JP2601384B2 - ヒートパイプ作動液の製造方法 - Google Patents

ヒートパイプ作動液の製造方法

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JP2601384B2
JP2601384B2 JP3181857A JP18185791A JP2601384B2 JP 2601384 B2 JP2601384 B2 JP 2601384B2 JP 3181857 A JP3181857 A JP 3181857A JP 18185791 A JP18185791 A JP 18185791A JP 2601384 B2 JP2601384 B2 JP 2601384B2
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千秋 百瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、パーフルオロカーボ
からなるヒートパイプ作動液の効率的な製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】 環境破壊問題が指摘されるフロン系ヒ
ートパイプ作動液の代替物として、パーフルオロカーボ
からなるヒートパイプ作動液に期待が寄せられてい
る。しかしながら、空気や炭酸ガス等の非凝縮性ガスの
溶存量が特に多く、フロンに準じて凍結法等により非凝
縮性ガスの泡が発生しなくなるまで減圧脱気しても、ヒ
ートパイプに適用できる高度に脱気されたパーフルオロ
カーボンが得られず、従来の方法では充分に精製できな
くてヒートパイプ作動液としての特性に劣る問題点があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、パーフル
オロカーボンからなる高性能なヒートパイプ作動液を製
造できる方法の開発を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明は、パーフルオ
ロカーボンの液体を非凝縮性ガスの泡が発生しなくなる
まで脱気処理したのち、その処理液上の気相部における
異種ガスの分圧が10mmHg以下の状態のもとで当該
処理液を室温以上の温度で気化させ、その初期留分を除
去することを特徴とするヒートパイプ作動液製造方法
を提供するものである。
【0005】
【作用】 パーフルオロカーボンの非凝縮性ガスの泡が
発生しなくなるまで脱気処理した液をその気相部におけ
る異種ガスの分圧が10mmHg以下の状態のもとで室
温以上の温度で気化させることにより、非凝縮性の溶解
残存ガスが急激に放出され、パーフルオロカーボンの脱
気処理液の初期留分中に移る。従って、その初期留分を
除去して残存分を利用することにより高度に脱気処理さ
れたパーフルオロカーボンが効率よく得られ、それを用
いて高性能のヒートパイプ作動液が得られる。
【0006】
【発明の構成要素の例示】 本発明においては、ヒート
パイプ作動液を形成するためのパーフルオロカーボンの
液体として種々のものが精製対象とされる。就中、C
2n+2の化学式で表される平均分子量が100〜1
000、ないし沸点が30〜300℃のものが対象とさ
れる。酸素、窒素、水素の如き異種の元素を1重量%以
下、就中0.1重量%以下含有していてもよい。かかる
パーフルオロカーボンは、例えばフロリナート(商品
名、スリーエム社製)などとして市販されている。
【0007】本発明においてパーフルオロカーボンの液
体は、先ず脱気処理される。その脱気処理は適宜な方法
で行ってよい。その例としては、凍結法や平衡蒸気圧法
の如き公知の方法のほか、撹拌法ないし振動処理法(特
願平2−193414号)、沸騰法(特願平2−193
415号)、不活性ガスや水素ガスの吹込み法(特願平
2−193416号)などがあげられる。就中、減圧下
での平衡蒸気圧法による脱気処理が好ましい。
【0008】 脱気処理の程度は、可及的に高度である
ほど好ましいが、一般的には各脱気方法において通常の
処理程度でよい。従って少なくとも非凝縮性ガスの泡が
発生しなくなるまで脱気処理される。ちなみに前記の平
衡蒸気圧法にあっては、パーフルオロカーボンの液体を
冷却した状態、例えば0〜−50℃に冷却した状態で、
異種ガスの分圧にして10〜1/10mmHg、好ま
しくは1〜1/10mmHgの減圧下に、1〜30分
間撹拌した脱気処理の程度でよい。
【0009】 本発明において脱気処理して非凝縮性ガ
スの泡が発生しなくなったパーフルオロカーボンの液体
は次に、その処理液上の気相部における異種ガスの分圧
が10mmHg以下の状態のもとで室温以上の温度で気
化させ、その初期留分を除去する。
【0010】前記の異種ガスは、処理対象のパーフルオ
ロカーボンの蒸気以外の気体を意味する。また異種ガス
の分圧は、各異種ガスの分圧の合計を意味する。通例の
場合、前記の異種ガスは空気であり、その場合、空気を
構成する気体の各分圧の合計が10mmHg以下であれば、
気相部を減圧処理することなく処理液を気化させてよ
い。一方、上記の脱気処理を大気圧下で行った場合の如
く、気相部における異種ガスの分圧が10mmHgを超える
ときには、異種ガスの分圧が10mmHg以下となるよう減
圧操作を加えたのち処理液を気化させる。
【0011】パーフルオロカーボンの処理液の気化は、
気相部における異種ガスの分圧が可及的に小さい状態、
就中5mmHg以下の状態、特に1mmHg以下の状態で行うこ
とが好ましい。また気化処理の温度は、室温(20℃)
以上の温度、就中30℃以上の温度、特に沸点(760
mmHg)以上の高温で行うことが好ましい。なお、容器の
耐圧性等の点よりは沸点より50℃高い温度以下での気
化処理が一般的であるが、これに限定されない。
【0012】パーフルオロカーボンの処理液の気化は、
処理液を沸騰させることなく静かに気化させてもよい
し、気化したパーフルオロカーボン蒸気を素早く系外に
留去する方式などにより、処理液の沸騰下に気化させて
もよい。本発明においては一般に、処理液の沸騰下に気
