JP3258783B2 - 新規オリゴ糖誘導体及びその用途 - Google Patents

新規オリゴ糖誘導体及びその用途

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JP3258783B2 JP25753993A JP25753993A JP3258783B2 JP 3258783 B2 JP3258783 B2 JP 3258783B2 JP 25753993 A JP25753993 A JP 25753993A JP 25753993 A JP25753993 A JP 25753993A JP 3258783 B2 JP3258783 B2 JP 3258783B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規オリゴ糖誘導体
びその用途に関し、詳しくは光学活性を有するオリゴ糖
にシリカゲルを化学結合させ、かつオリゴ糖の水酸基の
一部または全部に特定の置換基を導入した新規オリゴ糖
誘導体及び該オリゴ糖誘導体を有効成分とするクロマト
用分離剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】これ
までにシリカゲルにセルロースやアミロースなどの多糖
またはその誘導体を物理的方法により担持させた化合物
をクロマト用分離剤、特に光学分割用分離剤として用い
ることが知られている。しかしながら、この化合物は耐
溶媒性が低いため、液体クロマトグラフィー法等に用い
る場合、使用できる溶離液が制限されるという欠点があ
る。また、多糖としてオリゴ糖のように重合度が低いも
のを用いると、さらに溶媒に対する溶解性が高くなり、
実用性に欠けるものとなる。
【0003】このような課題を解決するために、多糖誘
導体をシリカゲルに化学結合させた化合物を使用するこ
とも提案されている。しかし、この場合は、シリカゲル
に化学結合させる部位が選択できないため、糖自体の高
次構造に影響を与え、多糖の持つ有用な性質を低下させ
るという大きな問題が生じる。しかも、結合部位が不特
定であることに起因して、得られるシリカゲル化合物の
品質のばらつきが大きい等の欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは多
糖としてオリゴ糖を用い、このものにシリカゲルを化学
結合させる方法について検討を重ねた結果、オリゴ糖の
還元末端を公知の方法でラクトン化し、これに例えば3
−アミノプロピルトリエトキシシランなどのシラン化合
物を反応させ、糖の還元末端の1位の炭素でアミド結合
を介して糖鎖とシラン化合物が化学結合した新規オリゴ
糖誘導体を得ることに成功した。なお、還元末端を有す
るオリゴ糖を還元剤の存在下に、例えば3−アミノプロ
ピルトリエトキシシランなどのシラン化合物と還元アミ
ノ化することによっても新規オリゴ糖誘導体を得ること
ができる。次いで、このオリゴ糖誘導体のシラン部分で
シリカゲルのシラノール基と公知の方法で反応させ、さ
らにオリゴ糖の水酸基部分の一部または全部を、例えば
4−メチルフェニルイソシアナートなどで置換したもの
がクロマト用分離剤として有用であることを見出し、か
かる知見に基づいて本発明を完成したのである。また、
シラン化合物をシリカゲルにあらかじめ結合させた後、
ラクトンとアミド結合あるいは還元アミノ化の方法をと
ることも可能である。さらに、この新規オリゴ糖誘導体
の光学分離能をさらに向上させる目的で、化学合成や酵
素合成により糖鎖を伸ばすことも可能である。
【0005】すなわち本発明は、光学活性を有するオリ
ゴ糖の還元末端のアルデヒド基を酸化剤により酸化し、
ラクトンを形成させ、このラクトン部位でアミノ基を有
するシラン処理剤と化学結合させるか、もしくはアミノ
基の他に反応性基を有するアミン化合物をそのアミノ基
部分でオリゴ糖の還元末端側のラクトン部位と化学結合
させた後、該アミン化合物の反応性基にシラン処理剤を
化学結合させたのち、下記の置換基(R)をオリゴ糖の
水酸基の水素原子の一部もしくは全部に導入して得られ
るオリゴ糖誘導体を提供すると共に、該オリゴ糖誘導体
を有効成分とするクロマト用分離剤を提供するものであ
【0006】(RはRa、
【化3】
【0007】
【化4】 のいずれかであり、Raは置換もしくは非置換アルキル
