JP3291123B2 - 分離剤の製造方法 - Google Patents

分離剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分離剤の製造方法に関
し、詳しくは光学活性異性体分離用の分離剤の製造方法
に関する。更に詳しくは、多糖またはその誘導体と多孔
質担体とをシラン処理剤によって化学結合させた分離剤
を製造するにあたり、多孔質担体の反応性水酸基のモル
数に対して、該多孔質担体に結合したシラン処理剤のモ
ル数の割合、すなわちシラン処理剤の被覆率を30%以
80%以下にすることを特徴とする分離剤の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】これ
まで、セルロースやアミロースなどの多糖やその誘導体
をシリカゲル等の多孔質担体に化学結合させた化合物は
知られているが、多糖のもつ構造をなるべく壊すことな
く、シリカゲル等の多孔質担体に結合させようとする場
合、多糖側の架橋点をなるべく少なくする必要があっ
た。しかし、このような目的で表面処理シリカゲルと多
糖とを結合させる架橋剤を少なくしたり、あるいは特願
平5−135170号明細書、同5−257538号明
細書に記載されているように、多糖の還元末端のみを利
用して表面処理シリカゲルに化学結合させようとした場
合、当然反応性が低下し、高い結合量を得ることができ
ないという問題点があった。特に上記特許出願書類に記
載された、多糖の還元末端のみを利用して表面処理シリ
カゲルに化学結合させる場合、多糖側の反応部位が多糖
の末端1ヶ所のみであるため、反応性が低く、高い結合
量が得られないという問題点があった。高い結合量が得
られないと、生成物を分離剤として利用した場合、実用
的な分離が行われなかったり、分離の対象であるサンプ
ルの負荷量が低いという問題が生じる。
【0003】そこで、本発明者らは鋭意研究を重ねた結
果、反応溶液中で表面処理シリカゲルと、例えば多糖を
結合させる場合、表面に存在するシラン処理剤を減らし
ておくこと、つまり未反応のシラノール基を多く残すこ
とにより、多糖をシラン処理剤の官能基と効率よく結合
できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて
完成したのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は多糖
またはその誘導体と多孔質担体とをシラン処理剤によっ
て化学結合させた分離剤を製造する方法において、多孔
質担体の反応性水酸基のモル数に対して、シラン処理剤
被覆率が30%以上80%以下であることを特徴とする
分離剤の製造方法を提供するものである。
【0005】以下に本発明を詳細に説明する本発明に用
いられる親水性ポリマーである多糖またはその誘導体と
しては、通常、合成多糖,天然多糖及び多糖誘導体のい
ずれも用いられ、例えばα−1,4−グルカン(アミロ
ース)、β−1,4−グルカン(セルロース)、α−
1,6−グルカン(デキストラン)、β−1,6−グル
カン(プスツラン)、α−1,3−グルカン、β−1,
3−グルカン(カードラン,シゾフィラン)、α−1,
2−グルカン、β−1,2−グルカン、β−1,4−キ
トサン、β−1,4−N−アセチルキトサン(キチ
ン)、β−1,4−ガラクタン(ガラクタン)、α−
1,6−ガラクタン、β−1,2−フラクタン(イヌリ
ン)、β−2,6−フルクタン、β−1,3−キシラ
ン、β−1,4−キシラン、β−1,4−マンナン、α
−1,6−マンナン、プルラン、アガロース、澱粉等が
好ましいものとして挙げられる。これら多糖の平均重合
度は、通常3以上であり、上限は特に制限されないが、
取扱いの点から通常は1000以下が好ましい。
【0006】次に、多孔質担体とは、多孔質無機担体及
び多孔質有機担体のことであり、多孔質無機担体として
は、シリカゲル,珪藻土,ヒドロキシアパタイト,アル
ミナ,酸化チタン,マグネシア等があり、これらの中で
はシリカゲルが好ましい。なお、本発明に用いるシリカ
ゲルの粒径は1〜1000μm、好ましくは2〜100
μmであり、平均孔径は10Å〜100μm、好ましく
は5〜500nmである。一方、多孔質有機担体として
は、表面の極性が高い担体があり、具体的には、キチ
