JP3263086B2 - 機械的適応性が改善された非平面的可撓性物品および製造方法 - Google Patents

機械的適応性が改善された非平面的可撓性物品および製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、機械的適応性が改善された照射成形組成
物、このような組成物の製造方法、およびその組成物か
ら製造される物品およびその物品の製造方法に関する。
応力亀裂または環境応力亀裂(ESC)は、静的機械応
力と薬品暴露を同時に受けた時のプラスチック部品の脆
性破壊である。同様に、環境疲労(EF)は、動的機械応
力と薬品暴露を同時に受けたときの部品の破壊または亀
裂である。不十分な耐環境応力亀裂性または耐環境疲労
性は、部品の有効寿命の大幅な短縮をもたらす。
可撓性成形品は、様々な包装、ディスペンサ、ポン
プ、靴または保護機械ブーツに使用されている。これら
可撓性成形品は、所望の有効寿命の間、実質的に同じ機
械特性を保持することが理想的である。しかし、理想的
とは言えない環境、特に攻撃性化学的薬品の存在下で機
械的に使用される際に、このような物質に晒されること
により可撓性成形品を、従ってこれら製品の性能または
有効寿命を攻撃または変更することがある。
これらの可撓性成形品は、広範囲の薬品に晒されてい
る間の機械的繰り返しに亀裂を生じないで耐えることが
望ましい。これらの製品は、圧縮状態で長時間が経過し
た後に寸法安定性を保持していることが好ましい。寸法
が安定していることにより、前記製品は圧縮された形状
に固まらずに自然な非圧縮位置へ跳ね返ることができ
る。また、これらの製品が薬品と接触した状態で長時間
にわたって圧縮されているとき、部品の壁を貫通する亀
裂または開口の発生および機械的特性の変化の両方また
は何れか一方を発生する可能性のある環境応力亀裂に耐
えることが望ましい。
可撓性成形品は、広範囲の化学的環境下で使用できる
ことが望ましい。しかし、広範囲の化学的環境下で有用
な、可撓性成形品に適した高分子材料を創造することは
困難であることが分かっている。
例えば、攻撃性化学的環境が存在しないか、特定の1
種類の攻撃性化学的環境下において、機械的設計基準を
満たす可撓性ばね様成形品を製造するために、多くのエ
ラストマー材料を使用することができる。しかし、酸性
溶液に適した材料は、アルカリ性または酸化媒体には不
向きなことがある。また、希釈アルコール溶液で耐応力
亀裂性を有する材料は、香料、例えば、テルペンをベー
スにした香料、を添加した後に亀裂を生じることがあ
る。より詳細には、ポリエステルやポリアミド等の熱可
塑性エラストマーは、製品にばね様の性質を与える。し
かし、これらの材料は、化学崩壊のため極端なpH状態に
対する化学的耐性に欠ける。熱可塑性ウレタンエラスト
マーは、広範囲の機械的特性を備え、可撓性ばね様装置
の機械的設計要件を満たすことができる。しかし、これ
ら材料は、アルカリ溶液に晒されると劣化することがあ
る。ポリ(塩化ビニル)あるいはプロピレンとスチレン
−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体との
混合物等の樹脂は、高可塑化時により高い耐薬品性を示
すが、可撓性ばね様装置に必要な耐圧縮永久歪み性また
は動応答性の何れかに欠ける。低結晶度または低密度ポ
リエチレンまたはエチレン共重合体は、一般的に好都合
な弾性係数および良好な耐薬品性を提供する。しかし、
これらの材料は、射出成形には不向きである超高分子量
樹脂を使用しなければ、環境応力亀裂を生じることが多
いであろう。このため、広範囲の化学的環境下で、好ま
しくは水溶液または乳濁液内で使用できる可撓性ばね様
製品用の材料の選択が困難になる。
あるいは、特定種類の化学的用途に対して幾つかの材
料を選択した場合、製造コストが非常に高くなることが
ある。例えば、各材料は成形中に固有の収縮を示すた
め、寸法公差を達成するためには多くの場合に各材料の
収縮に合わせた個別の型を作製する必要がある。従っ
て、同一部品であるが異なった流体内で使用される部品
を製造するために、様々な熱可塑性材料の収縮に合わせ
て幾つかの型を使用すると、製造コストの増加を招く。
従って、できる限り少ない材料を使用することによっ
て、理想的には1つの材料を使用することによってこの
コストを最小限に抑えることが望ましい。
特に重要な1つの適用例は、化学的用途でのベローズ
等の可撓性ばね様装置の使用である。ベローズを製造す
る技術は既知である。例えば、1993年8月17日にナカジ
マに発行された米国特許第5,236,656号は、合成樹脂ベ
ローズの射出吹込成形方法を開示している。1995年8月
8日にピーターソン(Peterson)に発行された米国特許
第5,439,178号は、ポリプロピレン、低密度ポリエチレ
ン、エチレン酢酸ビニル、ゴムおよび熱可塑性エラスト
マー等のポリオレフィンから構成できるベローズを有す
るポンプを開示している。1988年8月25日に国際公開さ
れたチェイノル(Cheynol)他の国際特許公開公報第W08
8/06088号は、第1段階で粗成形ベローズを第1型に射
出され、次いで、ベローズの必要形状が得られるまで、
第2型内で粗成形品のリブを個別に、または、まとめ
て、吹き込みするようにしたトランスミッション装置用
の保護ベローズの製造方法および装置を開示している。
しかし、これらの特許は、化学的環境下で幅広い使用
に適したベローズの製造について検討していない。即
ち、化学的用途の可撓性ばね様装置では、このような用
途の要件を満たすために何れの材料についても1つまた
は複数の材料特性の強化を必要とする。
例えば、ポリエチレンおよびエチレン共重合体の耐環
