JP3260152B2 - 長尺サーマルヘッド - Google Patents

長尺サーマルヘッド

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JP3260152B2
JP3260152B2 JP31532091A JP31532091A JP3260152B2 JP 3260152 B2 JP3260152 B2 JP 3260152B2 JP 31532091 A JP31532091 A JP 31532091A JP 31532091 A JP31532091 A JP 31532091A JP 3260152 B2 JP3260152 B2 JP 3260152B2
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正俊 太田
昌浩 東口
恭士 服部
一成 福森
勉 丹賀
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱印字、熱転写又は熱
昇華などの方式のプリンタやファクシミリ、プロッタな
どに用いられる長尺のサーマルヘッドに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】感熱記録紙や、転写媒体と被転写媒体を
重ねたものなど(以下、記録媒体という)に印字を行な
う長尺印字装置では、長尺サイズのサーマルヘッドが必
要になる。単一の発熱基板に発熱体を列状に配列した長
尺サーマルヘッドでは、長尺の発熱基板に一個所でも欠
陥があると不良品となるため、歩留まりが悪くなる。そ
こで、複数のサーマルヘッドを発熱体配列が一直線上に
なるように配列して長尺サーマルヘッドとする方法が採
られている。長尺のサーマルヘッドを得る方法として、
複数のライン型サーマルヘッドを発熱体配列方向に並べ
て長尺のサーマルヘッドとしたものが提案されている
(特公昭55−9302号公報、特開昭62−1165
8号公報などを参照)。提案されているこれらの長尺サ
ーマルヘッドは、いずれも発熱体が発熱基板の主表面に
形成されている平面型サーマルヘッドをつなぎ合わせて
長尺にしたものである。
【0003】長尺のサーマルヘッドは、図8に示される
ように、1枚の固定板2上に共通の支持板4を介して複
数の発熱基板6a,6bが支持されている。一般には、
支持板4と固定板2の間はネジ止めなどにより固定さ
れ、発熱基板6a,6bは支持板4に対して接着剤を用
いて固着されている。固定板2と支持板4には一般にア
ルミニウム板が用いられ、発熱基板6a,6bとしては
セラミック基板が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 図8のような共通の支
持板4を用いるサーマルヘッドでは、支持板4に発熱基
板6a,6bを貼り付けた後では発熱基板6a,6bの
位置の調整ができず、また発熱基板6a,6bの貼付け
方法としても接着剤しか使用することができないため、
製造コストが上昇する欠点がある。そこで、図9に示さ
れるように、支持板を発熱基板ごとに分離することが検
討されている。この場合、各支持板4a,4bは固定板
2に対してネジ10により固定され、支持板4a,4b
と発熱基板6a,6bの間は両面接着テープ12とエポ
キシ樹脂接着剤のように緩衝性をもたない接着剤14と
で固着されている。
【0005】図9の構造では、温度変化による各部材間
の熱膨張率の差が問題となる。固定板2や支持板4a,
4bに使用されるアルミニウムの熱膨張率は23.0/
106deg、セラミックの熱膨張率は5.6/106degで
あり、アルミニウムはセラミックに比べて熱膨張率が約
4倍である。つなぎ合わされた隣接する発熱基板6a,
6b間の距離は、参考例の図5(A)に示されるb寸法
の場合には20−50〜20+50μm、図5(B)の
c寸法は最大で100μmである。図9(D)のよう
に、隣接する発熱基板6aと6bのすき間Gは、発熱基
板と支持板及び固定板との熱膨張率の違いにより、温度
が上がるとその隙間Gが広がり、温度が下がると狭くな
る。そのため温度変化により隙間Gが広がって規格から
外れたり、隙間が狭くなって発熱基板同士が衝突して発
熱基板が欠けるなど問題が発生する。そこで、本発明の
目的は、温度変化によっても隣接する発熱基板間のつな
ぎ目が規格から外れたり、発熱基板が欠けるなどの問題
