JP3258807B2 - 透明な冷陰極ディスプレイパネル及びこのディスプレイパネルを使用するディスプレイ方法 - Google Patents

透明な冷陰極ディスプレイパネル及びこのディスプレイパネルを使用するディスプレイ方法

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JP3258807B2
JP3258807B2 JP04598194A JP4598194A JP3258807B2 JP 3258807 B2 JP3258807 B2 JP 3258807B2 JP 04598194 A JP04598194 A JP 04598194A JP 4598194 A JP4598194 A JP 4598194A JP 3258807 B2 JP3258807 B2 JP 3258807B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷陰極ディスプレイパ
ネル、並びに冷陰極ディスプレイパネルを使用するディ
スプレイ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイパネルとして、エレクトロ
ルミネッセントパネル(ELパネル)、液晶ディスプレ
イパネルのほか、冷陰極を電子源とする平面型CRTパ
ネルである冷陰極ディスプレイパネルなどが知られてい
る。
【0003】また、建物の窓等に文字や映像をフルカラ
ー表示する方法としては、液晶プロジェクターを用い
て、建物の窓等の半透明な部分に文字や映像を表示する
方法がある。この方法を利用して、例えば商店のショウ
ウインドウにおいて、後ろの商品の説明をショウウイン
ドウの硝子上に表示するなどの情報提供の手段とするこ
とができる。
【0004】液晶プロジェクターを用いて、建物の窓等
の半透明な部分に文字や映像をフルカラー表示する方法
においては、表示を行なう際には表示面が半透明であり
表示面の裏面に当たっている光を意味のある情報として
読み取ることは困難である。この様子を図7に示した。
45は建物、46は建物の窓、47は表示面、48は表
示中の映像、49は表示面の向こう側にある物を示して
いる。この場合、表示面47の影になっている表示面の
向こう側にある物49は、当然その部分が見えない。ま
た、液晶プロジェクターを置く場所を別に確保する必要
がある。
【0005】一方、ELパネルはパネルの裏側に当たっ
ている光が表示面に透けて見えるようになった構造も可
能であるが、青色の表示が難しいため3原色を十分な輝
度で発光することができずフルカラー化が難しい。
【0006】冷陰極ディスプレイパネルの、従来から知
られている構成例を図8、図9に示す。図8は斜視図で
ある。冷陰極ディスプレイパネルは電子放出部34と発
光部35からなる。図9は図8の中で丸印で表した電子
放出単位36とそれに対応する発光部を合わせた一つの
発光単位の拡大断面図である。電子放出単位36は、電
子放出電極37、電子引き出し電極38、絶縁層39、
電子放出電極37の引き出し部40、基板41により構
成される。発光部35は、透明基板42、透明導電膜で
ある電子捕集電極43、蛍光体層44により構成され
る。電子放出部34は、図8のように電子放出電極の引
き出し部40と電子引き出し電極38によりマトリクス
を構成し、発光したい画素の電子放出電極37と電子引
き出し電極38の間に電圧を印加することで、電子放出
電極37より電子が放出され、この電子が蛍光体層44
を励起して発光することにより冷陰極ディスプレイパネ
ルは動作する。
【0007】このような構造の従来の冷陰極ディスプレ
イパネルは、金属膜、基板、蛍光体等の不透明な部分が
層状に重なって構成されており、パネルの裏側に当たっ
ている光が表示面に透けて見えるような構造にはなって
いない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、デ
ィスプレイパネルの裏側に当たっている光が表示面に透
けて見え、なおかつフルカラー表示が可能な透明な冷陰
極ディスプレイパネル、並びにこのような冷陰極ディス
プレイパネルを使用するディスプレイ方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の冷陰極ディスプ
レイパネルは、電子放出部と発光部からなり、電子放出
部の電子放出単位が、第1の透明基板上に設けられる
子放出電極の引き出し部と該電子放出電極の引き出し
部上に設けられる電子放出電極と該電子放出電極の引
き出し部上に設けられる絶縁層の上に形成される電子引
き出し電極とから構成され、発光部が、第2の透明基板
上に形成される透明導電膜である電子捕集電極該電
