JP3263125B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP3263125B2
JP3263125B2 JP14268692A JP14268692A JP3263125B2 JP 3263125 B2 JP3263125 B2 JP 3263125B2 JP 14268692 A JP14268692 A JP 14268692A JP 14268692 A JP14268692 A JP 14268692A JP 3263125 B2 JP3263125 B2 JP 3263125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体に超音波を送信
し該被検体によって反射、散乱された超音波を受信し、
該被検体の断層像や血流動態を得る超音波診断装置に関
する。近年の超音波診断装置の進歩に伴い、リニア、セ
クタ、コンベックス等の多種多様な形状をした探触子が
実現され、探触子の周波数も徐々に高くなっている。
【0002】また、超音波診断装置が対象とする部位も
拡大し、肝臓、膵臓等の腹腔内の軟組織、心臓、頸部の
動・静脈等の脈管系および体表近くの病変の診断に使用
されている。その頸部血管は心臓と脳の血管の状態をほ
ぼ表しているので、動脈硬化の検診およびその治療にお
ける経過観察のために超音波診断装置が使用され、その
際には血流による超音波信号のドップラーシフトから血
流速度を得る超音波ドップラー法も通常の断層像による
診断と並行して用いられる。
【0003】頸部血管は体表とほぼ平行に走行している
ため、その超音波ドップラー法を用いて高い感度で血流
速度の計測を行うためには、ドップラー効果の原理から
超音波の送受信方向を血管の走行方向になるべく沿うよ
うにすることが必要になってくる。すなわち、リニア型
探触子を用い探触子表面の法線方向を向く超音波走査線
により矩形の走査領域を得る通常のリニア走査のほか
に、探触子表面の法線方向に対して傾いた超音波走査線
により平行四辺形の走査領域を得るリニアスラント走査
が必要であり、血管の走行方向に応じた様々なスラント
角での超音波走査のために、超音波送受信の際に探触子
を構成する各振動子へ与える遅延時間の設定が必要とな
る。
【0004】
【従来の技術】図8は従来の超音波診断装置の送信部を
示す図である。図9はその超音波診断装置による超音波
走査を示す図であり、同図(a)はスラント角が0°の
リニア走査を示すものであり、同図(b)はスラント角
がθ°のリニアスラント走査を示すものであり、同図
(c)は走査線番号4でのスラント角θ°のリニアスラ
ント走査及び走査線番号5でのスラント角0°のリニア
走査を示すものである。
【0005】図10は従来の遅延時間データ設定部10
7のメモリを示す図である。図11は従来の開口制御デ
ータ設定部108のメモリを示す図である。超音波診断
装置は超音波を送信するための送信系と被検体によって
反射、拡散された超音波を受信するための受信系とがあ
るが、簡単のため、送信系に限定して述べることにす
る。
【0006】図8に示すように、超音波診断装置の送信
部は探触子101と走査線データ設定部102と送信ビ
ームフォーマー部103で構成される。探触子101は
与えられた電気信号を超音波に変換して送信し、被検体
によって反射、拡散された超音波を受信し電気信号に変
換する複数の振動子101-1,101-2,…,101-iを有してい
る。
【0007】走査線データ設定部102は、焦点距離設
定部104と走査線番号設定部105とスラント角設定
部106で構成される。焦点距離設定部104は、探触
子101を構成する各振動子101-1,101-2,…,101-iから
送信する超音波を収束させる点である焦点の探触子10
1表面からの法線方向の距離を示す焦点距離を指定す
る。
【0008】リニア走査では、探触子101が有する複
数個の振動子101-1,101-2,…,101-iのうち何個かの振動
子から超音波を同時に送受信させ、順次超音波を送受信
させる振動子を変更する。走査線番号設定部105は超
音波走査線の番号を指定するものであって、走査線番号
を指定することにより、動作する複数の振動子から送信
される超音波を合成した超音波の中心に相当する位置が
決まり、該超音波が指定された走査線番号での超音波走
査線となる。
【0009】スラント角設定部106は超音波走査線の
走査方向を決定するために探触子101の法線方向とな
す偏向角(以下、スラント角と称する)が設定されてい
