JP3264121B2 - 対象認識方法 - Google Patents

対象認識方法

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JP3264121B2
JP3264121B2 JP01819295A JP1819295A JP3264121B2 JP 3264121 B2 JP3264121 B2 JP 3264121B2 JP 01819295 A JP01819295 A JP 01819295A JP 1819295 A JP1819295 A JP 1819295A JP 3264121 B2 JP3264121 B2 JP 3264121B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、与えられた画像データ
に基づいて、対象の形状を認識する対象認識方法に関す
る。特に、画像データから、対象の形状を表す輪郭線を
抽出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像データに基づいて対象の認識をする
手法は、種々の生産設備において幅広く応用されてい
る。このような手法は、例えば対象の検査装置であった
り、部品を取り付ける際の対象の位置決め装置に応用さ
れている。
【0003】対象の領域を抽出する方法としては、種々
の2値化法、輪郭線抽出法が提案されているが、それら
の方法は、一般に、(1)対象の領域は背景より明るい
こと、(2)対象の領域と背景の境界は明るさが急峻に
変化すること、を基本原理とするものである。
【0004】例えば、このような基本原理を前提とする
手法は、特開平6−197224号公報に記載されてい
る。ここに記載されている発明によれば、各階調域で画
像データの存在する濃度を検出して、画像データの濃度
の分布を判定して、適切なしきい値を決めて2値化が行
われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の対象認識方法
は、このように画像データを2値化することを基本とし
ている。そして、2値化した後、用途により細線化や境
界線抽出などの画像処理が行われる。
【0006】しかしながら、上記公報に記載の発明では
画像データの濃度分布を判定しても対象の明るさむらに
よって連続的な対象の輪郭を抽出できない場合がある。
また、工場などに用いられている照明下では、薄く、金
属光沢のある対象の領域を抽出する際に、対象の領域の
みを正確に取り出せない場合がある。さらに、工場など
に用いられている照明下では、照明方法を工夫しても、
対象の領域と背景との間の明るさの差を出せなかった
り、背景が光るという現象がしばしば生じる場合があ
る。
【0007】例えば、薄く、金属光沢のあるリング状対
象においては全体の大きさに対して厚みがなく、明るさ
のむらが生じやすいので、対象の領域のみを正確に抽出
することが困難である。このようなリング状対象の輪郭
を抽出した例が図18に示されている。図18に示され
ているのは256階調の輝度階調を有する40ドット×
50ドットの画像データを所定のしきい値で2値化する
ことによって、対象の輪郭線を抽出した図である。図1
8において示されているa部においては、背景が光るこ
とにより抽出された点が示されている。また、b部にお
いては、対象の領域と、背景との間の明るさの差が極め
て小さいので、境界線尾抽出ができなかった部分が示さ
れている。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は、対象の輪郭を正確に抽出することが
できる対象認識方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第一の本発明は、上記課
題を解決するために、画像データに対して、多段階2値
化による認識対象領域の抽出を行う方法において、多段
階2値化工程は、しきい値t1で画像データを2値化し
て認識対象領域に属する画素を取り出し、対象画素とし
て登録する第1の工程と、前記しきい値t1とは異なる
しきい値t2で画像データを2値化して前記認識対象領
域に属する画素を取り出す第2の工程と、前記第2の工
程において取り出された画素であって、認識対象画素と
して登録されている画素に連結する画素を新たに対象画
素として登録する第3の工程とを含むことを特徴とする
対象認識方法である。
