JP3264299B2 - 耐火パネル - Google Patents

耐火パネル

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JP3264299B2
JP3264299B2 JP30091993A JP30091993A JP3264299B2 JP 3264299 B2 JP3264299 B2 JP 3264299B2 JP 30091993 A JP30091993 A JP 30091993A JP 30091993 A JP30091993 A JP 30091993A JP 3264299 B2 JP3264299 B2 JP 3264299B2
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浩之 梅津
英喜 滝口
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株式会社アイジー技術研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐火性能を必要とする建
築、構築物の内壁材、外壁材、屋根材、天井材、床材、
間仕切り材、あるいは防火戸等として使用でき、かつ軽
量で、機械強度のある長尺状の耐火パネルに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、耐火構造用の耐火パネルとして
は、特開平4−237756号公報等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構造の耐火パネルは高熱下では、表面材、裏面材が
熱伝導の相違により加熱側へ引っ張られることにより大
きく異なる方向へ変形し、この変形により連結部に隙間
が生じ、この部分から熱、炎が反対側へ漏れたりしてJ
IS−A−1304の耐火構造1時間の試験に合格でき
ない欠点があった。さらに、雄、雌型連結部を複雑な形
状とした際は目地部の防火性能を強化できる反面、施工
が困難となり寸法精度を高くする必要があった。また、
表、裏面材のガイドが正確でなく、製造時に大きな寸法
誤差を招く不利があった。その他、不燃材はその一面た
りとも連結部外側面に露出されておらず、断熱不燃材、
パッキング材で接触面が剥離されないため、ヒートショ
ックが大きく結露等も発生する欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するため、表、裏面材間にフェノールフォームを
主成分とする芯材を介在したサンドイッチパネルの雄、
雌型連結部が当接するほぼ中間に準不燃材以上の短尺幅
の長尺板材を一体に、かつほぼ対面する位置に介在する
と共に緩衝材、寸法調整材の不燃性パッキング材を当接
する面と植設し、耐火性、施工性、断熱性の向上と生産
性の改善を図った耐火パネルを提案するものである。
【0005】
【実施例】以下に、図面を用いて本発明に係る耐火パネ
ルの一実施例について詳細に説明する。図1は上記耐火
パネルの代表的な一例を示す一部切り欠き斜視図で、1
は耐火パネルで表面材2と裏面材21間に芯材26を一
体に介在させたサンドイッチ構造体であり、かつその長
手方向の両側縁に雄型連結部28、雌型連結部32を設
けた構成である。
【0006】すなわち、表面材2、裏面材21は金属薄
板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタ
ン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ホーロー鋼板、クラ
ッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッ
チ鋼板(制振鋼板等)等(勿論、これらを各種色調に塗
装したカラー金属板を含む)の一種をロール成形、プレ
ス成形、押出成形等によって各種形状に形成したもので
ある。
【0007】表面材2の形状は例えば図2(a)に示す
ように長尺板状の化粧面部3は水平面状の化粧面4と、
化粧面4の長手方向の両側縁を内方に屈曲した側縁5、
6と、側縁5の下端を外側方へ延長し目地底面となる段
差部7と、段差部7の先端をさらに外方に突出した上面
8と上面8の先端を、内方に屈曲した段差9と、段差9
の先端を外方に突出した上面10と、上面10の先端を
内方に屈曲した下面11とからなるガイド条12と、上
記下面11の先端を少なくともL字状、好ましくは凹条
に形成した準不燃材収納溝13と、その端縁を内方に屈
曲した舌片14とから構成したものである。
【0008】さらに、表面材1の他端には側壁6の下端
を内側方へ延長し途中から傾斜し後記する固定具頭部を