る。この走査線データ設定部102によって、探触子1
01の法線方向の焦点までの焦点距離と、動作する振動
子群から送信される超音波の合成の中心である超音波走
査線と、スラント角の指定により超音波走査線の走査方
向が決まる。
【0010】送信ビームフォーマー部103は遅延時間
データ設定部107と開口制御データ設定部108と送
信遅延部109と送信増幅部110と開口制御部111
で構成される。遅延時間データ設定部107には、振動
子から超音波を送信させる際に該振動子に与える遅延時
間が走査線データ設定部102により指定される焦点距
離、スラント角、走査線番号をアドレスとしてメモリに
設定されており、各振動子101-1,101-2,…,101-iにそれ
ぞれ対応するメモリを備えている。
【0011】開口制御データ設定部108には、焦点距
離、走査線番号、スラント角をアドレスとし、開口制御
部111のスイッチの開閉の制御を内容とするメモリを
各スイッチ111-1,111-2,…,111-iに接続される各振動子
101-1,101-2,…,101-iにそれぞれ対応して備えており、
読み出されるメモリの内容によって動作させる振動子を
選択して探触子101の開口を制御する。
【0012】その開口制御データ設定部108のメモリ
の内容は、焦点距離が遠い場合やスラント角が大きい場
合には開口が大きくなるように設定されている。例え
ば、走査線データ設定部102で指定される焦点距離が
5cmからDcmまで、スラント角が0°からR°ま
で、走査線番号が1からSまで、振動子を1からi番ま
でとすると、遅延時間データ設定部107は振動子の数
に対応したi個のメモリを有し、焦点距離がDcm、ス
ラント角がR°、走査線番号が番の場合にそれらをア
ドレスとするメモリの内容である遅延時間はtd(D,
R,)と表すものとする。
【0013】各振動子に対応するメモリにおいて、振動
子番号1番の振動子に対応するメモリの内容である遅延
時間は図10に示すようになる。また、開口制御データ
設定部108も振動子の数に対応したi個のメモリを有
し、図11に前記振動子番号1番の振動子に対応する開
口制御データ設定部108が有している開口制御部11
1のスイッチへの開閉の情報を内容とするメモリを示
す。
【0014】上記の焦点距離の範囲、スラント角の範
囲、超音波走査線の本数で図9(a)に示すような焦点
距離が5cm、スラント角が0°のリニア走査を行うと
すると、まず、走査線データ設定部102の焦点距離設
定部104で焦点距離、走査線番号設定部105で走査
線番号の1が指定され、その場合の超音波走査が行われ
る。
【0015】焦点距離設定部104によって焦点の焦点
距離が5cm、スラント角設定部106によってスラン
ト角が0°、走査線番号設定部105によって走査線番
号1が指定され、遅延時間データ設定部107が有して
いるメモリの図10に示す焦点距離5cm、スラント角
0°、走査線番号1をアドレスとするメモリの内容であ
る遅延時間td(5,0,1) が呼ばれる。
【0016】同時に、遅延時間データ設定部107の各
振動子101-1,101-2,…,101-iに対応するメモリからも焦
点距離、スラント角、走査線番号が一致しているアドレ
スのメモリの内容である遅延時間が呼ばれ、得られた遅
延時間は送信遅延部109の各振動子101-1,101-2,…,1
01-iに対応している送信遅延回路109-1,109-2,…,109-i
にセットされる。
【0017】各送信遅延回路109-1,109-2,…,109-iにセ
ットされた遅延時間を信号に与え出力し、送信増幅部1
10の送信増幅回路110-1,110-2,…,110-iによって該信
号を増幅する。また、図11に示す焦点距離5cm、ス
ラント角0°、走査線番号1をアドレスとする開口制御
データ設定部108が有するメモリを呼び、そのメモリ
の内容である開口制御部111のスイッチの開閉を制御
する情報によってスイッチの開閉を行う。
【0018】開口制御データ設定部108の制御によっ
て開口制御部111のスイッチが閉じられていれば、該
スイッチに入力される送信増幅部110からの信号は対
応する振動子に出力され、該振動子によって超音波に変
換され送信される。各振動子から送信された超音波は被
検体によって反射、拡散され、その反射、拡散された超
音波を動作している振動子が受信して電気信号に変換
し、図示しない受信ビームフォーマー部が送信ビームフ
ォーマー部103の遅延時間データ設定部107の送信
時の各振動子に対する遅延時間と同様の遅延時間を各振
