時間Teで決定される消去動作条件との相対的関係を制
御することにより書き込み状態と消去状態との相対的関
係を調整する。ここで該動作条件とは例えば、動作電圧
の絶対値|Vw|や|Ve|と動作時間Tw及びTeとの積
w=|Vw|・TwやQe=|Ve|・Teである。Qw
書き込み動作条件であり、Qeは消去動作条件である。
【0020】制御装置12によって行われる空間光変調
装置10の制御方法の二つの具体例を以下説明する。
【0021】まず、第一の制御方法を図4を参照しなが
ら説明する。該第一の制御方法は、第一の書き込みモー
ドと、該第一の書き込みモードで書き込まれたパターン
を消去するための第一の消去モードと、第二の書き込み
モードと、該第二の書き込みモードで書き込まれたパタ
ーンを消去するための第二の消去モードとを用いて行う
ものである。
【0022】図4Aに示すように、第一の書き込みモー
ドは、書き込みパターンを空間光変調器11の入射面1
1Swに入射させながらおこなう単一の第一の書き込み
動作からなる。該第一の書き込み動作は、書き込み用動
作電圧Vw1(=10[V])を印加時間Tw1(=0.5
[mS])にわたって印加する動作とこの動作前におこ
なう書き込み用補償電圧Vwc1を印加する動作とからな
る。また、第一の消去モードは、消去用一様光を入射面
11Swに入射させながらおこなう単一の第一の消去動
作からなる。該第一の消去動作は、消去用動作電圧Ve1
(=−10[V])を印加時間Te1(=1[mS])に
わたって印加する動作とこの動作前に行う消去用補償電
圧Vec1を印加する動作とからなる。該第一の書き込み
モードの実行により液晶層11Fに書き込まれたパター
ンは、該第一の消去モードの実行により消去される。
【0023】第二の書き込みモードとしては、図4Bに
示すように、書き込みパターンを入射面11Swに入射
させながら、第二の消去動作と第二の書き込み動作とを
数回繰り返すものである。ここで、該第二の消去動作
は、消去用動作電圧Ve2(=−20[V])を印加時間
e2(=1.5[mS])にわたって印加する動作とこ
の動作前におこなう消去用補償電圧Vec2を印加する動
作とからなる。また、該第二の書き込み動作とは、書き
込み用動作電圧Vw2(=20[V])を印加時間T
w2(=1[mS])にわたって印加する動作とこの動作
前におこなう書き込み用補償電圧Vwc2を印加する動作
とからなる。液晶層11Fに該第二の書き込みモードに
より記録されたパターンは前記第一の消去モードでは消
去できない。
【0024】第二の書き込みモードで書き込まれたパタ
ーンを消去するための第二の消去モードは図4Cに示す
ように消去用一様光を入射面11Swに入射させながら
第三の消去動作を数回繰り返すものである。ここで、該
第三の消去動作は、消去用動作電圧Ve3(=−20
[V])を印加時間Te3(=2[mS])にわたって印
加する動作とこの動作前におこなう消去用補償電圧V
ec3を印加する動作とからなる。第二の消去モードはま
た図4Dに示すように消去用一様光を入射面11Sw
入射させながらおこなう単一の第四の消去動作からなる
ものでもよい。該第四の消去動作は消去用動作電圧Ve4
(=−30[V])を印加時間Te4(=1.5[m
S])にわたって印加する動作とこの動作前におこなう
消去用補償電圧Vec4を印加する動作とからなる。
【0025】前記第二の書き込みモードの第二の書き込
み動作の動作条件Qw2(=|Vw2|・Tw2)は、前記第
一の書き込みモードの第一の書き込み動作の動作条件Q
w1(=|Vw1|・Tw1)のおよそ2倍とすれば良い。ま
た、前記第二の消去モードの動作条件Qe3(=|Ve3
・Te3または|Ve4|・Te4)は前記第二の書き込みモ
ードの前記第二の消去動作の動作条件Qe2(=|Ve2
・Te2)のおよそ1.5倍前後であればよい。このよう
にすれば、前記第二の書き込みモードにより書き込まれ
たパターンは前記第一の消去モードでは消去されないが
前記第二の消去モードにより消去されるようになる。
【0026】以下、図5を参照しながら、第二の制御方
法を説明する。該第二の制御方法は、消去用一様光を入
射面11Swに入射させながら行う消去動作とパターン
光を入射面11Swに入射させながら行う書き込み動作
とを繰り返し行うものである。該消去動作は、消去用動
作電圧Ve(=−15[V])を印加時間Te(=1[m
S])にわたって印加する動作とこの動作前におこなう
消去用補償電圧Vecを印加する動作とからなる。また、
該書き込み動作は、書き込み用動作電圧Vw(=15
[V])を印加時間Tw(=0.5[mS])にわたっ
て印加する動作とこの動作前におこなう書き込み用補償
電圧Vwcを印加する動作とからなる。したがって、該消
去動作及び該書き込み動作の動作条件Qe(=|Ve|・
e)及びQw(=|Vw|・Tw)はそれぞれ前記第一の
制御方法の前記第一の消去モードの動作条件Qe1(=|
e1|・Te1)及び前記第一の書き込みモードの動作条
件Qw1(=|Vw1|・Tw1)のおよそ1.5倍である。