収納する段差面15を有する下面16と、段差面15の
先端を内側方へ凹条に形成した挿入溝17と、この挿入
溝17の下面を上面としたコ字状断面の支持条18と、
支持条18の下面を上面とする逆コ字状断面の準不燃材
収納溝19と、その先端を内方に屈曲したガイド片20
とから構成したものである。
【0009】裏面材21は例えば図2(b)に示すよう
に化粧面部3と対面する横長状の底面22と、底面22
の一端を内方にほぼL字状に屈曲したガイド片23とガ
イド片23の先端を内方に屈曲した受片24と、他端を
L字状に屈曲した受け片25とから形成したものであ
る。なお、ガイド片23の根元には凸条23aを形成
し、後記するパッキング材31をガイドするのに役立つ
ものである。
【0010】また、舌片14、ガイド片20、受け片2
4、25は図2(a)、(b)に示す表面材2と裏面材
21を図1に示すように積層する際に、位置ずれしない
でかつ寸法精度を向上するのに役立つものである。
【0011】芯材26はフェノールフォームを主成分と
したプラスチックフォーム27であり、主に断熱材、耐
火材、接着剤、補強材、緩衝材、吸音材、嵩上材、軽量
化材として機能するものである。さらに具体的一例を示
すと、レゾール型のフェノールフォームに、発泡剤、水
酸化アルミニウム(Al(OH)3 )、ポリリン酸アン
モニウム、膨脹性グラファイト、硬化剤、珪酸カルシウ
ムあるいは炭酸カルシウム等の無機材等を混入し、発
泡、硬化させ、仕上がり密度で50〜300Kg/m3
位に形成したもの等である。
【0012】レゾール型のフェノールフォーム(以下、
単にフェノールフォームという)は、主に連続式の発泡
成形方法により製造されるものであり、他の合成樹脂発
泡体(プラスチックフォーム)に比べて不燃性、低発煙
性、低毒性の性能を有するものである。また、このフェ
ノールフォームを金属板にサンドイッチして形成された
複合材は、単体でJIS−A−1301(建築物の木造
部分の防火試験方法)、JIS−A−1302(建築物
の不燃構造部分の防火試験方法)の防火構造試験に合格
する防火性能を有するものである。
【0013】発泡剤はフェノールフォームの原液を10
0重量部とすると、このフェノールフォームの原液に対
して2〜50重量部混入させるものであり、例えば、メ
チレンクロライド、炭酸塩(粉末)等である。
【0014】水酸化アルミニウムはフェノールフォーム
の原液を100重量部とすると、このフェノールフォー
ムの原液に対して50〜300重量部混入させるもので
あり、難燃材、耐火材、耐熱材として有用なものであ
る。例えば、その組成としては水分率が0〜30%、粒
度が10〜100μ、純度90%以上のものである。
【0015】ポリリン酸アンモニウムはフェノールフォ
ームの原液を100重量部とすると、このフェノールフ
ォームの原液に対して1〜25重量部混入させるもので
あり、反応調整材、難燃化材として有用なもので粒度は
30〜100μである。
【0016】膨脹性グラファイトはフェノールフォーム
の原液を100重量部とすると、このフェノールフォー
ムの原液に対して2〜30重量部混入させるものであ
る。その効果としては、火災時にフェノールフォームが
炭化し空隙が形成されるが、この空隙を加熱により膨脹
したグラファイトにより塞ぎ、肉痩せによる耐火性能の
低下を防止するものである。
【0017】硬化剤はフェノールフォームの原液を10
0重量部とすると、このフェノールフォームの原液に対
して10〜50重量部混入させるものであり、有機リン
酸系、あるいはリン酸系とPSA系の混合物である。
【0018】珪酸カルシウムあるいは炭酸カルシウム、
ガラス繊維、ロックウール等の無機材は、プラスチック
フォーム27の保形性、耐火性を向上するために混入し
たものである。
【0019】雄型連結部28は段差部7、ガイド条1
2、準不燃材以上の板材29と凸条23aと切り欠き部
30とパッキング材31とから形成した耐火パネル1の
側端部分である。また、準不燃材以上の板材29は後記
する連結部γの防火性の強化のため用いるもので、例え
ば、図3に示すような形状であり、その素材としては例
えばケイ酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、石膏ボー
ド、パーライトセメント板、ロックウール板、スレート
板、ALC板、PC板、その他の無機質軽量体、無機質
軽量発泡体、あるいはこれらの複合板の1種以上、もし
くは超高密度樹脂(高密度のフェノールフォーム等)を
耐火パネル1の雄型連結部28、雌型連結部32部分の
形状に略合致した形状で一体に介在させるものである。
なお、装着は芯材26形成時、あるいはラインアウト後