基又は置換もしくは非置換フェニル基のいずれかであ
る。)
【0008】本発明のオリゴ糖誘導体を製造するために
用いるオリゴ糖は光学活性なものであればよく、天然オ
リゴ糖および合成オリゴ糖のいずれでもよい。具体的に
は、α−1,4−グルカンオリゴマー(マルトオリゴ
糖)、β−1,4−グルカンオリゴマー(セロオリゴ
糖)、α−1,6−グルカンオリゴマー(イソマルトオ
リゴ糖)、β−1,6−グルカンオリゴマー(ゲンチオ
オリゴ糖)、α−1,3−グルカンオリゴマー(ニゲロ
オリゴ糖)、β−1,3−グルカンオリゴマー(ラミナ
リオリゴ糖)、α−1,2−グルカンオリゴマー、β−
1,2−グルカンオリゴマー(ソホロオリゴ糖)、キト
オリゴ糖、N−アセチルキトオリゴ糖、β−1,4−ガ
ラクタン(ラクトオリゴ糖)、α−1,6−ガラクタン
(メリオリゴ糖)、β−2,1−フルクタン(イヌロオ
リゴ糖)、β−2,6−フルクタン、β−1,4−キシ
ラン、β−1,3−キシラン、β−1,4−マンナン、
α−1,6−マンナンなどを挙げることができる。これ
らオリゴ糖の数平均重合度は3以上で、上限には特に制
限はないが、ラクトン化,還元アミノ化の反応性や取扱
いの点から3〜10程度のものが好適である。
【0009】また、本発明に使用するシリカゲルとして
は、粒径が1〜1000μm、好ましくは2〜100μ
mであり、平均孔径が10Å〜100μm、好ましくは
50〜10000Åであるものが適当である。
【0010】次に、シラン処理剤としてはアミノ基を有
するものが使用され、還元末端をラクトン化した場合や
還元末端を還元剤存在下でそのまま還元してアミノ化を
行う場合は、第1級アミンをもつものが好ましい。シラ
ン処理剤はシランカップリング剤等として市販されてい
るものや、アミノ基を有するように合成したものなど任
意に用いることができる。また、アミノ基の他に反応性
基を有するアミン化合物も使用でき、この場合はアミノ
基部分で糖の還元末端と化学結合させ、その後反応性基
にシラン処理剤を化学結合させる。ここで、反応性基と
しては、例えばビニル基,アミノ基,ヒドロキシル基,
カルボキシル基,アルデヒド基,イソシアナート基,イ
ソチオシアナート基,チオール基,シラノール基,エポ
キシ基,エーテル基,エステル基,アミド基,ハロゲン
原子などがある。以下に、代表的なシラン処理剤を示
す。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】
【化11】
【0018】
【化12】
【0019】上記式中、n1は1〜3の整数、R1は水素
原子または炭素数1〜20の置換もしくは非置換アルキ
ル基、R2は炭素数1〜20の置換もしくは非置換アル
キル基、Xは炭素数1〜10のアルコキシ基またはハロ
ゲン原子(好ましくは塩素原子)、Yはハロゲン原子を
それぞれ示す。
【0020】また、オリゴ糖の水酸基の一部もしくは全
部に導入される前記の置換基(R)は、該水酸基を修飾
するものであり、1分子中の水酸基に2種以上の異なる
置換基を導入することもできる。該置換基におけるRa
は置換もしくは非置換アルキ ル基又は置換もしくは非置
換フェニル基であり、具体的にはメチル基,エチル基,
プロピル基,ブチル基,t−ブチル基,フェニル基,メ
チルフェニル基,ジメチルフェニル基,エチルフェニル
基,ジエチルフェニル基,トリメチルシリルフェニル
基,アルコキシフェニル基,ジアルコキシフェニル基,
ハロゲン化フェニル基,ジハロゲン化フェニル基,フェ
ニルアゾフェニル基,ナフタレン基,アントラセン基等
を挙げることができる。オリゴ糖の水酸基へのこれら置
換基の導入は既知の方法により行うことができる。
【0021】光学活性を有するオリゴ糖にシラン処理剤
を化学結合させた化合物(以下、化合物AまたはA’と
称することがある。)の製造法を以下に示す。オリゴ糖
としてマルトペンタオースを用いた場合を例示すると、
該マルトペンタオースにヨウ素−メタノール溶液中でK
OH−メタノール溶液を加えて反応させ、{O−α−D
−グルコピラノシル−(1→4)}4−D−グルカナー
トカリウムを得る。既知の手法により、イオン交換樹脂
(H型)を用いてカリウムイオンを水素イオンに交換
し、{O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)}4