本第二の制御方法によれば、書き込み動作により書き込
まれたパターンは一回の消去動作では消去せず、二回の
消去動作で初めて消去される。すなわち、図5におい
て、書き込み動作W1により書き込まれたパターン1は
その後になされた消去動作E2では消去されない。した
がって、書き込み動作W2によりパターン2が書き込ま
れると、空間光変調器11にはパターン1及び2が二重
書き込みされることになる。ついで、消去動作E3がお
こなわれると、該パターン1が消去されるが、該パター
ン2は消去されない。このため、書き込み動作W3によ
りパターン3が書き込まれると、パターン2及び3が二
重書き込みされる。そして消去動作E4がおこなわれパ
ターン2が消去される。
【0027】このように該第二の制御方法によれば、消
去動作の動作条件Qeの総和が書き込み動作の動作条件
wにより定まるあるしきい値に達したときにのみ消去
動作が実行される。
【0028】なお、書き込みパターン光や消去用一様光
は、図4Aから図5に示すように動作電圧VwやVeの印
加時間Tw及びTeと同期して入射させるようにしてもよ
いが、図3Bに示したように、該動作電圧を印加してい
ない間も入射させつづけてもよい。少なくとも動作電圧
の印加時間Tw及びTe中は入射させつづけるようにすれ
ば良い。
【0029】また、前記第一及び第二の制御方法におけ
る各電圧値及び印加時間はおおむね前記の条件のように
設定すればよい。しかし、入力光の強度や波長によっ
て、また個々の空間光変調器の間でも多少変動する。し
たがって空間光変調装置に書き込み及び消去動作を行う
に際し、予め種々の動作電圧を種々の引加時間で印加し
て書き込み状態及び消去状態を測定し最適な動作電圧値
及び印加時間を求めておくことが望ましい。
【0030】以下、前記第一及び第二の制御方法を採用
した制御装置12を具備した空間光変調装置10を光学
的変位量測定装置に応用した場合について説明する。光
学的変位量測定装置とは、測定対象たる物体の装置に対
する相対的変位量を光学的に測定するための光学的変位
量測定装置である。ここで、物体の変位量とは物体の移
動量や変形量を含む。
【0031】図6は、本発明の空間光変調装置10を応
用した光学的変位量測定装置101の概略構成を示す光
学系統図である。測定対象である測定物体119は、搬
送装置118により搬送移動されており、He−Neレ
ーザ装置102からのレーザ光の一部が音響光学偏向器
(以下偏向器という)104により偏向されて測定物体
119に所定時間間隔をおいて二度照射されるように構
成されている。二度の照射光に基づく測定物体119の
反射光がそれぞれ結像レンズ106により本発明の空間
光変調装置10の書き込み側光入射面上に結像されて、
測定物体119の該二の照射時刻におけるスペックルパ
ターンが該空間光変調装置10に二重記録される。レー
ザ装置102からのレーザ光の他の一部はまた第一の読
みだし光学系109を経て空間光変調装置10の読みだ
し光入射面に入射され、空間光変調装置10に二重記録
された像の読み出しが行われる。読み出された像は第一
のフーリエ変換レンズ110によりフーリエ変換され、
フーリエ変換像が他の空間光変調装置111に記録され
る。レーザ装置102からのレーザ光の一部が第二の読
み出し光学系115を経て該他の空間光変調装置111
の読みだし側に入射されてフーリエ変換像の読みだしが
行われる。読み出された像は第二のフーリエ変換レンズ
116によりフーリエ変換され形成されたフーリエ変換
像の重心位置が半導体位置検出装置117Aで検出され
る。この検出結果に基づき演算・制御装置117Bによ
り測定物体119の該所定時間間隔における移動量及び
速度が演算される。演算結果は速度表示装置117Cに
表示される。
【0032】前記He−Neレーザ装置102は、コヒ
ーレント光であるレーザ光を出射するためのものであ
り、直線偏光状態のレーザ光を出射する。He−Neレ
ーザ装置102から出射したレーザ光は、ハーフミラー
103に入射する。レーザ光の一部が該ハーフミラー1
03で反射されて偏光器104に入射し、残りは第一及
び第二の読みだし光学系109及び115に導かれる。
【0033】前記音響光学偏向器104は超音波を伝搬
させる媒体を備えており入射光を回折させる回折格子と
して機能する。回折角は超音波の周波数の変化に応じて
変わる性質を有するため、該偏向器104はハーフミラ
ー103で反射され該偏向器104に入射した光の回折
光を超音波周波数の変調に応じて任意の方向に偏向させ
る。したがって、該偏向器104は超音波周波数を変調
させることにより回折光を測定物体119上に選択的に
照射させる光シャッタとして機能する。尚、偏向器10
4には偏向器コントローラ105が接続されており、測
定物体119に回折光を照射させるタイミングを制御し
ている。
【0034】レーザ光は、該偏向器104の偏向動作に
より測定物体119に照射されると、該測定物体の面上
で拡散反射され互いに干渉して斑点状の模様すなわちス
ペックルパターンを形成する。このスペックルパターン
