JP3261457B2 - 高温用耐酸化性合金材料及びその製造方法 - Google Patents
高温用耐酸化性合金材料及びその製造方法Info
- Publication number
- JP3261457B2 JP3261457B2 JP32239199A JP32239199A JP3261457B2 JP 3261457 B2 JP3261457 B2 JP 3261457B2 JP 32239199 A JP32239199 A JP 32239199A JP 32239199 A JP32239199 A JP 32239199A JP 3261457 B2 JP3261457 B2 JP 3261457B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxidation
- temperature
- powder
- alloy material
- mgo
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C27/00—Alloys based on rhenium or a refractory metal not mentioned in groups C22C14/00 or C22C16/00
- C22C27/02—Alloys based on vanadium, niobium, or tantalum
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C32/00—Non-ferrous alloys containing at least 5% by weight but less than 50% by weight of oxides, carbides, borides, nitrides, silicides or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides, whether added as such or formed in situ
- C22C32/001—Non-ferrous alloys containing at least 5% by weight but less than 50% by weight of oxides, carbides, borides, nitrides, silicides or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides, whether added as such or formed in situ with only oxides
- C22C32/0015—Non-ferrous alloys containing at least 5% by weight but less than 50% by weight of oxides, carbides, borides, nitrides, silicides or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides, whether added as such or formed in situ with only oxides with only single oxides as main non-metallic constituents
- C22C32/0031—Matrix based on refractory metals, W, Mo, Nb, Hf, Ta, Zr, Ti, V or alloys thereof
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C8/00—Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
- C23C8/06—Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases
- C23C8/08—Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using gases only one element being applied
- C23C8/10—Oxidising
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01D—NON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
- F01D5/00—Blades; Blade-carrying members; Heating, heat-insulating, cooling or antivibration means on the blades or the members
- F01D5/12—Blades
- F01D5/28—Selecting particular materials; Particular measures relating thereto; Measures against erosion or corrosion
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01D—NON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
- F01D5/00—Blades; Blade-carrying members; Heating, heat-insulating, cooling or antivibration means on the blades or the members
- F01D5/12—Blades
- F01D5/28—Selecting particular materials; Particular measures relating thereto; Measures against erosion or corrosion
- F01D5/288—Protective coatings for blades
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F3/00—Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
- B22F3/24—After-treatment of workpieces or articles