−D−グルコノ−1,5−ラクトン(以下、ラクトンと
称することがある。)を得る。次いで、該ラクトンと、
例えば3−アミノプロピルトリエトキシシランをエチレ
ングリコール中で反応させ、目的とする化合物Aを得
る。この反応は、Polymer Journal,vol.17,No.4,p567-5
75(1985)に記載の方法を応用したものである。なお、無
水状態で反応させるため、ドライエチレングリコールを
用い、かつ反応を窒素気流下で行う必要がある。また、
化合物A’を得る場合は、オリゴ糖の還元末端と、例え
ば一級アミンの3−アミノプロピルトリエトキシシラン
とシッフ塩基を形成させた後、還元剤の存在下で還元し
て2級アミンにすればよい(Glycoconjugate J(1986),
3, 311-319 ELIZABETH KALLIN 参考) 。
【0022】次に、本発明の化合物(以下、化合物Bと
称することがある。)の製造法を以下に示す。 (1)上記で得られた新規化合物Aと、例えば4−メチ
ルフェニルイソシアナートをジメチルアセトアミド/ピ
リジン溶液中で反応させ、オリゴ糖の水酸基の全部ある
いは一部を置換する。この反応は既知の方法で行うこと
ができる。かくして得られた化合物を公知の方法である
シリカゲルのシラン処理法を用いてシリカゲルに化学結
合させる。このようにして化合物Bを得る。
【0023】(2)また、上記で得られた新規化合物A
を既知のシリカゲルのシラン処理法を用いてシリカゲル
に化学結合させて得られる化合物に、例えば4−メチル
フェニルイソシアナートをジメチルアセトアミド/ピリ
ジン溶液中で反応させ、オリゴ糖の水酸基の全部あるい
は一部を置換することによっても化合物Bを得ることが
できる。
【0024】本発明ではこれら(1),(2)のいずれ
の方法を用いてもよいが、シリカゲルへの結合量を上げ
たい場合は、(2)の方法が好ましい。なお、シリカゲ
ルと化学結合させる化合物A,A’のオリゴ糖部の水酸
基置換化合物は、シリカゲルに対して5〜50重量%程
度が好ましいがこの限りではない。さらに、得られた化
合物Bの残存シラノール基の影響をなくすため、公知の
方法により、エンドキャッピング処理を行っても良い。
【0025】
【実施例】以下に、実施例により本発明を説明する。 実施例1 化合物A1の合成 ヨウ素4.0gをメタノール30mlに溶解し、これにマ
ルトペンタオース6gを適量の蒸留水に溶解して加え、
さらに4%KOH−メタノール溶液100mlを滴下し
40℃で30分攪拌した。反応液を氷浴に入れて生成物
を沈澱させ、濾別した後、100mlの蒸留水に溶解し
た。次いで、活性炭粉末を加えて過剰のヨウ素を除き、
濾過して得た濾液を凍結乾燥した。
【0026】次に、この凍結乾燥物を蒸留水40mlに
溶解し、アンバーライト120−B(H型)80mg当
量で処理し、濃縮後、再び凍結乾燥してラクトン5.2g
を得た。このものは、図1のIRスペクトルの1740
cm-1にラクトンのC=O間の伸縮振動が認められるこ
とおよび13C−NMRより170.8ppmにシグナルが
認められることからラクトンと推定された。得られたラ
クトン1gをドライエチレングリコール7mlに溶解
し、これに3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.5
5g加えて窒素気流下、70℃で6時間反応させた。生
成物をアセトン200ml中に沈澱させ、アセトン10
0mlで洗浄し、60℃で3時間減圧乾燥して1.08g
の化合物Aを得た。この化合物Aには、IRスペクトル
より1540cm-1および1640cm-1に第2級酸ア
ミドのN−Hの変角振動とC=Oの伸縮振動が認められ
た(図2)。また、13C−NMRよりアミド結合に供す
る炭素のケミカルシフトが172ppm付近に、また末
端の糖が開環したことにより低磁場シフトした6位の炭
素が62.7ppm付近に認められる
【0027】実施例2 化合物B1の合成 実施例1で合成した化合物A10.9gをDMA20m
l,ピリジン5mlの混合溶媒中に溶解し、これに4−
メチルフェニルイソシアナート4gを添加し、80℃で
5時間攪拌したのち、溶液中に過剰のイソシアナート基
が残存していることをIRスペクトルにおいて2270
cm-1にC=N間の伸縮振動を認めることにより確認し