【0010】第二の本発明は、上記課題を解決するため
に、画像データに対して、多段階2値化による認識対象
領域の抽出を行う方法において、多段階2値化工程は、
初期しきい値t0から順次しきい値を所定値だけ小さく
して、それぞれのしきい値で画像データを2値化する工
程を繰り返すもので、それぞれ工程では、2値化によっ
て取り出された画素であって、前工程の2値化において
認識対象領域に属する画素として登録された画素に連結
する画素を新たに認識対象領域に属する画素として登録
し、登録された画素の面積の総和が予め定められた値と
略等しくなったときに多段階2値化工程を終了すること
を特徴とする対象認識方法である。
【0011】第三の本発明は、上記課題を解決するため
に、上記第一又は第二の本発明の対象認識方法におい
て、認識対象画素として登録されている画素に連結する
画素であって、さらに連結元の画素に対して特定の方向
にある画素を新たに認識対象領域に属する画素として登
録することを特徴とする対象認識方法である。
【0012】
【作用】第1の本発明によれば、多段階2値化によって
認識対象領域に属する画素を登録していくとき、前のし
きい値で登録された画素に連結する画素を新たに付け加
えて登録するようにするので、滑らかな対象画像の集合
が得られる。
【0013】第2の本発明によると、認識対象領域に属
する画素を登録していくが、その工程で登録された画素
の総和が予め定められた値にほぼ等しくなった時に工程
の繰り返しを終了する。
【0014】第3の本発明によると、新たに登録をする
画素は既に登録された画素の連結とともに特定の方向に
ある画素を対象としている。
【0015】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。
【0016】本発明に係る対象認識方法が用いられてい
る対象認識装置の構成ブロック図が図1に示されてい
る。図1に示されているように、本装置は対象を撮影す
る撮像カメラ15と、この撮像カメラ15が撮影した画
像データを処理する画像処理装置11と、この画像処理
装置11によって処理されたデータ又は、撮像カメラ1
5が撮影した撮影データそのものなどを表示するディス
プレイ装置16と、を備えている。更に、図1に示され
ているように、画像処理装置11は、撮像カメラ15か
らの画像データを受信するインターフェース14と、画
像データの画像処理を行う画像処理部12と、画像処理
の際に用いられるメモリ13と、を含んでいる。
【0017】画像処理部12は、インターフェース14
を介して撮像カメラ15から入力された画像データに対
して、後述する所定の画像処理を施すことにより、対象
の領域を抽出するのである。
【0018】メモリ13は、画像処理装置11において
実行される画像処理の内容を記述した処理プログラム
や、画像処理における各種演算に必要なデータ等が記憶
されている。
【0019】このように、画像処理装置11は、例えば
マイクロコンピュータ等により構成されることが可能で
ある。すなわち、画像処理部12としては、所定の演算
ユニットを含むマイクロコンピュータが用いられ、この
マイクロコンピュータのプログラムはメモリ13に格納
されるのである。もちろん、マイクロコンピュータの他
にデジタルシグナルプロセッサー(DSP)等を使用す
ることも好適である。以上のような構成を有する対象認
識装置の行う動作の流れを表わす説明図が図2に示され
ている。
【0020】図2に示されているように、本対象認識装
置においては、撮像カメラ15を用いてまず対象を含ま
ない背景のみの画像すなわち背景画像入力のみをまず行
う。次に、対象を所定の位置に置き、背景とその前の対
象とを含む対象物体画像を入力する。撮像カメラ15を
介して背景画像と、対象物体画像とを入力した後、大き
く2つの処理によって対象物体の領域を本対象認識装置
は抽出するのである。この2つの処理は、図2に示され
ているように、第1に差分処理であり、第2に多段階2
値化処理である。これら2つの処理を施すことにより対
象物体の領域(2値化画像)が本装置から出力されるの
である。
【0021】本装置においては、例えばリング状物体の
領域のみを正確に抽出するために、図2に示されている
ように、差分処理によってまず対象以外の領域を取り除
く。次に、図2に示されているように多段階2値化処理
によって、対象の核となる領域を取り出し、対象の連結
性(対象の領域は、閉じた領域となるという性質)を考