は測定物体119の面の形状に固有の模様である。結像
レンズ106が該スペックルパターンを空間光変調器1
1の書き込み側入射面11Sw上に結像する。なお、該
空間光変調装置10には発光ダイオード(LED)10
7が該書き込み側入射面11Sw全面を照射するように
設けられており、液晶層11Fに既に記録されている像
を消去するのに用いられる。
【0035】前記第一の読み出し光学系109は、前記
ハーフミラー103を透過したレーザビームを前記空間
光変調装置10の読み出し側に読み出し光として導くも
のである。該第一の読み出し光学系109では、ハーフ
ミラー103を透過してきた光が変換光学系108によ
り一定のビーム径を有する平行光に変換される。該変換
光学系108は一対のコリメータレンズ108A及び1
08Cとその間に設けられたスペイシャルフィルター1
08Bとから構成されている。得られた平行光の一部は
ハーフミラー109Aで反射されて可変アパーチャ10
9Bでそのビーム径を所望の値に変更させられる。この
光ビームはシャッタ109Cによりハーフミラー109
D上に選択的に照射される。ハーフミラー109Dに照
射された光ビームはその一部が反射されて空間光変調器
11の読み出し側光入射面11Srに入射する。
【0036】前記空間光変調器11に入射した読み出し
光は液晶層11F内で位相変調された後読み出し光入射
面11Srから出射する。該読み出し光は前記ハーフミ
ラー109Dを透過して前記第一のフーリエ変換レンズ
110に到る。該第一のフーリエ変換レンズ110は該
読み出し光をフーリエ変換してフーリエ変換像を前記他
の空間光変調装置111に記録させる。該他の空間光変
調装置111もまた図2で示す空間光変調器11と同一
の強誘電性液晶空間光変調器112とその電極11B及
び11H間に印加する電圧を制御する制御装置113と
からなる。該他の空間光変調装置111にも発光ダイオ
ード(LED)114が該書き込み側入射面11Sw
面を照射するように設けられており、液晶層11Fに既
に記録されている像を消去するのに用いられる。
【0037】前記第二の読み出し光学系115は、前記
ハーフミラー103と前記第一の読み出し光学系109
のハーフミラー109Aを透過したレーザビームを前記
他の空間光変調装置111の読み出し側に読み出し光と
して導くものである。該第二の読み出し光学系115で
は、前記ハーフミラー109Aを透過したレーザビーム
がミラー115Aにより反射されシャッタ115Bによ
りハーフミラー115C上に選択的に照射される。ハー
フミラー115Cに照射された光ビームはその一部が反
射されて該他の空間光変調器112の読みだし光入射面
11Srに入射する。
【0038】前記他の空間光変調器112に入射した読
み出し光は液晶層11F内で位相変調された後読み出し
光入射面11Srから出射する。該読み出し光は前記ハ
ーフミラー115Cを透過して前記第二のフーリエ変換
レンズ116に到る。前記第二のフーリエ変換レンズ1
16は該読み出し光をフーリエ変換してフーリエ変換像
を半導体位置検出装置117A上に結像する。
【0039】前記半導体位置検出装置117Aは、第二
のフーリエ変換レンズ116により形成されたフーリエ
変換像の位置を検出するためのものである。また、前記
演算・制御装置117Bは、該半導体位置検出装置11
7Aの検出結果に基づいて測定物体119の移動量及び
速度を演算し、前記速度表示装置117Cが演算結果た
る速度を表示する。該半導体位置検出装置(以下「PS
D」という)117Aは、スポット状の光の位置を検出
する光センサである。PSDは、入射光を電気信号に変
換するためのPN接合面を有する半導体デバイスで、P
層やN層が抵抗層となっておりこれに電流取り出し電極
が接続されている。PSDには、一軸上の位置を検出す
るための一次元PSDと二軸上の位置を検出するための
二次元PSDとがあり、用途に応じてどちらも使用でき
る。
【0040】次に該光学的変位量測定装置101の動作
原理を説明する。
【0041】前記偏向器104がレーザ光を所定の時間
間隔△tをおいて二度互いに等しい偏向角で偏向する。
その結果、レーザ光が該所定の時間間隔△tをおいて二
度該測定物体119に照射される。測定物体119が該
所定時間間隔Δtの間にΔSだけ移動したとすると、測
定物体の該時間間隔における移動前後のスペックルパタ
ーンがそれぞれ形成されることになる。該移動前後のス
ペックルパターンは制御装置12の制御のもと前記空間
光変調装置10に二重記録される。ところで、スペック
ルパターンは既述のように測定物体119の面の形状等
に固有のものであるため、該移動前後のスペックルパタ
ーンは互いに同一のスペックル分布を有している。した
がって空間光変調器11の液晶層11Fには、同一のス
ペックルパターンが測定物体119の移動方向と平行な
方向に一定の間隔ΔS’だけずれて二重記録されること
になる。このずれ量ΔS’と測定物体119の移動量Δ
Sとは、結像レンズ106等の結像系で決まる比例関係
にある。
【0042】スペックルパターンが二重記録されると、