た。この反応液を一部サンプリングし、70%メタノー
ル水溶液中に加えて沈澱させ、洗浄、乾燥後、IRスペ
クトルを測定し、1710cm-1に第2級カーバミン酸
エステルのC=Oの吸収を認めた(図3)。
【0028】一方、上記の反応液を予め活性化しておい
たシリカゲル(YMC社製、平均孔径120Å、粒径5
μm)3g中に加え、90℃で12時間反応させた。こ
の反応液中のシラン化処理シリカゲルをテトラヒドロフ
ラン,メタノール,アセトン,ヘキサンで洗浄し、シリ
カゲルに未結合の化合物Aのカーバメイト誘導体を除去
した後、60℃で2時間真空乾燥した。次いで、この化
合物についてIRスペクトル分析と元素分析を行った。
元素分析結果を第1表に示す。
【0029】
【表1】第 1 表
【0030】その結果、IRスペクトルにおいて171
0cm-1にカルボニル基の伸縮振動が認められたことよ
り、シリカゲルへの結合を確認し、化合物B1を得た。
得られた化合物B1のクロマト用分離剤としての性能を
向上させるため、一般的に行われるエンドキャッピング
をトリメチルクロロシランを用いて施した。このように
して得られたものをガラスフィルターG4を用いて濾過
し、残査を前記と同様にテトラヒドロフラン,メタノー
ル,アセトン,ヘキサンで洗浄し、60℃で2時間減圧
乾燥してクロマト用分離剤とした。
【0031】実施例3 化合物A2の合成 ヨウ素4.0gをメタノール30mlに溶解し、これにマ
ルトペンタオース6gを適量の蒸留水に溶解して加え、
さらに4%KOH−メタノール溶液100mlを滴下
し、40℃で30分攪拌した。反応液を氷浴に入れて生
成物を沈澱させ、濾別したのち、100mlの蒸留水に
溶解し、活性炭粉末を加えて過剰のヨウ素を除き、濾過
して得た濾液を凍結乾燥した。
【0032】次に、この乾燥物を蒸留水40mlに溶解
し、アンバーライト120−B(H型)80mg当量で
処理し、濃縮後、凍結乾燥してラクトン5.2gを得た。
この化合物は、図1の場合と同じく、IRスペクトル分
析の1740cm-1にラクトンのC=O間の伸縮振動が
認められることおよび13C−NMRより170.8ppm
にシグナルが認められることから、ラクトンと推定され
た。得られたラクトン0.7gをドライDMSO(ジメチ
ルスルホキサイド)4.4mlに溶解し、これに3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン0.25gを加えて窒素気
流下、70℃で6時間反応させた。生成物の一部(約0.
6ml)をサンプリングし、IR測定用,NMR測定用
サンプルとした。次いで、実施例1と同様にして行った
IRスペクトル分析より1540cm-1および1640
cm-1に第2級酸アミドのN−Hの変角振動とC=Oの
伸縮振動が認められた。さらに、13C−NMRよりアミ
ド結合に供する炭素のケミカルシフトが172ppm付
近に、また末端の糖が開環したことにより低磁場シフト
した6位の炭素が62.7ppm付近に認められることか
ら、化合物A2の構造が前記一般式(2)で表されるも
のと推定される。また、得られた残りの反応液はそのま
ま後記実施例4で使用した。
【0033】実施例4 化合物B2の合成 実施例3で得られた反応液を予め活性化(180℃、2
時間真空乾燥)しておいたシリカゲル(YMC社製、平
均孔径120Å、粒径5μm)3g中に加え、さらにド
ライDMSO9.6mlとピリジン4mlを添加し、90
℃で12時間反応させた。この反応液に4−メチルフェ
ニルイソシアナート4mlを添加し、80℃で5時間攪
拌したのち、溶液中に過剰のイソシアナート基が残存し
ていることをIRスペクトルにおいて2270cm-1
C=N間の伸縮振動を認めることにより確認した。この
反応液中のシラン化処理シリカゲルをテトラヒドロフラ
ン,メタノール,アセトン,ヘキサンで洗浄し、シリカ
ゲルに未反応の化合物A2等を除去した後、60℃で2
時間真空乾燥した。この化合物についてIRスペクトル
分析および元素分析を行った。元素分析結果を第1表に
示す。
【0034】その結果、IRスペクトルにおいて171
0cm-1にカルボニル基の伸縮振動が認められたことに
より、シリカゲルへの結合を確認し、化合物B2を得
た。得られた化合物B2のクロマト用分離剤としての性
