JP3262977B2 - 光学部材の製造方法 - Google Patents

光学部材の製造方法

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JP3262977B2 JP24016495A JP24016495A JP3262977B2 JP 3262977 B2 JP3262977 B2 JP 3262977B2 JP 24016495 A JP24016495 A JP 24016495A JP 24016495 A JP24016495 A JP 24016495A JP 3262977 B2 JP3262977 B2 JP 3262977B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硝子部材の表面
に、樹脂層を一体的に成形した光学部材の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、硝子部材の表面に樹脂層を成
形加工することにより、硝子材料のみでは加工しにくい
非球面形状を有するレンズを形成する方法が知られてい
る。このような方法により成形したレンズは一般的にレ
プリカレンズと呼ばれている。前記成形時において樹脂
層の材料である樹脂液を硝子部材や、硝子部材と樹脂層
が一体化した部材や型部材に供給する工程が必要である
が、供給された樹脂液の位置がこれらの被供給部材の中
心よりずれたり、供給樹脂液の真円度が悪くなる場合が
ある。このような場合、型部材と硝子部材または硝子部
材と樹脂層とを一体化した部材を近接させ、樹脂液を所
望の樹脂層の薄さにまで広げた時、樹脂は硝子部材中心
よりずれて広がったり真円度の悪い形状にひろがってし
まう。
【0003】これらの問題点を解消するためには、供給
する樹脂液の位置を前記被供給部材の中心に精度よく供
給したり、あるいは供給樹脂液の真円度をよくする必要
があるが、樹脂液の供給装置の樹脂吐出口を精密に前記
被供給部材の中心に位置決めしても、所望の精度で所望
の真円度に供給するのは難しい。そのため、現状では、
供給された樹脂液の位置が被供給部材の中心よりずれた
り、あるいは供給樹脂液の真円度が悪くても、特開平3
−13902号に開示されているように、型部材の光学
的有効径の外側に環状の凸条または凹溝を形成し、上記
のような樹脂液が広がるときの問題点を解決しようとし
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例では、環状の凸条または凹溝がたとえ光学的な有
効径外に存在するとしても、それを通過する光線は大き
く屈折するため、撮影系レンズに使用した場合ゴースト
が発生してしまう。また、型部材や硝子部材に凸条また
は凹溝を加工する手間がかかるという問題があった。
【0005】また、上記の技術を用いない場合は、樹脂
液を供給し、型部材と、硝子部材または硝子部材と樹脂
層とを一体化した部材とを接近させ、所望の樹脂層の厚
みまで押し広げた時、樹脂が硝子部材中心よりずれて広
がったり、真円度の悪い広がり方を防ぐ対策を施さねば
ならなかった。
【0006】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、光学的な
機能として不必要な形状を形成することなく供給すべき
樹脂液が被供給部材の中心に真円度よく供給され、樹脂
層が硝子部材の中心に真円度よく成形される光学部材の
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し目
的を達成するために、本発明に係わる光学部材の製造方
法は、硝子部材と型部材の間に樹脂材料を配置し、活性
エネルギー線の照射により前記樹脂材料を固着させて硝
子部材と樹脂材料を一体化した光学部材を成形する製造
方法において、前記型部材と前記硝子部材の間に前記樹
脂材料を供給する工程の前に、前記型部材及び前記硝子
部材の表面の帯電を除去する除電工程を設け、該除電工
程の作用により前記型部材上への前記樹脂材料の供給状
態を均一化させた後に、前記活性エネルギー線の照射を
