JP3263208B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば、自動預出金
機に備えられる硬貨処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の硬貨処理装置は、その装置本体
の前面側に投入口部を有し、この投入口部に硬貨を投入
させるようになっている。この投入された硬貨は繰出部
に落下され、この落下された硬貨は繰出部から一枚ずつ
連続的に第１の搬送コンベアへ繰り出される。この第１
の搬送コンベアに繰り出された硬貨は検知部により、そ
の金種が判別される。そして、この金種が判別された硬
貨は金種に対応して配設された金種別一時保留部の各室
内にゲ−トの動作により保留されたのち、金種別スタッ
カに落下集積され入金処理が完了する。

【０００３】一方、出金する場合には、上記金種別スタ
ッカから硬貨が放出され、この放出された硬貨は第２の
搬送コンベアにより搬送されたのち、第３の搬送コンベ
アを介して上方へ搬送されて上記繰出部に送り込まれ
る。この繰出部に送り込まれた硬貨は１枚ずつ分離され
て繰出され、検知部で金種が判別されて上記第１の搬送
コンベアにより搬送される。この第１の搬送コンベアに
より搬送される硬貨は返却シュ−トを介して第４の搬送
コンベアに送られて水平に搬送され、さらに、この第４
の搬送コンベアから第５の搬送コンベアを介して上方へ
搬送されて上記投入口部３に出金される。

【０００４】この出金時において、上記金種別スタッカ
から放出されて第２の搬送コンベアにより搬送される硬
貨は図９〜図１２に示すようなホッパ１内に一旦放出さ
れたのち、第３の搬送コンベア２により上方に搬送され
る。

【０００５】上記第３の搬送コンベア２は駆動ロ−ラ３
に掛け渡される搬送ベルト４を備え、この搬送ベルト４
の搬送面にはその走行方向に亘って所定間隔を存してリ
ブ５…が突設されている。上記ホッパ１の底面部には上
記リブ５，５を通過させる開口部１ａ，１ａが穿設され
ている。

【０００６】しかして、上記ホッパ１内に硬貨が所定量
放出されて検知器７によって検知されると、図１１に示
すように、搬送ベルト４が走行され、そのリブ５…によ
り硬貨Ｋが引っ掛けられて上方へと搬送されて投入口部
に出金される。

【０００７】ところで、上記した第３の搬送コンベア２
による硬貨Ｋの搬送時において、硬貨Ｋは不揃い状態の
ままで搬送されるため、その搬送途中において硬貨Ｋを
揃えるために逆転ロ−ラ６が設けられている。この逆転
ロ−ラ６は矢印方向に回転され不揃い状態の硬貨Ｋを搬
送方向と逆方向に蹴飛ばし、逆転ロ−ラ６の通過後にお
いては、整頓された状態で搬送するようになっている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おいては、逆転ロ−ラ６とリブ５の上端部との間が狭い
ため、図１２に示すように、硬貨Ｋが逆転ロ−ラ６とリ
ブ５の上端部との間に詰まると、搬送ベルト４が停止し
てしまうというロック現象が発生し、係員による解除が
ない限り復旧できない状態となっていた。そこで、本発
明は、硬貨の詰まりを防止し、搬送手段の動作をロック
させることなく、良好に搬送できる硬貨処理装置を提供
することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、硬貨が投入される投入部と、この投入部に投
入された硬貨を繰り出す繰出手段と、この繰出手段によ
り繰り出された硬貨を搬送する第1搬送手段と、この第1
搬送手段により搬送される硬貨の金種を判別する判別手
段と、この判別手段により判別された金種に応じて硬貨
を金種別に収納する金種別収納部と、この金種別収納部
から放出される硬貨を搬送する第2搬送手段と、この第2
搬送手段から搬出される硬貨を収容する収容部と、この
収容部に収容された硬貨を掻上部材により掻き上げて不
揃い状態で搬送する第3搬送手段と、この第3搬送手段の
硬貨搬送方向に亘って所定間隔を存して配設され、前記
搬送される不揃い状態の硬貨を反搬送方向に蹴ることに
より整位するとともに、前記不揃い状態の硬貨が掻上部
材との間に詰まったときには、弾性的に変位して不揃硬
貨を通過させる第1および第2のコイルスプリングとを具
備し、前記第2のコイルスプリングは前記第1のコイルス
プリングの硬貨搬送方向下流側に位置し、その径を前記
第1のコイルスプリングの径よりも細く構成する。