第一の読みだし光学系109のシャッタ109Cが開い
て読みだし光が空間光変調器10の読みだし側入射面1
1Srに入射する。読み出し光は液晶層11F内を伝搬
する際に位相変調を受け、スペックルパターンずれ量Δ
S’に対応した回折パターンを形成する。該回折パター
ン光は、第一のフーリエ変換レンズ110によってレン
ズ後焦点面上に結像される。該読み出し光はコヒーレン
ト光であるため、該後焦点面上にフラウンホーファ回折
像たる明暗の干渉縞いわゆるヤング縞を結像する。ヤン
グ縞の並んだ方向(縞に垂直な方向)は、測定物体11
9の移動方向と平行であり、縞間隔ΔMの逆数はスペッ
クルパターンのずれ量ΔS’に比例している。前記他の
空間光変調器112はその書き込み光入射面11Sw
レンズ110の後焦点面上に位置するように配置されて
いるため、該ヤング縞が該他の空間光変調器112に記
録される。
【0043】本実施例の強誘電性液晶空間光変調器11
及び112は既述のように液晶分子配列の安定状態が二
つある二値記録素子であるため、明暗のパターンである
スペックルパターンやヤング縞を記録するのに非常に適
している。また強誘電性液晶層の書き込み速度が非常に
速いことから光学的変位量測定装置の実時間測定性を高
めることができる。更に、二値記録デバイスである強誘
電性液晶空間光変調器を二値の位相変調器として利用で
き、光効率を大きくできかつ鋭い相関ピークを得ること
ができる。
【0044】前記第二の読みだし光学系115を経て前
記他の空間光変調器112の読みだし光入射面11Sr
に入射した読み出し光は、液晶層11F内を伝搬する際
に位相変調を受けヤング縞の縞間隔・縞方向に対応した
回折パターンを形成する。該ヤング縞による回折パター
ン光は、第二のフーリエ変換レンズ116によってその
後焦点面上に結像される。この読みだし光もやはりコヒ
ーレント光であるため、該後焦点面上にフラウンホーフ
ァ回折像を結像する。この結果、該後焦点面上にスポッ
ト状の0次回折光とやはりスポット状の一対の±一次の
回折光(自己相関信号光)が結像される。つまり、一定
のずれ量をもって形成された二つの同一パターンである
スペックルパターンに対して、レンズ110及び116
による二度のフーリエ変換処理すなわちジョイント変換
処理と同様に考えられる処理を施したことにより、自己
相関信号光を形成せしめたのである。
【0045】該0次光はレンズ116の光軸上に結像さ
れ、一対の自己相関信号光はヤング縞の縞の並んだ方向
(縞に垂直な方向)と平行な方向に0次光を中心として
点対称状に結像される。自己相関信号光と0次光との距
離ΔLはヤング縞の縞間隔ΔMの逆数に比例するため、
スペックルパターンのずれ量ΔS’及び測定物体119
の移動距離ΔSに比例する。すなわち、ΔL=αΔSと
いう関係にある。ここで、αは書き込み用結像レンズ1
06やフーリエ変換レンズ110及び116の焦点距離
等の光学系により定まる比例定数である。したがって、
一対の自己相関信号光のうちの一方の0次光に対する位
置を測定すれば、測定物体119の移動方向及び移動距
離ΔSが求められる。
【0046】該0次光の位置は、0次光がレンズ116
の光軸上に現れるものであることから、その位置はレン
ズ116の配置によって定まる。一方、自己相関信号光
の位置は、レンズ116の後焦点面上に置かれたPSD
117Aによって求まる。すなわち、PSD117Aが
自己相関信号光をその受光面で受光し、その受光面内で
の位置を測定する。PSD117Aとレンズ116の光
軸との位置関係及びPSD117Aの測定結果をもと
に、前記演算・制御装置117Bが0次光に対する自己
相関信号光の距離ΔLを演算する。該演算・制御装置1
17Bは更にこの演算結果より測定物体の移動量ΔSを
演算し、更に測定物体の速度V=ΔS/Δtを演算す
る。前記速度表示装置117Cがこの演算結果Vを表示
する。なお、PSDの種類として一次元PSDと二次元
PSDとがあるが、用途に応じていずれかを用いる。一
次元PSDは、測定物体119の移動方向が予めわかっ
ており移動量及び移動速度のみを求めたい場合に用い
る。すなわち、PSDの一次元軸を測定物体の移動方向
と平行になるように配置して一次元軸上における自己相
関信号光の位置を測定するのである。一方、測定物体1
19の移動量・移動速度のみならず移動方向もわかって
いない場合には、自己相関信号光の0次光からの距離と
方向とを共に測定すべく、二次元PSDを用いる。
【0047】以下、本発明の空間光変調装置10を図4
に示した前記第一の制御方法と図5に示した前記第二の
制御方法でそれぞれ制御する場合の該光学的変位量測定
装置101の動作についてそれぞれ説明する。
【0048】まず、図4に示した前記第一の制御方法を
採用した場合の動作タイミングについて図7を参照しな
がら説明する。該第一の制御方法は、初期の基準時刻に
おいて基準位置に静止している測定物体119の該基準
位置からの移動量を連続的に測定するために採用され
る。まず、第一の発光ダイオード107で空間光変調器
