JP3263927B2 - 液晶表示パネルの製造方法 - Google Patents
液晶表示パネルの製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示パネルの製造
方法に関し、より詳しくは液晶表示パネルを構成する一
対の基板の貼り合わせ接着方法に関する。
方法に関し、より詳しくは液晶表示パネルを構成する一
対の基板の貼り合わせ接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の典型的な液晶表示パネルの製造方
法は、例えば特開昭57−94721号公報に開示され
ている。以下、図3を参照して従来の技術を簡潔に説明
する。液晶表示パネル101あるいは液晶セルは、一般
に透明電極102を形成した一対の基板103及び10
4を電極102が対向する様にして組み立てたものであ
る。一対の基板103,104は所定の間隙を介して周
辺部に沿ってシール材105により貼り合わされてい
る。この間隙内には液晶106が封入されている。対向
する電極102の間に電圧を印加し、その時に生ずる液
晶106の光学的変化により文字や図形等の表示を行な
うものである。液晶層106の厚みは通常5μm乃至1
5μm程度に設定されており、一対の基板の間隙寸法に
より規制される。この間隙寸法が一定且つ均一に保持さ
れないとパネル表面に色むらが生じるとともに、液晶の
応答時間にばらつきが生じ表示品位を低下させる。
法は、例えば特開昭57−94721号公報に開示され
ている。以下、図3を参照して従来の技術を簡潔に説明
する。液晶表示パネル101あるいは液晶セルは、一般
に透明電極102を形成した一対の基板103及び10
4を電極102が対向する様にして組み立てたものであ
る。一対の基板103,104は所定の間隙を介して周
辺部に沿ってシール材105により貼り合わされてい
る。この間隙内には液晶106が封入されている。対向
する電極102の間に電圧を印加し、その時に生ずる液
晶106の光学的変化により文字や図形等の表示を行な
うものである。液晶層106の厚みは通常5μm乃至1
5μm程度に設定されており、一対の基板の間隙寸法に
より規制される。この間隙寸法が一定且つ均一に保持さ
れないとパネル表面に色むらが生じるとともに、液晶の
応答時間にばらつきが生じ表示品位を低下させる。
【0003】通常、液晶セルの製造においては、シール
材105として接着性の優れた熱硬化型のエポキシ系樹
脂が利用されている。一対の基板103,104の一方
にシール材を所定の幅及び所定の厚みで印刷し、他方の
基板を重ね合わせ加熱加圧してセルを形成する。従って
液晶層106の厚みを上下から規制する一対の基板の間
隙は、加熱加圧処理した直後に固定される。しかしなが
ら、表示面積が5cm2 以上の大型液晶セルにおいては、
たとえ加熱加圧直後の基板間隙が均一であっても、シー
ル材の熱収縮あるいはシール材と基板との間の線膨張係
数の差に起因して、冷却過程において基板間隙が局部的
に変化し不均一になるという不具合が発生する。
材105として接着性の優れた熱硬化型のエポキシ系樹
脂が利用されている。一対の基板103,104の一方
にシール材を所定の幅及び所定の厚みで印刷し、他方の
基板を重ね合わせ加熱加圧してセルを形成する。従って
液晶層106の厚みを上下から規制する一対の基板の間
隙は、加熱加圧処理した直後に固定される。しかしなが
ら、表示面積が5cm2 以上の大型液晶セルにおいては、
たとえ加熱加圧直後の基板間隙が均一であっても、シー
ル材の熱収縮あるいはシール材と基板との間の線膨張係
数の差に起因して、冷却過程において基板間隙が局部的
に変化し不均一になるという不具合が発生する。
【0004】この対策として、前述した特開昭57−9
4721号公報には、加熱加圧処理後の徐冷技術が開示
されている。即ち、熱硬化型エポキシ系樹脂の硬化温度
(例えば150℃)以上で加熱加圧処理を行ないシール
材を硬化した後、該硬化温度からエポキシ系樹脂の二次
転移点(例えば108℃)以下まで徐冷を行なう。冷却
速度は例えば毎分15℃以下に設定される。この徐冷過
程により、エポキシ系樹脂とガラス基板の熱膨張係数の
差により発生する応力がある程度緩和され、加熱加圧処
