JP3260946B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP3260946B2 JP34757193A JP34757193A JP3260946B2 JP 3260946 B2 JP3260946 B2 JP 3260946B2 JP 34757193 A JP34757193 A JP 34757193A JP 34757193 A JP34757193 A JP 34757193A JP 3260946 B2 JP3260946 B2 JP 3260946B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はプラズマ処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体デバイスの高性能化、微細
化に伴って半導体ウエハ等の被処理体のプラズマ処理に
おいても微細加工が必要となっており、真空処理室内の
真空度をより低減させた状態で反応ガス、例えばCHF
3 ,CF4 等のガス或いは不活性ガス、例えばAr,N
2 等のガスをプラズマ化して、より効率的に行う必要性
が高まっている。このプラズマ処理の1つとして、平行
平板状の電極の一方を接地し、他方に高周波電圧を印加
するRIE(反応性イオンエッチング)方式のプラズマ
装置が知られているが、この種のプラズマ処理装置にお
いては、高周波電圧の印加によって反応ガスを励起して
プラズマ化するため、異方性制御の制御性が悪く、半導
体デバイスの微細化への適用性が悪いという問題がり、
そこで、本願発明者は、プラズマから電子を引出して加
速して照射することにより所定のガスをプラズマ化し、
このプラズマにより被処理体の処理を行う電子ビーム励
起(EBEP)式のプラズマ処理装置の開発を試みてい
る。
【0003】このような電子ビーム励起(EBEP)式
のプラズマ処理装置の技術としては、特開昭63−19
0299号公報,特開平1−105539号,公報特開
平1−105540号公報等の公報に開示されており、
すなわち、特開昭63−190299号公報に記載のも
のには、電極対をスペーサを介して固定する技術が示さ
れている。また、特開平1−105539号公報に記載
のものには、偏向電極を用いて電子ビームを拡散させる
技術が示されている。また、特開昭63−190299
号公報に記載のものには、電極対をスペーサを介して固
定する技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子ビーム励起(EBEP)式プラズマ処理装置におい
ては、カソード電極が他の電極と同様に中心軸線上に近
接、例えば1〜2mmの距離に配置されており、プラズ
マ放電時にプラズマ中のイオン等が陰極であるカソード
電極に衝突して該電極材料をスパッタし、このスパッタ
により重金属等がパーティクルとなって発生し、被処理
体、例えば半導体ウエハを処理する反応室内に流入する
ことになり、そのパーティクルが半導体ウエハ上に形成
される集積回路に付着すると、集積回路の歩留りを低下
させるという問題が生じていた。また、カソード電極に
はプラズマ放電による加熱され熱電子を放出するための
ホウ化物、例えばLaB6 (六ホウ化ランタン)がプラ
ズマを初期放電する電極間に設けられており、プラズマ
放電、特に初期放電時においてLaB6 がプラズマ中の
イオンにより大きな衝撃を受けて破損するという問題が
生じており、従来の横型のプラズマ処理装置であればL
aB6 が破損しても反応室側には落下しなかったが、装
置スペースの効率化に伴う縦型の装置であって、カソー
ド電極が半導体ウエハが配置される反応室の上方に位置
する場合、LaB6 が破損した際、この破損物が反応室
側に落下し、半導体ウエハ上に付着するという問題が生
じていた。
【0005】この発明の目的は、初期放電電極又はカソ
ード電極からのスパッタ物さらに熱電子放出部材の破損
片等のパーティクルが被処理体に付着するのを抑制し、
被処理体の歩留りを向上することができるプラズマ処理
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、不活性ガスを
プラズマ化し、そのプラズマから電子を引出し加速して
照射することにより、処理室内に供給される所定の反応