境応力亀裂性を強化する方法が知られている。これらの
方法には、過酸化物または照射によるポリエチレンの架
橋が含まれる。過酸化物による架橋には、粘性の増加、
局部的スコーチおよび健康上の問題等の欠点がある。照
射による架橋にはこれらの欠点が伴わない。
熱可塑性樹脂の照射は、以下の従来技術の参考文献に
示されているように当該技術では周知である。
即ち、参考文献は、1958年10月7日にレイナー(Rain
er)他に発行された米国特許第2,855,517号、モダーン
・プラスチックス(Modern Plastics)第34巻、第11号
(1957年)の第129〜132、134および第136頁のランザ
(Lanza).V.L.の「ポリエチレンに関する照射の効
果」、1959年9月29日にロートン(Lawton)他に発行さ
れた米国特許第2,906,678号、モダーン・プラスチック
ス第38巻、第10号(1961年)の第105〜106、第109,第11
0,第113,第116,第119,第190および第192頁のオランダ
ー、ジョン(Olander,John)の「照射装置の入門書」、
1963年9月3日にレインソン(Lainson)に発行された
米国特許第3,102,303号、1964年4月21日にハーパー(H
arper)他に発行された米国特許第3,130,139号、1971年
2月16日にタング(Tung)他に発行された米国特許第3,
563,870号、1973年5月22日にタブス(Tubbs)に発行さ
れた米国特許第3,734,843号、1973年11月20日にスピラ
ーズ(Spillers)に発行された米国特許第3,773,870
号、1974年1月1日にゼッペンフェルド(Zeppenfeld)
に発行された米国特許第3,783,115号、1977年9月20日
にカンメル(Kammel)他に発行された米国特許第4,049,
757号、1981年4月28日にブランドルフ(Brandolf)に
発行された米国特許第4,264,661号、1983年1月4日に
アデルマン(Adelmann)他に発行された米国特許第4,36
7,186号、1986年4月15日にホフマン(Hoffman)に発行
された米国特許第4,582,656号、1991年10月29日にデプ
シック(Depcik)に発行された米国特許第5,061,415
号、および1991年12月27日に公告された日本特許公告公
報第098850号である。
しかし、上記従来技術参考文献の何れも、攻撃性化学
的用途における可撓性製品の環境疲労寿命を改善する方
法を開示または示唆していない。
発明の概要 本発明は、攻撃性化学的環境下における機械的適応性
を改善した処理非平面的物品を製造する方法を提供する
ものである。この方法は、アルファーオレフィンとエチ
レン不飽和カルボキシルエステルかまたはアクリル酸ア
ルキルとの共重合体のうちの少なくとも一つの共重合体
からなる熱可塑性樹脂を、可撓性部分を有する最初の非
平面的物品に形成する段階と、可撓性部分を有する処理
非平面的物品を形成するために、前記最初の非平面的物
品に一定量の放射エネルギを照射する段階とからなる。
放射エネルギの照射は、照射中に熱可塑性樹脂物品の温
度がそれの融点を超えないようにする一方、攻撃性化学
的環境におけるその物品の機械的適応性を改善するのに
十分であるように行う必要がある。
機械的適応性の改善とは、攻撃性化学的環境に晒され
ている間の処理非平面的物品の圧縮永久歪み係数を、同
じ攻撃性化学的環境下での最初の未処理非平面的物品の
圧縮永久歪み係数に比して改善することである。
また、機械的適応性の改善とは、攻撃性化学的環境に
晒されている間の処理非平面的物品の環境応力亀裂また
は環境疲労に対する耐性を、同じ攻撃性化学的環境下の
最初の未処理非平面的物品が圧縮永久歪み係数または機
械的特性を維持している場合に、この最初の未処理物品
の環境応力亀裂または環境疲労それぞれに比して改善す
ることである。
また、機械的適応性の改善とは、攻撃性化学的環境に
晒されている間の非平面的物品の圧縮永久歪み係数と環
境応力亀裂および環境疲労の双方を、同じ攻撃性化学的
環境下の最初の未処理非平面的物品の圧縮永久歪み係数
と環境応力亀裂または環境疲労に比べて改善することで
ある。
また、本発明は、アルファーオレフィンとエチレン不
飽和カルボキシルエステルかまたはアクリル酸アルキル
との共重合体のうちの少なくとも一つの共重合体からな
る熱可塑性樹脂をまず照射し、次に、場合によっては粒
子状に粉砕し、所望形状に成形できることを提供してい
る。この粉砕粒子は、未照射熱可塑性樹脂と混合して、
その混合物を所望形状に成形することができる(場合に
よっては、この成形品にさらに照射する)。
また、本発明は、上記照射熱可塑性樹脂の溶融粘性が
成形できる程度に低い場合、最初に熱可塑性樹脂に照射
し、所望形状の物品に成形できることを提供している。
また、本発明は、上記照射熱可塑性樹脂から成る可撓
性部分を有する非平面的物品を提供している。
また、本発明は、潜在エネルギ部分を含む非平面的物
品を提供している。この潜在エネルギ蓄積部分は、照射
熱可塑性樹脂を含み、低潜在エネルギの位置と高潜在エ
ネルギの位置との間で反復移動するのに適している。
図面の簡単な説明 第1図は、実施例1のベローズ30の斜視図である。
第2図は、第1図のベローズ30の側面図である。
第3A図、第3B図および第3C図は、圧縮永久歪み試験を
実施中ベローズ30の概略図である。
第4A図および第4B図は、耐環境応力亀裂性試験または
環境疲労試験を実施中のベローズ30の概略図である。
第5図は、環境疲労試験を実施中のベローズ30の概略
図である。
発明の詳細な説明 本明細書では以下の用語定義を用いる。