理直後の基板間隙の均一性がある程度保存できる。
4721号公報には、加熱加圧処理後の徐冷技術が開示
されている。即ち、熱硬化型エポキシ系樹脂の硬化温度
(例えば150℃)以上で加熱加圧処理を行ないシール
材を硬化した後、該硬化温度からエポキシ系樹脂の二次
転移点(例えば108℃)以下まで徐冷を行なう。冷却
速度は例えば毎分15℃以下に設定される。この徐冷過
程により、エポキシ系樹脂とガラス基板の熱膨張係数の
差により発生する応力がある程度緩和され、加熱加圧処
理直後の基板間隙の均一性がある程度保存できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱硬化
型のシール材料を用いる限り高温の加熱加圧処理は避け
られない。又、無機材料からなる基板と有機材料からな
るシール材との間には一般的に大きな熱膨張係数の差が
ある。従って、原理的に冷却過程において歪が生ずる事
は避けられず、種々の対策を講じても基板間隙を一定に
制御する事は困難である。この困難性は特に液晶表示パ
ネルが大面積化された場合に顕著となる。
型のシール材料を用いる限り高温の加熱加圧処理は避け
られない。又、無機材料からなる基板と有機材料からな
るシール材との間には一般的に大きな熱膨張係数の差が
ある。従って、原理的に冷却過程において歪が生ずる事
は避けられず、種々の対策を講じても基板間隙を一定に
制御する事は困難である。この困難性は特に液晶表示パ
ネルが大面積化された場合に顕著となる。
【0006】かかる従来の技術の問題点あるいは課題に
鑑み、本発明は原理的に熱的歪の残留する事が無い液晶
セルの接着方法を提供する事を目的とする。
鑑み、本発明は原理的に熱的歪の残留する事が無い液晶
セルの接着方法を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来の技術の課題を解決
し且つ本発明の目的を達成する為に講じられた手段は以
下の通りである。即ち、対向面に各々電極を有する一対
の基板をその周辺部に沿ってシール材を介して互いに対
向配置させ貼り合わせる工程を含む液晶表示パネルの製
造方法において、シール材としてエポキシ系の紫外線硬
化型樹脂を用いるとともにその重合開始材としてイオン
を用い、且つ紫外線照射時の基板温度を冷却手段を用い
て室温あるいは常温に保って紫外線硬化型樹脂を硬化さ
せ、その後前記一対の基板の間隙の均一性に悪影響を及
ぼさない範囲の50℃程度で加熱処理を施し、一対の基
板を貼り合わせる事を特徴とする。
し且つ本発明の目的を達成する為に講じられた手段は以
下の通りである。即ち、対向面に各々電極を有する一対
の基板をその周辺部に沿ってシール材を介して互いに対
向配置させ貼り合わせる工程を含む液晶表示パネルの製
造方法において、シール材としてエポキシ系の紫外線硬
化型樹脂を用いるとともにその重合開始材としてイオン
を用い、且つ紫外線照射時の基板温度を冷却手段を用い
て室温あるいは常温に保って紫外線硬化型樹脂を硬化さ
せ、その後前記一対の基板の間隙の均一性に悪影響を及
ぼさない範囲の50℃程度で加熱処理を施し、一対の基
板を貼り合わせる事を特徴とする。
【0008】上記の様に、紫外線硬化型樹脂の重合開始
材がイオンである時には、紫外線の照度を100ないし
150mW/cm2 の範囲に設定する事が好ましい。前述し
た様に、紫外線照射後、基板間隙の均一性に悪影響を及
ぼさない範囲で若干の加熱処理を施すことにより良好な
接着強度が得られる。
材がイオンである時には、紫外線の照度を100ないし
150mW/cm2 の範囲に設定する事が好ましい。前述し
た様に、紫外線照射後、基板間隙の均一性に悪影響を及
ぼさない範囲で若干の加熱処理を施すことにより良好な
接着強度が得られる。
【0009】
【作用】本発明によれば、シール材として従来の熱硬化
型樹脂に代えて紫外線硬化型樹脂を用いている。この
為、原理的に高温の加熱加圧処理を必要とせず紫外線照
射により組み立てを行なう事ができる。しかしながら、
照射処理に一般的に用いられる紫外線ランプは目的とす
る紫外線の他に可視光線や赤外線等の熱線も放射する。
この為、何らの対策を講じない場合には基板温度は照射
処理中上昇し熱的歪が生じる原因となる。例えば、90
