JP3262913B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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也寸志 菊地
俊彦 鈴木
理一郎 真間
慎一 平川
孝四郎 金澤
文敏 鈴木
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香を発散する空気入
りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に空気入りタイヤは、加硫されたゴ
ム組成物を主材料として構成されている。この加硫ゴム
は独特の臭いをもっており、一部のマニアには好まれる
ものの、必ずしも全ての人に好まれるとは言い難いとこ
ろがあった。そのため、締め切った店舗等にタイヤを陳
列した場合など、必ずしも快適な雰囲気になっていると
は言えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような問題を解消し、全ての人に好まれるような芳香
を発散し得る空気入りタイヤを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明は、少なくともタイヤ外表面領域を構成するゴ
ム組成物中に、沸点190℃以上の香料化合物からなる
芳香性の香料を練り込んでなることを特徴としている。
このように少なくともタイヤ外表面領域に芳香性のある
香料を保持させたので、そのタイヤから常に芳香を発散
させ、快適な雰囲気を形成することができる。
【0005】本発明において、香料とは芳香性を有する
物質又はその混合物をいい、特にヘリオトロープ系、ジ
ャスミン系、ローズ系、オレンジフラワー系、アンバー
系、ムスク系の香料化合物を1種又は2種以上配合した
ものが好ましく使用される。さらに具体的な香料とし
て、下記のパチュリ油を主体とするオリエンタルベース
にローズ系、アンバー系、ムスク系及びジャスミン系の
香料成分を、溶剤のジオクチルフタレート(DOP)と
共に上乗せしたタブ(TABU)タイプの香料がある。
【0006】オリエンタルベース:パチュリ油、ハーコ
リン(メチルアビエテート methylabietate)、バニリ
ン、エチルバニリン、クマリン ローズ系香料成分:フェニルエチルアルコール、ゲラニ
オール、イソ−ボルニルメトキシシクロヘキサノール
(iso-Bornyl methoxycyclohexanol) アンバー系香料成分:テトラハイドロパラメチルキノリ
ン ムスク系香料成分:ガラクソリッド、ムスクケトン ジャスミン系香料成分:α−アミルシンナムアルデヒ
ド,メチルジヒドロジャスモネート また、下記ヘリオトロープ系香料成分を主香調とし、ジ
ャスミン系香料成分、さらに高調性、拡散性を付与する
ため、ローズ系香料成分やオレンジフラワー系香料成分
を溶媒のDOPと一緒に加えたアメシスト(AMETH
YST)タイプの香料が挙げられ、これらは甘くて重厚
であり、特にゴム臭の抑制に好適である。
【0007】 ヘリオトロープ系香料成分: ヘリオトロピン、ムスクケトン、クマリン、エチルバニ
リン、アセチルセドレン、ハーコリン(メチルアビエテ
ート)、オイゲノール、メチルヨノンローズ系香料成
分: ダマスコン−β、ダマスコン−α、イソ−ボルニルメト
キシシクロヘキサノール オレンジフラワー系香料成分: メチルアンスラニレート、γ−ウンデカラクトン、γ−
ノナラクトンジャスミン系香料成分: メチルジヒドロジャスモネート 本発明において、上記香料は、少なくともタイヤ外表面
領域に保持する。香料の保持域は全表面である必要はな
いが、好ましくは外表面積の少なくとも10%を占める
ようにするのがよい。外表面としては、サイドウォー
ル、トレッド等に付与するのがよい。
【0008】香料をタイヤの外表面領域に保持させる手
段は保持の持続性を高くする上練り込みが最適であ
練り込みにより保持させる香料としては、沸点が1
90℃以上の香料成分を使用することが望ましい。例え
ば、ヘリオトロープ系、ジャスミン系、ローズ系、オレ
ンジフラワー系、アンバー系、ムスク系の香料成分を挙
げることができる。沸点が190℃以上の香料成分を使
用することにより、ゴムとの混練や加硫等の加工中に蒸
発逸散したり、分解変質したりするのを防止し、タイヤ
製品にした後の芳香性を長期間にわたって維持すること
が可能になる。
【0009】また、練り込みの場合、ゴム組成物中への
香料の配合量は特に限定されないが、好ましくは原料ゴ
ム100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲にす
るのがよい。
【0010】
【実施例】表1に示す原料ゴムに、それぞれ加硫促進剤
と硫黄を除き、香料を含む各配合薬品を混合し、バンバ
リーミキサーとロール機を使用して混練し、それぞれ香
料の種類と配合量を異にする4種類の未加硫ゴム組成物
1〜4を得た。 表1中、香料(1)は表2に示す配合の香料を示す。香料