ガスを励起してプラズマ化し、このプラズマにより被処
理体の処理を行うプラズマ処理装置において、前記不活
性ガスをプラズマ化する領域に設けられ、所定の内径を
有するリング状のカソード電極と、このカソード電極と
共に前記不活性ガスを初期放電する初期放電電極と、前
記カソード電極の前記初期放電電極の反対面に設けら
れ、前記カソード電極と同様の所定の内径を有する熱電
子放出部材と、前記カソード電極の前記処理室側に設け
られ前記カソード電極の内径より小さい内径を有する中
間電極と、この中間電極の前記処理室側に設けられ前記
カソード電極の内径より小さい内径を有するアノード電
極とを具備し,前記初期放電電極は,前記カソード電極
側が凸状又は曲面状又は前記カソード電極側が凸になる
テーパー状に形成されたことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明は、中間電極の内径よりカソード電極の
内径が大きめのリング形状で形成されており、初期放電
電極のカソード側面を凸状又は曲面状又はテーパー状の
構造とし、カソード電極の初期放電電極と反対面に熱電
子放出部材を配置したので、初期放電電極とカソード電
極とでプラズマを生起させる際に、そのプラズマによっ
て初期放電電極又はカソード電極がスパッタされてもそ
れぞれの電極から発生するスパッタ物が処理室に直接侵
入するのを抑制し、また熱電子放出部材の破損片が処理
室内に侵入するのを抑制できる。
【0008】
【実施例】以下に、本発明のプラズマ処理装置を実施し
た一実施例としてのプラズマエッチング装置に適用した
場合について説明する。
【0009】まず、図1に示すようにプラズマエッチン
グ装置1は、不活性ガスをプラズマ化する領域としての
プラズマ生成室2と、このプラズマから電子を引出すと
共に引出された電子を加速する電子加速室3と、電子加
速室3により加速された電子の照射により反応ガスをプ
ラズマ化して被処理体、例えば半導体ウエハを処理する
処理室4とで主要部が構成され、それぞれの室は円筒状
でかつ導電性部材、例えばステンレス鋼等の材質で形成
され同心線O上に連設されている。
【0010】前記のプラズマ生成室2内には、内径、例
えば15mm〜50mmの範囲の径、好ましくは略20
mmの径の開口部を有するリング形状であって高融点の
金属、例えばTa(タンタル)よりなるカソード電極5
が導電性の支持部材、例えばステンレス鋼により形成さ
れた部材6により支持されており、そのカソード電極5
と対向位置には、このカソード電極5側に凸状の曲面を
有し、カソード電極5とプラズマの初期放電を生起する
ための高融点の金属、例えばモリブデンよりなる初期放
電電極7が支持部材、例えばステンレス鋼により形成さ
れた部材8により支持されて配置されている。この初期
放電電極7にはプラズマ生成用の放電ガス、例えば不活
性ガスとしてのArガスを供給する供給管9が接続さ
れ、前記プラズマ生成室2内に噴出するための導入孔1
0が穿設されている。さらに、前記カソード電極5の初
期放電電極7と反対側には、熱電子を放出する熱電子放
出部材11、例えばホウ化物としてのLaB6 (ランタ
ンボライド)が配置されている。
【0011】そして、前記カソード電極5の処理室4側
には中間電極12と更にアノード電極13が列配置され
ている。これらの電極12,13はリング形状であって
内側に内径が2mm〜10mmの範囲にされ、電極12
の内径は好ましくは2.8mmの径、また電極13の内
径は、好ましくは8mmの径の開口部を有し高融点の金
属、例えばモリブデンよりなる部材により形成されてお
り、この部材はこの部材を支持するリング状の導電性の
支持部材14、例えばステンレス鋼により形成された部
材により支持されている。なお、前記カソード電極5と
初期放電電極7との間の距離の方が、前記カソード電極
5と中間電極12との間より短い距離に配置され、放電
を行ないやすく構成されている。そして前記中間電極1
2とアノード電極13とにより中間室2aが形成され、
この中間室2aの側壁には、中間室2a内を1mTor
r〜100mTorrの範囲の所定圧力、例えば4mT
orrに設定するとともに前記中間電極12の開口部1
5を介し前記カソード電極5近傍の圧力を、例えば0.
1Torr〜10Torr以下の所定圧力、例えば0.
