JP5087791B2 - 高分子重合体の架橋方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子重合体の架橋方法に係り、更に詳しくはガンマ線と電子線の複数の放射線を交互に照射する放射線照射による高分子重合体の架橋方法に関するものである。
代表的な工業用高分子であるポリオレフィン類は、安価であること、そしてその加工の容易さから広範囲の産業分野(容器、絶縁材料など)で大量に使用されている。
しかし、このポリオレフィン類は温度が軟化点(この場合は融点)を上回ると流動し、もはや元の形状を維持できなくなるという熱可塑性高分子特有の性質を有するため、自動車実装分野など高温環境下では、その使用が困難である。そのため、それらを3次元的に架橋することで3次元網目構造とし、高温での機械強度を維持する手法が採られている。
このポリオレフィン樹脂を3次元架橋構造にするための技術としての架橋方法には、シランカップリング剤を用いて架橋処理を行なった有機質サーミスタが特許文献1に開示されている。この場合、低密度ポリエチレンでは反応基が多く存在するのでシランカップリング剤で反応を起こして架橋が容易であるが、高密度ポリエチレンになると、その効果はあまり見られず、大量に添加した場合には樹脂との親和性が悪くなり、シランカップリング剤が樹脂表面に滲み出してくるという問題を生じ、また高価でもある。
又、他の架橋方法として、電子線などの照射による放射線架橋方法が提案されている。
例えば、特許文献2には、環境的に取り扱いが難しい有機過酸化物を含むオレフィン系樹脂シートに50〜400KeVの低電圧電子線を1000ppm以下の酸素濃度雰囲気中での照射による架橋が開示されている。
更に、特許文献3には直鎖状のポリエチレンと導電粒子を含む混合物に加速電圧250kV以上の電子加速器を用いて40〜300kGyを照射すると開示されているが、但し、特許文献3の樹脂は低密度樹脂であり、即ち低い線量でも架橋が進む樹脂である。
電子線の照射によるポリエチレンの架橋は、非特許文献1によると、低密度ポリエチレンの場合では500kGyの照射量においてゲル分率90%を達成するが、高密度ポリエチレンの場合ではゲル分率80%程度であり、結晶部分が多いために架橋反応が進み難くなっている。尚、ポリエチレンのような結晶構造をその中に含む場合、架橋反応は非結晶部(アモルファス部)で起こるといわれている。
この放射線による架橋方法は、電子線照射装置に起因する初期コストは非常に高いが、短時間に架橋が進むというメリットがあり、最近は放射線による滅菌と同様に、ゴム、ポリプロピレン、ポリオレフィン樹脂の架橋に広く用いられている(例えば、非特許文献2参照)。
特開2000−82602号公報 特許第3090695号公報 特開2003−347106公報 今井正彦、"低エネルギー電子線によるポリエチレンフイルムの架橋"、コンバーテック、1995年2月、p.36−39. 向井貞喜、中井康二、"電子線応用技術の進歩",日新電気技報、日新電機株式会社、1995年7月、第40巻、第2号、p.10−19.
以上述べたように、様々な用途で放射線による架橋技術が開発されてきているが、使用する放射線によりいくつかの問題点が生じている。
ガンマ線の照射は、広く深く浸透して架橋が行われる。即ち、ガンマ線は電子線より必要照射線量を得る時間はかかるが、浸透力が高く、厚みのある製品に適し、更にガンマ線は時間当たりの線量(線量率)が低いので活性化に伴う発熱は十分に拡散、放出されるため製品の熱は上がらず、熱変形や樹脂中の残存分解ガス(水素)等も少ないという利点もある。又、ガンマ線照射による架橋反応に関しては、ガンマ線では放射線により発生したラジカル同士が再結合し、そこで発生する収縮応力が十分緩和され、次の再結合反応が起こるため、架橋歪みの少ない良好な製品が得られるという効果も期待される。
しかしながら、照射時間が長く大線量を必要とされる照射には適さず、また酸素雰囲気下で長時間照射を行うと酸素が樹脂(製品)内部に拡散し、ラジカルと反応してパーオキシラジカルを発生、樹脂の機械的劣化を引き起こす。
一方、電子線の照射による架橋は、加速電圧に依存するがガンマ線に比べると格段に低い浸透力のために厚みのある対象物を均一に架橋することが難しい。又、時間当たりの線量率が高く単位時間における大量の電子線放射に起因する反応を引き起こすため、短時間に大量の製品を照射できるというメリットがあるが、短時間で一気に反応を誘発するため、ポリオレフィンなどの場合架橋反応で発生した水素ガスで樹脂中に膨れ(ボイド)の発生や、樹脂の変質による変色の可能性があるという問題点がある。
このような状況に鑑み、本発明はポリエチレンなどの高分子重合体の放射線架橋を電子線とガンマ線の両方を用い、電子線単独で照射するより低い照射線量で放射線架橋を進ませ、融点を越えても機械的強度を持つ高分子構造体を得る高分子重合体の架橋方法を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明の第1の発明は、放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線をポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に、前記ガンマ線のみの合計照射量が100kGy以上、300kGy以下、電子線のみの合計照射量が照射される高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、且つ前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量が400kGy以上、600kGy以下の範囲で交互に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法を提供するものである。