の起こらない長尺サークルヘッドを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】 温度変化に強い長尺サー
マルヘッドとするために、本発明では、発熱体が形成さ
れている2個の発熱基板をそれぞれの支持板を介して共
通の固定板に支持して長尺の発熱体配列を形成し、か
つ、一方の発熱基板は固定板に固定し、他方の発熱基板
は固定板に対して発熱体配列方向に変位可能に半固定状
態で支持する。そのような固定方法の一例では、支持板
と固定板の間はネジ止めして固着し、固定板に固定する
側の発熱基板と支持板の間は両面接着テープ及び緩衝の
ない樹脂接着剤を用いて固着し、他方の発熱基板と支持
板の間は両面接着テープのみを用いて固着する。そのよ
うな固定方法の他の例では、支持板と固定板の間はネジ
止めして固着し、固定板に固定する側の発熱基板と支持
板の間は両面接着テープ及び緩衝のない樹脂接着剤を用
いて固着し、他方の発熱基板と支持板の間は緩衝性のあ
る樹脂接着剤を用いて固着する。
【0007】そのような固定方法のさらに他の例では、
両発熱基板とそれぞれの支持板の間を両面接着テープ及
び緩衝性のない樹脂接着剤で固着し、固定板に固定する
側の一方の支持板と固定板の間はネジ止めして固着し、
他方の支持板と固定板の間は支持板を発熱体配列方向に
変位可能な案内手段により支持し、この支持板を付勢手
段により前記一方の支持板方向に付勢する。他方の支持
板を固定板に支持する案内手段の一例は、ありとあり溝
である。温度変化に強い長尺サーマルヘッドでは、発熱
基板端面が同一方向を向くように配置したものと、発熱
基板端部の端面が互いに対向するように、給紙側と排紙
側とに交互に配置したものとをともに含んでいる。また
発熱基板が傾斜面型である場合に限らず、平面型である
場合も含んでいる。
【0008】(参考例) 図1は傾斜面型サーマルヘッドを同一方向に配列して長
尺サーマルヘッドとした参考例を表わす。複数個の傾斜
面型発熱基板20−1,……20−Nが同一方向に配列
されて支持板を介し又は直接に固定板22上に接着剤な
どの固着手段により固着されている。発熱基板20(2
0−1,……20−N)では、絶縁基板の端部に主表面
に対して傾斜した傾斜面が形成されている。絶縁基板と
してはセラミック基板の表面をガラス質のグレーズ層や
ポリイミド層などの耐熱樹脂層で被ったもの、又は金属
基板の表面をポリイミド層などの耐熱樹脂層で被ったも
のである。傾斜面上には発熱体24が配列されている。
発熱基板の1例は図2に示されるように厚膜工程で製造
されたものであり、厚膜パターンの選択電極26と共通
電極28が交互に配列され、発熱抵抗体層30が両電極
26,28と交互に接触するように形成されている。
【0009】図1に戻って説明すると、発熱体24を駆
動するために駆動用半導体集積回路装置(IC)32が
発熱基板上に搭載されており、選択電極26とワイヤボ
ンディングされている。固定板22上には発熱基板20
の配線と接続するためにフレキシブルプリント配線基板
34が配置されており、フレキシブルプリント配線基板
34の配線と発熱基板20上の共通電極やIC32への
入力用配線などの間は、フレキシブルプリント配線基板
34が押しつけ部材36により発熱基板20方向へ押し
つけられて、発熱基板20とフレキシブルプリント配線
基板34が接触して接続されている。フレキシブルプリ
ント配線基板34に外部から駆動信号や電源を供給する
ためにコネクタ38がフレキシブルプリント配線基板3
4に取りつけられている。IC32は封止用樹脂33で
封止されている。図1に示されるような傾斜面型発熱基
板20をつなぎ合わせて長尺にしたサーマルヘッドで
は、記録媒体が厚手であったり平面状のものである場合
にも、サーマルヘッドの発熱体部分を記録媒体と接触さ
せて印字を行なうのが容易になる。
【0010】図3は図1のサーマルヘッドを用いて幅の
広い記録媒体にカラー印字を行なう場合の印字装置を概
略的に表わしたものである。図3に示されるように、3
原色、赤、緑、青に対応した3種類の長尺サーマルヘッ
ド40R,40G,40Bを配置し、プラテンローラ4
2によって幅広の記録媒体44に各サーマルヘッド40
R,40G,40Bを押しつける。このように発熱基板
が傾斜面型であることにより記録媒体44との当たりが
よくなり、小型のカラー印字装置を実現することができ
る。記録媒体が幅広で平面状のものであっても傾斜面型
であれば記録を行なうことができる。
【0011】図4は発熱基板、支持板及び固定板を同一