8Torrに設定するために排気する排気手段、例えば
真空ポンプ16が排気管17を介して接続されている。
【0012】また、前記初期放電電極7の外周には、内
径の中心点を前記同心線O上に位置に配置するリング状
の第1の磁界発生手段、例えば電磁コイル18が設けら
れ、前記中間電極12の外周には、内径の中心点を前記
同心線O上に位置に配置するリング状の第2の磁界発生
手段、例えば電磁コイル19が設けられ、この電磁コイ
ル19と前記電磁コイル18とで発生させる中心磁界の
向きは互いに逆方向に構成され、前記初期放電電極7と
前記中間電極12との間にカスプ磁界Bを生起するよう
構成されている。そして、このカスプ磁界Bの中心点B
1、つまり磁場強度が0となる点は、前記カソード電極
5と熱電子放出部材11の接合面軸Kと前記同心線O上
とが垂直に交わる点に配置されるよう構成されている。
さらに、前記アノード電極13の外周には、内径の中心
点を前記同心線O上に位置にリング状の第3の磁界発生
手段、例えば電磁コイル20が配置され、この電磁コイ
ル20で発生させる中心磁界の向きは前記中間電極の外
周に設けられた電磁コイル19で発生させる中心磁界の
向きと同方向になるよう構成されている。なお、前記電
磁コイル18,19がそれぞれ発生させる磁場の強度は
前記カソード電極の電子放出面付近にて10〜500ガ
ウスの範囲の所定値、例えば200ガウスに設定されて
いる。また、前記電磁コイル20が発生させる中心磁界
の強度は10〜500ガウスの範囲の所定値、例えば4
00ガウスに設定されている。
【0013】また、前記初期放電電極7と前記中間電極
12のそれぞれの共通した接地点からのインピーダンス
は前記初期放電電極7のインピーダンスR1の方が前記
中間電極12のインピーダンスR2より大となるよう構
成され、前記初期放電電極7と前記カソード電極5との
間で不活性ガスを初期放電させ、この初期放電によって
熱電子放出部材11が熱電子を放出し始める温度に上昇
後、瞬間的に前記カソード電極5の熱電子放出部材11
と前記中間電極12との間で放電(1次放電)が行なう
よう構成されている。さらに、前記アノード電極13の
前記接地点からのインピーダンスは、接地点に接続され
ているので前記R1又はR2のインピーダンス値より小
さいものとされており、前記カソード電極5の熱電子放
出部材11と前記中間電極12との間で1次放電が生起
した後、瞬間的に前記熱電子放出部材11と前記アノー
ド電極13との間で放電(2次放電)が行なうよう構成
されている。なお、それぞれのインピーダンスR1,R
2は、プラズマのインピーダンス値より小さい値に設定
されている。そして、前記初期放電電極7側の接地経路
には、開閉手段、例えば電磁スイッチS1が設けられ、
前記中間電極12側の接地経路には、開閉手段、例えば
電磁スイッチS2が設けられている。また、前記カソー
ド電極5には、安定化抵抗としてのインピーダンスRS
を介して放電電源V1に接続されている。
【0014】前記電子加速室3内には前記処理室4側に
電子加速電極22が設けられており、この電子加速電極
22には、リング形状であって内側に内径が2mm〜1
5mmの範囲、好ましくは10mmの径の開口部を有し
高融点の金属、例えばモリブデンよりなる部材により形
成されており、この部材はこの部材を支持するリング状
の導電性の支持部材14、例えばステンレス鋼により形
成された部材により支持されている。そして、この電子
加速電極22の外周には、内径の中心点を前記同心線O
上に位置に配置するリング状の第4の磁界発生手段、例
えば電磁コイル23が設けられ、この電磁コイル23に
より発生させる中心磁界の強度は前記電磁コイル20と
同様の強度、例えば400ガウスに設定されている。ま
た、その電子加速室3の側壁には、電子加速室3内の圧
力を前記中間室2a内の圧力より低圧力に設定するため
に排気する排気手段、例えば真空ポンプ25が排気管2
6を介して接続されている。
【0015】前記処理室4は、この処理室4内に被処理
体、例えば半導体ウエハWを載置するウエハホルダ27
が設けられており、半導体ウエハWの処理面の中心点は
前記同心線上に配置されるよう構成されている。この処
理室4には、処理室4内に所定の反応ガス、例えばCl
2 ガスを導入する導入管28が接続されている。さら
に、その処理室4の底壁には、この処理室4内の圧力を
前記電子加速室3内の圧力より低圧力、例えば100m
Torr以下の圧力、好ましくは0.5〜5mTorr
の圧力に設定するために排気する排気手段、例えば真空
ポンプ29が排気管30を介して接続されている。ま
た、前記処理室4の側壁には、開口部31が設けられて
おり、開閉機構、例えばゲートバルブ32により開閉可
能に構成されており、さらに、このゲートバルブ32を
介して前記処理室4内に半導体ウエハWを搬入出する搬
送機構33を内蔵し、減圧可能に構成された減圧室、例
えばロードロック室34が併設されている。以上プラズ
マエッチング装置1が構成されている。
【0016】次に、前述のように構成されるプラズマエ
