JP3260973B2 - 乳幼児用玩具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、乳幼児用の玩具及び遊
戯具に関し、詳細には、資源の保護に寄与することがで
き、しかも子供の成長にとってプラスとなる玩具及び遊
戯具に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】一般に、乳幼児用の玩具及
び遊戯具は、乳幼児の精神面及び肉体面の双方における
発育を促進する機能を有していることが知られている。
玩具のこのような機能を十分に発揮させるためには、子
供の成長に合わせて新しい玩具を次々と与えるのも一つ
の手ではあるが、地球的規模で資源の保護が叫ばれてい
る今日、このような玩具の与え方は資源保護の世界的潮
流に反するものである。

【０００３】また子供の側から見ても、多くの玩具を与
えられることは必ずしも子供の成長にとってプラスでは
なく、玩具を多く与えられる結果、飽きっぽい性格にな
ったり、物を粗末に扱うようになったり、また創意工夫
のない子に育ったりすることがあるのも事実である。

【０００４】現在、世の中には種々雑多な玩具が出回っ
ているが、これらの多くは、子供の成長段階の一時期に
おいてしか使用できないものがほとんであり、このため
に、子供の成長に応じて次から次へと玩具を与えていか
なければならないという結果を招くことにもなってい
る。

【０００５】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
なされたもので、乳児期から幼児期に至るまで比較的長
期間にわたって使用することができ、これにより、資源
の保護に寄与することができ、しかも子供の成長にとっ
てプラスとなる乳幼児用玩具及び乳幼児用遊戯具を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る乳幼児用玩
具は、乳幼児が把持することのできる胴部と、内部に小
径の玉を収納するとともに、上記胴部の両端部に配置さ
れた各支軸部に回転自在に支持される球体とを備えたこ
とを特徴としている。

【０００７】上記球体は透明な部材から構成されている
のが好ましい。

【０００８】上記球体の内部には、複数のフィンを有す
るフィン部材が上記支軸部に回転自在に支持されている
のが好ましい。

【０００９】上記胴部には、玩具を吊り下げて遊ぶため
の乳幼児用遊戯具に係脱自在に係合する係合部が形成さ
れているのが好ましい。

【００１０】本発明に係る乳幼児用遊戯具は、床面上の
所定の高さ位置に配設された玩具吊り下げ用のレール部
材と、その両端部に配置されたレール部材支承用の脚部
材とから構成され、上記レール部材には、請求項１記載
の乳幼児用玩具が係合し得る係合部を有する乗物玩具が
係脱自在に吊り下げられていることを特徴としている。

【００１１】

【作用】本発明に係る乳幼児用玩具では、乳幼児が把持
することのできる胴部の両端部には、内部に小径の玉を
収納する球体が設けられるので、乳児が胴部を把持して
振り回すことにより、球体内部の玉が音を発生する。こ
の場合には、本玩具はいわゆる「がらがら」としての機
能を発揮する。

【００１２】また球体が支軸部に回転自在に支持される
ので、球体を手で支軸部回りに回転させると、球体の回
転とともに、球体内部の玉が移動し、このとき音を発生
する。この場合には、子供が球体を手で触りこれを回転
させるという動作を覚えることにより、玩具を単に振り
回す場合とは異なる音を発生することが学習できる。

【００１３】球体が透明な部材から構成されている場合
には、子供が球体内部の状態、例えば玉が球体内部で跳
ねる様子を観察でき、子供の興味を引きつけることがで
きる。

【００１４】球体の内部において、複数のフィンを有す
るフィン部材が上記支軸部に回転自在に支持されている
場合には、球体を回転させると、球体内部のフィン部材
が球体につれ廻って回転する。このとき、球体内部の玉
もフィン部材とともに移動する。これにより、音が増幅
され、子供を飽きさせない。この場合に、球体が透明部
材から構成されている場合には、球体内部のフィン部材
や玉の回転する様子が観察でき、その視覚的効果により
子供の興味を引きつけることができる。

【００１５】従って、この乳幼児用玩具によれば、子供
は、視覚，聴覚の両面から遊びを覚えることができ、乳
児期から幼児期までの比較的長期間にわたって使用する
ことができる。このように、一つの玩具を長く使用する
ことにより、資源の保護に寄与することができる。しか
も、物を大事にすることを子供が自然に覚えるようにな
るという、子供の成長にとってプラスの作用もある。