能を向上させるため、一般的に行われるエンドキャッピ
ングをトリメチルクロロシランを用いて施した。このよ
うにして得られたものをガラスフィルターG4を用いて
濾過し、残査を前述と同様にテトラヒドロフラン,メタ
ノール,アセトン,ヘキサンで洗浄し60℃で2時間減
圧乾燥してクロマト用分離剤とした。各種ラセミ化合物
に対する分離剤として評価した結果を第2表に示す。
【0035】
【表2】
【0036】実施例5 化合物A3の合成 実施例3で得られたラクトン0.7gを用いてドライエチ
レングリコール4.4mlに溶解し、これに3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン0.25g加えて窒素気流下、
70℃で6時間反応させた。生成物の一部(約0.6m
l)をサンプリングし、IR測定用,NMR測定用サン
プルとした。次いで、実施例1と同様にして行ったIR
スペクトル分析より1540cm-1および1640cm
-1に第2級酸アミドのN−Hの変角振動とC=Oの伸縮
振動が認められた。さらに、13C−NMRよりアミド結
合に供する炭素のケミカルシフトが172ppm付近
に、また末端の糖が開環したことにより低磁場シフトし
た6位の炭素が62.7ppm付近に認められることか
ら、化合物A3の構造が推定される。また、得られた残
りの反応液はそのまま後記実施例6で使用した。
【0037】実施例6 化合物B3の合成 実施例5で得られた反応液を予め活性化(180℃、2
時間真空乾燥)しておいたシリカゲル(YMC社製、平
均孔径120Å、粒径5μm)3g中に加え、さらにド
ライエチレングリコール9.6mlとピリジン4mlを添
加し、90℃で12時間反応させた。得られた表面処理
シリカゲルをガラスフィルターG4を用いて濾過し、D
MF等で洗浄し、70℃で3時間真空乾燥した。次い
で、得られた3.7gの表面処理シリカゲルにDMA13
mlとピリジン3mlを加え、3、5−ジメチルフェニ
ルイソシアナート3.7gを添加し、80℃で12時間反
応させたのち、溶液中に過剰のイソシアナート基が残存
していることをIRスペクトル分析において2270c
-1にC=N間の伸縮振動を認めることにより確認し
た。この反応液中のシラン化処理シリカゲルをテトラヒ
ドロフラン,メタノール,アセトン,ヘキサンで洗浄し
た後、IRスペクトル分析および元素分析を行った。元
素分析結果を第1表に示す。
【0038】表から明らかなように、本化合物はIRス
ペクトルにおいて1710cm-1にカルボニル基の伸縮
振動が認められたことにより、シリカゲルへの結合を確
認して化合物B3を得た。得られた化合物B3のクロマト
用分離剤としての性能を向上させるため、一般的に行わ
れるエンドキャッピングをトリメチルクロロシランを用
いて施した。このようにして得られたものをガラスフィ
ルターG4を用いて濾過し、残査を前述と同様にテトラ
ヒドロフラン,メタノール,アセトン,ヘキサンで洗浄
し、60℃で2時間減圧乾燥してクロマト用分離剤とし
た。各種ラセミ化合物に対する分離剤として評価した結
果を第2表に示す。ここで用いた3,5−ジメチルフェ
ニルイソシアナートは3,5−ジメチルアニリンよりホ
スゲン,トリホスゲン等を用いて容易に得ることができ
る。
【0039】比較例 特開昭60−196663号公報に記載の合成法用い、
かつ本発明の合成方法と可及的に同じ条件を設定して分
離剤を合成した。マルトペンタオース1.2gをDMA1
2ml,ピリジン3ml中に溶解し、マルトペンタオー
スに理論上モル比で1:1になるように3−イソシアナ
ートプロピルトリエトキシシラン0.36gを添加し、8
0℃で5時間反応させた後、IRスペクトルよりイソシ
アナート基が消失したことを確認した。しかる後、実施
例1と同様にして活性化したシリカゲル3gに、この反
応液を添加し、90℃で12時間反応させた。得られた
表面処理シリカゲルをガラスフィルターG4を用いて濾
過し、DMF等で洗浄し、70℃で3時間真空乾燥し
た。このようにして得られた表面処理シリカゲルにDM
A13mlとピリジン3mlを加え、3,5−ジメチル
フェニルイソシアナート3.5gを添加し、80℃で12
時間反応させたのち、溶液中に過剰のイソシアナート基
が残存していることをIRスペクトル分析において22
70cm-1にC=N間の伸縮振動を認めることにより確
