JP3264279B2 - 反射干渉作用を有する繊維状または糸状の発色構造体 - Google Patents

反射干渉作用を有する繊維状または糸状の発色構造体

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JP3264279B2 JP2000344714A JP2000344714A JP3264279B2 JP 3264279 B2 JP3264279 B2 JP 3264279B2 JP 2000344714 A JP2000344714 A JP 2000344714A JP 2000344714 A JP2000344714 A JP 2000344714A JP 3264279 B2 JP3264279 B2 JP 3264279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自然光の反射、干渉
作用による新規な発色構造体に関し、さらに詳しくは、
織物や塗装などに用いられる発色用の繊維やチップ(小
片)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から各種繊維や車の塗装などへの色
彩の付与、あるいは質感向上の方法として、無機あるい
は有機の顔料を用いたり、あるいは光輝材を分散させる
方法が一般的である。しかしながら、近年、ユーザの嗜
好の多様化、高級化の傾向とあいまって、見る方向によ
って色が変わったり、より彩度の高い色調を持つ、優美
かつ高級感のある発色構造体が切望されてきた。この目
的のため、染料や顔料などの色素を使わず、自然光の反
射、干渉作用で発色するか、あるいは上記反射、干渉作
用と、種々の染料や顔料とを組み合わせることによっ
て、より深く鮮やかな発色をする発色構造体が鋭意研究
されてきた。例えば、特公昭43‐14185号公報や
特開平1‐139808号公報では、光学屈折率の異な
る2種類以上の樹脂からなる被覆型の複合繊維を形成す
ることにより、真珠光沢を発する複合繊維を、また、偏
光フィルムを分子配向異方性フィルムでサンドイッチ構
造とすることにより発色する材料(例えば、繊維機械学
会誌Vol 42,No.2,p.55、同Vol 42,No.
10,p.160、いずれも1989年)等が発表され
ている。
【0003】一方、特開昭59‐228042号公報、
特公昭60‐24847号公報、特公昭63‐6453
5号公報等では、見る方向により色調が変わり、鮮やか
な色彩と独特の質感を持つことで有名な南米産モルフォ
蝶にヒントを得た発色構造体も提案されている。さら
に、特開昭62‐170510号公報では、繊維表面に
一定幅の細隙を設けることにより干渉色を発する構造体
を示し、その構造体の中では染料や顔料を用いていない
ので堅牢性が高く、経時変化のない優れた発色構造体で
あると記載されている。
【0004】しかし、偏光フィルムを用いるものでは、
細い繊維や微小なチップ(小片)を形成することが困難
であったり、また、反射する主波長(いわゆるピーク波
長を言う)をコントロールすることもすこぶる困難であ
った。また、特開昭59‐228042号公報、特公昭
60‐24847号公報、特公昭63‐64535号公
報、さらに特開昭62‐170510号公報等に記載さ
れているものでは、その構造体の諸元(形状、厚さや長
さ、構成材料の屈折率等)が瞹味であったり、発色の効
果が不十分であるため、そのままでは所望の発色構造体
を得ることは極めて難しいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術における
問題点に鑑み、本発明者らは先に特願平4‐17292
6号、特願平5‐176768号等において、従来技術
では得られなかった鮮やかな色調を呈し、しかも経時変
化のない新規な発色構造体を提案した。しかしながら、
このような発色構造体に入射した自然光は、理想的には
多層薄膜干渉に基づいた反射スペクトル、すなわち、干
渉色を発現するが、実際にはその構造の不完全性(物質
層の厚さや使用材料の結晶化度のばらつき等)、屈折率
の波長依存性(材料分散性)や吸収率の波長依存性等に
より、その一部は透過したり、屈折したり、散乱した
り、いわゆる、「迷光」として作用する。このことは、
多層薄膜干渉に基づく反射スペクトルに、上記の迷光に
基づく反射成分が重畳されることを意味する。具体的に
は、反射スペクトルのベースライン(バックグランド)
が高く(持ち上がったり)なったり、ショルダーやテイ
ルを生じせしめたりして、そのシャープさを損ねるた
め、鮮やかさの点では十分満足のいくものではなかっ
た。
【0006】本発明は、上記のような状況に鑑みてなさ