(2)は表3に示す配合の香料を示す。 ポリブタジエンゴムは日本ゼオン社製(ニポール "Nipo
l" BR 1220) カーボンブラックはHAF(N330T) 老化防止剤はN−1,3−ジメチルブチル−N’−フェ
ニル−p−フェニレンジアミン 加硫促進剤はN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾ
ールスルフェンアミドである。
【0011】
【0012】 次いで、これら4種類の未加硫ゴム組成物1〜4にそれ
ぞれ表1に示す加硫促進剤と硫黄を配合し、これからそ
れぞれタイヤ外表面積の18.7%の面積を占めるサイ
ドウォールを構成して160℃で加硫し、タイヤサイズ
195/60HR14の本発明タイヤ1,2,3、従来
タイヤを製作した。
【0013】これら4種類のタイヤについて、下記評香
方法によりタイヤの匂いを判定したところ、その結果は
表4に示す通りであった。評香方法 :試験タイヤを、ステンレス製の無臭ボックス
(室)内に縦に載置し、24時間1ケ月間及び6ケ月間
それぞれ放置した後、前記無臭ボックスに設けた嗅ぎ穴
から5人のパネルメンバーが評香し、次の基準により判
定した。 −2:ゴム基材の臭がより強調された −1:ゴム基材の臭がそのまま残っていた 0:マスキング効果のみ +1:マスキング効果に加えて好ましい芳香が付香され
た +2:マスキング効果に加えてより好ましい芳香が付香
された
【0014】 本発明タイヤ1,2,3は、いずれも従来タイヤに比べ
て著しく良好な香りを24時間経過後、1ケ月経過後及
び6ケ月経過後共に発散していた。
【0015】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤは、少なくとも
外表面領域に芳香性の香料を保持させたので、タイヤか
ら常に芳香を発散し、タイヤ本来のゴム臭をなくすこと
ができる。したがって、快適な雰囲気をもたらし店舗に
陳列した場合の商品価値を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真間 理一郎 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム 株式会社 平塚製造所内 (72)発明者 平川 慎一 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社内 (72)発明者 金澤 孝四郎 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社内 (72)発明者 鈴木 文敏 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−275711(JP,A) 特開 平2−248488(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 1/00 C08L 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともタイヤ外表面領域を構成する
    ゴム組成物中に、沸点190℃以上の香料化合物からな
    芳香性の香料を練り込んでなる空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記香料が溶剤としてジオクチルフタレ
    ートを含有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記香料がヘリオトロープ系、ジャスミ
    ン系、ローズ系、オレンジフラワー系、アンバー系、ム
    スク系の群からなる香料化合物から選ばれた1種以上の
    香料成分を含有する請求項1又は2に記載の空気入りタ
    イヤ。
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KR100727404B1 (ko) * 2005-08-18 2007-06-12 금호타이어 주식회사 타이어 사이드월용 향기 고무조성물
KR100727403B1 (ko) * 2005-08-18 2007-06-12 금호타이어 주식회사 타이어 트레드용 향기 고무조성물
KR100738657B1 (ko) * 2005-08-29 2007-07-11 금호타이어 주식회사 향료 파우더 조성물의 제조방법
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JP7409761B2 (ja) * 2017-12-05 2024-01-09 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物およびタイヤ
JP7231813B2 (ja) * 2018-10-04 2023-03-02 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

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