ン,キトサン,セルロース等の多糖を用いた担体やビニ
ルアルコール単位と架橋性単量体単位からなる共重合体
などがある。
【0007】本発明において、多糖またはその誘導体
の親和性をよくするために、表面処理を行ったシリカゲ
ルを用いることは特に好適である。表面処理は、有機シ
ラン化合物等のシラン剤を用いたシラン化処理やプラズ
マ重合による方法が一般的である。シリカゲルのシラン
化処理の具体例について説明すると、シリカゲルをアミ
ノプロピル基等の官能基を持つ有機シラン化合物で表面
処理する。この際、シリカゲルの表面に存在する反応性
シラノール基(reactive silanol groups) のモル数に対
するシリカゲル表面を被覆するシラン処理剤のモル数の
割合、すなわちシラン処理剤被覆率を30〜80%、好
ましくは40〜80%に抑えるようにする。なお、使用
したシリカゲルの表面に存在するシラノール基のうち反
応性シラノール基は、Journal of Chromatography,(199
1) 1d-8d, M. OKAMOTO et alの方法に基づき約3μmo
l/mとして評価した。このようにして得られた表面
処理シリカゲルは未反応のシラノール基が多く残るた
め、極性の高い表面となり、溶液中の多糖などの親水性
ポリマーを優位に吸着できるため、反応性が高くなると
考えられる。
【0008】この表面処理量を抑えた表面処理シリカゲ
ルに多糖またはその誘導体を結合させる方法としては、
例えば特願平5−135170号明細書に記載の方法で
得られたラクトン化アミロースをDMSO中に溶解して
シリカゲルの表面のアミノ基とアミド結合させる方法を
そのまま用いることができる。表面処理量を抑えた表面
処理シリカゲルは、公知の方法によりシリカゲルに添加
するシラン処理剤の量を調節することにより容易に調製
できる。一般的にはシラン処理剤で表面処理する場合、
シラノール基をできるだけ無くすような研究は多く行わ
れてきたが、本発明のように、シラン処理したシリカゲ
ルになるべく少ない架橋点で親水性ポリマーを結合させ
ようとする場合は、今までとは逆にシラノール基をでき
るだけ残すようにシラン処理剤での表面処理量を減らし
た方が良いことが明らかとなった。
【0009】なお、未反応のシラノール基の影響を無く
すために、常法によりエンドキャッピング処理を施すこ
ともできる。本発明に用いる担体の形状は特に制限され
ず、円筒状,角柱状,粒状,膜状などが好適な形状であ
り、特に多孔質膜を使用することにより、クロマト用に
適した分離剤を得ることができる。
【0010】表面処理シリカゲルと多糖またはその誘導
との結合様式としては、通常、エーテル、チオエーテ
ル、エステル、アミド、ウレタン、チオウレタン、ウレ
ア、チオウレアなどの結合のほかにアミノ基のアルキレ
ーションなどの結合様式をとることができ、使用したシ
ラン処理剤の官能基等により適宜選択することができ
る。
【0011】次に、シラン処理剤としては、上記の結合
様式をとりうるシラン処理剤またはその誘導体が用いら
れる。シラン処理剤は、シランカップリング剤として市
販されているものやアミノ基を持つように合成されたも
のなど任意に用いることができる。市販されているもの
の中では、(1) アミノ基を含むもの、(2) ビニル基を含
むもの、(3) 水酸基を含むもの、(4) ハロゲン基を含む
もの、(5) メルカプタン基を含むもの、(6) イソシアネ
ート基を含むもの、(7) エポキシ基を含むもの、(8) チ
オシアネート基を含むもの等の下記の一般式で示される
ものが用いられるが、好ましくはアミノ基を有するもの
が使用され、還元末端をラクトン化した場合や還元末端
を還元剤存在下で還元してアミノ化を行う場合は、第1
級アミンを持つものが好ましい。また、シラン処理剤と
多糖またはその誘導体を結合する際、ポリマー側を下記
のシラン処理剤の官能基と結合するように誘導体化して
おいてもよい。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】上記のシラン処理剤において、nは1〜
3までの整数が好ましく、Rは水素原子または炭素数
が1〜20程度のアルキル基またはそれから誘導される
基を、Rは炭素数が1〜20程度のアルキル基、置換
アルキル基、フェニル基、置換フェニル基等が共有結合