【００１０】

【００１１】

【００１２】

【００１３】

【作用】上記収容部に収容された硬貨は第３搬送手段の
掻上部材により掻上されて不揃い状態で搬送され、この
搬送途中で整位部材により反搬送方向に蹴られて整位さ
れて搬送される。この整位部材による整位時に掻上部材
と整位部材との間に硬貨が詰まったときには、整位部材
が硬貨の押圧力により弾性的に変位して掻上部材との間
の隙間を大きくする。これにより、硬貨は良好に整位部
材と掻上部材との間を通過し、第３搬送手段の動作をロ
ックさせることはない。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を図１〜図６に示す一実施例を
参照して説明する。図２は硬貨処理装置の外観を示すも
ので、図中１１は装置本体である。この装置本体１１の
前面部には水平面部４１と垂直面部４２が設けられてい
る。前記装置本体１１の水平面部４１には図３にも示す
ように、操作部４３が設けられているとともに、紙幣入
出金口５１および硬貨入出金口５２が設けられている。
また、前記装置本体１１の垂直面部４２には通帳挿入口
５３、カ−ド挿入口５４が設けられている。

【００１５】図４は硬貨処理装置の内部構成を示すもの
で、図中１２は上記硬貨入出金口５２を介して利用者に
よって硬貨が投入されたり、利用者に硬貨を返却／出金
するための投入口部（投入部）である。上記硬貨入出金
口５２は扉１３により開閉されるようになっている。前
記投入口部１２の下方部には繰出手段としての繰出部１
４が設けられ、この繰出部１４は投入された硬貨を一枚
ずつ順次、繰り出すようになっている。この繰り出され
た硬貨は第１の搬送手段としての搬送コンベア１５，１
６により搬送されるようになっている。

【００１６】上記搬送コンベア１６の搬入側には判別手
段としての検選部１７が設けられ、この検選部１７によ
り硬貨の金種が判別されるようになっている。上記搬送
コンベア１６の下方部側には第１〜第６の室１８〜２３
を有する金種別一時保留部２４が設けられている。上記
第１の室１８には５００円、第２の室１９には１００
円、第３の室２０には５０円、第４の室２１には１０
円、第５の室２２には５円、第６の室２３には１円がそ
れぞれ集積されるようになっている。

【００１７】上記搬送コンベア１６の排出側にはシュ−
ト２５，２６が接続され、前記シュ−ト２５にはリジェ
クト庫２８が接続されている。また、上記装置本体１１
内の後部側には、装填庫３３が設けられている。さら
に、上記金種別一時保留部２４の第１〜第６の室１８〜
２３の上面部および、上記シュ−ト２５，２６の上面部
にはそれぞれゲ−ト２９…が配設され、これらゲ−ト２
９…が選択的に回動されることにより、上記搬送コンベ
ア１６によって搬送される硬貨が第１〜第６の室１８〜
２３、あるいは、上記シュ−ト２６に取り込まれるよう
になっている。

【００１８】また、上記金種別一時保留部２４の第１〜
第６の室１８〜２３の下方部には、金種別収納部として
の金種別スタッカ２７が設けられ、この金種別スタッカ
２７は第１〜第６の室３５〜４０を有している。上記金
種別スタッカ２７の下方部にはその第１〜第６の室１８
〜２３から放出される硬貨を受けて搬送する第２の搬送
手段としての搬送コンベア３０が設けられている。

【００１９】前記搬送コンベア３０の搬出側には、第３
の搬送手段としての搬送コンベア３１が略垂直状態で設
けられ、この搬送コンベア３１は前記搬送コンベア３０
から搬出される硬貨を受けとり、これを上方へ搬送して
上記繰出部１４へ送り込むようになっている。

【００２０】また、上記繰出部１４の下部側には投入さ
れた異物を回収する異物回収部３２が配設されている。
さらに、前記異物回収部３２の下部側にはオ−バフロ−
スタッカ４５が設けられている。また、上記搬送コンベ
ア１６にはオ−バシュ−ト４４を介して上記オ−バフロ
−スタッカ４５が接続されている。上記オ−バ−フロ−
シュ−ト４４、オ−バ−フロ−スタッカ４５は、金種別
一時保留部２４が満杯のときに、入金された硬貨を収納
する際に用いられる。前記オ−バフロ−スタッカ４５の
内底部には搬送コンベア４６が設けられ、硬貨はこの搬
送コンベア４６の走行により搬出される。この硬貨は上
記搬送コンベア３０に送られ、さらに、前記搬送コンベ
ア３０から搬送コンベア３１に搬出されるようになって
いる。

【００２１】上記縦搬送コンベア３１に排出された硬貨
Ｋは上方へ搬送され、繰出部１４へ送り出されるように
なっている。また、上記第１の搬送コンベア１６の排出
側にはゲ−ト２９およびシュ−ト２６を介して水平に第
４の搬送コンベア４７が接続される。この搬送コンベア
４７の排出側には第５の搬送コンベア４８が接続され、
この第５の搬送コンベア４８により、硬貨は上方へ搬送
されて上記投入口部１２へ放出されるようになってい
る。