行なうようにしたことを特徴としている。
【0008】また、本発明に係わる光学部材の製造方法
は、硝子部材と型部材の間に樹脂材料を配置した後に活
性エネルギー線の照射により前記硝子部材と前記樹脂材
料を固着し、前記硝子部材と前記第1次の樹脂材料によ
る第1の樹脂部の上に、さらに樹脂材料の供給と活性エ
ネルギー線の照射による第2の樹脂部を固着して光学部
材を成形する製造方法において、少なくとも最終の前記
活性エネルギー線の照射の前に、前記型部材及び/又は
樹脂部の表面の帯電を除去することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の好適な一実施形態に
ついて説明するのであるが、その前にこの発明の概要に
ついて述べる。
【0010】前述の、硝子部材、硝子部材と樹脂層とを
一体化した部材、あるいは型部材に、その中心に樹脂液
を1塊の真円度のよい状態で供給し、真円度よく樹脂を
広げようとする場合、樹脂液の吐出口の位置決め精度を
上げて対応するのが一般的である。しかしながら、実際
には、吐出口の位置決め精度を上げても必要とする精度
が得られない場合がある。この原因として、本願出願人
は、供給した樹脂材料が真円にならず、樹脂の広がり方
も均一にならないのは、被供給部材の表面が帯電してい
るためであることを見出した。即ち、被供給部材に樹脂
が接触する際に樹脂液と被供給部材が反発したり引き付
けたりすることにより、供給した樹脂材料が真円になら
ない。また、樹脂がたとえ中心に真円度よく供給された
としても、被供給部材の表面が帯電しており、しかもそ
の帯電の状態が面内で均一でない場合には、樹脂がひろ
がっていく際に真円度良く広がらない。従って、この帯
電を除去することによって、被供給部材の中心に正確に
樹脂液を供給し、かつ真円度良く樹脂を広げるようにす
ることが本願の趣旨である。
【0011】連続成形中の型部材は、型部材から成形品
を離型する工程において、表面に静電気が生じやすい。
特に、型部材に電気抵抗の大きい樹脂(セラミック、樹
脂等)を用いた場合にはこの傾向が強く現われる。ま
た、硝子部材の上に樹脂層を1回若しくは複数回成形し
た上に重ねて樹脂層を成形する時にも、直前の樹脂層の
成形において型部材から離型するときに樹脂層表面が帯
電を起こす。そのため、これらの部材に樹脂液を供給す
る前に帯電を除去する工程を設け、被供給部材の中心に
正確に樹脂液を供給し樹脂が真円度良く広がるようにす
る。
【0012】以下、本発明の実施形態について添付図面
を参照して説明する。
【0013】図1は、一実施形態の光学部材の成形装置
の概略構造を示した図である。
【0014】図1において、10は樹脂層32を成形す
るための型部材12や、硝子部材30を支持するための
支持部材14を保持するための基板を示している。この
基板10の上面には型部材12、支持部材14、及びチ
ャッキング部材16が配置されている。基板10の下側
には支持部材14に連結された離型プレート20を上下
方向に移動させるための離型エアシリンダ21が配置さ
れているとともに、チャッキング部材16に連結された
チャッキングプレート22を上下方向に移動させるため
のチャッキングエアシリンダ23が配置されている。
【0015】詳しくは、基板10の上面には、中心部に
円筒状の内周面14aを有する支持部材14が載置され
ている。支持部材14の内側には14aの内径よりわず
かに細い外径を有する型部材12が挿入されており、型
部材12はその下端面を基板上面10aに固定されてい
る。したがって、この支持部材14は、その内周面14
aを型部材12に案内された状態で、型部材12と基板
10に対し、この型部材12の中心線軸に沿う方向(図
中上下方向)に摺動可能になっている。
【0016】また、支持部材14の外周面14bと内周
面14aの間には、鉛直上方に開口した円筒状の空間部
15が形成されており、この空間部15には、略円筒状
のチャッキング部材16が、その下側の嵌合部16aの
内周面を、支持部材14の空間部15の外周面14cと
嵌合させた状態で装着されている。そしてこのチャッキ
ング部材16は、その嵌合部16aが、支持部材14の