11の書き込み側入射面11Sw全面を照射しつつ第一
の消去モードを行い、既に記録されていた像を消去す
る。次に、測定物体が基準位置に静止している基準時刻
1において偏向器104が測定物体119にレーザ光
を照射してスペックルパターンを空間光変調器11の書
き込み側入射面11Sw上に結像させる。同時に第二の
書き込みモードを実行し、該時刻t1におけるスペック
ルパターンを空間光変調器の液晶層11Fに記録する。
なお、該第二の書き込みモード実行中は該測定物体は該
基準位置に静止したままである。該第二の書き込みモー
ドの終了と同時に偏向器104は測定物体119へのレ
ーザ光の照射を停止する。その後、測定物体119が搬
送装置118により移動し始める。時刻t2で偏向器1
04は再び測定物体119へレーザ光を照射する。同時
に、第一の書き込みモードを実行し、時刻t2における
スペックルパターンを液晶層11Fに記録する。この結
果、時刻t1及びt2のスペックルパターンが液晶層11
Fに二重記録される。
【0049】該第一の書き込みモードによる記録の終了
と同時にシャッタ109Cを開き読みだし光を空間光変
調器11の読みだし側入射面11Srに照射する。そし
て、空間光変調器で位相変調され該読みだし側入射面1
1Srより出射した読みだし光を空間光変調器112の
書き込み側に入射し、同時に書き込み動作電圧Vw’を
電極11B及び11H間に印加して該読みだしパターン
光(ヤング縞)を空間光変調器112に記録する。この
結果、ヤング縞が空間光変調器112に記録される。な
お、かかる記録を行う前には、発光ダイオード114で
書き込み側入射面11Sw全面を照射しつつ消去動作電
圧Ve’を印加し既に記録されていた像を消去してお
く。また、動作電圧Vw’及びVe’を印加する前には液
晶層の劣化を防止すべく補償電圧Vwc’及びVec’をそ
れぞれ印加する。以上の空間光変調器112の動作タイ
ミングは図3Aで示すものと同一である。
【0050】かかるヤング縞の記録終了と同時にシャッ
タ115Bを開き、読みだし光を空間光変調器112の
読みだし側に入射する。該読みだし光は該空間光変調器
で位相変調され該読みだし側より出射する。この結果、
自己相関信号光がPSD117A上に結像する。PSD
117Aによる測定結果をもとに演算・制御装置117
Bが演算動作を行うことにより、該基準時刻t1から時
刻t2までの間に測定物体119が該基準位置から移動
した移動量△St1-t2が求められる。
【0051】次に、第一の発光ダイオード107で空間
光変調器11の書き込み側全面を照射しつつ第一の消去
モードを実行する。この結果、第一の書き込みモードで
液晶層11F内に記録された該時刻t2におけるスペッ
クルパターンは消去されるが、第二の書き込みモードで
記録された該基準時刻t1におけるスペックルパターン
は消去されない。再び、時刻t3で偏向器104により
レーザ光を測定物体119に照射する。形成されるスペ
ックルパターンを空間光変調器11に照射しつつ第一の
書き込みモードを実行し、該時刻t3におけるスペック
ルパターンを液晶層11Fに記録する。この結果、時刻
1及びt3におけるスペックルパターンが液晶層に二重
記録される。かかる空間光変調器11の記録内容を読み
だすことにより、該基準時刻t1から時刻t3までの間に
測定物体119が該基準位置から移動した移動量△S
t1-t3が求められる。このようにして、基準時刻t1から
時刻t2、t3,t4,t5、・・・、tn、tn+1、・・・
までの測定物体119の移動量△St1-t 2、△St1-t3
△St1-t4、△St1-t5、・・・、△St1-tn、△S
t1-tn+1、・・・がそれぞれ測定される。すなわち、時
刻t2、t3,t4,t5、・・・、tn、tn+1、・・・に
おける測定物体119の該基準静止位置に対する位置が
測定されるのである。
【0052】さらに、基準時刻t1を0とし測定時刻
2、t3,・・・までの時間t2−t1、t3−t1、・・
・、tn−t1をtとしてこれを横軸にとる。また基準静
止位置を0とし移動量をS(t)としてこれを縦軸にと
り、該測定時刻t2、t3,t4,t5、・・・、tn、t
n+1、・・・における移動量△St1-t2、△St1-t3、△
t1- t4、△St1-t5、・・・、△St1-tn、△
t1-tn+1、・・・をS(t)をプロットしこれをつな
いでグラフを作成すると図8のようになる。かかるグラ
フは測定物体119の基準静止位置に対する位置の連続
的変化状態を示す。したがって、かかるグラフを作成す
ることにより測定物体119の移動状態を連続的に追う
ことが可能となる。また時刻tにおける測定物体の速度
V(t)は式V(t)=dS(t)/dtより容易に演
算することができる。
【0053】なお、該基準時刻t1を変更する場合には
第一の発光ダイオード107で空間光変調器11の書き
込み側全面を照射しつつ、図4Cまたは図4Dに示した
第二の消去モードを実行することで、前記第二の書き込
みモードで記録した該基準時刻t1におけるスペックル