材質とした参考例を表わす。図4に示されるように、発
熱基板46a,46bがそれぞれの支持板48a,48
bを介して固定板50に固定されている。固定方法とし
ては固定板50と支持板48a,48bの間をネジによ
り固定し、発熱基板46a,6bとそれぞれの支持板
48a,8bの間を両面接着テープと、緩衝性のない
樹脂接着剤、例えばエポキシ樹脂接着剤を用いて固定す
る。この場合、固定板50、支持板48a,48b及び
発熱基板46a,46bとして熱膨張率の小さいステン
レススチールを用い、発熱基板46a,46bではステ
ンレス基板上をポリイミド、ポリイミドアミド又はポリ
アミドなどの耐熱樹脂層で被ってその上に発熱体や、発
熱体に信号や電源を供給する電極、保護膜などを形成す
る。
【0012】各部材を同一材質とすることにより、それ
らの熱膨張率が等しくなり、温度変化によっても各部材
の動きが接合方法の如何によらず同一になる。ステンレ
ススチールの熱膨張率は10/106degであるので、ア
ルミニウムの約1/2となり、基板貼りつけ時の隙間寸
法の取り方や、対向する基板端部間の形状も簡単にな
る。図4の各部の材質をセラミックにすることもでき
る。セラミックにすると熱膨張率が更に小さくなり、ス
テンレススチールの場合よりもさらに基板の形状や貼り
つけ時の隙間寸法の取り方が容易になる。
【0013】図5は参考例における発熱基板端部の状態
を表わしている。 (A)では、隣接する発熱基板52aと52bは発熱体
が配列されている基板端部の端面54aと54bが互い
に対向する方向に給紙側と排紙側とに交互に配置されて
おり、対向部では両端間の発熱体間の間隔(b寸法)が
所定の間隔になるように、発熱基板が斜め方向に切り取
られている。図5で56は発熱体であり、2個の発熱体
が連結電極58で連結されて1ビットの発熱部を構成し
ている。 (B)は発熱体が同じライン上に配列されるように隣接
する発熱基板を同一方向に配置した例である。この場
合、隣接発熱基板間の両端発熱体間の距離がc寸法、発
熱体配列のずれがd寸法である。これらの各寸法a〜d
は規定の範囲内に入るように設定されている。
【0014】
【実施例】 図6は隣接する2個の発熱基板60a,60
bのうち、一方の発熱基板60aは固定板64に対して
固定され、他方の発熱基板60bは固定板64に対して
発熱体配列方向に変位可能に支持された実施例の1つを
表わしている。図6で、一方の発熱基板60aは支持板
62aに両面接着テープ68緩衝性をもたない樹脂接
着剤としてのエポキシ樹脂接着剤70とで変位しないよ
うに固着されており、支持板62aは固定板64にネジ
66で固着されている。他方の発熱基板60bは支持板
62bに対して両面接着テープ72のみで固着され、支
持板62bはネジ66により固定板64に固着されてい
る。両面接着テープ72のみで固着された発熱基板60
bは支持板62bに対して変位することができる。図6
の実施例において、他方の発熱基板60bを支持板62
bに固着する方法として、両面接着テープ72に代えて
緩衝性をもつ樹脂接着剤、例えば軟質プラスチックや合
成ゴムなどの接着剤で接着してもよい。
【0015】図7は他方の発熱基板60bを固定板64
に対して変位可能に支持する他の実施例を表わす。図7
では、一方の発熱基板60aは図6と同様に両面接着テ
ープとエポキシ樹脂接着剤で支持板62aに固着され、
その支持板62aが固定板64にネジ止めされている。
他方の発熱基板60bは支持板76に対しては両面接着
テープ68とエポキシ樹脂接着剤70により変位しない
ように固着されている。支持板76はその裏面にあり溝
78が発熱体配列方向に形成されている。固定板64に
はあり溝78と対応する位置にあり80が形成されてお
り、あり溝78があり80に嵌め込まれることにより、
支持板76は固定板64に対して発熱体配列方向に変位
することができる。支持板76の先端と固定板64の先
端部74の間にはコイルバネ82が設けれられて支持板
76を一方の支持板62a方向に付勢している。
【0016】図7の実施例で、バネ82に代えて板バネ
やスポンジなどの弾性部材を設けてもよい。図7の実施
例では温度変化により支持板と発熱基板が熱膨張率の差
に基づいて変位してもその変位をバネ82が吸収する。
図6や図7の実施例では発熱基板と支持板、固定板の材
質は同一とする必要はなく、例えば発熱基板をセラミッ
ク、支持板と固定板をアルミニウムやステンレスとする
ことができる。
【0017】
【発明の効果】 本発明の長尺サーマルヘッドでは、一方