空間部15の外周面14cにガイドされた状態で、支持
部材14に対して相対的に型部材12の中心軸線に沿う
方向(図中上下方向)にスライド可能にされている。
【0017】ここで、チャッキング部材16は、内周面
16aを持つ円筒状の下側部分と、4本の幅5mmのア
ーム部16bとからなる一体の部材であり、アーム部1
6bは下側の円筒部分から円周方向に等間隔で直立して
いる。アーム部16bは、下側の円筒部分よりも薄肉に
されているので、チャッキング部材16を形成する材料
の弾性により、内側及び外側にたわむことが可能であ
る。そして、このアーム部16bの先端部には、後述す
る硝子部材30の外周面をチャッキングして位置決めす
るためのチャッキング面16cが設けられている。
【0018】アーム部16bの中間部には突起部16d
が形成されているとともに、先端部には突起部16eが
形成されており、突起部16dは支持部材14の空間部
15に形成されたカム面14dに当接し、突起部17e
は支持部材14の空間部15の上端部に形成された斜面
14eに当接する。
【0019】したがってチャッキング部材16を支持部
材14に対して上下方向にスライドさせることにより、
4つのアーム部16bがカム面14dと斜面14eに沿
って動き、チャッキング面16cの開閉動作を行なわせ
ることができる。すなわち、チャッキング部材16の上
下方向のスライドにより、硝子部材30のチャッキング
及び解除が行われるのである。
【0020】一方、基板10の下側には支持部材14を
型部材12及び基板10に対して上下方向に移動させる
ための離型プレート20が押上ロッド24A,24B,
24C(24Cは不図示)を介して支持部材14に固定
されており、離型エアシリンダ21は基板10に固定さ
れ、そのシリンダロッド21aは離型プレート20に固
定されている。また、チャッキング部材16を支持部材
14に対して上下方向に移動させるためのチャッキング
プレート22が接続ロッド26A,26B,26C(2
6Cは不図示)を介してチャッキング部材16に固定さ
れており、チャッキングエアシリンダ23は離型プレー
ト20に固定され、シリンダロッド23eの上面には、
チャッキングプレート22が取り付けられている。
【0021】また支持部材14の下面とチャッキングプ
レート22の上面の間には接続ロッド26A,26B,
26Cの外周面に緩く嵌合した状態で圧縮ばね27A,
27B,27C(27Cのみ不図示)が配置され、これ
によりチャッキングプレート22、即ちチャッキング部
材16は支持部材14の下面に対して押し下げられる方
向に付勢されている。
【0022】したがってチャッキングエアシリンダ23
が作動していない状態では、シリンダロッド23b、チ
ャッキングプレート22等の自重及び圧縮ばね27A,
27B,27Cの付勢力により、チャッキング部材16
の4つの爪部16cは閉じた状態になっており、硝子部
材30はその外周面を4つのチャッキング面16cによ
りチャッキングされている。そしてこの状態において
は、硝子部材30はチャッキング部材16によりその光
軸の位置が型部材12の成形面12bの中心に正確に一
致した状態で保持されている。また、チャッキングエア
シリンダ23が作動している状態では、チャッキングプ
レート22が押し上げられ接続ロッド26A,26B,
26Cを介してチャッキング部材16が上方向に押し上
げられることになる。これによりチャッキング面16c
が図2に示したように開状態になり、チャッキングが解
除された状態となる。
【0023】一方、基板10の下面と離型プレート20
の上面の間には押上ロッド24A,24B,24Cの外
周面に緩く嵌合した状態で圧縮ばね25A,25B,2
5C(25Cのみ不図示)が配置され、これにより離型
プレート20、即ち支持部材14は基板10、即ち型部
材12の下面に対して押し下げられる方向に付勢されて
いる。
【0024】したがって、離型エアシリンダ21が作動
していない状態では、これらシリンダロッド21a、離
型プレート20等の自重及び圧縮ばね25A,25B,
25Cの付勢力により、支持部材14の下端部14fは