ッチング装置の作用について説明する。
【0017】まず、電磁コイル18,19をそれぞれ励
磁してカソード電極5と熱電子放出部材11の接合面軸
Kと同心線O上とが垂直に交わる点に磁界Bの中心点B
1、つまり磁場強度が0となる点にカスプ磁界Bを生起
させ、即ち図1の破線矢印で示す如く、カソード電極5
の周囲から中心後方(つまり処理室4側と逆方向)へ向
かう磁界と、逆にカソード電極5の周囲から中心前方
(つまり処理室4側方向)へと向かう磁界とを形成す
る。また、電磁コイル20,23をそれぞれ励磁して中
間室2aから電子加速室3にかけて中心前方へ向かう軸
方向磁界を形成する。一方、Arガスをプラズマ生成室
2内に導入孔10を介して所定流量、例えば40scc
mで噴出させると共に、プラズマ発生室2と電子加速室
3と処理室4内とをそれぞれ前述の所定圧力に真空ポン
プ16,25,29を稼働して設定する。
【0018】そして、電磁スイッチS1,S2をON
し、放電電源V1を起動する。この起動時の電圧は、数
百ボルトとする。ここでまず、カスプ磁界による磁力の
作用と、複合リング形状のカソード電極5と初期放電電
極7との距離が熱電子放出部材11と中間電極12との
距離より短く配置されているので、初期放電電極7とカ
ソード電極5との間で初期放電が起きる。これにより熱
電子放出部材11が次第に温度上昇(例えば1000℃
以上、好ましくは1300℃〜1600℃の範囲)して
いき、熱電子の放出をカスプ磁界Bの磁力線に沿って容
易に行なうようになる。
【0019】これでカソード電極5から始めて中間電極
12に電流が流れるのに十分なプラズマが発生し、しか
も初期放電電極7側のインピーダンスR1より中間電極
12側のインピーダンスR2の方がインピーダンスは小
さいので、初期放電電極7とカソード電極5との間で発
生していた放電が、カソード電極5と中間電極12との
間に移行することになる。更にはその放電がカソード電
極5の熱電子放出部材11とアノード電極13との間に
移行していく。そして、カソード電極5とアノード電極
13との間で安定した放電が形成された後は、初期放電
電極7及び中間電極12の電流経路の電磁スイッチS
1,S2を開放する。この安定放電状態では放電電源V
1の電圧は数十ボルトとする。
【0020】こうして起動させることで、最初の放電が
カソード電極5と初期放電電極7との間で起きることか
ら、最初の放電の際に熱電子放出部材11が接すること
がなくプラズマ内のイオンにより大きな衝撃を受けて破
損する心配がなくなる。また、初期放電電極7は同心線
O上にあるが、起動時はアノードとして働くので、プラ
ズマ内のイオンによってスパッタされる恐れは少なく、
また、定常運転時も浮遊電位程度であるのでそれほどス
パッタはされないが、しかし、半導体ウエハWの微細加
工等においては、このスパッタ物の付着も歩留り等への
影響が問題となるので、このスパッタ物を微量にも処理
室4内に侵入させないために、図2に示すようにスパッ
タ物を初期放電電極7のカソード電極5側に形成された
凸状の曲面によって同心線O上方向に飛散するのを抑制
する。つまり、凸状の曲面によって前記スパッタ物50
を、所定の角度θの同心線Oから外方向に飛散させるも
のである。すなわち、プラズマ中でのイオンは一般にラ
ンダムな方向に運動しているので、プラズマシースで加
速されることにより、ほぼ垂直に近い角度で初期放電電
極7面に入射すると考えられる。これによって初期放電
電極7より発生するスパッタ物は大きい立体角で散乱
し、処理室4内までとどくスパッタ物は少なくなる。
【0021】こうして生成されたプラズマ内の電子は、
電子加速領域である電子加速室3の電子加速電極22に
加速電圧V2を印加することにより、該電子加速室3に
引き出されて加速され、処理室4内に引き込まれる。こ
の際、処理室4内には、導入管28を介して所定の反応
ガス、例えばCl2 ガスが導入されると共に、真空ポン
プ29を稼働することにより、この処理室4内の圧力を
100mTorr以下の圧力、好ましくは0.5〜5m
Torrの圧力に設定されているので、加速された電子
は、処理室内のCl2 ガスに照射され、その反応ガスが
励起して高密度のプラズマが発生する。
【0022】そして、ウエハホルダ27に電圧V3を印
加することにより、該プラズマ中の活性種等が半導体ウ
エハWの処理面に作用しエッチング等のプラズマ処理が
施される。
【0023】次に、前述のように構成されるプラズマエ
ッチング装置の効果について説明する。
【0024】カソード電極5に設けられた熱電子放出用
のLaB6 がプラズマ内のイオンにより大きな衝撃を受
けて破損する心配がなく、また、カソード電極5がリン
グ形状で、放電プラズマ領域の同心線O上に存在せずに
その周囲にあるので、このカソード電極5からのスパッ
タ物や万一の破損片が、処理室4内方に侵入して来るこ
とが少なく、処理室4内の金属汚染を抑制することがで
きる。また、初期放電電極7は、カソード電極5側に凸
状の曲面に形成されているので、初期放電電極7からの
スパッタ物や万一の破損片が、同心線O方向の処理室4