慮して、しきい値を変化させるごとに徐々に対象の領域
を付け加えていく方法である。
【0022】まず、差分処理について説明する。
【0023】本装置において用いられている差分処理の
原理を、図3を用いて説明する。
【0024】図3(a)には、対象物体が入る前の画像
(背景画像)が示されている。本対象認識装置は、この
背景画像を予め撮像しておき、次に対象物体が入った後
の画像(対象画像)を撮像する。この対象画像の様子が
図3(b)に示されている。
【0025】次に、背景画像と、対象画像との各画素に
おける明度値を比較し、対象画像の画素の方がその明度
値が大きい場合には、差分画像の画素の明度として対象
画像の画素の明度値から背景画像の画素の明度値を減算
した値を代入するのである。そして、逆に対象画像の画
素の明度値が背景画像の画素の明度値と同じか又は小さ
い場合には、差分画像の画素の明度値に0を代入する。
このような演算処理により、背景画像と対象画像との差
分である差分画像が得られる。
【0026】以上のような演算を式で表わせば以下のよ
うになる。但し、ここでa(i,j)は対象画像に含ま
れる各画素の明度値を表わし、b(i,j)は背景画像
の各画素の明度値を表わす。そして、c(i,j)は差
分画像の各画素の明度値を表わす。なお、i及びjは各
画素の座標値を表わす。
【0027】(1)a(i,j)>b(i,j)である
場合、 c(i,j)←a(i,j)−b(i,j) (2)a(i,j)≧b(i,j)である場合、 c(i,j)←0 このような演算により、差分画像を生成するのである。
そして、このような作業により、対象以外の明度値を0
にすることが可能である。差分画像の例が図3(c)に
示されている。
【0028】次に、多段階2値化処理について説明す
る。
【0029】図4には、この多段階2値化処理の動作を
説明するフローチャートが示されている。
【0030】まず、しきい値t=T1を用いて画像デー
タを2値化し、対象の核になる領域をまず抽出する。こ
の動作は図4のステップST4−1の動作である。この
ステップにおけるT1は、対象の輝度の最大の値に近い
値として選ばれる。すなわち、上記差分処理によって、
対象でない部分にはすべて明度値として0が代入されて
おり、対象となる部分に0以外の所定の明度値が代入さ
れているのである。ステップST4−1において用いら
れるしきい値T1は十分に大きな値が取られるので、こ
のステップST4−1において得られた画素群は、いわ
ば対象の最も明るい部分のみが抽出されたものである。
すなわち、これは対象の核となる領域であるといえよ
う。なお図5においては、このようにして得られた画像
データの様子が示されており、便宜上明度値が0の部分
が白で表わされ、明度が高い部分が黒で表わされてい
る。そして、図4に示されているようにしきい値T1よ
り明度が高い部分は黒となり、T1未満の明度値を有す
る画素は白となる。例えばこの図4に示されている例は
リング状物体の輪郭の中で最も明度値の大きな部分のみ
が取り出されている。
【0031】次に、ステップST4−2においてしきい
値の値がデクリメント(−1)される。
【0032】そして、ステップST4−3においては、
この新たなしきい値tを用いて、差分処理後の画像デー
タを2値化する。
【0033】ステップST4−4においては、対象の画
素となりうる候補の画素の取り出しが行われる。すなわ
ち、上記ステップST4−3において得られた2値化画
像のうち、上記ステップ4−1において既に抽出されて
いた画素の時、ステップST4−3において初めてしき
い値t以上の明度値を有するとして抽出された画素のみ
を取り出すのである。ここで取り出された画素が対象の
領域に含まれる画素の候補となるのである。
【0034】例えば、ステップST4−1において得ら
れた対象の核となる領域が図5に示されており、ステッ
プST4−3において新たに2値化によって選び出され
た画素が図6に示されている。図6に示されている画素
のうち、ハッチングで示されている画素がステップST
4−3において新たに選び出された画素であり、黒く塗
り潰されている画素は既にステップST4−1において
抽出されていた画素である。図6に示されているよう
に、この図6においてハッチングで示されている画素、
すなわち黒く塗り潰されている画素と連結している画素
(例えばA部に示されている)は、新たに対象の輪郭を
表わす領域であると最終決定をし、それ以外の画素は対