攻撃性化学的環境とは、物品を入れるか、使用中に物
品が接している熱可塑性樹脂物品の化学的または物理的
特性または性質に悪影響を与え得る全ての蒸気、液体ま
たは固体環境のことをいう。
圧縮永久歪み試験とは、図1に示されている標準的な
ベローズ等の物品の可撓性部分を、可撓性部分の長さが
L1である第1位置から可撓性部分の圧縮長さがL2である
第2位置まで力F1で圧縮して、一定の攻撃性化学的環境
下の温度で一定時間にわたって圧縮長さL2に保持する試
験のことをいう。なお、この可撓性部分は、一定時間後
にその環境から取り出され、歪みのない可撓性部分の長
さがL3である第3位置まで伸長される。また、その後、
物品に力F2が加えられて、可撓性部分を第3位置(L3)
から第2位置(L2)まで圧縮するか、あるいは、物品を
圧縮状態の第2位置(長さL2)に戻して、その環境にさ
らなる時間にわたって置かれる。
耐圧縮永久歪み性とは、圧縮永久歪み試験の後にベロ
ーズ等の物品の可撓性部分が一定温度で第2位置または
その付近に永久的に固定される場合の耐性のことをい
う。
残留圧縮力(Compression Force Residual)(CFR)
は、力F1に対する力F2の比率、即ちF2/F1のことをい
い、F1およびF2は圧縮永久歪み試験で定められる。
圧縮力率とは、非照射または未処理品の残留圧縮力
(CFR)に対する照射物品の残留圧縮力の比率のことを
いう。
圧縮永久歪み係数(CSI)とは、長さL1と長さL2との
差に対する長さL1と長さL3との差の比率を100倍したも
のをいい、長さL1、L2およびL3は圧縮永久歪み試験によ
って定められる。
圧縮永久歪み率(CSR)とは、照射前の熱可塑性樹脂
物品の可撓性部分の圧縮永久歪み係数(CSI)に対する
熱可塑性樹脂物品の照射可撓性部分の圧縮永久歪み係数
(CSI)の比率のことをいう。
耐環境応力亀裂性(ESCR)とは、攻撃性化学的環境に
晒されている間に、可撓性部分を圧縮または歪み状態に
保持または拘束することによって、熱可塑性可撓性部分
に亀裂が生じることに対する熱可塑性樹脂物品の可撓性
部分の耐性のことをいう。
耐環境疲労性(EFR)とは、攻撃性化学的環境に晒さ
れている間、前記可撓性部分に接続的、かつ周期的に荷
重を加えて上記試験前の歪みのない第1位置(長さL1)
から圧縮された第2位置(長さL2)まで変化させること
によって、該熱可塑性可撓性部分に亀裂が生じることに
対する熱可塑性樹脂物品の可撓性部分の耐性のことをい
う。
本発明では、物品を様々な化学的環境で、好ましくは
水をベースにした環境での適応を可能とするように変更
できる。最終用途の化学的環境を最初に決定してから、
その環境に適した熱可塑性樹脂が選択される。物品の材
料は、攻撃性化学的環境下での化学的攻撃に耐え、攻撃
性化学的環境下の流体による過剰膨潤に堪え、照射によ
り架橋性を示し、低弾性係数を備えた熱可塑性樹脂から
選択される。好ましくは、重合体は、射出成形による製
造方法を使用するのに適したメルトインデックスを有す
るように選択される。
一般的には照射によって架橋性を示す材料が適してい
る。これらの材料は、照射によって鎖切断(分子量の低
下を招く結合破壊による劣化)反応よりも多くの架橋反
応を行うことが好ましい。
熱可塑性樹脂材料は、一般的に、照射後に攻撃性化学
的環境における機械的適応性を与え、また、一般的に可
撓性を有するか、使用温度において可撓性を有するよう
に変質することができる。従って、これらの照射熱可塑
性樹脂物品は、本発明で特定した非架橋性物品よりも優
れた機械的および化学的利点を与えることができる。
さらに、照射熱可塑性樹脂物品は一般的に加工しにく
い。これらの物品は、融点以上に加熱したときに実質的
に流れが妨げられる。加熱プレートから融点以上まで加
熱されている前記物品に10,000lbs(4545.5kg)という
ような圧力を加えても、前記物品の流れがあまり発生し
ない。反対に、非照射の、即ち、ゲルのない熱可塑性樹
脂物品は、融点以上に加熱され、加熱プレート間で10,0
00lbs(4545.5kg)の力で圧縮されたときに、薄膜に成
形することができる。
本発明は、放射エネルギで処理された熱可塑性樹脂物
品の可撓性部分についての物理的特性あるいは性質、ま
たは、化学的特性あるいは性質を改善することができ
る。1つの実施例では、物品は、攻撃性化学的環境で良
好な環境応力亀裂または環境疲労を示すが、攻撃性化学
的環境下での物理特性あるいは性質(例えば、圧縮永久
歪み係数)が低から中程度の未処理熱可塑性樹脂から形
成される。一例として、28重量%の酢酸ビニルを含むエ
チレン酢酸ビニル共重合体(EVA)から成るベローズ
は、EFRが良好であるが、CSRが低い。この熱可塑性樹脂
を本発明に従い放射エネルギで処理すると、この処理熱
可塑性樹脂物品の物理特性(例えば圧縮永久歪み係数)
を改善することができる。
別の実施例では、物品は、攻撃性化学的環境下で良好
な物理特性あるいは性質(例えば、圧縮永久歪み係数)
を示すが、攻撃性化学的環境下での環境応力亀裂または
環境疲労が低から中程度である未処理熱可塑性樹脂から
形成される。一例として、9重量%の酢酸ビニルを含む
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)から成るベローズ
は、CSRが良好であるが、EFRが低い。本発明に従いこの
成形熱可塑性樹脂を放射エネルギで処理することによっ
て、この処理熱可塑性樹脂物品の環境応力亀裂または環
境疲労特性を、未処理熱可塑性樹脂よりも改善すること
ができる。一般的に、環境応力亀裂は、耐圧縮永久歪み
性を改善するために必要な線量より少ない放射エネルギ
線量で改善される。