パターンを消去する。新しい基準時刻t1’に再び第二
の書き込みモードをおこなうことにより、該基準時刻t
1’におけるスペックルパターンを記録する。
【0054】該第一の制御方法を採用する空間光変調装
置11を利用した光学的変位量測定装置101は、図9
Aに示すように、該搬送装置118の代わりに測定物体
119に引張応力を与えるための引張装置118’を備
え、PSD117Aとして二次元PSDを採用するよう
にしてもよい。該光学的変位量測定装置では、該引張装
置118’が測定物体119上の一点に応力を与え該測
定物体を変形させ、その変形量を測定する。この場合該
第一の制御方法を採用するために、該測定物体119の
応力が変化すると図9Bに示すようにPSD117A上
に結像された自己相関信号光が連続的に移動する。した
がって、自己相関信号光の移動状態を連続的に追ってい
くことにより、応力の大きさ及び方向の連続的な変化を
簡単に測定することができる。
【0055】次に、光学的変位量測定装置101の空間
光変調装置10が図5に示した第二の制御方法を採用し
た場合の動作タイミングについて図10を参照しながら
説明する。該第二の制御方法は、測定物体119の速度
を連続的に測定するのに特に好ましい。まず、第一の発
光ダイオード107で空間光変調器11の書き込み側入
射面11Sw全面を照射しつつ消去動作E1を実行し、
既に記録されていた像を消去する。次に、時刻t1にお
いて偏向器104により測定物体119にレーザ光を照
射してスペックルパターンを空間光変調器11の書き込
み側入射面11Sw上に結像させる。同時に書き込み動
作W1を実行し、該時刻t1におけるスペックルパター
ンを空間光変調器の液晶層11Fに記録する。その後第
一の発光ダイオード107で書き込み側入射面11Sw
全面を再び照射しつつ消去動作E2を実行する。該時刻
1におけるスペックルパターンは該消去動作E2によ
っては消去されない。次に、時刻t2で偏向器104は
再び測定物体119へレーザ光を照射する。同時に、書
き込み動作W2を実行し、時刻t2におけるスペックル
パターンを液晶層11Fに記録する。この結果、時刻t
1及びt2のスペックルパターンが液晶層11Fに二重記
録される。該二重記録スペックルパターンを読みだし空
間光変調装置112を用いて処理・演算することによ
り、該時刻t1とt2の間に測定物体119が移動した移
動量△St1-t2が求められる。また、この結果時刻t1
おける速度V(t1)が式V(t1)=△St1-t2/(t2
−t1)で求められる。
【0056】次に第一の発光ダイオード107で書き込
み側入射面11Sw全面を再び照射しつつ消去動作E3
を実行する。該時刻t2におけるスペックルパターンは
消去されないが該時刻t1におけるスペックルパターン
が消去される。次に、時刻t3で偏向器104は再び測
定物体119へレーザ光を照射する。同時に、書き込み
動作W3を実行し、時刻t3におけるスペックルパター
ンを液晶層11Fに記録する。この結果、時刻t2及び
3のスペックルパターンが液晶層11Fに二重記録さ
れる。該二重記録スペックルパターンを読みだし空間光
変調装置112を用いて処理・演算することにより、該
時刻t2とt3の間に測定物体119が移動した移動量△
t2-t3が求められる。また、この結果時刻t2における
速度V(t2)が式V(t2)=△St2-t3/(t3
2)で求められる。以上のようにして、時刻tnとt
n+1との間に測定物体119が移動した移動量△S
tn-tn+1及び時刻tnにおける速度V(tn)=△S
tn-tn+1/(tn+1−tn)が求められる。
【0057】なお、本発明の空間光変調装置10の前記
第一及び第二の制御方法における各動作電圧値及びその
印加時間は、入力光強度、入力光波長、用いる空間光変
調器11によって多少の変動がある。このため、各動作
電圧値及び印加時間の最適値を予め求めることが望まし
い。その方法として、図11に示すように、実際の測定
を行う前にフォトディテクタ120をPSD117Aの
代わりに配置する方法がある。この方法では、測定物体
119に一定の変位を与えその変位前後のスペックルパ
ターンを空間光変調装置10に二重記録してその自己相
関信号光をフォトディテクタ120で検出する。フォト
ディテクタ120の出力が一定値を超えるような動作電
圧値及び印加時間を書き込み動作・消去動作のそれぞれ
に対して選択することによって、各動作電圧値及び印加
時間の最適値を予め求めるのである。
【0058】次に、本発明の空間光変調装置10の他の
応用例を以下説明する。該他の応用例とは光ニューラル
コンピュータの神経回路網モデルを構成するニューロン
素子である。本発明の空間光変調装置10を応用したニ
ューロン素子は和算しきい値動作を実行するための素子
である。
【0059】該ニューロン素子としての空間光変調装置
10の動作タイミングを図13を参照しながら以下説明
する。この動作タイミングは図5に示した本発明の第二
の制御方法の例とほぼ同一であるが、各書き込み動作W
m(m=1、2、・・・)の動作電圧Vwm及び印加時間