象の領域には含まれないものと見なす。例えば図6のB
部に示されているようないわゆる孤立点は、対象の領域
ではないと見なされるのである。
【0035】図6に示されているA部の拡大図から理解
されるように、対象の核となる領域に連結している画素
としては、黒く塗り潰されている画素に直接隣接してい
る画素の他、黒く塗り潰されている画素に隣接している
画素に更に隣接する画素なども含まれる。このようにし
て、新たにしきい値をデクリメントさせて得られた画素
のうち、以前に得られた画素と連結する画素のみを対象
の領域であるとして決定していくことにより、対象の領
域を正確に求めることが可能である。
【0036】このような対象の領域である画素の決定演
算がステップST4−5において行われる。すなわち、
ステップST4−5においては上記ステップST4−4
において取り出されたすべての画素のうち、前のしきい
値において取り出された画素、又は、今回のしきい値で
得られた領域に含まれる画素であって上記すでに領域を
構成する画素として決定されている画素に連結している
画素に更に連結している画素、これらを現在のしきい値
において取り出された画素のうち、新たに対象の領域を
構成する画素として決定するのである。
【0037】本実施例においては、画素と画素とが連結
するとは、隣接しているか否かを意味する。すなわち、
図7に示されているように、ある着目画素に連結する画
素があるか否かは、着目画素のいわゆる8近傍の画素に
ついてチェックが行われるのである。
【0038】図5において示されているA部における領
域の拡張、すなわち新たに対象領域を構成する画素とし
て決定される画素が増えていく様子が図8に示されてい
る。図7において、ハッチングで示されている画素は対
象の領域の画素の候補ではあるが、対象の領域を構成す
る画素であると最終決定されている画素ではない。これ
に対して黒く塗り潰されている画素は、対象の領域を構
成する画素として最終的に決定がされている画素を意味
する。まず、図8(a)において着目画素1が領域の画
素と連結しているか否かが検査される。この検査の結果
着目画素1は対象の領域を構成する画素と連結している
ことが判明するので、この着目画素1を新たに領域を構
成する画素として加えるのである。図8(b)におい
て、前記(a)においてハッチングが施されていた着目
画素1が黒く塗り潰されていることが理解されよう。次
に、図8(b)においては、着目画素2が領域の画素と
連結しているか否かが検査される。ここで、着目画素2
が連結する画素は図8(a)における着目画素1であ
る。このように、領域の画素と連結しているか否かは、
新たに領域の画素と決定されている画素も含めて判断さ
れるのである。従って、着目画素2は新たに領域の画素
として決定された着目画素1と連結しているため、この
着目画素2も領域を構成する画素として新たに加えられ
るのである。図8(c)においては、着目画素3が、上
記着目画素2(新たに領域の画素であると決定されてい
る)と連結されているため新たに領域の画素として加え
られる。このようにして、図8(d)に示されているよ
うに着目画素1及び2及び3が新たに領域の画素として
加えられるのである。次に、図8(e)に示されている
ように、着目画素4について領域の画素と連結している
か否かが検査される。この検査の結果、着目画素4は領
域の画素と連結しているため新たに領域の画素として決
定され、図8(f)に示されているように黒く塗り潰さ
れることになる。
【0039】図9には、対象の領域に属する画素を取り
出した別の例を表わす図が示されている。図9に示され
ている画素が取り出されたしきい値t2とする。する
と、図10にはt2−1をしきい値として領域の画素を
取り出した場合の画素の様子が示されている。そして、
図10においては、図6と同様に、しきい値t2で既に
取り出されていた画素は黒く塗り潰されており、新たに
しきい値t2−1で取り出された画素は、ハッチングで
示されている。このハッチングで示されている画素は、
図10に示されているように、いわゆる孤立点である点
の集合であるB部と、連結している画素の集合であるA
部とに分けられる。この図10に示されているA部にお
ける領域の拡張の様子が図11に示されている。
【0040】まず、図11の(a)に示されているよう
に、着目画素1は、しきい値t2における領域の画素と
連結している。その結果、着目画素1をt2−1での領
