JP3259385B2 - 蒸留器 - Google Patents

蒸留器

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JP3259385B2
JP3259385B2 JP34207592A JP34207592A JP3259385B2 JP 3259385 B2 JP3259385 B2 JP 3259385B2 JP 34207592 A JP34207592 A JP 34207592A JP 34207592 A JP34207592 A JP 34207592A JP 3259385 B2 JP3259385 B2 JP 3259385B2
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透 河内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸留器に係り、特に、注
射用蒸留水中の溶存酸素を効率的に除去するのに好適な
蒸留器に関する。
【0002】
【従来の技術】注射器による薬剤の注入は、一般に、薬
剤有効成分を注射用蒸留水に溶解させて行なわれてい
る。
【0003】従来、注射薬剤として、注射用蒸留水中の
溶存酸素により影響を受けるものがなく、従って、常法
に従って単に蒸留したのみの蒸留水を冷却したものを注
射用蒸留水として用いている。即ち、従来の注射用蒸留
水は、原水を前処理した後、タンク、純水装置、タンク
を経て蒸留器にて蒸留、冷却して製造される。
【0004】図2は従来の蒸留器を示す系統図であり、
蒸留器10は蒸発缶1とコンデンサ2とを備え、ポンプ
1 を備える配管11を経て蒸発缶1に送給された純水
は、蒸発缶1内でスチームにより加熱されて蒸発し、蒸
気は配管12よりコンデンサ2のチャンバ2a内に送給
され、水冷式の冷却管2bで冷却されて凝縮する。得ら
れた蒸留水は、配管13より蒸留水貯槽3に貯留され、
必要に応じてポンプP2 を備える配管14より取り出し
て使用される。
【0005】従来の蒸留器10においては、原水中に含
まれていたCO2 やNH3 成分を抜くために、通常、コ
ンデンサ2にガス抜き用のチャッキ弁2Aが設けられて
いる。また、蒸気が凝縮することによるコンデンサ2内
の負圧を解消するために、フィルター2B及びチャッキ
弁2Cを介して無菌空気が流入されるように構成されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近になっ
て注射薬剤として、注射用蒸留水中の溶存酸素により酸
化されて変質するものが開発されつつあり、注射用蒸留
水中の溶存酸素を極低濃度に除去することが要求される
ようになった。
【0007】しかしながら、図2に示す従来の蒸留器で
は、負圧となったコンデンサ2内に無菌空気が流入する
ため、コンデンサ2内の蒸留水中には、その内部温度で
の飽和溶存酸素濃度の酸素が溶存することとなる。
【0008】この溶存酸素濃度と温度との関係は、ヘン
リーの法則より、下記式で表される。
【0009】X* =P/E ただし、X* :水中の酸素ガスのモル分率(−) P :水中で平衡にある気相中の酸素ガス分圧(atm) E :ヘンリー定数 (atm /モル分率) 上記式から算出される結果は図3に示される通りであ
る。
【0010】一般に、コンデンサ内での蒸留水温度は8
0〜99℃であり、この場合の飽和溶存酸素は3〜1p
pmとなる。しかし、温度が100℃であれば、溶存酸
素は理論的にはゼロとなるため、従来の蒸留器では、蒸
発缶で一旦酸素が除去された後、コンデンサ内で空気と
接触するために、蒸留水中には少なくとも1〜3ppm
程度の溶存酸素が含まれることとなる。
【0011】なお、従来において、蒸留水貯槽内に、槽
内の無菌保持を目的として無菌空気や、或いは、無菌空
気の代りに窒素ガスを封入することは知られているが、
この方法では無菌保持はなされても、蒸留水中の溶存酸
素の除去はなされない。
【0012】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであって、蒸留水中の溶存酸素を極低濃度にまで低
減することができる蒸留器を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸留器は、蒸発
缶と該蒸発缶からの蒸気を凝縮させるコンデンサとを備
え、該コンデンサは蒸気が導入されるチャンバと、該チ
ャンバ内の蒸気を冷却して凝縮させる冷却管とを有して
いる蒸留器において、該チャンバ内からの蒸留水排出手
段と、該蒸留水排出手段とは別個に設けられた該チャン
バ内への窒素ガスの導入手段と、該チャンバ内からのガ
ス抜出手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の蒸留器では、コンデンサ内の負圧の解
消のために、チャンバ内に窒素ガスが導入される。この
ため、蒸発缶で一旦溶存酸素がほぼゼロにされた蒸気
は、コンデンサ内で凝縮する際に空気に触れず、従っ
て、空気から酸素が移行することがなく、溶存酸素が極
低濃度にまで低減された蒸留水を得ることができる。な
お、蒸留水中から抜け出たCO,NH,O等の不
純物ガスは、導入されたNと共に、蒸留水排出手段と
は別個に設けられたガス出手段によって排出される。
【0015】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。
【0016】図1は本発明の蒸留器の一実施例を示す系