内方に侵入して来ることが少なく、処理室4内の金属汚
染を抑制することができる。また、カソード電極5がリ
ング形状をしていてもカスプ磁界Bにより中間電極12
並びにアノード電極13との間で容易に放電して不活性
ガスをプラズマ化できるようになる。こうしたことか
ら、被処理体を処理する上で微細加工,低損傷,処理の
高速化,歩留り等の点で高性能化が図れる。
【0025】また、前述した放電プラズマ領域としての
プラズマ生成室2の各電極構造並びにそれらの配列構成
は電子の走査路としてのビームラインを垂直にした縦型
の装置にした場合、特にカソード電極5,初期放電電極
7からのスパッタ物や破損片が重力でストレートに処理
室4内に落下することを抑制できるので、処理室4内の
汚染防止が図れ、被処理体の歩留りを向上することがで
きる。
【0026】次に、本発明の他の実施例として不活性ガ
スの導入手段を説明する。図3のaに示すように、不活
性ガス51は前記初期放電電極7の側方、例えばカソー
ド電極5と反対方向の側方から導入されるよう構成され
ている。このように構成したので、図3のbに示すよう
に同心線O上方向に前記不活性ガス51を流出させない
ので、初期放電電極7から発生したスパッタ物50が不
活性ガス51の流れに沿って万が一にも同心線O上方向
にスパッタ物50が飛散するのを抑制することができ
る。さらに、不活性ガスをプラズマ発生域に対して側方
から流すことにより、プラズマ生成室2に十分ガスを行
き渡らせ、カソード電極5による放電を安定させること
が可能となる。
【0027】次に、本発明の他の実施例としてカソード
電極及び熱電子放出部材の配置について説明する。図4
に示すように、前記カスプ磁界の中心点B1は、前記カ
ソード電極5と熱電子放出部材11の接合面軸Kと前記
同心線O上とが垂直に交わる点ではなく、熱電子放出部
材11の内側面のほぼ中央位置(図中Y1とY2との距
離がほぼ同一距離)であって、この中央位置軸Kと前記
同心線O上とが垂直に交わる点に配置され、構成されて
いる。このように構成したので、熱電子放出部材11の
中心部から全体に熱が伝導でき、熱電子放出部材11か
ら熱電子を効率良く放出でき、プラズマを効率良く生起
することが可能となる。
【0028】また、前記実施例では、本発明のプラズマ
処理装置をプラズマエッチング装置に適用した場合につ
いて説明したが、プラズマエッチング装置以外にも例え
ばCVD装置やスパッタ装置等その他の電子ビーム励起
式のプラズマ装置にも適用できることは勿論である。ま
た、前記実施例では被処理体が半導体ウエハの場合につ
いて説明したが、被処理体は半導体ウエハに限られるも
のではなく、例えばLCD基板等についても同様に処理
することができる。また、初期放電電極のカソード電極
側を凸状の曲面に形成したが、これに限らず曲面状又は
テーパー状に形成しても良いことは勿論である。
【0029】前記実施例では、反応ガス(エッチングガ
ス)としてC12ガスを使用した例について述べたが、
エッチングガスとして他の実施例として、ハロゲン系ガ
スの単ガス例えばHCl,CF4 ,CCl4 ,HBrを
用いてもよく、これら単ガスを組合せて複合ガスとして
エッチングガスに用いることができる。また、これらの
エッチングガスに添加ガス例えばHe,Ar,H2 ,O
2 を単ガスあるいは組合せた複合ガスとして使用して
も、電子ビーム励起プラズマ処理装置を構成して、高い
エッチングレートと高い異方性のある高効率の装置とす
ることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、初期放電電極からのスパッタ
物さらに熱電子放出部材の破損片等のパーティクルが処
理室内に直接侵入するのを抑制できるので、処理室内に
配置され処理される被処理体にそのパーティクルが付着
するのを抑制でき、被処理体の歩留りを向上することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の一例を示す概略断
面図である。
【図2】図1の初期放電電極のスパッタ物の作用を説明
する概略要部断面図である。
【図3】他の実施例の不活性ガス導入手段の作用を説明
する概略要部断面図である。
【図4】他の実施例のカソード電極を説明する概略要部
断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマエッチング装置 2 プラズマ生成室 3 電子加速室 4 処理室 5 カソード電極 7 初期放電電極 11 熱電子放出部材 12 中間電極 13 アノード電極 18 電磁コイル(第1の磁界発生手段) 19 電磁コイル(第2の磁界発生手段) B カスプ磁界 B1 カスプ磁界の中心点 O 同心線 R1,R2 インピーダンス V1 放電電源 W 被処理体(半導体ウエハ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−154143(JP,A) 特開 平5−343196(JP,A) 特開 昭62−149433(JP,A) 特開 平4−236774(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 H01J 37/32 H05H 1/48