子捕集電極上に形成される蛍光体層とから構成される、
冷陰極ディスプレイパネルであって、前記蛍光体層を、
前記電子放出電極に対応する位置に形成し、前記電子引
き出し電極及び前記電子放出電極の引き出し部が形成さ
れていない冷陰極ディスプレイパネルの部分が、該ディ
スプレイパネルの裏側から表側に光が透過するように
視光に対して透明であることを特徴とする
【0010】本発明のディスプレイ方法は、上記構成の
透明な冷陰極ディスプレイパネルを建物の透明部分に取
り付けることを特徴とする
【0011】本発明の冷陰極ディスプレイパネルの構成
において、該ディスプレイパネルの裏側から表側に光が
透過するようにするためには、該ディスプレイパネル表
示面の全面積に対して発光単位を構成している面積が占
める割合が、該ディスプレイパネルの裏側から当たって
いる光の、該表示面の一部又は全部への透過を妨げない
ような割合に構成することができる。
【0012】また、冷陰極ディスプレイパネルを構成す
る材料を、可視光に対して透明な材料で構成することが
できる。
【0013】
【作用】本発明の透明な冷陰極ディスプレイパネルによ
り、ディスプレイパネル上の表示情報と背景の情報を重
ねて同時に見ることが可能になる。このディスプレイパ
ネルを建物の透明部分、例えば商店のショウウインドウ
に取り付けることによって、後ろの商品の説明をショウ
ウインドウの硝子上に表示するなどの方法が可能にな
る。
【0014】
【実施例】本発明のディスプレイ方法の概念図を図1に
示す。1は建物、2は建物の窓、3は表示面、4は表示
中の映像、5は表示面の向こう側にある物。表示面の向
こう側にある物の、表示面の影になっている部分も、表
示面を通して見ることができる。
【0015】本発明の、透明な冷陰極ディスプレイパネ
ルの、一実施例を図2、図3に示す。図2は斜視図であ
る。ディスプレイパネルは電子放出部6と発光部7から
なる。図3は図2の中で丸印で表した電子放出単位8と
それに対応する発光部7を合わせた一つの発光単位の拡
大断面図である。電子放出単位8は電子放出電極9、電
子引き出し電極11、絶縁層12、電子放出電極9の引
き出し部13、基板14により構成される。発光部7は
透明基板15、透明導電膜である電子捕集電極16、蛍
光体層17により構成される(図2では蛍光体層は省略
した。)。また、蛍光体層17は、電子捕集電極16上
に部分的に設けてある。
【0016】本発明の冷陰極ディスプレイパネルは、図
2のように電子放出電極の引き出し部13と電子引き出
し電極11によりマトリクスを構成し、発光したい画素
の電子放出電極9と電子引き出し電極11の間に電圧を
印加することで、電子放出電極9の先端部より電子が放
出され、この電子が蛍光体層17を励起して発光するこ
とにより動作する。
【0017】図2では、電子引き出し電極と電子放出電
極の引き出し部の一つの交点に電子放出単位が4つ描か
れているが、実際には縦横に3ミクロンピッチで10個
ずつ合計100個を作製している。電子引き出し電極、
電子放出電極引き出し部の各々の幅は31.8ミクロ
ン。交点と交点の間隔は縦横共に0.3mmである。こ
の場合発光単位の構成されている面積はディスプレイパ
ネル表示面のうち約20パーセントであり表示面の裏か
ら当たっている光は表示面側へ十分に透過することがで
きた。
【0018】図4は、本発明の冷陰極ディスプレイパネ
ルの作製プロセスを示す図である。以下、図にしたがっ
て作製法について説明する。(A)硝子基板18上に、
モリブデン膜19を真空蒸着法により成膜した。膜厚は
0.3ミクロンである。(B)フォトリソグラフィーと
ドライエッチングにより、モリブデン膜19を加工し、
電子放出電極の引き出し部13を設けた。加工後のモリ
ブデン膜の形状の平面図は、図5に示したように長方形
となる。エッチングはドライエッチング法により行なっ
た。(C)この基板上にCVD法により、酸化シリコン
膜20を約1.5ミクロンの膜厚で成膜し、さらにその
上から、モリブデン膜21を約0.3ミクロンの膜厚に
なるように、真空蒸着法により成膜した。酸化シリコン
膜20は絶縁膜12に、モリブデン膜21は電子引き出
し電極11になる。(D)酸化シリコン膜20、モリブ
デン膜21をフォトリソグラフィーとドライエッチング
により加工し、図に示したように、これらの膜の中に円
筒形の穴22を開けた。穴22の直径は約1.2ミクロ
ンである。さらにもう一度フォトリソグラフィーとドラ
イエッチングを行ないモリブデン膜21をライン状に加
工した。加工後の形状の平面図を図6に示す。(E)基
板を基板面に平行に回転させながら基板表面に矢印23
の方向からアルミナを斜め真空蒸着し、アルミナ膜24
を設けた。蒸着角度は基板面に対して約30°であり、
膜厚は約0.1ミクロンである。(F)基板に垂直な方
向からモリブデンの真空蒸着を行ない、電子放出電極9
を設けた。モリブデンの膜厚は約1.2ミクロンであ
る。この際、不要なモリブデン膜26を生じる。(G)
リン酸によるウエットエッチングを行うことでアルミナ
膜24のリフトオフを行ない、不要なモリブデン膜26
を除去した。このような方法により電子放出部6を作製
した。(H)透明基板27上に、ITOを材料とする透
明導電膜28を約0.3ミクロンの膜厚で設け、さらに
この上から、電子放出電極9に対応する位置に、蛍光体
層29を部分的に形成した。このような方法により発光
部7を作製した。次に電子放出部6と発光部7をスペー
サー30を介して接合した。
【0019】蛍光体を使用して表示を行うCRT等のデ
ィスプレイパネルと同様に、蛍光体として赤、青、緑の
それぞれを発光するものを使用することでフルカラー化
を行う。
【0020】
【発明の効果】本発明の冷陰極ディスプレイパネルは、
ディスプレイパネル上の表示情報と背景の情報を重ねて
同時に見ることを可能にする。このディスプレイパネル
を建物の透明部分、例えば商店のショウウインドウに取
り付けることによって、後ろの商品の説明をショウウイ
ンドウの硝子上に表示するなどの方法が可能になる。こ
のような方法は商店が、顧客に対する従来よりもより多
彩な(例えば場所をとらない、美観に優れる等)情報提
供の手段を得ることを可能にする。
【0021】また、ディスプレイパネルを置く場所以外
には駆動回路等を設置するためのわずかな場所しか必要
としない。
【0022】さらに3原色を十分な輝度で発光すること
が可能でありフルカラー化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスプレイ方法の概念図。
【図2】本発明の冷陰極ディスプレイパネルの構造を表
す斜視図。
【図3】本発明の冷陰極ディスプレイパネルの発光単位
の断面図。
【図4】本発明の冷陰極ディスプレイパネルの作製法を
表す図。
【図5】図4の工程Bでの加工後の膜の形状の平面図。
【図6】図4の工程Dでの加工後の膜の形状の平面図。
【図7】従来のディスプレイ方法の概念図。
【図8】従来の冷陰極ディスプレイパネルの構造を表す
斜視図。
【図9】従来の冷陰極ディスプレイパネルの発光単位の
断面図。
【符号の説明】 1、45 建物 2、46 建物の窓 3、47 表示面 4、48 表示中の映像 5、49 表示面の向こう側にある物 6、34 電子放出部 7、35 発光部 8、36 電子放出単位 9、37 電子放出電極 11、38 電子引き出し電極 12、39 絶縁層 13、40 電子放出電極の引き出し部 14、41 基板 15、42 透明基板 16、43 電子捕集電極 17、44 蛍光体層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出部と発光部からなり、電子放出
    部の電子放出単位が、第1の透明基板上に設けられる
    子放出電極の引き出し部と該電子放出電極の引き出し
    部上に設けられる電子放出電極と該電子放出電極の引
    き出し部上に設けられる絶縁層の上に形成される電子引
    き出し電極とから構成され、発光部が、第2の透明基板
    上に形成される透明導電膜である電子捕集電極該電
    子捕集電極上に形成される蛍光体層とから構成される、
    冷陰極ディスプレイパネルであって、前記蛍光体層を、前記電子放出電極に対応する位置に形
    成し、前記電子引き出し電極及び前記電子放出電極の引
    き出し部が形成されていない冷陰極ディスプレイパネル
    の部分が、 該ディスプレイパネルの裏側から表側に光が
    透過するように、可視光に対して透明であることを特徴
    とする透明な冷陰極ディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 前記電子引き出し電極と前記電子放出電
    極の引き出し部との交点により形成される発光単位の構
    成されている面積が、冷陰極ディスプレイパネルの全表
    示面積の20%以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の透明な冷陰極ディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の透明な
    冷陰極ディスプレイパネルを建物の透明部分に取り付け
    ることを特徴とするディスプレイ方法
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