したものを示す。また、Xは少なくとも1個は炭素数が
1〜10までのアルコキシ基またはハロゲン原子、好ま
しくは塩素原子を示し、Yはハロゲン原子を示す。
【0021】本発明の方法において、多糖またはその誘
導体と多孔質担体とをシラン処理剤によって化学結合さ
せるには、公知の方法を適用すればよく、例えば特願平
5−135170号明細書記載の方法で行うことができ
る。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 表面処理シリカゲルの合成 予め活性化(180℃、2時間真空乾燥)しておいたシ
リカゲル(YMC社製、平均孔径30nm、粒径5μ
m、表面積170m/g)3gにドライベンゼン12
mlおよびドライピリジン0.6mlを添加し、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン0.048mlを加えて9
0℃で12時間反応させた。このようにして得た表面処
理シリカゲルを、メタノール,アセトン,ヘキサンで洗
浄した後、60℃で2時間真空乾燥した。同様にして、
3−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量だけを
それぞれ0.1ml,0.24ml,0.48ml,1mlに
変えて表面処理量の異なるシリカゲルを調製した。これ
ら表面処理シリカゲルを3−I,3−II, 3−III, 3
−IV, 3−Vとし、パーキンエルマー2400CHN元
素分析装置を用いて元素分析を行った。
【0023】セルロースの結合 セルロース(メルク社製、カラムクロマト用)10g,
LiCl10gおよびDMA134mlを500mlの
3ツ口フラスコ中にて80℃で溶解した。また、NaB
CN1gをDMSO34mlに溶解した溶液を調製
した。先に調製した各種表面処理シリカゲル2.9gを減
圧下でよく乾燥させた後に、セルロース溶液24mlと
NaBHCN溶液4.8mlを加え、さらに氷酢酸30
μlを添加し、80℃で5日間反応させた。得られたセ
ルロース結合シリカゲルをLiCl/DMA溶液で洗浄
し、メタノール,アセトン,ヘキサンで洗浄し、60℃
で2時間真空乾燥した。上記の方法で得た5種類のセル
ロース結合シリカゲルの元素分析を行い、糖の結合量を
調べ、この結果を第1表に示した。
【0024】
【表1】第1表
【0025】表面処理(C%):3−アミノプロピルト
リエトキシシランで表面処理したシリカゲルの炭素含量
(元素分析値)。 シラン処理剤被覆率:多孔質担体の表面に存在する全反
応性OH基のモル数(ここで使用したシリカゲルの反応
性シラノール基は3μmol/mとして計算)に対す
る、元素分析から算出された多孔質担体の表面に存在す
るシラン剤のモル数(この場合、元素分析のC,N比に
よりシラン処理剤1分子中3個のエトキシ基のうち平均
で1個が残っているとした)の割合である。 セルロース結合量:アミノプロピル基を有するよう表面
処理したシリカゲルに結合したセルロースの炭素含量
(元素分析から算出)。
【0026】応用例1 実施例1で得た分離剤を0.46×25cmのステンレス
スチール製カラムにスラリー充填法にて充填した。充填
装置は京都クロマト社製のPS10,PS−20オート
パッキングシステムを用いた。このカラムを用いて光学
分割能を評価したところ、弱いが光学分割能を示した。
【0027】応用例2 この例では、さらに光学分割能を向上させるため、以下
の操作をした。セルロース結合量の多かった3−IIのシ
リカゲルを用いて合成したセルロース結合表面処理シリ
カゲルをドライDMA−LiCl9ml,ピリジン3m
l中に分散させ、この反応液に3,5−ジメチルフェニ
ルイソシアネート2mlを添加し、80℃で14時間攪
拌した後、溶液中に過剰のイソシアナート基が残存して
いることをIRスペクトルにおいて2270cm−1
C=N間の伸縮振動を認めることにより確認した。
【0028】この反応液中の糖結合表面処理シリカゲル
をテトラヒドロフラン,メタノール,アセトン,ヘキサ
ンで洗浄し、60℃で2時間真空乾燥した。この化合物
についてIRスペクトル分析および元素分析を行った結
果、IRスペクトルにおいて1710cm−1にカルボ
ニル基の伸縮振動(第2級カーバミン酸エステルのC=
Oの吸収)が認められ、さらに元素分析値よりCは12.
