JP3260334B2 - 低カロリー肉団子 - Google Patents

低カロリー肉団子

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  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な低カロリー
肉団子に関する。
【0002】
【従来の技術】肉団子はひき肉を主原料とし、適度な弾
力性を持たせて熱凝固させているので、食味・食感の優
れた食品の一つである。ところで、肉団子はひき肉に起
因する脂肪や蛋白質を多く含むため高カロリーであり、
飽食の今日ではもっと低カロリーの製品の出現が望まれ
ている。そこで、特開平5−284943号公報等のように、
ミンチ肉にグルコマンナンやペクチン等の粘質物を増量
材として加え、低カロリー肉団子を製造することが提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案の肉団子は、低カロリーではあるが、グルコマンナン
等の増量材が単に加えられたものであるため、食味・食
感が本物の肉団子とはかなり違ったものになってしまう
傾向にある。したがって、本発明は本物の肉団子とかわ
らない食味・食感を有する低カロリー肉団子を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、全原料に対
して10〜40%、好ましくは20〜30%のひき肉と50〜20
%、好ましくは40〜30%の細片化マンナンゲル、さらに
はこれに増粘材とカルシウムが全体に添加された粘稠物
を任意の形状に加熱凝固させたことを特徴とする低カロ
リー肉団子によって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を説明する。なお、
本発明において、「%」と「部」は、特に記載がない限
り「重量%」、「重量部」をいう。本発明の低カロリー
肉団子には、全原料に対して10〜40%、好ましくは20〜
30%のひき肉が配合されている。本物の肉団子では、全
原料に対して60%以上のひき肉が配合されるのが一般的
であるが、本発明ではその量を少なくして製品の低カロ
リー化を図る。低カロリーかどうかの目安としては、製
品100g当り120kcal以下、好ましくは100kcal以
下を基準とするのがよい。ひき肉の配合量が少な過ぎる
と、後述の試験例のように、得られる肉団子の食味・食
感が本物とは違ったものとなり、また多過ぎると得られ
る肉団子のカロリーが高くなり、本発明の目的を達成す
ることができない。ここで、ひき肉としては、鶏肉、牛
肉、豚肉等のひき肉の他、合びき肉を用いてもよい。
【0006】また、本発明の低カロリー肉団子には、全
原料に対して50〜20%、好ましくは40〜30%の細片化マ
ンナンゲルが配合されている。ここで配合量を表す
「%」は、粉体のマンナン1部に清水100〜300部を加え
て得られるマンナンゲルを基準とした割合をいう。ひき
肉との配合量の関係から、細片化マンナンゲルの配合量
を多くしたときは必然的にひき肉の配合量を少なくし、
一方、細片化マンナンゲルの配合量を少なくしたとき
は、必然的にひき肉の配合量を多くする必要がある。細
片化マンナンゲルの配合量を多くし過ぎると、後述の試
験例のように、得られる肉団子の食味・食感が本物とは
違ったものとなり、またその配合量が少な過ぎると得ら
れる肉団子のカロリーが高くなり、本発明の目的を達成
することができない。本発明にはおいて「細片化マンナ
ンゲル」とは、グルコマンナン、ガラクトマンガン、こ
んにゃく芋等の原料をゲル化した後、これをミンチにか
けたり、糸状にして切断したり、サイの目切りにしたも
のをいう。ミンチがけしたものと糸状切断物は、円柱状
の細片になりやすく、その場合の大きさは直径2〜10mm
φで長さ5〜20mmのものがよい。またサイの目切りにし
たものは、立方体状になりやすく、その場合の大きさは
一辺が2〜15mmのものがよい。細片化マンナンゲルの大
きさが小さ過ぎても、大き過ぎても肉団子に肉様の食味
・食感がつけにくくなるので注意を要する。
【0007】本発明の低カロリー肉団子は、上記ひき肉
と細片化マンナンゲルの混合物にさらに増粘材とカルシ
ウムを加えて得られる粘稠物を任意の形状に加熱凝固さ
せたものである。なお、団子とは一般的にボール状のも
のをいうが、本発明ではボール状のものの他、ラグビー
ボール状、平板状等のものを含むものとする。増粘材と
しては、ローメトキシペクチン、ペクチン、アルギン酸
ソーダ、カラギーナン等を用いる。その配合量は、全原
料に対して固形物換算で0.1〜1%とすると、肉団子の弾
力性のあるものに仕上げることができる。またカルシウ