- B22F2003/241—Chemical after-treatment on the surface
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F2998/00—Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F2998/00—Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy
- B22F2998/10—Processes characterised by the sequence of their steps
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐酸化性を
有する高温用合金材料及びその製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくいえば、本発明は、Nb−Ti−A
l系合金材料中にMgを含ませることにより、優れた耐
酸化性を付与した高温用合金材料及びその製造方法に関
するものである。
有する高温用合金材料及びその製造方法に関するもので
ある。さらに詳しくいえば、本発明は、Nb−Ti−A
l系合金材料中にMgを含ませることにより、優れた耐
酸化性を付与した高温用合金材料及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン用の材料としては、特に高
い高温強度と優れた耐酸化性が必要であり、従来、Ni
基超合金が一般に用いられてきた。ガスタービンでは、
より高温でより高いエネルギー効率が得られるために、
Ni基超合金の耐熱温度を向上させる様々な努力が続け
られてきており、近年では、一方向凝固材、あるいは単
結晶材が実用化されるに至っている。しかし、Ni基超
合金の耐熱温度の向上は、Niの融点があまり高くない
ため、ほぼ限界に達しつつあることはよく知られてい
る。そのため、本質的に耐熱性の高いセラミックス、金
属間化合物、あるいはNbなどの高融点金属が、Ni基
超合金の限界を超え得る材料として研究されてきた。
い高温強度と優れた耐酸化性が必要であり、従来、Ni
基超合金が一般に用いられてきた。ガスタービンでは、
より高温でより高いエネルギー効率が得られるために、
Ni基超合金の耐熱温度を向上させる様々な努力が続け
られてきており、近年では、一方向凝固材、あるいは単
結晶材が実用化されるに至っている。しかし、Ni基超
合金の耐熱温度の向上は、Niの融点があまり高くない
ため、ほぼ限界に達しつつあることはよく知られてい
る。そのため、本質的に耐熱性の高いセラミックス、金
属間化合物、あるいはNbなどの高融点金属が、Ni基
超合金の限界を超え得る材料として研究されてきた。
【0003】しかし、前二者については、これらの材料
の本質的な脆性に由来する低い信頼性を克服する方法が
未だ見いだされておらず、実用化にはほど遠い状況にあ
る。近年では繊維複合強化が検討されているが、同様に
未だ研究段階にあり、特性上のみならず、経済性、生産
性などの面でも大きな困難を抱えている。他方、Nb、
W、Mo、Ta等の高融点金属は、Niに比べて融点が
非常に高い。特に、Nbは融点が2400℃以上で、し
かも、室温で延性を示す高融点金属であり、金属間化合
物やセラミックスのような機械的信頼性の点での本質的
な問題点を有していない。また、高温における強度等の
機械特性についても、従来から知られている合金開発の
手法が適用可能であり、解決される見通しは高いものと
考えられる。しかしながら、高温における耐酸化性が致
命的に劣ることが大きな問題であり、それが解決されれ
ば、Ni基超合金を越える実用材料として利用される可
能性は高いものの、未だ研究段階にある。
の本質的な脆性に由来する低い信頼性を克服する方法が
未だ見いだされておらず、実用化にはほど遠い状況にあ
る。近年では繊維複合強化が検討されているが、同様に
未だ研究段階にあり、特性上のみならず、経済性、生産
性などの面でも大きな困難を抱えている。他方、Nb、
W、Mo、Ta等の高融点金属は、Niに比べて融点が
非常に高い。特に、Nbは融点が2400℃以上で、し
かも、室温で延性を示す高融点金属であり、金属間化合
物やセラミックスのような機械的信頼性の点での本質的
な問題点を有していない。また、高温における強度等の
機械特性についても、従来から知られている合金開発の
手法が適用可能であり、解決される見通しは高いものと
考えられる。しかしながら、高温における耐酸化性が致
命的に劣ることが大きな問題であり、それが解決されれ
ば、Ni基超合金を越える実用材料として利用される可
能性は高いものの、未だ研究段階にある。
【0004】ガスタービン等への応用を想定すると、1
000℃以上の温度での耐酸化性が十分高くなければな
らない。しかし、Nb基合金は元来耐酸化性に大きく劣
るものであるので、常温での靭性を損なうことなく、合
金自体の耐酸化性を実用上問題無いくらいに改善するこ
とはきわめて困難である。従って、現実的には、材料表
面に耐酸化性に優れた他の材料、例えばMoSi2 な
どをコーティングして耐酸化性を付与するということが
考えられており、実際、そのようなコーティングによっ
てきわめて優れた耐酸化性を付与できることが知られて
いる。
000℃以上の温度での耐酸化性が十分高くなければな
らない。しかし、Nb基合金は元来耐酸化性に大きく劣
るものであるので、常温での靭性を損なうことなく、合
金自体の耐酸化性を実用上問題無いくらいに改善するこ
とはきわめて困難である。従って、現実的には、材料表
面に耐酸化性に優れた他の材料、例えばMoSi2 な
どをコーティングして耐酸化性を付与するということが
考えられており、実際、そのようなコーティングによっ
てきわめて優れた耐酸化性を付与できることが知られて
いる。
【0005】しかし、コーティング材としては、十分な
耐酸化性を持たせるために金属間化合物やセラミックス
を用いらざるを得ず、そのためコーティング膜の割れや
剥離、疲労破壊等の可能性があり、それのみでは実用的
な信頼性の高いものとすることは難しい。すなわち、N
b基合金においては主にコーティングによって耐酸化性
を付与せざるを得ないが、そのコーティングが破損した
場合でも十分な耐酸化性を保証する方策が必要である。
そのために、耐酸化コーティング膜に自己修復性を付与
する必要がある。そのような自己修復性は、Nb基合金