動子によって受信した超音波の変換後の電気信号に与え
て、各振動子からの電気信号を合成して増幅、検波し、
走査線番号1の走査による画像を得る。
【0019】次に走査線番号設定部105によって走査
線番号2が指定され、上記と同様に走査を行い、走査線
番号Sまでの走査が終わると被検体の断層像が得られ
る。被検体の断層像を得ると同時に血流速度を計測する
ような場合には、図9(b)に示すように、スラント角
設定部106で希望するスラント角θ°を指定したリニ
アスラント走査を上記の走査と同様に行い、その走査時
に超音波ドップラー法を用いて送信した超音波の周波数
と受信した超音波の周波数から血流速度を求める。
【0020】これまでリニア型探触子を用いたリニア走
査について述べたが、次にセクタ走査およびコンベック
ス走査について簡単に述べる。セクタ走査は直線状に配
置された複数の振動子を有するセクタ型探触子を用い
て、一度の走査で探触子の全振動子を動作させるため探
触子の中心が常に開口の中心となる。
【0021】上記のリニア走査と同様に各振動子に遅延
時間を与えて超音波を送信し、被検体によって反射、散
乱された超音波を振動子で受信して送信時と同様の遅延
時間を与えて、該走査による画像を得る。さらに、超音
波を送信する際に各振動子に設定する遅延時間を変更す
ることにより、超音波走査線の走査方向を変えて放射状
に走査を行い、扇形の被検体の断層像を得る。
【0022】また、コンベックス走査は振動子を凸形に
配置したコンベックス型探触子を用いて、超音波走査線
の方向が振動子面と垂直になるように複数個の振動子の
うち何個かの振動子に遅延時間を与えて超音波を送信
し、被検体によって反射、散乱された超音波を振動子で
受信して送信時と同様の遅延時間を与えて、該走査によ
る画像を得る。
【0023】超音波走査線の方向は探触子の曲率の中心
から振動子の方向になるように送信するようにし、順次
送受信させる振動子を変更して放射状に走査を行うこと
により被検体の断層像を得る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、被検体の断層
像を得ると同時に血流速度を計測しようとする際に、血
管の走行方向等の関係から断層像と血流速度を最も感度
良く得るためには、様々なスラント角の中から最適なス
ラント角を求めて超音波走査を行わなければならない。
【0025】ところが、上記の構成で最適なスラント角
を求めてそのスラント角で走査するためには、各振動子
から送信される超音波にスラント角に対応した時間差を
与える遅延時間の設定をしなければならないために、様
々なスラント角に対応する各振動子の超音波送信の遅延
時間を遅延時間データ設定部のメモリに設定しなければ
ならない。
【0026】そのため、スラント角の設定の種類が多く
なると、それに伴いスラント角に対応した遅延時間を記
憶するために大きな容量のメモリが必要となる。また、
図9(c)に示すように、例えば、焦点距離が同一であ
って走査線番号4のスラント角θ°の場合と走査線番号
5のスラント角0°の場合の超音波走査線では、同一の
焦点で超音波走査を行うようになるため、この場合の遅
延時間データ設定部の各振動子に対応する各メモリの異
なるアドレスには、同一の遅延時間を設定することにな
りメモリの使用効率が悪くなる。
【0027】そのため、必要以上の容量のメモリを使用
しなければならない。従って、本発明はメモリを効率よ
く使用して、様々なスラント角での超音波走査を可能と
する超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
ある。図中、1は探触子であり、超音波を送受信するた
めの複数の振動子を有するものである。2は焦点指定手
段であり、該探触子1から送信する超音波の焦点を指定
するものである。
【0029】3は始点指定手段であり、該探触子1の開
口の中心となる超音波走査線の始点を指定するものであ
る。4は遅延時間設定手段であり、探触子(1)を構成
している各振動子ごとの遅延時間を、これらの振動子か
ら送信される超音波の焦点に応じるとともにスラント角
度には非依存に焦点ごとに記憶し、超音波の送信および
受信の際に各振動子ごとの遅延時間を振動子へ与える
ものである。
【0030】5は開口指定手段であり、該始点指定手段
3が指定する始点によって、動作させる探触子1の振動
子を選択するものである。
【0031】
【作用】本発明では、始点指定部3で探触子1の開口の
中心である超音波走査線の始点を、焦点指定部2で探触