wm、各消去動作Ei(i=1、2、・・・)の動作電
圧Vei及び印加時間Teiがそれぞれ異なっている点が図
5に示した例とは異なる。該空間光変調装置10を該ニ
ューロン素子に応用する場合には、図13に示すよう
に、一様光を照射しながら消去動作Ei(i=1、2、
・・・)を行い、各消去動作Eiの後にパターン光を照
射しながら書き込み動作Wm(m=1、2、・・・)を
行う。消去動作Eiの動作条件をQei(=|Vei|・T
ei)とし、書き込み動作Wmの動作条件をQwm(=|V
wm|・Twm)とする。この場合、ある書き込み動作Wm
により書き込まれたパターンm(m=1,2,・・・)
は、該書き込み動作Wmが実行された後に行われる消去
動作の動作条件Qei(i>m)の総和が該書き込み動作
Wmの動作条件Qwmで定まるしきい値に達したときに、
該パターンmの消去が実行される。ここで、各書き込み
動作の動作条件Qwm(m=1、2、3、・・・)で定ま
るしきい値をそれぞれθmとする。
【0060】たとえば図13において、各書き込み動作
Wm(m=1、2、・・・)により書き込まれたパター
ンmについてのしきい値θmに対し、該パターンmが記
録された後に行われる消去動作Ei(i>m)の各消去
動作条件Qeiが以下の関係を有するとする。Qe2+Qe3
<θ1≦Qe2+Qe3+Qe4、Qe3<θ2≦Qe3+Qe4、Q
e4<θ3≦Qe4+Qe5。この場合には、書き込み動作W
1によって書き込まれたパターン1は消去動作E2〜E
3では消去されず消去動作E4が実行されて初めて消去
される。また、書き込み動作W2によって書き込まれた
パターン2も消去動作E4が実行されて初めて消去され
る。書き込み動作W3によって書き込まれたパターン3
は消去動作E5が実行されて初めて消去される。このよ
うに、ニューロン素子としての空間光変調装置10は、
施された消去動作の動作条件の総和が一定のしきい値を
超えたときのみ消去動作を実行するような和算しきい値
動作ニューロン素子として機能する。
【0061】上記の動作を行う本発明の空間光変調装置
10からなるニューロン素子201を図12を参照して
説明する。該ニューロン素子201は図12に示すよう
に他の多数の素子から入力信号Xiを受け取る。ここ
で、該入力信号Xiとは、図13に示した各消去動作E
i(E1、E2、・・・)であり該入力信号Xiの値は
消去動作条件Qeiをとる。該ニューロン素子201は、
受け取った該入力信号Xiの総和があるしきい値θmを超
えないうちは出力Y=0をだし、該入力信号Xiの総和
が該しきい値θmを超えると出力Y=1をだす。ここ
で、該しきい値θmは図13に示す各書き込み動作Wm
(W1,W2,...)により該空間光変調器11に記
録された各パターンm(1、2、3、・・・)の書き込
み動作条件Qwmで定まるものである。また、該出力Yと
は該各書き込み動作Wmにより記録されたパターンmを
消去する動作の実行の有無を意味する。すなわち、出力
Y=0とは消去動作を実行しないことであり、出力Y=
1とは消去動作の実行を意味する。したがって、該ニュ
ーロン素子201は下記の数式1を満たすYを出力する
という和算しきい値動作を実行することになる。
【0062】
【数1】
【0063】ここで、式Φ(u)は、u≧0でΦ(u)
=1でありu<0でΦ(u)=0であるような関数であ
る。
【0064】本発明は上述した実施例の強誘電性液晶空
間光変調装置に限定されることなく、本発明の主旨から
逸脱することなく種々の変更が可能となる。
【0065】たとえば、上述の空間光変調装置の応用例
における光学的変位量測定装置では、装置は固定されて
おり測定物体が移動していたが、この逆でもよい。すな
わち、光学的変位量測定装置が移動しており、測定物体
は固定されているものでもよい。この場合には、固定さ
れた測定物体の光学的変位量測定装置に対する相対的な
移動量及び速度を測定することによって、光学的変位量
測定装置の絶対的移動量及び速度が求められることにな
る。たとえば、光学的変位量測定装置を自動車等移動す
る物体に載置することにより、この移動物体の移動量及
び速度を求めることができる。さらに、測定物体にはレ
ーザ光のようなコヒーレント光でなくインコヒーレント
光を照射しても良い。この場合には、スペックルパター
ンでなく測定物体の像が本発明の空間光変調装置に二重
記録される。
【0066】また、上述の空間光変調装置の応用例にお
ける光学的変位量測定装置では、HeーNeレーザ装置
102からの光の一部を偏向器104で偏向して測定物
体119に照射しスペックルパターンを形成させてい
た。しかし、偏向器104を設けず、He−Neレーザ
装置102からの光を測定物体119に常に照射させ続
けてもよい。この場合にも、書き込み動作電圧Vwの引
加時刻t1,t2,・・・にのみスペックルパターンが空
間光変調装置10に記録されることになる。また、He
−Neレーザ装置102とは別にパルス状光源たるレー
ザダイオード(LD)を設け、測定物体119に対しパ
ルス状LD光を時刻t1,t2,・・・に照射してスペッ