基材の限定された酸化によってもたらされるものである
ので、基材としてのNb基合金としては、高温酸化雰囲
気中で表面に緻密な酸化膜を形成するものでなければな
らないし、かつ、その酸化膜は酸素拡散速度が十分低い
ものでなければならない。
耐酸化性を持たせるために金属間化合物やセラミックス
を用いらざるを得ず、そのためコーティング膜の割れや
剥離、疲労破壊等の可能性があり、それのみでは実用的
な信頼性の高いものとすることは難しい。すなわち、N
b基合金においては主にコーティングによって耐酸化性
を付与せざるを得ないが、そのコーティングが破損した
場合でも十分な耐酸化性を保証する方策が必要である。
そのために、耐酸化コーティング膜に自己修復性を付与
する必要がある。そのような自己修復性は、Nb基合金
基材の限定された酸化によってもたらされるものである
ので、基材としてのNb基合金としては、高温酸化雰囲
気中で表面に緻密な酸化膜を形成するものでなければな
らないし、かつ、その酸化膜は酸素拡散速度が十分低い
ものでなければならない。
【0006】Nb基合金の耐酸化性改善については、従
来から様々な検討が重ねられてきた(例えば、"The Oxi
dation Behavior and Protection of Niobium",Journal
ofMetals,August,p.17,1990 )。通常、金属の高温
酸化では表面に金属酸化物が生成するが、その酸化物が
緻密な膜状に生成されれば、酸化速度はその酸化物膜を
通る金属元素、若しくは酸素の拡散に支配されるように
なる。従って、これらの拡散速度が十分低い酸化物膜が
生成すれば、酸化速度は低く、耐酸化性に優れたものと
なる。金属Nbの酸化ではその酸化物であるNb2 O
5 が生じるが、その酸化物中の酸素拡散速度が高温で
比較的に高いため、500℃程度以上では酸化速度が高
く、そのままでは高温材料として利用できない。
来から様々な検討が重ねられてきた(例えば、"The Oxi
dation Behavior and Protection of Niobium",Journal
ofMetals,August,p.17,1990 )。通常、金属の高温
酸化では表面に金属酸化物が生成するが、その酸化物が
緻密な膜状に生成されれば、酸化速度はその酸化物膜を
通る金属元素、若しくは酸素の拡散に支配されるように
なる。従って、これらの拡散速度が十分低い酸化物膜が
生成すれば、酸化速度は低く、耐酸化性に優れたものと
なる。金属Nbの酸化ではその酸化物であるNb2 O
5 が生じるが、その酸化物中の酸素拡散速度が高温で
比較的に高いため、500℃程度以上では酸化速度が高
く、そのままでは高温材料として利用できない。
【0007】そこで、Nbより酸化しやすい元素を添加
し、合金化することにより、その添加元素の緻密な酸化
膜を生成させることが検討されてきた。特に、AlやS
iは、その酸化物であるAl2 O3 やSiO2 中の
酸素拡散速度が高温でも非常に低いので、優れた耐酸化
膜となり得る。しかし、酸化雰囲気中でAl2 O3や
SiO2 が生じるには、合金中のAlやSiの濃度が
十分高くなければならないが、AlやSiはNbにあま
り多量には添加できない。これは、多量に添加すると、
Nbとの金属間化合物を形成するためであるが、前述の
ように金属間化合物は脆く、従って、耐酸化性は優れて
も、特に低温における靭性が大きく低下するためであ
る。
し、合金化することにより、その添加元素の緻密な酸化
膜を生成させることが検討されてきた。特に、AlやS
iは、その酸化物であるAl2 O3 やSiO2 中の
酸素拡散速度が高温でも非常に低いので、優れた耐酸化
膜となり得る。しかし、酸化雰囲気中でAl2 O3や
SiO2 が生じるには、合金中のAlやSiの濃度が
十分高くなければならないが、AlやSiはNbにあま
り多量には添加できない。これは、多量に添加すると、
Nbとの金属間化合物を形成するためであるが、前述の
ように金属間化合物は脆く、従って、耐酸化性は優れて
も、特に低温における靭性が大きく低下するためであ
る。
【0008】つまり、機械特性の点で信頼性のある実用
的な合金材料としては、延性を示すNb基金属相(体心
立方晶相)を少なくとも体積割合で10%以上、望まし
くは40%以上含むものでなければならないという基本
的条件がある。しかし、Nb金属相には、例えばAlは
1200℃では原子割合で10%程度以下しか固溶でき
ないが、この程度では、高温酸化雰囲気中で表面に緻密
なAl2 O3 膜を生じさせるには絶対的に不足してい
る。すなわち、Nb基金属相を組織中に含むという基本
的条件下では、高温酸化により、緻密なAl2 O3 や
SiO2 の酸化膜を生成させることは、少なくとも現
在まではできておらず、恐らくは不可能であろうと考え
られる。
的な合金材料としては、延性を示すNb基金属相(体心
立方晶相)を少なくとも体積割合で10%以上、望まし
くは40%以上含むものでなければならないという基本
的条件がある。しかし、Nb金属相には、例えばAlは
1200℃では原子割合で10%程度以下しか固溶でき
ないが、この程度では、高温酸化雰囲気中で表面に緻密
なAl2 O3 膜を生じさせるには絶対的に不足してい
る。すなわち、Nb基金属相を組織中に含むという基本
的条件下では、高温酸化により、緻密なAl2 O3 や
SiO2 の酸化膜を生成させることは、少なくとも現
在まではできておらず、恐らくは不可能であろうと考え
られる。
【0009】このような基本的な問題点をふまえ、様々
な検討、改善がなされてきた結果、現状では、Nb−T
i−Al三元合金を基本とする系において、Ni基超合
金と同程度の耐酸化性を有するNb基合金が開発されて
いる(例えば、"The Development of Nb-Based Advance
d Intermetallic Alloys for Structural Application
s",Journal of Metals,January,p.33-38,1996)。これ
らの合金の比較的優れた耐酸化性は、主にTiO2 よ
りなる酸化膜の生成に依っているが、このTiO 2 中
の酸素拡散速度は高温でかなり高いため、得られる耐酸
化性は不十分なものである。
な検討、改善がなされてきた結果、現状では、Nb−T
i−Al三元合金を基本とする系において、Ni基超合
金と同程度の耐酸化性を有するNb基合金が開発されて
いる(例えば、"The Development of Nb-Based Advance