また、本発明の第2の発明は、放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線を、少なくともガンマ線の照射、電子線の照射の順番で、前記ガンマ線のみの合計照射量が100kGy以上、300kGy以下、電子線のみの合計照射量が照射される高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、且つ前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量が400kGy以上、600kGy以下の範囲として、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法を提供するものである。
更に、本発明の第3の発明は、放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線を、ガンマ線の照射、次に電子線の照射、次いで、この繰り返しの順番で、前記ガンマ線のみの合計照射量が100kGy以上、300kGy以下、電子線のみの合計照射量が照射される高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、且つ前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量が400kGy以上、600kGy以下の範囲として、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法を提供するものである。
本発明の第4の発明は、放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線を、少なくとも電子線の照射、ガンマ線の照射の順番で、前記ガンマ線のみの合計照射量が100kGy以上、300kGy以下、電子線のみの照射される高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、且つ前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量が400kGy以上、600kGy以下の範囲で、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法を提供するものである。
本発明の第5の発明は、放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線を、電子線の照射、次にガンマ線の照射、次いで、この繰り返しの順番で、前記ガンマ線のみの合計照射量が100kGy以上、300kGy以下、電子線のみの合計照射量が照射される高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、且つ前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量が400kGy以上、600kGy以下の範囲で、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法を提供するものである。
本発明によれば、高密度の高分子重合体に電子線とガンマ線とを交互に照射することで、電子線を単独で照射するより低い放射線照射量で、同等以上の架橋が進行し、高密度ポリエチレンの融点140℃を越えても樹脂が溶融しないで、機械的強度を維持している高分子重合体が得られる。
本発明に用いる高分子重合体は、熱可塑性且つアモルファス部を有する高分子重合体で、このような高分子重合体としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、オレフィン系コポリマー等の熱可塑性ポリマーである。
これらの熱可塑性ポリマーの中で、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂の架橋に好適であり、更にポリエチレン、特に低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンに好適なものである。
ここで低密度ポリエチレンとは、密度が0.910〜0.929g/cmのポリエチレンをいう。また密度が0.930〜0.941g/cmのものは中密度ポリエチレンといい、0.942g/cm以上のものは高密度ポリエチレンという。
一般に、低密度ポリエチレンは、高圧法、すなわち1000気圧以上の高圧ラジカル重合法で製造され、エチレン基等の短鎖分岐の他、長鎖分岐を含む。高密度ポリエチレンは、数十気圧以下の中・低圧下、遷移金属触媒を用いて配位アニオン重合で製造され、直鎖状である。この高分子重合体をシート状や部品形状にして使用することが多いが、この高分子には要求される性能に応じて添加物を混合して混合物を作製しても良い。