秒の照射で基板温度は70ないし80℃に上昇する。こ
の為、本発明においては特に紫外線照射処理中冷却を行
ない基板温度を室温(例えば22.5℃ないし23.5
℃)に保持している。
型樹脂に代えて紫外線硬化型樹脂を用いている。この
為、原理的に高温の加熱加圧処理を必要とせず紫外線照
射により組み立てを行なう事ができる。しかしながら、
照射処理に一般的に用いられる紫外線ランプは目的とす
る紫外線の他に可視光線や赤外線等の熱線も放射する。
この為、何らの対策を講じない場合には基板温度は照射
処理中上昇し熱的歪が生じる原因となる。例えば、90
秒の照射で基板温度は70ないし80℃に上昇する。こ
の為、本発明においては特に紫外線照射処理中冷却を行
ない基板温度を室温(例えば22.5℃ないし23.5
℃)に保持している。
【0010】ところで、紫外線ランプからの放熱は基板
間隙の均一性制御には悪影響を及ぼす一方、紫外線樹脂
の接着強度の向上にはある程度寄与している。従って、
室温照射を行なった場合接着強度の低下が懸念される。
しかしながら、室温照射においても、重合開始材との関
連で紫外線照度等を適切に設定する事により実用的に十
分な接着強度が得られる事が判明した。即ち、重合開始
材がイオンである時、紫外線照度は100ないし150
mW/cm2 の範囲に設定される。
間隙の均一性制御には悪影響を及ぼす一方、紫外線樹脂
の接着強度の向上にはある程度寄与している。従って、
室温照射を行なった場合接着強度の低下が懸念される。
しかしながら、室温照射においても、重合開始材との関
連で紫外線照度等を適切に設定する事により実用的に十
分な接着強度が得られる事が判明した。即ち、重合開始
材がイオンである時、紫外線照度は100ないし150
mW/cm2 の範囲に設定される。
【0011】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図1は本発明にかかる液晶表示パネル
の製造方法を示す工程図である。まず、工程1におい
て、電極基板を作成する。即ち、ガラス等からなる平面
基材の表面にITO等の透明導電膜を全面的に付着した
後選択的エッチングを行ない所望のパタンを有する電極
を形成する。加えて、液晶の配向制御に用いられる配向
膜を全面に形成する。
詳細に説明する。図1は本発明にかかる液晶表示パネル
の製造方法を示す工程図である。まず、工程1におい
て、電極基板を作成する。即ち、ガラス等からなる平面
基材の表面にITO等の透明導電膜を全面的に付着した
後選択的エッチングを行ない所望のパタンを有する電極
を形成する。加えて、液晶の配向制御に用いられる配向
膜を全面に形成する。
【0012】工程2において、必要に応じ表面処理を行
なう。この処理はシール材の接着強度を上げる為に行な
われる。例えば、配向膜の組成によってはシール材との
相容性が悪いものがあるので、基板表面周辺部からこの
配向膜を除去する。あるいは、基板表面周辺部に沿って
界面活性剤を施す下地処理を行なっても良い。又、紫外
線硬化型樹脂は、一般的に酸化シリコン系物質に対して
相容性が優れているので、基板表面周辺に沿って酸化シ
リコン系薄膜を形成しても良い。
なう。この処理はシール材の接着強度を上げる為に行な
われる。例えば、配向膜の組成によってはシール材との
相容性が悪いものがあるので、基板表面周辺部からこの
配向膜を除去する。あるいは、基板表面周辺部に沿って
界面活性剤を施す下地処理を行なっても良い。又、紫外
線硬化型樹脂は、一般的に酸化シリコン系物質に対して
相容性が優れているので、基板表面周辺に沿って酸化シ
リコン系薄膜を形成しても良い。
【0013】次に工程3において、少なくとも一方の基
板表面周辺部に沿って紫外線硬化型樹脂(以下UV樹脂
と表記する場合がある)からなるシール材を印刷塗布す
る。この塗布は例えば液状のシール材をスクリーン印刷
して行なわれる。
板表面周辺部に沿って紫外線硬化型樹脂(以下UV樹脂
と表記する場合がある)からなるシール材を印刷塗布す
る。この塗布は例えば液状のシール材をスクリーン印刷
して行なわれる。
【0014】UV樹脂としては一般的にアクリル系のも
のが用いられ、その構造は例えば以下の化学式1によっ
て表わされる。基本単位としてアクリレートあるいはメ