認した。
【0040】この反応液中の表面処理シリカゲルをテト
ラヒドロフラン,メタノール,アセトン,ヘキサンで洗
浄した後、IRスペクトル分析において1710cm-1
にカルボニル基の伸縮振動が認められたことにより、シ
リカゲルへの結合を確認した。得られたクロマト用分離
剤の性能を向上させるため、一般的に行われるエンドキ
ャッピングをトリメチルクロロシランを用いて施した。
このようにして得られたものをガラスフィルターG4を
用いて濾過し、残査を前記実施例と同様にテトラヒドロ
フラン,メタノール,アセトン,ヘキサンで洗浄し、6
0℃で減圧2時間乾燥してクロマト用分離剤とした。
3,5−ジメチルフェニルイソシアナートで修飾した分
離剤B3と同じ条件で比較を行った。結果を第2表に示
す。α値でみると、なかには比較例で得た分離剤の方が
良いものもあるが、比較例で得た分離剤では分離できな
いものが実施例6で得た分離剤B3では分離することが
できた。
【0041】応用例 光学分割用カラムの作製と光学分割能 実施例4,6および比較例で得た化合物を0.46×25
cmのステンレススチール製カラムにスラリー充填法に
て充填した。充填装置は京都クロマト社製のPS10,
PS−20オートパッキングシスウムを用いた。このカ
ラムを用いて光学分割能を評価した。高速液体クロマト
グラフシステムはウォーターズ社製の510ポンプおよ
び486UV検出器等を用いた。第2表および第3表
に、分離剤を充填したカラムによるラセミ化合物の光学
分割の例を示す。移動相にはヘキサン/イソプロパノー
ル溶液(90:10)を用い、流速は0.5ml/min とし
た。表中、#印は移動相としてヘキサン/イソプロパノ
ール溶液(99:1)を使用した。なお、耐溶媒性を評
価するため、50%イソプロパノール/ヘキサン溶液を
流速0.5ml/minで24時間流した後の光学分割能
を調べたが変化は認められず、耐溶媒性を有しているこ
とを確認した。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】本発明の新規オリゴ糖誘導体は、耐溶媒
性に優れ、クロマト用分離剤、特に光学分割剤として有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得たラクトンのIRスペクトルで
ある。
【図2】 実施例1で得た化合物A1のIRスペクトル
である。
【図3】 実施例2で得た化合物B1のIRスペクトル
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 30/48 G01N 30/48 N W (72)発明者 川村 吉也 愛知県江南市古知野町古渡132 (72)発明者 岡本 佳男 愛知県名古屋市東区矢田町2−66 名古 屋大学官舎222号 (56)参考文献 特開 平5−239103(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 15/04 B01J 20/22 C07B 57/00 C07H 23/00 C08B 37/00 G01N 30/48 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性を有するオリゴ糖の還元末端の
    アルデヒド基を酸化剤により酸化し、ラクトンを形成さ
    せ、このラクトン部位でアミノ基を有するシラン処理剤
    と化学結合させるか、もしくはアミノ基の他に反応性基
    を有するアミン化合物をそのアミノ基部分でオリゴ糖の
    還元末端側のラクトン部位と化学結合させた後、該アミ
    ン化合物の反応性基にシラン処理剤を化学結合させたの
    ち、下記の置換基(R)をオリゴ糖の水酸基の水素原子
    の一部もしくは全部に導入して得られるオリゴ糖誘導
    。(RはRa、 【化1】 【化2】 のいずれかであり、Raは置換もしくは非置換アルキル
    基又は置換もしくは非置換フェニル基である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオリゴ糖誘導体を有効成
    分とするクロマト用分離剤。
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