本発明の放射線架橋方法は、複数の放射線、例えばガンマ線と電子線を交互に照射することにより、ガンマ線、電子線の各々が持つ問題点を解消し、樹脂の融点を越える温度における引張強さなどの機械的強度の維持および形状を保持する架橋を行うものである。
電子線の照射において、照射による被照射物の温度上昇を考慮すると、1回あたりの照射(数秒)による放射線量は30〜40kGyであり、短照射時間で反応も早いとされているが、反面吸熱も大きく熱の発生も大きい。この発生する熱により、放射線架橋時に生成する水素ガスが大量に生成され、樹脂の膨れや発泡が起こる可能性がある。これを防ぐためには、多くの放射線量を必要とする場合には、数回に別けて照射する。
又、電子線は被照射物の厚みが厚いものには浸透力が弱いので製品がある厚みを越えると均一に架橋させるのが難しいという問題もある。
一方、ガンマ線の照射は、ガンマ線自体のエネルギーが電子線と比較して小さいため、同様の架橋の効果を得るためには、照射時間を長くする必要があるが、ラジカル反応も緩やかで、電子線照射で問題となるような単位時間当たりのガス発生量も少なく、膨れや変色などの不良も少ない。又、ガンマ線は浸透力が強いので厚い部品の照射に適している。
しかし、1日に照射できる線量に限りがあり、多くの照射量を照射するには時間がかかる問題もある。
そこで、ガンマ線と電子線を交互に組合わせ照射することにより、それぞれ単独で照射する架橋方法における問題点を解消し、有効な効果を最大限に生かす架橋方法を検討した結果、以下の発明に至ったものである。
即ち、先ずガンマ線を照射すると、その照射により発生するラジカル量は少ないが、照射後も架橋反応は徐々に進行し、その後電子線の照射により、多くのラジカルが一気に発生し、この電子線で発生したラジカルがガンマ線照射により発生したラジカルを捕捉、結合することにより架橋反応が更に促進される。この架橋機構についてまだ不明な点もあるが、ガンマ線照射単独或いは電子線照射単独で架橋するよりもガンマ線照射と電子線照射を交互に行う方が、同一線量の場合明らかに架橋度が高くなる。
従って、先ずガンマ線を照射した後に、電子線を照射し、その後もガンマ線、電子線の順で交互に照射を継続すること、若しくは電子線を照射した後にガンマ線を照射し、その後も電子線、ガンマ線の順に交互に放射線を照射することで、効率的な放射線架橋となる。
照射するガンマ線の照射1回あたりの照射量は、100〜300kGyが望ましいが、ガンマ線の1日あたりの許容照射量は50kGy程度であるので、この照射には2〜6日の期間を必要とする。ガンマ線の照射量が100kGy未満では発生するラジカルが少なく架橋効果があまり見られず、300kGyを越えると、6日以上の日数がかかり照射時間が長なって製造コストがかさむことから限定している。
次に、電子線の照射1回あたりの照射量は、200〜500kGyであるのが望ましく、照射により多くのラジカルを発生させ、先のガンマ線の照射で発生したラジカルと並行してラジカル反応が進み相乗効果で効率的に架橋反応が進む。
その照射量が200kGy未満では、発生するラジカルも十分でなく架橋が不十分で、500kGyを超えての照射は、高分子重合体の架橋反応は十分に進むが、低照射線量での効率的な架橋方法でないことから限定した。尚、照射方法としては、被照射物の温度が70℃を越えないように20〜40kGy程度の照射量での照射を数度に分けて行うと良い。
架橋に要する照射条件は、図1に示すような総照射量(ガンマ線のみの合計照射量と電子線のみの合計照射量の合計の照射量)が400kGy以上、600kGy以下の範囲で、照射1回の合計照射量100〜300kGyのガンマ線照射と被照射物の温度が上昇しないように数回に分けて電子線を合計照射量200以上、500kGy以下照射し、ガンマ線及び電子線で発生したラジカルで樹脂を架橋する。
ここで、総照射量が400kGy未満では、本発明の架橋方法を以ってしても、高分子重合体を充分に架橋できず、また、総照射量が600kGyを超える照射は、架橋を進めるには充分な照射量であるが、照射に要する時間が掛かり、生産性の低下やコスト高を招いてしまうため、好ましくない。
このガンマ線と電子線の交互の照射は、ガンマ線照射が加わることで電子線照射のみの場合と比較して、架橋反応による温度上昇が抑制され、温度上昇を嫌う場合にも適している。
尚、ガンマ線150kGy照射、次に電子線を150kGy照射、次にガンマ線150kGy照射、次に電子線150kGy照射と、細かく交互にガンマ線と電子線を総照射量の範囲内で照射回数を増減する方法も採れる。
なお、電子線を先に照射し、ラジカルを一度に多く発生させ、その後ガンマ線の照射により徐々に架橋させていく場合は、ガンマ線を先に照射する場合より若干、照射後の架橋度が低下するが実用上の問題は少なく、作業効率や求められる性能に応じて使い分けることが望ましい。
高分子重合体の架橋反応の進行度は、放射線照射後の高分子重合体の動的熱機械測定(DMA)と示差走査熱量測定(DSC)により評価する。
動的熱機械測定は、試料に時間によって変化(振動)する歪みまたは応力を加えて、それによって発生する歪や応力を測定し力学的な性質を測定する評価法である。