d Intermetallic Alloys for Structural Application
s",Journal of Metals,January,p.33-38,1996)。これ
らの合金の比較的優れた耐酸化性は、主にTiO2 よ
りなる酸化膜の生成に依っているが、このTiO 2 中
の酸素拡散速度は高温でかなり高いため、得られる耐酸
化性は不十分なものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
Nb基合金の耐酸化性を、より一層改善することを解決
課題とするものである。具体的には、常温での靭性を確
保するために延性を示すNb基金属相を含みながら、な
おかつ、高温酸化雰囲気中で緻密な酸化膜を生じ、それ
によって、コーティングが破損した場合でも優れた耐酸
化性を保持し得るような自己修復性をもった高温用Nb
基合金材料及びその製造方法を提供するものである。ま
た、本発明の他の課題は、大気中、1000℃以上でも
使用できる高い耐酸化性を有し、かつ、常温、高温でも
強度、靭性が高く、ガスタービンの動翼等、高い耐熱性
と機械的強度及び信頼性を要求される部位に使用できる
高温用耐酸化性合金材料及びその製造方法を提供するこ
とにある。
Nb基合金の耐酸化性を、より一層改善することを解決
課題とするものである。具体的には、常温での靭性を確
保するために延性を示すNb基金属相を含みながら、な
おかつ、高温酸化雰囲気中で緻密な酸化膜を生じ、それ
によって、コーティングが破損した場合でも優れた耐酸
化性を保持し得るような自己修復性をもった高温用Nb
基合金材料及びその製造方法を提供するものである。ま
た、本発明の他の課題は、大気中、1000℃以上でも
使用できる高い耐酸化性を有し、かつ、常温、高温でも
強度、靭性が高く、ガスタービンの動翼等、高い耐熱性
と機械的強度及び信頼性を要求される部位に使用できる
高温用耐酸化性合金材料及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、Nb基合金の酸化について鋭意研究を
重ねた結果、MgをNb基合金に添加することでその目
的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
を解決するため、Nb基合金の酸化について鋭意研究を
重ねた結果、MgをNb基合金に添加することでその目
的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明の高温用耐酸化性合金材
料は、原子割合で、Nb−(15〜40%)Ti−(5
〜20%)Alで表わされるNb基合金に、高温酸化雰
囲気中で表面にMgOにより成る緻密な酸化膜を生成す
るに必要な量の金属Mgを添加したことを特徴とするも
のである。
料は、原子割合で、Nb−(15〜40%)Ti−(5
〜20%)Alで表わされるNb基合金に、高温酸化雰
囲気中で表面にMgOにより成る緻密な酸化膜を生成す
るに必要な量の金属Mgを添加したことを特徴とするも
のである。
【0013】また、上記高温用耐酸化性合金材料を製造
するための本発明の方法は、原子割合で、Nb−(15
〜40%)Ti−(5〜20%)Alで表わされるNb
基合金の原料粉末に、Mg含有金属間化合物の粉末を添
加して、粉末冶金法で焼成し、あるいは、上記合金の原
料粉末に、MgO粉末を添加し、粉末冶金法により16
00℃以上の温度で焼成することにより、MgOを一部
還元させて金属Mgを生成させることを特徴とするもの
である。
するための本発明の方法は、原子割合で、Nb−(15
〜40%)Ti−(5〜20%)Alで表わされるNb
基合金の原料粉末に、Mg含有金属間化合物の粉末を添
加して、粉末冶金法で焼成し、あるいは、上記合金の原
料粉末に、MgO粉末を添加し、粉末冶金法により16
00℃以上の温度で焼成することにより、MgOを一部
還元させて金属Mgを生成させることを特徴とするもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る高温用耐酸
化性合金材料及びその製造方法の実施の形態について詳
細に説明する。本発明における高温用耐酸化性合金材料
の基本となる合金は、原子割合でAlを5〜20%、T
iを15〜40%含み、残部が基本的にNbよりなる体
心立方晶の固溶金属相である。
化性合金材料及びその製造方法の実施の形態について詳
細に説明する。本発明における高温用耐酸化性合金材料
の基本となる合金は、原子割合でAlを5〜20%、T
iを15〜40%含み、残部が基本的にNbよりなる体
心立方晶の固溶金属相である。
【0015】なお、原子割合で5%以下のCr、1%以
下のSiを含ませることで若干耐酸化性を向上させるこ
とができるが、本発明におけるMgO酸化膜形成に関し
ては本質的に必要なものではない。また、高温機械特性
を向上させるために、Ta、W、Moの中から選ばれた
少なくとも一種の金属を、原子割合で20%以下含ませ
た方がよいが、同様にMgO酸化膜形成に関しては本質
的に必要なものではない。しかし、上記Al及びTi
は、以下の実施例に示すように、MgOの酸化膜形成の
ために必須な成分である。なお、Tiの添加量が大きい
と、高温機械特性が低下するので、それを40%以下に
とどめるのがよい。
下のSiを含ませることで若干耐酸化性を向上させるこ
とができるが、本発明におけるMgO酸化膜形成に関し
ては本質的に必要なものではない。また、高温機械特性
を向上させるために、Ta、W、Moの中から選ばれた
少なくとも一種の金属を、原子割合で20%以下含ませ
た方がよいが、同様にMgO酸化膜形成に関しては本質
的に必要なものではない。しかし、上記Al及びTi
は、以下の実施例に示すように、MgOの酸化膜形成の
ために必須な成分である。なお、Tiの添加量が大きい
と、高温機械特性が低下するので、それを40%以下に
とどめるのがよい。
【0016】本発明にかかる合金材料は、このような合
金に、高温酸化雰囲気中で表面に主にMgOにより成る
緻密な酸化膜を生成するに必要な微量のMgを添加して
得られるものであるが、それは、以下に詳述する方法に
よって得ることができる。
金に、高温酸化雰囲気中で表面に主にMgOにより成る
緻密な酸化膜を生成するに必要な微量のMgを添加して
得られるものであるが、それは、以下に詳述する方法に
よって得ることができる。
【0017】本発明にかかる合金材料は、基本的には、