域に新たに加える。更に、図11(b)に示されている
ように、着目画素2は、新たに対象の領域であるとして
黒く塗り潰されている前記着目画素1と連結している。
その結果、この着目画素2を新たに対象の領域として加
えるのである。同様にして図11(c)に示されている
ように、着目画素3も対象の領域に含まれる画素として
新たに黒く塗り潰されることになる。このようにしてA
部に含まれている新たにしきい値t2−1において見付
けられた画素は、すべて対象の領域を表わす画素として
登録されるのである。この様子が図12に示されてい
る。
【0041】以上述べた方法によって、各しきい値にお
ける対象の領域となる画素の候補を連結しているか否か
によって順次対象の領域として登録したので、画像デー
タに大きな輝度差がある場合においても、領域の抽出を
好適に行うことが可能である。本実施例に係る方法によ
って対象の領域を抽出した結果の例が図13に示されて
いる。
【0042】以上述べた実施例においては、明度を有す
る画像データを所定のしきい値を用いて2値化する場合
にそのしきい値を変化させることについて説明した。し
かし、しきい値を変化させて対象の領域を抽出すること
は、原画像データが明度以外の値を有する場合にも適用
可能である。例えば、原画像データに対して、二次元的
な微分処理を行い、各画素における微分強度等とグラデ
ィエント角を求め、所定のしきい値以上の微分強度を有
する点をエッジ点とし、そのエッジ点をグラディエント
角を元に接続していくことにより、輪郭線を抽出するこ
とも好適である。このようにして、対象の輪郭線を抽出
する動作の説明図が図14に示されている。
【0043】図14に示されているように、原画像(も
しくは上記実施例と同様に差分画像を用いても良い)
は、まず微分処理が行われる。この微分処理はいわゆる
二次元的な微分処理である。この微分処理によって、微
分強度を表わす微分画像と、グラディエント角を表わす
グラディエント画像の2種類の画像データが得られる。
このうち、微分画像に対して、所定のしきい値以上の微
分強度を有する画素をエッジ点として検出する。そし
て、このしきい値を上記実施例と同様に変化させて、そ
れぞれのしきい値で得られた対象画素の候補のうち、グ
ラディエント画像に保持されているグラディエント角に
基づき、順次接続していくことにより、輪郭線が得られ
るのである。
【0044】微分画像(各画素において、その微分強度
を値として有する画像)に対して、しきい値処理を行っ
てエッジ点を求めている処理に、上記実施例のようにい
わゆる多段階なしきい値処理を適用することによって、
より連続的な輪郭線を抽出可能である。図14において
は点線で囲まれている部分の処理に、上記実施例と同様
のいわゆる多段階2値化処理が適用可能である。
【0045】以上述べた2つの実施例においては、しき
い値を異ならせることによって得られた対象領域の画素
の候補を連結しているか否かを条件として対象の領域の
画素として登録(認識)を行った。しかしながら、対象
の輪郭を抽出する場合等においては、対象の輪郭を構成
する画素は、一般に同じような方向に連続しており、急
に折れ曲がってしまうことなどはほとんどない。そこ
で、輪郭等を抽出する場合には、画素が連結する方向を
も考慮し、この方向がなるべく変わらないような方向に
のみ画素を抽出するのが好適である。以下、画素の連結
関係だけではなく、画素が連続する方向をも考慮した場
合の対象認識方法の実施例について説明する。
【0046】本実施例においては、方向コードを各画素
に対して定義する。この方向コードの説明図が図15に
示されている。すなわち、本実施例においてはある画素
の隣接する8個の画素の方向に対してそれぞれ0〜7の
数字が割り当てられており、これを方向コードと称す
る。
【0047】本実施例においては、このように方向コー
ドを定義することにより、連結関係だけではなく、画素
が連続する方向が(方向コードが)なるべく変わらない
ような場合にのみ対象の領域を表わす画素として登録を
行うのである。具体的には、方向コードの差が0、+
1、−1である場合にのみその画素の登録を行った。こ
の動作の説明図が図16に示されている。図16(a)
に示されているように、着目画素の方向コードが6であ
り、連結元の(既に対象の領域として登録されている)
画素の方向コードが6である場合には、連結元と着目画
素との方向コードの差は0であるため、この着目画素は