また、別の実施例では、物品は、攻撃性化学的環境で
の環境応力亀裂または環境疲労が低から中程度であり、
物理特性あるいは性質(例えば、圧縮永久歪み係数)が
低から中程度の未処理熱可塑性樹脂から形成される。こ
のような熱可塑性樹脂は、コストまたは他の理由から選
択されることがある。一例として、19重量%の酢酸ビニ
ルを含むエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)から成る
ベローズは、特に100゜F(37.78℃)以上の温度で中程
度のEFRおよびCSRを示すであろう。この成形熱可塑性樹
脂物品を本発明に従い放射エネルギで処理することによ
って、この処理熱可塑性樹脂物品の環境応力亀裂または
環境疲労特性を改善すると共に、圧縮永久歪み係数等の
物理特性あるいは性質を改善することができる。
この実施例の変更例では、熱可塑性樹脂を最初に照射
し、任意であるが粒径が約10ミクロン未満の粒子状に粉
砕して所望形状に成形することができる。またこの変更
例の代替案として、熱可塑性樹脂を最初に照射し、その
後所望形状に成形し、この成形品をさらに照射すること
もできる。また、熱可塑性樹脂を最初に照射し、その後
未照射熱可塑性樹脂と混合し、この混合物を所望形状に
成形することもできる(この成形品は選択により更に照
射することもできる)。
本発明に使用できるこのような熱可塑性樹脂材料とし
ては、アルファーオレフィンとエチレン不飽和カルボキ
シルエステルの共重合体かまたはアルファーオレフィン
とアクリル酸アルキルの共重合体のうちの少なくとも一
つからなる熱可塑性樹脂である。
本発明に使用されるアルファ−オレフィンは、一般的
に少なくとも2個の炭素原子を含む。好ましくは、本発
明の共重合体に使用されるアルファ−オレフィンは2な
いし8個の炭素原子、より好ましくは2ないし4個の炭
素原子、最も好ましくは2ないし3個の炭素原子を含
む。好適な例は、エチレン、プロピレンおよびブチレン
であるが、エチレンが最も好ましい。
一般的に、ポリエチレンは、所望の用途に応じて、降
伏時の高い伸長、高温での降伏時の高い伸長、適当な弾
性係数、耐応力緩和性、および適当な動応答性を有する
ように選択される。一般的に、ポリエチレンは、密度が
約0.94g/cm3未満であり、一般的に市場では低密度、極
低密度、または線状低密度ポリエチレンとして知られて
いるものを含む。このようなポリエチレンの製造方法は
周知であり、高圧処理、チーグラー−ナッタ触媒処理、
またはメタロセン触媒処理等の単サイト(single cit
e)触媒処理があり、その何れも使用できる。
エチレン不飽和カルボキシルエステル単量体は、飽和
カルボン酸のビニルエステルおよびアルファベータ−エ
チレン不飽和カルボン酸のアルキルエステルの群から選
択される。適当なエステル単量体の例としてアクリル酸
アルキルがあり、その非制限的な例として、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸イソブチルおよびメタクリル酸メチルがある。適当
なエステル単量体の他の非制限的な例として、マレイン
酸ジエチル、フマル酸ジメチル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等がある。好ましくは、共重合体は、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチルおよび酢酸ビニルのうち
の1つのエステル単量体を含む。最も好ましい共重合体
は、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸
エチル共重合体またはエチレンアクリル酸メチル共重合
体である。
好適な材料は、オレフィンとビニルあるいはアルキル
エステルとの共重合体、より好ましくは、エチレンとビ
ニルあるいはアルキルエステルとの共重合体である。一
般的に、オレフィンとビニルあるいはアルキルエステル
との共重合体は、1ないし40重量%のエステル、好まし
くは5ないし30重量%のエステル、最も好ましくは10な
いし30重量%のエステルを含む。
材料のメルトフローインデックスは、選択された型の
形状を十分に満たすことができると共に、成形処理の作
動状態に耐えることができるものでなければならない。
例えば、ベローズのようなばね様可撓性物品の場合、好
ましくは3ないし40、より好ましくは5ないし35、最も
好ましくは7ないし30の範囲の中程度のメルトフローイ
ンデックス(MFI)を有する樹脂を使用する。メルトフ
ローインデックスは、ASTM試験方法D1238で定義されて
いる。この範囲のMFIであれば、射出成形または射出吹
込成形等の方法で物品を成形することができる。
本発明の方法で処理した後の(ベローズ等の)ばね様
可撓性物品を製造するのに適した樹脂は、一般的に、ヤ
ング率が少なくとも2000psi(ポンド/平方インチ)(5
860kg/cm2)で、好ましくは100,000psi(293,000kg/c
m2)以下である。このような可撓性物品の樹脂の処理後
のヤング率は、より好ましくは、2,000ないし50,000psi
(5,860〜146,500kg/cm2)の範囲内、さらに好ましく
は、2,000ないし35,000psi(5,860〜102,550kg/cm2)の
範囲内である。また、樹脂の処理後のヤング率は、最も
好ましくは、3,000ないし12,000psi(8,790〜35,160kg/
cm2)の範囲内である。
所望の特性を与えるのに適した全ての高エネルギ放射
が使用される。適当な高エネルギ放射としては、紫外
線、高エネルギ電子、中性子、陽子および重陽子と共
に、X線、β線およびγ線がある。