子1から送信する超音波の焦点を指定することにより、
始点と焦点から超音波走査線の方向を決める。すなわ
ち、始点と焦点の指定により超音波走査線の方向を決め
るスラント角が決定するため、従来のようにスラント角
を指定しなくても焦点の指定により様々なスラント角で
走査することができ、各振動子から送信または受信する
超音波に与える遅延時間をスラント角に応じて設定する
必要がなくなる。
【0032】また、本発明ではスラント角に応じて遅延
時間をメモリに設定するのではなく、焦点に応じて各振
動子で送信および受信する超音波に与える遅延時間をメ
モリに設定するようにしたため、図9(c)に示すよう
な異なる走査線番号、すなわち超音波走査線の始点が異
なって焦点が同一である超音波走査を行う場合が生じて
も、各振動子に対応したメモリの異なるアドレスには同
一の遅延時間を設定することがなくなる。
【0033】
【実施例】以下、図面を用いて実施例を詳細に説明す
る。図2は本発明の実施例である超音波診断装置の送信
部を示す図である。図3は本発明による遅延時間データ
設定部のメモリを示す図である。図4は本発明による開
口制御データ設定部のメモリを示す図である。
【0034】図5は超音波走査線の始点および焦点の指
定を示す図である。本実施例では、簡単のため超音波診
断装置の送信系に限定して説明するが、受信系について
も同様である。図5に示すように、本実施例では焦点位
置をX−Y座標で表し、水平方向をX軸、垂直方向をY
軸にとり、X座標を1からMまで、Y座標を1からNま
でとり、焦点の数をM×N個とし、探触子が1からi番
の振動子を有しているものとする。
【0035】図2に示すように、本発明の走査線データ
設定部102は始点データ設定部202と焦点データ設
定部201で構成される。始点データ設定部202は探
触子101の開口の中心であって、それぞれ動作する振
動子から送信される超音波を合成した超音波の中心とな
る超音波走査線の始点をX座標で指定し、焦点データ設
定部201はX座標、Y座標を指定することによって焦
点位置を指定する。
【0036】例えば、スラント角が0°のリニア走査を
行うとする。図5に示すような走査の場合には、始点デ
ータ設定部202によって始点となるX座標が7、焦点
データ設定部201によって焦点となるX座標が7、Y
座標が7と指定される。送信ビームフォーマー部103
の遅延時間データ設定部203は各振動子が超音波を送
信する際の遅延時間を設定しているメモリを各振動子に
対応して有しており、焦点となるX座標とY座標をアド
レスとしてメモリの内容である遅延時間が呼ばれ、その
メモリの内容である遅延時間はtd(X,Y) と表すものとす
る。
【0037】この走査の場合、図3に示す振動子番号1
番の振動子に対応する遅延時間データ設定部203のメ
モリにおいては、焦点となるX座標が7、Y座標が7な
ので、これをアドレスとするとメモリの内容である遅延
時間td(7,7)が呼ばれる。各振動子に対応するメ
モりについても同様に焦点となるX座標が7、Y座標が
7をアドレスとしてメモりに設定している遅延時間が呼
ばれ、得られた遅延時間は送信遅延部109の各振動子
に対応している送信遅延回路109−1,109−2,
…,109−iのうちの振動子番号1番の送信遅延回路
109−1にセットされる。振動子番号1番の振動子以
外の振動子についても、各振動子に対応する各メモリか
らその焦点(X座標が7、Y座標が7)をアドレスとす
る各振動子ごとの遅延時間が呼ばれ、各振動子に対応し
ている各送信遅延回路109−2,…,109−iにセ
ットされる。
【0038】各送信遅延回路109-1,109-2,…,109-iにセ
ットされた遅延時間を信号に与え出力し、送信増幅部1
10の送信増幅回路110-1,110-2,…,110-iによって該信
号を増幅する。また、図4に示すように、開口制御デー
タ設定部204の振動子番号1番の振動子に対応する開
口制御部111のスイッチを制御するために、焦点とな
るX座標の7、Y座標の7、始点となるX座標の7をア
ドレスとするメモリの内容をスイッチに出力する。
【0039】開口制御データ設定部204の制御によっ
て開口制御部111のスイッチが閉じられていれば、該
スイッチに入力される送信増幅部110からの信号は対
応する振動子に出力され、該振動子によって超音波に変
換され送信される。各振動子から送信された超音波は被
検体によって反射、拡散され、その反射、拡散された超
音波を動作している振動子が受信して電気信号に変換