従来の粉末冶金法や溶製法などで製造することができ
る。しかし、Nbは融点が高いので、粉末冶金法が実用
的である。その場合、まず、所望の組織、組成を生成し
得るように調整された原料粉末混合物を作らなければな
らない。これは単に各元素の原料粉、あるいは化合物原
料粉末を十分均一に混合することで得られるが、焼成
後、なるべく均一な組成を得るために、各原料粉はなる
べく微細なものを用いた方がよい。このようにして得ら
れた混合原料粉末を用いて、ホットプレス法、HIP
法、あるいは普通焼結法などの通常用いられる焼結法に
より製造することができる。
従来の粉末冶金法や溶製法などで製造することができ
る。しかし、Nbは融点が高いので、粉末冶金法が実用
的である。その場合、まず、所望の組織、組成を生成し
得るように調整された原料粉末混合物を作らなければな
らない。これは単に各元素の原料粉、あるいは化合物原
料粉末を十分均一に混合することで得られるが、焼成
後、なるべく均一な組成を得るために、各原料粉はなる
べく微細なものを用いた方がよい。このようにして得ら
れた混合原料粉末を用いて、ホットプレス法、HIP
法、あるいは普通焼結法などの通常用いられる焼結法に
より製造することができる。
【0018】更に具体的に説明すると、本発明にかかる
合金材料は、酸化雰囲気中でMgOを生成するように、
Mgを組織中に含むものであるが、そのようなMgを含
ませる方法として、そもそも混合原料粉末にMg粉末、
あるいはMg2 Si等のMg含有金属間化合物粉末若
しくはMgO粉末を混合する方法がある。MgO粉末の
場合は、Nb基固溶金属相にTi及びAlが含まれてい
るため、一部還元され、結果的に金属Mgが生じる。従
って、MgOを用いる場合は、還元促進のため、160
0℃以上の焼成温度が好ましい。逆に、いずれの方法で
も、1900℃以上に達するような高温ではMg自体の
蒸気圧が高いので、好ましくない。このようなMg含有
添加物の添加量は、酸化時に焼成するMgO生成膜の膜
厚の必要量に依存し、従って、製造物の大きさ、形状、
あるいは酸化条件にも依存する。通常、合金材料全体に
対して換算Mg量(MgOなどから生成するMg量)で
0.05〜1%程度の微量なものとなるが、最適な添加
量は、必要な耐酸化性及び機械特性などに応じて決定さ
れなければならない。なお、Mgは、おそらくはNb−
Ti−Al相に微量固溶しているか、あるいは粒界に偏
在しているものと考えられるが、確認できていない。
合金材料は、酸化雰囲気中でMgOを生成するように、
Mgを組織中に含むものであるが、そのようなMgを含
ませる方法として、そもそも混合原料粉末にMg粉末、
あるいはMg2 Si等のMg含有金属間化合物粉末若
しくはMgO粉末を混合する方法がある。MgO粉末の
場合は、Nb基固溶金属相にTi及びAlが含まれてい
るため、一部還元され、結果的に金属Mgが生じる。従
って、MgOを用いる場合は、還元促進のため、160
0℃以上の焼成温度が好ましい。逆に、いずれの方法で
も、1900℃以上に達するような高温ではMg自体の
蒸気圧が高いので、好ましくない。このようなMg含有
添加物の添加量は、酸化時に焼成するMgO生成膜の膜
厚の必要量に依存し、従って、製造物の大きさ、形状、
あるいは酸化条件にも依存する。通常、合金材料全体に
対して換算Mg量(MgOなどから生成するMg量)で
0.05〜1%程度の微量なものとなるが、最適な添加
量は、必要な耐酸化性及び機械特性などに応じて決定さ
れなければならない。なお、Mgは、おそらくはNb−
Ti−Al相に微量固溶しているか、あるいは粒界に偏
在しているものと考えられるが、確認できていない。
【0019】Mgを含ませる別の方法としては、拡散浸
透法も本来可能である。この場合、まず、Mgを含まな
い合金材料を製造し、その後、表層部からMgを拡散浸
透させ、本発明にかかる合金材料とする。例えば、前述
の粉末冶金法により製造した未Mg含有合金材料を、M
gO粉末、あるいはMgOとMg2 Si粉末混合物な
どの粉末中に埋めて高温熱処理し(パウダーベッド
法)、Mg雰囲気中で製造物表層部にMgを拡散含有さ
せることで、本発明にかかる合金材料が原理的には得ら
れる。
透法も本来可能である。この場合、まず、Mgを含まな
い合金材料を製造し、その後、表層部からMgを拡散浸
透させ、本発明にかかる合金材料とする。例えば、前述
の粉末冶金法により製造した未Mg含有合金材料を、M
gO粉末、あるいはMgOとMg2 Si粉末混合物な
どの粉末中に埋めて高温熱処理し(パウダーベッド
法)、Mg雰囲気中で製造物表層部にMgを拡散含有さ
せることで、本発明にかかる合金材料が原理的には得ら
れる。
【0020】なお、本発明にかかる合金材料は、高温酸
化雰囲気中で表面に緻密な主にMgOにより構成される
酸化膜を生じるので、一定の高温下ではそのままでも優
れた耐酸化性を示す材料である。しかし、MgOの熱膨
張率は合金材料のそれよりかなり大きいので、昇降温時
に、熱応力により酸化膜の剥離が起こりうる。従って、
本発明の合金材料はそのままで利用することなく、前述
のように、耐酸化コーティングを併用して使用しなけれ
ばならない。その場合、本発明の合金材料の緻密なMg
O膜形成は、耐酸化コーティングの損傷を修復する自己
修復性として作用する。
化雰囲気中で表面に緻密な主にMgOにより構成される
酸化膜を生じるので、一定の高温下ではそのままでも優
れた耐酸化性を示す材料である。しかし、MgOの熱膨
張率は合金材料のそれよりかなり大きいので、昇降温時
に、熱応力により酸化膜の剥離が起こりうる。従って、
本発明の合金材料はそのままで利用することなく、前述
のように、耐酸化コーティングを併用して使用しなけれ
ばならない。その場合、本発明の合金材料の緻密なMg
O膜形成は、耐酸化コーティングの損傷を修復する自己
修復性として作用する。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。
【0022】[実施例1]原子割合で、38%Nb−3
8%Ti−18%Al−2%Si−4%Mgとなるよう
に、#200メッシュ以下のNb金属粉末、#200メ
ッシュ以下のTi金属粉末、#200メッシュ以下のA
l原料粉末、及び#40メッシュ以下のMg2 Si粉
末を調合し、ボールミルで十分に混合した。その後、同
混合粉末を、BNを塗布した黒鉛型に入れ、1700℃
で、30MPaの一軸加圧下で30分ホットプレス焼結
した。雰囲気は真空中である。焼結後、試料はほぼ完全