放射エネルギを発生する装置は、周知であり、本発明
の実施に適した何れの装置も使用される。好ましくは、
使用されるエネルギ源は、コバルト60で発生するγ線
か、電子加速器で発生する高エネルギ電子である。
紫外線は、市販のUVランプ(例えば、フィリップスの
HTQ4または7、ハノビア(Hanovia)ランプ等)を使用
して手軽に得ることができる。電子ビームエネルギは、
市販の電子ビーム加硫装置(例えば、ニューヨーク州、
エッジウッドのラジエーション・ダイナミックス(Radi
ation Dynamics)が販売しているダイナミトロン(Dyna
mitron)直接電子加速器)によって手軽に得ることがで
きる。
性能および有効寿命の何れか一方または両方を改善す
る放射線量レベルは、熱可塑性樹脂材料毎に異なるであ
ろう。一般的に、照射処理によって成形品の不適当な歪
みを発生しないようにすることが望ましい。これは、一
般的に、照射処理中に、照射材料の温度が当該材量の融
点を超えないようにすることによって達成される。適当
な放射線量レベルは、この材料の架橋G値によって予測
できる。このG値は、吸収されたエネルギ100eV当たり
の反応した分子数と定義される。また、架橋(または切
断)G値は、吸収されたエネルギ100eV当たりの架橋
(または結合切断)した分子数のことを指している。
例えば、ポリエチレンおよび天然ゴムの架橋(切断)
G値は、それぞれ、吸収された100eV当たりで架橋する
分子数が3.0(結合切断する分子数が0.88)および架橋
する分子数が1.1(結合切断する分子数が0.22)であ
る。これらの材料の場合、架橋が鎖切断反応より優位に
発生する。ポリエチレンの場合、所望の特性を与えるに
は約2ないし約40Mradの範囲内の線量が適当である。ま
た、ポリエチレンの場合、好ましくは約3ないし約35Mr
adの範囲内、最も好ましくは約3ないし約30Mradの範囲
内の線量が使用される。これに対して、天然ゴムの場
合、ポリエチレンの2.7倍の線量が必要となる。
所望レベルの性能を得るために必要な放射線量レベル
は、重合体内の添加剤に従って変化することがある。ま
た、架橋促進剤および架橋抑制剤が、必要な線量レベル
を変化させることは周知である。更に、温度または大気
等の状態が、必要な線量レベルを変化させることがある
ことも周知である。これらは、全て考慮する必要があ
る。
使用される照射レベルは、成形品に所望の特性を与え
るのに適していなければならない。例えば、エチレン酢
酸ビニル共重合体の場合、成形品に所望の特性を与える
ために1ないし35Mradの照射レベルが使用される。同じ
重合体において、耐圧縮永久歪み性を増加させるために
は、5ないし25Mradの線量が好ましく、最も好ましくは
5ないし15Mradの範囲内である。
物品に吸収された照射線量は、この上限レベルにおい
て、過度または甚大な永久的寸法歪み、または、望まし
くない機械的特性変化をもたらさないようにする必要が
ある。物品を融点まで、または、一部の材料では軟化点
まで加熱すると、永久的寸法歪み、または、望ましくな
い機械的特性変化が生じることがある。このため、過度
または甚大な永久的寸法歪み、または、望ましくない機
械的特性変化を伴わずに熱可塑性樹脂軟化点温度以上に
加熱できる物品の場合、一般的には融点温度より低い温
度まで加熱されるが、融点温度と軟化点温度との間の温
度まで加熱するのがより好ましい。また、熱可塑性樹脂
料を軟化点を超える温度まで加熱しないのが最も好まし
い。
高放射線量は、γ線を使用して得られる低放射束の使
用、または、電子ビーム放射等の高束源からの増分線量
のマルチパスを使用することによって、物品を過剰に加
熱することなく供給される。また、物品は、物品の温度
が融点または軟化点に近づいた場合は、それ以上の放射
線量を吸収する前に冷却されなければならない。成形品
の形成以降に物品が受け取る全ての線量の合計は、蓄積
線量と呼ばれる。物品の性能は、結晶の溶融または物品
の軟化または溶融が発生しない限り、蓄積線量と直接的
な相対関係にあり、照射する回数または放射束レベルに
はほとんど関係がない。
材料の架橋を行う放射の有効性の測定、従って、材料
の架橋の相対量の測定値は、ASTM規準D2765−90に基づ
きゲルの量を測定することによって決定することができ
る。
本発明の照射重合体の製造を主に射出成形に関連して
説明してきたが、重合体は、射出吹込成形、スタンプ成
形、押し出し成形、引抜成形、プレス加工、ブロー成
形、回転成形等を含む広範囲の重合体製造方法にも使用
できることを理解する必要がある。
放射誘導架橋から得られる利点は幾つもある。第1
に、耐環境応力亀裂性(ESCR)が大きく改善される。第
2に、耐環境疲労性(EFR)が大きく改善される。第3
に、十分な放射線量があれば、耐圧縮永久歪み性(CS
R)が大きく改善される。
関連温度の攻撃性化学的環境下で圧縮永久歪み試験を
行う照射物品の場合、(例えば)16週間後の残留圧縮力
率は、一般的に、非照射物品の残留圧縮力に比べて改善
される。照射から得られる圧縮力率の改善は、好ましく
は少なくとも5%、より好ましくは少なくとも20%、さ
らに好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なく
とも200%である。同様に、照射から得られる圧縮永久
歪み係数の改善は、好ましくは少なくとも5%、より好
ましくは少なくとも10%、さらに好ましくは少なくとも
15%、最も好ましくは少なくとも20%である。
本発明の材料は、様々な包装、ディスペンサ、ポンプ
または保護機械ブーツに使用される可撓性成形品の製造
に有用である。
本発明の材料は、攻撃性化学的環境下で静的または繰