新たに対象の領域に含まれる画素として登録がおこなれ
る。ここで、着目画素の方向コードは、連結元画素から
見た場合の着目画素の位置を表わすものである。すなわ
ち、図16(a)においては、着目画素は連結元画素か
ら見て方向コード6の方向にあるため、この着目画素の
方向コードとして6が設定されているのである。
【0048】図16(b)には、着目画素の方向コード
が6であり連結元画素の方向コードが7である場合の説
明図が示されている。この場合は、連結元と着目画素の
方向コードの差が−1であるため、この場合も着目画素
は対象の領域に含まれる画素として新たに登録される。
【0049】一方、B部において、着目画素はいずれも
しきい値t2で確定した画素にいずれも連結している画
素ではないのでしきい値t2−1にて対象の領域を表す
画素として登録はしない。
【0050】図16(c)には、着目画素の方向コード
が6であり、連結元の画素の方向コードが5である場合
の例が示されている。この場合にも連結元と着目画素の
方向コードの差は1であるため、着目画素は新たに対象
の領域に含まれる画素として登録される。
【0051】図16(d)には、着目画素の方向コード
が7であり連結元の画素の方向コードが6である場合の
例が示されている。この場合は、連結元と着目画素の方
向コードの差は1であるため、この場合にも着目画素は
新たに対象の領域に含まれる画素として登録される。
【0052】図16(e)には、着目画素の方向コード
が7であり、連結元画素の方向コードが0である場合の
例が示されている。この場合には、連結元と着目画素の
方向コードの差は−1であるため、この場合にも着目画
素は新たに対象の領域に含まれる画素として登録され
る。
【0053】以上、図16(a)〜(e)には連結元画
素の方向コードと着目画素の方向コードとの差が−1、
0、+1である場合の例を示した。その他の位置関係も
考えられるが、基本的にはこの図16(a)〜(e)に
示されている位置関係を回転させることによりすべての
位置関係が表わされる。
【0054】本実施例によれば、連結元画素との連結関
係だけではなく、その連結元画素の方向コードと着目画
素の方向コードが図16の(a)〜(e)に示されてい
る場合にのみ新たに対象の領域に含まれる画素として登
録が行われる。そのため、本実施例によればノイズの影
響を更に抑え、より滑らかな対象の輪郭線が抽出できる
という効果を奏する。
【0055】図17には、本実施例に係る対象認識方法
の多段階2値化の処理のフローチャートが示されてい
る。本実施例に係る対象認識方法においても、上記2つ
の実施例と同様に(図2に示されているように)差分処
理と多段階2値化処理との2つの処理によって構成され
るが、差分処理については上記実施例と同様であるた
め、説明は省略する。
【0056】図17には、本実施例の対象認識方法の多
段階2値化処理のフローチャートが示されている。ま
ず、ステップST17−1においては、画像データの各
画素に対して方向コードとして−1をすべてに代入す
る。この−1は、正しい方向コードの値(0〜7)では
ないため、正しい方向コードはセットされていない状
態、すなわち初期状態を設定していることになる。
【0057】ステップST17−2においては、初期し
きい値Tupperをしきい値tとして用いて2値化が
行われる。そして、このTupper以上の明度を有す
る画素のみが取り出され、この画素群が対象の核になる
領域として抽出される。この抽出された領域は対象領域
画素として登録される。
【0058】次にステップST17−3においては、上
記ステップST17−2において抽出された画素の領域
の細線化が行われる。本実施例においては、対象の輪郭
を抽出する場合等を前提としており、このステップST
17−3はこのような前提の元にTupperでの領域
を細線化したものである。
【0059】ステップST17−4においては、しきい
値tがデクリメントされ、Tupper−1を新たなし
きい値として2値化が行われる。
【0060】ステップST17−5においては、上記ス
テップST17−4において得られた2値化の結果のう
ち、上記ステップST17−2において得られた領域以
外の画素が取り出される。これはすなわちステップST
17−4において初めて取り出された画素のみが取り出
されるのである。
【0061】ステップST17−6においては、上記ス
テップST17−4において取り出されたすべての画素