基板10に当接した状態になっており、硝子部材30と
型部材12は、あらかじめ設定された距離で保持され、
樹脂層32の厚みは適正な厚みになっている。また、離
型エアシリンダ21を動作させることにより離型プレー
トが押し上げられ、押上ロッド24A,24B,24C
を介して支持部材14を上側に移動させると、完成した
レプリカレンズ33が型部材12から離型されることと
なる。
【0025】なお、型部材12の成形面12bはレプリ
カレンズ33の完成形状に要求される非球面形状に加工
されているので支持部材14の上端面14g上に硝子部
材30を載置した状態で、かつ支持部材14と基板10
が当接した状態において、硝子部材30の接合面30a
と成形面12bとにより規定される空間内に充填された
樹脂液を硬化させることにより硝子部材30の表面に成
形面12bの非球面形状が転写された樹脂層32を形成
することができる。
【0026】硝子部材30の上方には、樹脂液を供給す
るための供給装置40と、活性エネルギー線を照射する
ための照射装置42と、型部材12の表面を除電するた
めの送風型除電装置44が配置されており、各々の移動
機構41、43、45により移動することができるよう
に構成されている。
【0027】次に、このように構成された成形装置を使
用してレプリカレンズを成形加工する手順について説明
する。
【0028】硝子部材30は光学硝子からなる研磨レン
ズであって、これを図1の成形装置に搬送する。型部材
12は高分子材料等を加工したものであり、連続してレ
プリカレンズを形成していると仮定するならば、直前に
レプリカレンズを成形した際に、型部材12からレプリ
カレンズを離型することによって型部材12の成形面1
2bは強く帯電している。
【0029】そのため、除電装置44を型部材12の上
方に移動させ、除電を3秒間行い成形面12bの除電を
行う。
【0030】本実施形態では、静電気の除電のためにコ
ロナ放電を利用した送風型除電装置WINSTAT T
ype BF−3(シシド静電気社製)を用いている
が、どのような装置を用いて帯電を除去しても効果は変
らない。
【0031】この後、除電装置44を型部材12の上方
から退避させ、樹脂液の供給装置40の樹脂液供給ノズ
ル40aが型部材12の中心でかつ成形面12bより2
mmの距離を保つように正確に位置決めを行い、樹脂液
をあらかじめ設定しただけ定量吐出する。
【0032】このとき、樹脂液は紫外線硬化型のウレタ
ンアクリレート系樹脂を用い、樹脂供給装置40はMX
−9000E(武蔵エンジニアリング社製)を使用して
型部材12の中心に真円度よく吐出することが可能であ
る。
【0033】次に、図2に示すようにチャッキングエア
シリンダ23を動作させてチャッキング部材16をチャ
ッキング解除の状態にさせ、離型エアシリンダ21を動
作させて型部材12に対して支持部材14を上昇させ
る。
【0034】次に、硝子部材30を接合面30aを下に
向けて、支持部材14の上端面14g上に載置する。こ
のとき型部材12上の樹脂液と硝子部材30の接合面3
0aとは接触していない。なお、硝子部材30の接合面
30aは、前もって除電装置により除電しておく。続い
て、チャッキングエアシリンダ23の動作を解除しチャ
ッキング部材16をチャッキング状態とする。これによ
り、硝子部材30の光軸中心が成形面12bの光軸中心
と一致するように型部材12に対して位置決めされる。
そして離型エアシリンダ21ヘのエア圧力を調節して、
支持部材14を型部材12に対して毎秒1mm下降させ
ることにより、樹脂液と硝子部材30が接触し、続いて
成形面12bと接合面30aに真円度よく樹脂液が押し
広げられる。このとき既に成形面12bと接合面30a
は除電されているため、樹脂液はいびつな形に変形しな
がら広がるような現象は起こらない。
【0035】支持部材14と基板10が当接し、硝子部
材30と型部材12があらかじめ設定した距離となる位
置になって樹脂液が押し広げられた状態で、紫外線の照
射装置42を硝子部材30の上に移動させる。そして、
図1に示すように硝子部材30を透して樹脂層32に紫
外線を照射して硬化させる。