【００１６】乳幼児用玩具の胴部に、玩具を吊り下げて
遊ぶための乳幼児用遊戯具に係脱自在に係合する係合部
が形成されている場合には、本玩具を乳幼児用遊戯具に
係合させ、例えば本玩具全体を回転させて遊ぶことが可
能である。この場合には、乳幼児用遊戯具と本玩具とを
組み合わせることにより、乳幼児用遊戯具の一遊戯態様
として、本玩具を用いることができるので、遊びの幅が
広がり、また幼児期までの比較的長い期間にわたって使
用できる。

【００１７】本発明に係る乳幼児用遊戯具では、玩具吊
り下げ用のレール部材に乗物玩具（例えば飛行機）が係
脱自在に吊り下げられているので、子供は、まずこの乗
物玩具で遊ぶことができる。さらに、この乗物玩具は、
請求項１記載の乳幼児用玩具が係合し得る係合部を有し
ているので、子供は、乗物玩具をレール部材から取り外
し、取り外した乗物玩具に乳幼児用玩具を係合させて、
二つの玩具を合体させることができる。

【００１８】こうすることにより、乳幼児用玩具の両端
部の球体が乗物玩具の車輪の役目を果たすことになる。
これにより、子供は、乗物玩具がレール部材に吊り下げ
られているときには例えば空を飛ぶ飛行機をイメージ
し、また乗物玩具に乳幼児用玩具が合体しているときに
は、例えば滑走路を走る飛行機をイメージすることにな
り、子供の想像力を掻き立てるようになる。

【００１９】このように、本発明によれば、子供に創意
工夫を教えるととともに、乳児期から幼児期に至るまで
比較的長期間にわたって使用することが可能となり、こ
れにより、子供の成長にとってプラスとなり、しかも資
源の保護に寄与することができる。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図１ないし図１０は本発明の一実施例を説明
するための図であり、図１は本発明の一実施例による乳
幼児用遊戯具（プレイジム）の全体斜視図、図２はその
レール部の正面図、図３は該レール部の底面図、図４は
該レール部に飛行機玩具を吊り下げるための吊り下げ部
材の正面図、図５は図４のＶ−Ｖ線矢視図、図６は本発
明の一実施例による乳幼児用玩具（がらがら）の正面
図、図７は図６の VII−VII 線断面図、図８ないし図１
０は上記飛行機玩具とがらがらとを組み合わせた状態を
示す図である。

【００２１】図１に示すように、このプレイジム１は、
左右一対の脚部２，３と、その上方に配置され、脚部
２，３により支承されるレール部４とを有している。脚
部２は一対の縦フレーム５，５と、これらを連結する横
フレーム６とから構成されており、同様に、脚部３は一
対の縦フレーム７，７と、これらを連結する横フレーム
８とから構成されている。縦フレーム５，５の各上端部
はジョイント９により、また縦フレーム７，７の各上端
部はジョイント１０によりそれぞれ連結されている。な
お、上記各縦フレーム５，７、各横フレーム６，８及び
各ジョイント９，１０はいずれも樹脂製である。

【００２２】上記横フレーム６上には、花びら型の玩具
１１やペダル型の玩具１２がそれぞれ回転自在に支持さ
れている。また上記横フレーム８上には、がらがら１
３，１３が設けられている。このがらがら１３について
は後述する。

【００２３】上記レール部４の両端は上記各ジョイント
９，１０に連結されている。レール部４も同様に樹脂製
の部材であり、図２及び図３に示すように、本体部２０
と、その両端に設けられた、ジョイント連結のための連
結部２１，２１とを有している。

【００２４】上記本体部２０の裏面２０ａ側には、玩具
を吊り下げるための吊下げ部２２，２３が設けられてい
る。吊下げ部２２は、本体部２０の中央部に配置されて
おり、横方向（図２紙面垂直方向）に延びるスリット２
２ａを有している。該スリット２２ａ内に玩具側の係合
部（図示せず）を挿入することにより、該吊下げ部２２
に玩具を支持させることができる。また本体部２０の両
端に配置された吊下げ部２３には孔２３ａが形成されて
いる。この孔２３ａ内にベルト２５（図１参照）を通す
ことにより、該ベルト２５を介して、吊下げ部２３に鏡
２６や飛行機２７などの各種玩具を支持させることがで
きる。

【００２５】なお、上記飛行機２７は、ベルト２５によ
り直接支持されるのではなく、図４に示すような吊下げ
具３０を介して支持される。この吊下げ具３０は、アー
チ状部材３１と、その下部に形成され、飛行機２７の翼
２７ａが係合し得る係合孔３２ａを有する環状部材３２
とから主として構成されている。

