JP3258487B2 - 炭酸ガスの深海投入方法及び装置 - Google Patents
炭酸ガスの深海投入方法及び装置Info
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Description
炭酸ガス(以下CO2 と記す)の回収処理に関し、回収
したCO2 を深海に投入する方法および装置に関する。
燃焼排ガスからCO2 を回収しこれを深海に投入するこ
とが検討されており、例えば特開平3−128792号
においてCO2 の深海投入方法及び装置が提案されてい
る。図5は、そのような従来のCO2 深海投入システム
の全体概念図である。CO2回収装置によって燃焼排ガ
スからCO2 が回収され、さらに液化される。液化され
たCO2 は船積みされるまで貯蔵タンク1に一時貯蔵さ
れる。2は洋上基地であり例えば岸壁から200マイル
沖、水深4000mの海域に浮上している。
との間は液化CO2 輸送船3により輸送される。洋上基
地2は輸送船3からCO2 を受取り、一時貯留する。輸
送中および荷役中のCO2 の温度・圧力はCO2 の3重
点近傍の例えば−55℃、6ata に保たれる。洋上基地
2には長さ約3000mの鋼管製の投入管4が設けられ
ており、この温度・圧力状態のCO2 がこの投入管4を
通して深海へ送り込まれる。
通る間に周囲の海水からの入熱により昇温し、圧力はオ
リフィス、圧力調節弁等により制御され、投入管4の下
端出口から放出されるCO2 の温度・圧力はその場の海
水温度および圧力と略同等となる。即ち約2℃、300
ata である。この状態のCO2 の密度は、その場の海水
の密度よりも大きく、投入管4から放出されたCO2 は
自重により海水中を沈降してゆく。
和物を生成するが、CO2 が溶け込んだ海水あるいは水
和物はいずれもその場の海水よりも密度が大きく、従っ
て深海へ投入されたCO2 が浮上してくることはない。
低温の炭酸ガスが送り込まれているので、特に投入管の
上方の部分は低温になっており投入管の外面に海水が氷
結する。投入管外面に付いた氷は、海水から投入管内の
CO2 への伝熱を阻害するので、投入管出口のCO2 温
度を約2℃にまで昇温させるためには、投入するCO2
の量を氷により阻害された伝熱量に見合った量にしてお
くことが必要となる。
能量は、周囲の海水からの伝熱量によって制限されるこ
とになり、この伝熱量を無視した投入可能量に比べ大幅
に少ないことになる。この伝熱量を無視してCO2 を多
量に投入すれば、CO2 の昇温は不十分であり、低温の
まま、例えば−30℃のCO2 が投入管下端より放出さ
れることになり、その場の海水が氷結するおそれがあ
る。氷は海水よりも密度が小さいので浮力が働き、投入
管出口付近で海水の上向きの流れが発生し、期待に反し
て投入したCO2 が短時間内に浮上する恐れがある。
高く、例えば−30℃としてこの温度で投入管に送り込
めばこの問題の解決にはなり得るが、CO2 の−30℃
に対応する飽和蒸気圧は約15ata であるから輸送船3
のCO2 タンクおよび洋上基地の一時貯留のタンクはこ
の圧力に応じた強度とする必要がある。これは3重点近
傍の6ata に比べて大幅な増加であり、それぞれのタン
クが数千m3 ないしそれ以上という大容量であることを
考慮すれば、この圧力増大は技術的にまた経済的に大き
な負担となる。
投入される、投入管内を通るあいだに周囲の海水からの
伝熱により昇温してゆくが、その昇温した温度に見合っ
た飽和蒸気圧以上の圧力を保持しておかないと、CO2
は投入管の内部で気化することになる。投入管内のCO
2 圧力は主として位置の変化に基づき略直線的に変化す
るが、投入管の上部においてCO2 が気化しないように
圧力を制御することが必要である。さらに投入管下端で
の放出時の圧力を約300ata にするためには、投入管
内のCO2 圧力を制御しておく必要がある。
問題点を解消し、深海へのCO2 投入量を大幅に増加さ
せることができ、しかも洋上基地のCO2 タンクやCO
2 輸送船のタンク強度を増加させることなくCO2 深海
投入が可能なCO2 の深海投入方法及び装置を提供する
ことを課題としている。
入を実施可能なCO2 圧力保持が可能なCO2 深海投入
装置を提供することを課題としている。
地のCO2 タンクから深海に達する投入管を通して深海
にCO2 を投入するCO2 の深海投入方法において深海
へのCO2 投入量を増加させ、しかもタンク強度を増加
させなくてもよくするという課題を解決するため、タン
クから投入管に投入するCO2 を、海水を加熱源とする
熱交換器によって加熱したのち投入管に投入する方法を
採用する。
よって加熱したのちCO2 を投入管に投入することによ
って、洋上基地のCO2 タンクからCO2 を昇温しない
で投入する場合に比較して、投入管への投入時のCO2
温度が高くなり、従って投入管下端でのCO2 温度を約
2℃にまで上昇させるに要する海水からの投入管内CO
2 への伝熱量が少なくても良くなる。
て伝熱が阻害されることにより投入管下端で海水が氷結
する恐れなく、CO2 を深海投入可能となる。なお、本
発明によって配設した熱交換器ではCO2 を−45℃な
いし−15℃に加熱するのが好ましい。
タンクから深海に達する投入管を通して深海に炭酸ガス
を投入する炭酸ガスの深海投入装置において、前記した
課題を解決するため、炭酸ガスタンクと投入管の間に設
けられ海水を加熱源として投入炭酸ガスを加熱する熱交
換器、及び投入管に設けられ炭酸ガスの圧力を調整する
複数個の圧力調整装置を備えた構成のCO2 深海投入装
置を採用する。
とにより前記したようにCO2 の深海投入を所期どおり
行なえると共に、投入管に圧力調整装置を複数個設けた
ものとすることによって投入管内のCO2 圧力が目的に
沿って多段に制御され、投入管の上部においてCO2 が
