JP3261193B2 - 加工性の良好な溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

加工性の良好な溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

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JP3261193B2 JP04679593A JP4679593A JP3261193B2 JP 3261193 B2 JP3261193 B2 JP 3261193B2 JP 04679593 A JP04679593 A JP 04679593A JP 4679593 A JP4679593 A JP 4679593A JP 3261193 B2 JP3261193 B2 JP 3261193B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性の良好な溶融亜
鉛めっき鋼板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、溶融亜鉛めっき鋼板は、曲
げ、引っ張りなどの成形加工の際、被加工部のめっき層
にクラックが発生して耐食性が著しく劣化することが知
られている。したがって従来では、溶融亜鉛めっき鋼板
の耐食性を保証する場合、被加工部は一般的に耐食性の
保証から除外されている。このため、被加工部を含めた
めっき鋼板全体の耐食性の保証が強く要求されている。
【0003】ところで、加工によって発生するめっき層
のクラックは、亜鉛の結晶粒内における劈開破壊あるい
は粒界破壊であるといわれており、めっき層が硬くて脆
い凝固組織でありしかもPbなどの不純物元素が粒界偏
析することがクラック発生の主な原因であると考えられ
ている。したがって、めっき層の加工性を向上させるた
めには、亜鉛の凝固組織を破壊し組織を微細化するこ
と、あるいは可動転位を導入することなどが有効であ
る。このために従来、溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層に
冷延を施した後、再結晶加熱処理を行う方法(特開昭5
8−84963号公報参照)、めっき層の表面に均一に
ブラスト処理を行う方法(特開昭59−6363号公報
参照)、めっき鋼板を再結晶温度域で温間圧延する方法
(特開昭62−60852号公報参照)、めっき表面を
金属ワイヤーブラシでブラッシングする方法(特開平4
−168258号公報参照)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のどの方法を溶融亜鉛めっき鋼板に施しても、加工時
にめっき層にクラック発生が高い確率で見い出され、め
っき層のクラックを完全に防止し耐食性を向上させるた
めには上記従来の方法ではなお不十分であることが明ら
かになった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑み、加工時のクラ
ック発生が低減された、加工性の良好な溶融亜鉛めっき
鋼板とその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するために、種々の実験・研究を行った結果、亜鉛
をはじめとする金属材料の加工性が組織と密接な相関が
あるにもかかわらず、従来技術では組織の微細化に関し
て平均粒径に制限が加えられていないことを見い出し、
本発明をなすに至った。
【0007】具体的には、本発明の加工性の良好な溶融
亜鉛めっき鋼板は、めっき層の平均粒径が0.64μm
以下であることを特徴とするものである。また、本発明
の、加工性の良好な溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、
鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、この溶融亜鉛めっき鋼板
のめっき表面に、該めっき層の平均粒径が0.64μm
以下になるように、エメリ研磨、砥石による研削、及び
ステンレス刃による切削のうちの少なくとも1つの処理
を施すことを特徴とするものである。
【0008】次に、本発明の基礎となった実験について
説明する。本発明者等は、めっき層の組織観察と塑性加
工時のクラック発生頻度の関係を調べた。この結果、め
っき鋼板を塑性加工する際に、めっき層のクラック発生
をゼロにし、めっき層に優れた延性を発揮させるために
は、めっき層の凝固組織を単に微細化するというだけで
なく、後述する表1に示すように、亜鉛めっき層の平均
粒径を0.64μm以下にすればよいことが判明した。
これによりクラックの発生が著しく減少されることが判
明した。また、めっき後にめっき層にエメリ研磨、砥石
による研削、及びステンレス刃による切削のような機械
加工を施すだけで、上述しためっき層の組織が得られる
ことも判明した。
【0009】
【作用】先ず、めっき層の平均粒径を6μm以下に限定
した根拠を述べる。溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層の主
相であるη−Znは、六方稠密構造であるので塑性変形
において活動できるすべり系の数が少なく、立方晶金属
に比べて延性に乏しいことが一般に知られている。さら
にこのめっき層では、単位格子の底面が鋼板面にほぼ平
行に配向する<0001>‖ND(NDは鋼板面法線方
向)となる強い集合組織を有するので、曲げや引っ張り
などの塑性加工の際のすべり変形の割合はごく僅かであ
る。めっき層の変形は、双晶が主体的となっていると考
えられるが、双晶変形のみでは変形量が少ないので、双
晶によって二次的に発生する粒内劈開破壊や、あるいは
Pbなど不純物元素の粒界偏析に起因する粒界破壊が塑
性変形加工によってめっき層に発生する。溶融亜鉛めっ
き鋼板では、めっき組織の粒径が数10μmから数10
0μmにもなっているので、一旦発生したクラックは伝
播し易く、この結果、鋼板素地にまで達するような深い
クラックが形成される。
【0010】一方、めっき層が微細化されるとめっき層