のうち、(1)しきい値Tupperでの領域構成画
素、もしくは(2)しきい値Tupperでの領域に新
たに加わった画素、のいずれかの画素と連結しているも
ののみを、対象の領域を構成する(含まれる)として登
録する。そして、ステップST17−6においては、こ
の登録の際、新たに登録された画素に対して連結元から
その画素を結んだ方向コードをその画素に対する方向コ
ードとして登録するのである。上述したように、各画素
に対する方向コードはステップST17−1においてす
べて−1で初期化が行われている。そして、ステップS
T17−6において対象の核になる領域に新たに付け加
えられた画素に対して方向コードが設定されるのであ
る。
【0062】次に、ステップST17−7においてはル
ープ変数であるkがデクリメントされる。このkは当初
upper−1の値が設定されている。
【0063】これによって、ステップST17−8にお
いてはしきい値t(=Tk)で2値化が行われる。この
Tkは、k=upper−1であったため、Tk=Tu
pper−2と(最初の実行においては)なる。
【0064】ステップST17−9においては、上記ス
テップST17−5と同様に、しきい値tt=Tkでの
2値化結果のうち、Tk−1での領域以外の画素を取り
出す。これはすなわち、上記ステップST17−8にお
いて初めて対象の領域として抽出された画素のみを取り
出す動作である。
【0065】次に、ステップST17−10において
は、上記ステップST17−6と同様に、新たに取り出
された画素のうち、既に対象の領域を構成する画素とし
て登録されている画素と連結している画素が選ばれるわ
けであるが、選び出す基準としてさらに方向コードが考
慮されている。すなわち、本ステップST17−10に
おいて対象の領域を構成する画素として新たに登録され
るのは、上記ステップST17−6と同様に連結してい
る画素であって、なおかつ連結元の画素とその着目画素
の方向コードの差が−1、0、1であるもののみ新たに
対象の領域を構成する画素として登録するのである。
【0066】本実施例において特徴的なことは、多段階
2値化により対象の画素を更新していく方法であって、
画素が連結していく方向を考慮して対象の領域に含まれ
る画素を順に登録していったことである。これによっ
て、対象の輪郭をより円滑に求めることが可能となる。
【0067】本実施例においてはステップST17−1
0において、連結元の画素が方向コードを持っていない
場合、すなわち値が−1のままである場合には方向コー
ドによるチェックは行わずに、その連結元に連結してい
る画素は無条件に対象の領域を構成する画素として登録
される。
【0068】なお、本ステップST17−10において
新たに対象の領域を構成する画素として登録される画素
に対しては、その画素が連結する連結元の画素からその
画素を結んだ方向コードを求め、この方向コードをその
画素に対して設定するのである。
【0069】次に、ステップST17−11においては
領域として抽出された画素の個数を積算し、対象の面積
とほぼ等しくなったか否かが検査され、ほぼ等しい場合
には、多段階2値化による対象の領域画素の抽出を終了
する。一方抽出した画素の数がまだ対象の面積に満たな
い場合には上記ステップST17−7に処理が移行し、
しきい値tがデクリメントされ(ステップST17−
7)、そのしきい値tを用いて2値化が行われ(ステッ
プST17−8)、取り出された画素に対して連結性及
び方向コードによって対象の領域を構成する画素の更新
(登録)が行われる。これらの動作を抽出された画素の
数が対象の面積とほぼ等しくなるまで繰り返されるので
ある。
【0070】以上述べたように、本実施例によれば、多
段階2値化処理により対象の領域に含まれる画素を順に
登録することにより対象の領域を求める方法であって、
連結性のほかに方向コードによる連続する方向の考慮も
加えて画素の抽出を行ったので、対象の領域、特に境界
線の認識が円滑に行える対象認識方法が得られる。
【0071】
【発明の効果】第1の本発明によれば、あるしきい値で
2値化を行い、そのしきい値とは異なるしきい値で次に
2値化を行ったとき、前の画素とつながる画素を前の画
素とつなげるようにするので、物体の明るさにムラがあ
っても2値化の際のノイズを小さくでき、対象の認識を
正確に行うことができるという効果を奏する。
【0072】第2の本発明によれば、対象の領域に含ま