し、図示しない受信ビームフォーマー部が送信ビームフ
ォーマー部103の遅延時間データ設定部203の送信
時の各振動子に対する遅延時間と同様の遅延時間を各振
動子によって受信した超音波を変換した電気信号に与え
て、各振動子からの電気信号を合成して増幅、検波し、
始点となるX座標が7での走査による画像を得る。
【0040】同様に、いくつかの超音波走査線の始点と
焦点を指定して、各走査による画像を得て被検体の断層
像を得る。被検体の断層像を得ると同時に血流速度を計
測するような場合には、始点データ設定部202で指定
する始点となるX座標と異なるX座標の焦点を焦点デー
タ設定部201で指定することにより、スラント角を生
じるようにして上記の走査と同時に超音波ドップラー法
を用いて、送信した超音波の周波数と受信した超音波の
周波数から血流速度を求める。
【0041】図6はリニア走査における各振動子への遅
延時間の設定を示す図であり、同図(a)は始点と焦点
のX座標が同一の場合、同図(b)は同図(a)と同一
の始点で焦点を平行移動させた場合、同図(c)は同図
(a)の焦点と同一で始点を平行移動させた場合を示す
ものである。図6(a)、(b)、(c)の振動子は全
て1からi番までで、焦点のY座標は同一であり、探触
子の太線枠は開口を示している。
【0042】図6(a)は始点と焦点のX座標が同一で
ある場合の走査、すなわちスラント角が0°のリニア走
査を示すものである。図に示すように、始点となるX座
標に位置する振動子に対応するメモリに最大の遅延時間
を設定し、それぞれの振動子に対応するメモリには各振
動子から焦点までの距離に応じて遅延時間を設定する。
【0043】図6(b)は同図(a)と同一の始点で焦
点を平行移動させた場合の走査を示すものである。始点
と焦点のX座標の指定を異なるものにすることにより、
法線方向とθ°傾いた超音波走査となるため、スラント
角θ°を指定したリニアスラント走査を行うものと同様
の走査となる。
【0044】図6(b)に示すように、始点を同一にし
て焦点を一つ平行移動することにより、焦点から最も近
い振動子に対応するメモリに最大の遅延時間を設定す
る。他の振動子に対応するメモリにも各振動子から焦点
までの距離に応じて遅延時間を設定するが、その各振動
子に対応するメモリに設定する各遅延時間は同図(a)
の各振動子に対応するメモリへ設定する遅延時間を焦点
の移動方向に移動分シフトしたものと同様である。
【0045】図6(c)は同図(a)と同一の焦点で始
点を平行移動させた場合の走査を示すものである。同図
(a)の始点を焦点間隔の一つ分平行移動させ、同図
(a)の焦点と同一にしているため、同図(b)と同様
にスラント角θ°を指定したリニアスラント走査を行う
ものと同様の走査となり、同図(b)のリニアスラント
走査で一つ焦点を移動して走査しているものと同様であ
る。
【0046】従って、同図(a)と焦点が同一であるた
め、各振動子に対応するメモリから呼ばれる遅延時間は
同図(a)と同様のアドレスから呼ばれるものであり、
同図(b)の各振動子に対応するメモリから呼ばれる遅
延時間を焦点の移動方向に移動分シフトしたものと同様
になる。図7はコンベックス走査における各振動子への
遅延時間の設定を示す図であり、同図(a)は始点と焦
点のX座標が同一の場合、同図(b)は同図(a)と同
一の始点で焦点を移動させた場合、同図(c)は同図
(a)の焦点と同一で始点を移動させた場合を示すもの
である。
【0047】コンベックス走査に使用するコンベックス
探触子は振動子を凸形に配置したものであり、このコン
ベックス走査の場合のX−Y座標の設定と焦点の配置
は、X座標は探触子に沿った円弧方向に各円弧上で等間
隔にとり、Y座標は探触子の曲率の中心から放射方向に
等間隔にとり、各座標上に焦点を配置する。図7
(a)、(b)、(c)の振動子は全て1からi番まで
で、焦点のY座標は同一であり、探触子の太線枠は開口
を示している。
【0048】図7(a)は始点と焦点のX座標が同一で
ある場合の走査、すなわちスラント角が0°のコンベッ
クス走査を示すものである。図に示すように、始点とな
るX座標に位置する振動子に対応するメモリに最大の遅
延時間を設定し、それぞれの振動子に対応するメモリに
各振動子から焦点までの距離に応じて遅延時間を設定す
る。
【0049】図7(b)は同図(a)と同一の始点で焦
点を回転移動させた場合の走査を示すものである。始点
と焦点のX座標の指定を異なるものにすることにより、
法線方向とθ°傾いた超音波走査となるため、スラント