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性ガスをプラズマ化し、そのプラズマ
    から電子を引出し加速して照射することにより、処理室
    内に供給される所定の反応ガスを励起してプラズマ化
    し、このプラズマにより被処理体の処理を行うプラズマ
    処理装置において、前記不活性ガスをプラズマ化する領
    域に設けられ、所定の内径を有するリング状のカソード
    電極と、このカソード電極と共に前記不活性ガスを初期
    放電する初期放電電極と、前記カソード電極の前記初期
    放電電極の反対面に設けられ、前記カソード電極と同様
    の所定の内径を有する熱電子放出部材と、前記カソード
    電極の前記処理室側に設けられ前記カソード電極の内径
    より小さい内径を有する中間電極と、この中間電極の前
    記処理室側に設けられ前記カソード電極の内径より小さ
    い内径を有するアノード電極とを具備し、前記初期放電
    電極は,前記カソード電極側が凸状又は曲面状又は前記
    カソード電極側が凸になるテーパー状に形成されたこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】前記カソード電極と中間電極及びアノード
    電極の内径の中心点は同心線上に配置されたことを特徴
    とする請求項1のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】前記同心線上に被処理体の処理面の中心点
    を合致させ前記処理室内に前記被処理体を配置したこと
    を特徴とする請求項2のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】前記初期放電電極側に設けられ、内径の中
    心点を前記同心線上の位置に配置するリング状の第1の
    磁界発生手段と、前記中間電極側に設けられ、内径の中
    心点を前記同心線上の位置に配置するリング状の第2の
    磁界発生手段とを具備し、前記第1の磁界発生手段と第
    2の磁界発生手段とで発生させる中心磁界の向きは互い
    に逆方向に構成され、前記初期放電電極と前記中間電極
    との間にカスプ磁界を生起したことを特徴とする請求項
    2のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】前記カスプ磁界の中心点は、前記カソード
    電極と熱電子放出部材の接合面軸と前記同心線上とが垂
    直に交わる点又は熱電子放出部材の内側面のほぼ中央位
    置であって、この中央位置軸と前記同心線上とが垂直に
    交わる点に配置されることを特徴とする請求項4のプラ
    ズマ処理装置。
  6. 【請求項6】前記第1の磁界発生手段と第2の磁界発生
    手段とで発生させる磁場の強度は前記カソード電極の電
    子放出面付近にて10〜500ガウスの範囲の所定値に
    設定されたことを特徴とする請求項4又は請求項5のプ
    ラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】前記初期放電電極と前記中間電極のそれぞ
    れの共通した接地点からのインピーダンスは前記初期放
    電電極のインピーダンスの方が前記中間電極のインピー
    ダンスより大となるよう構成されたことを特徴とする請
    求項1又は請求項2のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】前記初期放電電極と前記中間電極との間の
    圧力は前記中間電極と前記アノード電極との間の圧力よ
    り高い圧力に設定されるよう構成されたことを特徴とす
    る請求項1又は請求項2のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】前記カソード電極の内径は15mm〜50
    mmの範囲の所定の径に設定され、前記中間電極の内径
    は2mm〜5mmの範囲の所定の径に設定されたことを
    特徴とする請求項1又は請求項2のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】前記不活性ガスは前記初期放電電極の中
    央から導入されることを特徴とする請求項1又は請求項
    2のプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】前記不活性ガスは前記初期放電電極の側
    方から導入されることを特徴とする請求項1又は請求項
    2のプラズマ処理装置。
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