タアクリレートが組み込まれている。置換基X,Yにつ
いては、樹脂の要求特性に応じて適宜選択される。アク
リル系UV樹脂の重合開始材としては一般にラジカルが
利用されている。この種のUV樹脂は例えばソニーケミ
カル社から入手可能である。
のが用いられ、その構造は例えば以下の化学式1によっ
て表わされる。基本単位としてアクリレートあるいはメ
タアクリレートが組み込まれている。置換基X,Yにつ
いては、樹脂の要求特性に応じて適宜選択される。アク
リル系UV樹脂の重合開始材としては一般にラジカルが
利用されている。この種のUV樹脂は例えばソニーケミ
カル社から入手可能である。
【化1】
【0015】最近アクリル系UV樹脂に代えてエポキシ
系UV樹脂が開発されている。エポキシ系はアクリル系
に比べて接着性に優れている。エポキシ系UV樹脂の構
造は例えば以下の化学式によって表わされ、一般的にビ
スフェノールA型と呼ばれる構造を持つものが多い。結
合基Xは樹脂の要求特性によって適宜選択される。この
種のUV樹脂は例えばソニーケミカル社から開発品とし
て入手可能である。重合開始材としてはラジカル及びイ
オンの両者が利用可能であるが、本発明においては特に
取り扱いの容易なイオン系重合開始材を用いている。
系UV樹脂が開発されている。エポキシ系はアクリル系
に比べて接着性に優れている。エポキシ系UV樹脂の構
造は例えば以下の化学式によって表わされ、一般的にビ
スフェノールA型と呼ばれる構造を持つものが多い。結
合基Xは樹脂の要求特性によって適宜選択される。この
種のUV樹脂は例えばソニーケミカル社から開発品とし
て入手可能である。重合開始材としてはラジカル及びイ
オンの両者が利用可能であるが、本発明においては特に
取り扱いの容易なイオン系重合開始材を用いている。
【化2】
【0016】次に工程4において、印刷塗布されたUV
樹脂をはさんで、一対の基板を重ね合わせプレス等によ
り加圧して仮止め固定する。この時、基板表面に、一定
の粒径を有するスペーサを散布し基板間隙を一定に保つ
様にしても良い。
樹脂をはさんで、一対の基板を重ね合わせプレス等によ
り加圧して仮止め固定する。この時、基板表面に、一定
の粒径を有するスペーサを散布し基板間隙を一定に保つ
様にしても良い。
【0017】工程5において、本発明の要部をなす室温
冷却紫外線照射が行なわれ、シール材硬化処理を実施す
る。この紫外線照射は、例えば水銀灯等の紫外線ランプ
を用い透明なガラス基板を介して行なわれる。紫外線ラ
ンプの放熱により、基板温度が上昇するのを防止する為
に室温あるいは常温冷却が行なわれる。この温度範囲は
例えば22.5℃ないし23.5℃の間である。室温冷
却の方法としては、スポットクーラを用いて基板に横方
向から冷風を吹き込む手段が挙げられる。あるいは、こ
れに代えて紫外線ランプの下に熱線反射ミラーを取り付
け、紫外線のみを選択的に照射する方法も利用可能であ
る。あるいは、照射に用いる紫外線ランプを水冷二重管
構造とし放熱を除去しても良い。何れにしても、何らの
冷却対策を施さない場合には、基板温度は容易に80℃
以上に上昇する。
冷却紫外線照射が行なわれ、シール材硬化処理を実施す
る。この紫外線照射は、例えば水銀灯等の紫外線ランプ
を用い透明なガラス基板を介して行なわれる。紫外線ラ
ンプの放熱により、基板温度が上昇するのを防止する為
に室温あるいは常温冷却が行なわれる。この温度範囲は
例えば22.5℃ないし23.5℃の間である。室温冷
却の方法としては、スポットクーラを用いて基板に横方
向から冷風を吹き込む手段が挙げられる。あるいは、こ
れに代えて紫外線ランプの下に熱線反射ミラーを取り付
け、紫外線のみを選択的に照射する方法も利用可能であ
る。あるいは、照射に用いる紫外線ランプを水冷二重管
構造とし放熱を除去しても良い。何れにしても、何らの
冷却対策を施さない場合には、基板温度は容易に80℃
以上に上昇する。
【0018】室温冷却下においても実用レベルの接着強
度を保証する為に、紫外線照度を適切に制御する。例え
ばアクリル系UV樹脂とラジカル系重合開始材を組み合
わせて用いた場合には、紫外線の照度を15mW/cm2 以
上に設定する。又、エポキシ系UV樹脂とイオン系重合
開始材を組み合わせて用いた時には、紫外線の照度を1
00ないし150mW/cm2 の範囲に設定する。