角θ°を指定したコンベックススラント走査を行うもの
と同様の走査となる。
【0050】図7(b)に示すように、始点を同一にし
て焦点を一つ回転移動することにより、焦点から最も近
い、すなわち探触子の曲率の中心と焦点を結ぶ線上にあ
る振動子に対応するメモリに最大の遅延時間を設定す
る。他の振動子に対応するメモリにも各振動子から焦点
までの距離に応じて遅延時間を設定するが、その各振動
子に対応するメモリに設定する各遅延時間は同図(a)
の各振動子に対応するメモリに設定する遅延時間を焦点
からの最小距離にある振動子の移動方向に移動分シフト
したものと同様である。
【0051】図7(c)は同図(a)と同一の焦点で始
点を回転移動させた場合の走査を示すものである。同図
(a)の始点のX座標を一つ分移動させ、同図(a)の
焦点と同一にしているため、同図(b)と同様にスラン
ト角θ°を指定したリニアコンベックス走査を行うもの
と同様の走査となり、同図(b)のリニアコンベックス
走査で一つ焦点を移動して走査しているものと同様であ
る。
【0052】従って、同図(a)と焦点が同一であるた
め、各振動子に対応するメモリから呼ばれる遅延時間は
同図(a)と同様のアドレスから呼ばれるものであり、
同図(b)の各振動子に対応するメモリから呼ばれる遅
延時間を焦点の移動方向に移動分シフトしたものと同様
になる。同図(b)、(c)ともに曲率の中心と焦点を
結ぶ線上にある振動子に対応するメモリへ最大の遅延時
間が設定される。
【0053】本発明によるセクタ走査の場合はリニア走
査と同様の焦点配置をして、始点を固定し焦点を始点か
ら放射状の位置にとるように指定して、各焦点に応じて
設定されている遅延時間を各振動子に与えることにより
超音波走査を行うか、もしくは開口の中心となる探触子
の中心、つまり始点から放射状の位置になるように焦点
配置をして、各焦点に応じて設定されている遅延時間を
各振動子に与えることにより超音波走査を行う。
【0054】本発明の実施例において、開口制御データ
設定部204の各振動子に対応するメモリのアドレスを
超音波走査線の始点として指定可能な全てのX座標、焦
点となるX座標、Y座標として、振動子を動作させるた
めのデータをメモリに設定して超音波走査を行ったが、
超音波走査線の始点として指定可能な全てのX座標と焦
点となるX座標をアドレスとしてメモリにデータを設定
してもいいし、超音波走査線の始点として実際に指定さ
れるX座標と焦点となるX座標をアドレスとしてメモリ
にデータを設定して超音波走査を行うことも可能であ
る。
【0055】さらに、超音波走査線の始点として指定可
能な全てのX座標のみをアドレスとしてメモリにデータ
を設定してもいいし、超音波走査線の始点として実際に
指定されるX座標のみをアドレスとしてメモリにデータ
を設定して超音波走査を行うことも可能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動子が超音波送信および受信する際の遅延時間をスラ
ント角ごとにメモリに設定することがなくなるので、各
振動子に対応するメモリへの遅延時間の設定において、
必要とするメモリの使用容量を節約することができる。
【0057】また、異なる始点から同一の焦点に向けて
の超音波走査を行うような場合に、同一の遅延時間を各
振動子に対応するメモリの異なるアドレスに設定するこ
とがなくなるため、メモリの使用効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の超音波診断装置の送信部を示す図であ
る。
【図3】本発明による遅延時間データ設定部のメモリを
示す図である。
【図4】本発明による開口制御データ設定部のメモリを
示す図である。
【図5】超音波走査線の始点および焦点の指定を示す図
である。
【図6】リニア走査における各振動子への遅延時間の設
定を示す図であり、同図(a)は始点と焦点のX座標が
同一の場合、同図(b)は同図(a)と同一の始点で焦
点を平行移動させた場合、同図(c)は同図(a)の焦
点と同一で始点を平行移動させた場合を示すものであ
る。
【図7】コンベックス走査における各振動子への遅延時
間の設定を示す図であり、同図(a)は始点と焦点のX
座標が同一の場合、同図(b)は同図(a)と同一の始
点で焦点を移動させた場合、同図(c)は同図(a)の
焦点と同一で始点を移動させた場合を示すものである。
【図8】従来の超音波診断装置の送信部を示す図であ
る。
【図9】従来の超音波診断装置による超音波走査を示す