【００２６】上記アーチ状部材３１は例えば樹脂製であ
り、弾性変形によりその開度（図４左右方向の開き度合
い）を変えられるようになっている。これにより、飛行
機２７の翼２７ａを環状部材３２の係合孔３２ａ内に容
易に挿入できるようになっている。また該アーチ状部材
３１の上部には、ベルト２５を通すための孔が形成され
た係止部３３が設けられている。なお、ベルト２５に
は、該ベルトの両端を固定するためのボタン２８が設け
られている。

【００２７】上記環状部材３２の下部には、ボール３５
を支持するための支持部３４が形成されている。該支持
部の下端には球状突起３４ａが形成されており、該球状
突起３４ａにより、ボール３５の抜け落ちを防止してい
る。また該ボール３５内には、ビーズあるいは鈴などが
入れられている。

【００２８】次に、上記がらがら１３について図６を用
いて説明する。このがらがら１３は、幼児が把持するこ
とのできる胴部４０と、その両端部に配置されたボール
４１とから主として構成されている。

【００２９】上記胴部４０は樹脂製であり、その両端に
は小径の支軸部４２が設けられている。上記ボール４１
は透明樹脂製の２つの半球殻部材を接着して構成される
とともに、上記支軸部４２に回転自在に支持されてい
る。また支軸部４２には段付き部４２ａが形成されてい
る。

【００３０】上記支軸部４２には、図７に示すような放
射状のフィン４５を有するフィン部材４６が回転自在に
挿入されている。該フィン部材４６の支軸部４２上の位
置は、上記段付き部４２ａによってある程度規制されて
いる。該フィン部材４６も上記ボール４１内に収納され
ている。なお、このフィン部材４６のフィンの数は本図
に示すような４個に限定されない。また上記各ボール４
１内にはビーズ４８がそれぞれ４個ずつ入れられてい
る。なお、このビーズの個数も４個に限定されないのは
いうまでもない。

【００３１】また上記胴部４０の略中央部には係合凹部
４０ａが形成されている。該係合凹部４０ａは、上記プ
レイジム１の例えば横フレーム８に係脱自在に係合し得
るようになっている（図１参照）。この場合に、係合凹
部４０ａと横フレーム８とが係合した状態でのはめ合い
にある程度隙間を形成するようにしておけば、がらがら
１３を横フレーム８の回りに回転させて遊ぶことができ
る。

【００３２】上記飛行機２７は、図８ないし図１０に示
すように、上記がらがら１３を取り付けられるように構
成されている。すなわち、飛行機２７の底部５０には、
がらがら１３の支軸部４０が挿入される係合溝５１と、
該支軸部４０の係合凹部４０ａ部分が係止し得る係合凹
部５２とが形成されている。

【００３３】次に、本実施例の作用効果について説明す
る。まず、がらがら１３の場合には、両端のボール４１
内にビーズ４８が収納されているので、乳児が胴部４０
を把持して振り回すことにより、ボール内部のビーズ４
８が音を発生する。この場合に、本玩具は、一般的な玩
具「がらがら」としての機能を発揮する。

【００３４】がらがら１３は、本来の「がらがら」とし
て機能するばかりでなく、以下のような種々の機能を発
揮する。すなわち、ボール４１が支軸部４２に回転自在
に支持されているので、ボール４１を手で支軸部回りに
回転させると、ボール４１の回転とともに、ボール内部
のビーズ４８が移動し、このとき音を発生する。この場
合には、子供がボール４１を手で触りこれを回転させる
という動作を覚えることにより、がらがら１３を単に振
り回す場合とは異なる音を発生することが学習できる。

【００３５】しかもボール４１が透明なため、子供がボ
ール内部の状態、例えばビーズ４８がボール４１内部で
跳ねる様子を観察でき、子供の興味を引きつけることが
できる。

【００３６】また、支軸部４２にはフィン部材４６が回
転自在に支持されているので、ボール４１を回転させる
と、ボール内部のフィン部材４１がボール４１につれ廻
って回転する。これにより、音が増幅され、子供を飽き
させない。しかも、透明なボール４１を介してボール内
部のフィン部材４６やビーズ４８の回転する様子を観察
できるので、その視覚的効果により子供の興味を引きつ
けることができる。