統図である。図1において、図2に示す蒸留器と同一機
能を奏する部材には同一符号を付してある。
【0017】本実施例の蒸留器10Aでは、コンデンサ
2のチャンバ2aに、窒素ガス導入手段としての窒素ガ
ス(N)ライン22とガス抜出手段としての排ガスラ
イン21とが設けられている。蒸気の凝縮によるコンデ
ンサ2内の負圧の解消のために、窒素ボンベ等のガス源
からの窒素ガスが、チャッキ弁22A付きの窒素ガスラ
イン22を介してチャンバ2a内に導入される。蒸留水
から抜け出たCO,NH,O等の不純物ガスとN
ガスはチャッキ弁21A付きの排ガスライン21から
排出される。
【0018】このように構成された蒸留器10Aでは、
配管11より導入された純水は、蒸発缶1でスチームに
より加熱されて蒸気となり、この蒸気は配管12を経て
コンデンサ2のチャンバ2a内に導入され、冷却管2b
で冷却されて凝縮する。得られた蒸留水は、蒸留水排出
手段としての配管13より排出されて蒸留水貯槽3に貯
留される。
【0019】このコンデンサ2で凝縮して生じた80〜
99℃程度の温度の蒸留水は、窒素ガスライン22から
の窒素ガスのみと接触し、空気と接触することはない。
このため、蒸留水中への酸素の溶け込みが起こることは
なく、蒸留水は極低酸素濃度に保たれた状態で配管13
より排出される。
【0020】本発明において、コンデンサの窒素ガスラ
イン及び排ガスラインの設置位置に特に制限はなく、図
1に示す如く、蒸気の導入側(配管12側)に排ガスラ
イン21を設け、蒸留水の排出側(配管13側)に窒素
ガスライン22を設ける他、蒸気導入側に窒素ガス導入
口を設け、蒸留水排出側に排ガスラインを設けても良い
が、いずれの場合においても、コンデンサの蒸気導入側
に窒素ガスライン及び排ガスラインのいずれか一方を設
け、コンデンサの蒸留水排出側に他方を設けるのが好ま
しい。特に好ましい設置形態は、図示の如く、蒸気導入
側に排ガスラインを、蒸留水排出側に窒素ガスラインを
設けるものである。
【0021】また、導入する窒素ガスとしては、純度9
9%以上の高純度窒素ガスが好ましく、その窒素ガス圧
は100mmAq.〜5mAq.とするのが好ましい。
【0022】なお、このような本発明の蒸留器で得られ
る蒸留水は、図示の如く、蒸留水貯槽3に貯留される
が、この蒸留水貯槽3においても、外部から酸素が流入
して蒸留水中の溶存酸素となるのを防止するために、蒸
留水貯槽3へ、フィルター31Aを備える窒素ガスライ
ン31より窒素ガスを封入することが重要である。この
場合、窒素ガス封入量や圧力は特に限定されないが、窒
素ガス純度は99%以上とするのが好ましい。
【0023】以下に具体的な実施例及び比較例を挙げて
本発明をより詳細に説明する。
【0024】実施例1 図1に示す本発明の蒸留器により1300リットル/h
rの割合で蒸留水を製造した。コンデンサには純度9
9.9%の高純度窒素ガスを300mmAq.のガス圧
で封入した。得られた蒸留水の溶存酸素濃度を測定し、
結果を図4に示した。
【0025】比較例1 コンデンサの封入ガスを窒素ガスの代りに無菌空気とし
たこと以外は実施例1と同様にして蒸留水の製造を行な
った。得られた蒸留水の溶存酸素濃度を測定し、結果を
図5に示した。
【0026】図4、図5より次のことが明らかである。
即ち、従来の蒸留器では、溶存酸素濃度は200ppb
から1ppm以上まで大きく変動し、特に蒸留器を停止
させて冷却工程に入ると、温度が低下するため、溶存酸
素濃度は1ppm以上と非常に高くなる。
【0027】これに対して、本発明の蒸留器によれば、
溶存酸素濃度は安定して50ppb以下に維持すること
ができた。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の蒸留器によ
れば、著しく溶存酸素濃度の低い蒸留水を安定かつ確実
に得ることができる。
【0029】本発明の蒸留器は、注射用蒸留水のよう
に、極低溶存酸素濃度を要求される蒸留水の製造に極め
て有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸留器の一実施例を示す系統図であ
る。
【図2】従来の蒸留器を示す系統図である。
【図3】温度と溶存酸素濃度との関係を示すグラフであ
る。
【図4】実施例1の結果を示すグラフである。
【図5】比較例1の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 蒸発缶 2 コンデンサ 2a チャンバ 2b 冷却管 3 蒸留水貯槽 10A 蒸留器 21 排ガスライン 22 窒素ガスライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 1/00 - 5/00 C02F 1/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発缶と該蒸発缶からの蒸気を凝縮させ
    るコンデンサとを備え、該コンデンサは蒸気が導入され
    るチャンバと、該チャンバ内の蒸気を冷却して凝縮させ
    る冷却管とを有している蒸留器において、該チャンバ内
    への窒素ガスの導入手段と、該チャンバ内からの蒸留水
    排出手段と、該蒸留水排出手段とは別個に設けられた
    チャンバ内からのガス抜出手段とを備えることを特徴と
    する蒸留器。
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