クルパターンを形成させてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように、
本発明の空間光変調装置においては、空間光変調器に情
報を記録するための記録動作条件と該記録した情報を消
去するための該空間光変調器の消去動作条件とを、制御
装置により相対的に調整する。かかる調整により、該記
録した情報の該消去動作に対する相対的記録蓄積状態を
変化させることができる。したがって、本発明の空間光
変調装置を光学的変位量測定装置に適用する場合には、
測定物体の移動状態を連続的に測定することが可能とな
る。
【0068】さらに、本発明の空間光変調装置によれ
ば、光学的な和算しきい値動作を容易におこなうことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空間光変調器の説明図である。
【図2】本発明の実施例にかかる強誘電性空間光変調装
置を拡大して示す断面図である。
【図3A】本発明の実施例にかかる空間光変調装置の基
本的動作を示す動作タイミングチャートの一例である。
【図3B】本発明の実施例にかかる空間光変調装置の基
本的動作を示す動作タイミングチャートの他の例であ
る。
【図4A】本発明の実施例にかかる空間光変調装置の第
一の制御方法において採用する第一の書き込みモードと
第一の消去モードを説明する図である。
【図4B】本発明の実施例にかかる空間光変調装置の第
一の制御方法において採用する第二の書き込みモードを
説明する図である。
【図4C】本発明の実施例にかかる空間光変調装置の第
一の制御方法において採用する第二の消去モードを説明
する図である。
【図4D】本発明の実施例にかかる空間光変調装置の第
一の制御方法において採用する第二の消去モードの他の
例を説明する図である。
【図5】本発明の実施例にかかる空間光変調装置の第二
の制御方法を説明する図である。
【図6】本発明の実施例にかかる空間光変調装置を応用
した光学的変位量測定装置の一例の光学系統図である。
【図7】本発明の実施例にかかる空間光変調装置を応用
した光学的変位量測定装置の動作タイミングチャートで
ある。
【図8】本発明の実施例にかかる空間光変調装置を応用
した光学的変位量測定装置により得られる測定物体の位
置の変化状態を示すグラフである。
【図9A】本発明の実施例にかかる空間光変調装置を応
用した光学的変位量測定装置の他の一例の光学系統図で
ある。
【図9B】本発明の実施例にかかる空間光変調装置を応
用した光学的変位量測定装置の他の一例において測定さ
れる自己相関信号光の変化状態を示す図である。
【図10】本発明の実施例にかかる空間光変調装置を応
用した光学的変位量測定装置の動作タイミングチャート
の他の例である。
【図11】本発明の実施例にかかる空間光変調装置を応
用した光学的変位量測定装置において空間光変調装置の
動作電圧値及び印加時間の最適値を求める方法を説明す
る光学系統図である。
【図12】本発明の実施例にかかる空間光変調装置を応
用した和算しきい値動作ニューロン素子の説明図であ
る。
【図13】本発明の実施例にかかる空間光変調装置を応
用した和算しきい値動作ニューロン素子の動作タイミン
グチャートである。
【符号の説明】
1 空間光変調器 2 アドレス材料 3 光変調材料 10 空間光変調装置 11 空間光変調器 12 制御装置 101 光学的変位量測定装置 201 和算しきい値動作ニューロン素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間光変調器と、該空間光変調器に情報
    を記録するための記録動作条件と該記録された情報を消
    去するための消去動作条件とを相対的に制御する制御装
    置とを備えたことを特徴とする空間光変調装置。
  2. 【請求項2】 該空間光変調器の動作条件が該空間光変
    調器に印加する動作電圧と印加する時間とで決定される
    ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調装置。
  3. 【請求項3】 該空間光変調器の動作条件が該空間光変
    調器に印加する動作電圧と印加する時間との積で決定さ
    れることを特徴とする請求項2記載の光学的変位量測定
    装置。
  4. 【請求項4】 該空間光変調器が強誘電性液晶空間光変
    調器であることを特徴とする請求項3記載の光学的変位
    量測定装置。
JP32387991A 1991-11-12 1991-11-12 空間光変調装置 Pending JPH05134229A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012123308A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Asahi Glass Co Ltd 投射型表示装置

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