に緻密化しており、X線回折、及び電子顕微鏡観察によ
り固溶金属相の単相であることを確認した。
8%Ti−18%Al−2%Si−4%Mgとなるよう
に、#200メッシュ以下のNb金属粉末、#200メ
ッシュ以下のTi金属粉末、#200メッシュ以下のA
l原料粉末、及び#40メッシュ以下のMg2 Si粉
末を調合し、ボールミルで十分に混合した。その後、同
混合粉末を、BNを塗布した黒鉛型に入れ、1700℃
で、30MPaの一軸加圧下で30分ホットプレス焼結
した。雰囲気は真空中である。焼結後、試料はほぼ完全
に緻密化しており、X線回折、及び電子顕微鏡観察によ
り固溶金属相の単相であることを確認した。
【0023】同組成は、状態図からも1200℃以上の
温度では、ほぼ金属相単相となる組成に相当する。同試
料から直方体の試料を切り出し、熱天秤を用いて、大気
中、1250℃において60時間の酸化試験を行った。
酸化による重量増は放物線的であり、緻密な膜形成と拡
散律速を示唆するものであった。酸化後の試料は、主に
MgOにより構成される緻密な酸化膜に覆われていた。
この試料の合金組成及び酸化膜の形成状況については、
表1の第1例に示す。
温度では、ほぼ金属相単相となる組成に相当する。同試
料から直方体の試料を切り出し、熱天秤を用いて、大気
中、1250℃において60時間の酸化試験を行った。
酸化による重量増は放物線的であり、緻密な膜形成と拡
散律速を示唆するものであった。酸化後の試料は、主に
MgOにより構成される緻密な酸化膜に覆われていた。
この試料の合金組成及び酸化膜の形成状況については、
表1の第1例に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1は、合金組成と酸化膜の形成状況の関
係を示すもので、合金は全て粉末冶金法で、1700
℃、30MPa、真空中の条件下で、30分、ホットプ
レスして作成している。また、酸化試験は、大気中、1
250℃の条件で10〜60時間行った。MgO添加の
場合は、全て外割で30重量%添加した。
係を示すもので、合金は全て粉末冶金法で、1700
℃、30MPa、真空中の条件下で、30分、ホットプ
レスして作成している。また、酸化試験は、大気中、1
250℃の条件で10〜60時間行った。MgO添加の
場合は、全て外割で30重量%添加した。
【0026】[実施例2]原子割合で40%Nb−40
%Ti−20%Alとなるように、#200メッシュ以
下のNb金属粉末、#200メッシュ以下のTi金属粉
末、#200メッシュ以下のAl原料粉末を調合したも
のに、外割で30重量%のMgO粉末を加え、ボールミ
ルで十分に混合した。MgO粉末は#325の微粉末を
用いた。これを実施例1と同じ条件下でホットプレス焼
結し、緻密な焼結体を得た。得られた焼結体は、MgO
相が固溶金属マトリックス中に均一に分散した組織を有
するものであった。同試料から直方体の試料を切り出
し、熱天秤を用いて、大気中、1250℃において60
時間の酸化試験を行った。酸化による重量増は実施例1
と同様、放物線的であり、酸化試験後の試料は、緻密
な、主にMgOにより構成される酸化膜に覆われてい
た。この試料の合金組成及び酸化試験後の表面膜の性状
については、表1の第2例に示す。また、酸化試験後の
試料の断面を図1に示すが、主にMgOからなる緻密な
酸化膜が形成されているのがわかる。
%Ti−20%Alとなるように、#200メッシュ以
下のNb金属粉末、#200メッシュ以下のTi金属粉
末、#200メッシュ以下のAl原料粉末を調合したも
のに、外割で30重量%のMgO粉末を加え、ボールミ
ルで十分に混合した。MgO粉末は#325の微粉末を
用いた。これを実施例1と同じ条件下でホットプレス焼
結し、緻密な焼結体を得た。得られた焼結体は、MgO
相が固溶金属マトリックス中に均一に分散した組織を有
するものであった。同試料から直方体の試料を切り出
し、熱天秤を用いて、大気中、1250℃において60
時間の酸化試験を行った。酸化による重量増は実施例1
と同様、放物線的であり、酸化試験後の試料は、緻密
な、主にMgOにより構成される酸化膜に覆われてい
た。この試料の合金組成及び酸化試験後の表面膜の性状
については、表1の第2例に示す。また、酸化試験後の
試料の断面を図1に示すが、主にMgOからなる緻密な
酸化膜が形成されているのがわかる。
【0027】[比較例1]原子割合で、40%Nb−4
0%Ti−18%Al−2%Siとなるように、#20
0メッシュ以下のNb金属粉末、#200メッシュ以下
のTi金属粉末、#200メッシュ以下のAl原料粉
末、及び#325メッシュ以下のSi粉末を、ボールミ
ルで十分に混合した。その後、同混合粉末を実施例1と
同様な手法でホットプレス焼結し、緻密な固溶金属単相
合金を得た。同試料から直方体の試料を切り出し、熱天
秤を用いて、大気中、1250℃において10時間の酸
化試験を行った。酸化による重量増は、上記実施例1、
2とは異なり、直線的であり、酸化後の試料は、主にT
iO2 により構成される多孔質の酸化膜に覆われてい
た。この試料の合金組成及び酸化試験後の表面膜の性状
については、表1の第4例に示す。
0%Ti−18%Al−2%Siとなるように、#20
0メッシュ以下のNb金属粉末、#200メッシュ以下
のTi金属粉末、#200メッシュ以下のAl原料粉
末、及び#325メッシュ以下のSi粉末を、ボールミ
ルで十分に混合した。その後、同混合粉末を実施例1と
同様な手法でホットプレス焼結し、緻密な固溶金属単相
合金を得た。同試料から直方体の試料を切り出し、熱天
秤を用いて、大気中、1250℃において10時間の酸
化試験を行った。酸化による重量増は、上記実施例1、
2とは異なり、直線的であり、酸化後の試料は、主にT
iO2 により構成される多孔質の酸化膜に覆われてい
た。この試料の合金組成及び酸化試験後の表面膜の性状
については、表1の第4例に示す。
【0028】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によって
得られる高温用耐酸化性合金材料は、1000℃を越え
る酸化雰囲気中で、表面に主にMgOによりなる緻密な
酸化膜を生じ、それによって優れた耐酸化性を示す材料
である。しかも、常温で延性を示す金属相を組織中に含
むので、機械特性の点でも信頼性の高いものである。従
って、ガスタービンの動翼など、従来、Ni基超合金の
みが適用できた用途に適用できるのみならず、同超合金
すら適用できなかった高温用途へも適用できるものであ