【００２２】しかして、入金時には、お客が操作部４３
の入金ボタンを操作することにより、扉１３が開放され
て投入口部１２が開口される。お客はこの開口された投
入口部１２に硬貨を投入する。この投入された硬貨は繰
出部１４に落下し、繰出部１４から１枚ずつ搬送コンベ
ア１５に整列された状態で繰り出されていく。この硬貨
は搬送コンベア１５および搬送コンベア１６の走行によ
り搬送され、検選部１７により、その金種が判別され
る。この金種が判別された硬貨はゲ−ト２９…の動作に
より、その金種に応じて金種別一時保留部２４の各室１
８〜２３に集積される。そして、操作部４３により、利
用者の確認情報が入力されると、金種別一時保留部２４
の各室１８〜２３に集積されていた硬貨は、落下されて
金種別スタッカ３５の各室３５〜４０に収納される。

【００２３】また、出金時には金種別スタッカ２７の各
室３５〜４０から硬貨が放出され、この硬貨は第２の搬
送コンベア３０により搬送される。この搬送コンベア３
０により搬送される硬貨は後述するホッパ５０に収容さ
れたのち、縦搬送コンベア３１により上方へ搬送されて
繰出部１４に送られる。この繰出部１４に送られた硬貨
は搬送コンベア１５および搬送コンベア１６により搬送
され、ゲ−ト２９の回動により、シュ−ト２６を介して
第４の搬送コンベア４７に送られる。この第４の搬送コ
ンベア４７に送られた硬貨は第５の搬送コンベア４８に
より上方へ搬送されて投入口部１２に出金される。

【００２４】ところで、上記搬送コンベア３０の搬出側
には、図１に示すように、収容部としてのホッパ５０が
設けられ、このホッパ５０内に前記搬送コンベア３０か
ら搬出される硬貨が収容されるようになっている。

【００２５】また、上記縦搬送コンベア３１は駆動ロ−
ラ５５と、この駆動ロ−ラ５５に掛け渡される搬送ベル
ト５６とによって構成され、前記搬送ベルト５６の搬送
面にはその走行方向に亘って突起部としてのリブ５７，
５７が突設されている。

【００２６】上記ホッパ５０には開口部５０ａ，５０ａ
が形成され、前記搬送ベルト５６のリブ５７，５７は上
記開口部５０ａ，５０ａを通過するようになっている。
また、上記ホッパ５０の上方部には図５にも示すよう
に、整位部材としての第１および第２のコイルスプリン
グ５８，５９が配設されている。このコイルスプリング
５８、５９は上記搬送ベルト５６の走行方向と直交する
方向に沿って設けられ、搬送ベルト５６の搬送方向に亘
って所定間隔を存して平行に配設されている。これらコ
イルスプリング５８，５９は上記搬送ベルト５６の搬送
面に対して所定間隔を存して設けられている。すなわ
ち、搬送ベルト５６の走行時にそのリブ５７，５７の上
端面がコイルスプリング５８，５９との間に僅かな隙間
を形成するような位置に設けられている。

【００２７】なお、６０は硬貨の搬送をガイドする上ガ
イド板である。しかして、第２の搬送コンベア３０から
搬出される硬貨Ｋはホッパ５０に収容され、検知器６１
によって検知されると、第３の搬送コンベア３１が動作
し、搬送ベルト５６が走行される。この搬送ベルト５６
の走行により、そのリブ５７，５７がホッパ５０の開口
部５０ａ，５０ａを通過してホッパ５０内の硬貨Ｋ…を
掻き上げて上方へと搬送する。

【００２８】ところで、この搬送時には、ホッパ５０内
の硬貨Ｋ…は不揃い状態で搬送ベルト５６のリブ５７，
５７によって掻き上げられて搬送される。この搬送され
る不揃い状態の硬貨Ｋは搬送途中において、整位用のコ
イルスプリング５８に当接して搬送方向と反対方向に蹴
飛ばされて整位搬送される。

【００２９】しかし、この不揃い状態の硬貨Ｋは図６に
示すように、重なった状態でコイルスプリング５８とリ
ブ５７との間で詰まってしまうことがある。この場合に
は、コイルスプリング５８が硬貨Ｋの押圧力により矢印
Ｆ方向に押し上げられて弾性変形し、コイルスプリング
５８とリブ５７の上端面との間の隙間が拡大される。こ
の隙間の拡大により硬貨Ｋは詰まることなく、コイリス
プリング５８とリブ５７、５７との間を通過することに
なる。

【００３０】また、コイリスプリング５８とリブ５７と
の間を通過しても整位されないで、たとえば、立ち上が
った状態で搬送される硬貨Ｋは下流側のコイルスプリン
グ５９に当接して矢印Ｇ方向に蹴られて整位される。

【００３１】なお、本発明は上記一実施例に限られるも
のではなく、図７に示すように、整位部材としての第１
および第２のコイルスプリング６５，６６の外径形寸法
を異ならせてもよい。