れたものであり、本発明者らの先行発明をさらに改良、
発展させ、鮮やかで独特の質感を呈する高級感のある繊
維状または糸状の発色構造体を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するため、本発明においては、特許請求の範囲に記載の
ように構成するものである。すなわち、請求項1に記載
の発明においては、光学屈折率の異なる2種の物質の交
互積層からなる層状構造を有し、自然光の反射、干渉作
用によって可視光領域の波長の光を発色する繊維状また
は糸状に成形した発色構造体であって、該反射、干渉作
用を有する発色構造体に入射した自然光が所望の波長の
光のみを反射し、それ以外の波長の光(いわゆる、迷
光)を除去する迷光除去体を、上記発色構造体の一部に
設けることにより、鮮やかで独特の質感を呈する繊維状
または糸状の発色構造体を実現するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するため、本発明においては、特許請求の範囲に記載の
ように構成するものである。すなわち、請求項1に記載
の発明においては、光学屈折率の異なる2種の物質の交
互積層からなる層状構造を有し、かつ、上記層状構造は
上記2種の物質が平面状で略平行になるように積層され
たものであり、自然光の反射、干渉作用による可視光領
域の波長の光を発色する繊維状または糸状に成形した発
色構造体であって、該反射、干渉作用を有する発色構造
体に入射した自然光が所望の波長の光のみを反射し、そ
れ以外の波長の光(いわゆる、迷光)を除去する迷光除
去体を、その面が上記2種類の物質の平面と略平行にな
るように設けることにより、鮮やかで独特の質感を呈す
る繊維状または糸状の発色構造体を実現するものであ
る。
【0009】
【作用】以下、図面等に基づいて、さらに詳しく本発明
の反射、干渉作用を有する発色構造体の構成ならびに作
用、効果について説明する。本発明の発色構造体におい
て、図1、図2、図3および図4は、本発明の請求項1
に記載の発色構造体の断面構造の一例を示す模式図であ
り、図1および図2は、物質層1と物質層2(物質層1
と屈折率の異なる物質)が共に充填されているもの、図
3および図4は、物質層1および物質層2のいずれか一
方が空隙(空気)層である場合を示す。なお、物質層2
は、物質層1と屈折率が異なる物質からなる層である。
本発明の発色構造体に用いられる物質層1、2として、
例えば、低屈折率物質として、空気、ポリプロピレン
(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げ
られ、高屈折率物質として、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリフェニレンサルフアイド
(PPS)等が挙げられる。
【0010】さらに、上記物質層として、上記の他に、
ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、
ナイロン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポ
リカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリパラフェニレンテレフタルアド
等の高分子材料の中から、目的、用途に応じて適宜選択
し使用することができる。
【0011】ここで、自然光の反射、干渉作用による可
視光領域の波長の干渉色を発現する発色構造体3とは、
光学屈折率の異なる2種の物質の交互積層からなる層状
構造を有するもので、多層薄膜干渉理論により所望の干
渉色を発現するものである。このような発色構造体とし
ては、例えば、本発明者らが先に提案した発色構造体
(特願平4‐172926号、特願平5‐176768
号)等が挙げられる。また、迷光を除去する迷光除去体
4とは、干渉光以外の透過光、屈折光、散乱光等(迷光
と言う)を除去するための層状の迷光除去体4であり、
具体的には種々の迷光を吸収する層状の迷光除去体4か
らなるものである。
【0012】干渉色を発現する発色構造体3中の迷光除
去体4の位置は、本来の干渉作用に基づく発色を妨げな
ければ、どの位置にあっても構わないが、入射光の一部
が透過、屈折、散乱して迷光となることを防ぐ意味から
も、発色構造体3の最下部層に位置することが望まし
い。また、光干渉作用を有する発色構造体自体が対称形
に近いものであれば、どちらから光が入射しても干渉光
を発現するので、図2(a)、(b)、(c)や図4
(a)、(b)等に示すごとく、発色構造体3の中央部
に迷光除去体4を位置させてもよい。この場合、発色構