【００３７】従って、本実施例のがらがらによれば、子
供は、視覚，聴覚の両面から楽しみながら遊ぶことがで
き、乳児期から幼児期までの比較的長期間にわたって使
用することができる。このように、一つの玩具を長く使
用できることにより、資源の保護に寄与することができ
る。しかも、物を大事にすることを子供が自然に覚える
ようになるという、子供の成長にとってプラスの面もあ
る。

【００３８】また、がらがら１３の胴部４０に形成され
た係合凹部４０ａをプレイジム１の横フレーム８に係合
させることにより、がらがら１３全体を回転させて遊ぶ
ことが可能である。この場合には、プレイジム１との組
み合わせにより、プレイジム１の一遊戯態様として、が
らがら１３を用いることができるので、遊びの幅が広が
り、また幼児期までの比較的長い期間にわたって本玩具
１３を使用できるようになる。

【００３９】次に、プレイジム１の場合には、子供は、
横フレーム６，８に取り付けられた玩具を用いて遊ぶこ
とができ、さらにレール部４に吊り下げられた玩具、例
えば飛行機２７を用いて遊ぶことができる。

【００４０】この場合において、飛行機２７には、上記
がらがら１３が係合し得る係合溝部５１及び係合凹部５
２が形成されているので、子供は、飛行機２７をレール
部４から取り外し、取り外した飛行機２７にがらがら１
３を係合させ、二つの玩具を合体させることができる。

【００４１】このようにすることにより、がらがら１３
の両端部のボール４１が飛行機２７の車輪の役目を果た
すことになる。これにより、子供は、飛行機２７がプレ
イジム１のレール部４に吊り下げられているときには空
を飛ぶ飛行機をイメージし、またががら１３と合体して
いるときには、滑走路を走る飛行機をイメージすること
になり、子供の想像力を掻き立てるようになる。

【００４２】このように、本発明によれば、子供に創意
工夫を教えるととともに、乳児期から幼児期に至るまで
比較的長期間にわたって使用することが可能となり、こ
れにより、資源の保護に寄与することができ、しかも子
供の成長にとってプラスに作用するという利点がある。

【００４３】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、乳幼児
が把持できる胴部と、内部に小径の玉を収納しかつ胴部
両端部の各支軸部に回転自在に支持される球体とから乳
幼児用玩具を構成し、また乳幼児用玩具が係合し得る係
合部を有する乗物玩具をレール部材に係脱自在に吊り下
げることにより、乳幼児用遊戯具を構成するようにした
ので、乳児期から幼児期までの比較的長期間にわたって
の使用が可能となり、これにより、子供の成長にプラス
となり、資源の保護に寄与できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による乳幼児用遊戯具（プレ
イジム）の全体斜視図。

【図２】上記乳幼児用遊戯具のレール部の正面図。

【図３】上記レール部の底面図。

【図４】該レール部に飛行機玩具を吊り下げるための吊
り下げ部材の正面図。

【図５】図４のＶ−Ｖ線矢視図。

【図６】乳幼児用玩具（がらがら）の正面図

【図７】図６の VII−VII 線断面図。

【図８】上記乳幼児用玩具と飛行機玩具とを組み合わせ
た状態を示す側面図。

【図９】図８の正面図。

【図１０】図９のの裏面図。

【符号の説明】

１ プレイジム（乳幼児用遊戯具） ２，３ 脚部 ４ レール部 １３ からがら（乳幼児用玩具） ４０ 胴部 ４０ａ 係合凹部（係合部） ４１ ボール（球体） ４２ 支軸部 ４８ ビーズ ４５ フィン ４６ フィン部材 ２７ 飛行機（乗物玩具） ５１ 係合溝部 ５２ 係合凹部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸野聖子 大阪市中央区島之内１丁目13番13号 ア ップリカ葛西株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−31935（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−121891（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭48−36868（ＪＰ，Ｙ１) 米国特許5250002（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A63H 5/00 A63H 33/00 - 33/42

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乳幼児が把持することのできる胴部と、
   内部に小径の玉を収納するとともに、上記胴部の両端部
   に配置された各支軸部に回転自在に支持される球体とを
   備える乳幼児用玩具であって、 上記胴部には、乳幼児用遊戯具に係脱自在に係合する係
   合凹部が形成されていることを特徴とする乳幼児用玩
   具。
2. 【請求項２】 上記球体は透明な部材から構成されてい
   ることを特徴とする請求項１記載の乳幼児用玩具。
3. 【請求項３】 上記球体の内部には、複数のフィンを有
   するフィン部材が上記支軸部に回転自在に支持されてい
   ることを特徴とする請求項１または２記載の乳幼児用玩
   具。