化させる方式がその沸騰による撹拌作用のためか、溶解
残存ガスの早期放出が効果的に達成されて好ましい。
【0013】 本発明の製造方法を、減圧下で平衡蒸気
圧法により脱気処理したのち、その処理液を加熱下に気
化して初期留分を除去する場合を例に説明する。図1は
その場合に用いる精製装置を例示したものである。1は
トラップ、2,21は液体窒素等を入れた冷却器、3は
排気管、4は精製容器、5は精製対象のパーフルオロカ
ーボン、6は密栓、7は精製液の取出し管、8は初期留
分溜め、9は取出し管である。
【0014】図1において、精製容器4に入れられたパ
ーフルオロカーボンの液体5は、まず平衡蒸気圧法によ
り減圧下に脱気処理される。精製容器4内の減圧は、弁
71と弁72を閉じ、弁31を開いた状態として、排気
管3が連通するトラップ1を介して減圧ポンプ等(図示
せず)により行われる。従って、脱気処理により発生し
たガスは、弁31の開放下、かかる減圧系統を介して系
外に排気される。なお脱気条件は上記に準じてよい。
【0015】脱気処理されたパーフルオロカーボンの液
体5(処理液)は、次に加熱下に気化処理される。気化
処理は、精製容器4内の気相部における異種ガスの分圧
が10mmHg以下であることを確認して(多くの場合、ト
ラップ1内の圧力とほぼ等しく(パーフルオロカーボン
の蒸気圧は実質的に無視できる)、その圧力で判断して
よい。)弁31を閉じ、精製容器4等を含む点線内の領
域全体を所定の高温に保持して液体5を加熱することに
より行われる。これにより、精製容器4内の気相部の圧
力がその加熱温度に応じた蒸気圧となる。
【0016】次いで、弁71を開いて(弁72は閉状態
のまま)液体5の気化を促進させ、気化した初期留分を
初期留分溜め8にトラップする。その際、精製容器4か
ら初期留分溜め8への気化蒸気の移送量を調節すること
により、液体5の静的な気化状態(移送量:少)ないし
沸騰状態(移送量:多)を制御することができる。
【0017】図の装置では、初期留分51を排気管7を
介して液体窒素等を入れた冷却器21による冷却方式で
初期留分溜め8に捕獲し、再利用できるようになってい
る。初期留分の除去は、非凝縮性の溶存ガスが多いため
であるが、液体(処理液)5中の非凝縮性ガスの溶存量
は気化処理が進むにつれて漸次減少する。
【0018】 従って、除去する初期留分51の量は、
例えばヒートパイプの使用目的に要求されるパーフルオ
ロカーボンの脱気度に応じて適宜に決定される。一般に
は、気化処理に供したパーフルオロカーボンの5重量%
以上、就中10〜50重量%程度が除去される。必要な
初期留分の除去が終わると、目的とするヒートパイプ作
動液としての高純度のパーフルオロカーボンが得られ
る。
【0019】図示した装置では、排気管7を介して初期
留分の除去が終わると、弁71を閉じると共に弁72を
開放し(弁31は閉状態のまま)、取出し管9を介して
外気との接触を防止しつつ、得られた精製液をヒートパ
イプの製造工程に供給できるようになっている。
【0020】
【発明の効果】 本発明によれば、簡単な操作でパーフ
ルオロカーボンの液中に溶存する空気等の非凝縮性物質
を効率よく、かつ高度に除去することができ、高脱気度
のパーフルオロカーボンからなるヒートパイプ作動液
能率的に、安定して得ることができる。
【0021】
【実施例】
実施例1 500ml容の容器にテトラデカフルオロヘキサン(平均
分子量340、沸点56℃)100mlを入れ、容器内を
28〜30mmHgの減圧状態(テトラデカフルオロヘキサ
ンの蒸気圧と空気を主体とする異種ガスの分圧との和)
に維持しつつ、−20℃で約5分間脱気処理(平衡蒸気
圧法)した後、その減圧状態(トラップ1中での測定に
基づき1/102mmHg)の維持下に容器全体を60℃に
加熱して沸騰させ、約5mlを初期留分として除した。つ
いで、得られた精製液を外径16mm、内径14mm、長さ
800mmの銅パイプ中に、真空度8/103Torrにて真
空注入し、封止してヒートパイプを得た。
【0022】実施例2 約10mlを初期留分として除去したほかは実施例1に準
じてヒートパイプを得た。
【0023】実施例3 約20mlを初期留分として除去したほかは実施例1に準
じてヒートパイプを得た。
【0024】実施例4 約50mlを初期留分として除去したほかは実施例1に準
じてヒートパイプを得た。
【0025】比較例 実施例1に準じて、平衡蒸気圧法による脱気処理のみを
施したものを用いて実施例1に準じてヒートパイプを得
た。
【0026】評価試験 実施例、比較例で得たヒートパイプについて入力60W
での熱抵抗を調べた。結果を表1に示した。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための精製装置を例示した説
明図。
【符号の説明】 3,7:排気管 4:精製容器 5:パーフルオロカーボンの液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−104877(JP,A) 特開 昭60−210678(JP,A) 特開 昭61−93809(JP,A) 実開 昭63−23647(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフルオロカーボンの液体を非凝縮性
    ガスの泡が発生しなくなるまで脱気処理したのち、その
    処理液上の気相部における異種ガスの分圧が10mmH
    g以下の状態のもとで当該処理液を室温以上の温度で気
    化させ、その初期留分を除去することを特徴とするヒー
    トパイプ作動液製造方法。
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JPS60210678A (ja) * 1984-04-04 1985-10-23 Canon Inc インク溶存酸素除去装置
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