る。
得られる高温用耐酸化性合金材料は、1000℃を越え
る酸化雰囲気中で、表面に主にMgOによりなる緻密な
酸化膜を生じ、それによって優れた耐酸化性を示す材料
である。しかも、常温で延性を示す金属相を組織中に含
むので、機械特性の点でも信頼性の高いものである。従
って、ガスタービンの動翼など、従来、Ni基超合金の
みが適用できた用途に適用できるのみならず、同超合金
すら適用できなかった高温用途へも適用できるものであ
る。
【図1】実施例2の酸化試験後の試料の断面の図面代用
顕微鏡写真である。
顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 晃 佐賀県鳥栖市宿町字野々下807番地1 工業技術院九州工業技術研究所内 審査官 小川 武 (56)参考文献 特開 平6−184690(JP,A) 特開 昭63−262452(JP,A) 特開 昭47−27840(JP,A) 特開 昭54−39422(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/04 - 1/05 C22C 14/00,27/02 C23C 28/00 - 30/00
Claims (3)
- 【請求項1】原子割合で、Nb−(15〜40%)Ti
−(5〜20%)Alで表わされるNb基合金に、高温
酸化雰囲気中で表面にMgOにより成る緻密な酸化膜を
生成するに必要な量の金属Mgを添加してなる高温用耐
酸化性合金材料。 - 【請求項2】請求項1に記載の高温用耐酸化性合金材料
を製造する方法であって、 原子割合で、Nb−(15〜40%)Ti−(5〜20
%)Alで表わされるNb基合金の原料粉末に、Mg含
有金属間化合物の粉末を添加し、粉末冶金法で焼成する
ことを特徴とする高温用耐酸化性合金材料の製造方法。 - 【請求項3】請求項1に記載の高温用耐酸化性合金材料
を製造する方法であって、 原子割合で、Nb−(15〜40%)Ti−(5〜20
%)Alで表わされるNb基合金の原料粉末に、MgO
粉末を添加し、粉末冶金法により1600℃以上の温度
で焼成することにより、MgOを一部還元させて金属M
gを生成させることを特徴とする高温用耐酸化性合金材
料の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32239199A JP3261457B2 (ja) | 1999-11-12 | 1999-11-12 | 高温用耐酸化性合金材料及びその製造方法 |
US09/534,625 US6303075B1 (en) | 1999-11-12 | 2000-03-27 | High temperature oxidation resistant alloy materials and method of producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32239199A JP3261457B2 (ja) | 1999-11-12 | 1999-11-12 | 高温用耐酸化性合金材料及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001140030A JP2001140030A (ja) | 2001-05-22 |
JP3261457B2 true JP3261457B2 (ja) | 2002-03-04 |
Family
ID=18143152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32239199A Expired - Lifetime JP3261457B2 (ja) | 1999-11-12 | 1999-11-12 | 高温用耐酸化性合金材料及びその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6303075B1 (ja) |
JP (1) | JP3261457B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105385922A (zh) * | 2015-11-30 | 2016-03-09 | 重庆理工大学 | 一种含陶瓷相的多主元合金及其用于对钛合金表面处理的方法 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008063607A (ja) * | 2006-09-06 | 2008-03-21 | Sumitomo Electric Ind Ltd | ダイヤモンド被覆基板、電気化学的処理用電極、電気化学的処理方法及びダイヤモンド被覆基板の製造方法 |
CN103966511B (zh) * | 2014-05-22 | 2016-04-13 | 哈尔滨工业大学 | 大尺寸梯度铝含量铁铬铝合金薄板材料的制备方法 |
CN106623945B (zh) * | 2016-10-16 | 2019-01-08 | 浙江炊大王炊具有限公司 | 一种金属基耐磨耐蚀表面涂层复合材料及其制备方法 |
KR102172394B1 (ko) * | 2018-11-30 | 2020-10-30 | 한국생산기술연구원 | 고온 내산화성이 향상된 Nb계 합금 제조 방법 및 Nb계 합금 |
CN113529012B (zh) * | 2021-07-21 | 2024-01-26 | 国网天津市电力公司电力科学研究院 | 一种用于输变电设备表面Al改性的MoSi2-SiC涂层的制备方法 |
CN116441527B (zh) * | 2023-02-28 | 2024-03-15 | 四川大学 | 一种抗高温氧化的复合高熵合金粉及其应用 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2102632A5 (ja) * | 1970-08-12 | 1972-04-07 | Snecma | |
US4836849A (en) * | 1987-04-30 | 1989-06-06 | Westinghouse Electric Corp. | Oxidation resistant niobium alloy |
US4904546A (en) * | 1989-04-03 | 1990-02-27 | General Electric Company | Material system for high temperature jet engine operation |