【0036】次に、離型エアシリンダ21を動作させ
て、型部材12に対して支持部材14を押し上げること
により、硝子部材30上に成形された樹脂層32を型部
材12から離型させる。続いてチャッキングエアシリン
ダ23を動作させることによりチャッキングを解除し、
成形装置よりレプリカレンズを取り出す。
【0037】なお上記の成形加工の説明においては、硝
子部材30と型部材12の両方を除電し、樹脂液を型部
材12に供給するように説明したが、成形すべき硝子部
材30の接合面30aが凹面の場合、型部材12が凸面
であるため必要な樹脂液を型部材に供給してしまうと、
除電したとしても重力によって樹脂液が型部材の中心よ
り移動して、型部材12の中心に真円度よく樹脂液を供
給することができない。そこで硝子部材30と型部材1
2の両方を除電し、凹面を持つ硝子部材30に樹脂液を
供給すると、硝子部材30の中心に真円度よく樹脂液が
供給でき、硝子部材30の接合面30a上に真円度よく
樹脂層32を形成することができる。この際、接合面3
0aを上方に向けて樹脂液を硝子部材30に供給した
後、硝子部材30を180度反転させて接合面30aを
下方に向けてから成形装置の支持部材14に載置する必
要があるが、樹脂液が偏らないよう反転する速度及び反
転動作の加速度を適宜に調整する必要がある。
【0038】また上記の成形加工の説明においては、一
回の成形加工によって硝子部材30の接合面30a上に
樹脂層32を形成するように説明したが、樹脂層32の
厚い部分と薄い部分の差が大きい場合には厚い部分と薄
い部分の収縮量の差により1回の成形加工によって所望
の面形状を形成させることができない場合がある。その
場合には、いったん所望の面形状に近い形状を形成して
その上に更に成形を行い所望の形状に非常に近い面形状
を形成する成形加工が行われる。このように成形加工を
2回行なえば、1回目の成形加工で1層目の樹脂層が所
望の形状に近い状態に形成されるので、2回目の成形加
工で形成される樹脂層はほとんど均一の厚さの樹脂層と
なり、樹脂の収縮率の影響が少ない非常に所望の形状に
近い面形状を得ることができる。
【0039】このとき樹脂層を2回に分けて成形加工す
るには上述した成形加工を2回繰り返せばよい。ただし
1層目と2層目で型部材12の高さを異ならせる必要が
あるので、1層目と2層目で別の型部材を使用するか、
型部材の高さを調節する必要がある。
【0040】また、2層目の成形加工を行う場合、1層
目の樹脂層の電気抵抗が大きいため、1層目の成形時の
離型のときにこの1層目の樹脂層は強く帯電している。
また、型部材12が高分子材料を加工したものである場
合、前回の成形時の離型の際に型部材の表面も強く帯電
している。そのため、1層目の樹脂層と型部材の片方若
しくは両方を除電した後に樹脂液を供給し、1層目の樹
脂層の上に2層目の樹脂層を成形加工する。
【0041】以下に上述の成形装置を使用した成形方法
によって、数種のレプリカレンズを成形した実施例と比
較例を示す。
【0042】
【実施例1】 「条件」硝子部材材料 Lak8 硝子部材外径 φ33.5 光線有効径 φ28.8 良品となる樹脂層の外径の範囲 φ30〜φ32.0 硝子部材曲率半径 R1(接合面):29.5凸 R2:150.2凸 樹脂材料 ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂 型部材 BK7 (光学硝子) 樹脂材料の供給量 55mg 成形加工工程の概略 型部材を除電 型部材に樹脂液を供給(型部材の中心からの供給 装置ノズルのずれ 50μm以内) 1層成形 「結果」樹脂層表面形状の型形状からのずれ量 1.2μm 成形不良率(樹脂層の外径に関する) 0.5% 上記の実施例1においては、樹脂層を1回の成形加工で
形成しており、型部材には光学硝子のBK7を使用して
いる。BK7は連続成形において表面が帯電するため、
型部材を除電してから樹脂の供給を行う。樹脂の供給
は、型部材が凹面のため型部材に行い、樹脂液供給装置
のノズル位置は移動機構の精密制御により、型部材の光
軸中心から50μm以内に位置決めされる。樹脂液は図