気化しないような圧力が確保されるとともに、投入管下
端における圧力を略その場の海水圧力に等しくすること
ができる。
実施例及び本発明による投入方法の実施の態様を具体的
に説明する。
洋上基地2に設けられるCO2 取扱装置の系統図であ
る。洋上基地2にはCO2 輸送船から受け取ったCO2
がタンク5に一時貯留されている。長さ約3000mの
投入管4が洋上基地2から垂下しており、CO2 が洋上
基地2のタンク5から投入管4を通じて深海に投入され
ている。
6ata であるが、CO2 ポンプ6により約15ata に加
圧され、CO2 昇温装置7により約−30℃に昇温され
ている。CO2 昇温装置7は海水ポンプ8により供給さ
れる海水を加熱源とするシェル・チューブ式の熱交換器
である。こうして投入管4に投入されるCO2 の状態は
約−30℃、15ata となっている。
あるいはオリフィスなどの圧力調整装置9が6個(第1
図には2個のみ表示)設けられており、投入管内のCO
2 圧力を調整している。図2乃至図4は投入管内のCO
2 の状態を示すグラフであり、11は温度を、13は圧
力を、14は密度を示す。投入時において−30℃であ
ったCO2 温度が投入管下端においては約2℃にまで昇
温されていることを示している。
は同一条件で投入した場合のCO2温度を点線15で示
しているが、この場合には投入管下端におけるCO2 温
度は約−30℃である。CO2 を投入前に昇温させる効
果が現れており、CO2 投入量を減少させずに、海水か
らの伝熱量は殆ど変化がないまま投入管下端のCO2温
度を約2℃まで昇温させることが出来ている。一点鎖線
12は、投入管内のCO2 温度11に対応したCO2 の
飽和蒸気圧であり、CO2 圧力13がこの飽和蒸気圧以
上に保たれていることを示している。
変わるがその状態を図4に示している。投入管内を下る
に従い、先ず温度上昇の影響が勝って密度は減少し、深
度が増すに連れ圧力増加の影響が勝って密度が増加して
ゆく状況が示されている。管内のCO2 圧力はこの密度
変化も折り込んで制御されており、図3に示すように投
入管下端においては約300ata になるように制御され
ている。
深海への放出時の温度や圧力、その他圧力調整装置の数
や配置間隔、ポンプや昇温装置などの数値は一例として
示したものであり、本発明の適用はこれらの値に一切限
定されないことは当然である。
を使用せず海水を加熱源として投入前にCO2 を昇温さ
せる熱交換器を設けたことにより海水から投入管内のC
O2 への伝熱量が少ない状況でも投入管下端出口でのC
O2 温度を約2℃にすることが出来、一定の投入管にお
いてCO2 投入量を大幅に増加させることが出来る。
タンクから投入するCO2 を取り出した後にCO2 の昇
温(加圧)を行っているので、洋上基地のタンク5およ
びCO2 輸送船に搭載されているタンクの強度を増加さ
せる必要はなく、これらの技術的および経済的な負担が
無い。
調整装置を複数個設けた構成としたものでは、安定した
CO2 の投入作業を実施するために、投入管の上部にお
いてCO2 が気化しないような圧力を確保するととも
に、投入管下端部でのCO2 圧力をその場の海水圧力に
略等しくなるように、投入管内のCO2 圧力を容易に制
御することが出来るものとなる。
の系統図。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 洋上基地の炭酸ガスタンクから深海に達
する投入管を通して深海に炭酸ガスを投入する炭酸ガス
の深海投入方法において、海水を加熱源とする熱交換器
によって炭酸ガスを加熱したのち前記投入管に投入する
ことを特徴とする炭酸ガスの深海投入方法。 - 【請求項2】 前記熱交換器によって投入炭酸ガスを−
45℃ないし−15℃に加熱する請求項1記載の炭酸ガ
スの深海投入方法。 - 【請求項3】 洋上基地の炭酸ガスタンクから深海に達
する投入管を通して深海に炭酸ガスを投入する炭酸ガス
の深海投入装置において、前記炭酸ガスタンクと前記投
入管の間に設けられ海水を加熱源として投入炭酸ガスを
加熱する熱交換器、及び前記投入管に設けられ炭酸ガス
の圧力を調整する複数個の圧力調整装置を有することを
特徴とする炭酸ガスの深海投入装置。
Priority Applications (3)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03348194A JP3258487B2 (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | 炭酸ガスの深海投入方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07241459A JPH07241459A (ja) | 1995-09-19 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03348194A Expired - Fee Related JP3258487B2 (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | 炭酸ガスの深海投入方法及び装置 |
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Country | Link |
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-
1994
- 1994-03-03 JP JP03348194A patent/JP3258487B2/ja not_active Expired - Fee Related
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