US4983358A (en) * | 1989-09-13 | 1991-01-08 | Sverdrup Technology, Inc. | Niobium-aluminum base alloys having improved, high temperature oxidation resistance |
JPH04246149A (ja) * | 1991-01-31 | 1992-09-02 | Daido Steel Co Ltd | 酸化物分散強化型Nb基合金およびその製造方法 |
US5640767A (en) * | 1995-01-03 | 1997-06-24 | Gen Electric | Method for making a double-wall airfoil |
-
1999
- 1999-11-12 JP JP32239199A patent/JP3261457B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2000
- 2000-03-27 US US09/534,625 patent/US6303075B1/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105385922A (zh) * | 2015-11-30 | 2016-03-09 | 重庆理工大学 | 一种含陶瓷相的多主元合金及其用于对钛合金表面处理的方法 |
CN105385922B (zh) * | 2015-11-30 | 2017-07-28 | 重庆理工大学 | 一种含陶瓷相的多主元合金及其用于对钛合金表面处理的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6303075B1 (en) | 2001-10-16 |
JP2001140030A (ja) | 2001-05-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5051168B2 (ja) | 窒化物分散Ti−Al系ターゲット及びその製造方法 | |
EP2309018B1 (en) | Combustion turbine component having rare earth conicral coating and associated methods | |
EP2191031B1 (en) | COMBUSTION TURBINE COMPONENT HAVING RARE EARTH NiCoCrAl COATING AND ASSOCIATED METHODS | |
JPS61501637A (ja) | 高温材料の製造方法 | |
EP2191032B1 (en) | COMBUSTION TURBINE COMPONENT HAVING RARE EARTH FeCrAl COATING AND ASSOCIATED METHODS | |
US6692839B2 (en) | Titanium based composites and coatings and methods of production | |
JP3261457B2 (ja) | 高温用耐酸化性合金材料及びその製造方法 | |
JP4193958B2 (ja) | 溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材およびその製造方法 | |
EP2185741B1 (en) | Combustion turbine component having rare earth nicrai coating and associated methods | |
US4762557A (en) | Refractory metal alloys having inherent high temperature oxidation protection | |
JPH06145854A (ja) | アルミナ化ニッケル単結晶合金組成物及びその製造方法 | |
Petrasek et al. | Tungsten‐Fiber‐Reinforced Superalloys—A Status Review | |
JPH0273944A (ja) | 耐食性材料 | |
JPH0593233A (ja) | チタンアルミニウム化物/チタン合金微小複合体材料 | |
US5080981A (en) | Nickel-containing alloys as an adhesive layer bonding metal substrates to ceramics | |
JP4409067B2 (ja) | 溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材およびその製造方法 | |
EP1114878A1 (en) | Alloy of molybdenum disilicide containing rhenium which is pest resistant | |
JP2009091609A (ja) | 焼結複合摺動部品およびその製造方法 | |
JPS63114930A (ja) | Ti−Al系粉末冶金用合金 | |
US5679297A (en) | Method of making reinforced intermetallic-matrix composites containing ceramics | |
KR102533068B1 (ko) | 고온 내산화 코팅용 Cr-Al 타겟제조방법 | |
JP2852414B2 (ja) | 粒子強化型チタン基複合材料とその製造方法 | |
JP3076266B2 (ja) | 超高温耐酸化材料及びその製造方法 | |
Ai et al. | Oxidation behavior of in-situ Al2O3/TiAl composites at 900° C in static air | |
Ai et al. | High-temperature oxidation behavior of Al 2 O 3/TiAl matrix composite in air |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3261457 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |