JP3615586B2 - アンモニアガス回収液化装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば布などの被加工品を液体アンモニアに浸漬させるとともに、それに続いてアンモニアを揮発させる加工設備からアンモニアガスを回収して液化させるアンモニア回収液化装置に関する。
【0002】
【従来技術】
天然繊維、例えばコットンでは、液体アンモニアによる処理で、結晶構造とフィブリル配列に変化が起こり、柔軟、防縮、防皺、強度向上などの性質アップが図れることが知られている。即ち、当該天然繊維に防縮、防皺などの加工を施すには、通常繊維を加工室内で液体アンモニアに浸漬したのち、加熱によりアンモニアガスを蒸散させて行っている。
【0003】
そして、このような加工設備では、アンモニアガスを回収して液化し、再利用するようにしているのであるが、この回収液化装置として、従来、特公昭58−53108号や特開平4−308267号のものが知られている。
特公昭58−53108号公報に開示されている回収液化装置は、液体アンモニアを貯蔵している加工槽と加熱ドラムからなる加熱装置を配置した加工室と、この加工室に連続する状態で配置した揮発室とで加工設備を形成し、加工室から導出したアンモニアガス導出路を圧縮機の吸入口に接続し、この圧縮機の吐出口を凝縮器に接続してアンモニアガスを液化させ、この液化した液体アンモニアを一旦貯蔵容器に貯溜し、しかるのち過熱低減容器を介して加工室の加工槽に返送するようにするとともに、揮発室からのアンモニアガスを焼却装置その他の処分設備に送り込んで処理するようにしたものである。
【0004】
また、特開平4−308267号公報に示されている回収液化装置は、液体アンモニアを貯蔵している加工槽と加熱ドラムからなる加熱装置を配置した加工室と、この加工室に連続する状態で配置した揮発室とで加工設備を形成し、加工室から導出したアンモニアガス導出路を圧縮機の吸入口に接続し、この圧縮機の吐出口を凝縮器に接続してアンモニアガスを液化させ、この液化した液体アンモニアをアンモニアタンクに貯溜し、しかるのちクーラーを経て加工室の加工槽に返送するようにするとともに、揮発室からのアンモニアガスをスクラバーに送り込んで処理するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の液化回収装置はいずれも、揮発室ではアンモニアガスの混合濃度が低いことから、この揮発室からのアンモニアガスを処理して廃棄するようにしていることから、アンモニアの回収効率が低いという問題があった。
本発明は、このような点に鑑み、加工設備から導出されるアンモニアガスを高い効率で回収することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、液化装置を送風機と、冷却器と凝縮器とを直列に配置して構成し、揮発室からのアンモニアガスを処理する水吸収装置から導出した処理水導出路をアンモニア分離機構に接続し、このアンモニア分離機構で発生したアンモニアガスを液化装置の冷却器に供給するようにしたことを特徴としている。
【0007】
【作用】
本発明では、揮発室からのアンモニアガスを水吸収装置で水に吸収させてアンモニア水とし、このアンモニア水をアンモニア分離機構に供給して高濃度のアンモニアガス分離し、この分離させたアンモニアガスを液化装置の冷却器に供給して液化することになる。この結果、従来廃棄処理されていた揮発室でのアンモニアガス成分も液化回収することができ、アンモニアの回収効率が向上することになる。
【0008】
また、請求項3に示すようにアンモニア分離機構で分離した水をアンモニアガスの水吸収装置に返送するようにすると、アンモニア分離機構で分離しきれなかったアンモニア成分を含む処理水で新たなアンモニアガスを吸収処理することになるから、この処理水中のアンモニア成分が濃縮される状態となり、アンモニアの回収効率をより向上させることができる。
【0009】
請求項4〜請求項7に示すように、複数の吸収塔を直列に配置して水吸収装置を構成し、揮発室からの導出ガスやシールボックスからの導出ガスあるいは液化機構(4)からの排出ガスを、水吸収装置にそのガス濃度に応じて吸収塔を選択して導入させるようにすると、吸収塔でのアンモニア吸収を効率よく行うことができ、アンモニア成分の回収効率がよりり向上することになる。
【0010】
さらに、請求項8に示すように、水吸収装置からの排出ガス及び、大気成分を多く含んでいるシールボックスからの導出ガスを中和処理装置で処理するようにすると、排出ガスを無害化した状態で廃棄することができる。
【0011】
さらにまた、請求項9や請求項10に示すように、揮発室からのアンモニアガス導出路やシールボックスからのリークガス導出路にそれぞれブロワーを配置し、このブロワーの吸引力で揮発室やシールボックス内の圧力を所定の負圧状態に維持するようにし、揮発室からのアンモニアガス導出路やシールボックスからのリークガス導出路にそれぞれ開度調節弁を配置するとともに、各ブロワーの上流側にそれぞれ空気取入弁を配置した場合には、揮発室やシールボックス内の圧力変動に対する応答性を向上させることができる。
【0012】
【実施例】
図面は本発明の実施例を示す概略系統図である。
このアンモニアガスの回収液化装置は、ケーシング(1)内に天然繊維を防縮・防皺加工する加工室(2)と揮発室(3)とを区画して形成し、定常運転時において加工室(2)から導出したアンモニアガスを回収液化する液化機構(4)と、定常運転時において揮発室(3)から導出したアンモニアガス処理する処理機構(5)とを有している。
【0013】
加工室(2)内には、液体アンモニアを貯溜する加工槽(6)と、加熱ドラムで形成した乾燥装置(7)とが配置してあり、ケーシング(1)内に連続的に供給されるコットン等の天然繊維(A)を加工室(2)内で加工槽(6)内の液体アンモニアに浸漬させて防縮・防皺加工を施した後、乾燥装置(7)に作用させて天然繊維(A)に付着ている液体アンモニアの大部分を気化・蒸散させるようにしてある。
【0014】
加工室(2)内でアンモニア成分の大部分を気化・蒸散させた天然繊維(A)は加工室(2)に続いて揮発室(3)に導入される。この揮発室(3)では、天然繊維(A)に対して蒸気を作用させ、繊維に残存していたアンモニア成分をガス化して除去する。
【0015】
そして、ケーシング(1)に形成した加工室(2)への加工品取入口と、揮発室(3)からの加工品取出口には、アンモニアガスの流出や大気の流入を防止するためにシールボックス(8)が配置してあり、加工室(2)と揮発室(3)との間に形成した連通口にも、両室(2)(3)間でアンモニアガスや蒸気が行き来しないようにするためにシールボックス(8)が配置してある。
【0016】
加工室(2)からはアンモニアガス回収路(9)が導出してあり、このアンモニアガス回収路(9)は緩衝室(10)を介して液化機構(4)に接続されている。この液化機構(4)は、アンモニアガスを吸引排出するブロワー(11)と、このブロワー(11)から排出されたアンモニアガスを冷却する冷却器(12)と、冷却器(12)で冷却されたアンモニアガスを液化する凝縮器(13)とで構成してあり、凝縮器(13)の内部には冷凍機(14)の冷媒管が配置してある。そして、この凝縮器(13)から液体アンモニア移送ポンプ(15)を配置した液体アンモニア取出路(16)が導出してあり、この液体アンモニア導出路(16)を加工室(2)の加工槽(6)に連通接続させてある。なお、液化アンモニア移送ポンプ(15)に変えて凝縮器(13)と加工槽(6)との間に高低差を設け、重力で流し込むようにすることも考えられる。
【0017】
また、揮発室(3)からはアンモニア含有ガス導出路(17)が導出してあり、このアンモニア含有ガス導出路(17)は水吸収装置(18)に連通してある。そして、この水吸収装置(18)から連出されている排気通路(19)にブロワー(20)を配置し、このブロワー(20)の吸引力で揮発室(3)からアンモニアガスを吸引排出するようにしてある。排気通路(19)は中和処理装置(21)に接続してあり、水吸収装置(18)で吸収しきれなかったアンモニアガスを硫酸等の酸と接触させて中和処理するようにしてある。なお、この排気通路(19)のブロワー(20)よりも水吸収装置(18)側には揮発室(3)内を一定範囲の負圧状態に維持するために空気取り入れ弁(22)が配設してある。この空気取り入れ弁(22)を揮発室(3)の圧力調整機構(図示略)と連動させることにより、応答性の早い圧力制御が可能となる。
【0018】
さらに、ケーシング(1)の各シールボックス(8)からリークガス取り出し路(23)が連出してあり、このリークガス取り出し路(23)は前記中和処理装置(21)に接続してある。また、シールボックス(8)内でのリークガス中のアンモニアガス濃度が高い場合には、リークガスを水吸収装置(18)に導入してアンモニアガス成分を回収できるようにするために、リークガス取り出し路(23)と水吸収装置(18)とをガス濃度を検出して開閉する流路遮断弁を介して接続してある。そして、このリークガス取り出し路(23)にはブロワー(24)が配設してあり、このブロワー(24)よりもシールボックス(8)側に各シールボックス(8)内の圧力を一定範囲の負圧状態に維持するための空気取り入れ弁(25)が配置してある。この空気取り入れ弁(25)をシールボックス(8)の圧力調整機構(図示略)と連動させることにより、応答性の早い圧力制御が可能となる。
【0019】
図中符号(26)は水吸収装置(18)から連出した処理水導出路で、この処理水導出路(26)はアンモニア分離機構(40)に接続されている。このアンモニア分離機構(40)は、処理水導出路(26)に配置した処理水貯溜タンク(28)と処理水移送ポンプ(29)、処理水移送ポンプ(29)に接続されている蒸留装置(27)、蒸留装置(27)で蒸留分離したアンモニアガスを冷却する分縮器(39)、及びアンモニアガスを分離した処理水を冷却する熱交換器(30)とで構成してある。そして、このアンモニア分離機構(40)は、水吸収装置(18)でアンモニアを吸収してアンモニア水となった処理水を蒸留装置(27)に導入してアンモニア水からアンモニアガス成分を気化分離させ、分離後のアンモニアガスを分縮器(39)を介して液化機構(4)の冷却器(12)に導入して回収液化する。一方、蒸留装置(27)でアンモニア成分の大部分を放出した処理水は熱交換器(30)で冷却された後、水吸収装置(18)に返送して、揮発室(3)からのアンモニアガス吸収処理に再使用するようにしてある。
【0020】
符号(31)はアンモニアの補充容器で、この補充容器(31)は凝縮器(13)に接続してあり、補充容器(31)から導入されたアンモニアは凝縮器(13)で凝縮液化され、回収液化された液体アンモニアとともに、加工室(2)の加工槽(6)に供給される。また、加工室(2)内の圧力を一定範囲の負圧雰囲気に維持するために、液化ガス回収路(9)のブロワー(11)の下流側と緩衝室(10)の上流側とをバイパス路(32)で接続してあり、このバイパス路(32)にはバイパス弁(33)が装着してある。
【0021】
また、加工室(2)には、加工室(2)内の圧力が急激に低下した際に加工室(2)内の圧力を回復させるためのアンモニアガス供給路(34)と、加工設備の起動時に加工室(2)内の空気を置換したり、加工設備の停止時にアンモニアガスを置換するための窒素ガス供給路(35)が接続してある。そして、この置換時に排出されるガスを処理するために、加工室(2)から連出されているアンモニアガス回収路(9)と揮発室(3)から連出されているアンモニア含有ガス導出路(17)とを連通路(36)で接続し、この連通路(36)に切り換え弁(37)を配置してある。
【0022】
したがって、加工設備の停止時に加工室(2)内を窒素で置換する際には、液化機構(4)のブロワー(11)を停止させた状態で切り換え弁(37)を開弁することにより、加工室(2)内のアンモニアガス窒素ガスとともに水吸収装置(18)に送給して処理するようにしている。さらに、 加工室(2)には、加工室内(2)の圧力が変動して所定の圧力範囲よりも高くなったり低くなったりした際に作動する安全弁装置(38)が設けてあり、この安全弁装置(38)が圧力高側で作動した際に排出されるアンモニアガスは、図示を省略した処理装置で無害化処理するようにしてある。そして、安全弁装置(38)が圧力低側で作動した際には、大気を加工室(2)に取り込むようにしてある。
【0023】
上述の構成からなるアンモニアの液化回収装置では、液化機構(4)のブロワー(11)の吐出口からのガスの一部を緩衝室(10)側に戻すことにより、加工室(2)の内圧が大気圧よりも水柱で数mm〜十数mm程度の低圧(負圧)もしくは高圧(陽圧)となる状態に加工室(2)に作用するブロワー(11)の吸引力を調整し、水吸収装置(18)から連出した排気通路(19)に配置したブロワー(20)の上流側に配置した空気取り入れ弁(22)により、揮発室(3)の内圧を大気圧よりも水柱で数mm〜十数mm程度の低圧(負圧)となる状態に揮発室(3)に作用するブロワー(20)の吸引力を調整している。
【0024】
また、リークガス取り出し路(23)でのブロワー(24)の上流側に配置した空気取り入れ弁(25)により、シールボックス(8)内の内圧が加工室(2)及び揮発室(3)の内圧よりもさらに低圧に維持されるようにシールボックス(8)に作用しているブロワー(24)の吸引力を調整している。これにより、大気から流入しようとする空気や加工室(2)及び揮発室(3)から漏れ出ようとするアンモニアガスはそれぞれ各室(2)(3)と外部とを区画するケーシング壁面に配置したシールボックス(8a)(8b)に流入し、ここから中和処理装置(21)に供給される。また、加工室(2)及び揮発室(3)間の区画壁に配置したシールボックス(8c)には、加工室(2)内の高濃度アンモニアガスと、揮発室(3)内の蒸気が混合している低濃度アンモニアガスとが流入することになるから、この混合ガスも水吸収装置(18)もしくは中和処理装置(21)で中和処理される。
【0025】
そして、加工室(2)内のアンモニアガスは、加工槽(6)から蒸発したものと、乾燥装置(7)での加熱により気化したもので、不純物が殆ど混入していない高濃度アンモニアガスであることから、このアンモニアガスをアンモニアガス回収路(9)により、液化機構(4)に供給して液化し、この液化された液体アンモニアを加工室(2)内の加工槽(6)に戻すように構成してある。
【0026】
一方、揮発室(3)では、蒸気により繊維(A)に付着しているアンモニア成分を蒸発気化させていることから、揮発室(3)内は大量の蒸気中にアンモニアガスが交じった低濃度のアンモニアガス雰囲気であり、この揮発室内のアンモニアガスは直接回収して液化することには適さない。このため、一旦揮発室(3)内のアンモニア成分を水吸収装置(18)で吸収除去し、水吸収装置(18)からの処理水をアンモニア分離機構で蒸留分離し、分離したアンモニアガスを液化機構(4)に供給して回収液化している。
【0027】
蒸留装置(27)でアンモニアガスを分離した処理水には僅かにアンモニア成分が溶け込んでいる。この僅かにアンモニア成分が溶け込んでいる処理水は揮発室からのアンモニアガス吸収操作に支障を来さないことから、このアンモニア成分含有処理水を水吸収装置(18)に返送し、再使用するようにしてある。そして、蒸留装置(27)からの処理水を水処理装置(18)に返送することにより、僅かに溶け込んでいるアンモニア成分を揮発室(3)からのアンモニアガスとともに蒸留装置(27)取り除くことができる。そして、水吸収装置(18)で除去しきれなかったアンモニアガスは、中和処理装置(21)で酸により中和したのち廃棄する。
【0028】
なお、上記実施例において、水吸収装置(18)としてスクラバーを使用しているが、ガス中のアンモニア濃度や得ようとするアンモニア水の濃度に応じて複数のスクラバーを直列に接続するようにしてもよい。また、その場合には、シールボックス(8)からのリークガスや液化機構(4)からの排出ガスあるいは非定常運転時での加工室(2)や揮発室(3)からの導出ガスをそのアンモニア濃度に応じて適当なスクラバーに導入させるようにすれば、アンモニアガスの回収効率をよりり高めることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明では、加工室からのアンモニアガスを回収して液化するとともに、揮発室からのアンモニアガスを水処理装置で水に吸収させてアンモニア水とし、このアンモニア水をアンモニア分離機構に供給してアンモニアガスと水とに分離させ、この分離させたアンモニアガスを液化機構の冷却器に供給して液化するようにしてあるので、従来廃棄処理されていた揮発室でのアンモニアガス成分も液化回収することができ、アンモニアの回収効率が向上することになる。
【0030】
さらに、アンモニア分離機構で分離したアンモニアガスを液化機構の冷却器に供給することにより、アンモニア分離機構では液化機構で純化可能な純度まで純化させればよいから、アンモニア分離機構での蒸留装置の運転条件をゲージ圧2Kg/cm2未満、温度200℃未満の低圧・低温で運転することができ、作業性を向上させることができる。
【0031】
また、アンモニア分離機構で分離した水をアンモニアガスの水処理装置に返送するようにすると、アンモニア分離機構では分離しきれなかったアンモニア成分を含む処理水で新たなアンモニアガスを吸収処理することになるから、この処理水中のアンモニア成分が濃縮される状態となり、アンモニアの回収効率をより向上させることができることになる。
【0032】
さらに、水処理装置からの排出ガスや大気成分を多く含んでいるシールボックスからの導出ガスを中和処理水装置で処理するようにすると、排出ガスを無害化した状態で廃棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概略系統図である。
【符号の説明】
2…加工室、3…揮発室、4…液化機構、6…加工槽、7…乾燥装置、8…シールボックス、9…アンモニアガス回収路、11…送風機、12…冷却器、13…凝縮器、18…水吸収装置、20・24…ブロワー、21…中和処理装置、22・25…空気取入弁、23…リークガス取り出し路、26…処理水導出路、27…蒸留装置、29…処理水移送ポンプ、30…熱交換器、39…分縮器、40…アンモニア分離機構。
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば布などの被加工品を液体アンモニアに浸漬させるとともに、それに続いてアンモニアを揮発させる加工設備からアンモニアガスを回収して液化させるアンモニア回収液化装置に関する。
【0002】
【従来技術】
天然繊維、例えばコットンでは、液体アンモニアによる処理で、結晶構造とフィブリル配列に変化が起こり、柔軟、防縮、防皺、強度向上などの性質アップが図れることが知られている。即ち、当該天然繊維に防縮、防皺などの加工を施すには、通常繊維を加工室内で液体アンモニアに浸漬したのち、加熱によりアンモニアガスを蒸散させて行っている。
【0003】
そして、このような加工設備では、アンモニアガスを回収して液化し、再利用するようにしているのであるが、この回収液化装置として、従来、特公昭58−53108号や特開平4−308267号のものが知られている。
特公昭58−53108号公報に開示されている回収液化装置は、液体アンモニアを貯蔵している加工槽と加熱ドラムからなる加熱装置を配置した加工室と、この加工室に連続する状態で配置した揮発室とで加工設備を形成し、加工室から導出したアンモニアガス導出路を圧縮機の吸入口に接続し、この圧縮機の吐出口を凝縮器に接続してアンモニアガスを液化させ、この液化した液体アンモニアを一旦貯蔵容器に貯溜し、しかるのち過熱低減容器を介して加工室の加工槽に返送するようにするとともに、揮発室からのアンモニアガスを焼却装置その他の処分設備に送り込んで処理するようにしたものである。
【0004】
また、特開平4−308267号公報に示されている回収液化装置は、液体アンモニアを貯蔵している加工槽と加熱ドラムからなる加熱装置を配置した加工室と、この加工室に連続する状態で配置した揮発室とで加工設備を形成し、加工室から導出したアンモニアガス導出路を圧縮機の吸入口に接続し、この圧縮機の吐出口を凝縮器に接続してアンモニアガスを液化させ、この液化した液体アンモニアをアンモニアタンクに貯溜し、しかるのちクーラーを経て加工室の加工槽に返送するようにするとともに、揮発室からのアンモニアガスをスクラバーに送り込んで処理するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の液化回収装置はいずれも、揮発室ではアンモニアガスの混合濃度が低いことから、この揮発室からのアンモニアガスを処理して廃棄するようにしていることから、アンモニアの回収効率が低いという問題があった。
本発明は、このような点に鑑み、加工設備から導出されるアンモニアガスを高い効率で回収することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、液化装置を送風機と、冷却器と凝縮器とを直列に配置して構成し、揮発室からのアンモニアガスを処理する水吸収装置から導出した処理水導出路をアンモニア分離機構に接続し、このアンモニア分離機構で発生したアンモニアガスを液化装置の冷却器に供給するようにしたことを特徴としている。
【0007】
【作用】
本発明では、揮発室からのアンモニアガスを水吸収装置で水に吸収させてアンモニア水とし、このアンモニア水をアンモニア分離機構に供給して高濃度のアンモニアガス分離し、この分離させたアンモニアガスを液化装置の冷却器に供給して液化することになる。この結果、従来廃棄処理されていた揮発室でのアンモニアガス成分も液化回収することができ、アンモニアの回収効率が向上することになる。
【0008】
また、請求項3に示すようにアンモニア分離機構で分離した水をアンモニアガスの水吸収装置に返送するようにすると、アンモニア分離機構で分離しきれなかったアンモニア成分を含む処理水で新たなアンモニアガスを吸収処理することになるから、この処理水中のアンモニア成分が濃縮される状態となり、アンモニアの回収効率をより向上させることができる。
【0009】
請求項4〜請求項7に示すように、複数の吸収塔を直列に配置して水吸収装置を構成し、揮発室からの導出ガスやシールボックスからの導出ガスあるいは液化機構(4)からの排出ガスを、水吸収装置にそのガス濃度に応じて吸収塔を選択して導入させるようにすると、吸収塔でのアンモニア吸収を効率よく行うことができ、アンモニア成分の回収効率がよりり向上することになる。
【0010】
さらに、請求項8に示すように、水吸収装置からの排出ガス及び、大気成分を多く含んでいるシールボックスからの導出ガスを中和処理装置で処理するようにすると、排出ガスを無害化した状態で廃棄することができる。
【0011】
さらにまた、請求項9や請求項10に示すように、揮発室からのアンモニアガス導出路やシールボックスからのリークガス導出路にそれぞれブロワーを配置し、このブロワーの吸引力で揮発室やシールボックス内の圧力を所定の負圧状態に維持するようにし、揮発室からのアンモニアガス導出路やシールボックスからのリークガス導出路にそれぞれ開度調節弁を配置するとともに、各ブロワーの上流側にそれぞれ空気取入弁を配置した場合には、揮発室やシールボックス内の圧力変動に対する応答性を向上させることができる。
【0012】
【実施例】
図面は本発明の実施例を示す概略系統図である。
このアンモニアガスの回収液化装置は、ケーシング(1)内に天然繊維を防縮・防皺加工する加工室(2)と揮発室(3)とを区画して形成し、定常運転時において加工室(2)から導出したアンモニアガスを回収液化する液化機構(4)と、定常運転時において揮発室(3)から導出したアンモニアガス処理する処理機構(5)とを有している。
【0013】
加工室(2)内には、液体アンモニアを貯溜する加工槽(6)と、加熱ドラムで形成した乾燥装置(7)とが配置してあり、ケーシング(1)内に連続的に供給されるコットン等の天然繊維(A)を加工室(2)内で加工槽(6)内の液体アンモニアに浸漬させて防縮・防皺加工を施した後、乾燥装置(7)に作用させて天然繊維(A)に付着ている液体アンモニアの大部分を気化・蒸散させるようにしてある。
【0014】
加工室(2)内でアンモニア成分の大部分を気化・蒸散させた天然繊維(A)は加工室(2)に続いて揮発室(3)に導入される。この揮発室(3)では、天然繊維(A)に対して蒸気を作用させ、繊維に残存していたアンモニア成分をガス化して除去する。
【0015】
そして、ケーシング(1)に形成した加工室(2)への加工品取入口と、揮発室(3)からの加工品取出口には、アンモニアガスの流出や大気の流入を防止するためにシールボックス(8)が配置してあり、加工室(2)と揮発室(3)との間に形成した連通口にも、両室(2)(3)間でアンモニアガスや蒸気が行き来しないようにするためにシールボックス(8)が配置してある。
【0016】
加工室(2)からはアンモニアガス回収路(9)が導出してあり、このアンモニアガス回収路(9)は緩衝室(10)を介して液化機構(4)に接続されている。この液化機構(4)は、アンモニアガスを吸引排出するブロワー(11)と、このブロワー(11)から排出されたアンモニアガスを冷却する冷却器(12)と、冷却器(12)で冷却されたアンモニアガスを液化する凝縮器(13)とで構成してあり、凝縮器(13)の内部には冷凍機(14)の冷媒管が配置してある。そして、この凝縮器(13)から液体アンモニア移送ポンプ(15)を配置した液体アンモニア取出路(16)が導出してあり、この液体アンモニア導出路(16)を加工室(2)の加工槽(6)に連通接続させてある。なお、液化アンモニア移送ポンプ(15)に変えて凝縮器(13)と加工槽(6)との間に高低差を設け、重力で流し込むようにすることも考えられる。
【0017】
また、揮発室(3)からはアンモニア含有ガス導出路(17)が導出してあり、このアンモニア含有ガス導出路(17)は水吸収装置(18)に連通してある。そして、この水吸収装置(18)から連出されている排気通路(19)にブロワー(20)を配置し、このブロワー(20)の吸引力で揮発室(3)からアンモニアガスを吸引排出するようにしてある。排気通路(19)は中和処理装置(21)に接続してあり、水吸収装置(18)で吸収しきれなかったアンモニアガスを硫酸等の酸と接触させて中和処理するようにしてある。なお、この排気通路(19)のブロワー(20)よりも水吸収装置(18)側には揮発室(3)内を一定範囲の負圧状態に維持するために空気取り入れ弁(22)が配設してある。この空気取り入れ弁(22)を揮発室(3)の圧力調整機構(図示略)と連動させることにより、応答性の早い圧力制御が可能となる。
【0018】
さらに、ケーシング(1)の各シールボックス(8)からリークガス取り出し路(23)が連出してあり、このリークガス取り出し路(23)は前記中和処理装置(21)に接続してある。また、シールボックス(8)内でのリークガス中のアンモニアガス濃度が高い場合には、リークガスを水吸収装置(18)に導入してアンモニアガス成分を回収できるようにするために、リークガス取り出し路(23)と水吸収装置(18)とをガス濃度を検出して開閉する流路遮断弁を介して接続してある。そして、このリークガス取り出し路(23)にはブロワー(24)が配設してあり、このブロワー(24)よりもシールボックス(8)側に各シールボックス(8)内の圧力を一定範囲の負圧状態に維持するための空気取り入れ弁(25)が配置してある。この空気取り入れ弁(25)をシールボックス(8)の圧力調整機構(図示略)と連動させることにより、応答性の早い圧力制御が可能となる。
【0019】
図中符号(26)は水吸収装置(18)から連出した処理水導出路で、この処理水導出路(26)はアンモニア分離機構(40)に接続されている。このアンモニア分離機構(40)は、処理水導出路(26)に配置した処理水貯溜タンク(28)と処理水移送ポンプ(29)、処理水移送ポンプ(29)に接続されている蒸留装置(27)、蒸留装置(27)で蒸留分離したアンモニアガスを冷却する分縮器(39)、及びアンモニアガスを分離した処理水を冷却する熱交換器(30)とで構成してある。そして、このアンモニア分離機構(40)は、水吸収装置(18)でアンモニアを吸収してアンモニア水となった処理水を蒸留装置(27)に導入してアンモニア水からアンモニアガス成分を気化分離させ、分離後のアンモニアガスを分縮器(39)を介して液化機構(4)の冷却器(12)に導入して回収液化する。一方、蒸留装置(27)でアンモニア成分の大部分を放出した処理水は熱交換器(30)で冷却された後、水吸収装置(18)に返送して、揮発室(3)からのアンモニアガス吸収処理に再使用するようにしてある。
【0020】
符号(31)はアンモニアの補充容器で、この補充容器(31)は凝縮器(13)に接続してあり、補充容器(31)から導入されたアンモニアは凝縮器(13)で凝縮液化され、回収液化された液体アンモニアとともに、加工室(2)の加工槽(6)に供給される。また、加工室(2)内の圧力を一定範囲の負圧雰囲気に維持するために、液化ガス回収路(9)のブロワー(11)の下流側と緩衝室(10)の上流側とをバイパス路(32)で接続してあり、このバイパス路(32)にはバイパス弁(33)が装着してある。
【0021】
また、加工室(2)には、加工室(2)内の圧力が急激に低下した際に加工室(2)内の圧力を回復させるためのアンモニアガス供給路(34)と、加工設備の起動時に加工室(2)内の空気を置換したり、加工設備の停止時にアンモニアガスを置換するための窒素ガス供給路(35)が接続してある。そして、この置換時に排出されるガスを処理するために、加工室(2)から連出されているアンモニアガス回収路(9)と揮発室(3)から連出されているアンモニア含有ガス導出路(17)とを連通路(36)で接続し、この連通路(36)に切り換え弁(37)を配置してある。
【0022】
したがって、加工設備の停止時に加工室(2)内を窒素で置換する際には、液化機構(4)のブロワー(11)を停止させた状態で切り換え弁(37)を開弁することにより、加工室(2)内のアンモニアガス窒素ガスとともに水吸収装置(18)に送給して処理するようにしている。さらに、 加工室(2)には、加工室内(2)の圧力が変動して所定の圧力範囲よりも高くなったり低くなったりした際に作動する安全弁装置(38)が設けてあり、この安全弁装置(38)が圧力高側で作動した際に排出されるアンモニアガスは、図示を省略した処理装置で無害化処理するようにしてある。そして、安全弁装置(38)が圧力低側で作動した際には、大気を加工室(2)に取り込むようにしてある。
【0023】
上述の構成からなるアンモニアの液化回収装置では、液化機構(4)のブロワー(11)の吐出口からのガスの一部を緩衝室(10)側に戻すことにより、加工室(2)の内圧が大気圧よりも水柱で数mm〜十数mm程度の低圧(負圧)もしくは高圧(陽圧)となる状態に加工室(2)に作用するブロワー(11)の吸引力を調整し、水吸収装置(18)から連出した排気通路(19)に配置したブロワー(20)の上流側に配置した空気取り入れ弁(22)により、揮発室(3)の内圧を大気圧よりも水柱で数mm〜十数mm程度の低圧(負圧)となる状態に揮発室(3)に作用するブロワー(20)の吸引力を調整している。
【0024】
また、リークガス取り出し路(23)でのブロワー(24)の上流側に配置した空気取り入れ弁(25)により、シールボックス(8)内の内圧が加工室(2)及び揮発室(3)の内圧よりもさらに低圧に維持されるようにシールボックス(8)に作用しているブロワー(24)の吸引力を調整している。これにより、大気から流入しようとする空気や加工室(2)及び揮発室(3)から漏れ出ようとするアンモニアガスはそれぞれ各室(2)(3)と外部とを区画するケーシング壁面に配置したシールボックス(8a)(8b)に流入し、ここから中和処理装置(21)に供給される。また、加工室(2)及び揮発室(3)間の区画壁に配置したシールボックス(8c)には、加工室(2)内の高濃度アンモニアガスと、揮発室(3)内の蒸気が混合している低濃度アンモニアガスとが流入することになるから、この混合ガスも水吸収装置(18)もしくは中和処理装置(21)で中和処理される。
【0025】
そして、加工室(2)内のアンモニアガスは、加工槽(6)から蒸発したものと、乾燥装置(7)での加熱により気化したもので、不純物が殆ど混入していない高濃度アンモニアガスであることから、このアンモニアガスをアンモニアガス回収路(9)により、液化機構(4)に供給して液化し、この液化された液体アンモニアを加工室(2)内の加工槽(6)に戻すように構成してある。
【0026】
一方、揮発室(3)では、蒸気により繊維(A)に付着しているアンモニア成分を蒸発気化させていることから、揮発室(3)内は大量の蒸気中にアンモニアガスが交じった低濃度のアンモニアガス雰囲気であり、この揮発室内のアンモニアガスは直接回収して液化することには適さない。このため、一旦揮発室(3)内のアンモニア成分を水吸収装置(18)で吸収除去し、水吸収装置(18)からの処理水をアンモニア分離機構で蒸留分離し、分離したアンモニアガスを液化機構(4)に供給して回収液化している。
【0027】
蒸留装置(27)でアンモニアガスを分離した処理水には僅かにアンモニア成分が溶け込んでいる。この僅かにアンモニア成分が溶け込んでいる処理水は揮発室からのアンモニアガス吸収操作に支障を来さないことから、このアンモニア成分含有処理水を水吸収装置(18)に返送し、再使用するようにしてある。そして、蒸留装置(27)からの処理水を水処理装置(18)に返送することにより、僅かに溶け込んでいるアンモニア成分を揮発室(3)からのアンモニアガスとともに蒸留装置(27)取り除くことができる。そして、水吸収装置(18)で除去しきれなかったアンモニアガスは、中和処理装置(21)で酸により中和したのち廃棄する。
【0028】
なお、上記実施例において、水吸収装置(18)としてスクラバーを使用しているが、ガス中のアンモニア濃度や得ようとするアンモニア水の濃度に応じて複数のスクラバーを直列に接続するようにしてもよい。また、その場合には、シールボックス(8)からのリークガスや液化機構(4)からの排出ガスあるいは非定常運転時での加工室(2)や揮発室(3)からの導出ガスをそのアンモニア濃度に応じて適当なスクラバーに導入させるようにすれば、アンモニアガスの回収効率をよりり高めることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明では、加工室からのアンモニアガスを回収して液化するとともに、揮発室からのアンモニアガスを水処理装置で水に吸収させてアンモニア水とし、このアンモニア水をアンモニア分離機構に供給してアンモニアガスと水とに分離させ、この分離させたアンモニアガスを液化機構の冷却器に供給して液化するようにしてあるので、従来廃棄処理されていた揮発室でのアンモニアガス成分も液化回収することができ、アンモニアの回収効率が向上することになる。
【0030】
さらに、アンモニア分離機構で分離したアンモニアガスを液化機構の冷却器に供給することにより、アンモニア分離機構では液化機構で純化可能な純度まで純化させればよいから、アンモニア分離機構での蒸留装置の運転条件をゲージ圧2Kg/cm2未満、温度200℃未満の低圧・低温で運転することができ、作業性を向上させることができる。
【0031】
また、アンモニア分離機構で分離した水をアンモニアガスの水処理装置に返送するようにすると、アンモニア分離機構では分離しきれなかったアンモニア成分を含む処理水で新たなアンモニアガスを吸収処理することになるから、この処理水中のアンモニア成分が濃縮される状態となり、アンモニアの回収効率をより向上させることができることになる。
【0032】
さらに、水処理装置からの排出ガスや大気成分を多く含んでいるシールボックスからの導出ガスを中和処理水装置で処理するようにすると、排出ガスを無害化した状態で廃棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概略系統図である。
【符号の説明】
2…加工室、3…揮発室、4…液化機構、6…加工槽、7…乾燥装置、8…シールボックス、9…アンモニアガス回収路、11…送風機、12…冷却器、13…凝縮器、18…水吸収装置、20・24…ブロワー、21…中和処理装置、22・25…空気取入弁、23…リークガス取り出し路、26…処理水導出路、27…蒸留装置、29…処理水移送ポンプ、30…熱交換器、39…分縮器、40…アンモニア分離機構。
Claims (10)
- 液体アンモニアを貯溜する加工槽(6)と乾燥装置(7)とを収容した加工室(2)と、この加工室(2)に連続する液体アンモニアの揮発室(3)とを有するアンモニアによる加工設備の加工室(2)からアンモニアガス回収路(9)を導出し、このアンモニアガス回収路(9)を液化機構(4)に接続し、この液化機構(4)で液化した液体アンモニアを加工室(2)内の加工槽(6)に供給するとともに、揮発室(3)から導出したアンモニア含有ガスを水吸収装置(18)に供給して処理水で吸収処理するようにしたアンモニアガスの回収液化装置において、
液化機構(4)をブロワー(11)、冷却器(12)、凝縮器(13)を直列に配置して構成し、揮発室(3)からのアンモニア含有ガスを処理する水吸収装置(18)から導出した処理水導出路(26)をアンモニア分離機構(40)に接続し、このアンモニア分離機構(40)で発生したアンモニアガスを液化機構(4)の冷却器(12)に供給するようにしたことを特徴とするアンモニアガス回収液化装置。 - アンモニア分離機構(40)は、処理水移送ポンプ(29)と、蒸留装置(27)と、分縮器(39)と、熱交換器(30)を有し、水吸収装置(18)からの処理水から高濃度アンモニアガスを分離するものである請求項1に記載のアンモニアガス回収液化装置。
- アンモニア分離機構(40)でアンモニアガスを除去した処理水を熱交換器(30)を介して水処理装置(18)に返送するようにした請求項1または請求項2に記載のアンモニアガス回収液化装置。
- 複数の吸収塔を直列に配置して水吸収装置(18)を構成し、この水吸収装置(18)に揮発室(3)からの導出ガスをそのアンモニアガス濃度に応じて吸収塔を選択して導入するようにした請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のアンモニアガス回収液化装置。
- 複数の吸収塔を直列に配置して水吸収装置(18)を構成し、この水吸収装置(18)に液化機構(4)からの排出ガスをそのアンモニアガス濃度に応じて吸収塔を選択して導入するようにした請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のアンモニアガス回収液化装置。
- 複数の吸収塔を直列に配置して水吸収装置の(18)を構成し、この水吸収装置(18)に加工室(2)及び揮発室(3)の各加工物連通口部分に配置したシールボックス(8)からの導出ガスをそのアンモニアガス濃度に応じて吸収塔を選択して導入するようにした請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のアンモニアガス回収液化装置。
- 複数の吸収塔を直列に配置して水吸収装置の(18)を構成し、この水吸収装置(18)に加工室(2)からの導出ガスをそのアンモニアガス濃度に応じて吸収塔を選択して導入するようにした請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のアンモニアガス回収液化装置。
- 水吸収装置(18)からの排出ガスを中和処理装置(21)に導入するとともに、加工室(2)及び揮発室(3)の各加工物連通口部分に配置したシールボックス(8)のうち少なくとも外壁部分に配置したシールボックス(8a)(8b)からの導出ガスを中和処理装置(21)に導入するようにした請求項1〜7に記載のアンモニアガス回収液化装置。
- 水吸収装置(18)と直列にブロワー(20)を配置し、このブロワー(20)での吸引力で揮発室(3)内の圧力を所定の負圧状態に維持するように構成し、揮発室(3)から導出したアンモニア含有ガス導出路(17)の途中に開度調節弁を設配置するとともに、ブロワー(20)の吸込口近傍に空気取入弁(22)を配置した請求項1〜請求項8に記載のアンモニアガス回収液化装置。
- シールボックス(8)からのリークガス取り出し路(23)にブロワー(24)を配置し、このブロワー(24)での吸引力でシールボックス(8)内を所定の負圧状態に維持するように構成し、リークガス取り出し路(23)のブロワー(24)よりも上流側に開度調節弁を配置するとともに、ブロワー(24)の吸込口近傍に空気取入弁(25)を配置した請求項6または請求項8に記載のアンモニアガス回収液化装置。
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