【００３２】すなわち、硬貨Ｋの搬送方向上流側に位置
するコイルスプリング６５の径よりも、下流側に位置す
るコイルスプリング６６の径を細くしても良い。この実
施例によれば、コイルスプリング６６とリブ５７との間
の隙間寸法を狭くしても、硬貨Ｋを良好に反搬送方向に
蹴ることができ、より一層確実に整位することができ
る。

【００３３】また、図８に示すように、整位部材として
のコイルスプリング７１をその中央部から２分割しても
良い。この実施例によれば、コイルスプリング７１の中
央部における逃げが大きくなり、不整列状態で搬送され
る硬貨Ｋにより無理な力が加わった場合でも、十分に整
列することができる。なお、上述した実施例では整位部
材としてコイルスプリングを用いたが、これに限られ
ず、棒状のスプリングを用いても同様な作用効果を奏す
る。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1或は第2のコイルスプリングと第３搬送手段の掻上部
材との間に硬貨が詰まった場合には、第1或は第2のコイ
ルスプリングが硬貨の押圧力により、弾性的に変位して
掻上部材との間の隙間を広げ、硬貨の通過を可能とす
る。

【００３５】したがって、従来のように第1或は第2のコ
イルスプリングと第３の搬送手段との間に詰まった硬貨
により第３の搬送手段の走行がロックされることがな
く、良好に搬送することができるという効果を奏する。

【００３６】また、第１及び第２のコイルスプリングを
第３搬送手段の硬貨搬送方向に亘って配設するから、硬
貨を複数段階で整位することができ、より一層確実に硬
貨を整位することができる。

【００３７】さらに、第３搬送手段の硬貨搬送方向の下
流側に位置する第２のコイルスプリングの径をその上流
側に位置する第１のコイルスプリングの径よりも細くす
るから、第２のコイルスプリングと掻上部材との間の隙
間を狭くしても硬貨の通過が可能となり、整位精度を高
めることができる。

【００３８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である硬貨の搬送コンベアを
示す斜視図。

【図２】図１の搬送コンベアを備える硬貨処理装置を示
す外観斜視図。

【図３】図２の硬貨処理装置の操作部を示す平面図。

【図４】図２の硬貨処理装置の内部を示す構成図。

【図５】図１の搬送コンベアによる硬貨の搬送状態を示
す説明図。

【図６】図１の搬送コンベアによる硬貨の搬送時におけ
る硬貨の整位部材の動作を示す説明図。

【図７】本発明の他の実施例である整位部材を示す構成
図。

【図８】本発明のさらに他の実施例である整位部材を示
す構成図。

【図９】従来の搬送コンベアにより搬送される硬貨の整
位機構を示す斜視図。

【図１０】図９の整位機構を示す側面図。

【図１１】図９の搬送ベルトのリブによる硬貨の掻き上
げ動作を示す説明図。

【図１２】図９の搬送ベルトによって搬送される硬貨の
逆転ロ−ラとリブとの間に詰まった状態を示す説明図。

【符号の説明】

Ｋ…硬貨、１２…投入部、１４…繰出部（繰出手段）、
１５，１６…搬送コンベア（第１搬送手段）、１７…検
選部（判別手段）、２７…金種別スタッカ（金種別収納
部）、３０…搬送コンベア（第２搬送手段）、５０…ホ
ッパ（収容部）、３１…搬送コンベア（第３搬送手
段）、５７…リブ（押上部材），５８，５９，６５，６
６，７１…コイルスプリング（整位部材）。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 硬貨が投入される投入部と、 この投入部に投入された硬貨を繰り出す繰出手段と、 この繰出手段により繰り出された硬貨を搬送する第1搬
   送手段と、 この第1搬送手段により搬送される硬貨の金種を判別す
   る判別手段と、 この判別手段により判別された金種に応じて硬貨を金種
   別に収納する金種別収納部と、 この金種別収納部から放出される硬貨を搬送する第2搬
   送手段と、 この第2搬送手段から搬出される硬貨を収容する収容部
   と、 この収容部に収容された硬貨を掻上部材により掻き上げ
   て不揃い状態で搬送する第3搬送手段と、 この第3搬送手段の硬貨搬送方向に亘って所定間隔を存
   して配設され、前記搬送される不揃い状態の硬貨を反搬
   送方向に蹴ることにより整位するとともに、前記不揃い
   状態の硬貨が掻上部材との間に詰まったときには、弾性
   的に変位して不揃硬貨を通過させる第1および第2のコイ
   ルスプリングとを具備し、 前記第2のコイルスプリングは前記第1のコイルスプリン
   グの硬貨搬送方向下流側に位置し、その径を前記第1の
   コイルスプリングの径よりも細く構成したことを特徴と
   する硬貨処理装置。