に植設してもよい。また、パッキング材31は無機材で
あり、例えばロックウールフェルト、セラミックウール
等により、耐火構造試験時に連結部間に間隙が生ずるの
を防止して火災の侵入を遮断し、主に耐火性、気密性、
緩衝性を発揮するためのものである。
【0020】さらに説明すると、段差部7と上面8は化
粧面4より一段と低く形成し、雌型連結部32のカバー
部33が化粧面4から突出せず、ほぼ面一に収納し、か
つ固定具βの頭部も上記カバー部33間に収納する空隙
が存在する寸法としたものである。切り欠き部30は断
面が略長方形状であり、施工性を抜群に容易とし、製
造、施工誤差を容易に吸収できるようにしたものであ
る。
【0021】雌型連結部32は段差部7、上面8を覆う
カバー部33とガイド条12を挿入する挿入溝17と準
不燃材以上の板材29と前記切り欠き部30に対応する
切り欠き部34とから構成したものである。
【0022】35は防水パッキング材であり、例えばポ
リ塩化ビニル系、クロロプレン系、クロロスルホン化ポ
リエチレン系、エチレンプロピレン系、アスファルト含
浸ポリウレタン系等の一般的に市販されているものであ
り、主に防水材、気密材等の機能として有用なものであ
る。
【0023】次に施工例について簡単に説明する。いま
図1に示すような耐火パネル1を用いて図4に示すよう
に施工すると仮定する。なお、図示する鉄骨下地よりな
る躯体αの最下端には図示しないが水切り、スタータ等
を固定しておく。そこで、図示するように第n段目の耐
火パネル1は上面10が固定具βを介して躯体α上に固
定される。
【0024】次に上段となる第n+1段目の耐火パネル
1の雌型連結部32を耐火パネル1の雄型連結部28に
嵌挿する。従って、外壁を形成するには上記のような工
程を順次、土台から軒に向かって行えば良いものであ
る。
【0025】さらに、この耐火パネル1の防火性を確認
するため、JIS−A−1304の耐火構造試験の耐火
構造1時間の試験を実施したところ合格する性能を得
た。なお、この際の仕様は表、裏面材2、21が0.5
mm厚のカラー鋼板、芯材26はフェノールフォーム
(密度180Kg/m3 位)板材29は10mm厚のケ
イ酸カルシウム板で、総厚さが60mm位であった。ま
た連結部γにはロックウールフェルトよりなる無機材よ
りなるパッキング材31を連結部γに隙間ができないよ
うに連続状に植設して断熱層、耐火層、緩衝層、目地材
(寸法調整も含む)として機能するように形成したもの
である。
【0026】以上説明したのは、本発明に係る耐火パネ
ルの一実施例にすぎず、図5〜図7(a)〜(c)に示
すように形成することもできる。なお、図5において雄
型連結部28のガイド条12の内側に前記した準不燃材
以上の板材29と同様の材料を装着し、より耐火性、係
合力を強化した耐火パネル1とすることもできる。
【0027】さらに耐火パネル1の芯材26を図7
(a)〜(c)に示すように形成してさらに耐火性のあ
る耐火パネル1とすることもできる。すなわち、図7
(a)〜(c)は表面材2、裏面材21と芯材26間
に、不織布36を接着剤37を介して介在させたり、軽
量骨材38を細密充填し、そのバインダーとしてプラス
チックフォーム27を用いたものである。
【0028】不織布36としては、ポリエステル系、ナ
イロン性、ボロン系、炭素系、アルミナ系、炭化ケイ素
系、アラミド系の繊維からなるシート状物であり、耐火
パネル1の機械的強度の向上、表面材2、裏面材21と
芯材26の接着性の強化、表面材2、裏面材21のフラ
ット性を向上させる機能を持つものである。
【0029】接着剤37の一例としてはエラストマー型
エポキシ樹脂、イソシアネート、例えばメチレンジイソ
シアネート(省略MDI)等のエマルジョンタイプ、ホ
ットメルトタイプ、およびその変性イソシアネート、例
えばウレタン変性、ビュレット変性イソシアネート、イ
ソシアヌレート変性イソシアネート等の1種を用いるも
のである。
【0030】軽量骨材38としては、パーライト粒、ガ
ラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン等
からなり、図7(b)、(c)では直径5〜20mm程
度のパーライト粒を用いており、芯材26に対し防火
性、耐火性を向上させると共に、パネルAの機械的強度
をも向上させるものである。
【0031】さらに、プラスチックフォーム27内に珪
酸カルシウムあるいは炭酸カルシウム等の無機材を混入
せずに、上記重量比でフェノールフォームの樹脂原料に
発泡剤、水酸化アルミニウム、ポリリン酸アンモニウ
ム、グラファイト、硬化剤を混入して形成しても良く、
この場合においても珪酸カルシウムあるいは炭酸カルシ