り返し荷重状態に置かれる製品、例えば、ベローズ、ダ
イアフラムおよび保護ブーツの製造に有益である。この
ような製品は、静的または繰り返し荷重を受けることが
できる可撓性の弾性ばね様または潜在エネルギ蓄積部分
を備えている。また、このような部分は、1つまたは複
数の重畳部分、ひだ、コイル、ベンド、曲線部分、らせ
ん部分、弓形部分、ねじれ部分等を有し、潜在エネルギ
蓄積部分として機能する部分、例えば、ベローズにおけ
るひだ部分、または、ばねにおけるコイル部分、を形成
することができる。
本発明物品は、一般的に非平面的で、潜在エネルギ蓄
積部分を備え、この潜在エネルギ蓄積部分が低潜在エネ
ルギの位置と他の高潜在エネルギ位置との間で反復移動
するようになっている。
ベローズ形の本発明の物品は、瓶、缶等の容器から流
体を汲み出す手段として特に有用である。一般的に、ベ
ローズ、ベローズポンプおよびベローズディスペンサは
当該分野で周知である。また、ベローズ製造技術やベロ
ーズを容器のポンプまたはディスペンサ手段として使用
することも当該分野で周知である。例えば、1993年8月
17日にナカジマに発行された米国特許第5,236,656号
は、合成樹脂ベローズの射出吹込成形方法を開示してお
り、1995年8月8日にピーターソンに発行された米国特
許第5,439,178号は、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、ゴムお
よび熱可塑性エラストマーから構成できるベローズを備
えたポンプを開示している。このようなベローズポンプ
を用いて送り出すことができる非制限的な製品として
は、シャンプーおよびコンディショナー等の液体ヘアケ
ア品、化粧品およびスキンケア製品、食器用液体洗剤、
硬質表面(hard surface)および洗濯用洗剤がある。こ
のような製品は、ローション、ジェル、オイル、水溶
液、乳濁液および分散液を含む様々な液体形態をとるで
きるが、これらに制限されることはない。
本発明を実施する際に、所望または必要とされる場
合、重合体の架橋形成を促進する促進剤、または重合体
の架橋形成を減少させる抑制剤を用いることができる。
促進剤の例としては、ジアクリル酸ジエチレングリコー
ルまたはマレイン酸ジプロパルギル等の多官能価不飽和
単量体があり、抑制剤の例としては、酪酸ヒドロキシト
ルエン等の酸化防止剤がある。
本発明を実施する際に、所望または必要とされる場
合、酸化防止剤、架橋剤、安定剤、紫外線吸収剤、潤滑
剤、発泡剤、耐電防止剤、有機および無機難燃剤、可塑
化剤、スリップ(slip)剤、染料、顔料、タルク、炭酸
カルシウム、カーボンブラック、マイカ、ガラス繊維、
炭素繊維、アラミド樹脂、アスベストと共に当該分野で
周知の他の充填剤を用いることもできる。
実施例 本発明を以下の実施例によってさらに説明する。
実施例1 19重量%の酢酸ビニルを含むMFIが30のエチレンと酢
酸ビニルとの共重合体(クオンタム・ケミカル社(Quan
tum Chemical Co.)製のUE652−059)を射出成形して、
第1図に示されているような1または複数のひだ付きの
ベローズを形成した。
第1図および第2図に示されているベローズ30は、自
動ユニットキャビティ型で製造されている。ベローズ30
は、肩45を有する頂部40と、底部50と、頂部40および底
部50の間の可撓性部分60を備えており、可撓性部分60は
複数のひだ65aおよび65bを有している。
射出成形機は、カナダ製のエンゲル(Engel)200トン
タイバーレス機、型番EC88であった。これらのベローズ
の製造に使用した条件範囲を表1−Aに記載する。
上記で形成されたベローズは、室温まで平衡状態に置
かれ、ダイナミトロン直接電子加速器(ニューヨーク
州、エッジウッドのラジエーション・ダイナミックス
(Radiation Dinamics)が販売している)を用いて25Mr
adの合計線量で照射される(ニュージャージー州、クラ
ンベリのイー・ビーム・サービシーズ社(E−Beam Ser
vices,Inc.))。物品が加速器を通過する各パスで吸収
する放射エネルギの量は、1〜2.5Mradに制御され、加
速器を通過する多パスで合計の25Mradが得られるように
する。照射線量および物品が加速器を通過する頻度は、
熱可塑性樹脂の融点より高い温度に物品を加熱すること
を最小限に抑えるように(好ましくは避けるように)選
択される。
a)耐環境疲労性(EFR) 第4A図および第4B図に示されているように、耐環境疲
労性試験は、プロクター・アンド・ギャンブル・ファー
・イースト社(Procter & Gamble Far East,Inc.)が
(1995年6月に)日本で販売したヴィダル・サスーン
(商標)(Vidal Sasoon)ストレート・ヘア・シャンプ
ーから成る第5図の試験溶液200内にベローズ30を入
れ、このベローズの可撓性部分60を全高に近い第1位置
(可撓性部分の長さはL1である)から全ストロークの終
端に近い第2位置(可撓性部分の長さはL2である)まで
反復移動させることにより行われた。第1図に示されて
いるベローズの場合、底部50は、可撓性部分60に対して
ほぼ非圧縮的であり、静止状態に保持されている。ベロ
ーズの肩45は、長さL1が1.64インチ(4.166cm)の第1
位置から長さL2が1.14インチ(2.896cm)の第2位置ま
で下がる移動を毎秒2回繰り返される。
この反復移動は、第5図に示されている機械装置100
により成されるが、モータ110がフライホイール120を図
示の矢印152の方向に駆動して、正弦行程パターンを生
じるように行われる。ベローズ30は、上保持プレート13
5と下保持プレート130の間に保持され、この両保持プレ