本実施例では、室温から樹脂の融点以上の温度(160℃)まで上昇させ、そのときの試料が与えられた応力に対し反発した力を測定し、架橋反応の進行度を放射線照射後の高分子重合体の貯蔵弾性率を測定することで評価した。
ここで、この貯蔵弾性率が高い方が、高分子重合体において高温でも反発力があり望ましく、架橋反応が進行していることを示している。
ところで、ポリエチレンの架橋における電子線の照射量と動的熱機械測定の値との関係は、電子線1000kGyを照射した時に、貯蔵弾性率は3650MPaとなり、外観には変色は見られなかったが、電子線を1200kGyまで照射すると、貯蔵弾性率は3620MPaと低下し、外観も若干茶褐色に変色していた。
同様に、ガンマ線を1000kGy照射した時に、貯蔵弾性率は3885MPaとなり、外観には変色は見られなかったが、ガンマ線を1200kGyまで照射すると、貯蔵弾性率は3840MPaと低下し、外観も茶褐色に変色していた。
これらの変色は、被照射物の樹脂が分解していると思われ、ポリエチレンの架橋は電子線、ガンマ線とも1000kGy照射が最大の線量であると考えられる。
示差走査熱量測定は、試料及び基準物質で構成される試料部の温度を、一定に変化させ、その試料と基準物質の温度差を測定する評価法である。
実施例では、0℃から160℃まで上昇させ、また0℃に戻し、一度、樹脂を元の状態に戻し、再度、室温から160℃まで上昇させ、その過程で樹脂が再結晶化したときの吸熱ピークに注目した。
示差走査熱量測定では高分子の結晶サイズと溶融熱の関係から架橋の進行度を知ることができる。つまり、架橋は高分子(この場合は高密度ポリエチレン)の非結晶部で起きるため、溶解後、非結晶部の架橋構造は保存される。このまま冷却すると、結晶化時、架橋部による分子鎖運動の制約により結晶は自由な成長ができず、その結果として結晶サイズは溶融前より小さくなり、結晶融解の溶解熱も小さくなる。
電子線1000kGy照射は、劣化が始まる前の最大照射量であり、そのときの示差走査熱量測定の値は3.27cal/gである。この値と同等か小さい値なら電子線1000kGyと同等な架橋程度とする。
ポリエチレンに対するガンマ線及び電子線の照射量と架橋の進行度の関係について、先ず、低照射量において架橋反応の進行のし易さを、貯蔵弾性率の単位線量当たりの弾性率変化及び吸熱量変化を求めることで評価する。弾性率変化の大きいほど低照射量でも架橋が進行し易い。
一方、架橋の進行度の尺度として、貯蔵弾性率から求めた架橋の進行度(架橋度A)及び吸熱量から求めた架橋の進行度(架橋度B)を求めて評価する。
先ず、貯蔵弾性率の単位線量当たりの弾性率変化及び吸熱量変化は、下記の数1から求めている。数1において、ΔEは貯蔵弾性率の単位線量当たりの弾性率変化、ΔTは貯蔵弾性率の単位線量当たりの吸熱量変化、Eは測定貯蔵弾性率、Tは測定吸熱量、E架橋前のポリエチレンの貯蔵弾性率、Tは架橋前のポリエチレンの吸熱量、Rは総照射量である。
次に、ポリエチレンに対するガンマ線及び電子線の照射量と各貯蔵弾性率との関係を図2、各吸熱量との関係を図3に示す。
貯蔵弾性率は、ガンマ線照射の場合には照射量1000kGy近辺から貯蔵弾性率は横ばいの傾向を示し、又、電子線の場合も照射量1000kGy近辺から貯蔵弾性率が横ばいの傾向を示していて、その架橋反応の進行具合、即ち架橋度の限度を示していると見られる。
又、600kGy程度の単独の放射線照射では、ポリエチレンでは架橋反応が十分に進行していないことが判る。
吸熱量に関しても貯蔵弾性率と同様に、ガンマ線の場合には照射量1000kGy近辺で吸熱量はピークを示し、又、電子線の場合も照射量1000kGy近辺で吸熱量のピークを示していて、その架橋反応の進行具合、即ち架橋度の限度を示していると見られる。
そこで、本実施例では、ガンマ線照射のほうが電子線照射より得られる貯蔵弾性率が大きく、吸熱量も小さいことから、ガンマ線1000kGy照射時に得られた貯蔵弾性率或いは吸熱量を架橋度100%の基準とし、以下の実施例、比較例における貯蔵弾性率による架橋度A、吸熱量による架橋度Bを求める。
尚、架橋度A及び架橋度Bは下記数2を用いて算出している。数2において、KAは貯蔵弾性率による架橋度A、KBは吸熱量による架橋度B、Eは測定貯蔵弾性率、Tは測定吸熱量、E100はガンマ線を単独で1000kGy照射した時の貯蔵弾性率、T100はガンマ線を単独で1000kGy照射した時の吸熱量、Eは架橋前のポリエチレンの貯蔵弾性率、Tは架橋前のポリエチレンの吸熱量である(比較例4参照)。
以下に、本発明を実施例及び比較例を用いて更に詳しく説明する。
(実施例1)
供試材に、融点135℃の高密度ポリエチレン(比表面積1.5〜2.5m/g)を用い、160℃の熱プレス機にて厚み0.6mmのシート状に成形した。
先ず、60Coから発するガンマ線を6日間で合計300kGy照射して架橋を行なった。ガンマ線の照射線量率が低いので、供試材は40℃以下の温度に保たれる。
続いて電子線を、株式会社NHVコーポレーション製電子線加速器(最大電圧5Mev)を用い、20mAの電流値で、1回当たり33.3kGy照射し、約9回照射し合計300kGy照射した。電子線照射は1回の照射は数秒で、そのときの温度は最大55℃であり、膨れ、変色などは見られなかった。