に多量の粒界が存在するようになるので、塑性加工に際
して、粒界で多量の転位が発生し、この転位によるすべ
りの影響が上述の双晶や劈開に比して相対的に強くなる
と考えられる。即ちめっき層に多量の粒界が存在する
と、活動可能な転位が結晶粒界から多量に発生するの
で、外部応力に対してクラックを発生することもなく延
性的に変形できることとなるのである。また、一旦粒内
や粒界でクラックが発生しても、粒界がクラック伝播の
障害となるので、深くて大きなクラックに発展すること
もない。粒径6μmの近傍で、塑性加工による変形が双
晶主体からすべり主体に変わり、このため、平均粒径6
μm以下のめっき層にはクラックの発生が著しく低減さ
れるのである。
【0011】以上がめっき層の平均粒径を6μm以下と
しなければならない理由である。なお、以上述べためっ
き層におけるクラック発生の低減は、本質的に結晶粒の
微細化によるすべり変形に基づくものと考えられるの
で、組織の粒径が小さい程効果が大きく、平均粒径1μ
m以下でクラックの発生が完全に抑えられたものと考え
られる。
【0012】めっき層の平均粒径を0.64μm以下に
するための組織微細化法として、エメリ研磨、砥石によ
る研削、及びステンレス刃による切削加工に限定する理
由を次に述べる。一般に金属の凝固組織にエメリ研磨の
ような機械的な表面加工を施すと、金属の表面から内部
に向かって加工変質層が生成することが知られている。
この加工変質層は、その最表層が薄い非晶質層であり、
この非晶質層の下は通常1μm以下の粒径の極微細組織
から構成されている。硬度の高い金属ではこの加工変質
層の厚みが1μm以下であるが、η−Znは硬度が低い
ので室温で表面加工が施されても極微細組織の厚みは1
0μm以上にもなり、めっき層の微細化が達成されるの
である。またη−Znの再結晶温度は150〜200℃
と低いので、特に加熱処理を加えなくても、研磨などで
発生する摩擦熱だけでめっき層は再結晶し、延性を阻害
するような加工硬化は生じないと考えられる。一方、上
述した従来のめっき層を冷延した後再結晶加熱処理を行
う方法(特開昭58−84963号公報参照)や再結晶
温度域で温間圧延する方法(特開昭62−60852号
公報参照)などは、加熱によりめっき層の再結晶粒が成
長してしまうので、1μm以下の極微細組織が得られな
いばかりか、AlやMgなどの微量添加元素やPbなど
の不純物元素の存在により再結晶温度が大きく変化する
ので、平均粒径を6μm以下に制御することは極めて困
難になる。また、めっき層の組織微細化法として、めっ
き層の表面に均一にブラスト処理を行う方法(特開昭5
9−6363号公報参照)が従来から知られているが、
この方法によればめっき層の表面が厚い亜鉛酸化膜に覆
われ黒変するので、この溶融亜鉛めっき鋼板上に塗膜を
塗装するためには、厚い亜鉛酸化膜層を除去する必要が
生じる。
【0013】以上の理由により、めっき層の組織の平均
粒径を0.64μm以下に微細化する表面加工法を、エ
メリ研磨、砥石による研削、及びステンレス刃による切
削加工に限定するものである。なお上記の表面加工はめ
っき層を除去することが目的ではないので、めっき層の
厚みの減少量は30%以下に抑えることが望ましい。こ
れはめっき層があまり薄くなると、耐食性というめっき
本来の機能が損なわれるからである。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに示
す。表1に示した各種の方法で溶融亜鉛めっき鋼板のη
亜鉛めっき層の組織を微細化し、その加工性を評価し
た。組織の観察は、走査型電子顕微鏡及び透過型電子顕
微鏡を用い、η亜鉛めっき層の平均粒径を求めた。また
加工性は、180度密着曲げ(0T)後、曲げ部を走査
型電子顕微鏡で観察し、クラック発生の程度を表2に示
す判定基準で評価した。この結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】表1から、めっき層の平均粒径を0.64
μm以下に微細化させることにより著しく加工性が向上
、クラックの発生を完全に防止できることが判明し
た。このため、高い加工率で成形加工を施してもめっき
層にクラックが発生せず、これにより被加工部において
も高い耐食性を有することとなる。また、0.64μm
以下の微細組織にするためには、エメリ研磨などの表面
加工法が最適であり、加熱処理を施す微細化方法では、
再結晶処理条件によっては結晶粒の粗大化を引き起こす
ので、必ずしも良好な加工性を発揮できるとは限らない
ことが判明した。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明の溶融亜鉛め
っき鋼板は、めっき層の平均粒径が6μm以下であるの
で、この溶融亜鉛めっき鋼板を加工しても、めっき層に
クラックが発生せず、耐食性に著しく優れ加工性が良好
である。また、本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
によれば、めっき表面を、研磨、研削、及び切削のうち
の少なくとも1つの方法で加工するので、温度上昇によ
るめっき層の結晶粒の粗大化を防止でき結晶粒径の制御
を容易に行える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき層の平均粒径が0.64μm以下
    であることを特徴とする加工性の良好な溶融亜鉛めっき
    鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、 該溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層に、該めっき層の平均
    粒径が0.64μm以下になるように、エメリ研磨、砥
    石による研削、及びステンレス刃による切削のうちの少
    なくとも1つの処理を施すことを特徴とする加工性の良
    好な溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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