度を保証する為に、紫外線照度を適切に制御する。例え
ばアクリル系UV樹脂とラジカル系重合開始材を組み合
わせて用いた場合には、紫外線の照度を15mW/cm2 以
上に設定する。又、エポキシ系UV樹脂とイオン系重合
開始材を組み合わせて用いた時には、紫外線の照度を1
00ないし150mW/cm2 の範囲に設定する。
【0019】続いて、工程6において、必要に応じ後加
熱処理を行なう。この後加熱処理は接着強度を更に上げ
る事を目的とし、特にエポキシ系UV樹脂とイオン系重
合開始材との組み合わせを用いた場合に有効である。重
合開始材が活性イオンであり、ラジカルに比べ寿命が長
い為、後加熱処理を行なうと活性イオンが熱的エネルギ
ーを与えられて重合反応を更に進行させる。後加熱処理
の温度としては、基板間隙の均一性に悪影響を及ぼさな
い範囲で、例えば50℃程度に設定される。
熱処理を行なう。この後加熱処理は接着強度を更に上げ
る事を目的とし、特にエポキシ系UV樹脂とイオン系重
合開始材との組み合わせを用いた場合に有効である。重
合開始材が活性イオンであり、ラジカルに比べ寿命が長
い為、後加熱処理を行なうと活性イオンが熱的エネルギ
ーを与えられて重合反応を更に進行させる。後加熱処理
の温度としては、基板間隙の均一性に悪影響を及ぼさな
い範囲で、例えば50℃程度に設定される。
【0020】次に、工程7において、貼り合わされた基
板の分割を行ない個々のセルに分離する。最後に、工程
8において個々のセルの間隙に液晶を封入し表示パネル
を得る。この様に、一般にパネル製造を効率的に行なう
為に多数個取り方式を採用している。この場合、上記例
に代えて、液晶を封入した後、セル分割を行っても良
い。又、アクティブマトリクスタイプの液晶パネルを製
造する場合には、最初から単個取り方式を採用しても良
い。
板の分割を行ない個々のセルに分離する。最後に、工程
8において個々のセルの間隙に液晶を封入し表示パネル
を得る。この様に、一般にパネル製造を効率的に行なう
為に多数個取り方式を採用している。この場合、上記例
に代えて、液晶を封入した後、セル分割を行っても良
い。又、アクティブマトリクスタイプの液晶パネルを製
造する場合には、最初から単個取り方式を採用しても良
い。
【0021】種々のサンプルを作成し、接着強度を測定
して本発明の効果を評価した。図2にサンプルの形状を
示す。150mm角のガラス基板11を用いてサンプルを
作成した。この基板上に、スクリーン印刷を用いてUV
樹脂を窓枠状に複数塗布した。個々の窓枠形状の寸法は
縦19mmで横16mmである。UV樹脂を乾燥した後、ガ
ラス基板11上に略同寸法の石英基板(図示せず)を重
ね合わせプレスにより仮止め固定した。続いて、紫外線
照射あるいは紫外線露光を行ないUV樹脂を硬化して両
基板を接着した。個々の窓枠パタン12の間において縦
方向及び横方向に沿ってケガキ線13を入れた。このケ
ガキ線はダイアモンドカッタ等を用いてガラス基板及び
石英基板の両面から入れた。貼り合わされた基板に衝撃
を与えケガキ線に沿って個々に分離して37個のダミー
液晶セルサンプルを得た。個々のサンプルについて窓枠
パタン12を観察し剥離が生じているかどうかを評価し
た。その際、衝撃による分離段階で剥れたサンプル個数
と分離後剥離が観察された個数とを合わせて剥離数とし
た。なお、ガラス基板と石英基板が完全に分離したもの
を完全剥離とし、窓枠パタン12が部分的に剥離したも
のを部分剥離として計数した。
して本発明の効果を評価した。図2にサンプルの形状を
示す。150mm角のガラス基板11を用いてサンプルを
作成した。この基板上に、スクリーン印刷を用いてUV
樹脂を窓枠状に複数塗布した。個々の窓枠形状の寸法は
縦19mmで横16mmである。UV樹脂を乾燥した後、ガ
ラス基板11上に略同寸法の石英基板(図示せず)を重
ね合わせプレスにより仮止め固定した。続いて、紫外線
照射あるいは紫外線露光を行ないUV樹脂を硬化して両
基板を接着した。個々の窓枠パタン12の間において縦
方向及び横方向に沿ってケガキ線13を入れた。このケ
ガキ線はダイアモンドカッタ等を用いてガラス基板及び
石英基板の両面から入れた。貼り合わされた基板に衝撃
を与えケガキ線に沿って個々に分離して37個のダミー
液晶セルサンプルを得た。個々のサンプルについて窓枠
パタン12を観察し剥離が生じているかどうかを評価し
た。その際、衝撃による分離段階で剥れたサンプル個数
と分離後剥離が観察された個数とを合わせて剥離数とし
た。なお、ガラス基板と石英基板が完全に分離したもの
を完全剥離とし、窓枠パタン12が部分的に剥離したも
のを部分剥離として計数した。
【0022】結果を以下の表1に示す。シール材として
用いたUV樹脂の種類や紫外線照度を変えて5種類のサ
ンプルを作成し評価した。各サンプルについて試料個数
は74である。又、紫外線の波長は365nmのものを用
い、表1に示す紫外線照度は試料表面で測定した数値を
載せている。
用いたUV樹脂の種類や紫外線照度を変えて5種類のサ
ンプルを作成し評価した。各サンプルについて試料個数
は74である。又、紫外線の波長は365nmのものを用
い、表1に示す紫外線照度は試料表面で測定した数値を
載せている。
【表1】
【0023】第1番目のサンプルについてはアクリル系
UV樹脂とラジカル系重合開始材との組み合わせを用い
た。紫外線照度は15mW/cm2 に設定した。この時、U
V樹脂の仕様に合わせて積算光量が3000〜5000
mJ/cm2 となる様に照射時間を設定した。紫外線照射
中、基板温度が室温あるいは常温に保持される様に冷却
を行なっている。この様にして得られた74個の試料あ
るいは標本の剥離個数は0であった。
UV樹脂とラジカル系重合開始材との組み合わせを用い
た。紫外線照度は15mW/cm2 に設定した。この時、U
V樹脂の仕様に合わせて積算光量が3000〜5000
mJ/cm2 となる様に照射時間を設定した。紫外線照射
中、基板温度が室温あるいは常温に保持される様に冷却
を行なっている。この様にして得られた74個の試料あ
るいは標本の剥離個数は0であった。
【0024】第2番目のサンプルについてはエポキシ系
のUV樹脂とイオン系の重合開始材の組み合わせを用い
た。基板温度を室温に保持し紫外線照度を17ないし2
0mW/cm2 に設定した。積算光量が5000mJ/cm2 に
なる様に照射時間を決めた。74個の標本の全てに完全
剥離が生じた。
のUV樹脂とイオン系の重合開始材の組み合わせを用い
た。基板温度を室温に保持し紫外線照度を17ないし2
0mW/cm2 に設定した。積算光量が5000mJ/cm2 に
なる様に照射時間を決めた。74個の標本の全てに完全
剥離が生じた。
【0025】第3番目のサンプルは紫外線照度を50mW
/cm2 に増加した点を除き第2番目のサンプルと同様の
条件で作成した。74個の標本の全てに部分剥離が生じ
た。
/cm2 に増加した点を除き第2番目のサンプルと同様の
条件で作成した。74個の標本の全てに部分剥離が生じ
た。
【0026】第4番目のサンプルは、第3番目のサンプ
ルと同一の条件で作成した標本を50℃で10分間後加
熱処理したものである。74個の標本の内45個に部分
剥離が生じた。
ルと同一の条件で作成した標本を50℃で10分間後加
熱処理したものである。74個の標本の内45個に部分
剥離が生じた。
【0027】最後に第5番目のサンプルは、同様にエポ
キシ系UV樹脂とイオン系重合開始材との組み合わせを
用い室温冷却下で紫外線照射を行なったものである。但
し、第3番目のサンプルに比較して、紫外線照度を更に
100ないし120mW/cm2 に増加するともに積算光量
が20000mJ/cm2 となる様に照射時間を定めた。7
4個の標本の内剥離を生じたものは無かった。
キシ系UV樹脂とイオン系重合開始材との組み合わせを
用い室温冷却下で紫外線照射を行なったものである。但
し、第3番目のサンプルに比較して、紫外線照度を更に
100ないし120mW/cm2 に増加するともに積算光量
が20000mJ/cm2 となる様に照射時間を定めた。7
4個の標本の内剥離を生じたものは無かった。
【0028】以上の結果から以下の事実が明らかになっ
た。アクリル系UV樹脂については、比較的表面照射強
度が低くても十分に室温硬化が可能である。一方、エポ
キシ系UV樹脂については室温下紫外線照射により硬化
させる場合、100mW/cm2 以上の表面照射強度及び2
0000mJ/cm2 程度の積算光量が必要である。但し、
紫外線照度を150mW/cm2 を越えて設定すると基板温
度が室温以上に上昇する恐れがある。又、エポキシ系U
V樹脂を用いた場合、照射処理後加熱処理を施す事によ
り接着強度を改善できる。なお、剥離を生じなかった全
ての標本について基板間隙を測定したところ極めて均一
且つ一定した数値が得られた。
た。アクリル系UV樹脂については、比較的表面照射強
度が低くても十分に室温硬化が可能である。一方、エポ
キシ系UV樹脂については室温下紫外線照射により硬化
させる場合、100mW/cm2 以上の表面照射強度及び2
0000mJ/cm2 程度の積算光量が必要である。但し、
紫外線照度を150mW/cm2 を越えて設定すると基板温
度が室温以上に上昇する恐れがある。又、エポキシ系U
V樹脂を用いた場合、照射処理後加熱処理を施す事によ
り接着強度を改善できる。なお、剥離を生じなかった全
ての標本について基板間隙を測定したところ極めて均一
且つ一定した数値が得られた。
【0029】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、室
温下で紫外線照射処理を行なう事により、液晶パネルの
基板間隙を従来に比し均一且つ一定に制御できるという
効果がある。室温硬化であるので原理的に液晶パネルの
熱的歪を防止できるという効果がある。従来の熱硬化処
理時間に比べて紫外線照射時間はかなり短い為、パネル
の製造に要するタクトタイムが大幅に短縮できるという
効果がある。更に、実用的に十分な接着強度が得られる
ので製品の長期信頼性を保証できるという効果がある。
温下で紫外線照射処理を行なう事により、液晶パネルの
基板間隙を従来に比し均一且つ一定に制御できるという
効果がある。室温硬化であるので原理的に液晶パネルの
熱的歪を防止できるという効果がある。従来の熱硬化処
理時間に比べて紫外線照射時間はかなり短い為、パネル
の製造に要するタクトタイムが大幅に短縮できるという
効果がある。更に、実用的に十分な接着強度が得られる
ので製品の長期信頼性を保証できるという効果がある。
【図1】本発明にかかる液晶表示パネルの製造方法を示
す工程図である。
す工程図である。
【図2】評価用サンプルの形状を示す模式的な平面図で
ある。
ある。
【図3】液晶表示パネルの一般的な構造を示す断面図で
ある。
ある。
1 電極基板作成工程 2 表面処理工程 3 VU樹脂シール材印刷工程 4 基板重ね合わせ工程 5 室温冷却紫外線照射硬化工程 6 後加熱処理工程 7 液晶封入工程 8 セル分割工程
Claims (2)
- 【請求項1】 対向面に各々電極を有する一対の基板を
その周辺部に沿ってシール材を介して互いに対向配置さ
せ貼り合わせる工程を含む液晶表示パネルの製造方法に
おいて、 シール材としてエポキシ系の紫外線硬化型樹脂を用いる
とともにその重合開始材としてイオンを用い、紫外線照
射時の基板温度を冷却手段を用いて室温に保って前記紫
外線硬化型樹脂を硬化させ、その後前記一対の基板の間
隙の均一性に悪影響を及ぼさない範囲の50℃程度で加
熱処理を施し、一対の基板を貼り合わせる事を特徴とす
る液晶表示パネルの製造方法。 - 【請求項2】 紫外線の照度が100〜150mW/cm2
である事を特徴とする請求項1記載の液晶表示パネルの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31141891A JP3263927B2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 液晶表示パネルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31141891A JP3263927B2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 液晶表示パネルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05127174A JPH05127174A (ja) | 1993-05-25 |
JP3263927B2 true JP3263927B2 (ja) | 2002-03-11 |
Family