次に、架橋の進行度の評価は、動的熱機械測定(DMA)と示差走査熱量測定(DSC)を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸熱量から貯蔵弾性率変化、吸熱量変化、架橋度A及び架橋度Bを求めて判定した。
その結果を表1、表2に示す。
(実施例2)
電子線を先に300kGy照射し、続いてガンマ線を200kGy照射した以外は実施1と同じ条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から架橋度を判定した。
その結果を表1、表2に示す。
(実施例3)
ガンマ線を先に100kGy照射して、続いて電子線を500kGy照射した以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から架橋度を判定した。
その結果を表1、表2に示す。
(実施例4)
ガンマ線を先に200kGy照射して、続いて電子線200kGyした以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から架橋度を判定した。
その結果を表1、表2に示す。
(実施例5)
照射1回目を電子線200kGy、第2回目をガンマ線200kGyした以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から架橋度を判定した。
その結果を表1、表2に示す。
(実施例6)
照射1回目を電子線500kGy、2回目をガンマ線100kGyした以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から架橋度を判定した。
その結果を表1、表2に示す。
(実施例7)
照射1回目にガンマ線150kGyを照射し、2回目に電子線150kGyを照射し、3回目にガンマ線を150kGyを照射し、4回目に電子線150kGyを照射した以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から実施例1と同様に架橋の進行度を判定した。
その結果を表3に示す。
(比較例1)
放射線の照射が、電子線400kGyを単独で1回照射した以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から実施例1と同様に架橋の進行度を判定した。その結果を表1、表2に示す。
(比較例2)
電子線500kGyを2回照射して、1000kGy照射した以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から実施例1と同様に架橋の進行度を判定した。 その結果を表1、表2に示す。
尚、1照射あたり37kGy照射して、それを27回照射した。
(比較例3)
電子線600kGyを2回照射して、1200kGy照射した以外は、比較例2と同じく架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から実施例1と同様に架橋の進行度を判定した。その結果を表1、表2に示す。
(比較例4)
ガンマ線だけを照射1回目に、1000kGy照射した以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から実施例1と同様に架橋の進行度を判定した。
その結果を表1、表2に示す。
(比較例5)
ガンマ線だけを照射1回目に、1200kGy照射した以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から実施例1と同様に架橋の進行度を判定した。
その結果を表1、表2に示す。
(比較例6)
ガンマ線だけを照射1回目に、400kGy照射した以外は実施例1と同条件で架橋を行い、求めた貯蔵弾性率及び吸収量から実施例1と同様に架橋の進行度を判定した。
その結果を表1、表2に示す。
(比較例7)
放射線をまったく照射していない状態の架橋前試料である。
以上の実施例1から実施例6及び比較例1から比較例8の測定結果を、纏めて表1、表2に示し、又、実施例7の測定結果を表3に示す。
表1、表2、表3から明らかなように、実施例1から実施例7は、貯蔵弾性率による架橋度A、吸熱量による架橋度Bの結果から、ガンマ線、電子線を単独で1000kGy照射した場合と同程度の架橋反応の進行度が得られ、且つ彫像弾性率変化及び吸熱量変化から、より低照射量で十分な架橋が得られることがわかる。又変色も見られない。
一方、比較例1の電子線のみ400kGy照射では、弾性率変化、吸熱量変化では各実施例と同程度の値を示しているが、貯蔵弾性率が3000MPa未満、吸熱量が3.69cal/gであり、架橋度A、架橋度Bが示すように、架橋はあまり進んでいないことがわかる。
照射1回において照射量500kGyの電子線照射を2回行った比較例2では、貯蔵弾性率及び吸熱量から求めた架橋度A、Bから判るように架橋は充分に進んでいると見られるが、総照射量が1000kGyと多く、この照射には多くの時間と手間を必要とし、結果として生産性の低下及びコスト高となってしまう。
比較例2と同じく、照射1回における電子線照射量が600kGyと大きい比較例3でも、架橋は充分に進んでいるが、外観に変色が見られ製品として使用することができない。