ートは、蓋162を有するタンク160内の攻撃性薬品200内
に浸漬されている。上保持プレート135は、保持プレー
トガイド137によって案内されながら、下保持プレート1
30に対して接離する方向に移動する。押し棒145は、調
節式リンク機構140によってフライホイール120に連結さ
れており、また、リンク機構147によって上保持プレー
ト135に連結されている。フライホイール120が図示矢印
152の方向に回転することによって、押し棒145が矢印15
1に示されているように上下動し、この上下動よって上
保持プレート135が下保持プレート130に対して移動する
ため、ベローズ30が繰り返し圧縮される。この繰り返し
が10,000回行われた後、ベローズ30は、亀裂および穴が
調べられ、そして、表1−Bに示されている耐環境疲労
力試験係数を用いて(ベローズの疲労を表す)亀裂およ
び穴の程度を表すことができるように等級分けされる。
調節式リンク機構140は、押し棒145および上プレート13
5のストロークが0.5インチ(1.27cm)となるように調節
される。また、下保持プレート130は、ベローズの可撓
性部分をほぼ完全に圧縮できるようにが持ち上げられ
る。
4つのベローズ指数の平均値に基づいた環境疲労係数
が表1−Cに報告されている。
b)残留圧縮力(CFR)および圧縮永久歪み比(CSR) 第3A図、第3B図および第3C図に示されているように、
試験前のベローズ30の可撓性部分60は、ほぼ全高の第1
位置(可撓性部分の長さはL1である)から、ベローズを
ベローズポンプ等の固定具内へ組み付けた後に見られる
ような一般的にわずかに圧縮された第2位置(可撓性部
分の長さはL2である)へ圧縮され、そして、ベローズの
可撓性部分を長さL1から長さL2まで圧縮するために必要
な力が、圧縮力F1として記録される。圧縮されたベロー
ズは、一定温度で所定時間にわたって試験溶体と接触さ
せ(浸漬させ)ながら、第2位置に保持される。この試
験溶体は、空気であったり、関連の熱可塑性樹脂にとっ
て攻撃性の化学的環境の場合もある。一定時間後、圧縮
されたベローズは、試験溶体から取り出され、圧縮から
解除され、拘束されない長さまで伸長されると共に、室
温に戻される。このとき、無拘束状態のベローズの可撓
性部分の長さはL3になる。室温でベローズの可撓性部分
を長さL3から長さL2まで再度圧縮するために必要な力
は、圧縮力F2として記録される。他の方法では、物品
は、圧縮された第2位置(L2)に戻され、さらなる時間
にわたってその環境に置かれることもある。F1に対する
F2の比率(即ち、F2/F1)は、試験されたベローズの残
留圧縮力(CFR)である。また、照射ベローズの圧縮永
久歪み係数(CSI)は次の方程式1で表される。
CSI={(L1−L3)/(L1−L2)}x100(方程式1) 第1図に示されているベローズ30の場合、ベローズの
可撓性部分60は、長さL1が1.41インチ(3.58cm)の第1
位置から長さL2が1.23インチ(3.12cm)の第2位置まで
圧縮され、そして、一定温度で試験溶体内に一定時間に
わたって第2位置に圧縮された状態に保持される。使用
した試験溶体には、空気と、日本のマックスファクター
社(Max factor K.K.)が(1995年12月に)販売したパ
ンテーン(商標)ダメッジ・ケア・トリートメントシャ
ンプーとが含まれている。照射ベローズ30および未照射
ベローズの両方についての残留圧縮力および圧縮永久歪
み係数の結果は、それぞれ表1−Cおよび表1−Dに記
録されている。
表1−Cから、16週間後の70゜Fの空気中で処理した
ベローズの場合、未照射ベローズの残留圧縮力(CFR)
は、0.449であるのに対して、照射ベローズのCFRは0.54
4である。照射による空気中でのCFRの改善は21%であ
る。16週間後のパンテーン(商標)シャンプーで処理し
たベローズの場合、未照射ベローズのCFRは0.106である
のに対して、照射ベローズのCFRは0.329である。照射に
よるパンテーン(商標)内でのCFRの改善は210%であ
る。
実施例2 19重量%の酢酸ビニルを含むMFIが30のエチレンと酢
酸ビニルとの共重合体(クオンタム・ケミカル社製のUE
652−059)を、実施例1に記載されているような方法で
射出成形して、第1図に示されているようなひだ付きの
ベローズを形成した。照射ベローズは、実施例1に説明
したような直接電子加速器から3、7、12、15および25
Mredの合計蓄積線量を受けた。実施例1のパンテーン
(商標)ダメージ・ケア・トリートメントシャンプー内
で試験したベローズと、プロクター・アンド・ギャンブ
ル社が(1995年12月に)販売したコメット(Comet)
(商標)パイン・バスルーム・クリーナー内で試験した
ベローズとについての環境疲労試験の結果は、表2−A
に示されている。
第4A図および第4B図に示されているように、耐環境応
力亀裂性(ESCR)試験は、ベローズの可撓性部分を、可
撓性部分の長さがL1である全高に近い第1位置から、可
撓性部分の長さがL2である全行程の終端に近い第2位置
まで、圧縮することによって行われる。ベローズの圧縮
可撓性部分は、関連の厳しい化学的環境からなる試験溶
体内に浸漬しながら、静止圧縮状態に保持される。次
に、このアセンブリを100゜F(37.78℃)の定温室また
は炉へ移す。そして、所定時間後、可撓性部分を圧縮状
態に保持したままで試験溶体から取り出す。もし、この
圧縮可撓性部分に亀裂が見られなければ、ベローズサン
プルは、100゜F(37.78℃)定温の試験溶体に再び浸漬
される。そして、ベローズに最初に亀裂が現れるまでの