ID=18016967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31141891A Expired - Fee Related JP3263927B2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 液晶表示パネルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3263927B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
USRE38227E1 (en) | 1992-10-28 | 2003-08-19 | Victor Company Of Japan, Ltd. | Variable transfer rate control coding apparatus, reproducing apparatus and recording medium |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW594190B (en) | 1996-09-13 | 2004-06-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Polymer dispersion type liquid crystal display element and producing method therefor |
US6221443B1 (en) | 1996-09-13 | 2001-04-24 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Macromolecular dispersion type liquid crystal display element and method of manufacturing the same |
US5959712A (en) * | 1997-07-11 | 1999-09-28 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing a liquid crystal display element having a decreased fluctuation of aperture ratio |
US7102726B2 (en) | 2002-03-15 | 2006-09-05 | Lg. Philips Lcd Co., Ltd. | System for fabricating liquid crystal display and method of fabricating liquid crystal display using the same |
JP4760180B2 (ja) * | 2005-07-20 | 2011-08-31 | セイコーエプソン株式会社 | 液晶装置の製造方法 |
CN102122626B (zh) * | 2010-10-26 | 2013-02-06 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 搬送装置与方法以及其应用的显示面板组装设备与方法 |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP31141891A patent/JP3263927B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
USRE38227E1 (en) | 1992-10-28 | 2003-08-19 | Victor Company Of Japan, Ltd. | Variable transfer rate control coding apparatus, reproducing apparatus and recording medium |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05127174A (ja) | 1993-05-25 |
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