ウム等の無機材を混入した耐火パネル1と同等の耐火性
を具備するものとなる。
【0032】なお、図6(a)〜(f)においては、防
水パッキング材35は省略して示してある。また、2b
は化粧リブを表したものである。さらに、芯材26の端
部部分(連結部部分)の密度を中央部分よりも高密度で
形成しても良い。また、準不燃材以上の板材29には結
晶水を含有する無機粉末、例えば硼砂、石膏粉、セメン
ト、樹脂性グラファイト等を含有したものでもよい。
【0033】
【発明の効果】上述したように本発明に係る耐火パネル
によれば、耐火パネルの機械強度が従前より大幅に向
上する。建築構造部分の耐火構造試験(JIS−A−
1304)の耐火試験に合格する性能を有する。嵌合
部がカイド条と挿入溝だけであり、躯体、製造誤差があ
っても施工が極めて容易で施工能率が従前の2倍以上と
なる。パッキング材が両切り欠き部の寸法誤差を吸収
し、かつ耐火性も十分に発揮できる。準不燃材以上の
板材を外部から挿入して製造する構造のためラインアウ
トしてからでも任意材質の板材を植設でき、目的に対応
した防火性を発揮でき、特に結晶水を含有する無機粉末
を含有した際はこの連結部の弱点部を確実に強化でき
る。特に、準不燃材以上の板材の位置が相対する際
は、耐火性の強い目地が形成される。芯材内に上記し
たような板材を介在しないため反応、発泡を阻害せず、
コストダウン、強度のアップが図れる。等の特徴、効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐火パネルの代表的な一例を示す
一部切り欠き斜視図である。
【図2】本発明に係る耐火パネルに用いる表面材、裏面
材の一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る耐火パネルに用いる準不燃以上の
板材の一例を示す一部切り欠き斜視図である。
【図4】本発明に係る耐火パネルを用いて形成した壁の
連結部を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係る耐火パネルのその他の実施例を示
す斜視図である。
【図6】本発明に係る耐火パネルのその他の実施例を示
す断面図である。
【図7】本発明に係る耐火パネルのその他の実施例を示
す一部抽出断面図である。
【符号の説明】
1 耐火パネル 2 表面材 2a 裏面 2b 化粧リブ 3 化粧面部 4 化粧面 5 側縁 6 側縁 7 段差部 8 上面 9 段差 10 上面 11 下面 12 ガイド条 13 準不燃材収納溝 14 舌片 15 段差面 16 下面 17 挿入溝 18 支持条 19 準不燃材収納溝 20 ガイド片 21 裏面材 22 底面 23 ガイド片 23a 凸条 24 受け片 25 受け片 26 芯材 27 プラスチックフォーム 28 雄型連結部 29 準不燃材以上の板材 30 切り欠き部 31 パッキング材 32 雌型連結部 33 カバー部 34 切り欠き部 35 防水パッキング材 36 不織布 37 接着剤 38 軽量骨材 α 躯体 β 固定具 γ 連結部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 27/42 B32B 27/42 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/94 B32B 5/18 B32B 15/08 B32B 27/20 B32B 27/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺板材からなる表面材、裏面材間にフ
    ェノールフォームを主成分とする芯材を一体に形成し、
    かつその長手方向の両側面に雄型連結部、雌型連結部を
    設けた長尺状の耐火パネルにおいて、前記雄型連結部は
    化粧面部の一側縁下端を外方に目地底面となる段差部を
    形成して突出すると共に先端部をガイド条とし、該ガイ
    ド条下面から裏面材までをほぼ長方形状断面の切り欠き
    部に形成し、かつそのほぼ中間位置に化粧面と平行に準
    不燃材以上の板材を介在させ上記切り欠き部の最奥面に
    パッキング材を植設してなり、また雌型連結部は前記段
    差部の主要部分と固定具頭部とを覆うカバー部と、前記
    ガイド条を嵌挿するための挿入溝と該挿入溝の下面開口
    端をコ字状に形成した支持条とさらに逆コ字状に屈曲し
    た準不燃材収納溝と上記準不燃材収納溝に植設した準不
    燃材以上の板材とから構成したことを特徴とする耐火パ
    ネル。
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