25%であり、シリカゲルへの結合を確認し、この化合
物(光学分割用分離剤、シリカ孔径30nm,理論段数
=6600 ,t=6.00)をクロマト用分離剤とした。
【0029】応用例3 光学分割用カラムの作製と光学分割能 応用例2で得た分離剤を0.46×25cmのステンレス
スチール製カラムにスラリー充填法にて充填した。充填
装置は京都クロマト社製のPS10,PS−20オート
パッキングシステムを用いた。このカラムを用いて光学
分割能を評価した。なお、高速液体クロマトグラフシス
テムはウォーターズ510ポンプおよび486UV検出
器等を用い、溶離液はヘキサン:IPA=90:10を
用い、流速0.5ml/min、室温で行った。
【0030】結果を第2表に示した。この表から分かる
ように、本発明の分離剤はk値,α値共に高い分離特
性を示した。さらに、本発明により得られた光学分割用
カラムの耐溶媒性を調べるためテトラヒドロフラン(T
HF)溶液を流速1ml/minで200時間流した後
の光学分割能を調べたが、変化は認められず、優れた耐
溶媒性を確認できた。
【0031】
【表2】第2表 △ :旋光度検出器で分離が認められたが、UV検出器で
は認められなかった。 (+): 右旋性の化合物が先に溶出したことを示す。 (-): 左旋性の化合物が先に溶出したことを示す。
【0032】実施例2 表面処理シリカゲルの合成 予め活性化(180℃、2時間真空乾燥)しておいたシ
リカゲル(富士シリシア化学社製、平均孔径45nm、
粒径5μm、表面積64m/g)3gにドライベンゼ
ン12mlおよびドライピリジン0.6mlを添加し、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1mlを加えて
90℃で12時間反応させた。このようにして得た表面
処理シリカゲルをメタノール,アセトン,ヘキサンで洗
浄した後、60℃で2時間真空乾燥した。同様にして、
3−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量だけを
それぞれ0.3ml,0.5ml,0.9mlに変えて表面処
理量の異なるシリカゲルを調製した。これら表面処理シ
リカゲルを4−I,4−II, 4−III, 4−IVとし、パ
ーキンエルマー2400CHN元素分析装置を用いて元
素分析を行った。
【0033】セルロースの結合 セルロース(メルク社製、カラムクロマト用)10g,
LiCl10gおよびDMA134mlを500mlの
3ツ口フラスコ中にて80℃で溶解した。また、NaB
CN1gをDMSO34mlに溶解した溶液を調製
した。上記表面処理シリカゲルの合成で調製した4種
の表面処理シリカゲル2.9gを減圧下でよく乾燥させた
後に、セルロース溶液24mlとNaBHCN溶液4.
8mlを加え、80℃で5日間反応させた。このように
して得られたセルロース結合シリカゲルをLiCl/D
MA溶液で洗浄し、メタノール, アセトン, ヘキサンで
洗浄し、60℃で2時間真空乾燥した。
【0034】上記の方法で得た4種類のセルロース結合
シリカゲルの元素分析を行い、糖の結合量を調べた。そ
の結果を第3表に示した。
【0035】
【表3】第3表
【0036】表面処理(C%):3−アミノプロピルト
リエトキシシランで表面処理したシリカゲルの炭素含量
(元素分析値)。 シラン処理剤被覆率:多孔質担体の表面に存在する全反
応性OH基のモル数(ここで使用したシリカゲルの反応
性シラノール基は3μmol/mとして計算)に対す
る、元素分析から算出された多孔質担体の表面に存在す
るシラン剤のモル数(この場合、元素分析のC,N比よ
りシラン処理剤1分子中3個のエトキシ基のうち平均で
1個が残っているとした)の割合である。 セルロース結合量:アミノプロピル基を有するよう表面
処理したシリカゲルに結合したセルロースの炭素含量
(元素分析から算出)。
【0037】実施例3 表面処理シリカゲルの合成 予め活性化(180℃、2時間真空乾燥)しておいたシ
リカゲル(富士シリシア化学社製、平均孔径54nm、
粒径5μm、表面積57m/g)3gにドライベンゼ
ン12mlとドライピリジン0.6mlを添加し、3−
(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラ
ン0.1mlを加えて90℃で12時間反応させた。得ら
れた表面処理シリカゲルをメタノール,アセトン,ヘキ
サンで洗浄した後、60℃で2時間真空乾燥した。同様
にして、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリ
メトキシシランの添加量だけをそれぞれ0.3ml,0.5
ml,0.9ml,1.5mlに変えて表面処理量の異なる
シリカゲルを調製した。これら表面処理シリカゲルを5
−I,5−II, 5−III, 5−IV,5−Vとし、元素分
析を行った。
【0038】ラクトン化アミロースの合成 特願平5−135170号明細書に記載した方法と同様
な方法で合成したマルトペンタオースグルカノートカリ
ウム0.64gとグルコース1燐酸(G1P)38.5gを
580mlの滅菌超純水、DMSO252mlに溶解
し、pH6に調整し、その中にポテト由来の粗ホスホリ
ラーゼを1320単位添加した後、45℃で約5時間静
置した。糖鎖の伸長は、反応溶液の一部をサンプリング
し、トリクロロ酢酸で酵素を失活させた後、Fiske-Subb
arow法で遊離の燐酸量を定量することにより追跡した。
反応溶液を湯浴中で処理して酵素を失活させ濾過した
後、濃塩酸の添加によりpH1まで酸性にすることで、
グルカナート塩をラクトンに変換させた。その後、10
0%エタノールを反応液量と同量添加し、生成糖を沈澱
させた。さらに50%エタノール,100%エタノー
ル,ジエチルエーテル(またはヘキサン)で洗浄し、6
0℃で2時間真空乾燥して5.9gのラクトン化アミロー
スを得た。この化合物についてゲル濾過液体クロマトグ
ラフィー分析を行い、アミロース標準試薬(中埜酢店
製)による標準曲線より算出した平均重合度は123で
あった。また、燐酸定量から算出した平均重合度は90
であった。
【0039】前記の表面処理シリカゲルの合成で得ら
れた5種類の表面処理シリカゲル2.9gに、先に得たア
ミロースラクトン1gをドライDMSO9mlに溶解し
たものを加え、80℃で12時間アミド結合させた。得
られた表面処理シリカゲルをガラスフィルターG4を用
いて濾過し、残渣をDMSO,メタノール,アセトン,
ヘキサンで洗浄し、未結合のラクトン化アミロース等を
除き、60℃で2時間真空乾燥した。この5種類の糖結
合シリカゲルの元素分析を行い、糖の結合量を調べ、結
果を第4表に示した。
【0040】
【表4】第4表
【0041】表面処理(C%):3−(2−アミノエチ
ルアミノプロピル)トリメトキシシランで表面処理した
シリカゲルの炭素含量(元素分析値)。 シラン処理剤被覆率:多孔質担体の表面に存在する全反
応性OH基のモル数(ここで使用したシリカゲルの反応
性シラノール基は3μmol/mとして計算)に対す
る、元素分析から算出された多孔質担体の表面に存在す
るシラン剤のモル数(この場合、元素分析のC,N比よ
りシラン処理剤1分子中3個のメトキシ基のうち平均で
1個が残っているとした)の割合である。ラクトン化ア
ミロース結合量:アミノエチルアミノプロピル基を有す
るよう表面処理したシリカゲルに結合したラクトン化ア
ミロースの炭素含量(元素分析から算出)。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、多糖またはその誘導体
と多孔質担体とをシラン処理剤によって化学結合させた
分離剤を製造する際に、未反応のシラノール基を多く残
すようにシラン処理剤の量を調整することにより、多糖
またはその誘導体をシラン処理剤の官能基に効率よく結
合させ、分離能の優れた分離剤を製造することができ
る。したがって、この分離剤は光学活性異性体の分離の
ために好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−218249(JP,A) 特開 平5−255129(JP,A) 特開 昭61−181960(JP,A) 特開 平6−71170(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/00 - 20/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多糖またはその誘導体と多孔質担体とを
    シラン処理剤によって化学結合させた分離剤を製造する
    方法において、シラン処理剤被覆率が30%以上80
    以下であることを特徴とする分離剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 多孔質担体が、シリカゲルである請求項
    1記載の分離剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 分離剤が、光学活性異性体分離用の分離
    剤である請求項1記載の分離剤の製造方法。
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