3(a),(b)に示すように型部材の中心に真円度よ
く供給され樹脂液が押し広げられるときも初期の真円度
をよく保ったまま押し広げられていく。硝子部材外径φ
33.5、光線有効径φ28.8という光学設計と鏡筒
設計から、樹脂層の形成された外径が硝子部材のφ30
〜φ32.0の範囲内に入っていない場合は、光学的に
使用する領域に樹脂層が形成されていないか、レプリカ
レンズを組込む鏡筒部品に干渉するために光学部品とし
て使用できない。このようなレプリカレンズができる不
良率が0.5%であり、実際の生産上問題の無いレベル
である。
【0043】
【比較例1】 「条件」硝子部材材料 Lak8 硝子部材外径 φ33.5 光線有効径 φ28.8 良品となる樹脂層の外系の範囲 φ30〜φ32.0 硝子部材曲率半径 R1(接合面):29.5凸 R2:150.2凸 樹脂材料 ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂 型部材 BK7 (光学硝子) 樹脂材料の供給量 55mg 成形加工工程の概略 型部材に樹脂液を供給(型部材の中心からの供給 装置ノズルのずれ 50μm以内) 1層成形 「結果」樹脂層表面形状の型形状からのずれ量 1.2μm 成形不良率(樹脂層の外径に関する) 20% 上記の比較例1においては、型部材の除電をしないこと
以外は実施例1と同一である。BK7は連続成形におい
て表面が帯電している。型部材に樹脂の供給を行うと
き、樹脂液供給装置のノズル位置は移動機構の精密制御
により、型部材の光軸中心から50μm以内に位置決め
されるが、型部材の帯電がある為、図4(a),(b)
に示すように型部材の中心に真円度よく供給するのは困
難である。樹脂液供給装置のノズルは、型部材から離し
すぎて樹脂を吐出すると、特に型部材の帯電の影響を受
けやすく型部材から1mm以内に接近させて吐出したほ
うが比較的中心に近く真円度よく吐出することができ
る。また、樹脂液を押し広げていく工程においても、型
部材の帯電によって樹脂の広がりが促進されたり抑制さ
れたりすることにより、樹脂の真円度が悪くなりながら
押し広げられていくことになり、樹脂層の外径に関する
不良率が20%となって、実際の生産上問題のあるレベ
ルとなった。
【0044】
【実施例2】 「条件」硝子部材材料 Lak8 硝子部材外径 φ33.5 光線有効径 φ28.6 良品となる樹脂層の外系の範囲 φ28.8〜φ32.0 硝子部材曲率半径 R1(接合面):25.7凹 R2:250凹 樹脂材料 ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂 型部材(1層目) テフロン(デュポン社製) 型部材(2層目) KNメッキ 樹脂材料の供給量 75mg 成形加工工程の概略 型部材(1層目)を除電 硝子部材に樹脂液を供給(硝子部材の中心からの 供給装置ノズルのずれ 50μm以内) 1層目成形 硝子部材上に形成された1層目樹脂層の表面を除 電 硝子部材上に形成された1層目樹脂層に樹脂を供 給(硝子部剤の中心からの供給装置ノズルのずれ 50μm以内) 2層目成形 「結果」樹脂層表面形状の型形状からのずれ量 0.6μm 成形不良率(樹脂層の外径に関する) 1.0% 上記の実施例2においては、樹脂層を2回の成形加工で
形成しており、1層目の型部材には高分子材料のテフロ
ンを使用している。テフロンは連続成形において表面が
帯電するため、型部材を除電してから1層目の成形を行
う。樹脂の供給は、硝子部材が凹面のため硝子部材に行
い、樹脂液供給装置のノズル位置は移動機構の精密制御
により、硝子部材の光軸中心から50μm以内に位置決
めされる。樹脂液は硝子部材の中心に真円度よく供給さ
れ、硝子部材の上下を反転する際に、樹脂が偏りを起こ
さないよう適宜反転の速度及び反転時の加速度を調節し
て支持部材の上に載置する。型部材の帯電が除去されて
いるため樹脂液が押し広げられるときも初期の真円度を
良く保ったまま押し広げられていく。
【0045】2層目型部材には、KNメッキが使用され
ているので帯電はわずかである。しかし、硝子部材上に
形成された1層目樹脂層の表面は帯電しているため図5