造体3が撚れていたり、捩れていても十分に干渉光を発
し、しかも迷光も吸収することができる。
【0013】また、迷光除去体4としては、迷光として
作用する種々の波長の光を広範囲に吸収し得る物質層で
あることが望ましく、その観点からは暗色系、黒色系の
ものが好ましい。このような迷光除去体4としては、ポ
リイミド等の着色高分子樹脂、高分子樹脂中に、暗色
系、黒色系の有機および無機色素(例えば、メラニン、
アニリンブラック、カーボンブラック等)を適量含有さ
せたもの、セラミックス等を塗布、張り合わせたもの、
さらには塗料等を塗布したものなどが挙げられる。
【0014】上述したように、本発明の請求項1記載の
発色構造体は、自然光の反射、干渉作用によって発色す
る構造体の一部に迷光を十分に吸収し得る迷光除去体を
設けることにより、鮮やかで深みのある色味を呈し、明
度も格段に向上した発色構造体が得られる。
【0015】ところで、上記迷光を十分吸収しうる迷光
除去体4の厚さ、および発色構造体3の中に含有させる
数量等は、構成材料の種類により一義的には決定できな
いが、迷光除去体4の光線透過率という尺度を用いる
と、ある程度、限定することが可能である。したがっ
て、ここでは迷光除去体4における可視光領域での平均
透過率T(%)と、干渉色の明るさの指標である明度Y
(%)との関係を基にして説明する。図5は、比較的高
い明度Yを示す緑色系の一例を示したもので、迷光除去
体4における平均透過率Tが60%以上では、発色構造
体から発せられる干渉色の明度Yは40%以下となり、
迷光除去体4を設けない場合(図5において、平均透過
率T=0%)と比べても大差はないことが判る。しか
し、迷光除去体4における平均透過率Tが50%以下に
なると、干渉色の明度Yは40%を越え、平均透過率T
の低下と共に明度Yも増加し、平均透過率Tが20%程
度になると、明度Yも70%にも達する。ここで、迷光
除去体4における可視光領域での平均透過率T(%)と
は、波長380〜780nmにおける透過率の平均値を
示すものである。
【0016】ここで示した緑色系においては、迷光除去
体4の平均透過率Tを約50%以下とすることによって
迷光を吸収除去する効果は顕著となるが、この値は色相
によって多少異なる。しかしながら、いずれにしても、
本発明の請求項2で規定しているように、迷光除去体4
の平均透過率Tを50%以下、さらに請求項3で規定し
ているごとく、望ましくは30%以下とすることにより
構造体から発せられる迷光の大部分を吸収除去すること
ができ、したがって干渉色の明度をいっそう向上させる
ことができる。
【0017】迷光除去体4の平均透過率Tを低くする
と、なぜ、迷光を吸収除去する効果が顕著になるのか、
その理由は定かでないが、迷光の本質の大部分が最下部
層まで透過してきた光の透過、散乱、反射に基づいてい
るのかもしれない。なお、明度(Y値)はCIE(国際
照明委員会)表色系のXYZ値によるものである。
【0018】本発明の発色構造体を用いて、繊維状また
は糸状の発色構造体と迷光除去体とを交互織りして織物
状の発色構造体とすることも可能である。すなわち、縦
糸束と横糸束とが交互織りされた織物状の発色構造体で
あって、一方の糸束に本発明の発色構造体を、他方の糸
束には迷光を吸収除去する迷光除去体を配したもの、あ
るいは発色構造体の一部に迷光除去体を設けた本発明の
発色構造体同志を配したもの等が挙げられる。このよう
な交互織りした発色構造体において、交互織りした両方
の発色構造体、または迷光除去体との組合せ構造を任意
に調整することにより、反射、干渉色の明度や鮮やか
さ、そして色味に大きな特徴が生じるため、従来にな
い、独特の深みのある色と質感を発現することができ
る。
【0019】図6(a)は、織物状の発色構造体の一例
(平織)を拡大して示す模式図で、縦糸束に干渉色を発
現する発色構造体3を、横糸束に迷光を除去する構造体
である迷光除去体4を配して交互織りしたものである。
もちろん、上記とは逆の構成であっても構わないし、ま
た、縦糸束および横糸束を構成する糸の本数は何本であ
ってもよく任意に選定することができる。なお、交互織
りされた織物としては、ここで例示した平織以外に、斜
文織(綾織)、朱子織、搦み織(綟子織)等が挙げら
れ、いずれの場合でも本発明に適応可能であるが、光の
入射方向に対して干渉色を発現する発色構造体3を整列
しやすい平織とすることが好ましく、反射、干渉色の明
度や鮮やかさを一段と向上させることができる。
【0020】さて、このような交互織りされた構造の発
色構造体(例えば、織物)においては、縦糸束と横糸束
が交錯する点、すなわち干渉色を発現する発色構造体と
迷光を除去する迷光除去体との交錯点8は、入射光に対