時間が疲労時間として記録され、試験を終了する。
第1図に示されているようなベローズの場合、ベロー
ズの可撓性部分60は、長さL1が1.41インチ(3.581cm)
の第1位置から、長さL2が0.77インチ(1.956cm)の第
2位置まで圧縮され、実施例1のパンテーン(商標)ダ
メージ・ケア・トリートメントシャンプー、または、コ
メット(商標)・パイン・バスルーム・クリーナーに浸
漬される。試験溶体の各々で試験した4つのベローズの
疲労の平均時間は、表2−Bに示される。
実施例3 照射ベローズおよび未照射ベローズは、2つのエチレ
ンアクリル酸メチル(EMA)共重合体から、また1つの
極低密度ポリエチレン(VLDPE)から個別に実施例1に
記載したようにして製造した。EMA樹脂は、シェブロン
・ケミカル社(Chevron Chemical Co.)から購入したSP
2220およびSP2207であった。これらの樹脂は、アクリル
酸メチルの重量%が20重量%で、それぞれのメルトフロ
ーインデックスが20および6である。使用されたVLDPE
は、イタリアのエニケム・ケミカル社(Enichem Chemic
al Co.)から得られ(MFIは13)、MQFOの商品名で販売
されていた。例1−Aに記載されているヴィダル・サス
ーン(商標)シャンプーで試験したときのこれらのベロ
ーズの(例1aに記載されている方法に従い決定された)
耐環境疲労性係数は表3に示される。
以上の実施例は、反復的に、または、静止応力状態で
荷重を加えられた熱可塑性放射架橋性樹脂の中から適切
に選択された樹脂により形成される成形品の特性が、照
射によって如何に改善するかを示している。改善される
特性には、ESCR、耐環境疲労性および耐圧縮永久歪み性
が含まれるが、これらに制限されることはない。また、
他の改善される特性には、耐熱性、耐薬品性および耐摩
耗性が含まれるが、これらに制限されることはない。以
上に説明した物品は、水をベースにした流体等の流体の
汲み出しに使用されるベローズを含むが、これに制限さ
れることはない。また、照射可撓性物品の他の使用例と
しては、例えば自動車に使用される保護ブーツがある
が、これに制限されることはない。このように、照射架
橋性の熱可塑性樹脂は、攻撃性化学的環境に晒されなが
ら、反復的に、または、静止応力状態で荷重を受ける上
記および他の物品の有効寿命を延ばすことができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−270630(JP,A) 特開 昭54−60377(JP,A) 特開 昭54−36615(JP,A) 米国特許4860665(US,A) 米国特許4832017(US,A) 英国特許1206740(GB,B) 西独国特許出願公開2934486(DE, A1) 西独国特許出願公開3415063(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 71/04 C08J 3/00 - 3/28 C08J 7/00 - 7/18 F16J 3/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アルファーオレフィンとエチレン不
    飽和カルボキシルエステルかまたはアクリル酸アルキル
    との共重合体のうちの少なくとも一つの共重合体からな
    る熱可塑性樹脂を、可撓性部分を有する最初の非平面的
    物品に形成する段階と、 (b)可撓性部分を有する処理非平面的物品を形成する
    ために、前記最初の非平面的物品に一定量の放射エネル
    ギを照射する段階とからなる、前記処理非平面的物品に
    対し改善された攻撃性化学的環境下における機械的適応
    性を付与することを特徴とする処理方法。
  2. 【請求項2】(a)アルファーオレフィンとエチレン不
    飽和カルボキシルエステルかまたはアクリル酸アルキル
    との共重合体のうちの少なくとも一つの共重合体からな
    る熱可塑性樹脂に、処理熱可塑性樹脂とするために一定
    量の放射エネルギを照射する段階と、 (b)該処理熱可塑性樹脂を、可撓性部分を有する処理
    非平面的熱可塑性樹脂物品に形成する段階とからなる、
    処理非平面的熱可塑性樹脂物品に対し改善された攻撃性
    化学的環境下における機械的適応性を付与することを特
    徴とする処理方法。
  3. 【請求項3】前記処理非平面的熱可塑性物品の可撓性部
    分のヤング率が2,000ないし50,000psi(5,860〜146,500
    kg/cm2)であることを特徴とする請求項1または2記載
    の処理方法。
  4. 【請求項4】前記処理非平面的熱可塑物品がベローズで
    あることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の
    処理方法。
  5. 【請求項5】可撓性部分を有し、該可撓性部分が、アル
    ファーオレフィンとエチレン不飽和カルボキシルエステ
    ルかまたはアクリル酸アルキルとの共重合体のうちの少
    なくとも一つの共重合体からなる、放射エネルギを照射
    された熱可塑性樹脂からなることを特徴とする非平面的
    物品。
  6. 【請求項6】ベローズであることを特徴とする請求項5
    記載の非平面的物品。
  7. 【請求項7】前記可撓性部分のヤング率が、2,000ない
    し50,000psi(5,860〜146,500kg/cm2)であることを特
    徴とする請求項5または6記載の非平面的物品。
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