図であり、同図(a)はスラント角が0°のリニア走査
を示すものであり、同図(b)はスラント角がθ°のリ
ニアスラント走査を示すものであり、同図(c)は走査
線番号4でのスラント角θ°のリニアスラント走査及び
走査線番号5でのスラント角0°のリニア走査を示すも
のである。
【図10】従来の遅延時間データ設定部のメモリを示す
図である。
【図11】従来の開口制御データ設定部のメモリを示す
図である。
【符号の説明】
1,101 探触子 101-1,101-2,…,101-i スイッチ 2,201 焦点データ設定部 3,202 始点データ設定部 4,203 遅延時間データ設定部 5,204 開口制御データ設定部 102 走査線データ設定部 104 焦点距離設定部 105 走査線番号設定部 106 スラント角設定部 103 送信ビームフォーマー部 109 送信遅延部 109-1,109-2,…,109-i 送信遅延回路 110 送信増幅部 110-1,110-2,…,110-i 送信増幅回路 111 開口制御部 111-1,111-2,…,111-i スイッチ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探触子(1)を構成する複数の振動子か
    ら被検体に超音波を送信し、該被検体内で反射された超
    音波を振動子で受信して受信信号に変換し、該受信信号
    に基づいて前記被検体内部の画像を得る、スラント走査
    自在な超音波診断装置において、 前記探触子(1)を構成している振動子から送信する超
    音波の焦点を指定する焦点指定手段(2)と、 該探触子(1)の開口の中心を指定する始点指定手段
    (3)と、該探触子(1)を構成している各振動子ごとの遅延時間
    を、これらの振動子から送信される超音波の焦点に応じ
    るとともにスラント角度には非依存に焦点ごとに 記憶
    し、焦点指定手段(2)により指定される焦点に対応し
    各振動子ごとに記憶している遅延時間を各振動子に
    与える遅延時間設定手段(4)と、 該始点指定手段(3)が指定する始点によって、動作さ
    せる探触子(1)の振動子を選択する開口指定手段
    (5)と、 を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 前記焦点指定手段(2)で指定する焦点
    と前記始点指定手段(3)で指定する始点によって、動
    作させる探触子(1)の振動子の選択をする開口指定手
    段(5)を有することを特徴とする前記請求項1記載の
    超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 リニア走査の際に、指定される前記焦点
    は、焦点の行が前記探触子(1)の表面と平行で、かつ
    焦点の列が該探触子(1)の表面の法線方向の位置に設
    定された複数の焦点のいずれかであることを特徴とする
    前記請求項1または請求項2記載の超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 セクタ走査の際に、指定される前記焦点
    は、焦点の行が前記振動子(1)の表面と平行で、かつ
    焦点の列が該探触子(1)の表面の法線方向の位置に設
    定された複数の焦点のいずれかである、または、探触子
    (1)の中心から放射状の位置に設定された複数の焦点
    のいずれかであることを特徴とする前記請求項1または
    請求項2記載の超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 コンベックス走査の際に、指定される前
    記焦点は、前記探触子(1)の曲率の中心から放射状の
    位置にあることを特徴とする前記請求項1または請求項
    2記載の超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 複数の振動子を有する、スラント走査自
    在な超音波診断装置であって、前記各振動子ごとの遅延
    時間を、焦点に応じるとともにスラント角度には非依存
    焦点ごとに記憶し、焦点の指定により該焦点に対応し
    各振動子ごとに記憶している遅延時間を各振動子に
    与える遅延時間設定手段(4)を有することを特徴とす
    る超音波診断装置。
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