ムとしては、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、グルコ
ン酸カルシウム等を用いる。その配合量は、上記増粘材
に対してカルシウムとして1〜10%とすると、肉団子に
弾力性をつけることができる。
【0008】粘稠物の加熱凝固の手段としては、湯中で
ボイルする、食用油で揚げる、オーブン中で焼く等の通
常の肉団子の製法によればよい。
【0009】
【作用】本発明の低カロリー肉団子は、所定量のひき肉
と細片化マンナンゲルが配合されているので、細片化マ
ンナンゲルが供食に当たってひき肉の脂肪と同じ役割を
するためか、本物の肉団子とかわらない食味・食感とな
る。これに加えて増粘材とカルシウムを全体に添加して
加熱凝固させているので、本物と同じソフトで弾力性の
ある食感を有する。
【0010】
【実施例】 実施例1 若鶏ひき肉 30% 細片化マンナンゲル 30% ペクチン(粉体) 0.5% 塩化カルシウム 0.05% 乾燥卵白 3% 食塩 1% パン粉 5% 清水 残余 __________________________ 計 100% なお、細片化マンナンゲルは、コンニャクマンナン(粉
体)1部に清水20部を加えて攪拌し、20℃で1時間かけて
膨潤させ、得られたゲル状物をミンチにかけたものであ
る。上記各原料をよく混合し、得られた粘稠物を30mmφ
のボール状に成型した後、これを100℃の湯中で8分間ボ
イルして肉団子を得た。
【0011】
【試験例】試験例1(従来品との比較) 次のサンプルを用意した。 発明品:実施例1で得られた肉団子 比較品(1):本物の肉団子 若鶏ひき肉 60% 乾燥卵白 3% 食塩 1% パン粉 5% 清水 残余 _________________________ 計 100% 上記各原料をよく混合し、得られた粘稠物を30mmφのボ
ール状に成型した後、これを100℃の湯中で8分間ボイル
して得られた肉団子。 比較品(2):特開平5−284943号の肉団子 若鶏ひき肉 30% コンニャクマンナン(粉体) 2% ペクチン(粉体) 0.5% 乾燥卵白 3% 食塩 1% パン粉 5% 清水 残余 __________________________ 計 100% 比較例(1)と同じ方法で得られた肉団子。上記三つの
サンプルについて、それぞれ試食して食味・食感を観察
すると共に、弾力を測定し、またサンプル100g当りのカ
ロリーを算出したところ、表1の結果が得られた。
【0012】
【表1】
【0013】表1より、発明品は本物の肉団子と同じ食
味・食感を有するにも拘らず、そのカロリーは本物の約
半分であることが理解できる。
【0014】試験例2(ひき肉と細片化マンナンゲルの
配合量) ペクチン(粉体)0.5%、塩化カルシウム0.05%、乾燥
卵白3%、食塩1%、パン粉5%、清水残余を用いた他
は、若鶏ひき肉と細片化マンナンゲル(実施例1で用い
たものと同じ)をそれぞれ全原料に対して5%と60%、1
0%と50%、20%と40%、30%と30%、40%と20%、50
%と10%、60%と5%を用いたひき肉と細片化マンナン
ゲルの配合量が異なる7種類の肉団子(サンプル)を実
施例1と同じ方法で試作した。得られた各サンプルにつ
いて、試験例1と同じテストをしたところ表2の結果が
得られた。
【0015】
【表2】
【0016】表2より、全原料に対して10〜40%、好ま
しくは20〜30%のひき肉と50〜20%、好ましくは40〜30
%の細片化マンナンゲルを配合すると、本物の肉団子と
食味・食感が同様の低カロリー肉団子が得られることが
理解できる。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば食味
・食感が良好な新規な低カロリー肉団子が提供でき、こ
の肉団子は健康食として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−15318(JP,A) 特開 平6−296472(JP,A) 特開 平9−172985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/31 - 1/317 A23L 1/308 A23L 1/0528

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全原料に対して10〜40%、好ましくは20〜
    30%のひき肉と50〜20%好ましくは40〜30%の細片化マ
    ンナンゲル、さらにはこれに増粘材とカルシウムが全体
    添加された粘稠物を任意の形状に加熱凝固させたこと
    を特徴とする低カロリー肉団子。
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