の発熱基板を固定板に固定し、他方の発熱基板を固定板
に対して発熱体配列方向に変位可能に半固定状態で支持
するようにしたので、温度変化によっても隣接する発熱
基板間のつなぎ目の間隔が規格から外れたり、発熱基板
が欠けるなどの問題が起こらなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】傾斜面型サーマルヘッドを同一方向に配列して
長尺サーマルヘッドとした参考例を表わす図であり、
(A)はカバーを外した状態の平面図、(B)は側面図
である。
【図2】発熱基板の一例を示す概略平面図である。
【図3】図1のサーマルヘッドを用いて幅の広い記録媒
体にカラー印字を行なう場合の印字装置を示す概略側面
図である。
【図4】発熱基板、支持板及び固定板を同一材質とした
参考例を示す概略正面図である。
【図5】参考例における発熱基板端部の状態を表わす概
略部分平面図である。
【図6】一方の発熱基板を固定板に固定し、他方の発熱
基板を固定板に対して変位可能に支持した一実施例を示
す要部断面図である。
【図7】他方の発熱基板を固定板に対して変位可能に支
持した他の実施例を示す図であり、(A)は概略斜視断
面図、(B)は要部断面図である。
【図8】共通の支持板を用いた従来の長尺サーマルヘッ
ドを示す概略正面図である。
【図9】支持板を発熱基板ごとに分離した従来の長尺サ
ーマルヘッドを示す図であり、(A)は概略平面図、
(B)は(A)のX−Y線位置での断面図、(C)は発
熱基板、プリント配線基板及び支持板を示す端部斜視
図、(D)は発熱基板のつなぎ目の部分断面図である。
【符号の説明】60a,60b 発熱基板64 固定板62a,62b,76 支持板 66 ネジ 68,72 両面接着テープ 70 エポキシ樹脂接着剤 78 あり溝 80 あり 82 コイルバネ
フロントページの続き (72)発明者 福森 一成 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 丹賀 勉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭63−236660(JP,A) 特開 平2−212157(JP,A) 特開 昭63−62745(JP,A) 実開 平1−175828(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/335 - 2/345

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱体が形成されている2個の発熱基板
    をそれぞれの支持板を介して共通の固定板に支持して長
    尺の発熱体配列を形成し、かつ、一方の発熱基板は固定
    板に固定し、他方の発熱基板は固定板に対して発熱体配
    列方向に変位可能に半固定状態で支持した長尺サーマル
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 両発熱基板の支持板と固定板の間はネジ
    止めして固着し、固定板に固定する側の発熱基板と支持
    板の間は両面接着テープ及び緩衝のない樹脂接着剤を用
    いて固着し、他方の発熱基板と支持板の間は両面接着テ
    ープのみを用いて固着した請求項に記載の長尺サーマ
    ルヘッド。
  3. 【請求項3】 両発熱基板の支持板と固定板の間はネジ
    止めして固着し、固定板に固定する側の発熱基板と支持
    板の間は両面接着テープ及び緩衝のない樹脂接着剤を用
    いて固着し、他方の発熱基板と支持板の間は緩衝性のあ
    る樹脂接着剤を用いて固着した請求項に記載の長尺サ
    ーマルヘッド。
  4. 【請求項4】 両発熱基板とそれぞれの支持板の間を両
    面接着テープ及び緩衝性のない樹脂接着剤で固着し、固
    定板に固定する側の一方の支持板と固定板の間はネジ止
    めして固着し、他方の支持板と固定板の間は支持板を発
    熱体配列方向に変位可能な案内手段により支持し、この
    支持板を前記一方の支持板方向に付勢する付勢手段を備
    えている請求項に記載の長尺サーマルヘッド。
  5. 【請求項5】 前記他方の支持板を固定板に支持する案
    内手段は、ありとあり溝である請求項に記載の長尺サ
    ーマルヘッド。
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