この外観の変色は、過度(600kGy)の電子線照射によりジエン構造の生成と主鎖の切断など、樹脂の分解が始まっていると考えられる。
ガンマ線のみを使用する照射1回におけるガンマ線の照射量が1000kGy、1200kGyと大きい、比較例4、比較例5においては、架橋は充分に進んでいるが、総照射量が1200kGyと大きい比較例5では変色が起こり、製品として使用することができない。
一方、比較例4では、照射日数が20日も掛かり、非効率であり、且つ製造コストが上昇する要因になる。一方外観に変色などは見られなかった。
照射量が400kGyの比較例6では、弾性率変化、吸熱量変化では各実施例と同程度の値を示しているが、貯蔵弾性率及び吸熱量から求められる架橋度A、Bから、架橋が充分には進んでいないことがわかる。
放射線を照射しない比較例7は、架橋されていない。
放射線の照射範囲を示す図である。 ポリエチレンに対するガンマ線及び電子線の照射量と貯蔵弾性率との関係を示す図である。 ポリエチレンに対するガンマ線及び電子線の照射量と吸熱量との関係を示す図である。

Claims (5)

  1. 放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線をポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に、
    前記ガンマ線のみの合計照射量は100kGy以上、300kGy以下、
    前記電子線のみの合計照射量は、前記高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、
    且つ、前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量が400kGy以上、600kGy以下の範囲で交互に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法。
  2. 放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線を、少なくともガンマ線の照射、電子線の照射の順番で
    前記ガンマ線のみの合計照射量は100kGy以上、300kGy以下、
    前記電子線のみの合計照射量は、照射される高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、
    且つ、前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量を400kGy以上、600kGy以下の範囲として、
    ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法。
  3. 放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線を、ガンマ線の照射、次に電子線の照射、次いで、この繰り返しの順番で
    前記ガンマ線のみの合計照射量は100kGy以上、300kGy以下、
    電子線のみの合計照射量は、照射される高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、
    且つ、前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量が400kGy以上、600kGy以下の範囲として、
    ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法。
  4. 放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線を、少なくとも電子線の照射、ガンマ線の照射の順番で
    前記ガンマ線のみの合計照射量は100kGy以上、300kGy以下、
    電子線のみの合計照射量は、照射される高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、
    且つ、前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量が400kGy以上、600kGy以下の範囲として、
    ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法。
  5. 放射線としてガンマ線及び電子線を用い、前記放射線を、電子線の照射、次にガンマ線の照射、次いで、この繰り返しの順番で
    前記ガンマ線のみの合計照射量は100kGy以上、300kGy以下、
    電子線のみの合計照射量は、照射される高分子重合体の温度が70℃を超えない範囲で複数回の電子線照射で200kGy以上、500kGy以下とし、
    且つ前記ガンマ線と電子線の合計照射量を合わせた総照射量を400kGy以上、600kGy以下の範囲として、
    ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンから選ばれる一種のポリオレフィン樹脂からなる高分子重合体に照射することにより、前記高分子重合体を架橋することを特徴とする高分子重合体の架橋方法。
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