して2種類存在することになる。すなわち、(1)干渉
色を発現する発色構造体3が上部に、そして、迷光除去
体4が下部に位置する場合、(2)迷光除去体4が上部
に、そして、干渉色を発現する発色構造体3が下部に位
置している場合である。図6(b)に、上記(1)の場
合の交錯点8の状態を模式的に示す。この場合、入射光
の大部分は多層薄膜構造からなる発色構造体3より干渉
光を発現する。
【0021】一方、発色構造体3を透過したり、散乱し
た光(迷光)は、迷光除去体4で吸収し除去される。そ
のため、発色構造体3より発現される干渉光は余分な迷
光を含んでいないため、明るく、鮮やかな色味を呈する
ことになる。反射スペクトル的には、迷光に基づくショ
ルダーやテイル、そして、主ピーク以外の反射ピーク等
が重畳されないため、シャープな形状をとり、そのため
ベースラインも下がることになる。
【0022】他方、上記(2)の場合には、図6(c)
に示すように、入射光に対し、迷光除去体4が上部に位
置するため、入射光のほとんどがここで吸収され、この
吸収に基づく発色(暗色系、黒色系)が主となる。した
がって、当然のことながら、干渉色は発現しないことに
なる。
【0023】このような交互織りした発色構造体におい
ては、交互織りした両方の発色構造体、または迷光除去
体との組合せ構造を任意に調整することにより、反射、
干渉色の明度や鮮やかさ、そして色味に大きな差異と特
徴が生じるため、従来にない、独特の深みのある色と質
感を発現することが可能となる。
【0024】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の発色構造体に
よれば、自然光の反射、干渉作用によって発色する繊維
状または糸状の発色構造体の一部に、上記の反射、干渉
光以外の透過、屈折または散乱する迷光を十分に吸収し
除去する迷光除去体を設けているので、鮮やかで、かつ
深みのある色味を呈し、また明度も格段にアップして、
魅了的で独特の色彩を発現する繊維状または糸状の発色
構造体が得られる。そして、図5に示す迷光除去体にお
ける可視光領域での平均透過率Tと干渉色の明度Yの関
係から請求項2または請求項3に規定しているごとく、
迷光除去体の平均透過率が50%以下とすることにより
所望の明度が得られ、さらに平均透過率を30%以下と
することにより構造体から発せられる迷光の大部分を吸
収除去することができ、干渉色の明度をいっそう向上さ
せることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を挙げ図
面を用いてさらに詳細に説明するが、これにより本発明
の技術的範囲が限定されるものではない。 〔実施例1〕図3(b)に示すように、高屈折率(n=
1.6)のポリエチレンテレフタレート(PET)から
なる物質層5と、低屈折率(n=1.0)の空隙(空
気)層6とからなる交互積層状の干渉発色部である発色
構造体3、そして、発色構造体3を保持し、かつ、カー
ボンブラックを所定量含有(可視光領域での平均透過率
Tは10%とする)した迷光除去体4の役目を担う台座
からなる反射、干渉作用を有する異形断面繊維の異形断
面体7を作製した。なお、PET層の厚さは0.08μ
m、空気層の厚さは0.14μmとし、交互積層数は6
層とし、台座上には5本の異形断面体を配置したものと
した。
【0026】作製はまず、ポリスチレン(PS)を海
部、PETを島部とした海島複合繊維を作製し、その
後、海部を溶剤(メチルエチルケトン:MEK)除去す
ることにより最終繊維を得た。紡糸条件は紡糸(ノズ
ル)温度:280℃、フィラメント数:1本で、極細化
と延伸処理を兼ね、巻取速度:7000m/minにて行
った。なお、冷却固化は自然冷却とした。得られた異形
断面繊維の反射スペクトルを顕微分光光度計(モデルU
‐6000:日立製作所)を用い、入射0°/受光0°
にて評価した。その結果、図7に示すような波長460
nmにピークを持つシャープで高反射率のスペクトルが
得られた。また、明度(Y値)も約70%と高い値を示
し、鮮やかで深みのある独特の青色を示した。なお、反
射率の測定は標準白色板を基準としている。
【0027】〔実施例2〕低屈折率(n=1.41)の
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)と高屈折率(n=
1.82)のポリフェニレンサルファイド(PPS)と
の交互積層からなる干渉発色部である発色構造体3と、
その最下部層にアニリンブラックを含有した迷光除去体
4とからなる反射干渉作用を有する交互積層型のテープ
状繊維を作製した〔図1(a)参照〕。ここで、干渉発
色部のPVDF層及び、PPS層の厚さをそれぞれ0.