れる画素の個数が対象の面積と同一となったとき終了す
るように構成したので、認識処理が十分に行われたか否
かを容易に判断することができ、対象が認識されたと判
断される場合にはすぐに認識処理を終了することによ
り、迅速な認識が行える対象認識方法が得られる。
【0073】第3の本発明によれば、画素の連結性だけ
でなく、画素が連続していく方向を考慮して画素の抽出
を行ったので、より滑らかな対象の輪郭線を抽出可能な
対象認識方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の画像認識装置の構成ブロッ
ク図である。
【図2】 本発明の対象認識方法の動作を表わす説明図
である。
【図3】 差分処理において、差分画像が捕らえる様子
を表わす説明図である。
【図4】 多段階2値化処理の動作を表わすフローチャ
ートである。
【図5】 しきい値t=T1における2値化画像の例を
表わす説明図である。
【図6】 図5とは異なるしきい値で2値化した場合の
画像の例を表わす説明図である。
【図7】 画素の連結をチェックする画素の位置を表わ
す説明図である。
【図8】 連結している画素を加えていく様子を示す説
明図である。
【図9】 しきい値t2において2値化処理の結果抽出
された領域の画素を表わす説明図である。
【図10】 図9に示されている画素とは異なるしきい
値t2−1によって2値化処理を行った場合に抽出され
た画素の説明図である。
【図11】 図10のA部において連結している画素が
加えられていく様子を説明する説明図である。
【図12】 図11に示されているようにして画素が付
け加えられた結果を表わす説明図である。
【図13】 最終的に対象の領域として抽出された結果
を表わす説明図である。
【図14】 原画像データそのものではなく原画像デー
タに微分処理をした画像に対して本実施例による多段階
2値化処理を加える場合の説明図である。
【図15】 方向コードの説明図である。
【図16】 方向コードの差が−1,0,+1である場
合の例を示す説明図である。
【図17】 多段階2値化処理により対象の領域に含ま
れる画素を加えていく場合に、連結性だけでなく画素の
方向コードをも考慮する場合のフローチャートである。
【図18】 従来の課題を示す説明図である。
【符号の説明】
11 対象認識装置、12 画像処理部、13 メモ
リ、14 インターフェース、15 撮像カメラ、16
ディスプレイ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データに対して、多段階2値化によ
    る認識対象領域の抽出を行う方法において、 多段階2値化工程は、しきい値t1で画像データを2値
    化して認識対象領域に属する画素を取り出し、対象画素
    として登録する第1の工程と、 前記しきい値t1とは異なるしきい値t2で画像データ
    を2値化して前記認識対象領域に属する画素を取り出す
    第2の工程と、 前記第2の工程において取り出された画素であって、認
    識対象画素として登録されている画素に連結する画素を
    新たに対象画素として登録する第3の工程とを含むこと
    を特徴とする対象認識方法。
  2. 【請求項2】 画像データに対して、多段階2値化によ
    る認識対象領域の抽出を行う方法において、 多段階2値化工程は、初期しきい値t0から順次しきい
    値を所定値だけ小さくして、それぞれのしきい値で画像
    データを2値化する工程を繰り返すもので、 それぞれ工程では、2値化によって取り出された画素で
    あって、前工程の2値化において認識対象領域に属する
    画素として登録された画素に連結する画素を新たに認識
    対象領域に属する画素として登録し、 登録された画素の面積の総和が予め定められた値と略等
    しくなったときに多段階2値化工程を終了することを特
    徴とする対象認識方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 認識対象画素として登録されている画素に連結する画素
    であって、さらに連結元の画素に対して特定の方向にあ
    る画素を新たに認識対象領域に属する画素として登録す
    ることを特徴とする対象認識方法。
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