の如く除電を行う必要がある。
【0046】樹脂の供給は、凹面の硝子部材上に形成さ
れた1層目の樹脂層の表面に行い、樹脂液供給装置のノ
ズル位置は移動機構の精密制御により、硝子部材の光軸
中心から50μm以内に位置決めされる。樹脂液は硝子
部材の中心に対して真円度良く供給され樹脂液が押し広
げられる時も初期の真円度を良く保ったまま押し広げら
れていく。
【0047】硝子部材外径 φ33.5、光線有効径
φ28.6という光学設計と鏡筒設計から、樹脂層の形
成された外径が硝子部材のφ28.8〜φ32.0の範
囲内に入っていない場合は、光学的に使用する領域に樹
脂層が形成されていないか、レプリカレンズを組み込む
鏡筒部品に干渉するため光学部品として使用できない。
このようなレプリカレンズができる不良率が1.0%で
あり、実際の生産上問題の無いレベルである。
【0048】なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範
囲で、上記実施例を修正または変形したものに適用可能
である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば光
学的な機能として不必要な形状を形成することなく供給
すべき樹脂液が被供給部材の中心に真円度良く供給さ
れ、樹脂層が硝子部材の中心に真円度良く成形される光
学部材の製造方法が提供される。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の光学部材の成形装置の概略構造を
示した図である。
【図2】図1の成形装置において、チャッキングを解除
した状態を示した図である。
【図3】実施例1において、除電した型部材に樹脂液を
供給する工程を示した図である。
【図4】比較例1において、帯電している型部材に樹脂
液を供給する工程を示した図である。
【図5】実施例2において、硝子部材に樹脂層を形成し
た表面の帯電を除去する工程を示した図である。
【符号の説明】
1 樹脂液 10 基板 12 型部材 14 支持部材 16 チャッキング部材 20 離型プレート 21 離型エアシリンダ 22 チャッキングプレート 23 チャッキングエアシリンダ 24 押上ロッド 25 圧縮バネ 26 接続ロッド 27 圧縮バネ 30 硝子部材 32 樹脂層 40 供給装置 41 移動機構 42 照射装置 43 移動機構 44 除電装置 45 移動機構 46 活性エネルギー線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 11/00 B29C 39/10 B29C 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝子部材と型部材の間に樹脂材料を配置
    し、活性エネルギー線の照射により前記樹脂材料を固着
    させて硝子部材と樹脂材料を一体化した光学部材を成形
    する製造方法において、 前記型部材と前記硝子部材の間に前記樹脂材料を供給す
    る工程の前に、前記型部材及び前記硝子部材の表面の帯
    電を除去する除電工程を設け、該除電工程の作用により
    前記型部材上への前記樹脂材料の供給状態を均一化させ
    た後に、前記活性エネルギー線の照射を行なうようにし
    たことを特徴とする光学部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 硝子部材と型部材の間に樹脂材料を配置
    した後に活性エネルギー線の照射により前記硝子部材と
    前記樹脂材料を固着し、前記硝子部材と前記第1次の樹
    脂材料による第1の樹脂部の上に、さらに樹脂材料の供
    給と活性エネルギー線の照射による第2の樹脂部を固着
    して光学部材を成形する製造方法において、 少なくとも最終の前記活性エネルギー線の照射の前に、
    前記型部材及び/又は樹脂部の表面の帯電を除去するこ
    とを特徴とする光学部材の製造方法。
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