1μm、0.08μm、交互積層数を7層とし、また、
迷光除去層の可視光領域での平均透過率は30%になる
よう分散量を調整した。なお、複合紡糸は以下の条件で
行った。紡糸(ノズル)温度:350℃、フィラメント
数:1本、巻取速度:250m/minで、冷却固化は自
然冷却とした。得られた交互積層型テープ状繊維の反射
スペクトルを顕微分光光度計(モデルU‐6000:日
立製作所)を用い、入射0°/受光0°にて評価した。
その結果、図8に示すように、波長480nmにピーク
を持つシャープで高反射率のスペクトルが得られた。ま
た、明度(Y値)も約55%と高い値を示した。なお、
反射率の測定は標準白色板を基準としている。
【0028】〔比較例1〕迷光除去体を設けない以外は
実施例2と全く同様の異形断面繊維を作製した。得られ
た異形断面繊維の反射スペクトルを顕微分光光度計(モ
デルU‐6000:日立製作所)を用い、入射0°/受
光0°にて評価した。その結果、図5に比較例1として
示すように、波長470nm付近で高反射率を示すもの
の、ブロードで、しかもベースラインの高い反射スペク
トルとなった。また、その際の明度(Y値)は約38%
に留まった。
【0029】〔比較例2〕迷光除去体を設けない以外は
実施例1と全く同様の交互積層型テープ状繊維を作製し
た。得られた交互積層型テープ状繊維の反射スペクトル
を顕微分光光度計(モデルU‐6000:日立製作所)
を用い、入射0°/受光0°にて評価した。その結果、
実施例2と同様に波長480nm付近でピークを持つも
のの、長波長側でベースラインが高くなる反射スペクト
ルとなった(図8参照)。また、その際の明度(Y値)
は約40%に留まった。
【0030】〔実施例3〕干渉発色部及び迷光除去部の
構造体として、図1(c)に示すような偏平断面の繊維
をそれぞれ作製した。なお、干渉発色部の発色構造体3
は高屈折率(n=1.68)のポリエチレンテレフタレ
ート(PET)と低屈折率(n=1.48)のポリプレ
ピレン(PP)の交互積層(層数:9)とし、また、迷
光を吸収除去する迷光除去体4はポリエチレンテレフタ
レートにカーボンブラックを含有させて平均透過率20
%となるように調整した。その後、両偏平繊維を用い
て、図6(a)に示すような平織繊維を作製した。得ら
れた繊維は鮮やかな青色と暗黒色を示し、また、局所的
には見る方向によって色味、深みの異なる独特な色合と
なった。なお、反射率の測定は標準白色板を基準として
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2、3で例示した発色構造体の
断面構造を示す模式図。
【図2】本発明の実施例2で例示した発色構造体の断面
構造を示す模式図。
【図3】本発明の実施例1で例示した発色構造体の断面
構造を示す模式図。
【図4】本発明の実施例1で例示した発色構造体の断面
構造を示す模式図。
【図5】本発明の迷光除去体における可視光領域での平
均透過率Tと干渉色の明度Yとの関係の一例を示すグラ
フ。
【図6】本発明の実施例3で例示した織物構造の発色構
造体を示す模式図。
【図7】本発明の実施例1および比較例1で例示した発
色構造体の反射スペクトルを示すグラフ。
【図8】本発明の実施例2および比較例2で例示した発
色構造体の反射スペクトルを示すグラフ。
【符号の説明】
1…物質層1 2…物質層2(物質層1とは屈折率の異なる物質層) 3…干渉色を発現する発色構造体(発色構造体) 4…迷光を吸収除去する迷光除去体(迷光除去体) 5…物質層 6…空隙(空気)層 7…異形断面体 8…発色構造体と迷光除去体との交錯点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−27108(JP,A) 特開 平4−295804(JP,A) 特開 平3−27108(JP,A) 特開 平6−17349(JP,A) 米国特許出願公開3711176(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 8/04 - 8/18 D01D 5/24 - 5/36 B32B 7/02 103 G02B 5/28 D03D 15/00 D06Q 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学屈折率の異なる2種類の物質の交互積
    層からなる層状構造を有し、かつ、上記層状構造は上記
    2種の物質が平面状で略平行になるように積層されたも
    のであり、自然光の反射、干渉作用による可視光領域の
    波長の光を発色する繊維状または糸状に成形した発色構
    造体であって、上記反射、干渉光以外に、透過、屈折ま
    たは散乱する迷光を除去する迷光除去体を、その面が上
    記2種類の物質の平面と略平行になるように設けたこと
    を特徴とする反射干渉作用を有する繊維状または糸状の
    発色構造体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の発色構造体において、迷
    光除去体の可視光領域での平均透過率が50%以下であ
    ることを特徴とする反射干渉作用を有する繊維状または
    糸状の発色構造体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の発色構造体において、迷
    光除去体の可視光領域での平均透過率が30%以下であ
    ることを特徴とする反射干渉作用を有する繊維状または
    糸状の発色構造体。
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